説明

クリーム状乳化組成物

【課題】のびが良く、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、塗布後のべたつきが少ない速乾性に優れ、衣服に付着せず塗布後すぐに衣服を着用できるクリーム状乳化組成物を提供する。
【解決手段】
下記成分(A)〜(D)を含有し、配合比(A)/(C)が0.5〜2であることを特徴とするクリーム状乳化組成物。
(A)25℃における粘度が10〜100mPa・sであるエステル油及びトリグリセライドから選ばれる少なくとも1種以上の油性成分
(B)揮発性シリコーン油
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sの非揮発性シリコーン油
(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも1種以上の合成高分子化合物

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化組成物に関し、さらに詳しくは、のびが良く、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、塗布後のべたつきが少ない速乾性に優れ、衣服に付着せず塗布後すぐに衣服を着用できるクリーム状乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、冬場に手足やからだの乾燥を防ぐためにボディミルクやボディクリーム等の乳化組成物を塗布し、その保湿効果によって皮膚の乾燥やかさつきなどを抑えることが一般に行われている。これらの乳化組成物においては、高い保湿効果はもちろんのこと、さっぱりとして、べたつきが少ない感触が好まれている。特に風呂上りの後にボディクリームを塗った場合、べたつきがあると衣服と肌が密着して違和感を生じるため、べたつきが消えるまで衣服を着用することができない。そのため、高い保湿効果を持ちながらべたつきのないボディ用の化粧料が望まれている。
【0003】
べたつき感を軽減する方法として、乳化組成物に配合される油性成分としてシリコーン油が多く使用されている。しかしながら、シリコーン油の配合量を増やすと、べたつきは軽減されるが、保湿効果が劣ったり、また皮膚を閉塞してかえって肌の乾燥状態を悪化させたりする傾向がある。またシリコーン油は他の油性成分との相溶性が悪いために、顔料や固形成分を配合することが困難であり、安定性が不安定になるという課題があった。そこで、これらの課題を解決する方法として、例えば皮膜形成能を有するジメチコノールを、シリコーン油と、炭素鎖を有する油性成分と組み合わせた水中油型乳化組成物(例えば、特許文献1参照。)、皮膜形成能を有する不揮発性のシリコーン油と脂肪酸アルキルエステル及び多価アルコールとを組み合わせた皮膚保護化粧料(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。しかしこれらの皮膜形成能を有する成分を配合しても、速乾性や保湿効果について十分満足できるレベルには至っていない。
【0004】
また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとHLBが8以下の界面活性剤とシリコーン油を含有した皮膚外用剤(例えば、特許文献3参照。)、アクリル酸アルキルメタクリレート共重合体と、固体脂及び/又は半固体脂と、シリコーン油を含有した乳化化粧料(例えば、特許文献4参照。)、エステル油と乳糖とシリコーン油とを含有してなる化粧料(例えば、特許文献5参照。)が開示されている。しかしながら、これらの発明においては安定性については向上するものの、シリコーン油のみでは持続性の高い保湿効果が得られない欠点を有し、さらに速乾性についても十分満足できる効果には至っていない。以上の様にこれらの公知の方法によっても、のびが良く、保湿効果が高く、皮膚の乾燥を長時間防ぎ、塗布後のべたつきが少なく速乾性に優れた機能を確保することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−84442号公報
【特許文献2】特開2001−106617号公報
【特許文献3】特開2000−34215号公報
【特許文献4】特許第3515154号公報
【特許文献5】特開平10−158117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記背景技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は皮膚の保湿を目的と
した乳化組成物において、のびが良く、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、塗布後のべたつきが少ない速乾性に優れ、衣服に付着せず塗布後すぐに衣服を着用できる機能を有するクリーム状乳化組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、皮膚の保湿を目的とした乳化組成物において、特定粘度のエステル油及びトリグリセライドから選ばれる油性成分、揮発性のシリコーン油、特定粘度の非揮発性のシリコーン油、及びカルボキシビニルポリマー等の合成高分子化合物を含有し、油性成分と非揮発性シリコーン油の配合比率が0.5〜2の範囲で組み合わせることにより、のびが良く、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、塗布後のべたつきが少ない速乾性に優れ、塗布後すぐに衣服を着用できる機能性を著しく向上させたクリーム状乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、下記成分(A)〜(D)を含有し、配合比(A)/(C)が0.5〜2であることを特徴とするクリーム状乳化組成物を提供するものである。
