説明

クリーニング装置、転写ユニット及び画像形成装置

【課題】転写ベルトから取り除かれた残留トナーをトナー回収部材まで搬送する距離を短くすることができるクリーニング装置、転写ユニット及び画像形成装置を得る。
【解決手段】クリーニングブレード104は、中間転写ベルト16上の残留トナーを中間転写ベルト16から剥ぎ取り、非画像領域にある開放部106へ搬送させる。非画像領域を搬送される残留トナーは、除去ブレードによって中間転写ベルト16から取り除かれる。取り除かれた残留トナーは、残留トナー回収路116を通って回収ボックス118に回収される。残留トナーを中間転写ベルト16の非画像領域によって搬送させることで、回収ボックスまで搬送する距離が短くなる構成となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング装置、転写ユニット及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、転写ベルト上に残留した残留トナーを回収するクリーニング装置が記載されている。
【0003】
詳細には、転写ベルトの全幅にわたって設けられたブラシ帯電型の回収部が、転写ベルト上に残留した残留トナーをトナー画像に対して逆極性となるように帯電して回収するようになっている。さらに、回収できなかった逆極性残留トナーは、一次転写部で感光体ドラムによって回収される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−199365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、転写ベルトから取り除かれた残留トナーをトナー回収部材まで搬送する距離を短くすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るクリーニング装置は、周方向へ回転して像保持体に形成されたトナー画像が転写される、又は記録媒体を像保持体に形成されたトナー画像が転写される転写領域に搬送する無端状の転写ベルト上に残留した残留トナーを前記転写ベルトから剥ぎ取り、前記転写ベルトにおけるトナー画像が形成されない、又は記録媒体が載せられない非画像領域に前記転写ベルトから剥ぎ取った残留トナーを搬送させる清掃部材と、前記清掃部材に対して前記転写ベルトの回転方向下流側に設けられると共に、前記清掃部材によって非画像領域に搬送させられて前記転写ベルトによって搬送される残留トナーを前記転写ベルトから取り除く除去手段と、除去手段によって転写ベルトから取り除かれた残留トナーを回収するトナー回収部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に係るクリーニング装置は、請求項1に記載において、前記清掃部材によって前記非画像領域に搬送された残留トナーを帯電させる帯電手段が設けられることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3に係るクリーニング装置は、請求項2に記載において、前記帯電手段は、残留トナーを前記像保持体に形成されたトナー画像を構成するトナーの極性に対して逆極性に帯電し、前記除去手段は、逆特性に帯電した残留トナーを前記転写ベルトから回収する像保持体と、前記像保持体が回収した残留トナーを前記像保持体から取り除くクリーニング部材と、で構成されることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4に係るクリーニング置は、請求項1〜3何れか1項に記載において、前記清掃部材に対して前記転写ベルトの回転方向上流側の前記転写ベルト上には、回転する前記転写ベルトと従動回転して前記清掃部材によって前記転写ベルトから掻き取られた残留トナーを非画像領域に搬送させるコイルオーガが設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5に係る転写ユニットは、周方向へ回転し、像保持体に形成されたトナー画像が転写される、又は記録媒体を像保持体に形成されたトナー画像が転写される転写領域に搬送する無端状の転写ベルトと、前記転写ベルトに残留した残留トナーを清掃する請求項1〜4何れか1項に記載のクリーニング装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6に係る画像形成装置は、トナー画像が形成される像保持体と、前記像保持体に形成されたトナー画像が転写される請求項5に記載の転写ユニットと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、転写ベルトから取り除かれた残留トナーをトナー回収部材まで搬送する距離を短くすることができる。
【0013】
本発明の請求項2の構成によれば、残留トナーを帯電させない場合と比して、非画像領域に搬送されて搬送される残留トナーが飛散するのをクーロン力により抑制することができる。
【0014】
本発明の請求項3の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、像保持体を通して残留トナーを回収することができる。
【0015】
本発明の請求項4の構成によれば、コイルオーガが設けられない場合と比して、残留トナーを容易に非画像領域に搬送させることができる。
