クロージャ部材
流体用の容器またはバイアル(1)であって、容器(1)は流体貯留用の内部を形成するケーシングとクロージャ部材(2)とを備える。クロージャ部材(2)は、本体と、ケーシングの出口を貯留状態にシールする少なくとも1つの弾性突出部(7)とを有する。容器(1)の内部の圧力上昇によって、前記少なくとも1つの弾性突出部(7)が変形して、出口からの流体の流出が可能になる。容器(1)の内部の圧力は、容器(1)内へクロージャ部材(2)が移動することによって、または、容器(1)内へ栓(61,82)のような他の部材が移動することによって、上昇する。容器(1)およびクロージャ部材(2)はディスペンサ(90)に使用でき、クロージャ部材はバルブ(110)に使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロージャ部材によってシールされるバイアルのような容器に関し、また、容器またはバイアルとクロージャ部材とを含む鼻ディスペンサのようなディスペンサに関する。さらに、本発明は、クロージャ部材とバルブとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスペンサから投薬される計量された1服分の薬をシールされたバイアル内に入れることがEP0827782により知られている。バイアルでは、ピストンに設けられた穿孔部材でシール部材に穴を開ける。そして、シール部材がバイアル内に押し込まれて、シール部材に開けられた穴を介してバイアル外に薬を押し出す。それから、薬は、ピストン内に形成された通路を通って、ディスペンサから放出される。同様の構成がUS5,307,953によっても知られている。
【0003】
しかしながら、これらの公知の容器では幾つかの問題がある。特に、穿孔部材は、シール部材に穴を開けるときに粒子を発生させる可能性がある。これらの粒子は、薬と共に投薬されるかもしれず、または、ディスペンサ内に留まって薬の有効性を弱めるかもしれない。また、尖った穿孔部材を必要とすることは、例えば、ディスペンサを処分する際に事故が発生する危険性を増加させる。さらに、従来技術の装置では、公差の変動によって不完全なシール部材が形成されることがあるので、一般にガラスからなるバイアルをシールしようとするときに、さらに別の問題も発生することがある。
【0004】
【特許文献1】EP0827782
【特許文献2】US5,307,953
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
少なくとも実施形態で示される本発明は、従来技術の装置に関する少なくとも幾つかの問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本発明は、流体の容器を提供する。前記容器は、流体を貯留する内部を有するケーシングとクロージャ部材とを備える。前記クロージャ部材は前記ケーシングの出口を貯留状態でシールするために本体と少なくとも1つの弾性突出部とを有する。前記容器の内部圧力が増加することにより、前記少なくとも1つの弾性突出部が変形して、前記出口から流体を流出させることができる。
【0007】
前記容器の内部圧力の増加は、前記弾性突出部を変形させ、これによりクロージャ部材に穴をあけることなく流体の流出を容易にする。したがって、穿孔部材は必要ではない。
【0008】
好都合なことに、前記クロージャ部材に少なくとも1つの弾性突出部を設けることは、容器の内部寸法の公差変動を補償し、これにより良好なシール状態を形成することを確実にするものである。
【0009】
好ましくは、前記弾性突出部は、前記容器の前記ケーシングとシール係合する。付勢されていない状態では、前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体からほぼ径方向に外側に延びる。また、前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記ケーシングの内部よりも大きな横寸法を有することが好ましい。
【0010】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体の周囲に延びていることが好ましい。
【0011】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体内の通路に設けられているのが好ましく、それはバルブであってもよい。
【0012】
3つの弾性突出部が設けられるのが好ましい。
【0013】
また、前記容器は、前記ケーシングとのシール係合を維持する少なくとも1つのシール部を有するのが好ましい。
【0014】
前記クロージャ部材および前記少なくとも1つのシール部は、互いに接続されていてもよいし、互いに分離していてもよい。
【0015】
前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は、使用の際に前記ケーシングに対して移動可能であってもよく、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部の移動は前記ケーシングの内部圧力を増加させる。
【0016】
前記クロージャ部材は、前記容器からの流体の流出を可能にする通路を有していてもよい。前記通路は、前記少なくとも1つの突出部が変形したときに前記容器の内部と連通する少なくとも1つの入口穴を有することが好ましい。前記通路を設けることは、流体の流出をより容易に制御および/または方向づけることを可能にする。前記通路は、前記クロージャ部材に予め形成されていることが好ましい。
【0017】
前記通路は、相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなることが好ましい。入口穴は、前記横方向導管の各端部に設けられるのが好ましい。
【0018】
前記クロージャ部材と前記少なくとも1つのシール部とが互いに接続されれば、前記少なくとも1つのシール部は前記クロージャ部材の前記本体に周囲に延びるのが好ましい。3つのシール部が設けられるのが好ましい。
【0019】
前記クロージャ部材は、エラストマ混合物または熱可塑性エラストマからなることが好ましいが、高密度ポリエチレン(HDP)または低密度ポリエチレン(LDP)のような当業者において公知の他の適当な材料からなっていてもよい。前記エラストマは0.5以下のポアソン比を有するのが好ましい。
【0020】
前記クロージャ部材は、閉じた発泡構造(closed cell foam structure)を有するのがより好ましい。この構造は、最大荷重下で前記クロージャ部材の変形をより容易にし、これによりクロージャ部材が前記容器内に比較的容易に移動するのが可能になる。
【0021】
前記容器は、薬に適したバイアルであることが好ましい。
【0022】
本発明の第2態様によれば、例えば鼻ディスペンサなどのディスペンサが提供される。前記ディスペンサは、本発明の第1態様の容器を備えるとともに、前記容器に対して前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部を移動させるためのプランジャまたはピストンを備えている。
【0023】
前記プランジャは、そこを通って流体の流出が放出される放出通路が設けられているのが好ましい。
【0024】
前記プランジャおよび前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は、一体に形成されてもよい。
【0025】
あるいは、前記プランジャは、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部から分離して形成されてもよい。この構成では、使用の際に前記2つの構成要素が係合するのが好ましい。円錐形フランジが前記プランジャ、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部に設けられ、前記プランジャ、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部の他のものにシール状態に係合するのが好ましい。
【0026】
第3態様によれば、本発明は、容器、ディスペンサまたはバルブ本体の出口をシールするのに適したクロージャ部材を提供する。前記クロージャ部材は、本体と、容器、ディスペンサまたはバルブ本体とシール係合する少なくとも1つの弾性突出部とを備えている。前記少なくとも1つの弾性突出部は、圧力によって変形可能である。
【0027】
前記弾性突出部の変形が、前記クロージャ部材に穴を開けることなく前記容器から流体を投薬できるようにするのが好都合である。
【0028】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の周囲に延びているのが好ましい。
【0029】
3つの弾性突出部が設けられているのが好ましい。
【0030】
また、前記クロージャ部材は、前記容器からの流体の流出を導くための通路を有するのが好ましい。前記通路は、相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなるのが好ましい。前記横方向導管の各端部に、入口が設けられているのが好ましい。前記通路は、前記クロージャ部材に予め形成されているのが好ましい。
【0031】
前記クロージャ部材は、使用の際に、前記クロージャ部材の側部と前記容器との間のシールを維持するための少なくとも1つのシール部を有していてもよい。使用の際に、前記少なくとも1つのシール部が前記薬の汚染の可能性を低減させることができる。また、前記少なくとも1つのシール部は、前記容器に挿入されるときに前記クロージャ部材をガイドしてもよい。
【0032】
前記クロージャ部材は、プランジャと一体に形成されてもよい。あるいは、前記クロージャ部材には、プランジャに設けられた円錐形フランジとシール状態に係合する凹部が設けられてもよい。
【0033】
