グラフ描画装置及びグラフ描画プログラム
【課題】最新プロットが取得されるたびにリアルタイムで表示更新されるグラフにおいて、ユーザが最新プロットを見失ってしまう、といった事態の発生を回避可能な技術を提供する。
【解決手段】グラフ描画装置は、次々と最新データが追加されるデータ集合である時系列データを、ディスプレイの画面内に規定されるグラフ描画領域41に、グラフ31の形で描画する。グラフ描画装置は、時系列データに最新データが追加された場合に、これをグラフ31の最新プロットNとして取得する。そして、この最新プロットNが、グラフ描画領域41の定位置である代表位置Qに描画されるようにグラフ31の表示更新を行う。
【解決手段】グラフ描画装置は、次々と最新データが追加されるデータ集合である時系列データを、ディスプレイの画面内に規定されるグラフ描画領域41に、グラフ31の形で描画する。グラフ描画装置は、時系列データに最新データが追加された場合に、これをグラフ31の最新プロットNとして取得する。そして、この最新プロットNが、グラフ描画領域41の定位置である代表位置Qに描画されるようにグラフ31の表示更新を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内にグラフの形で描画する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデータ値からなるデータ集合を、ディスプレイ等の表示機器の画面にグラフの形で視覚化する技術が従来から各種提案されており、データの解析作業などの各種場面で活用されている。
【0003】
データの解析作業などをスムーズに進めるためには、ユーザが見たいグラフ部分が常に画面内に表示されていることが望ましい。ところが、表示機器の画面サイズは限定されており、時にはユーザが見たいグラフ部分が画面の外にはみ出てしまうこともある。このような場合、ユーザが、スクロールバーやドラッグ機能を組み合わせて画面を移動させたり、グラフ全体を縮小して表示させたりすることによって、見たいグラフ部分が画面内に現れるように操作する必要があった。
【0004】
例えば特許文献1には、ユーザが、簡単な操作で、自分の見たいグラフ部分を画面内に捉えることができるように支援する技術が提案されている。この技術によると、画面にグラフの全体が表示され、そこからユーザが任意の部分領域を指定すると、当該指定された部分領域が画面全体に拡大されるとともに、ユーザが指定したグラフが画面中央に位置するように表示される。したがって、ユーザは、見たいグラフ部分を指定するだけで、当該グラフ部分を画面内に見やすい形で表示させることができる。
【0005】
ところで、特許文献1の技術は、表示されるグラフが既に完結しているものであることを想定しており、グラフがまだ完結していない場合(グラフがリアルタイムで更新され続けている場合)には適用できない。
【0006】
例えば、最新データが次々と追加されているデータ集合をグラフ表示する場合、データ集合に最新データが追加される度毎にグラフを表示更新しなければならない。従来においては、このような場合、図23に例示されるように、グラフ91の最新プロットNが取得されるたびに、画面90内のグラフ91を時間軸Xに沿って平行移動させ、最新プロットNの取得時刻が画面90の例えば右端にくるように表示更新を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−75471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記の表示更新においては、グラフの最新プロットが、Y軸方向について画面の外側にはみ出してしまうという事態が頻発していた(例えば、図23の最下段)。最新プロットが画面の外側にはみ出してしまった場合、ユーザがスクロールバーやドラッグ機能を組み合わせて画面を上下に適宜移動させて、最新プロットを画面内に捉え直さなければならない。
【0009】
このような操作はユーザにとって非常に煩わしく、また、見失ったプロット値を探している間にも次々と新しいプロットが追加されてグラフが更新されていくので、グラフ自体を画面内から完全に見失ってしまうことも少なくなかった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、最新プロットが取得されるたびにリアルタイムで表示更新されるグラフにおいて、ユーザが最新プロットを見失ってしまう、といった事態の発生を回避可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画装置であって、前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得手段と、グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新処理手段と、を備える。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のグラフ描画装置であって、グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットの値が、前記代表位置と一致するように、前記所定領域に描画される前記グラフの数値軸の目盛りを振り直して、新たな目盛りに表示更新する目盛り表示更新処理手段、を備える。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のグラフ描画装置であって、前記所定領域内のどの位置を前記代表位置とするかの選択を、ユーザから受け付ける位置選択受付手段、を備える。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、前記所定領域内の、グラフの最新プロットの描画位置に、所定のマークを表示させるマーク表示制御手段、を備える。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、前記グラフ表示更新処理手段が、前記所定領域に複数のグラフが描画される場合に、前記複数のグラフの中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットが、前記代表位置に描画されるように前記複数のグラフのそれぞれの表示更新を行う。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5に記載のグラフ描画装置であって、前記複数のグラフの中から一のグラフをユーザに選択させ、選択されたグラフを代表グラフとして受け付けるグラフ選択受付手段、を備える。
【0017】
請求項7の発明は、コンピュータに実行されることにより、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画プログラムであって、前記グラフ描画プログラムは、CPU及びメモリを備えるコンピュータに、前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得工程と、前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,7の発明によると、最新プロットが取得されると、当該最新プロットが画面内の定位置である代表位置に描画されるようにグラフを表示更新する。この構成によると、グラフの最新プロットが常に画面内の同じ位置に表示されるので、ユーザが最新プロットを見失うことがない。
【0019】
請求項2の発明によると、グラフの表示更新に合わせてグラフの数値軸の目盛りも表示更新されるので、ユーザは常にグラフを正確に読み取ることができる。
【0020】
請求項3の発明によると、画面内のどの位置を、グラフの最新プロットを描画する代表位置とするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意の位置に最新プロットを描画させることができる。
【0021】
請求項4の発明によると、グラフの最新プロットの描画位置に所定のマークを表示するので、ユーザは、どこに最新プロットが描画されているかを一目で知ることができる。
【0022】
請求項5の発明によると、画面に複数のグラフが表示される場合、当該複数のグラフの中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットが、画面内の定位置である代表位置に描画されるように複数のグラフを表示更新する。この構成によると、代表グラフとして選択されたグラフの最新プロットが常に画面内の同じ位置に表示されるので、ユーザが、代表グラフの最新プロットを見失うことがない。また、ユーザは、代表グラフと他のグラフとの比較を容易に行うことができる。
【0023】
請求項6の発明によると、画面に表示される複数のグラフのうちのいずれを代表グラフとするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意のグラフの最新プロットを画面内の定位置である代表位置に描画させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】グラフ描画装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】時系列データの例を示す図である。
【図3】グラフ描画ウインドウの構成例を示す図である。
【図4】グラフ描画ウインドウの構成例を示す図である。
【図5】グラフ描画ウインドウの構成例を示す図である。
【図6】グラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】グラフ描画領域に相当する数値範囲の特定方法を説明するための図である。
【図8】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図9】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図10】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図11】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図12】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図13】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図14】ユーザが代表位置を変更した場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図15】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図16】ユーザが代表グラフを変更した場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図17】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図18】第1の変形例に係るグラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図19】第2の変形例に係るグラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図20】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図21】第3の変形例に係るグラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図22】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図23】従来どのように時系列データをグラフ表示していたかを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〈1.構成〉
この発明の実施の形態に係るグラフ描画装置のハードウェア構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、グラフ描画装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
グラフ描画装置1は、コンピュータ本体11と、画像を表示するディスプレイ12と、ユーザからの操作を受け付ける操作デバイス13と、時系列データを取得するデータ取得装置14とを備えている。コンピュータ本体11とデータ取得装置14とは、通信回線15を介して互いに接続されている。
【0027】
〈1−1.コンピュータ本体〉
コンピュータ本体11は、CPU111と主記憶装置であるメモリ112と副記憶装置であるハードディスクドライブ113と備える。
【0028】
ハードディスクドライブ113には、グラフ描画プログラム114がインストールされる。ハードディスクドライブ113からメモリ112にロードされたグラフ描画プログラム114が実行されることによって、コンピュータ本体11において、以下に説明する各種の機能が実現される。なお、グラフ描画プログラム114は、CD−ROM等の記録媒体115によって提供されたものであってもよいし、ネットワーク等の通信回線を経由して提供されたものであってもよい。
【0029】
また、ハードディスクドライブ113には、1または複数の時系列データ20を保管するデータ保管データベース116が構築されている。
【0030】
時系列データ20は、複数のデータからなるデータ集合である。ただし、このデータ集合は未完結のデータ集合であり、データ取得装置14から定期的もしくは不定期に次々と最新データが追加されていく。ここで、時系列データ20について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2は、時系列データ20の一例を示す図である。
【0031】
時系列データ20は、1個の時刻Xのデータの系列(以下、「時刻データ系列」という)21と1個のパラメータの値Yのデータの系列(以下、「パラメータ値データ系列」という)22とを含む。すなわち、時系列データ20に含まれる各データは、時刻Xと、パラメータの値Yとから規定されている。
【0032】
なお、図2のパラメータ値データ系列22に含まれる「No Data」は、何らかの事情でパラメータの値Yを取得することができなかったためにパラメータの値Yが欠落していることを意味しており、パラメータの値Yが「0」であることとは意味が異なる。
【0033】
〈1−2.ディスプレイ・操作デバイス〉
再び図1を参照する。表示部であるディスプレイ12としては、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等を用いることができる。操作部である操作デバイス13としては、マウスその他のポインティングデバイス、キーボード等を用いることができる。ディスプレイ12と操作デバイス13とを一体化したタッチパネルを用いてもよい。
【0034】
〈1−3.データ取得装置〉
データ取得装置14は、各種のデータ観測機器等により構成され、コンピュータ本体11に時系列データ20を提供する。例えば、定期的または不定期に被測定物を観測し、得られた測定値を、時系列データ20の最新データとして通信回線15を介してコンピュータ本体11に送信する。コンピュータ本体11は、データ取得装置14から時系列データ20の最新データを受信すると、当該受信した最新データをデータ保管データベース116に格納して、時系列データ20を更新する。
【0035】
〈2.時系列データのグラフ表示〉
コンピュータ本体11は、時系列データ20をグラフの形で表現してディスプレイ12に表示させ、さらに、時系列データ20に最新データが追加される度に、ディスプレイ12にグラフの表示更新を行わせる機能を備える。以下において、当該機能について説明する。
【0036】
〈2−1.グラフ描画ウインドウ〉
コンピュータ本体11の機能について具体的に説明する前に、まず、コンピュータ本体11がディスプレイ12に表示させるウインドウ(グラフ描画ウインドウ40)の構成について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3〜図5はいずれも、グラフ描画ウインドウ40の構成例を示す図である。
【0037】
グラフ描画ウインドウ40には、1以上のグラフ31が表示されるグラフ描画領域41と、グラフ描画領域41に後述するプロット位置マーク34を表示するか否かを選択する操作の対象となるチェックボックス42が配置されている。さらに、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合(図5参照)に、当該複数のグラフ31の中から、一のグラフを選択する操作の対象となるドロップダウンリスト43が配置されている。
【0038】
〈2−1−1.グラフ描画領域〉
〈グラフ〉
グラフ描画領域41内には、1以上のグラフ31が表示される。図3、図4には、グラフ描画領域41に1のグラフ31が表示されるグラフ描画ウインドウ40の様子が、図5には、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示されるグラフ描画ウインドウ40の様子が、それぞれ示されている。
【0039】
グラフ31は、時刻Xを横軸、パラメータの値Yを縦軸にとって時系列データ20を表現した線グラフである。グラフ31は、グラフ描画領域41において、その最新プロットNが、グラフ描画領域41中の定位置である代表位置Qに常に描画されるように表示される(図3、図4参照)。なお、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合、当該複数のグラフ31のうちからユーザが選択した一のグラフ31の最新プロットNが代表位置Qに常に描画されるように、複数のグラフ31のそれぞれが描画される(図5参照)。以下において、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合に、その最新プロットNが代表位置Qに描画されるグラフとして選択されたグラフを「代表グラフ」という。
【0040】
なお、後述するように、グラフ描画領域41は、グラフ描画領域41内のどの座標値を代表位置Qとするかの選択操作の対象となるGUI部品としても機能する。ユーザは、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41上の任意の位置でクリック操作することによって、当該位置を代表位置Qとして選択する操作を行うことができる。
【0041】
〈目盛り〉
グラフ描画領域41の周縁には、グラフ描画領域41に描画されるグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の数値軸の目盛り(横軸目盛り32,縦軸目盛り33)が表示される。横軸目盛り32は、グラフ描画領域41の横軸方向の値を目盛り付けする目盛りであり、グラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の下辺に沿って配置される。縦軸目盛り33は、グラフ描画領域41の縦軸方向の値を目盛り付けする目盛りであり、グラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の右辺に沿って配置される。グラフ31の表示更新が行われると、それに合わせて目盛り32,33も更新される。この点については後述する。