(A)25℃における粘度が10〜100mPa・sであるエステル油及びトリグリセライドから選ばれる少なくとも1種以上の油性成分
(B)揮発性シリコーン油
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sの非揮発性シリコーン油及び
(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも1種以上の合成高分子化合物
【発明の効果】
【0009】
本発明のクリーム状乳化組成物は、のびが良く、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、塗布後のべたつきが少ない速乾性に優れ、衣服に付着せず塗布後すぐに衣服を着用できる機能性を有している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の構成について詳述する。本発明で使用する成分(A)油性成分は、25℃における粘度が10〜100mPa・sであるエステル油及びトリグリセライドから選ばれる少なくとも1種以上である。これらの油性成分は通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。エステル油の具体例としては、例えば、コハク酸ジ2−エチルへキシル(粘度:11mPa・s)、コハク酸ビスエトキシジグリコール(粘度:13mPa・s)、2−エチルへキサン酸セチル(粘度:13mPa・s)、2−エチルヘキサン酸2−へキシルデシル(粘度:11mPa・s)、ジ2−エチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(粘度:13mPa・s)、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(粘度:52mPa・s)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(粘度:19mPa・s)、イソノナン酸イソトリデシル(粘度:12mPa・s)、ジノナン酸ネオペンチルグリコール(粘度:23mPa・s)、ミリスチン酸イソセチル(粘度:21mPa・s)、ミリスチン酸オクチルドデシル(粘度:28mPa・s)、パルミチン酸2−エチルヘキシル(粘度:11mPa・s)、ステアリン酸イソセチル(粘度:27mPa・s)、イソステアリン酸イソプロピル(粘度:11mPa・s)、イソステアリン酸2−へキシルデシル(粘度:34mPa・s)、イソステアリン酸イソステアリル(粘度:38mPa・s)、ビバリン酸イソステアリル(粘度:16mPa・s)、ビバリン酸2−オクチルドデシル(粘度:15mPa・s)、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル(粘度:25mPa・s)、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル(粘度:64mPa・s)などが挙げられる。
【0011】
トリグリセライドの具体例としては、例えば、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル
(粘度:25mPa・s)、トリ2−エチルへキサン酸グリセリル(粘度:41mPa・s)、アボカド油(粘度:45mPa・s)、アルモンド油(粘度:74mPa・s)、オリブ油(粘度:79mPa・s)、大豆油(粘度:49mPa・s)、ヤシ油(粘度:50mPa・s)、パーム核油(粘度:53mPa・s)、ヒマワリ油(粘度:72mPa・s)、グレープシード油(粘度:80mPa・s)、綿実油(粘度:67mPa・s)などが挙げられる。これら油性成分は、保湿効果とべたつきのなさを両立するために、好ましくは25℃における粘度が10〜100mPa・sの液状のものが選択され、更に好ましくは、25℃における粘度が20〜50mPa・sの油性成分である。また本発明においては、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0012】
本発明に用いられる油性成分の配合量は、クリーム状乳化組成物全量に対して1〜20質量%(以下、単に%と記す。)が好ましく、さらに好ましくは2〜10%である。これらの範囲内であれば、比較的さっぱりとした感触がより強く感じられ、保湿効果とべたつきのなさを両立することが可能となる。
【0013】