ここに説明されるクロージャ部材は、エラストマ材料からなることが好ましいが、高密度ポリエチレン(HDP)または低密度ポリエチレン(LDP)のような当業者にとって公知の他の適当な材料からなってもよく、これらの全ての材料は前記容器のシール状態を維持しながら必要な弾性を与えることができる。前記エラストマのポアソン比は、0.5以下であることが好ましく、その変形を容易にするために閉じた発泡構造を有するのが好ましい。適当なエラストマは、EPDM、ポリクロロプレン(polychloroprene)、水素化ニトリル(hydrogenerated nitrile)、ブチル、ハロゲンブチル、エラストマ混合物または、FDAに従い、低い侵出性を有し、抽出可能で、かつ、薬流体によって膨張しないエラストマ材料を含む。
【0034】
あるいは、前記クロージャ部材は、エラストマ混合物、または、サントプレン(Santoprene)として知られる動的架橋(dynamically cross-linked)FPDM/PPのような熱可塑性エラストマを含む。スチレンおよびブタジエン、または、スチレン、エチレン、ブチレンのブロック共重合体のようなスチレン系ブロック共重合体(styrenic block copolymers)もまた適している。ポリエステル、ヒトレル(Hytrel)またはポリアミドとして知られるポリエステル、および、ペバックス(PEBAX)として知られるポリエステル共重合体も使用可能である。
【0035】
好ましい閉じた発泡構造は、前記材料に混ぜられた窒素放出アゾジカーボナモード−ブローイング剤(nitrogen releasing azodicarbonamode-blowing agents)を使用することによって作製可能である。前記発泡構造はまた、成形工程において窒素を注入するようなガス技術を用いて作製可能である。
【0036】
本発明の第4態様によれば、本発明の第3態様のクロージャ部材を備えたバルブが提供される。前記クロージャ部材は、中空バルブ本体内に、前記中空バルブ本体の一方の側から圧力がかかったときに前記クロージャ部材の前記少なくとも1つの弾性突出部がシール状態に係合する内部表面が設けられている。前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記バルブを介して流体が流れるのを可能にするために前記中空バルブ本体の他方の側からかかる圧力によって変形するように構成されるのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の好適な実施形態が、添付図面を参照して例示の方法で以下に説明される。
【0038】
内部に配置された本発明のクロージャ部材2を有するバイアル1が図1に示される。バイアル1は、出口3および内部4を形成するケーシングを有する。計量された1服分の液薬5は、バイアル1の内部4に使用の際に充填される。バイアル1は、公知の方法によるガラス、または、不浸透性ポリマから構成されている。クロージャ部材2は、閉じた発泡構造を有する弾性エラストマ材料から成形されている。
【0039】
クロージャ部材2は、横断面が円形で、上部6および下部8を有する。図2に示すように、3つの弾性シール突出部7が、クロージャ部材2の下部8の周囲に外側に延びている。
【0040】
クロージャ部材2の上部6は、クロージャ部材2の本体の周囲に外側に延びる3つのシール部9を有している。各シール部9は、バイアル1のケーシングの内部4とシール状態に係合するように、凸状断面を有している。
【0041】
バイアル1内に挿入される前(すなわち付勢されていない状態)では、弾性突出部7はほぼ径方向外側に延びており、バイアル1の内部よりも大きな直径を有している。バイアル1内にクロージャ部材2が挿入されると、弾性突出部7がそれらの上に重なるように変形する。弾性突出部7のこの変形と結果としての付勢は、クロージャ部材2とバイアル1との間の良好なシール状態を維持するとともにクロージャ部材2を所定位置に保持するのに役立つ。
【0042】
クロージャ部材2内には、通路11が逆T字状に予め形成されている。通路11は、第1導管によってつながった、弾性突出部7とシール部9との間に位置する2つの入口13,15を有する。第2導管は、前記第1導管の中間部に接続し、クロージャ部材2の上端部に形成された出口17まで軸方向上方へ延びている。前記第1導管および前記第2導管が通路11を構成する。円形凹部19が出口17の周囲であってクロージャ部材2の上面に形成されている。
【0043】
これからバイアル1の組み立てについて説明する。計量された1服分の薬5はバイアル1内に入れられ、それからクロージャ部材2がバイアルの開口端部に押し込まれて挿入される。
【0044】
バイアル内への突出部7の挿入はシール状態をつくり、クロージャ部材2がバイアル1内へさらに移動すると、バイアル1の内部4の圧力が増加する。
【0045】
増加した圧力は、弾性突出部7を変形させて、前記通路11を介して大気への漏出通路を形成する。バイアル1内にある過剰な流体または空気は、この漏出通路を介して排出される。流体または空気の排除によってバイアル1内の圧力が低下し、これにより突出部7がバイアル1の側壁とシール状態に係合する元の位置に戻る。
【0046】
クロージャ部材2は、図1に示すように、シール部9が内部に配置されるまで、バイアル1内に挿入される。これで、バイアル1の使用の準備ができる。
【0047】
シール部9は主たるシールをバイアル1に提供し、弾性突出部7は流体の流出を容易にするように圧力によって変形できる第2シールを提供する。弾性突出部7はバイアル1にシールだけを提供するものでないので、それらはバイアル1の内部4のより低い圧力に応じて容易に変形するようにより柔軟なものであってもよい。これにより、バイアル1に対してクロージャ部材2を移動させるのに必要な力を低減することができる。また、シール部9の形状は、弾性突出部7の機能性に影響を与えることなく、バイアル1に所望のシールを提供するために個々に変えてもよい。
【0048】
シール部9を有しない構成では、弾性突出部7はバイアル1にシールだけを提供する。適当なシールを提供することを確実にするには、弾性突出部7は一般により小さい柔軟性を有し、その結果、弾性突出部7がバイアル1の側壁に対してより強く付勢される。これにより、弾性突出部7を変形させるにはバイアル1内の内部4により大きな圧力が必要になる。したがって、バイアル1に対してクロージャ部材2を移動させるのに必要な力がより大きくなる。
【0049】
これからバイアル1からの薬5の投薬について説明する。クロージャ部材2がバイアル1内を下方に移動する。バイアル1は弾性突出部7によってシールされているので、内部4の圧力が再び上昇する。圧力上昇は弾性突出部7を変形させてバイアル1の内部4から通路11の入口13,15への経路を形成する。
【0050】
さらにクロージャ部材2を移動させると、弾性突出部7の変形によって形成された経路を通ってバイアル1から入口13,15を介して通路11の出口17へと薬5を移動させる。クロージャ部材2は下方に移動しているので、シール部9はクロージャ部材2とバイアル1とのシールを維持しており、これにより薬5が通路11だけを通って放出されるのを確実にする。クロージャ部材2は、その下部表面がバイアル1の底部に接触するまでバイアル1内を移動する。
【0051】
図3に示すように、クロージャ部材2を下方へ移動させるのにプランジャ21が用いられる。プランジャ21は自身を貫通して形成された放出通路23と、先端部に形成された環状円錐形突出部25とを有する。環状円錐形突出部25は、クロージャ部材2の上端部に設けられた円形凹部19にシール状態で係合して放出通路23が出口17と揃うように構成される。
【0052】
図4に示すように、クロージャ部材2は、クロージャ部材本体の周囲に外側へ延びる少なくとも1つの弾性突出部7を有する図1ないし3に示すような下部8だけを備えていてもよい。クロージャ部材2は図4ではプランジャ40上に設けられて示される。この例では、プランジャ40はクロージャ部材2と一体に形成されている。しかしながら、プランジャ40は、クロージャ部材2とは別に構成されてもよいし、図3の例に示すようにクロージャ部材2とシール状態で係合するように構成されてもよい。プランジャ40は、同心状のスリーブ41によって囲まれており、これによりそれらの間に出口通路42が形成されている。図1ないし3の例のように、バイアル1には計量された1服分の薬が入れられている。バイアルから薬を投薬するために、プランジャ40、クロージャ部材2および同心スリーブ41がバイアル1内を下方に移動する。図1ないし3の装置のように、バイアル1は突出部7によってシールされているので、クロージャ部材2がバイアル1内を下方に移動するにつれて、バイアル1の内部4の圧力が上昇する。この圧力上昇により弾性突出部7が上方へ変形して、バイアル1の内部4から出口通路42への経路が形成される。プランジャ40、クロージャ部材2および同心スリーブ41がバイアル1内を下方に移動するにつれて、残量が減少する。
【0053】
図5に示す例は、同心スリーブ41がバイアル1に取り付けられている点を除いて、図4に示す例と同様である。この場合、プランジャ40およびクロージャ部材2がバイアル1内を下方に移動するとき、同心スリーブ41はバイアルに固定されたままとなる。図4に示す例と同様に、薬はプランジャ40と同心スリーブ41との間の出口通路42を介して放出される。
【0054】
図6に示す例は、クロージャ部材2が固定支持部材60に設けられている点と、バイアル1の他端部がプランジャ62に設けられた栓61によってシールされている点を除いては、図5に示す例と同様である。栓61は、図1ないし3を参照して説明した上部6と同様であってもよい。この例では、栓61の周囲に外側へ延びる3つのシール部9を有しており、各シール部9はバイアル1の内部とシール状態で係合するように凸状断面を有する。先の各例のように、バイアル1には計量された1服分の薬が入れられている。バイアル1から薬を投薬するには、クロージャ部材2がバイアル1に対して固定状態を維持したままで、栓61およびプランジャ62をバイアル1内で上方へ移動させる。バイアルはクロージャ部材2の突出部7によってシールされているので、栓61がバイアル1内を上方へ移動するにつれて、バイアル1の内部圧力が上昇する。この圧力上昇により、弾性突出部7が上方へ変形し、これによりバイアルの内部から出口通路42への経路が形成される。
