説明

グリコピロレートおよびベータ2アドレナリン受容体アゴニストの組合せ剤

【課題】炎症性または閉塞性気道疾患に有用な医薬組成物の提供。
【解決手段】(A)グリコピロレート、および(B)




を含む医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物および、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置のための、医薬
としてのそれらの使用に関する。
【発明の概要】
【0002】
一つの局面において、本発明は、
(A)グリコピロレート;および
(B)遊離形もしくは塩形または溶媒和物形の式I
【化1】

〔式中、Wは式
【化2】

の基であり;
およびRは両方とも−CH−または−(CH)−であり;
は水素、ヒドロキシ、またはC−C10−アルコキシであり;
およびRは、各々独立して水素またはC−C10−アルキルであり;
、R、RおよびRは、各々独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C
−C10アルコキシ、C−C10−アリール、C−C10−アルキル、1個以上の
ハロゲン原子または1個以上のヒドロキシ基もしくはC−C10−アルコキシ基で置換
されているC−C10−アルキル、1個以上のヘテロ原子で中断されているC−C
−アルキル、C−C10−アルケニル、トリアルキルシリル、カルボキシ、C−C
10アルコキシカルボニル、または−CONR1112であり、ここで、R11および
12は、各々独立して水素またはC−C10−アルキルであるか、
またはRとR、RとR、またはRとRは、それらが結合している炭素原子と
一体となって5、6または7員炭素環式環または4から10員ヘテロ環式環を意味し;そ
して
、RおよびR10は、各々独立して水素またはC−C−アルキルである。〕
の化合物、または
【0003】
遊離形もしくは塩形または溶媒和物形の、式II
【化3】

〔式中、
Xは−R13−Ar−R14または−R15−Yであり;
Arは、所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル、C−C10−アルコ
キシ、C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル、フェニル、フェニルで置換
されたC−C10−アルキル、フェニルで、C−C10−アルキル置換フェニルで、
またはC−C10アルコキシ−置換フェニルで置換されたC−C10−アルコキシで
置換されていてよいフェニレン基であり;
13およびR14は、Arの隣接炭素原子に結合しており、そして
13はC−C10−アルキレンであり、そしてR14は水素、C−C10−アルキ
ル、C−C10−アルコキシまたはハロゲンであるか、
またはR13およびR14は、それらが結合しているArの炭素原子と一体となって、5
、6または7員環状脂肪族環を意味し;
15は結合または所望によりヒドロキシ、C−C10−アルコキシ、C−C10
アリールまたはC−C14−アラルキルで置換されていてよいC−C10−アルキレ
ンであり;そして
【0004】
Yは、所望によりハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル、C−C10
アルコキシまたはハロ−C−C10−アルキルで置換されていてよいC−C10−ア
ルキル、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルケニルまたはC−C10−ア
ルキニル;
所望により1個以上のベンゼン環に縮合し、そして所望によりC−C10−アルキル、
−C10−アルコキシ、C−C10−シクロアルキル、C−C14−アラルキル
、C−C14−アラルキルオキシまたはC−C10−アリール(ここで、C−C
−シクロアルキル、C−C14−アラルキル、C−C14−アラルキルオキシまた
はC−C10−アリールは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル
、C−C10−アルコキシまたはハロ−C−C10−アルキルで置換されていてよい
)で置換されていてよい、C−C10−シクロアルキル;
所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル、C−C10アルコキシ、C
−C10−ハロアルキル、フェノキシ、C−C10−アルキルチオ、C−C10−ア
リール、少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員ヘテロ環式
環で、またはNR1617(ここで、R16およびR17は、各々独立して所望により
ヒドロキシ、C−C10−アルコキシまたはフェニルで置換されていてよいC−C
−アルキルであるか、またはR16はさらに水素であり得る)で置換されていてよいC
−C10−アリール;
所望によりC−C10−アルキル、C−C10−アルコキシでまたは所望によりC
−C10−アルキルもしくはC−C10−アルコキシで置換されていてよいフェニルで
置換されていてよいフェノキシ;
少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員ヘテロ環式環(該ヘ
テロ環式環は、所望により、ハロ、C−C10−アルキル、C−C10−アルコキシ