本発明で使用する成分(B)揮発性シリコーン油は、大気圧下における沸点が250℃以下のシリコーン油であり、通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。揮発性シリコーン油は、塗布後に時間とともに蒸散する性質を有しており、例えば24時間後には完全に蒸散して保湿効果等に影響することはなく、使用時ののびやさっぱり感を与え、さらに非揮発性シリコーンの溶解剤、乳化安定効果として配合されるものである。揮発性シリコーン油の具体例としては、例えば、式{(CH32SiO}mで示される環状ジメチルポリシロキサン(式中、mは3〜6の整数)、式(CH33SiO{(CH3)RSiO}nSi(CH33で示されるシロキサン化合物(式中、nは0〜4の整数、Rは炭素数1〜8の炭化水素基又は−OSi(CH33)、又はこれらの混合物である。その具体例としては、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、カプリリルメチコン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、メチルトリメチコン等が挙げられる。本発明においては、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0014】
本発明のクリーム状乳化組成物における(B)揮発性シリコーン油の含有量は、乳化組成物の総量を基準として1〜20%が好ましく、特に好ましくは2〜10%である。これらの範囲内であれば、揮発性シリコーンの持つさっぱりとした感触がより強く感じられ、乳化組成物の保存安定性においても特に優れる。
【0015】
本発明のクリーム状乳化組成物における(C)非揮発性シリコーン油は、25℃における粘度が100〜500mPa・s以下のシリコーン油であり、通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。非揮発性シリコーン油の具体例としては、例えば、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。本発明においては、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0016】
本発明のクリーム状乳化組成物における(C)非揮発性シリコーン油の含有量は、乳化組成物の総量を基準として0.5〜10%が好ましく、特に好ましくは1〜5%である。これらの範囲内であれば、非揮発性シリコーンの持つさっぱりとした感触がより強く感じられ、乳化組成物の保存安定性においても特に優れる。
【0017】
また、本発明においては、(A)油性成分と(C)非揮発性シリコーン油の配合比率が重要であり、配合比(A)/(C)が0.5〜2の範囲である。この範囲を超えると、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果が損なわれたり、速乾性に劣って衣服に付着して違和感を生じたりするなどの不都合が生じる。
【0018】
本発明で使用する成分(D)合成高分子化合物は、塗布時のクリームののびと安定性を向上させる目的で配合され、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも1種以上の合成高分子化合物が選択され、通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。カルボキシビニルポリマーの具体例としては、例えば、カーボポール980、981、Ultrez10(Carbopol980、981、Ultrez10)(Lubrizol Advanced Materials社製)、ハイビスワコー105(和光純薬製)を使用することができる。アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体であって、具体例としては、例えば、カーボポール1382(Carbopol1382)、ペムレンTR−1(PEMULEN TR−1)、ペムレンTR−2(PEMULEN
TR−2)(いずれもLubrizol Advanced Materials社製)などを挙げることができる。本発明においてこれら合成高分子化合物は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0019】
本発明で使用する成分(D)合成高分子化合物の配合量は、乳化組成物の総量を基準として中0.05〜2%が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5%である。これらの範囲内であれば、クリームののびに有効な効果を与え、また乾燥後のべたつきのなさについても優れた効果を発揮する。
【0020】
本発明のクリーム状乳化組成物はクリーム状であり、クリーム状とは25℃における粘度が10,000〜50,000mPa・sの範囲である。この範囲内ではクリームののびや塗布しやすさなどの使用面の観点から好ましい。
【0021】
また、本発明においては、(A)、(B)及び(C)の油性成分、シリコーン油を乳化するための乳化剤が適宜に配合される。乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤など通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されない。
【0022】
乳化剤の具体例を例示すると、アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンメチルタウリンナトリウム等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;等が挙げられる。