【0055】
少なくとも1つの弾性突出部7をクロージャ部材2の周囲に設ける以外に、図7に示すように、少なくとも1つの弾性突出部がクロージャ部材2の通路70内に設けられてもよい。この例では、クロージャ部材2は、内部出口通路72を有するプランジャ71に設けられている。クロージャ部材2の外部表面73は、バイアル1の内面に対してシールする。クロージャ部材2には、バイアル1の内部をシールするために、ダックビルバルブ(duckbill valve)のようなバルブとして機能する1つまたは複数の内部弾性突出部74が設けられている。先の各例のように、バイアル1には、計量された1服分の流体薬が入れられている。バイアル1から薬を投薬するには、プランジャ71およびクロージャ部材2をバイアル1内で下方へ移動させる。このとき、クロージャ部材2の外部表面73はバイアル1の内面に対してシール状態を維持しているので、バイアル1の内部圧力が上昇する。この圧力上昇により、内部弾性突出部74が上方に変形して、バイアル1の内部から出口通路72への経路が形成される。
【0056】
図8に示す例は、クロージャ部材2が内部出口通路81を有する固定支持部材80に設けられている点と、バイアルの他端部がプランジャ83に設けられた栓82によってシールされている点を除いて、図7の例と同様である。栓82は、図6に示す栓61と同様であってもよい。先の各例と同様に、バイアル1には、計量された1服分の流体薬が入れられている。バイアル1から薬を投薬するには、栓82およびプランジャ83をバイアル1内で上方へ移動させる。このとき、クロージャ部材2はバイアル1に対して固定状態を維持する。栓82がバイアル1内で上方へ移動するにつれて、バイアル1に内部で圧力が上昇し、これにより内部弾性突出部74が上方に変形して、バイアル1の内部から出口通路81への通路70が形成される。図7,8の例では、排出される流体薬の機械的分散(mechanical break-up)を助けるために、内部出口通路72,81に適当な細長い部分を設けてもよい。
【0057】
クロージャ部材2と組み合わされたバイアル1は、例えば、鼻ディスペンサなどのディスペンサに使用できる。図9は、本発明を説明するディスペンサ90の例を示す。ディスペンサ90は、1服分の流体薬が入れられた容器またはバイアル91を含むか又は形成する。バイアル91はその下端部が栓92でシールされている。この例における栓92は、図6,8に示すのと同様であり、栓92の周囲に外側へ延びた3つのシール部93を有し、各シール部93はバイアル91の内部とシール状態で係合するように凸状断面を有する。栓92は、ディスペンサ90のベース95の一部を形成するプランジャ94に設けられている。クロージャ部材97は、バイアル91の上端部に設けられている。クロージャ部材97は、バイアル91の内面に対してシールするために、クロージャ部材本体の周囲に外側に延びる3つの弾性突出部98を有する。
【0058】
バイアル91は、ディスペンサ90のアクチュエータ96の一部として形成されている。アクチュエータ96は出口を有し、その出口を介して薬がバイアル91から放出されてから投薬される。ベース95には、アクチュエータ96内への挿入の際にベース95をガイドするためにアクチュエータ96の凹部101に受け入れられるスリーブ100が設けられている。
【0059】
ディスペンサ90は、ユーザがベース95とアクチュエータ96にそれぞれ設けられた指支持部102,103を用いてアクチュエータ96に対してベース95を上方に移動させることによって駆動されることができる。アクチュエータ96に対してベース95が上方へ移動することによって、栓92がバイアル91内で上方へ押される。先の各例と同様に、バイアル91はクロージャ部材97の弾性突出部98によってシールされているので、栓92がアクチュエータ96に対して上方へ移動するにつれて、バイアル91の内部の圧力が上昇する。この圧力上昇によって弾性突出部98が上方に変形し、これによりバイアル91の内部から出口99への経路が形成される。
【0060】
ディスペンサには、ユーザに薬を放出するためのスプレーが設けられてもよい。
【0061】
ディスペンサ90の薬が空になった後は、クロージャ部材97はバイアル91に空気が入るのを防止する一方向バルブとして機能するので、アクチュエータ96からベース95を引っ張ることは難しい。
【0062】
このディスペンサは、薬を放出するために穿孔部材を必要とせず、粒子が発生する危険性やけがの危険性を著しく低減するものである。また、ディスペンサは、スナップを壊したり(breaking snaps)、穿孔部材を使用したりでは生成されない事前圧縮のために非常に円滑な操作性を有するとともに、残量も非常に少ない。
【0063】
図10ないし13は、本発明を用いたバルブの幾つかの例を示す。これらのバルブは、図示するように流体がバルブの下部からバルブの上部へと通るのを防止するために優れたシールを提供するとともに、流体がバルブの上部からバルブの下部へと通るのを可能にするために適用される小さな圧力または力を必要とするだけである。図10ないし13に示されるバルブは、例えば動物または人間に対して流体を注入したり取り出したりするのに使用するために医療分野において使用可能なチェックバルブである。
【0064】
図10に示すように、バルブ110は、上端部に開口端部112を有するとともに下端部に開口端部113を有する中空本体111を備える。連続する内腔114,115が孔116を介して開口端部112から開口端部113へとつながっている。内腔114の上部は、内腔114の内径が孔116に向かって僅かに小さくなるようなルーアテーパ(Luer taper)として形成されている。
【0065】
クロージャ部材として作用する芯117は、本体111内に収容され、ほぼ円柱状の本体部材118を備える。この例において本体部材118は、内腔の内面の部分121と係合するように、芯117から周囲外側に延びる1つの弾性シール突出部120を有する。図10に示す例では、芯117はスプリング122によって上方に付勢されている。スプリング122は、内腔の内面の部分121にシール状態で接触するようにクロージャ部材120を付勢する。
【0066】
流体が下部内腔115へと通過するとき、この流体からの圧力が上昇することで、弾性突出部120が下方に変形して、内腔114の上部から内腔115の下部への経路が形成される。また、芯117は、流体の多量の流れを可能にするために、スプリング122の付勢力に抗して下方に押されることもできる。
【0067】
中空本体111の下部に設けられたキャップ123もまた、内腔115への流体の通過によって移動し、これによりバルブから流体が流出可能になる。
【0068】
図11ないし13は、以下に説明する変形を除いては、図10に示すのと同様のバルブを示す。
【0069】
図11において、芯117および弾性突出部120は、図10に示すスプリング122を必要としなくする発泡材で形成されている。
【0070】
図12において、芯117、弾性突出部120およびキャップ123は、全体の構成部材数を少なくするように1つの構成部材として提供されており、これによりコスト低減を図れる。
【0071】
図13は、中空本体111から分離した構成部材として提供されるキャップ123を有するさらに別の構成のバルブ110を示す。
【0072】
当業者であれば、ここに説明された本発明に種々の改良をなすことができることを理解するであろう。例えば、プランジャおよびクロージャ部材は、構成部材数の削減のために一体に形成されてもよいし、または、分離した構成部材として提供されてもよい。また、図1ないし3の例のクロージャ部材に形成される通路11は、1つの入口だけを有してもよいし、または、2つ以上の入口を有してもよい。
【0073】
図1ないし3に関してクロージャ部材は単一部材として説明されたが、複数の構成部材から形成されてもよいことが理解されるであろう。例えば、クロージャ部材の上部6が第1構成部材で、その下部8が第2構成部材であってもよい。また、通路11の少なくとも1つの部分が弾性突出部間、または、クロージャ部材を形成する構成部材間に形成されてもよい。
【0074】
少なくとも1つの弾性突出部は、クロージャ部材の本体の周囲に設けられていてもよく、または、例えば、容器をシールするためにバルブを形成するように内部通路内に設けられてもよい。例えば、バルブは、図1ないし3に示されるクロージャ部材の下部8内の通路内に設けられてもよい。
【0075】
多くの例では、クロージャ部材が3つの弾性突出部を有するものとして説明したが、本発明の実施にはいかなる数の弾性突出部であっても適当である。
【0076】
突出部7,74,98,120の弾性は、薬が出口通路を通って上方へ流れることが可能になるように突出部7,74,98,120が十分に変形する前に、薬が予め圧縮荷重を受けるように選択されてもよい。このことは、より迅速でより明確な投薬パターンにつながるより大きなエネルギーでもって薬が出口通路に追い出されるうえで、好都合である。また、放出される薬の追加のエネルギーは、薬がスプレーパターンブロック(spray pattern block)などを通過する場合に改良された噴霧形成を可能にする。
【0077】
突出部7,74,98,120の弾性は、所望の圧力で薬の解放が行われるようにいかなるレベルにも選択することができる。また、突出部7,74,98,120の弾性は、例えば、突出部が形成される材料、突出部の厚み、および/または、突出部の形状を適当に選択することによって変更することができる。
【0078】
上述した容器およびディスペンサは、当業者にはよく知られているように、1服分または複数服分を投薬するように構成されてもよい。
【0079】
前記各例は特定の方向性で説明されたが、それらは勿論いかなる所望の方向性でも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】バイアル内に配置された本発明のクロージャ部材の斜視図。
【図2】図1に示すクロージャ部材およびバイアルの断面斜視図。
【図3】図1のクロージャ部材および本発明のプランジャの断面図。