、ハロ−C−C10−アルキル、C−C10−アリール、C−C14−アラルキル
、C−C14アラルキルオキシ、C−C10−アルコキシカルボニルまたは4から1
0員ヘテロシクリル−C−C10アルキルで置換されていてよい);
−NR1819(ここで、R18は水素またはC−C10−アルキルであり、そして
19は所望によりヒドロキシで置換されていてよいC−C10−アルキルであるか、
またはR19は、所望によりハロで置換されていてよいC−C10−アリールであるか
、またはR19は、少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員
ヘテロ環式環であり、該環は所望によりフェニルまたはハロ−置換フェニルで置換されて
いてよく、またはR19は所望によりC−C10−アルキルアミノまたはジ(C−C
10−アルキル)アミノで置換されていてよいC−C10−アリールスルホニルである)

−SR20(ここで、R20は、所望によりハロ、C−C10−アルキル、C−C
−アルコキシもしくはC−C10−ハロアルキルで置換されていてよいC−C10
−アリールまたはC−C14−アラルキルである);または
−CONHR21(ここで、R21はC−C10−アルキル、C−C10−シクロア
ルキルまたはC−C10−アリールである)
である。〕
の化合物のいずれかを、別々にまたは一緒に含む、炎症性または閉塞性気道疾患の処置に
おいて同時に、連続的にまたは別々に投与するための、薬剤を提供する。
【0005】
他の局面において、本発明は、有効量の前記で定義の(A)および前記で定義の(B)を、
所望により少なくとも1個の薬学的に許容される担体と共に含む、医薬組成物を提供する

【0006】
さらなる局面において、本発明は、炎症性または閉塞性気道疾患の処置法であって、こ
のような処置を必要とする対象に、有効量の前記で定義の(A)および前記で定義の(B)を
投与することを含む、方法を提供する。
【0007】
本発明は、さらに、前記で定義の(A)および前記で定義の(B)の、炎症性または閉塞性
気道疾患の処置における(A)および(B)の同時、連続的または別々の投与による組合せ治
療用薬剤の製造における、使用を提供する。
【0008】
好ましくは(A)対(B)のモル比は100:1から1:300、例えば50:1から1:
100、とりわけ10:1から1:20、およびよりとりわけ3:1から1:7である。
【0009】
本明細書で使用する用語は、下記の意味を有する:
ここで使用する“所望により置換されていてよい”は、言及されている基が、1箇所ま
たはそれ以上の位置で、その前に列記されているラジカルの任意の1個または任意の組合
せにより置換され得ることを意味する。
【0010】
ここで使用する“ハロ”または“ハロゲン”は元素周期表の17族(以前はVII族)に属
する元素を意味し、それは、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり得る;好ま
しくはハロまたはハロゲンはフッ素または塩素である。
【0011】
ここで使用する“C−C10−アルキル”は、1個から10個の炭素原子を含む直鎖
または分枝鎖アルキルを意味する;好ましくは、C−C10−アルキルはC−C
アルキルである。
【0012】
ここで使用する“C−C10−アルキレン”は、1個から10個の炭素原子を含む直
鎖または分枝鎖アルキレンを意味する;好ましくはC−C10−アルキレンはC−C
−アルキレン、とりわけエチレンまたはメチルエチレンである。
【0013】
ここで使用する“C−C10−アルケニル”は、2個から10個の炭素原子を含み、
かつ1個以上の炭素−炭素二重結合を含む、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖を意味する;好
ましくは“C−C10−アルケニル”は“C−C−アルケニル”である。
【0014】
ここで使用する“C−C10−アルキニル”は、2個から10個の炭素原子を含み、
かつ1個以上の炭素−炭素三重結合を含む、直鎖または分枝鎖炭化水素鎖を意味する。好
ましくは“C−C10−アルキニル”は“C−C−アルキニル”である。
【0015】
ここで使用する“5、6または7員炭素環式環”は、C−C−シクロアルキルのよ
うな環状脂肪族、またはフェニルのような芳香族のいずれかの、5から7個の環炭素原子
を有する炭素環式基を意味し、これは、1個以上、通常1個または2個の、C−C
アルキル基で置換されていてよい。
【0016】
ここで使用する“C−C10−シクロアルキル”は、3から10個の環炭素原子を有
するシクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニルまたはシクロデシルのような単
環式基(これらのいずれも、1個以上、通常1個または2個の、C−C−アルキル基
で置換されていてよい)、またはビシクロヘプチルまたはビシクロオクチルのような二環
式基を意味する。好ましくはC−C10−シクロアルキルは、C−C−シクロアル
キル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシ
クロヘプチルである。
【0017】
ここで使用する“C−C10−ハロアルキル”は、1個以上のハロゲン原子、好まし
くは1個、2個または3個のハロゲン原子で置換されている、前記で定義のC−C10
−アルキルを意味する。
【0018】