【0042】
〈プロット位置マーク〉
グラフ描画領域41におけるグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の最新プロットNの描画位置には、プロット位置マーク34が表示される(図3、図5)。すなわち、プロット位置マーク34は、当該位置に、グラフ31の最新プロットNが描画されていることを示すマークである。プロット位置マーク34の形状はどのようなものであってもよく、例えば十字線により表される。なお、プロット位置マーク34を表示するか否かはユーザが任意に選択できるものとし、ユーザが所望しない場合は、プロット位置マーク34は表示されない(図4)。
【0043】
〈2−1−2.チェックボックス〉
チェックボックス42は、プロット位置マーク34の表示の有無を選択する操作の対象となるGUI部品である。ユーザは、操作デバイス13を用いてチェックボックス42の位置でクリック操作することによって、プロット位置マーク34の表示の有無を選択する操作を行うことができる。プロット位置マーク34の表示を選択する操作が行われた場合、チェックボックス42にはチェックマークが表示される(図3、図5)。プロット位置マーク34の非表示を選択する操作が行われた場合、チェックボックス42にはチェックマークが表示されない(図4)。なお、チェックボックス42に代えてラジオボタン等のGUI部品を採用してもよい。
【0044】
〈2−1−3.ドロップダウンリスト〉
ドロップダウンリスト43は、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合に(図5)、当該複数のグラフの中から代表グラフを選択する操作の対象となるGUI部品であり、選択されているグラフの名称を表示するテキストフィールド431と、選択可能なグラフ(すなわち、グラフ描画領域41に表示されている複数のグラフ31)の名称の一覧をドロップダウン表示させるボタン432とを備える。ユーザが、操作デバイス13を用いてボタン432を押し下げると、選択可能なグラフ名称の一覧が表示される。ユーザがさらに操作デバイス13を用いて一覧表示されたグラフ名称の中から一のグラフの名称を選択する操作を行うと、当該グラフが代表グラフとして選択されるとともに、代表グラフとして選択されたグラフの名称がテキストフィールド431に表示される。なお、ドロップダウンリスト43に代えてラジオボタン等のGUI部品を採用してもよい。
【0045】
〈2−2.機能構成〉
続いて、コンピュータ本体11の機能構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、グラフ描画装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。図6に示される各機能部のうち、コンピュータ本体11が備える機能部は、コンピュータ本体11がグラフ描画プログラム114を実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアによって実現されてもよい。
【0046】
コンピュータ本体11は、グラフ31の最新プロットNを取得するプロット値取得部51を備える。また、代表位置Qの座標指定をユーザから受け付ける位置選択受付部52と、代表グラフの選択をユーザから受け付けるグラフ選択受付部53と、プロット位置マーク34の表示の有無の選択をユーザから受け付けるマーク表示選択受付部54とを備える。さらに、グラフ描画領域41の表示更新を行う場合に、グラフ描画領域41が相当する新たな数値領域を特定する数値領域特定部55と、新たな数値領域に応じた新たな目盛り32,33を作成する目盛り作成部56と、新たな数値領域に応じた新たなグラフを作成するグラフ作成部57とを備える。また、新たな目盛り32,33、および、新たなグラフが作成された場合に、これらをディスプレイ12に表示させる表示制御部58を備える。各部の機能を具体的に説明する。
【0047】
プロット値取得部51は、グラフ描画領域41に表示するグラフ31の最新プロットNを取得する。具体的には、時系列データ20に最新データが追加された場合に、その新たに追加された最新データを読み出して、グラフ31の最新プロットNとして取得する。
【0048】
位置選択受付部52は、グラフ描画領域41のどの位置を代表位置Qとするかの選択をユーザから受け付ける。上述したとおり、グラフ描画領域41は、グラフ描画領域41内のどの座標値を代表位置Qとするかの選択操作の対象となるGUI部品としても機能する。ユーザが、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41上の任意の位置でクリック操作すると、位置選択受付部52は、当該操作がされた位置の座標を取得して、これを代表位置Qの座標として記憶する。
【0049】
グラフ選択受付部53は、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31のいずれを代表グラフとするかの選択を、ユーザから受け付ける。上述したとおり、ドロップダウンリスト43は、代表グラフを選択するためのGUI部品として機能する。ユーザが、操作デバイス13を用いてボタン432を押し下げ、当該操作に応じて表示されたグラフ名称の一覧から一のグラフの名称を選択する操作を行うと、グラフ選択受付部53は、当該選択されたグラフを代表グラフに決定する。
【0050】
マーク表示選択受付部54は、プロット位置マーク34を表示するか否かの選択をユーザから受け付ける。上述したとおり、チェックボックス42は、プロット位置マーク34の表示の有無を選択する操作の対象となるGUI部品として機能する。ユーザが、操作デバイス13を用いてチェックボックス42の位置でクリック操作してチェックボックス42にチェックマークを付すると、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58に、プロット位置マーク34の表示指示を与える。この場合、表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ描画領域41に描画されているグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフが描画されている場合は、代表グラフ)の最新プロットNの描画位置に、プロット位置マーク34を表示させる(図3、図5参照)。また、この状態で、ユーザが、操作デバイス13を用いてチェックボックス42の位置でクリック操作してチェックボックス42に付されたチェックマークを消去すると、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58に、プロット位置マーク34の消去指示を与える。この場合、表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ描画領域41に描画されているプロット位置マーク34を消去する(図4参照)。
【0051】
数値領域特定部55は、グラフ描画領域41の表示更新を行う場合に、グラフ描画領域41が相当する新たな数値領域を特定する。具体的には、予め設定された「目盛りレンジ(横軸目盛りレンジ、および、縦軸目盛りレンジ)」、グラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の最新プロットN、および、代表位置Qの座標、の各値に基づいて、数値範囲を特定する。
【0052】
ただし、「目盛りレンジ」とは、グラフ描画領域41に相当するグラフ31の数値軸の数値幅であり、横軸目盛りレンジは、グラフ描画領域41の横幅に相当する時刻Xの数値幅であり、縦軸目盛りレンジは、グラフ描画領域41の縦幅に相当するパラメータの値Yの数値幅である。横軸目盛りレンジ、および、縦軸目盛りレンジの具体的な値はユーザが任意に設定できるものとする。
【0053】
例えば、図3に示される例の場合、グラフ描画領域41の左端および右端はそれぞれ、「9:00:00」、「9:40:00」となっているので、横軸目盛りレンジは「40分幅」と設定されていることがわかる。また、グラフ描画領域41の下端および上端は、それぞれ、「0.0g」、「4.0g」となっているので、縦軸目盛りレンジは「4g幅」と設定されていることがわかる。
【0054】
図7を参照する。グラフ描画領域41に相当する数値範囲は、概念的には、次のように規定される。まず、XY平面において、グラフ描画領域41に相当するサイズの領域(すなわち、X方向に沿った長さが横軸目盛りレンジであり、Y方向に沿った長さが縦軸目盛りレンジであるような大きさの領域)Aを規定する。そして、この領域AをXY平面中の適切な位置まで移動させる。具体的には、領域Aにおける代表位置Qに相当する位置が、XY平面に描画されるグラフ31の最新プロットNの位置にくるように、領域Aを移動させる。当該位置で、領域Aが切り取るX軸の数値範囲、および、領域Aが切り取るY軸の数値範囲が、グラフ描画領域41が相当する数値範囲となる。
【0055】
例えば、横軸目盛りレンジ、縦軸目盛りレンジがそれぞれ「40分幅」、「4g幅」と設定されているとする。この場合、領域Aは、XY平面において、X方向に沿って「40分」分の長さをもち、Y方向に沿って「4g」分の長さをもつ領域となる。
【0056】
いま、グラフ描画領域41を、横軸a、縦軸bにより規定されるab平面上の領域(0≦a≦40,0≦b≦40)と規定して、座標(35,30)に相当する位置に代表位置Qが設定されているとする。
【0057】
ここで、グラフ31の最新プロットNの値がN1(9:35:00,3.0)であったとする。この場合、ab平面における領域(0≦a≦40,0≦b≦40)は、XY平面において、X方向に沿って「40分」分の長さをもち、Y方向に沿って「4g」分の長さをもつ領域Aであるので、ab平面における座標(35,30)が、最新プロットNの値N1(9:35:00,3.0)と一致するような位置(D1)におくと、領域Aが切り取るX軸の数値範囲は(9:00:00≦X≦9:40:00)となり、Y軸の数値範囲は(0.0g≦Y≦4.0g)となる。
【0058】
また、目盛りレンジと代表位置Qの座標値とが変更されていない状態で、次に取得された最新プロットNの値がN2(9:40:00,−2.0g)であったとする。この場合、ab平面における座標(35,30)が、最新プロットNの値N2(9:40:00,−2.0g)と一致するような位置(D2)におくと、領域Aが切り取るX軸の数値範囲は(9:05:00≦X≦9:45:00)となり、Y軸の数値範囲は(−5.0g≦Y≦−1.0g)となる。
【0059】
このようにして規定された数値範囲は、グラフ描画領域41の代表位置Qを、グラフ31の最新プロットNの値と一致させるようなものとなっている。
【0060】
再び図6を参照する。目盛り作成部56は、数値領域特定部55がグラフ描画領域41に相当する数値範囲を新たに特定した場合に、当該新たに特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する。例えば、特定された数値範囲が、数値範囲(9:00:00≦X≦9:40:00,0.0g≦Y≦4.0g)である場合、目盛り作成部56は、両端の値がそれぞれ「9:00:00」「9:40:00」の横軸目盛り32と、両端の値がそれぞれ「0.0g」「4.0g」の縦軸目盛り33とを作成する。上述したとおり、数値領域特定部55が規定する数値範囲は、グラフ描画領域41の代表位置Qを、グラフ31の最新プロットNの値と一致させるように決定されている。したがって、この数値範囲にしたがって作成される目盛り32,33は、代表位置Qの位置が、グラフ31の最新プロットNの値と一致するように目盛り付けされたものとなっている。
【0061】
グラフ作成部57は、数値領域特定部55がグラフ描画領域41に相当する数値範囲を新たに特定した場合に、当該新たに特定された数値範囲に、時系列データ20のデータをプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する。上述したとおり、数値領域特定部55が規定する数値範囲は、グラフ描画領域41の代表位置Qを、グラフ31の最新プロットNの値と一致させるように決定されている。したがって、この数値範囲に描画されるグラフ31は、その最新プロットNが、グラフ描画領域41内の代表位置Qに描画されるものとなっている。
【0062】
表示制御部58は、目盛り作成部56が作成した目盛り32,33、および、表示制御部47が作成したグラフ31を、それぞれグラフ描画ウインドウ40の所定の位置に表示させる。具体的には、横軸目盛り32をグラフ描画領域41の下辺に沿って、縦軸目盛り33をグラフ描画領域41の右辺に沿って、それぞれ表示させる。また、グラフ31をグラフ描画領域41内に表示させる。また、表示制御部は、マーク表示選択受付部54からプロット位置マーク34の表示指示を受けた場合に、グラフ描画領域41におけるグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる。
【0063】
〈3.処理の流れ〉
〈3−1.グラフの表示更新〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合、グラフ描画装置1は、グラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う。グラフ描画装置1がグラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う際の処理の流れについて説明する。
【0064】
〈3−1−1.表示されるグラフが1個の場合〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図8、図9を参照しながら説明する。図8は、当該処理の流れを示す図である。図9は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。ただし、ここでは、グラフ描画領域41に表示されるグラフ31が1個である場合について説明する。複数のグラフ31が表示される場合については後に説明する。
【0065】
図9(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここに示されるように、グラフ描画領域41には、更新前の最新プロットN’が代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、当該最新プロットN’が代表位置Qと一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、最新プロットN’の描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0066】
プロット値取得部51が、グラフ31の最新プロットNを取得すると(ステップS1でYES)、グラフ描画ウインドウ40の表示更新処理が開始される。ただし、ここでは、取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」ではないとして説明を進める。取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」である場合については後に説明する。
【0067】
グラフ31の最新プロットNが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS2)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS1で取得された最新プロットN、の各値に基づいて、最新プロットNの値が代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0068】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS3)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、時系列データ20をプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する(ステップS4)。ステップS3の処理とステップS4の処理とは並行して行われてもよい。
【0069】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31が作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS5)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0070】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS6でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ31の最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS7)。プロット位置マーク34は、代表位置Qに表示されることになる。
【0071】
一方、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択していない場合(ステップS6でNO)、マーク表示選択受付部54は表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与えず、表示制御部58はプロット位置マーク34を表示させない。
【0072】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図9(a)に示される状態から図9(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、最新プロットNが代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、当該最新プロットNの値が代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、最新プロットNの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。ただし、図9(b)において、グラフ31の点線部分は説明の便宜上記載したものであり、実際は表示されない。
【0073】