【図4】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図5】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図6】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図7】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図8】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図9】本発明を組み込んだディスペンサの概略断面図。
【図10】本発明のバルブの概略断面図。
【図11】本発明のバルブの概略断面図。
【図12】本発明のバルブの概略断面図。
【図13】本発明のバルブの概略断面図。
【符号の説明】
【0081】
1…バイアル
2…クロージャ部材
3…出口
4…内部
6…上部
7…弾性突出部
8…下部
9…シール部
11…通路
13,15…入口穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロージャ部材によってシールされるバイアルのような容器に関し、また、容器またはバイアルとクロージャ部材とを含む鼻ディスペンサのようなディスペンサに関する。さらに、本発明は、クロージャ部材とバルブとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスペンサから投薬される計量された1服分の薬をシールされたバイアル内に入れることがEP0827782により知られている。バイアルでは、ピストンに設けられた穿孔部材でシール部材に穴を開ける。そして、シール部材がバイアル内に押し込まれて、シール部材に開けられた穴を介してバイアル外に薬を押し出す。それから、薬は、ピストン内に形成された通路を通って、ディスペンサから放出される。同様の構成がUS5,307,953によっても知られている。
【0003】
しかしながら、これらの公知の容器では幾つかの問題がある。特に、穿孔部材は、シール部材に穴を開けるときに粒子を発生させる可能性がある。これらの粒子は、薬と共に投薬されるかもしれず、または、ディスペンサ内に留まって薬の有効性を弱めるかもしれない。また、尖った穿孔部材を必要とすることは、例えば、ディスペンサを処分する際に事故が発生する危険性を増加させる。さらに、従来技術の装置では、公差の変動によって不完全なシール部材が形成されることがあるので、一般にガラスからなるバイアルをシールしようとするときに、さらに別の問題も発生することがある。
【0004】
【特許文献1】EP0827782
【特許文献2】US5,307,953
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
少なくとも実施形態で示される本発明は、従来技術の装置に関する少なくとも幾つかの問題を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本発明は、流体の容器を提供する。前記容器は、流体を貯留する内部を有するケーシングとクロージャ部材とを備える。前記クロージャ部材は前記ケーシングの出口を貯留状態でシールするために本体と少なくとも1つの弾性突出部とを有する。前記容器の内部圧力が増加することにより、前記少なくとも1つの弾性突出部が変形して、前記出口から流体を流出させることができる。
【0007】
前記容器の内部圧力の増加は、前記弾性突出部を変形させ、これによりクロージャ部材に穴をあけることなく流体の流出を容易にする。したがって、穿孔部材は必要ではない。
【0008】
好都合なことに、前記クロージャ部材に少なくとも1つの弾性突出部を設けることは、容器の内部寸法の公差変動を補償し、これにより良好なシール状態を形成することを確実にするものである。
【0009】
好ましくは、前記弾性突出部は、前記容器の前記ケーシングとシール係合する。付勢されていない状態では、前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体からほぼ径方向に外側に延びる。また、前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記ケーシングの内部よりも大きな横寸法を有することが好ましい。
【0010】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体の周囲に延びていることが好ましい。
【0011】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体内の通路に設けられているのが好ましく、それはバルブであってもよい。
【0012】
3つの弾性突出部が設けられるのが好ましい。
【0013】
また、前記容器は、前記ケーシングとのシール係合を維持する少なくとも1つのシール部を有するのが好ましい。
【0014】
前記クロージャ部材および前記少なくとも1つのシール部は、互いに接続されていてもよいし、互いに分離していてもよい。
【0015】
前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は、使用の際に前記ケーシングに対して移動可能であってもよく、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部の移動は前記ケーシングの内部圧力を増加させる。
【0016】
前記クロージャ部材は、前記容器からの流体の流出を可能にする通路を有していてもよい。前記通路は、前記少なくとも1つの突出部が変形したときに前記容器の内部と連通する少なくとも1つの入口穴を有することが好ましい。前記通路を設けることは、流体の流出をより容易に制御および/または方向づけることを可能にする。前記通路は、前記クロージャ部材に予め形成されていることが好ましい。
【0017】
前記通路は、相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなることが好ましい。入口穴は、前記横方向導管の各端部に設けられるのが好ましい。
【0018】
前記クロージャ部材と前記少なくとも1つのシール部とが互いに接続されれば、前記少なくとも1つのシール部は前記クロージャ部材の前記本体に周囲に延びるのが好ましい。3つのシール部が設けられるのが好ましい。
【0019】
前記クロージャ部材は、エラストマ混合物または熱可塑性エラストマからなることが好ましいが、高密度ポリエチレン(HDP)または低密度ポリエチレン(LDP)のような当業者において公知の他の適当な材料からなっていてもよい。前記エラストマは0.5以下のポアソン比を有するのが好ましい。
【0020】
前記クロージャ部材は、閉じた発泡構造(closed cell foam structure)を有するのがより好ましい。この構造は、最大荷重下で前記クロージャ部材の変形をより容易にし、これによりクロージャ部材が前記容器内に比較的容易に移動するのが可能になる。
【0021】
前記容器は、薬に適したバイアルであることが好ましい。
【0022】
本発明の第2態様によれば、例えば鼻ディスペンサなどのディスペンサが提供される。前記ディスペンサは、本発明の第1態様の容器を備えるとともに、前記容器に対して前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部を移動させるためのプランジャまたはピストンを備えている。
【0023】
前記プランジャは、そこを通って流体の流出が放出される放出通路が設けられているのが好ましい。
【0024】
前記プランジャおよび前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は、一体に形成されてもよい。
【0025】
あるいは、前記プランジャは、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部から分離して形成されてもよい。この構成では、使用の際に前記2つの構成要素が係合するのが好ましい。円錐形フランジが前記プランジャ、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部に設けられ、前記プランジャ、前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部の他のものにシール状態に係合するのが好ましい。
【0026】
第3態様によれば、本発明は、容器、ディスペンサまたはバルブ本体の出口をシールするのに適したクロージャ部材を提供する。前記クロージャ部材は、本体と、容器、ディスペンサまたはバルブ本体とシール係合する少なくとも1つの弾性突出部とを備えている。前記少なくとも1つの弾性突出部は、圧力によって変形可能である。
【0027】
前記弾性突出部の変形が、前記クロージャ部材に穴を開けることなく前記容器から流体を投薬できるようにするのが好都合である。
【0028】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の周囲に延びているのが好ましい。
【0029】
3つの弾性突出部が設けられているのが好ましい。
【0030】
また、前記クロージャ部材は、前記容器からの流体の流出を導くための通路を有するのが好ましい。前記通路は、相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなるのが好ましい。前記横方向導管の各端部に、入口が設けられているのが好ましい。前記通路は、前記クロージャ部材に予め形成されているのが好ましい。
【0031】
前記クロージャ部材は、使用の際に、前記クロージャ部材の側部と前記容器との間のシールを維持するための少なくとも1つのシール部を有していてもよい。使用の際に、前記少なくとも1つのシール部が前記薬の汚染の可能性を低減させることができる。また、前記少なくとも1つのシール部は、前記容器に挿入されるときに前記クロージャ部材をガイドしてもよい。
【0032】