【0016】
本発明の請求項5の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、転写ユニットを安価な構成とすることができる。
【0017】
本発明の請求項6の構成によれば、本構成を有さない場合と比して、画像形成装置を安価な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置を構成するクリーニングブレード及び帯電ロール等を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置を構成する除去装置及び回収ボックス等を示した斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された画像形成ユニットを示した構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に採用された画像形成ユニットを示した構成図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示した概略構成図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るクリーニング装置を構成する感光体及び回収ボックス等を示した斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るクリーニング装置を構成する感光体及び回収ボックス等を示した斜視図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るクリーニング装置を構成する感光体、回収ブレード及び回収ボックス等を示した斜視図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係るクリーニング装置を構成するクリーニングブレード、コイルオーガ及び帯電ロール等を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置及び転写ユニットの一例が採用された画像形成装置を図1〜図5に従って説明する。
【0020】
(全体構成)
図5に示されるように、画像形成装置10の内部には、画像処理装置(図示省略)が設けられている。画像処理装置は、パーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに画像処理を施すようになっている。
【0021】
画像形成装置10内部の上方には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーを収容するトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kが設けられている。なお、以後の説明では、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(黒)の各色に対応する部材の符号にY、M、C、Kを付与して区別する。
【0022】
また、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kには、それぞれトナー供給路(図示省略)の一端が接続されている。そして、トナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kは、交換可能とされており、空のトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kを取り出して、新しいトナーカートリッジ11Y、11M、11C、11Kを装填できるようになっている。
【0023】
さらに、画像形成装置10内部の中央には、Y、M、C、Kの現像剤に対応する4つの画像形成ユニット12(12Y、12M、12C、12K)が、右斜め下方に向けて互いに一部を重ねた状態で配置されている(図3参照)。
【0024】
この現像剤は、非磁性タイプのトナーと、磁性を有するキャリアとが混合されたものである。そして、トナー供給路の他端が、4つの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kにそれぞれ接続されており、各色のトナーが各画像形成ユニット12に補給されるようになっている。
【0025】
一方、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの上方には、転写ユニット14が設けられている。転写ユニット14は、中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の内側に配置され、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの各トナー画像を中間転写ベルト16に多重転写させる4つの一次転写部材としての一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kと、中間転写ベルト16上で重ねられたトナー画像を、記録媒体としてのシート部材Pに転写させる二次転写ロール20と、二次転写ロール20でシート部材Pに転写されずに中間転写ベルト16に残留した残留トナーを清掃するクリーニング装置102を含んで構成されている。なお、クリーニング装置102については詳細を後述する。
【0026】