〈3−1−2.表示されるグラフが複数の場合〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図10、図11を参照しながら説明する。図10は、当該処理の流れを示す図である。図11は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。ただし、ここでは、グラフ描画領域41に複数のグラフが表示される場合について説明する。
【0074】
図11(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここでは、データ保管データベース114に複数の時系列データ(図示省略)が格納されているものとし、各時系列データに係るグラフ31a,31bがグラフ描画領域41に表示されている。ただし、複数のグラフが表示される場合、そのうちのいずれか一のグラフが代表グラフとして選択される必要があり、ここでは、グラフ31aが代表グラフとして選択されているものとする。なお、この例では、グラフ描画領域41に表示されるグラフの個数は2個であるものとしているが、2以上のグラフが表示されていてもよい。
【0075】
したがって、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの更新前の最新プロットN’が代表位置Qに描画されるように、複数のグラフ31a,31bのそれぞれが表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、代表グラフ31aの最新プロットN’が代表位置Qと一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、代表グラフ31aの最新プロットN’の描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0076】
プロット値取得部51が、代表グラフ31aの最新プロットNを取得すると(ステップS11でYES)、グラフ31a,31bの表示更新処理が開始される。ただし、ここでは、取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」ではないとして説明を進める。
【0077】
代表グラフ31aの最新プロットNが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS12)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS11で取得された最新プロットN、の各値に基づいて、最新プロットNの値が代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0078】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS13)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、グラフ31a,31bを描画する(ステップS14)。具体的には、当該特定された数値範囲に、グラフ31aに係る時系列データをプロットして、当該時系列データをグラフ31aの形で描画する。また、当該特定された数値範囲に、グラフ31bに係る時系列データをプロットして、当該時系列データをグラフ31bの形で描画する。
【0079】
新たな目盛り32,33、および、複数の新たなグラフ31a,31bが作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS15)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0080】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS16でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、代表グラフ31aの最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS17)。
【0081】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図11(a)に示される状態から図11(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの最新プロットNが代表位置Qに描画されるように、複数のグラフ31a,31bがそれぞれ表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、代表グラフ31aの最新プロットNの値がグラフ描画領域41内の代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、代表グラフ31aの最新プロットNの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。ただし、図11(b)において、グラフ31a,31bの点線部分は説明の便宜上記載したものであり、実際は表示されない。
【0082】
〈3−1−3.最新プロット値のパラメータ値データ系列が「No Data」である場合〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図12、図13を参照しながら説明する。図12は、当該処理の流れを示す図である。図13は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。ただし、ここでは、時系列データ20に追加されたデータのパラメータの値Yが「No Data」である場合について説明する。
【0083】
図13(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここに示されるように、グラフ描画領域41には、更新前の最新プロットN’が代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、当該最新プロットN’がグラフ描画領域41内の代表位置Qと一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、最新プロットN’の描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0084】
プロット値取得部51が、グラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフが表示される場合は、代表グラフ)の最新プロットNを取得すると(ステップS21でYES)、グラフ描画ウインドウ40の表示更新処理が開始される。
【0085】
いま、ステップS21で取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」であったとする。この場合、プロット値取得部51は、時刻Xが、ステップS21で取得された最新プロットNの時刻Xであり、パラメータの値Yが、時系列データ20に含まれるデータのうち、パラメータの値Yが「No Data」ではない最も新しいデータの値であるプロットを作成し、これを仮想プロットNcとして取得する(ステップS22)。
【0086】
例えば、図2に示される時系列データ20において、現時刻が「7:01:00」であるとすると、時刻Xが「7:01:00」、パラメータの値Yが「No Data」、の最新プロットNが取得される。この場合、プロット値取得部51は、時刻Xが「7:01:00」であり、パラメータの値Yが「3.51」であるプロットを作成し、これを仮想プロットNcとして取得する。
【0087】
仮想プロットNcが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS23)。ただし、ここでは、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS22で取得された仮想プロットNc、の各値に基づいて、仮想プロットNcの値が代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0088】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS24)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、時系列データ20をプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する(ステップS25)。ただし、パラメータの値Yが「No Data」であるグラフ部分は描画しない。すなわち、グラフ31においてパラメータの値Yが「No Data」である部分は、ブランクとされる。
【0089】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31が作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS26)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0090】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS27でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ描画領域41における、グラフ31の最新プロットNの描画位置に、プロット位置マーク34を表示させる(ステップS28)。ただし、最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」の場合は、仮想プロットNcの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる。この場合も、プロット位置マーク34は代表位置Qに表示されることになる。
【0091】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図13(a)に示される状態から図13(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、仮想プロットNcが代表位置Qに相当する位置にくるようにグラフ31が表示される。そして、グラフ31においては、パラメータの値Yが「No Data」であるグラフ部分は描画されない。また、グラフ描画領域41の周縁には、仮想プロットNcの値が代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、仮想プロットNcの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。
【0092】
なお、次に取得された最新プロットNfのパラメータの値Yが「No Data」でないとすると、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図13(b)に示される状態から図13(c)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、最新プロットNfが代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示される。なお、パラメータの値Yが「No Data」でない最新プロットNfが取得されても、グラフ31において、パラメータの値Yが「No Data」であったグラフ部分は、グラフ31が途切れたままの状態で表示される。
【0093】
〈3−2.代表位置の変更〉
ユーザが代表位置Qを変更した場合、グラフ描画装置1は、グラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う。ユーザが代表位置を変更した場合にグラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図14、図15を参照しながら説明する。図14は、当該処理の流れを示す図である。図15は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。
【0094】
図15(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここに示されるように、グラフ描画領域41には、最新プロットNが、更新前の代表位置Q’に描画されるようにグラフ31が表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、最新プロットNが代表位置Q’と一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、最新プロットNの描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0095】
ユーザが、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41上の任意の位置でクリック操作すると、位置選択受付部52は、当該操作がされた座標を取得して、これを新たな代表位置Qの座標として記憶する(ステップS31)。
【0096】
新たな代表位置Qの座標値が取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS32)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、ステップS31で取得された新たな代表位置Qの座標、および、グラフ31の最新プロットN、の各値に基づいて、最新プロットNの値が、新たな代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0097】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS33)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、時系列データ20をプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する(ステップS34)。
【0098】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31が作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS35)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0099】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS36でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ31の最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS37)。プロット位置マーク34は、新たな代表位置Qに表示されることになる。
【0100】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図15(a)に示される状態から図15(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、最新プロットNが、新たな代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、最新プロットNの値がグラフ描画領域41内の新たな代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、最新プロットNの描画位置(すなわち、新たな代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。
【0101】
〈3−3.代表グラフの変更〉
ユーザが代表グラフを変更した場合、グラフ描画装置1は、グラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う。ユーザが代表グラフを変更した場合にグラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図16、図17を参照しながら説明する。図16は、当該処理の流れを示す図である。図17は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。
【0102】
図17(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここでは、データ保管データベース114格納された複数の時系列データのそれぞれに係るグラフ31a,31bがグラフ描画領域41に表示されており、グラフ31aが代表グラフとして選択されているものとする。
【0103】
ユーザが、操作デバイス13を用いてボタン432を押し下げ、当該操作に応じて表示されたグラフ名称の一覧から一のグラフの名称を選択する操作を行うと、グラフ選択受付部53は、当該選択されたグラフを新たな代表グラフに決定する(ステップS41)。ここでは、グラフ31aに代えて、グラフ31bが新たな代表グラフとして選択されたとする。
【0104】
代表グラフが変更されると、プロット値取得部51が、新たな代表グラフ31bの最新プロットNを時系列データ20から読み出して取得する(ステップS42)。
【0105】
続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS43)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS42で取得された最新プロットN、の各値に基づいて、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの値が、代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0106】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS44)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、グラフ31a,31bを描画する(ステップS45)。
【0107】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31a,31bが作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS46)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0108】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS47でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの描画位置に、プロット位置マーク34を表示させる(ステップS48)。