ここで使用する“C−C10−アルキルアミノ”および“ジ(C−C10−アルキ
ル)アミノ”は、1個または2個の同一または異なり得る前記で定義のC−C10−ア
ルキル基で置換されている、アミノを各々意味する。好ましくはC−C10−アルキル
アミノおよびジ(C−C10−アルキル)アミノは、各々C−C−アルキルアミノお
よびジ(C−C−アルキル)アミノである。
【0019】
ここで使用する“C−C10−アルキルチオ”は、1から10個の炭素原子を有する
、直鎖または分枝鎖アルキルチオを意味する。好ましくは、C−C10−アルキルチオ
はC−C−アルキルチオである。
【0020】
ここで使用する“C−C10−アルコキシ”は、1から10個の炭素原子を含む、直
鎖または分枝鎖アルコキシを意味する。好ましくは、C−C10−アルコキシはC
−アルコキシである。
【0021】
ここで使用する“C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル”は、C−C
10−アルコキシで置換されている、前記で定義のC−C10−アルキルを意味する。
好ましくは、C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキルは、C−C−アル
コキシ−C−C−アルキルである。
【0022】
ここで使用する“C−C10−アルコキシカルボニル”は、その酸素原子を介してカ
ルボニル基に結合しているC−C10−アルコキシを意味する。
【0023】
ここで使用する“C−C10−アリール”は、6から10個の炭素原子を含む単価炭
素環式芳香族基を意味し、それは、例えば、フェニルのような単環式基またはナフチルの
ような二環式基であり得る。好ましくは“C−C10−アリール”はC−C−アリ
ール、とりわけフェニルである。
【0024】
ここで使用する“C−C10−アリールスルホニル”は、その炭素原子を介してスル
ホニル基に結合している、前記で定義の“C−C10−アリール”を意味する。好まし
くはC−C10−アリールスルホニルはC−C−アリールスルホニルである。
【0025】
ここで使用する“C−C14−アラルキル”は、前記で定義のアリール、例えばC
−C10−アリールで置換されている、アルキル、例えばC−C−アルキルを意味す
る。好ましくは、C−C14−アラルキルはフェニル−C−C−アルキル、特にベ
ンジルまたは2−フェニルエチルのようなC−C10−アラルキルである。
【0026】
ここで使用する“C−C14−アラルキルオキシ”は、アリール、例えばC−C
−アリールで置換されている、前記で定義のアルコキシ、例えばC−C−アルコキ
シを意味する。好ましくは、C−C14−アラルキルオキシは、フェニル−C−C
−アルコキシ、特にベンジルオキシまたは2−フェニルエトキシのようなC−C10
アラルキルオキシである。
【0027】
ここで使用するArは、例えば、非置換であるか、またはハロゲン、ヒドロキシ、C
−C10−アルキル、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルコキシ−C−C
10−アルキル、フェニル、またはフェニルで置換されたC−C10−アルキル、フェ
ニルで置換されたC−C10−アルコキシ、C−C10−アルキル−置換フェニルお
よびC−C10−アルコキシ−置換フェニルから選択される1個以上の置換基で置換さ
れている、フェニレンであり得る。好ましくはArは、非置換であるか、ハロゲン、C
−C−アルキル、C−C−アルコキシ、またはフェニルで置換されたC−C
アルコキシから選択される1個または2個の置換基で置換されたフェニレンである。好ま
しくはArの1個の置換基はRに対してパラ位であり、所望により存在するArの2個
目および3個目の置換基はRに対してメタである。
【0028】
ここで使用する“少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員
ヘテロ環式環”は、例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリア
ゾール、テトラゾール、チアジアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チオフェン、
チアゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピ
リミジン、ピペリジン、ピペラジン、トリアジン、オキサジン、モルホリノ、キノリン、
イソキノリン、ナフチリジン、インダンまたはインデンであり得る。好ましいヘテロ環式
環は、チアゾール、ピロリジン、ピペリジン、アザシクロヘプタンおよびイソキサゾール
を含む。
【0029】
“4から10員ヘテロシクリル−C−C10−アルキル”は、前記で定義の4から1
0員ヘテロ環式環で置換されている、前記で定義のアルキル、例えばC−C10−アル
キルを意味する。好ましくは、4から10員ヘテロシクリル−C−C10−アルキルは
、少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から8員ヘテロ環式環で置換
されているC−C−アルキルである。
【0030】
“C−C−アルキルスルホニル”は、前記で定義のC−C−アルキルで置換さ
れている、スルホニルを意味する。“ヒドロキシ−C−C−アルキル”は、1個以上
、好ましくは1個、2個または3個のヒドロキシ基で置換されている、前記で定義のC