【0023】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0024】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アミドアミン型両性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0025】
非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0026】
本発明のクリーム状乳化組成物は、必須成分に加えて所望により本発明の効果を損なわな
い範囲で通常使用されている任意の成分を使用することが出来る。これらの成分としては、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、保湿剤、高分子化合物、増粘剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、アルコール、糖誘導体、アミノ酸誘導体、糖誘導体、香料、水、酸化防止剤、薬剤、香料等が挙げられる。粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【実施例】
【0027】
次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、これに限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
【0028】
使用感触(のびの良さ)試験
(評価方法)
専門パネル10名について、前腕内側部を石けんで洗浄し、次に、温度25℃、相対湿度50%の環境下にて30分間馴化後、前腕内側部に、本発明の乳化組成物を塗布し、塗布時のクリームののびを評価した。試験結果は、のびが良いと回答した人数を用いて、下記評価基準により判断した。
(評価基準)
◎:のびが良いと認めたパネラーが8名以上
○:のびが良いと認めたパネラーが5名以上〜8名未満
△:のびが良いと認めたパネラーが3名以上〜5名未満
×:のびが良いと認めたパネラーが3名未満
【0029】
保湿効果試験
(評価方法)
評価パネル5名について、前腕内側部を石けんで洗浄し、次に、温度25℃、相対湿度50%の環境下にて30分間馴化後、前腕内側部に、本発明の乳化組成物を2mg/cm2塗布した。塗布後24時間が経過するまでは、入浴等を控えて安静に過ごし、8時間後及
び24時間後に温度25℃、相対湿度50%の環境下にて30分間馴化後、角質水分量(コンダクタンス値)をSKICON200(アイ・ビイ・エス社製)を用いて測定した。保湿効果の評価は、以下の計算式より保湿効果(%)を算出して5名の平均値を求め、下記判断基準に基づいて行った。その結果を表に示す。
保湿効果(%)=(塗布後24時間後の角質水分量/未塗布時の角質水分量)×100(判断基準)
◎:保湿効果(%)が、200%以上500%未満であった。
○:保湿効果(%)が、150%以上200%未満であった。
△:保湿効果(%)が、110%以上150%未満であった。
×:保湿効果(%)が、100%以上110%未満であった。
【0030】
べたつきのなさ評価試験
(評価方法)
専門パネル10名について、前腕内側部を石けんで洗浄し、次に、温度25℃、相対湿度50%の環境下にて30分間馴化後、前腕内側部に、本発明の乳化組成物を2mg/cm2塗布した。指で軽くなじませた1分後の「べたつき」について下記の5段階の官能評価基準で評価を行った。次いで10名の評点の平均点を求め、下記判断基準に基づいて、べたつきのなさ(べたつき感)の評価を行った。なお、かかる評価において、「べたつき」とは、試料の塗布部位で、指をすべらせたときに、指がひっかかり、重く感じることをいう。
(官能評価基準)
5点:べたつきを感じなかった。
4点:べたつきをわずかに感じた。
3点:べたつきをやや感じた。
2点:べたつきをかなり感じた。
1点:べたつきを非常に感じた。
(判断基準)
◎:平均点が4.5点以上5点以下。
○:平均点が3.5点以上4.5点未満。
△:平均点が3.0点以上3.5点未満。
×:平均点が3.0点未満。
【0031】
実施例1〜10,比較例1〜10
表1に示したクリーム状乳化組成物を常法により調整し、前記各試験を実施した。その結果を表1に併せて示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1より明らかなように本発明の成分を用いた実施例のクリーム状乳化組成物はいずれも優れた性能を有していた。一方、必須成分のいずれかを欠いたもの、また(A)油性成分又は(B)非揮発性シリコーンの粘度が範囲外の比較例では、クリームののび、保湿効果、保湿効果の持続性、べたつきのなさのいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0034】
以下、本発明クリーム状乳化組成物のその他の処方例を実施例として挙げる。なお、これらの実施例のクリーム状乳化組成物についても、前記のクリームののび、保湿効果、保湿効果の持続性、べたつきのなさについて各項目を検討したところ、いずれの実施例においても、優れた特性を有しており良好であった。尚、これらの実施例におけるクリーム状乳化組成物の製造方法はそれぞれにおける製造方法として一般的に用いられている方法に従
った。
【0035】
実施例11 ボディクリーム