前記クロージャ部材は、プランジャと一体に形成されてもよい。あるいは、前記クロージャ部材には、プランジャに設けられた円錐形フランジとシール状態に係合する凹部が設けられてもよい。
【0033】
ここに説明されるクロージャ部材は、エラストマ材料からなることが好ましいが、高密度ポリエチレン(HDP)または低密度ポリエチレン(LDP)のような当業者にとって公知の他の適当な材料からなってもよく、これらの全ての材料は前記容器のシール状態を維持しながら必要な弾性を与えることができる。前記エラストマのポアソン比は、0.5以下であることが好ましく、その変形を容易にするために閉じた発泡構造を有するのが好ましい。適当なエラストマは、EPDM、ポリクロロプレン(polychloroprene)、水素化ニトリル(hydrogenerated nitrile)、ブチル、ハロゲンブチル、エラストマ混合物または、FDAに従い、低い侵出性を有し、抽出可能で、かつ、薬流体によって膨張しないエラストマ材料を含む。
【0034】
あるいは、前記クロージャ部材は、エラストマ混合物、または、サントプレン(Santoprene)として知られる動的架橋(dynamically cross-linked)FPDM/PPのような熱可塑性エラストマを含む。スチレンおよびブタジエン、または、スチレン、エチレン、ブチレンのブロック共重合体のようなスチレン系ブロック共重合体(styrenic block copolymers)もまた適している。ポリエステル、ヒトレル(Hytrel)またはポリアミドとして知られるポリエステル、および、ペバックス(PEBAX)として知られるポリエステル共重合体も使用可能である。
【0035】
好ましい閉じた発泡構造は、前記材料に混ぜられた窒素放出アゾジカーボナモード−ブローイング剤(nitrogen releasing azodicarbonamode-blowing agents)を使用することによって作製可能である。前記発泡構造はまた、成形工程において窒素を注入するようなガス技術を用いて作製可能である。
【0036】
本発明の第4態様によれば、本発明の第3態様のクロージャ部材を備えたバルブが提供される。前記クロージャ部材は、中空バルブ本体内に、前記中空バルブ本体の一方の側から圧力がかかったときに前記クロージャ部材の前記少なくとも1つの弾性突出部がシール状態に係合する内部表面が設けられている。前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記バルブを介して流体が流れるのを可能にするために前記中空バルブ本体の他方の側からかかる圧力によって変形するように構成されるのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明の好適な実施形態が、添付図面を参照して例示の方法で以下に説明される。
【0038】
内部に配置された本発明のクロージャ部材2を有するバイアル1が図1に示される。バイアル1は、出口3および内部4を形成するケーシングを有する。計量された1服分の液薬5は、バイアル1の内部4に使用の際に充填される。バイアル1は、公知の方法によるガラス、または、不浸透性ポリマから構成されている。クロージャ部材2は、閉じた発泡構造を有する弾性エラストマ材料から成形されている。
【0039】
クロージャ部材2は、横断面が円形で、上部6および下部8を有する。図2に示すように、3つの弾性シール突出部7が、クロージャ部材2の下部8の周囲に外側に延びている。
【0040】
クロージャ部材2の上部6は、クロージャ部材2の本体の周囲に外側に延びる3つのシール部9を有している。各シール部9は、バイアル1のケーシングの内部4とシール状態に係合するように、凸状断面を有している。
【0041】
バイアル1内に挿入される前(すなわち付勢されていない状態)では、弾性突出部7はほぼ径方向外側に延びており、バイアル1の内部よりも大きな直径を有している。バイアル1内にクロージャ部材2が挿入されると、弾性突出部7がそれらの上に重なるように変形する。弾性突出部7のこの変形と結果としての付勢は、クロージャ部材2とバイアル1との間の良好なシール状態を維持するとともにクロージャ部材2を所定位置に保持するのに役立つ。
【0042】
クロージャ部材2内には、通路11が逆T字状に予め形成されている。通路11は、第1導管によってつながった、弾性突出部7とシール部9との間に位置する2つの入口13,15を有する。第2導管は、前記第1導管の中間部に接続し、クロージャ部材2の上端部に形成された出口17まで軸方向上方へ延びている。前記第1導管および前記第2導管が通路11を構成する。円形凹部19が出口17の周囲であってクロージャ部材2の上面に形成されている。
【0043】
これからバイアル1の組み立てについて説明する。計量された1服分の薬5はバイアル1内に入れられ、それからクロージャ部材2がバイアルの開口端部に押し込まれて挿入される。
【0044】
バイアル内への突出部7の挿入はシール状態をつくり、クロージャ部材2がバイアル1内へさらに移動すると、バイアル1の内部4の圧力が増加する。
【0045】
増加した圧力は、弾性突出部7を変形させて、前記通路11を介して大気への漏出通路を形成する。バイアル1内にある過剰な流体または空気は、この漏出通路を介して排出される。流体または空気の排除によってバイアル1内の圧力が低下し、これにより突出部7がバイアル1の側壁とシール状態に係合する元の位置に戻る。
【0046】
クロージャ部材2は、図1に示すように、シール部9が内部に配置されるまで、バイアル1内に挿入される。これで、バイアル1の使用の準備ができる。
【0047】
シール部9は主たるシールをバイアル1に提供し、弾性突出部7は流体の流出を容易にするように圧力によって変形できる第2シールを提供する。弾性突出部7はバイアル1にシールだけを提供するものでないので、それらはバイアル1の内部4のより低い圧力に応じて容易に変形するようにより柔軟なものであってもよい。これにより、バイアル1に対してクロージャ部材2を移動させるのに必要な力を低減することができる。また、シール部9の形状は、弾性突出部7の機能性に影響を与えることなく、バイアル1に所望のシールを提供するために個々に変えてもよい。
【0048】
シール部9を有しない構成では、弾性突出部7はバイアル1にシールだけを提供する。適当なシールを提供することを確実にするには、弾性突出部7は一般により小さい柔軟性を有し、その結果、弾性突出部7がバイアル1の側壁に対してより強く付勢される。これにより、弾性突出部7を変形させるにはバイアル1内の内部4により大きな圧力が必要になる。したがって、バイアル1に対してクロージャ部材2を移動させるのに必要な力がより大きくなる。
【0049】
これからバイアル1からの薬5の投薬について説明する。クロージャ部材2がバイアル1内を下方に移動する。バイアル1は弾性突出部7によってシールされているので、内部4の圧力が再び上昇する。圧力上昇は弾性突出部7を変形させてバイアル1の内部4から通路11の入口13,15への経路を形成する。
【0050】
さらにクロージャ部材2を移動させると、弾性突出部7の変形によって形成された経路を通ってバイアル1から入口13,15を介して通路11の出口17へと薬5を移動させる。クロージャ部材2は下方に移動しているので、シール部9はクロージャ部材2とバイアル1とのシールを維持しており、これにより薬5が通路11だけを通って放出されるのを確実にする。クロージャ部材2は、その下部表面がバイアル1の底部に接触するまでバイアル1内を移動する。
【0051】
図3に示すように、クロージャ部材2を下方へ移動させるのにプランジャ21が用いられる。プランジャ21は自身を貫通して形成された放出通路23と、先端部に形成された環状円錐形突出部25とを有する。環状円錐形突出部25は、クロージャ部材2の上端部に設けられた円形凹部19にシール状態で係合して放出通路23が出口17と揃うように構成される。
【0052】
図4に示すように、クロージャ部材2は、クロージャ部材本体の周囲に外側へ延びる少なくとも1つの弾性突出部7を有する図1ないし3に示すような下部8だけを備えていてもよい。クロージャ部材2は図4ではプランジャ40上に設けられて示される。この例では、プランジャ40はクロージャ部材2と一体に形成されている。しかしながら、プランジャ40は、クロージャ部材2とは別に構成されてもよいし、図3の例に示すようにクロージャ部材2とシール状態で係合するように構成されてもよい。プランジャ40は、同心状のスリーブ41によって囲まれており、これによりそれらの間に出口通路42が形成されている。図1ないし3の例のように、バイアル1には計量された1服分の薬が入れられている。バイアルから薬を投薬するために、プランジャ40、クロージャ部材2および同心スリーブ41がバイアル1内を下方に移動する。図1ないし3の装置のように、バイアル1は突出部7によってシールされているので、クロージャ部材2がバイアル1内を下方に移動するにつれて、バイアル1の内部4の圧力が上昇する。この圧力上昇により弾性突出部7が上方へ変形して、バイアル1の内部4から出口通路42への経路が形成される。プランジャ40、クロージャ部材2および同心スリーブ41がバイアル1内を下方に移動するにつれて、残量が減少する。
【0053】
図5に示す例は、同心スリーブ41がバイアル1に取り付けられている点を除いて、図4に示す例と同様である。この場合、プランジャ40およびクロージャ部材2がバイアル1内を下方に移動するとき、同心スリーブ41はバイアルに固定されたままとなる。図4に示す例と同様に、薬はプランジャ40と同心スリーブ41との間の出口通路42を介して放出される。
【0054】
図6に示す例は、クロージャ部材2が固定支持部材60に設けられている点と、バイアル1の他端部がプランジャ62に設けられた栓61によってシールされている点を除いては、図5に示す例と同様である。栓61は、図1ないし3を参照して説明した上部6と同様であってもよい。この例では、栓61の周囲に外側へ延びる3つのシール部9を有しており、各シール部9はバイアル1の内部とシール状態で係合するように凸状断面を有する。先の各例のように、バイアル1には計量された1服分の薬が入れられている。バイアル1から薬を投薬するには、クロージャ部材2がバイアル1に対して固定状態を維持したままで、栓61およびプランジャ62をバイアル1内で上方へ移動させる。バイアルはクロージャ部材2の突出部7によってシールされているので、栓61がバイアル1内を上方へ移動するにつれて、バイアル1の内部圧力が上昇する。この圧力上昇により、弾性突出部7が上方へ変形し、これによりバイアルの内部から出口通路42への経路が形成される。