【0109】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図17(a)に示される状態から図17(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、新たに選択された代表グラフ31bの最新プロットNが、代表位置Qに描画されるように複数のグラフ31a,31bがそれぞれ表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの値が代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。
【0110】
〈4.効果〉
上記の実施の形態によると、グラフ31の最新プロットNが、常に、グラフ描画領域41内の定位置(代表位置Q)に描画されるので、ユーザが最新プロットNを見失うことがない。
【0111】
また、グラフ31の表示更新に合わせてグラフ描画領域41に付する目盛り32,33も表示更新されるので、ユーザは常に表示されたグラフ31を正確に読み取ることができる。
【0112】
また、グラフ描画領域41内のどの位置を、グラフ31の最新プロットNを描画する代表位置Qとするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意の位置に最新プロットNを描画させることができる。
【0113】
また、グラフ31の最新プロットNの描画位置に所定のマーク(プロット位置マーク34)を表示することができるので、ユーザは、どこに最新プロットNが描画されているかを一目で知ることができる。また、プロット位置マーク34の有無を任意に選択できるので、ユーザは、プロット位置マーク34の表示が邪魔な場合は、これを消去させることができる。
【0114】
また、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合、当該複数のグラフ31の中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットNが、常に、代表位置Qに描画されるので、ユーザが、代表グラフの最新プロットNを見失うことがない。また、ユーザは、代表グラフの最新プロットNの値と他のグラフのプロット値とを容易に比較できる。
【0115】
また、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31のうちのいずれを代表グラフとするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意のグラフ31の最新プロットNを代表位置Qに描画させることができる。
【0116】
〈5.変形例〉
〈5−1.第1の変形例〉
上記の実施の形態において、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合、各グラフ31の表示色を互いに異なるものとすればユーザは各グラフ31を識別しやすい。そこで、上記の実施の形態に係るコンピュータ本体11に、これを実現するための機能部をさらに設ける構成としてもよい。図18には、この変形例に係るグラフ描画装置1aが備える機能部の構成を示すブロック図が示されている。図18に示されるように、この変形例に係るグラフ描画装置1aは、上記の実施の形態に係るグラフ描画装置1が備える各機能部に加えて、表示色調整部59を備える。
【0117】
表示色調整部59は、グラフ作成部57がグラフ描画領域41に表示すべきグラフ31を複数個作成した場合に(図10のステップS14参照)、作成された各グラフ31に、互いに異なる表示色を設定する。そして、各グラフ31について設定した表示色を表示制御部58に通知する。表示制御部58は、当該通知を受けた場合、グラフ作成部57が作成した複数個のグラフ31のそれぞれを、設定された表示色でグラフ描画領域41に表示させる(ステップS15参照)。
【0118】
この変形例によると、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31のそれぞれが色分けして表示されるので、ユーザは個々のグラフ31を識別しやすくなる。
【0119】
なお、この変形例において、表示制御部58が、表示色調整部59からの通知を受けた場合に、目盛り作成部56が作成した目盛り32,33のそれぞれを、代表グラフについて設定された表示色で表示させる構成としてもよい。この構成によると、グラフ描画領域41に表示されている複数のグラフ31のうち、どれが代表グラフであるかをユーザが一目で知得できる。
【0120】
〈5−2.第2の変形例〉
上記の実施の形態においては、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合について説明した。ここで、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31が互いに異なる単位系で規定されている場合について説明する。
【0121】
〈5−2−1.構成〉
図19には、この変形例に係るグラフ描画装置1bが備える機能部の構成を示すブロック図が示されている。図19に示されるように、この変形例に係るグラフ描画装置1bは、上記の実施の形態に係るグラフ描画装置1が備える各機能部に加えて、対応数値領域特定部60を備える。
【0122】
対応数値領域特定部60は、表示対象となる複数の時系列データ20のそれぞれが互いに異なる単位系で規定されている場合、いずれかの単位系についてグラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定された場合に、当該特定された数値範囲に対応する他の単位系の数値範囲を特定する。ただし、各単位系の対応関係は、各単位系について設定された目盛りレンジと、異なる単位系間を対応付ける際の基準となる値(対応付け基準値)とから規定される。ただし、各単位系についての目盛りレンジ、および、対応付けの基準値の具体的な値はユーザが任意に設定できるものとする。
【0123】
例えば、温度の単位系「℃」について、縦軸目盛りレンジが「20℃幅」と設定されており、重さの単位系「g」との対応付けの基準値が「0.0g=100℃」と設定されているとする。ここで、例えば、重さの単位系「g」について、Y軸の数値範囲が、数値範囲(0.0g≦Y≦4.0g)と特定されているとすると、当該数値範囲に相当する温度の単位系「℃」の数値範囲は、数値範囲(100℃≦Y≦120℃)となる。また例えば、重さの単位系「g」について、Y軸の数値範囲が、数値範囲(−2.0g≦Y≦2.0g)と特定されているとすると、当該数値範囲に相当する温度の単位系「℃」の数値範囲は、数値範囲(90℃≦Y≦110℃)となる。
【0124】
〈5−2−2.処理の流れ〉
グラフ描画領域41に互いに単位系の異なる複数のグラフが表示される場合において、時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1bが行う処理の流れについて、図20を参照しながら説明する。図20は、当該処理の流れを示す図である。なお、以下の説明においては、適宜図11を参照する。
【0125】
図11(a)には、複数のグラフ31a,31bが表示されたグラフ描画領域41が示されている。いま、グラフ31aに係る時系列データ20のパラメータの値Yの単位系が重さの単位系「g」であり、グラフ31bに係る時系列データ20のパラメータの値Yの単位系が温度の単位系「℃」であるとする。また、重さの単位系「g」に係るグラフ31aが代表グラフとして選択されているものとする。
【0126】
プロット値取得部51が、代表グラフ31aの最新プロットNを取得すると(ステップS51でYES)、グラフ31a,31bの表示更新処理が開始される。
【0127】
代表グラフ31aの最新プロットNが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲(すなわち、代表グラフ31aに係る単位系の数値範囲)を特定する(ステップS52)。ここでは、Y軸の数値範囲として重さの単位系「g」の数値範囲が特定されることになる。
【0128】
続いて、対応数値領域特定部60が、ステップS52で特定された数値範囲に対応する、他の単位系の数値範囲をそれぞれ特定する(ステップS53)。ここでは、ステップS52で特定された重さの単位系「g」の数値範囲に対応する、グラフ31bの単位系(温度の単位系「℃」)の数値範囲を特定する。
【0129】
全てのグラフに係る単位系の数値範囲がそれぞれ特定されると、続いて、目盛り作成部56が、代表グラフ31aの単位系の数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS54)。
【0130】
また、グラフ作成部57が、各グラフ31a,31bを、当該グラフの単位系の数値範囲にそれぞれ描画する(ステップS55)。
【0131】
新たな目盛り32,33、および、複数の新たなグラフ31a,31bが作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS56)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0132】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS57でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、代表グラフ31aの最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS58)。
【0133】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図11(a)に示される状態から図11(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの最新プロットNが代表位置Qに描画されるように、複数のグラフ31a,31bがそれぞれ表示される。ただし、グラフ31aとグラフ31bとの位置関係は、各単位系について予め設定された目盛りレンジと対応付けの基準値とにより固定的に規定される。また、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの単位系の目盛り32,33が付される。
【0134】
〈5−2−3.効果〉
この変形例によると、互いに単位系の異なる複数の時系列データ20をグラフ描画領域41に表示することができるので、単位系の異なる時系列データ20の比較を容易に行うことができる。例えば、サンプルの温度変化と重量変化の相関関係を調べたい場合等に有効である。
【0135】
〈5−3.第3の変形例〉
上記の第2の変形例においては、グラフ描画ウインドウ40に表示される目盛り32,33は、代表グラフの単位系の目盛りであるので、グラフ描画領域41に表示されている他のグラフのプロット値をそこから直接に読み取ることはできない。そこで、第2の変形例に係るグラフ描画装置1bに、代表グラフ以外のグラフに係る目盛り32,33を、ユーザの所望に応じて表示させる機能をさらに設ける構成としてもよい。
【0136】
〈5−3−1.構成〉
図21には、この変形例に係るグラフ描画装置1cの構成を示すブロック図が示されている。図21に示されるように、この変形例に係るグラフ描画装置1cは、第2の変形例に係るグラフ描画装置1bが備える各機能部に加えて、目盛り対象グラフ選択受付部61を備える。
【0137】
目盛り対象グラフ選択受付部61は、グラフ描画領域41に互いに単位系の異なる複数のグラフ31が表示される場合に、当該複数のグラフ31のうちのいずれを「目盛り対象グラフ」とするかの選択をユーザから受け付ける。ただし、「目盛り対象グラフ」とは、グラフ描画領域41に表示されている複数のグラフのうち、グラフ描画ウインドウ40に表示されている目盛り32,22が示す単位系のグラフを指す。ユーザが、例えば、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41に表示された複数のグラフ31の表示位置でクリック操作すると、目盛り対象グラフ選択受付部61が、当該選択されたグラフを、目盛り対象グラフに決定する。
【0138】
〈5−3−2.処理の流れ〉
ユーザが目盛り対象グラフを変更した場合にグラフ描画装置1cが実行する処理の流れについて、図22を参照しながら説明する。図22は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。
【0139】
図22(a)には、表示更新前のグラフ描画領域41の様子が示されている。ここでは、重さの単位系「g」に係るグラフ31aと、長さの単位系「μm」に係るグラフ31bとがグラフ描画領域41に表示されている。ただし、ここでは、重さの単位系「g」に係るグラフ31aが代表グラフとして選択されているものする。したがって、ユーザが特に目盛り対象グラフを選択する操作をしていない場合、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの目盛り32,33が付されている。
【0140】
ユーザが、操作デバイス13を用いて、グラフ描画領域41に表示された複数のグラフのいずれかを選択してその表示位置でクリック操作すると(図22(a))、目盛り対象グラフ選択受付部61が、当該選択されたグラフ(図22(a)の例ではグラフ31b)を、目盛り対象グラフに決定する。
【0141】
新たなグラフが目盛り対象グラフとして選択された場合、目盛り対象グラフ選択受付部61は、新たな目盛り対象グラフを特定する情報を目盛り作成部56に通知する。目盛り作成部56は、指定された目盛り対象グラフの単位系の数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する。新たな目盛り32,33が作成されると、表示制御部58が、新たに作成された目盛り32,22をディスプレイ12の所定位置に表示させる。
【0142】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図22(a)に示される状態から図22(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの単位系「g」の目盛り32,33に代えて、目盛り対象グラフとして選択されたグラフ31bの単位系「μm」の目盛り32,33が付されることになる。
【0143】
〈5−3−3.効果〉
この変形例によると、互いに単位系の異なる複数の時系列データ20をグラフ描画領域41に表示する場合に、ユーザが、代表グラフとして選択したグラフ以外のグラフの目盛りをグラフ描画領域41に表示させることができる。したがって、ユーザは、単位系の異なる時系列データ20を比較する場合に、各グラフ31の数値を正確に読み取ることができる。
【0144】
なお、この変形例において、上記の第1の変形例に係る表示色調整部59をさらに設ける構成としてもよい。この場合、目盛り作成部56が作成した目盛り32,33のそれぞれを、目盛り対象グラフについて設定された表示色で表示させる構成とすることが好ましい。この構成によると、現在表示されている目盛り32,33が、どのグラフ31に対応しているかをユーザが一目で認識することができる。
【0145】
〈5−4.その他の変形例〉
上記の実施の形態においては、時系列データ20が時刻データ系列21とパラメータ値データ系列22とを含む構成としたが、時系列データ20は、時刻データ系列21に代えて他の種類のデータの系列を含むデータであってもよいし、パラメータ値データ系列22に代えて他の種類のデータの系列を含むデータであってもよい。すなわち、時系列データ20は、第1のデータの系列と第2のデータの系列とを含み、第1軸及び第2軸が定義された平面にグラフとして表現することができるデータであればなんでもよい。
【0146】
また、グラフ描画ウインドウ40の配置構成は、図3等に示されるものに限らない。例えば図3の例では、グラフ描画領域41において、時刻Xを横軸に、パラメータの値Yを縦軸に、それぞれとっていたが、横軸と縦軸とを切り替え、時刻Xを縦軸、パラメータの値Yを横軸にとってもよい。また、グラフ31は、線グラフではなく棒グラフで描画されてもよい。また、横軸目盛り32および縦軸目盛り33の各配置場所は、他の場所に変更されてもよい。例えば、横軸目盛り32をグラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の上辺に沿って配置してもよいし、横軸目盛り32をグラフ描画領域412の内側にグラフ描画領域41の上辺又は下辺に沿って、あるいは、グラフ描画領域41の中央に配置してもよい。同様に、縦軸目盛り33をグラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の左辺に沿って配置してもよいし、縦軸目盛り33をグラフ描画領域412の内側にグラフ描画領域41の左辺又は右辺に沿って、あるいは、グラフ描画領域41の中央に配置してもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 グラフ描画装置
11 コンピュータ本体
12 ディスプレイ
13 操作デバイス
14 データ取得装置
20 時系列データ
31 グラフ
32 横軸目盛り
33 縦軸目盛り
40 グラフ描画ウインドウ
41 グラフ描画領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内にグラフの形で描画する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデータ値からなるデータ集合を、ディスプレイ等の表示機器の画面にグラフの形で視覚化する技術が従来から各種提案されており、データの解析作業などの各種場面で活用されている。
【0003】
データの解析作業などをスムーズに進めるためには、ユーザが見たいグラフ部分が常に画面内に表示されていることが望ましい。ところが、表示機器の画面サイズは限定されており、時にはユーザが見たいグラフ部分が画面の外にはみ出てしまうこともある。このような場合、ユーザが、スクロールバーやドラッグ機能を組み合わせて画面を移動させたり、グラフ全体を縮小して表示させたりすることによって、見たいグラフ部分が画面内に現れるように操作する必要があった。
【0004】
例えば特許文献1には、ユーザが、簡単な操作で、自分の見たいグラフ部分を画面内に捉えることができるように支援する技術が提案されている。この技術によると、画面にグラフの全体が表示され、そこからユーザが任意の部分領域を指定すると、当該指定された部分領域が画面全体に拡大されるとともに、ユーザが指定したグラフが画面中央に位置するように表示される。したがって、ユーザは、見たいグラフ部分を指定するだけで、当該グラフ部分を画面内に見やすい形で表示させることができる。
【0005】
ところで、特許文献1の技術は、表示されるグラフが既に完結しているものであることを想定しており、グラフがまだ完結していない場合(グラフがリアルタイムで更新され続けている場合)には適用できない。
【0006】