中間転写ベルト16は、図示しないモータで駆動されると共に二次転写ロール20と対向配置された駆動ロール26と、中間転写ベルト16の張力を調整する架橋ロール22と、テンションロール24の間に巻き掛けられており、駆動ロール26により、矢印X方向(反時計回り方向)に循環駆動されるようになっている。
【0027】
また、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、中間転写ベルト16を挟んでそれぞれの画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kに設けられた像保持体としての感光体28(28Y、28M、28C、28K)と対向配置されている。さらに、一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kは、給電ユニット(図示省略)によって、トナー極性(本実施例ではマイナス極性)とは逆極性の転写バイアス電圧が印加されている。なお、二次転写ロール20も、給電ユニットによって、トナー極性とは逆極性の転写バイアス電圧が付与されるようになっている。
【0028】
さらに、画像形成装置10の内部には、画像形成装置10の各部の駆動制御を行う制御ユニット36が設けられている。また、画像形成ユニット12の下側には、帯電された感光体28の表面に各色に対応した露光光L(LY、LM、LC、LK)を照射して静電潜像を形成する露光ユニット40が設けられている。
【0029】
露光ユニット40の内部には、各露光光Lを主走査方向に走査するためのf−θレンズ(図示省略)及びポリゴンミラー42が設けられている。さらに、4本の露光光LY、LM、LC、LKを、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28に向けて出射するためのガラス窓44Y、44M、44C、44Kが設けられている。
【0030】
一方、露光ユニット40の下側には、シート部材Pが収納された給紙カセット46が配置されている。また、給紙カセット46の端部から鉛直方向上方には、シート部材Pを搬送する用紙搬送路50が設けられている。
【0031】
用紙搬送路50には、シート部材Pを給紙カセット46から送り出す給紙ロール48と、シート部材Pを1枚ずつ給紙させる用紙分離搬送用のロール対52と、中間転写ベルト16上の画像の移動タイミングとシート部材Pの搬送タイミングを合わせる用紙先端位置合わせロール54とが設けられている。
【0032】
また、二次転写ロール20の上方には、定着装置60が設けられている。定着装置60は、加熱された加熱ロール62と、この加熱ロール62に圧接された加圧ロール64とを備えている。ここで、二次転写ロール20によって各色のトナー画像が転写されたシート部材Pは、加熱ロール62と加圧ロール64との圧接部で熱及び圧力により定着され、シート部材Pの搬送方向下流側に設けられた排紙ロール66によって、画像形成装置10の上部に設けられた排出トレイ68に排出されるようになっている。
【0033】
次に、画像形成ユニット12について説明する。
【0034】
ここでは、一例として、画像形成ユニット12Mについて説明する。なお、他の各色に対応した画像形成ユニット12Y、12C、12Kは、画像形成ユニット12Mと同様の構造であるため、説明を省略する。また、画像形成ユニット12の各構成部材については、符号Mを省略して表示する。
【0035】
図4に示されるように、画像形成ユニット12は、矢印A(時計回り)方向に回転駆動される像保持体としての感光体28を備えている。
【0036】
さらに、画像形成ユニット12には、感光体28の表面に接触して感光体28を一様に帯電する帯電部材としての帯電ロール72と、前述した露光光Lにより感光体28上に形成された静電潜像を各色の現像剤(トナー)で現像する現像部70と、転写後の感光体28の表面に光を照射して除電を行う除電装置の一例としてのイレーズランプ74と、除電後の感光体28の表面を清掃する感光体清掃部材としてのクリーニングユニット76とが設けられている。帯電ロール72、現像部70、イレーズランプ74、及びクリーニングユニット76は、感光体28の表面と対向して、感光体28の回転方向上流側から下流側へ向けてこの順番で配置されている。
【0037】
帯電ロール72は、画像形成ユニット12の筐体77に回転可能に設けられ、帯電ロール72の外周面で感光体28と反対側には、帯電ロール72の表面に付着したトナー等を取り除くクリーニングロール79が回転可能に設けられている。
【0038】
現像部70は、画像形成ユニット12の一端部(紙面左端部)に配置され、現像剤Gが充填された現像剤収容室80と、現像剤収容室80と感光体28の間に設けられた現像室82と、現像剤収容室80及び現像室82の下側に設けられ、現像剤収容室80から供給された現像剤Gを攪拌(混合)して現像室82に搬送する攪拌搬送室84とを有している。
【0039】
現像剤収容室80の上部には、矩形状の第1開口部83が形成されている。そして、第1開口部83を介して外部から現像剤Gが流入され充填される。さらに、現像剤収容室80の下部には、矩形状の第2開口部87が形成されている。ここで、現像剤収容室80と攪拌搬送室84は、第2開口部87を介して繋がってしており、現像剤収容室80に充填され現像剤収容室80内を流下した現像剤Gは、第2開口部87を通って攪拌搬送室84に流入するようになっている。