【0055】
少なくとも1つの弾性突出部7をクロージャ部材2の周囲に設ける以外に、図7に示すように、少なくとも1つの弾性突出部がクロージャ部材2の通路70内に設けられてもよい。この例では、クロージャ部材2は、内部出口通路72を有するプランジャ71に設けられている。クロージャ部材2の外部表面73は、バイアル1の内面に対してシールする。クロージャ部材2には、バイアル1の内部をシールするために、ダックビルバルブ(duckbill valve)のようなバルブとして機能する1つまたは複数の内部弾性突出部74が設けられている。先の各例のように、バイアル1には、計量された1服分の流体薬が入れられている。バイアル1から薬を投薬するには、プランジャ71およびクロージャ部材2をバイアル1内で下方へ移動させる。このとき、クロージャ部材2の外部表面73はバイアル1の内面に対してシール状態を維持しているので、バイアル1の内部圧力が上昇する。この圧力上昇により、内部弾性突出部74が上方に変形して、バイアル1の内部から出口通路72への経路が形成される。
【0056】
図8に示す例は、クロージャ部材2が内部出口通路81を有する固定支持部材80に設けられている点と、バイアルの他端部がプランジャ83に設けられた栓82によってシールされている点を除いて、図7の例と同様である。栓82は、図6に示す栓61と同様であってもよい。先の各例と同様に、バイアル1には、計量された1服分の流体薬が入れられている。バイアル1から薬を投薬するには、栓82およびプランジャ83をバイアル1内で上方へ移動させる。このとき、クロージャ部材2はバイアル1に対して固定状態を維持する。栓82がバイアル1内で上方へ移動するにつれて、バイアル1に内部で圧力が上昇し、これにより内部弾性突出部74が上方に変形して、バイアル1の内部から出口通路81への通路70が形成される。図7,8の例では、排出される流体薬の機械的分散(mechanical break-up)を助けるために、内部出口通路72,81に適当な細長い部分を設けてもよい。
【0057】
クロージャ部材2と組み合わされたバイアル1は、例えば、鼻ディスペンサなどのディスペンサに使用できる。図9は、本発明を説明するディスペンサ90の例を示す。ディスペンサ90は、1服分の流体薬が入れられた容器またはバイアル91を含むか又は形成する。バイアル91はその下端部が栓92でシールされている。この例における栓92は、図6,8に示すのと同様であり、栓92の周囲に外側へ延びた3つのシール部93を有し、各シール部93はバイアル91の内部とシール状態で係合するように凸状断面を有する。栓92は、ディスペンサ90のベース95の一部を形成するプランジャ94に設けられている。クロージャ部材97は、バイアル91の上端部に設けられている。クロージャ部材97は、バイアル91の内面に対してシールするために、クロージャ部材本体の周囲に外側に延びる3つの弾性突出部98を有する。
【0058】
バイアル91は、ディスペンサ90のアクチュエータ96の一部として形成されている。アクチュエータ96は出口を有し、その出口を介して薬がバイアル91から放出されてから投薬される。ベース95には、アクチュエータ96内への挿入の際にベース95をガイドするためにアクチュエータ96の凹部101に受け入れられるスリーブ100が設けられている。
【0059】
ディスペンサ90は、ユーザがベース95とアクチュエータ96にそれぞれ設けられた指支持部102,103を用いてアクチュエータ96に対してベース95を上方に移動させることによって駆動されることができる。アクチュエータ96に対してベース95が上方へ移動することによって、栓92がバイアル91内で上方へ押される。先の各例と同様に、バイアル91はクロージャ部材97の弾性突出部98によってシールされているので、栓92がアクチュエータ96に対して上方へ移動するにつれて、バイアル91の内部の圧力が上昇する。この圧力上昇によって弾性突出部98が上方に変形し、これによりバイアル91の内部から出口99への経路が形成される。
【0060】
ディスペンサには、ユーザに薬を放出するためのスプレーが設けられてもよい。
【0061】
ディスペンサ90の薬が空になった後は、クロージャ部材97はバイアル91に空気が入るのを防止する一方向バルブとして機能するので、アクチュエータ96からベース95を引っ張ることは難しい。
【0062】
このディスペンサは、薬を放出するために穿孔部材を必要とせず、粒子が発生する危険性やけがの危険性を著しく低減するものである。また、ディスペンサは、スナップを壊したり(breaking snaps)、穿孔部材を使用したりでは生成されない事前圧縮のために非常に円滑な操作性を有するとともに、残量も非常に少ない。
【0063】
図10ないし13は、本発明を用いたバルブの幾つかの例を示す。これらのバルブは、図示するように流体がバルブの下部からバルブの上部へと通るのを防止するために優れたシールを提供するとともに、流体がバルブの上部からバルブの下部へと通るのを可能にするために適用される小さな圧力または力を必要とするだけである。図10ないし13に示されるバルブは、例えば動物または人間に対して流体を注入したり取り出したりするのに使用するために医療分野において使用可能なチェックバルブである。
【0064】
図10に示すように、バルブ110は、上端部に開口端部112を有するとともに下端部に開口端部113を有する中空本体111を備える。連続する内腔114,115が孔116を介して開口端部112から開口端部113へとつながっている。内腔114の上部は、内腔114の内径が孔116に向かって僅かに小さくなるようなルーアテーパ(Luer taper)として形成されている。
【0065】
クロージャ部材として作用する芯117は、本体111内に収容され、ほぼ円柱状の本体部材118を備える。この例において本体部材118は、内腔の内面の部分121と係合するように、芯117から周囲外側に延びる1つの弾性シール突出部120を有する。図10に示す例では、芯117はスプリング122によって上方に付勢されている。スプリング122は、内腔の内面の部分121にシール状態で接触するようにクロージャ部材120を付勢する。
【0066】
流体が下部内腔115へと通過するとき、この流体からの圧力が上昇することで、弾性突出部120が下方に変形して、内腔114の上部から内腔115の下部への経路が形成される。また、芯117は、流体の多量の流れを可能にするために、スプリング122の付勢力に抗して下方に押されることもできる。
【0067】
中空本体111の下部に設けられたキャップ123もまた、内腔115への流体の通過によって移動し、これによりバルブから流体が流出可能になる。
【0068】
図11ないし13は、以下に説明する変形を除いては、図10に示すのと同様のバルブを示す。
【0069】
図11において、芯117および弾性突出部120は、図10に示すスプリング122を必要としなくする発泡材で形成されている。
【0070】
図12において、芯117、弾性突出部120およびキャップ123は、全体の構成部材数を少なくするように1つの構成部材として提供されており、これによりコスト低減を図れる。
【0071】
図13は、中空本体111から分離した構成部材として提供されるキャップ123を有するさらに別の構成のバルブ110を示す。
【0072】
当業者であれば、ここに説明された本発明に種々の改良をなすことができることを理解するであろう。例えば、プランジャおよびクロージャ部材は、構成部材数の削減のために一体に形成されてもよいし、または、分離した構成部材として提供されてもよい。また、図1ないし3の例のクロージャ部材に形成される通路11は、1つの入口だけを有してもよいし、または、2つ以上の入口を有してもよい。
【0073】
図1ないし3に関してクロージャ部材は単一部材として説明されたが、複数の構成部材から形成されてもよいことが理解されるであろう。例えば、クロージャ部材の上部6が第1構成部材で、その下部8が第2構成部材であってもよい。また、通路11の少なくとも1つの部分が弾性突出部間、または、クロージャ部材を形成する構成部材間に形成されてもよい。
【0074】
少なくとも1つの弾性突出部は、クロージャ部材の本体の周囲に設けられていてもよく、または、例えば、容器をシールするためにバルブを形成するように内部通路内に設けられてもよい。例えば、バルブは、図1ないし3に示されるクロージャ部材の下部8内の通路内に設けられてもよい。
【0075】
多くの例では、クロージャ部材が3つの弾性突出部を有するものとして説明したが、本発明の実施にはいかなる数の弾性突出部であっても適当である。
【0076】
突出部7,74,98,120の弾性は、薬が出口通路を通って上方へ流れることが可能になるように突出部7,74,98,120が十分に変形する前に、薬が予め圧縮荷重を受けるように選択されてもよい。このことは、より迅速でより明確な投薬パターンにつながるより大きなエネルギーでもって薬が出口通路に追い出されるうえで、好都合である。また、放出される薬の追加のエネルギーは、薬がスプレーパターンブロック(spray pattern block)などを通過する場合に改良された噴霧形成を可能にする。
【0077】
突出部7,74,98,120の弾性は、所望の圧力で薬の解放が行われるようにいかなるレベルにも選択することができる。また、突出部7,74,98,120の弾性は、例えば、突出部が形成される材料、突出部の厚み、および/または、突出部の形状を適当に選択することによって変更することができる。
【0078】
上述した容器およびディスペンサは、当業者にはよく知られているように、1服分または複数服分を投薬するように構成されてもよい。
【0079】