例えば、最新データが次々と追加されているデータ集合をグラフ表示する場合、データ集合に最新データが追加される度毎にグラフを表示更新しなければならない。従来においては、このような場合、図23に例示されるように、グラフ91の最新プロットNが取得されるたびに、画面90内のグラフ91を時間軸Xに沿って平行移動させ、最新プロットNの取得時刻が画面90の例えば右端にくるように表示更新を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−75471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記の表示更新においては、グラフの最新プロットが、Y軸方向について画面の外側にはみ出してしまうという事態が頻発していた(例えば、図23の最下段)。最新プロットが画面の外側にはみ出してしまった場合、ユーザがスクロールバーやドラッグ機能を組み合わせて画面を上下に適宜移動させて、最新プロットを画面内に捉え直さなければならない。
【0009】
このような操作はユーザにとって非常に煩わしく、また、見失ったプロット値を探している間にも次々と新しいプロットが追加されてグラフが更新されていくので、グラフ自体を画面内から完全に見失ってしまうことも少なくなかった。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、最新プロットが取得されるたびにリアルタイムで表示更新されるグラフにおいて、ユーザが最新プロットを見失ってしまう、といった事態の発生を回避可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画装置であって、前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得手段と、グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新処理手段と、を備える。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1に記載のグラフ描画装置であって、グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットの値が、前記代表位置と一致するように、前記所定領域に描画される前記グラフの数値軸の目盛りを振り直して、新たな目盛りに表示更新する目盛り表示更新処理手段、を備える。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のグラフ描画装置であって、前記所定領域内のどの位置を前記代表位置とするかの選択を、ユーザから受け付ける位置選択受付手段、を備える。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、前記所定領域内の、グラフの最新プロットの描画位置に、所定のマークを表示させるマーク表示制御手段、を備える。
【0015】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、前記グラフ表示更新処理手段が、前記所定領域に複数のグラフが描画される場合に、前記複数のグラフの中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットが、前記代表位置に描画されるように前記複数のグラフのそれぞれの表示更新を行う。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5に記載のグラフ描画装置であって、前記複数のグラフの中から一のグラフをユーザに選択させ、選択されたグラフを代表グラフとして受け付けるグラフ選択受付手段、を備える。
【0017】
請求項7の発明は、コンピュータに実行されることにより、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画プログラムであって、前記グラフ描画プログラムは、CPU及びメモリを備えるコンピュータに、前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得工程と、前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新工程と、を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,7の発明によると、最新プロットが取得されると、当該最新プロットが画面内の定位置である代表位置に描画されるようにグラフを表示更新する。この構成によると、グラフの最新プロットが常に画面内の同じ位置に表示されるので、ユーザが最新プロットを見失うことがない。
【0019】
請求項2の発明によると、グラフの表示更新に合わせてグラフの数値軸の目盛りも表示更新されるので、ユーザは常にグラフを正確に読み取ることができる。
【0020】
請求項3の発明によると、画面内のどの位置を、グラフの最新プロットを描画する代表位置とするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意の位置に最新プロットを描画させることができる。
【0021】
請求項4の発明によると、グラフの最新プロットの描画位置に所定のマークを表示するので、ユーザは、どこに最新プロットが描画されているかを一目で知ることができる。
【0022】
請求項5の発明によると、画面に複数のグラフが表示される場合、当該複数のグラフの中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットが、画面内の定位置である代表位置に描画されるように複数のグラフを表示更新する。この構成によると、代表グラフとして選択されたグラフの最新プロットが常に画面内の同じ位置に表示されるので、ユーザが、代表グラフの最新プロットを見失うことがない。また、ユーザは、代表グラフと他のグラフとの比較を容易に行うことができる。
【0023】
請求項6の発明によると、画面に表示される複数のグラフのうちのいずれを代表グラフとするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意のグラフの最新プロットを画面内の定位置である代表位置に描画させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】グラフ描画装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】時系列データの例を示す図である。
【図3】グラフ描画ウインドウの構成例を示す図である。
【図4】グラフ描画ウインドウの構成例を示す図である。
【図5】グラフ描画ウインドウの構成例を示す図である。
【図6】グラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図7】グラフ描画領域に相当する数値範囲の特定方法を説明するための図である。
【図8】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図9】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図10】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図11】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図12】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図13】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図14】ユーザが代表位置を変更した場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図15】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図16】ユーザが代表グラフを変更した場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図17】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図18】第1の変形例に係るグラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図19】第2の変形例に係るグラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図20】時系列データに新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置が行う処理の流れを示す図である。
【図21】第3の変形例に係るグラフ描画装置の機能構成を示すブロック図である。
【図22】グラフ描画領域が表示更新される様子を示す図である。
【図23】従来どのように時系列データをグラフ表示していたかを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〈1.構成〉
この発明の実施の形態に係るグラフ描画装置のハードウェア構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、グラフ描画装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0026】
グラフ描画装置1は、コンピュータ本体11と、画像を表示するディスプレイ12と、ユーザからの操作を受け付ける操作デバイス13と、時系列データを取得するデータ取得装置14とを備えている。コンピュータ本体11とデータ取得装置14とは、通信回線15を介して互いに接続されている。
【0027】
〈1−1.コンピュータ本体〉
コンピュータ本体11は、CPU111と主記憶装置であるメモリ112と副記憶装置であるハードディスクドライブ113と備える。
【0028】
ハードディスクドライブ113には、グラフ描画プログラム114がインストールされる。ハードディスクドライブ113からメモリ112にロードされたグラフ描画プログラム114が実行されることによって、コンピュータ本体11において、以下に説明する各種の機能が実現される。なお、グラフ描画プログラム114は、CD−ROM等の記録媒体115によって提供されたものであってもよいし、ネットワーク等の通信回線を経由して提供されたものであってもよい。
【0029】
また、ハードディスクドライブ113には、1または複数の時系列データ20を保管するデータ保管データベース116が構築されている。
【0030】
時系列データ20は、複数のデータからなるデータ集合である。ただし、このデータ集合は未完結のデータ集合であり、データ取得装置14から定期的もしくは不定期に次々と最新データが追加されていく。ここで、時系列データ20について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2は、時系列データ20の一例を示す図である。
【0031】
時系列データ20は、1個の時刻Xのデータの系列(以下、「時刻データ系列」という)21と1個のパラメータの値Yのデータの系列(以下、「パラメータ値データ系列」という)22とを含む。すなわち、時系列データ20に含まれる各データは、時刻Xと、パラメータの値Yとから規定されている。
【0032】
なお、図2のパラメータ値データ系列22に含まれる「No Data」は、何らかの事情でパラメータの値Yを取得することができなかったためにパラメータの値Yが欠落していることを意味しており、パラメータの値Yが「0」であることとは意味が異なる。
【0033】
〈1−2.ディスプレイ・操作デバイス〉
再び図1を参照する。表示部であるディスプレイ12としては、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等を用いることができる。操作部である操作デバイス13としては、マウスその他のポインティングデバイス、キーボード等を用いることができる。ディスプレイ12と操作デバイス13とを一体化したタッチパネルを用いてもよい。
【0034】
〈1−3.データ取得装置〉
データ取得装置14は、各種のデータ観測機器等により構成され、コンピュータ本体11に時系列データ20を提供する。例えば、定期的または不定期に被測定物を観測し、得られた測定値を、時系列データ20の最新データとして通信回線15を介してコンピュータ本体11に送信する。コンピュータ本体11は、データ取得装置14から時系列データ20の最新データを受信すると、当該受信した最新データをデータ保管データベース116に格納して、時系列データ20を更新する。
【0035】
〈2.時系列データのグラフ表示〉
コンピュータ本体11は、時系列データ20をグラフの形で表現してディスプレイ12に表示させ、さらに、時系列データ20に最新データが追加される度に、ディスプレイ12にグラフの表示更新を行わせる機能を備える。以下において、当該機能について説明する。
【0036】
〈2−1.グラフ描画ウインドウ〉
コンピュータ本体11の機能について具体的に説明する前に、まず、コンピュータ本体11がディスプレイ12に表示させるウインドウ(グラフ描画ウインドウ40)の構成について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3〜図5はいずれも、グラフ描画ウインドウ40の構成例を示す図である。
【0037】
グラフ描画ウインドウ40には、1以上のグラフ31が表示されるグラフ描画領域41と、グラフ描画領域41に後述するプロット位置マーク34を表示するか否かを選択する操作の対象となるチェックボックス42が配置されている。さらに、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合(図5参照)に、当該複数のグラフ31の中から、一のグラフを選択する操作の対象となるドロップダウンリスト43が配置されている。
【0038】
〈2−1−1.グラフ描画領域〉
〈グラフ〉
グラフ描画領域41内には、1以上のグラフ31が表示される。図3、図4には、グラフ描画領域41に1のグラフ31が表示されるグラフ描画ウインドウ40の様子が、図5には、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示されるグラフ描画ウインドウ40の様子が、それぞれ示されている。
【0039】
グラフ31は、時刻Xを横軸、パラメータの値Yを縦軸にとって時系列データ20を表現した線グラフである。グラフ31は、グラフ描画領域41において、その最新プロットNが、グラフ描画領域41中の定位置である代表位置Qに常に描画されるように表示される(図3、図4参照)。なお、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合、当該複数のグラフ31のうちからユーザが選択した一のグラフ31の最新プロットNが代表位置Qに常に描画されるように、複数のグラフ31のそれぞれが描画される(図5参照)。以下において、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合に、その最新プロットNが代表位置Qに描画されるグラフとして選択されたグラフを「代表グラフ」という。
【0040】
なお、後述するように、グラフ描画領域41は、グラフ描画領域41内のどの座標値を代表位置Qとするかの選択操作の対象となるGUI部品としても機能する。ユーザは、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41上の任意の位置でクリック操作することによって、当該位置を代表位置Qとして選択する操作を行うことができる。
【0041】
〈目盛り〉
グラフ描画領域41の周縁には、グラフ描画領域41に描画されるグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の数値軸の目盛り(横軸目盛り32,縦軸目盛り33)が表示される。横軸目盛り32は、グラフ描画領域41の横軸方向の値を目盛り付けする目盛りであり、グラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の下辺に沿って配置される。縦軸目盛り33は、グラフ描画領域41の縦軸方向の値を目盛り付けする目盛りであり、グラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の右辺に沿って配置される。グラフ31の表示更新が行われると、それに合わせて目盛り32,33も更新される。この点については後述する。
【0042】
〈プロット位置マーク〉
グラフ描画領域41におけるグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の最新プロットNの描画位置には、プロット位置マーク34が表示される(図3、図5)。すなわち、プロット位置マーク34は、当該位置に、グラフ31の最新プロットNが描画されていることを示すマークである。プロット位置マーク34の形状はどのようなものであってもよく、例えば十字線により表される。なお、プロット位置マーク34を表示するか否かはユーザが任意に選択できるものとし、ユーザが所望しない場合は、プロット位置マーク34は表示されない(図4)。
【0043】
〈2−1−2.チェックボックス〉
チェックボックス42は、プロット位置マーク34の表示の有無を選択する操作の対象となるGUI部品である。ユーザは、操作デバイス13を用いてチェックボックス42の位置でクリック操作することによって、プロット位置マーク34の表示の有無を選択する操作を行うことができる。プロット位置マーク34の表示を選択する操作が行われた場合、チェックボックス42にはチェックマークが表示される(図3、図5)。プロット位置マーク34の非表示を選択する操作が行われた場合、チェックボックス42にはチェックマークが表示されない(図4)。なお、チェックボックス42に代えてラジオボタン等のGUI部品を採用してもよい。
【0044】
〈2−1−3.ドロップダウンリスト〉
ドロップダウンリスト43は、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合に(図5)、当該複数のグラフの中から代表グラフを選択する操作の対象となるGUI部品であり、選択されているグラフの名称を表示するテキストフィールド431と、選択可能なグラフ(すなわち、グラフ描画領域41に表示されている複数のグラフ31)の名称の一覧をドロップダウン表示させるボタン432とを備える。ユーザが、操作デバイス13を用いてボタン432を押し下げると、選択可能なグラフ名称の一覧が表示される。ユーザがさらに操作デバイス13を用いて一覧表示されたグラフ名称の中から一のグラフの名称を選択する操作を行うと、当該グラフが代表グラフとして選択されるとともに、代表グラフとして選択されたグラフの名称がテキストフィールド431に表示される。なお、ドロップダウンリスト43に代えてラジオボタン等のGUI部品を採用してもよい。
【0045】
〈2−2.機能構成〉