−C−アルキルを意味する。
【0031】
環状脂肪族環としての、R13およびR14とそれらが結合している炭素原子は、例え
ば、所望により1個または2個のC−C−アルキル基で置換されていてよいシクロペ
ンタン環、所望により1個または2個のC−C−アルキル基で置換されていてよいシ
クロヘキサン環、またはシクロヘプタン環、好ましくはシクロペンタン環であり得る。
【0032】
一つの局面において、本発明は、(A)グリコピロレート;および(B)前記で定義の式I
の化合物または前記で定義の式IIの化合物のいずれかを別々にまたは一緒に含む;炎症性
または閉塞性気道疾患の処置において同時に、連続的にまたは別々に投与するための薬剤
を提供する。
【0033】
(A)グリコピロレートは既知の抗ムスカリン剤である。より具体的に、それはM3ムス
カリン受容体へのアセチルコリン結合を阻害し、それにより気管支収縮を阻害する。
【0034】
グリコピロレートは4級アンモニウム塩である。適当な対イオンは、例えば、フッ化物
、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオ
ロ酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マレ
イン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、p−クロロ安息香酸塩、ジフェニル−酢酸塩または
トリフェニル酢酸塩、o−ヒドロキシ安息香酸塩、p−ヒドロキシ安息香酸塩、1−ヒド
ロキシナフタレン−2−カルボン酸塩、3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸塩、
メタンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩を含む、薬学的に許容される対イオンで
ある。その臭化物塩、すなわち3−[(シクロペンチル−ヒドロキシフェニルアセチル)オ
キシ]−1,1−ジメチルピロリジニウムブロマイドは、構造式
【化4】

を有し、そして米国特許US2956062に記載の方法を使用して製造できる。
【0035】
グリコピロレートは、米国特許明細書US6307060およびUS6,613,795
に記載の通り、2個の不斉中心を有し、故に4種の異性体形、すなわち(3R,2'R)−、
(3S,2'R)−、(3R,2'S)−および(3S,2'S)−3−[(シクロペンチル−ヒドロキ
シフェニルアセチル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリジニウムブロマイドで存在する。
これらの特許明細書の内容を引用により本明細書に包含する。本発明は、1種以上のこれ
らの異性体形、とりわけ3S,2'R異性体、3R,2'R異性体または2S,3'R異性体の
使用を含み、故に、単一エナンチオマー、またはラセミ体、とりわけ(3S,2'R/2S,
3'R)ラセミ体を含む。
【0036】
(B)は前記で定義の式Iの化合物または前記で定義の式IIの化合物のいずれかである。
これらの式の化合物は、ベータ−2アドレナリン受容体アゴニスト活性を有する。それら
は一般に作用の開始が迅速であり、β−アドレナリン受容体に対して長期の、例えば2
4時間またはそれ以上の、刺激作用を有する。
【0037】
好ましい式Iの化合物は
、RおよびR10が各々Hであり、RがOHであり、RおよびRが各々Hで
あり、そして
(i)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々CH
−であり、そしてRおよびRが各々Hであるか;
(ii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが各々CHCH−であるか;
(iii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであ
り、そしてRおよびRが各々CH−であるか;
(iv)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々CH
−であり、そしてRおよびRが各々Hであるか;
(v)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが一緒になって−(CH)−を意味するか;
(vi)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが一緒になって−O(CH)O−を意味するか;
(vii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであ
り、そしてRおよびRが各々CH(CH)−であるか;
(viii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであ
り、そしてRおよびRが各々CH(CH)−であるか;
(ix)RおよびRが両方とも−(CH)−であり、R、R、RおよびRが各
々Hであるか;または
(x)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが各々CHOCH−である
ものを含む。
【0038】
とりわけ好ましい式Iの化合物は、8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−(イン