前記各例は特定の方向性で説明されたが、それらは勿論いかなる所望の方向性でも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】バイアル内に配置された本発明のクロージャ部材の斜視図。
【図2】図1に示すクロージャ部材およびバイアルの断面斜視図。
【図3】図1のクロージャ部材および本発明のプランジャの断面図。
【図4】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図5】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図6】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図7】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図8】別のクロージャ部材構成の概略断面図。
【図9】本発明を組み込んだディスペンサの概略断面図。
【図10】本発明のバルブの概略断面図。
【図11】本発明のバルブの概略断面図。
【図12】本発明のバルブの概略断面図。
【図13】本発明のバルブの概略断面図。
【符号の説明】
【0081】
1…バイアル
2…クロージャ部材
3…出口
4…内部
6…上部
7…弾性突出部
8…下部
9…シール部
11…通路
13,15…入口穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体貯留用の内部を形成するケーシングとクロージャ部材とを備え、前記クロージャ部材は本体と、前記ケーシングの出口を貯留状態にシールするための少なくとも1つの弾性突出部とを有し、前記容器の内部の圧力上昇によって、前記少なくとも1つの弾性突出部が変形して、前記出口からの流体の流出が可能になることを特徴とする、流体用の容器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、付勢されていない状態で前記クロージャ部材の本体からほぼ径方向外側に延びていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
付勢されていない状態で、前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記ケーシングの内部よりも大きな横方向寸法を有することを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の周囲に延びていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体内の通路に設けられた内部突出部であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弾性突出部はバルブであることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記クロージャ部材の外側周囲縁部は前記ケーシングの内部をシールすることを特徴とする請求項5または6に記載の容器。
【請求項8】
3つの弾性突出部を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
前記ケーシングとシール係合する少なくとも1つのシール部を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
3つのシール部を有することを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記クロージャ部材および前記少なくとも1つのシール部は互いに接続されていることを特徴とする請求項9または10に記載の容器。
【請求項12】
前記少なくとも1つのシール部は前記クロージャ部材の前記本体の周囲に延びていることを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記クロージャ部材はおよび前記少なくとも1つのシール部は互いに分離していることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
前記クロージャ部材は前記ケーシングに対して移動可能であり、使用の際に、前記クロージャ部材の移動が前記容器の前記内部の圧力を上昇させることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の容器。
【請求項15】
前記シール部は前記容器に対して移動可能であり、使用の際に、前記シール部の移動が前記容器の前記内部の圧力を上昇させることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の容器。
【請求項16】
前記クロージャ部材は流体を流出させるための通路をさらに有し、前記通路は、前記少なくとも1つの弾性突出部が変形したときに前記容器の前記内部と連通する少なくとも1つの入口穴を有することを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
前記通路は、相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなり、前記横方向導管の各端部に入口穴が形成されていることを特徴とする請求項16に記載の容器。
【請求項18】
前記クロージャ部材はエラストマ混合物、熱可塑性エラストマ、または、ポリマからなることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の容器。
【請求項19】
前記エラストマは0.5以下のポアソン比を有することを特徴とする請求項18に記載の容器。
【請求項20】
前記クロージャ部材は閉じた発泡構造を有することを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の容器。
【請求項21】
前記容器は、薬用のバイアルであることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の容器。
【請求項22】
請求項1ないし21のいずれかに記載の容器を備えたディスペンサであって、前記容器に対して前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部を移動させるためのプランジャをさらに備えていることを特徴とするディスペンサ。
【請求項23】
前記プランジャおよび前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は一体に形成されていることを特徴とする請求項22に記載のディスペンサ。
【請求項24】
前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は前記プランジャから分離し、かつ、使用時には前記プランジャの端部とシール状態で係合することを特徴とする請求項22に記載のディスペンサ。
【請求項25】
前記プランジャは円錐形フランジを有することを特徴とする請求項24に記載のディスペンサ。
【請求項26】
前記プランジャは前記容器から流体を放出するための放出通路を有することを特徴とする請求項22ないし25のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項27】
容器、ディスペンサまたはバルブ本体の出口をシールするのに適したクロージャ部材であって、前記クロージャ部材は、本体と、容器、ディスペンサまたはバルブ本体とシール係合する少なくとも1つの弾性突出部とを有し、前記少なくとも1つの弾性突出部は圧力によって変形可能であることを特徴とするクロージャ部材。
【請求項28】
前記少なくとも1つの弾性突出部は前記クロージャ部材の前記本体の周囲に延びていることを特徴とする請求項27に記載のクロージャ部材。
【請求項29】
3つの弾性突出部を有することを特徴とする請求項27または28に記載のクロージャ部材。
【請求項30】
流体を流出させるための通路をさらに有することを特徴とする請求項27または28に記載のクロージャ部材。
【請求項31】
前記通路は相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなることを特徴とする請求項30に記載のクロージャ部材。
【請求項32】
前記通路の前記横方向導管の各端部に入口穴が形成されていることを特徴とする請求項31に記載のクロージャ部材。
【請求項33】
少なくとも1つのシール部をさらに有することを特徴とする請求項27ないし32のいずれかに記載のクロージャ部材。
【請求項34】
3つのシール部を有することを特徴とする請求項33に記載のクロージャ部材。
【請求項35】
前記クロージャ部材はプランジャと一体に形成されていることを特徴とする請求項27ないし34のいずれかに記載のクロージャ部材。
【請求項36】
円錐形フランジとシール状態に係合する凹部をさらに有することを特徴とする請求項27ないし34のいずれかに記載のクロージャ部材。
【請求項37】
請求項27または28に記載のクロージャ部材を備えたバルブであって、前記クロージャ部材は、中空のバルブ本体内に、前記中空のバルブ本体の一方の側から圧力がかかったときに前記クロージャ部材の前記少なくとも1つの弾性突出部がシール係合する内部表面が設けられていることを特徴とするバルブ。
【請求項38】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記中空バルブ本体の他方の側からかかる圧力によって変形して、前記バルブから流体が流出するのを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項37に記載のバルブ。
【請求項39】
前記クロージャ部材の前記少なくとも1つの弾性突出部はスプリングによって前記中空バルブ本体の内部表面に付勢されていることを特徴とする請求項37または38に記載のバルブ。
【請求項40】
添付図面を参照してここに実質的に説明されている容器。
【請求項41】
添付図面を参照してここに実質的に説明されているディスペンサ。
【請求項42】
添付図面を参照してここに実質的に説明されているクロージャ部材。