【0040】
ここで、第2開口部87は、予め、封止部材85Bで封止されており、画像形成装置10への画像形成ユニット12の取付け前に、封止部材85Bが画像形成ユニット12の一方の側面から引き抜かれることで、開放されるようになっている。
【0041】
攪拌搬送室84は、仕切壁93で仕切られ、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bの二つの攪拌路が設けられている。仕切壁93の両端部位置には、開口された連通口が(図示省略)が形成されており、連通口によって、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bが繋がっている。
【0042】
第2攪拌路84Bの上面は開口となっており、上方に現像ロール78が配置され、現像室82と繋がっている。
【0043】
第1攪拌路84Aの一端(図4の紙面奥側)は、トナー供給路が接続されるトナー供給口が形成されている。これにより、トナーカートリッジ11(図5参照)のトナーが、トナー供給路を流下して、画像形成ユニット12に供給されるようになっている。
【0044】
また、第1攪拌路84Aには、第1攪拌搬送部材91が配置されている。同様にして、第2攪拌路84Bには、第2攪拌搬送部材92が配置されている。第1攪拌搬送部材91が矢印C方向、第2攪拌搬送部材92が矢印D方向(矢印C、Dは異なる方向)にそれぞれ回転することで、攪拌搬送室84内の現像剤Gは、供給されたトナーと混合され、それぞれ第1攪拌路84A内、及び第2攪拌路84B内を攪拌混合されながら搬送されて、第1攪拌路84Aと第2攪拌路84Bとの間を循環するようになっている。
【0045】
さらに、現像室82には、感光体28の長手方向を軸方向とし、矢印B方向(反時計方向)に回転し、現像時に現像剤G中のトナーを感光体28の潜像に向けて移動させ、トナー画像を形成させる現像ロール78が設けられている。さらに、現像室82には、層規制部材としての薄層形成ロール97が設けられている。
【0046】
次に、画像形成装置10の画像形成工程について説明する。
【0047】
図5に示すように、画像処理装置(図示省略)で画像処理が施された画像データは、さらにイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の色材階調データに変換され、露光ユニット40に順次出力される。露光ユニット40では、各色の色材階調データに応じて各露光光Lを出射して、各感光体28に走査露光を行い、静電潜像が形成される。
【0048】
感光体28上に形成された静電潜像は、現像部70(図4参照)によって、各色のトナー画像として顕在化され現像が行われる。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kの感光体28上に順次形成された各色のトナー画像は、4つの一次転写ロール18Y、18M、18C、18Kによって中間転写ベルト16上に順次多重転写される。
【0049】
中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー画像は、二次転写ロール20によって、搬送されてきたシート部材P上に二次転写される。そして、シート部材P上の各色のトナー画像が定着装置60で定着され、定着後のシート部材Pは、排出トレイ68に排出される。
【0050】
トナー画像の転写工程が終了した後の感光体28の表面は、クリーニングユニット76(図4参照)によって残留トナーや紙粉等が除去される。また、中間転写ベルト16上の残留トナーや紙粉等は、クリーニング装置102で除去される。
【0051】
(要部構成)
次に、クリーニング装置102について説明する。
【0052】
図1に示されるように、クリーニング装置102には、中間転写ベルト16上に残留した残留トナーを中間転写ベルト16から掻き取る平板矩形状の清掃部材としてのクリーニングブレード104が設けられている。
【0053】
詳細には、このクリーニングブレード104の先端部104Aを中間転写ベルト16に当てることで、残留トナーを中間転写ベルト16から掻き取るようになっている。さらに、クリーニングブレード104に対して、中間転写ベルト16の回転方向上流側には、板状のシール部材107が、中間転写ベルト16の幅方向に渡って設けられ、クリーニングブレード104によって掻き取られた残留トナーが散乱するのを防止している。
【0054】
また、クリーニングブレード104とシール部材107の一端側(図1に示す矢印K側)の一端部は、中間転写ベルト16の一端縁まで伸びている。そして、クリーニングブレード104の一端側には、クリーニングブレード104、中間転写ベルト16及びシール部材107と当る密着部材(図示省略)が設けられており、クリーニングブレード104によって掻き取られた残留トナーが、一端側へ飛散しないようになっている。
【0055】
これに対し、クリーニングブレード104の他端部は、中間転写ベルト16の他端縁まで伸びておらず、中間転写ベルト16の他端側には、クリーニングブレード104の先端部104Aと当らない開放部106が設けられている。
【0056】