ダン−2−イルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジメ
トキシ−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H
−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−
ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オン、5−[
2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−メ
トキシ−メトキシ−6−メチル−1H−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジエチ
ル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1H−キノリン−2−オン、8−ヒドロキシ−5−[2−(5,6−ジエチル−インダ
ン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−
2−オン、5−[(R)−2−(5,6−ジエチル−2−メチル−インダン−2−イルアミノ)
−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、(S)−5−[
2−(4,7−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒ
ドロキシ−1H−キノリン−2−オン塩酸塩、5−[(R)−1−ヒドロキシ−2−(6,7,
8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾシクロヘプテン−7−イルアミノ)−エチル]−8−
ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン塩酸塩、(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−イ
ンダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン
−2−オンマレイン酸塩、(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミ
ノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン塩酸塩、(
R)−8−ヒドロキシ−5−[(S)−1−ヒドロキシ−2−(4,5,6,7−テトラメチルイ
ンダン−2−イルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、8−ヒドロキシ−5−
[(R)−1−ヒドロキシ−2−(2−メチル−インダン−2−イルアミノ)−エチル]−1H
−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−エチ
ル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、8−ヒドロキシ−5−[(R)−1−ヒ
ドロキシ−2−(2−メチル−2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[
b]ナフタレン−2−イルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、および5−[(
S)−2−(2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[b]ナフタレン−2
−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン
を含む。
【0039】
遊離形もしくは塩形または溶媒和物形の式Iの化合物は、国際特許出願WO2000/
075114、WO2003/076387、WO2004/076422またはWO2
004/087668に記載の方法を使用して製造でき、これらの内容は引用により本明
細書に包含する。
【0040】
遊離形の式Iの化合物は、慣用法で塩形に変換でき、そして逆も可能である。遊離形ま
たは塩形の化合物は、水和物または結晶化に使用した溶媒を含む溶媒和物の形で得ること
ができる。式Iの化合物は、慣用法で反応混合物から回収し、精製できる。エナンチオマ
ーのような異性体は、慣用法で、例えば分別結晶により、または対応して不斉に置換され
た、例えば光学活性の出発物質からの不斉合成により、得ることができる。
【0041】
好ましい式IIの化合物は、
Xが−R13−Ar−R14または−R15−Yであり;
Arが、所望によりハロ、C−C10−アルキル、C−C10−アルコキシまたはフ
ェニルで置換されたC−C10−アルコキシで置換されていてよいフェニレン基であり

13およびR14がArの隣接炭素原子に結合し、そして
13がC−C10−アルキレンであり、そしてR14が水素であるか、
またはR13およびR14が、それらが結合しているArの炭素原子と一体となって、5
−、6または7員環状脂肪族環を意味し;
15が結合または、所望によりヒドロキシ、C−C10−アリールもしくはC−C
14−アラルキルで置換されているC−C10−アルキレンであり;そして