【請求項43】
添付図面を参照してここに実質的に説明されているバルブ。
【請求項1】
流体貯留用の内部を形成するケーシングとクロージャ部材とを備え、前記クロージャ部材は本体と、前記ケーシングの出口を貯留状態にシールするための少なくとも1つの弾性突出部とを有し、前記容器の内部の圧力上昇によって、前記少なくとも1つの弾性突出部が変形して、前記出口からの流体の流出が可能になることを特徴とする、流体用の容器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、付勢されていない状態で前記クロージャ部材の本体からほぼ径方向外側に延びていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
付勢されていない状態で、前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記ケーシングの内部よりも大きな横方向寸法を有することを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の周囲に延びていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記クロージャ部材の前記本体内の通路に設けられた内部突出部であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの弾性突出部はバルブであることを特徴とする請求項5に記載の容器。
【請求項7】
前記クロージャ部材の外側周囲縁部は前記ケーシングの内部をシールすることを特徴とする請求項5または6に記載の容器。
【請求項8】
3つの弾性突出部を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の容器。
【請求項9】
前記ケーシングとシール係合する少なくとも1つのシール部を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の容器。
【請求項10】
3つのシール部を有することを特徴とする請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記クロージャ部材および前記少なくとも1つのシール部は互いに接続されていることを特徴とする請求項9または10に記載の容器。
【請求項12】
前記少なくとも1つのシール部は前記クロージャ部材の前記本体の周囲に延びていることを特徴とする請求項11に記載の容器。
【請求項13】
前記クロージャ部材はおよび前記少なくとも1つのシール部は互いに分離していることを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の容器。
【請求項14】
前記クロージャ部材は前記ケーシングに対して移動可能であり、使用の際に、前記クロージャ部材の移動が前記容器の前記内部の圧力を上昇させることを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の容器。
【請求項15】
前記シール部は前記容器に対して移動可能であり、使用の際に、前記シール部の移動が前記容器の前記内部の圧力を上昇させることを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の容器。
【請求項16】
前記クロージャ部材は流体を流出させるための通路をさらに有し、前記通路は、前記少なくとも1つの弾性突出部が変形したときに前記容器の前記内部と連通する少なくとも1つの入口穴を有することを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の容器。
【請求項17】
前記通路は、相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなり、前記横方向導管の各端部に入口穴が形成されていることを特徴とする請求項16に記載の容器。
【請求項18】
前記クロージャ部材はエラストマ混合物、熱可塑性エラストマ、または、ポリマからなることを特徴とする請求項1ないし17のいずれかに記載の容器。
【請求項19】
前記エラストマは0.5以下のポアソン比を有することを特徴とする請求項18に記載の容器。
【請求項20】
前記クロージャ部材は閉じた発泡構造を有することを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の容器。
【請求項21】
前記容器は、薬用のバイアルであることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の容器。
【請求項22】
請求項1ないし21のいずれかに記載の容器を備えたディスペンサであって、前記容器に対して前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部を移動させるためのプランジャをさらに備えていることを特徴とするディスペンサ。
【請求項23】
前記プランジャおよび前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は一体に形成されていることを特徴とする請求項22に記載のディスペンサ。
【請求項24】
前記クロージャ部材および/または前記少なくとも1つのシール部は前記プランジャから分離し、かつ、使用時には前記プランジャの端部とシール状態で係合することを特徴とする請求項22に記載のディスペンサ。
【請求項25】
前記プランジャは円錐形フランジを有することを特徴とする請求項24に記載のディスペンサ。
【請求項26】
前記プランジャは前記容器から流体を放出するための放出通路を有することを特徴とする請求項22ないし25のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項27】
容器、ディスペンサまたはバルブ本体の出口をシールするのに適したクロージャ部材であって、前記クロージャ部材は、本体と、容器、ディスペンサまたはバルブ本体とシール係合する少なくとも1つの弾性突出部とを有し、前記少なくとも1つの弾性突出部は圧力によって変形可能であることを特徴とするクロージャ部材。
【請求項28】
前記少なくとも1つの弾性突出部は前記クロージャ部材の前記本体の周囲に延びていることを特徴とする請求項27に記載のクロージャ部材。
【請求項29】
3つの弾性突出部を有することを特徴とする請求項27または28に記載のクロージャ部材。
【請求項30】
流体を流出させるための通路をさらに有することを特徴とする請求項27または28に記載のクロージャ部材。
【請求項31】
前記通路は相互に連結された軸方向導管および横方向導管からなることを特徴とする請求項30に記載のクロージャ部材。
【請求項32】
前記通路の前記横方向導管の各端部に入口穴が形成されていることを特徴とする請求項31に記載のクロージャ部材。
【請求項33】
少なくとも1つのシール部をさらに有することを特徴とする請求項27ないし32のいずれかに記載のクロージャ部材。
【請求項34】
3つのシール部を有することを特徴とする請求項33に記載のクロージャ部材。
【請求項35】
前記クロージャ部材はプランジャと一体に形成されていることを特徴とする請求項27ないし34のいずれかに記載のクロージャ部材。
【請求項36】
円錐形フランジとシール状態に係合する凹部をさらに有することを特徴とする請求項27ないし34のいずれかに記載のクロージャ部材。
【請求項37】
請求項27または28に記載のクロージャ部材を備えたバルブであって、前記クロージャ部材は、中空のバルブ本体内に、前記中空のバルブ本体の一方の側から圧力がかかったときに前記クロージャ部材の前記少なくとも1つの弾性突出部がシール係合する内部表面が設けられていることを特徴とするバルブ。
【請求項38】
前記少なくとも1つの弾性突出部は、前記中空バルブ本体の他方の側からかかる圧力によって変形して、前記バルブから流体が流出するのを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項37に記載のバルブ。
【請求項39】
前記クロージャ部材の前記少なくとも1つの弾性突出部はスプリングによって前記中空バルブ本体の内部表面に付勢されていることを特徴とする請求項37または38に記載のバルブ。
【請求項40】
添付図面を参照してここに実質的に説明されている容器。
【請求項41】
添付図面を参照してここに実質的に説明されているディスペンサ。
【請求項42】
添付図面を参照してここに実質的に説明されているクロージャ部材。
【請求項43】
添付図面を参照してここに実質的に説明されているバルブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2007−527251(P2007−527251A)
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502205(P2006−502205)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000337
【国際公開番号】WO2004/069664
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(505287520)ベスパック・パブリック・リミテッド・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】Bespak plc
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000337
【国際公開番号】WO2004/069664
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(505287520)ベスパック・パブリック・リミテッド・カンパニー (1)
【氏名又は名称原語表記】Bespak plc
【Fターム(参考)】
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