この開放部106は、トナー画像が形成されない非画像領域に設けられており、この非画像部に設けられた開放部106に、残留トナーがクリーニングブレード104によって搬送されるようになっている。ここで搬送されるとは、中間転写ベルト16の回転とクリーニングブレード104との接触によりトナーが自然に開口部106へ移動する態様である。
【0057】
さらに、開放部106には、クリーニングブレード104によって開放部106に搬送された残留トナーを帯電させる帯電手段としての帯電ロール108が設けられている。そして、この帯電ロール108には、感光体28に形成されたトナー画像を構成するトナーの極性に対して逆極性(本実施の形態では正極性)の電圧が印加され、帯電ロール108は残留トナーをプラスに帯電するようになっている。
【0058】
この構成により、クリーニングブレード104によって掻き取られた残留トナーは、開放部106に搬送され、帯電ロール108によってプラスに帯電してクーロン力により中間転写ベルト16の非画像領域に引き付けられながら中間転写ベルト16によって中間転写ベルト16の回転方向下流側に搬送される構成となっている。
【0059】
図2、図5に示されるように、クリーニングブレード104の中間転写ベルト16の回転方向下流には、中間転写ベルト16によって搬送される残留トナーを中間転写ベルト16から取り除く除去手段としての除去装置110が設けられている。
【0060】
この除去装置110には、中間転写ベルト16の非画像領域に先端部(図2に示す上端部)が当ると共に、箱状の筐体114に支持された除去ブレード112がテンションロール24と中間転写ベルト16を挟んで対向するように設けられている。そして、この除去ブレード112が、中間転写ベルト16によって非画像領域を搬送される残留トナーを中間転写ベルト16から取り除く構成となっている。
【0061】
さらに、筐体114には、除去ブレード112によって取り除かれた残留トナーが搬送される円筒状の残留トナー回収路116の一端が接続されており、残留トナー回収路116の他端は、鉛直方向下方に伸びて、残留トナーを回収するトナー回収部材としての回収ボックス118に接続されている。
【0062】
(作用)
次に、クリーニング装置102の作用について説明する。
【0063】
図5に示されるように、感光体28によって中間転写ベルト16上に多重転写された各色のトナー画像は、中間転写ベルト16によって搬送され、二次転写ロール20によって、シート部材P上に二次転写される。そして、シート部材P上の各色のトナー画像が定着装置60で定着され、定着後のシート部材Pは、排出トレイ68に排出される。
【0064】
二次転写ロール20によって、シート部材Pに転写されずに中間転写ベルト16に残留した残留トナーは、中間転写ベルト16によって、中間転写ベルト16の回転方向下流側に搬送される。
【0065】
図1に示されるように、中間転写ベルト16によって搬送される残留トナーは、クリーニング装置102に備えられたクリーニングブレード104へ到達し、クリーニングブレード104は、残留トナーを中間転写ベルト16から剥ぎ取り、非画像領域にある開放部106へ搬送される。
【0066】
開放部106へ搬送された残留トナーは、帯電ロール108によってプラスに帯電し、クーロン力により中間転写ベルト16に引き付けられた状態で、中間転写ベルト16によって中間転写ベルト16の回転方向下流へ搬送される。
【0067】
図2に示されるように、中間転写ベルト16によって中間転写ベルト16の非画像領域を搬送される残留トナーは、除去ブレード112によって中間転写ベルト16から取り除かれる。
【0068】
さらに、除去ブレード112によって中間転写ベルト16から取り除かれた残留トナーは、残留トナー回収路116を通って回収ボックス118に回収される。
【0069】
このように、クリーニングブレード104によって掻き取られた残留トナーは、中間転写ベルト16の非画像領域を搬送され、回収ボックス118の上方に設けられた除去ブレード112によって中間転写ベルト16から取り除かれ、残留トナー回収路116を通って回収ボックス118に回収されるようになっている。
【0070】
つまり、残留トナーを中間転写ベルト16の非画像領域によって搬送させることで、回収ボックス118に他端部が接続される残留トナー回収路の一端部をクリーニングブレード104まで伸ばす必要がない構成となっている。すなわち、中間転写ベルト16から取り除かれた残留トナーを回収ボックス118まで搬送する距離が短くなる構成である。
【0071】
また、中間転写ベルト16から取り除かれた残留トナーを回収ボックス118まで搬送する距離を短くできることで、残留トナー回収路116が短くなできる構成となっている。
【0072】
また、残留トナーを帯電ロール108により帯電させることで、中間転写ベルト16によって搬送される残留トナーをクーロン力により中間転写ベルト16に引き付けることで、搬送される残留トナーが飛散しない構成となっている。
【0073】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、本願発明を感光体に形成されたトナー画像が転写ベルトに転写される構成を例にとって説明したが、感光体に形成されたトナー画像が転写ベルトによって搬送されるシート部材に転写される構成に本願発明を採用してもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、残留トナーをプラスに帯電させたが、特に、プラスに限定されるものではなく、感光体に形成されたトナー画像の帯電極性に対して逆極性を帯電させればよい。