続いて、コンピュータ本体11の機能構成について、図6を参照しながら説明する。図6は、グラフ描画装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。図6に示される各機能部のうち、コンピュータ本体11が備える機能部は、コンピュータ本体11がグラフ描画プログラム114を実行することにより実現されてもよいし、ハードウェアによって実現されてもよい。
【0046】
コンピュータ本体11は、グラフ31の最新プロットNを取得するプロット値取得部51を備える。また、代表位置Qの座標指定をユーザから受け付ける位置選択受付部52と、代表グラフの選択をユーザから受け付けるグラフ選択受付部53と、プロット位置マーク34の表示の有無の選択をユーザから受け付けるマーク表示選択受付部54とを備える。さらに、グラフ描画領域41の表示更新を行う場合に、グラフ描画領域41が相当する新たな数値領域を特定する数値領域特定部55と、新たな数値領域に応じた新たな目盛り32,33を作成する目盛り作成部56と、新たな数値領域に応じた新たなグラフを作成するグラフ作成部57とを備える。また、新たな目盛り32,33、および、新たなグラフが作成された場合に、これらをディスプレイ12に表示させる表示制御部58を備える。各部の機能を具体的に説明する。
【0047】
プロット値取得部51は、グラフ描画領域41に表示するグラフ31の最新プロットNを取得する。具体的には、時系列データ20に最新データが追加された場合に、その新たに追加された最新データを読み出して、グラフ31の最新プロットNとして取得する。
【0048】
位置選択受付部52は、グラフ描画領域41のどの位置を代表位置Qとするかの選択をユーザから受け付ける。上述したとおり、グラフ描画領域41は、グラフ描画領域41内のどの座標値を代表位置Qとするかの選択操作の対象となるGUI部品としても機能する。ユーザが、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41上の任意の位置でクリック操作すると、位置選択受付部52は、当該操作がされた位置の座標を取得して、これを代表位置Qの座標として記憶する。
【0049】
グラフ選択受付部53は、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31のいずれを代表グラフとするかの選択を、ユーザから受け付ける。上述したとおり、ドロップダウンリスト43は、代表グラフを選択するためのGUI部品として機能する。ユーザが、操作デバイス13を用いてボタン432を押し下げ、当該操作に応じて表示されたグラフ名称の一覧から一のグラフの名称を選択する操作を行うと、グラフ選択受付部53は、当該選択されたグラフを代表グラフに決定する。
【0050】
マーク表示選択受付部54は、プロット位置マーク34を表示するか否かの選択をユーザから受け付ける。上述したとおり、チェックボックス42は、プロット位置マーク34の表示の有無を選択する操作の対象となるGUI部品として機能する。ユーザが、操作デバイス13を用いてチェックボックス42の位置でクリック操作してチェックボックス42にチェックマークを付すると、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58に、プロット位置マーク34の表示指示を与える。この場合、表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ描画領域41に描画されているグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフが描画されている場合は、代表グラフ)の最新プロットNの描画位置に、プロット位置マーク34を表示させる(図3、図5参照)。また、この状態で、ユーザが、操作デバイス13を用いてチェックボックス42の位置でクリック操作してチェックボックス42に付されたチェックマークを消去すると、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58に、プロット位置マーク34の消去指示を与える。この場合、表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ描画領域41に描画されているプロット位置マーク34を消去する(図4参照)。
【0051】
数値領域特定部55は、グラフ描画領域41の表示更新を行う場合に、グラフ描画領域41が相当する新たな数値領域を特定する。具体的には、予め設定された「目盛りレンジ(横軸目盛りレンジ、および、縦軸目盛りレンジ)」、グラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の最新プロットN、および、代表位置Qの座標、の各値に基づいて、数値範囲を特定する。
【0052】
ただし、「目盛りレンジ」とは、グラフ描画領域41に相当するグラフ31の数値軸の数値幅であり、横軸目盛りレンジは、グラフ描画領域41の横幅に相当する時刻Xの数値幅であり、縦軸目盛りレンジは、グラフ描画領域41の縦幅に相当するパラメータの値Yの数値幅である。横軸目盛りレンジ、および、縦軸目盛りレンジの具体的な値はユーザが任意に設定できるものとする。
【0053】
例えば、図3に示される例の場合、グラフ描画領域41の左端および右端はそれぞれ、「9:00:00」、「9:40:00」となっているので、横軸目盛りレンジは「40分幅」と設定されていることがわかる。また、グラフ描画領域41の下端および上端は、それぞれ、「0.0g」、「4.0g」となっているので、縦軸目盛りレンジは「4g幅」と設定されていることがわかる。
【0054】
図7を参照する。グラフ描画領域41に相当する数値範囲は、概念的には、次のように規定される。まず、XY平面において、グラフ描画領域41に相当するサイズの領域(すなわち、X方向に沿った長さが横軸目盛りレンジであり、Y方向に沿った長さが縦軸目盛りレンジであるような大きさの領域)Aを規定する。そして、この領域AをXY平面中の適切な位置まで移動させる。具体的には、領域Aにおける代表位置Qに相当する位置が、XY平面に描画されるグラフ31の最新プロットNの位置にくるように、領域Aを移動させる。当該位置で、領域Aが切り取るX軸の数値範囲、および、領域Aが切り取るY軸の数値範囲が、グラフ描画領域41が相当する数値範囲となる。
【0055】
例えば、横軸目盛りレンジ、縦軸目盛りレンジがそれぞれ「40分幅」、「4g幅」と設定されているとする。この場合、領域Aは、XY平面において、X方向に沿って「40分」分の長さをもち、Y方向に沿って「4g」分の長さをもつ領域となる。
【0056】
いま、グラフ描画領域41を、横軸a、縦軸bにより規定されるab平面上の領域(0≦a≦40,0≦b≦40)と規定して、座標(35,30)に相当する位置に代表位置Qが設定されているとする。
【0057】
ここで、グラフ31の最新プロットNの値がN1(9:35:00,3.0)であったとする。この場合、ab平面における領域(0≦a≦40,0≦b≦40)は、XY平面において、X方向に沿って「40分」分の長さをもち、Y方向に沿って「4g」分の長さをもつ領域Aであるので、ab平面における座標(35,30)が、最新プロットNの値N1(9:35:00,3.0)と一致するような位置(D1)におくと、領域Aが切り取るX軸の数値範囲は(9:00:00≦X≦9:40:00)となり、Y軸の数値範囲は(0.0g≦Y≦4.0g)となる。
【0058】
また、目盛りレンジと代表位置Qの座標値とが変更されていない状態で、次に取得された最新プロットNの値がN2(9:40:00,−2.0g)であったとする。この場合、ab平面における座標(35,30)が、最新プロットNの値N2(9:40:00,−2.0g)と一致するような位置(D2)におくと、領域Aが切り取るX軸の数値範囲は(9:05:00≦X≦9:45:00)となり、Y軸の数値範囲は(−5.0g≦Y≦−1.0g)となる。
【0059】
このようにして規定された数値範囲は、グラフ描画領域41の代表位置Qを、グラフ31の最新プロットNの値と一致させるようなものとなっている。
【0060】
再び図6を参照する。目盛り作成部56は、数値領域特定部55がグラフ描画領域41に相当する数値範囲を新たに特定した場合に、当該新たに特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する。例えば、特定された数値範囲が、数値範囲(9:00:00≦X≦9:40:00,0.0g≦Y≦4.0g)である場合、目盛り作成部56は、両端の値がそれぞれ「9:00:00」「9:40:00」の横軸目盛り32と、両端の値がそれぞれ「0.0g」「4.0g」の縦軸目盛り33とを作成する。上述したとおり、数値領域特定部55が規定する数値範囲は、グラフ描画領域41の代表位置Qを、グラフ31の最新プロットNの値と一致させるように決定されている。したがって、この数値範囲にしたがって作成される目盛り32,33は、代表位置Qの位置が、グラフ31の最新プロットNの値と一致するように目盛り付けされたものとなっている。
【0061】
グラフ作成部57は、数値領域特定部55がグラフ描画領域41に相当する数値範囲を新たに特定した場合に、当該新たに特定された数値範囲に、時系列データ20のデータをプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する。上述したとおり、数値領域特定部55が規定する数値範囲は、グラフ描画領域41の代表位置Qを、グラフ31の最新プロットNの値と一致させるように決定されている。したがって、この数値範囲に描画されるグラフ31は、その最新プロットNが、グラフ描画領域41内の代表位置Qに描画されるものとなっている。
【0062】
表示制御部58は、目盛り作成部56が作成した目盛り32,33、および、表示制御部47が作成したグラフ31を、それぞれグラフ描画ウインドウ40の所定の位置に表示させる。具体的には、横軸目盛り32をグラフ描画領域41の下辺に沿って、縦軸目盛り33をグラフ描画領域41の右辺に沿って、それぞれ表示させる。また、グラフ31をグラフ描画領域41内に表示させる。また、表示制御部は、マーク表示選択受付部54からプロット位置マーク34の表示指示を受けた場合に、グラフ描画領域41におけるグラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフ31が描画される場合は、代表グラフ)の最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる。
【0063】
〈3.処理の流れ〉
〈3−1.グラフの表示更新〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合、グラフ描画装置1は、グラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う。グラフ描画装置1がグラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う際の処理の流れについて説明する。
【0064】
〈3−1−1.表示されるグラフが1個の場合〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図8、図9を参照しながら説明する。図8は、当該処理の流れを示す図である。図9は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。ただし、ここでは、グラフ描画領域41に表示されるグラフ31が1個である場合について説明する。複数のグラフ31が表示される場合については後に説明する。
【0065】
図9(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここに示されるように、グラフ描画領域41には、更新前の最新プロットN’が代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、当該最新プロットN’が代表位置Qと一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、最新プロットN’の描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0066】
プロット値取得部51が、グラフ31の最新プロットNを取得すると(ステップS1でYES)、グラフ描画ウインドウ40の表示更新処理が開始される。ただし、ここでは、取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」ではないとして説明を進める。取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」である場合については後に説明する。
【0067】
グラフ31の最新プロットNが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS2)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS1で取得された最新プロットN、の各値に基づいて、最新プロットNの値が代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0068】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS3)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、時系列データ20をプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する(ステップS4)。ステップS3の処理とステップS4の処理とは並行して行われてもよい。
【0069】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31が作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS5)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0070】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS6でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ31の最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS7)。プロット位置マーク34は、代表位置Qに表示されることになる。
【0071】
一方、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択していない場合(ステップS6でNO)、マーク表示選択受付部54は表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与えず、表示制御部58はプロット位置マーク34を表示させない。
【0072】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図9(a)に示される状態から図9(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、最新プロットNが代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、当該最新プロットNの値が代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、最新プロットNの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。ただし、図9(b)において、グラフ31の点線部分は説明の便宜上記載したものであり、実際は表示されない。
【0073】
〈3−1−2.表示されるグラフが複数の場合〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図10、図11を参照しながら説明する。図10は、当該処理の流れを示す図である。図11は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。ただし、ここでは、グラフ描画領域41に複数のグラフが表示される場合について説明する。
【0074】
図11(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここでは、データ保管データベース114に複数の時系列データ(図示省略)が格納されているものとし、各時系列データに係るグラフ31a,31bがグラフ描画領域41に表示されている。ただし、複数のグラフが表示される場合、そのうちのいずれか一のグラフが代表グラフとして選択される必要があり、ここでは、グラフ31aが代表グラフとして選択されているものとする。なお、この例では、グラフ描画領域41に表示されるグラフの個数は2個であるものとしているが、2以上のグラフが表示されていてもよい。
【0075】
したがって、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの更新前の最新プロットN’が代表位置Qに描画されるように、複数のグラフ31a,31bのそれぞれが表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、代表グラフ31aの最新プロットN’が代表位置Qと一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、代表グラフ31aの最新プロットN’の描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0076】
プロット値取得部51が、代表グラフ31aの最新プロットNを取得すると(ステップS11でYES)、グラフ31a,31bの表示更新処理が開始される。ただし、ここでは、取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」ではないとして説明を進める。
【0077】
代表グラフ31aの最新プロットNが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS12)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS11で取得された最新プロットN、の各値に基づいて、最新プロットNの値が代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0078】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS13)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、グラフ31a,31bを描画する(ステップS14)。具体的には、当該特定された数値範囲に、グラフ31aに係る時系列データをプロットして、当該時系列データをグラフ31aの形で描画する。また、当該特定された数値範囲に、グラフ31bに係る時系列データをプロットして、当該時系列データをグラフ31bの形で描画する。