(1)ジノナン酸ネオペンチルグリコール 2.0%
(2)トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 3.0%
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0%
(4)メチルポリシロキサン(粘度:100mPa・s) 3.0%
(5)メチルフェニルポリシロキサン(粘度:100mPa・s) 2.0%
(6)カルボキシビニルポリマー 0.2%
(7)ステアリルアルコール 2.0%
(8)ワセリン 2.0%
(9)流動パラフィン 5.0%
(10)ステアリン酸 1.0%
(11)プロピレングリコール 5.0%
(12)グリセリン 3.0%
(13)マルチトール液 1.0%
(14)水酸化カリウム 0.1%
(15)グリセリルトリステアレート 5.0%
(16)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
(17)ヨクイニンエキス 0.2%
(18)レモンエキス 0.5%
(19)水溶性コラーゲン液 0.5%
(20)N−アセチルグルコサミン 0.5%
(21)ヒアルロン酸ナトリウム 0.5%
(22)フェノキシエタノール 0.4%
(23)香料 0.5%
(24)精製水 残部
【0036】
実施例12 ボディクリーム
(1)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 3.0%
(2)アボカド油 1.0%
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 4.0%
(4)メチルポリシロキサン(粘度:100mPa・s) 3.0%
(5)カルボキシビニルポリマー 0.1%
(6)モノステアリン酸グリセリン 2.0%
(7)モノステアリン酸ポリエチレングリコール 1.0%
(8)サラシミツロウ 0.3%
(9)ステアリルアルコール 3.0%
(10)コレステロール 0.3%
(11)流動パラフィン 5.0%
(12)水酸化カリウム 0.1%
(13)ジプロピレングリコール 4.0%
(14)セチル硫酸ナトリウム 0.1%
(15)キサンタンガム 0.05%
(16)キウイエキス 0.1%
(17)モモ果汁 0.1%
(18)オレンジ果汁 0.1%
(19)カロット果汁 0.1%
(20)トマトエキス 0.1%
(21)レモンエキス 0.1%
(22)ローズ水 1.0%
(23)パラオキシ安息香酸メチル 0.1%
(24)エデト酸二ナトリウム 0.05%
(25)香料 0.5%
(26)精製水 残部
【0037】
実施例13 美白ボディクリーム
(1)トリ2−ヘキサン酸グリセリル 5.0%
(2)ミリスチン酸オクチルドデシル 1.0%
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0%
(4)メチルポリシロキサン(粘度:100mPa・s) 4.0%
(5)メチルフェニルポリシロキサン(粘度:300mPa・s) 0.5%
(6)カルボキシビニルポリマー 0.2%
(7)アクリル酸メタクリル酸共重合体 0.3%
(8)L−アスコルビン酸 2−グルコシド 2.0%
(9)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.5%
(10)2−フェノキシエタノール 0.3%
(11)ジグリセリン 5.0%
(12)ジプロピレングリコール 10.0%
(13)1,3−ブチレングリコール 5.0%
(14)水酸化ナトリウム pH6に調整
(15)ヨクイニンエキス 0.5%
(16)レモンエキス 0.5%
(17)水溶性コラーゲン液 0.5%
(18)N−アセチルグルコサミン 0.1%
(19)ヒアルロン酸ナトリウム 0.1%
(20)ハス種子乳酸菌発酵液 0.5%
(21)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
(22)ビタミンEニコチネート 0.1%
(23)エデト酸二ナトリウム 0.02%
(24)香料 0.01%
(25)精製水 残部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分(A)〜(D)を含有し、配合比(A)/(C)が0.5〜2であることを特徴とするクリーム状乳化組成物。
(A)25℃における粘度が10〜100mPa・sであるエステル油及びトリグリセライドから選ばれる少なくとも1種以上の油性成分
(B)揮発性シリコーン油
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sの非揮発性シリコーン油及び
(D)カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる少なくとも1種以上の合成高分子化合物

【公開番号】特開2013−35799(P2013−35799A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174631(P2011−174631)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(306018365)クラシエホームプロダクツ株式会社 (188)
【Fターム(参考)】