【0075】
また、上記実施形態では、帯電ロール108によって残留トナーを帯電させたが、帯電ブラシ等を用いて残留トナーを帯電させてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、特に言及しなかったが、クリーニングブレード104が中間転写ベルト16から掻き取った残留トナーを開放部106へ搬送されるのに、クリーニングブレード104を中間転写ベルト16の表面に沿って適宜傾けてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、特に言及しながったが、クリーニングブレード104とシール部材107の間に、クリーニングブレード104の長手方向に伸びる搬送部材等を設けて、この搬送部材等をモータで回転させ、クリーニングブレード104によって掻き取られた残留トナーを開放部106に搬送されてもよい。
【0078】
次に、本発明のクリーニング装置及び転写ユニットの一例が採用された画像形成装置の第2実施形態を図6に従って説明する。
【0079】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0080】
図6に示されるとおり、本第2実施形態では、感光体124Yは、中間転写ベルト16の全幅に渡って設けられている。つまり、画像が形成されない非画像領域にも感光体124Yの外表面が当るようになっている。なお、他の各色に対応した感光体124M、124C、124Kは、感光体124Yと同様の構造であるため、説明を省略する。また、感光体124Yの各構成部材については、符号Yを省略して表示する。
【0081】
さらに、感光体124の外周部に設けられたクリーニング部材としてのクリーニングユニット76には、感光体124の全幅にわたって設けられ、先端部が感光体124の表面に斜めに当り、感光体124から残留トナー等の異物を掻き取る感光体ブレード126が設けられている。
【0082】
また、感光体ブレード126に対して感光体124の回転方向上流側には、感光体ブレード126によって感光体124から掻き取られた残留トナー等の異物を感光体124の回転軸方向一端部へ搬送するオーガ部材128が設けられている。
【0083】
このオーガ部材128は、モータ部材(図示省略)から駆動力を受けて回転する円柱状の軸部128Aと、軸部128Aの外周面に設けられ、回転することで残留トナー等の異物を一端部に向けて搬送する螺旋状の羽根部128Bを備えている。
【0084】
さらに、オーガ部材128の一端部には、オーガ部材128によって搬送された残留トナー等の異物を回収するトナー回収部材としての回収ボックス130が設けられている。つまり、本実施形態のクリーニング装置122は、感光体124、感光体ブレード126、オーガ部材128及び回収ボックス130を含んで構成されている。
【0085】
以上の構成により、クリーニングブレード104(図1参照)によって中間転写ベルト16から掻き取られ、帯電ロール108(図1参照)によってプラスに帯電して中間転写ベルト16の非画像領域により搬送される残留トナーは、イナスに帯電したトナー画像とは逆に、中間転写ベルト16から感光体124へと移行する。
【0086】
感光体124に移行した残留トナーは、感光体124に備えられた感光体ブレード126によって感光体124から掻き取られ、オーガ部材128によって搬送されて回収ボックス130に回収されるようになっている。
【0087】
つまり、中間転写ベルト16に残留した残留トナーを回収するために、専用の回収路及び回収ボックスを設けることなく、中間転写ベルト16の残留トナーを回収できる構成となっている。
【0088】
次に、本発明のクリーニング装置及び転写ユニットの一例が採用された画像形成装置の第3実施形態を図7に従って説明する。
【0089】
なお、第2実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0090】
図7に示されるように、各感光体124Y、124M、124C、124Kに設けられた回収ボックス130Y、130M、130C、130Kには、残留トナー回収路132に設けられた分岐回収路134Y、134M、134C、134Kの一端が接続されている。
【0091】
さらに、分岐回収路134Y、134M、134C、134Kの他端は、主回収路136に接続されおり、主回収路136には合流回収路138の一端が接続されており、合流回収路の他端は総合回収ボックス140に接続されている。
【0092】
この構成により、各感光体124Y、124M、124C、124Kによって回収された残留トナーは、残留トナー回収路132を通って総合回収ボックス140に回収されるようになっている。つまり、本実施形態のクリーニング装置131は、総合回収ボックス140を含んで構成されている。
【0093】
次に、本発明のクリーニング装置及び転写ユニットの一例が採用された画像形成装置の第4実施形態を図8に従って説明する。
【0094】
なお、第2実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0095】