【0079】
新たな目盛り32,33、および、複数の新たなグラフ31a,31bが作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS15)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0080】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS16でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、代表グラフ31aの最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS17)。
【0081】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図11(a)に示される状態から図11(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの最新プロットNが代表位置Qに描画されるように、複数のグラフ31a,31bがそれぞれ表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、代表グラフ31aの最新プロットNの値がグラフ描画領域41内の代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、代表グラフ31aの最新プロットNの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。ただし、図11(b)において、グラフ31a,31bの点線部分は説明の便宜上記載したものであり、実際は表示されない。
【0082】
〈3−1−3.最新プロット値のパラメータ値データ系列が「No Data」である場合〉
時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図12、図13を参照しながら説明する。図12は、当該処理の流れを示す図である。図13は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。ただし、ここでは、時系列データ20に追加されたデータのパラメータの値Yが「No Data」である場合について説明する。
【0083】
図13(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここに示されるように、グラフ描画領域41には、更新前の最新プロットN’が代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、当該最新プロットN’がグラフ描画領域41内の代表位置Qと一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、最新プロットN’の描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0084】
プロット値取得部51が、グラフ31(グラフ描画領域41に複数のグラフが表示される場合は、代表グラフ)の最新プロットNを取得すると(ステップS21でYES)、グラフ描画ウインドウ40の表示更新処理が開始される。
【0085】
いま、ステップS21で取得された最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」であったとする。この場合、プロット値取得部51は、時刻Xが、ステップS21で取得された最新プロットNの時刻Xであり、パラメータの値Yが、時系列データ20に含まれるデータのうち、パラメータの値Yが「No Data」ではない最も新しいデータの値であるプロットを作成し、これを仮想プロットNcとして取得する(ステップS22)。
【0086】
例えば、図2に示される時系列データ20において、現時刻が「7:01:00」であるとすると、時刻Xが「7:01:00」、パラメータの値Yが「No Data」、の最新プロットNが取得される。この場合、プロット値取得部51は、時刻Xが「7:01:00」であり、パラメータの値Yが「3.51」であるプロットを作成し、これを仮想プロットNcとして取得する。
【0087】
仮想プロットNcが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS23)。ただし、ここでは、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS22で取得された仮想プロットNc、の各値に基づいて、仮想プロットNcの値が代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0088】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS24)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、時系列データ20をプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する(ステップS25)。ただし、パラメータの値Yが「No Data」であるグラフ部分は描画しない。すなわち、グラフ31においてパラメータの値Yが「No Data」である部分は、ブランクとされる。
【0089】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31が作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS26)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0090】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS27でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ描画領域41における、グラフ31の最新プロットNの描画位置に、プロット位置マーク34を表示させる(ステップS28)。ただし、最新プロットNのパラメータの値Yが「No Data」の場合は、仮想プロットNcの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる。この場合も、プロット位置マーク34は代表位置Qに表示されることになる。
【0091】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図13(a)に示される状態から図13(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、仮想プロットNcが代表位置Qに相当する位置にくるようにグラフ31が表示される。そして、グラフ31においては、パラメータの値Yが「No Data」であるグラフ部分は描画されない。また、グラフ描画領域41の周縁には、仮想プロットNcの値が代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、仮想プロットNcの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。
【0092】
なお、次に取得された最新プロットNfのパラメータの値Yが「No Data」でないとすると、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図13(b)に示される状態から図13(c)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、最新プロットNfが代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示される。なお、パラメータの値Yが「No Data」でない最新プロットNfが取得されても、グラフ31において、パラメータの値Yが「No Data」であったグラフ部分は、グラフ31が途切れたままの状態で表示される。
【0093】
〈3−2.代表位置の変更〉
ユーザが代表位置Qを変更した場合、グラフ描画装置1は、グラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う。ユーザが代表位置を変更した場合にグラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図14、図15を参照しながら説明する。図14は、当該処理の流れを示す図である。図15は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。
【0094】
図15(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここに示されるように、グラフ描画領域41には、最新プロットNが、更新前の代表位置Q’に描画されるようにグラフ31が表示されている。また、グラフ描画領域41の周縁には、最新プロットNが代表位置Q’と一致するように目盛り付けされた目盛り32,33が表示されている。また、最新プロットNの描画位置には、プロット位置マーク34が表示されている。
【0095】
ユーザが、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41上の任意の位置でクリック操作すると、位置選択受付部52は、当該操作がされた座標を取得して、これを新たな代表位置Qの座標として記憶する(ステップS31)。
【0096】
新たな代表位置Qの座標値が取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS32)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、ステップS31で取得された新たな代表位置Qの座標、および、グラフ31の最新プロットN、の各値に基づいて、最新プロットNの値が、新たな代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0097】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS33)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、時系列データ20をプロットして、時系列データ20をグラフ31の形で描画する(ステップS34)。
【0098】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31が作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS35)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0099】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS36でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、グラフ31の最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS37)。プロット位置マーク34は、新たな代表位置Qに表示されることになる。
【0100】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図15(a)に示される状態から図15(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、最新プロットNが、新たな代表位置Qに描画されるようにグラフ31が表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、最新プロットNの値がグラフ描画領域41内の新たな代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、最新プロットNの描画位置(すなわち、新たな代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。
【0101】
〈3−3.代表グラフの変更〉
ユーザが代表グラフを変更した場合、グラフ描画装置1は、グラフ描画ウインドウ40の表示更新を行う。ユーザが代表グラフを変更した場合にグラフ描画装置1が行う処理の流れについて、図16、図17を参照しながら説明する。図16は、当該処理の流れを示す図である。図17は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。
【0102】
図17(a)には、表示更新前のグラフ描画ウインドウ40の様子が示されている。ここでは、データ保管データベース114格納された複数の時系列データのそれぞれに係るグラフ31a,31bがグラフ描画領域41に表示されており、グラフ31aが代表グラフとして選択されているものとする。
【0103】
ユーザが、操作デバイス13を用いてボタン432を押し下げ、当該操作に応じて表示されたグラフ名称の一覧から一のグラフの名称を選択する操作を行うと、グラフ選択受付部53は、当該選択されたグラフを新たな代表グラフに決定する(ステップS41)。ここでは、グラフ31aに代えて、グラフ31bが新たな代表グラフとして選択されたとする。
【0104】
代表グラフが変更されると、プロット値取得部51が、新たな代表グラフ31bの最新プロットNを時系列データ20から読み出して取得する(ステップS42)。
【0105】
続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲を特定する(ステップS43)。具体的には、予め設定された目盛りレンジ、代表位置Qの座標、および、ステップS42で取得された最新プロットN、の各値に基づいて、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの値が、代表位置Qと一致するような数値範囲を特定する。
【0106】
グラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定されると、続いて、目盛り作成部56が、当該特定された数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS44)。また、グラフ作成部57が、当該特定された数値範囲に、グラフ31a,31bを描画する(ステップS45)。
【0107】
新たな目盛り32,33、および、新たなグラフ31a,31bが作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS46)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0108】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS47でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの描画位置に、プロット位置マーク34を表示させる(ステップS48)。
【0109】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図17(a)に示される状態から図17(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、新たに選択された代表グラフ31bの最新プロットNが、代表位置Qに描画されるように複数のグラフ31a,31bがそれぞれ表示される。また、グラフ描画領域41の周縁には、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの値が代表位置Qと一致するように目盛りが振り直された新たな目盛り32,33が表示される。また、新たな代表グラフ31bの最新プロットNの描画位置(すなわち、代表位置Q)にはプロット位置マーク34が表示される(ユーザがプロット位置マーク34を表示させることを選択している場合のみ)。
【0110】
〈4.効果〉
上記の実施の形態によると、グラフ31の最新プロットNが、常に、グラフ描画領域41内の定位置(代表位置Q)に描画されるので、ユーザが最新プロットNを見失うことがない。
【0111】
また、グラフ31の表示更新に合わせてグラフ描画領域41に付する目盛り32,33も表示更新されるので、ユーザは常に表示されたグラフ31を正確に読み取ることができる。
【0112】
また、グラフ描画領域41内のどの位置を、グラフ31の最新プロットNを描画する代表位置Qとするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意の位置に最新プロットNを描画させることができる。
【0113】
また、グラフ31の最新プロットNの描画位置に所定のマーク(プロット位置マーク34)を表示することができるので、ユーザは、どこに最新プロットNが描画されているかを一目で知ることができる。また、プロット位置マーク34の有無を任意に選択できるので、ユーザは、プロット位置マーク34の表示が邪魔な場合は、これを消去させることができる。
【0114】
また、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合、当該複数のグラフ31の中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットNが、常に、代表位置Qに描画されるので、ユーザが、代表グラフの最新プロットNを見失うことがない。また、ユーザは、代表グラフの最新プロットNの値と他のグラフのプロット値とを容易に比較できる。
【0115】
また、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31のうちのいずれを代表グラフとするかの選択をユーザから受け付けるので、ユーザは、自らが所望する任意のグラフ31の最新プロットNを代表位置Qに描画させることができる。
【0116】
〈5.変形例〉
〈5−1.第1の変形例〉
上記の実施の形態において、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合、各グラフ31の表示色を互いに異なるものとすればユーザは各グラフ31を識別しやすい。そこで、上記の実施の形態に係るコンピュータ本体11に、これを実現するための機能部をさらに設ける構成としてもよい。図18には、この変形例に係るグラフ描画装置1aが備える機能部の構成を示すブロック図が示されている。図18に示されるように、この変形例に係るグラフ描画装置1aは、上記の実施の形態に係るグラフ描画装置1が備える各機能部に加えて、表示色調整部59を備える。