図8に示されるように、本第4実施形態では、感光体150は、中間転写ベルト16の全幅にわたって設けられておらず、画像が形成されない非画像領域には、感光体150の外表面が当らないようになっている。
【0096】
また、残留トナーが搬送される非画像領域に先端部が当るように、除去装置148を構成する回収ブレード154が、筐体152に支持されて設けられ、この回収ブレード154によって中間転写ベルト16によって搬送される残留トナーが中間転写ベルト16から取り除かれるようになっている。
【0097】
さらに、回収ブレード154によって中間転写ベルト16から取り除かれた残留トナーは、L字状のトナー回収路156を通して回収ボックス130に回収されるようになっている。
【0098】
つまり、本実施形態のクリーニング装置146は、除去装置148を含んで構成されている。
【0099】
次に、本発明のクリーニング装置及び転写ユニットの一例が採用された画像形成装置の第5実施形態を図9に従って説明する。
【0100】
なお、第1実施形態と同一部材については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0101】
図9に示されるように、クリーニングブレード104とシール部材107の間には、クリーニング装置160を構成するコイルオーガ158が設けられ、このコイルオーガ158は、コイルオーガ158の長手方向を中間転写ベルト16の幅方向に向けて、中間転写ベルト16上に載せられている。
【0102】
この構成により、中間転写ベルト16が回転すると、中間転写ベルト16に載せられたコイルオーガ158は、中間転写ベルト16と従動回転し、クリーニングブレード104によって掻き取られた残留トナーは、回転するコイルオーガ158によって開放部106に搬送されるようになっている。
【0103】
つまり、特別な駆動源を用いることなく、コイルオーガ158を回転させ、残留トナーを開放部106へ搬送するようになっている。
【符号の説明】
【0104】
10 画像形成装置
14 転写ユニット
16 中間転写ベルト(転写ベルト)
28 感光体(像保持体)
76 クリーニングユニット(クリーニング部材)
102 クリーニング装置
104 クリーニングブレード(清掃部材)
108 帯電ロール(帯電手段)
110 除去装置(除去手段)
118 回収ボックス(トナー回収部材)
122 クリーニング装置
124 感光体(像保持体)
130 回収ボックス(トナー回収手段)
131 クリーニング装置
140 総合回収ボックス(トナー回収手段)
146 クリーニング装置
150 感光体(像保持体)
148 除去装置(除去手段)
158 コイルオーガ
160 クリーニング装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向へ回転して像保持体に形成されたトナー画像が転写される、又は記録媒体を像保持体に形成されたトナー画像が転写される転写領域に搬送する無端状の転写ベルト上に残留した残留トナーを前記転写ベルトから剥ぎ取り、前記転写ベルトにおけるトナー画像が形成されない、又は記録媒体が載せられない非画像領域に前記転写ベルトから剥ぎ取った残留トナーを搬送さ搬送する清掃部材と、
前記清掃部材に対して前記転写ベルトの回転方向下流側に設けられると共に、前記清掃部材によって非画像領域に搬送されて前記転写ベルトによって搬送される残留トナーを前記転写ベルトから取り除く除去手段と、
除去手段によって転写ベルトから取り除かれた残留トナーを回収するトナー回収部材と、
を備えるクリーニング装置。
【請求項2】
前記清掃部材によって前記非画像領域に搬送された残留トナーを帯電させる帯電手段が設けられる請求項1に記載のクリーニング装置。
【請求項3】
前記帯電手段は、残留トナーを前記像保持体に形成されたトナー画像を構成するトナーの極性に対して逆極性に帯電し、
前記除去手段は、逆極性に帯電した残留トナーを前記転写ベルトから回収する像保持体と、前記像保持体が回収した残留トナーを前記像保持体から取り除くクリーニング部材と、で構成される請求項2に記載のクリーニング装置。
【請求項4】
前記清掃部材に対して前記転写ベルトの回転方向上流側の前記転写ベルト上には、回転する前記転写ベルトと従動回転して前記清掃部材によって前記転写ベルトから掻き取られた残留トナーを非画像領域に搬送させるコイルオーガが設けられる請求項1〜3何れか1項に記載のクリーニング装置。
【請求項5】
周方向へ回転し、像保持体に形成されたトナー画像が転写される、又は記録媒体を像保持体に形成されたトナー画像が転写される転写領域に搬送する無端状の転写ベルトと、
前記転写ベルトに残留した残留トナーを清掃する請求項1〜4何れか1項に記載のクリーニング装置と、
を備える転写ユニット。
【請求項6】
トナー画像が形成される像保持体と、
前記像保持体に形成されたトナー画像が転写される請求項5に記載の転写ユニットと、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−197833(P2010−197833A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44120(P2009−44120)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】