【0117】
表示色調整部59は、グラフ作成部57がグラフ描画領域41に表示すべきグラフ31を複数個作成した場合に(図10のステップS14参照)、作成された各グラフ31に、互いに異なる表示色を設定する。そして、各グラフ31について設定した表示色を表示制御部58に通知する。表示制御部58は、当該通知を受けた場合、グラフ作成部57が作成した複数個のグラフ31のそれぞれを、設定された表示色でグラフ描画領域41に表示させる(ステップS15参照)。
【0118】
この変形例によると、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31のそれぞれが色分けして表示されるので、ユーザは個々のグラフ31を識別しやすくなる。
【0119】
なお、この変形例において、表示制御部58が、表示色調整部59からの通知を受けた場合に、目盛り作成部56が作成した目盛り32,33のそれぞれを、代表グラフについて設定された表示色で表示させる構成としてもよい。この構成によると、グラフ描画領域41に表示されている複数のグラフ31のうち、どれが代表グラフであるかをユーザが一目で知得できる。
【0120】
〈5−2.第2の変形例〉
上記の実施の形態においては、グラフ描画領域41に複数のグラフ31が表示される場合について説明した。ここで、グラフ描画領域41に表示される複数のグラフ31が互いに異なる単位系で規定されている場合について説明する。
【0121】
〈5−2−1.構成〉
図19には、この変形例に係るグラフ描画装置1bが備える機能部の構成を示すブロック図が示されている。図19に示されるように、この変形例に係るグラフ描画装置1bは、上記の実施の形態に係るグラフ描画装置1が備える各機能部に加えて、対応数値領域特定部60を備える。
【0122】
対応数値領域特定部60は、表示対象となる複数の時系列データ20のそれぞれが互いに異なる単位系で規定されている場合、いずれかの単位系についてグラフ描画領域41に相当する数値範囲が特定された場合に、当該特定された数値範囲に対応する他の単位系の数値範囲を特定する。ただし、各単位系の対応関係は、各単位系について設定された目盛りレンジと、異なる単位系間を対応付ける際の基準となる値(対応付け基準値)とから規定される。ただし、各単位系についての目盛りレンジ、および、対応付けの基準値の具体的な値はユーザが任意に設定できるものとする。
【0123】
例えば、温度の単位系「℃」について、縦軸目盛りレンジが「20℃幅」と設定されており、重さの単位系「g」との対応付けの基準値が「0.0g=100℃」と設定されているとする。ここで、例えば、重さの単位系「g」について、Y軸の数値範囲が、数値範囲(0.0g≦Y≦4.0g)と特定されているとすると、当該数値範囲に相当する温度の単位系「℃」の数値範囲は、数値範囲(100℃≦Y≦120℃)となる。また例えば、重さの単位系「g」について、Y軸の数値範囲が、数値範囲(−2.0g≦Y≦2.0g)と特定されているとすると、当該数値範囲に相当する温度の単位系「℃」の数値範囲は、数値範囲(90℃≦Y≦110℃)となる。
【0124】
〈5−2−2.処理の流れ〉
グラフ描画領域41に互いに単位系の異なる複数のグラフが表示される場合において、時系列データ20に新たなデータが追加された場合に、グラフ描画装置1bが行う処理の流れについて、図20を参照しながら説明する。図20は、当該処理の流れを示す図である。なお、以下の説明においては、適宜図11を参照する。
【0125】
図11(a)には、複数のグラフ31a,31bが表示されたグラフ描画領域41が示されている。いま、グラフ31aに係る時系列データ20のパラメータの値Yの単位系が重さの単位系「g」であり、グラフ31bに係る時系列データ20のパラメータの値Yの単位系が温度の単位系「℃」であるとする。また、重さの単位系「g」に係るグラフ31aが代表グラフとして選択されているものとする。
【0126】
プロット値取得部51が、代表グラフ31aの最新プロットNを取得すると(ステップS51でYES)、グラフ31a,31bの表示更新処理が開始される。
【0127】
代表グラフ31aの最新プロットNが取得されると、続いて、数値領域特定部55が、グラフ描画領域41に相当する数値範囲(すなわち、代表グラフ31aに係る単位系の数値範囲)を特定する(ステップS52)。ここでは、Y軸の数値範囲として重さの単位系「g」の数値範囲が特定されることになる。
【0128】
続いて、対応数値領域特定部60が、ステップS52で特定された数値範囲に対応する、他の単位系の数値範囲をそれぞれ特定する(ステップS53)。ここでは、ステップS52で特定された重さの単位系「g」の数値範囲に対応する、グラフ31bの単位系(温度の単位系「℃」)の数値範囲を特定する。
【0129】
全てのグラフに係る単位系の数値範囲がそれぞれ特定されると、続いて、目盛り作成部56が、代表グラフ31aの単位系の数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する(ステップS54)。
【0130】
また、グラフ作成部57が、各グラフ31a,31bを、当該グラフの単位系の数値範囲にそれぞれ描画する(ステップS55)。
【0131】
新たな目盛り32,33、および、複数の新たなグラフ31a,31bが作成されると、表示制御部58が、これらを、グラフ描画ウインドウ40の所定の位置にそれぞれ表示させる(ステップS56)。これにより、グラフ描画ウインドウ40の表示が更新される。
【0132】
また、ユーザが、プロット位置マーク34を表示することを選択している場合(ステップS57でYES)、マーク表示選択受付部54は、表示制御部58にプロット位置マーク34の表示指示を与える。表示制御部58は、当該指示に応じて、代表グラフ31aの最新プロットNの描画位置にプロット位置マーク34を表示させる(ステップS58)。
【0133】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図11(a)に示される状態から図11(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの最新プロットNが代表位置Qに描画されるように、複数のグラフ31a,31bがそれぞれ表示される。ただし、グラフ31aとグラフ31bとの位置関係は、各単位系について予め設定された目盛りレンジと対応付けの基準値とにより固定的に規定される。また、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの単位系の目盛り32,33が付される。
【0134】
〈5−2−3.効果〉
この変形例によると、互いに単位系の異なる複数の時系列データ20をグラフ描画領域41に表示することができるので、単位系の異なる時系列データ20の比較を容易に行うことができる。例えば、サンプルの温度変化と重量変化の相関関係を調べたい場合等に有効である。
【0135】
〈5−3.第3の変形例〉
上記の第2の変形例においては、グラフ描画ウインドウ40に表示される目盛り32,33は、代表グラフの単位系の目盛りであるので、グラフ描画領域41に表示されている他のグラフのプロット値をそこから直接に読み取ることはできない。そこで、第2の変形例に係るグラフ描画装置1bに、代表グラフ以外のグラフに係る目盛り32,33を、ユーザの所望に応じて表示させる機能をさらに設ける構成としてもよい。
【0136】
〈5−3−1.構成〉
図21には、この変形例に係るグラフ描画装置1cの構成を示すブロック図が示されている。図21に示されるように、この変形例に係るグラフ描画装置1cは、第2の変形例に係るグラフ描画装置1bが備える各機能部に加えて、目盛り対象グラフ選択受付部61を備える。
【0137】
目盛り対象グラフ選択受付部61は、グラフ描画領域41に互いに単位系の異なる複数のグラフ31が表示される場合に、当該複数のグラフ31のうちのいずれを「目盛り対象グラフ」とするかの選択をユーザから受け付ける。ただし、「目盛り対象グラフ」とは、グラフ描画領域41に表示されている複数のグラフのうち、グラフ描画ウインドウ40に表示されている目盛り32,22が示す単位系のグラフを指す。ユーザが、例えば、操作デバイス13を用いてグラフ描画領域41に表示された複数のグラフ31の表示位置でクリック操作すると、目盛り対象グラフ選択受付部61が、当該選択されたグラフを、目盛り対象グラフに決定する。
【0138】
〈5−3−2.処理の流れ〉
ユーザが目盛り対象グラフを変更した場合にグラフ描画装置1cが実行する処理の流れについて、図22を参照しながら説明する。図22は、当該処理により表示更新されるグラフ描画領域41の様子を示す図である。
【0139】
図22(a)には、表示更新前のグラフ描画領域41の様子が示されている。ここでは、重さの単位系「g」に係るグラフ31aと、長さの単位系「μm」に係るグラフ31bとがグラフ描画領域41に表示されている。ただし、ここでは、重さの単位系「g」に係るグラフ31aが代表グラフとして選択されているものする。したがって、ユーザが特に目盛り対象グラフを選択する操作をしていない場合、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの目盛り32,33が付されている。
【0140】
ユーザが、操作デバイス13を用いて、グラフ描画領域41に表示された複数のグラフのいずれかを選択してその表示位置でクリック操作すると(図22(a))、目盛り対象グラフ選択受付部61が、当該選択されたグラフ(図22(a)の例ではグラフ31b)を、目盛り対象グラフに決定する。
【0141】
新たなグラフが目盛り対象グラフとして選択された場合、目盛り対象グラフ選択受付部61は、新たな目盛り対象グラフを特定する情報を目盛り作成部56に通知する。目盛り作成部56は、指定された目盛り対象グラフの単位系の数値範囲を表示する横軸目盛り32、および、縦軸目盛り33をそれぞれ作成する。新たな目盛り32,33が作成されると、表示制御部58が、新たに作成された目盛り32,22をディスプレイ12の所定位置に表示させる。
【0142】
以上の一連の処理によって、グラフ描画ウインドウ40の表示が、図22(a)に示される状態から図22(b)に示される状態に更新される。すなわち、グラフ描画領域41には、代表グラフ31aの単位系「g」の目盛り32,33に代えて、目盛り対象グラフとして選択されたグラフ31bの単位系「μm」の目盛り32,33が付されることになる。
【0143】
〈5−3−3.効果〉
この変形例によると、互いに単位系の異なる複数の時系列データ20をグラフ描画領域41に表示する場合に、ユーザが、代表グラフとして選択したグラフ以外のグラフの目盛りをグラフ描画領域41に表示させることができる。したがって、ユーザは、単位系の異なる時系列データ20を比較する場合に、各グラフ31の数値を正確に読み取ることができる。
【0144】
なお、この変形例において、上記の第1の変形例に係る表示色調整部59をさらに設ける構成としてもよい。この場合、目盛り作成部56が作成した目盛り32,33のそれぞれを、目盛り対象グラフについて設定された表示色で表示させる構成とすることが好ましい。この構成によると、現在表示されている目盛り32,33が、どのグラフ31に対応しているかをユーザが一目で認識することができる。
【0145】
〈5−4.その他の変形例〉
上記の実施の形態においては、時系列データ20が時刻データ系列21とパラメータ値データ系列22とを含む構成としたが、時系列データ20は、時刻データ系列21に代えて他の種類のデータの系列を含むデータであってもよいし、パラメータ値データ系列22に代えて他の種類のデータの系列を含むデータであってもよい。すなわち、時系列データ20は、第1のデータの系列と第2のデータの系列とを含み、第1軸及び第2軸が定義された平面にグラフとして表現することができるデータであればなんでもよい。
【0146】
また、グラフ描画ウインドウ40の配置構成は、図3等に示されるものに限らない。例えば図3の例では、グラフ描画領域41において、時刻Xを横軸に、パラメータの値Yを縦軸に、それぞれとっていたが、横軸と縦軸とを切り替え、時刻Xを縦軸、パラメータの値Yを横軸にとってもよい。また、グラフ31は、線グラフではなく棒グラフで描画されてもよい。また、横軸目盛り32および縦軸目盛り33の各配置場所は、他の場所に変更されてもよい。例えば、横軸目盛り32をグラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の上辺に沿って配置してもよいし、横軸目盛り32をグラフ描画領域412の内側にグラフ描画領域41の上辺又は下辺に沿って、あるいは、グラフ描画領域41の中央に配置してもよい。同様に、縦軸目盛り33をグラフ描画領域41の外側にグラフ描画領域41の左辺に沿って配置してもよいし、縦軸目盛り33をグラフ描画領域412の内側にグラフ描画領域41の左辺又は右辺に沿って、あるいは、グラフ描画領域41の中央に配置してもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 グラフ描画装置
11 コンピュータ本体
12 ディスプレイ
13 操作デバイス
14 データ取得装置
20 時系列データ
31 グラフ
32 横軸目盛り
33 縦軸目盛り
40 グラフ描画ウインドウ
41 グラフ描画領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画装置であって、
前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得手段と、
グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新処理手段と、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグラフ描画装置であって、
グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットの値が、前記代表位置と一致するように、前記所定領域に描画される前記グラフの数値軸の目盛りを振り直して、新たな目盛りに表示更新する目盛り表示更新処理手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のグラフ描画装置であって、
前記所定領域内のどの位置を前記代表位置とするかの選択を、ユーザから受け付ける位置選択受付手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、
前記所定領域内の、グラフの最新プロットの描画位置に、所定のマークを表示させるマーク表示制御手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、
前記グラフ表示更新処理手段が、
前記所定領域に複数のグラフが描画される場合に、前記複数のグラフの中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットが、前記代表位置に描画されるように前記複数のグラフのそれぞれの表示更新を行うグラフ描画装置。
【請求項6】
請求項5に記載のグラフ描画装置であって、
前記複数のグラフの中から一のグラフをユーザに選択させ、選択されたグラフを代表グラフとして受け付けるグラフ選択受付手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項7】
コンピュータに実行されることにより、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画プログラムであって、前記グラフ描画プログラムは、CPU及びメモリを備えるコンピュータに、
前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得工程と、
前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新工程と、
を実行させるグラフ描画プログラム。
【請求項1】
次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画装置であって、
前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得手段と、
グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新処理手段と、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグラフ描画装置であって、
グラフの最新プロットが取得された場合に、前記最新プロットの値が、前記代表位置と一致するように、前記所定領域に描画される前記グラフの数値軸の目盛りを振り直して、新たな目盛りに表示更新する目盛り表示更新処理手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のグラフ描画装置であって、
前記所定領域内のどの位置を前記代表位置とするかの選択を、ユーザから受け付ける位置選択受付手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、
前記所定領域内の、グラフの最新プロットの描画位置に、所定のマークを表示させるマーク表示制御手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のグラフ描画装置であって、
前記グラフ表示更新処理手段が、
前記所定領域に複数のグラフが描画される場合に、前記複数のグラフの中から選択された一のグラフである代表グラフの最新プロットが、前記代表位置に描画されるように前記複数のグラフのそれぞれの表示更新を行うグラフ描画装置。
【請求項6】
請求項5に記載のグラフ描画装置であって、
前記複数のグラフの中から一のグラフをユーザに選択させ、選択されたグラフを代表グラフとして受け付けるグラフ選択受付手段、
を備えるグラフ描画装置。
【請求項7】
コンピュータに実行されることにより、次々と最新データが追加されるデータ集合を、表示装置の画面内に規定される所定領域に、グラフの形で描画するグラフ描画プログラムであって、前記グラフ描画プログラムは、CPU及びメモリを備えるコンピュータに、
前記データ集合に最新データが追加された場合に、前記最新データをグラフの最新プロットとして取得する最新プロット取得工程と、
前記最新プロットが、前記所定領域内の定位置である代表位置に描画されるように前記グラフの表示更新を行うグラフ表示更新工程と、
を実行させるグラフ描画プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2011−65500(P2011−65500A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−216515(P2009−216515)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]