YがC−C10−アルキル、C−C10−アルコキシまたはC−C10−アルキニ
ル;所望により1個以上のベンゼン環に縮合し、所望によりハロで置換されていてよいC
−C10−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C14アラルキル、C
−C14−アラルキルオキシ、または所望によりC−C10−アルキルもしくはC
10−アルコキシで置換されていてよいC−C10−アリールで所望により置換され
ていてよい、C−C10−シクロアルキル;所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C
−アルキル、フェノキシ、C−C10−アルキルチオ、C−C10−アリール、少
なくとも1個の環窒素原子を有する4から10員ヘテロ環式環、またはNR1617(
ここで、R16およびR17は、各々独立して所望によりヒドロキシもしくはフェニルで
置換されていてよいC−C10−アルキルであるか、またはR16はさらに水素であり
得る)で置換されていてよいC−C10−アリール;所望によりC−C10−アルコ
キシで置換されていてよいフェノキシ;少なくとも1個の環窒素または酸素原子を有する
4から10員ヘテロ環式環(該ヘテロ環式環は、所望によりC−C10−アルキル、C
−C10−アリール、C−C14−アラルキル、C−C10−アルコキシカルボニ
ルでまたは4から10員ヘテロシクリル−C−C10−アルキルで置換されていてよい
);−NR1819(ここで、R18は水素またはC−C10−アルキルであり、そし
てR19はC−C10−アルキルであるか、またはR19は少なくとも1個の環窒素ま
たは酸素原子を有する4から10員ヘテロ環式環であり、該環は所望によりハロ−置換フ
ェニルで置換されていてよく、またはR19は、所望によりジ(C−C10アルキル)ア
ミノで置換されていてよいC−C10−アリールスルホニルである);−SR20(ここ
で、R20は、所望によりハロまたはC−C10−ハロアルキルで置換されていてよい
−C10−アリールまたはC−C14−アラルキルである);または−CONHR
21(ここで、R21はC−C10−シクロアルキルまたはC−C10−アリールで
ある)である
ものを含む。
【0042】
とりわけ好ましい式IIの化合物は、
Xが−R13−Ar−R14または−R15−Yであり;
Arが、所望によりハロ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはフェニ
ルで置換されたC−C−アルコキシで置換されていてよいフェニレン基であり;
13およびR14がArの隣接炭素原子に結合しており、そして
13がC−C−アルキレンであり、そしてR14が水素であるか、
またはR13およびR14が、それらが結合しているArの炭素原子と一体となって、5
、6または7員環状脂肪族環、とりわけ5−員環状脂肪族環を意味し;
15が結合または所望によりヒドロキシ、C−C−アリールもしくはC−C10
アラルキルで置換されていてよいC−C−アルキレンであり;そして
YがC−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキニル;所
望により1個以上のベンゼン環に縮合し、そして所望によりハロで置換されていてよいC
−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C10−アラルキル、C
10−アラルキルオキシで、または所望によりC−C−アルキルまたはC−C
−アルコキシで所望により置換されていてよいC−C−アリールで置換されていてよ
いC−C−シクロアルキル;所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C−アルキル、
フェノキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アリール、少なくとも1個の環窒
素原子を有する4から8員ヘテロ環式環、またはNR1617(ここで、R16および
17は、各々独立して所望によりヒドロキシまたはフェニルで置換されていてよいC
−C−アルキルであるか、またはR16はさらに水素であり得る)で置換されていてよ
いC−C−アリール;所望によりC−C−アルコキシで置換されていてよいフェ
ノキシ;少なくとも1個の環窒素または酸素原子を有する4から8員ヘテロ環式環(該ヘ
テロ環式環は、所望によりC−Cアルキル、C−C−アリール、C−C10
アラルキル、C−C−アルコキシカルボニルまたは4から8員ヘテロシクリル−C
−C−アルキルで置換されていてよい);−NR1819(ここで、R18は水素また
はC−C−アルキルであり、そしてR19はC−C−アルキルであるか、または
19は少なくとも1個の環窒素または硫黄原子を有する4から8員ヘテロ環式環であり
、その環は所望によりハロ−置換フェニルで置換されていてよいか、またはR19は所望
によりジ(C−C−アルキル)アミノで置換されていてよいC−C−アリールスル
ホニルである);−SR20(ここで、R20は、所望によりハロまたはC−C−ハロ
アルキルで置換されていてよいC−C−アリールまたはC−C10−アラルキルで
ある);または−CONHR21(ここで、R21はC−C−シクロアルキルまたはC
−Cアリールである)である
ものを含む。
【0043】
さらにとりわけ好ましい式IIの化合物は、4−ヒドロキシ−7−(1−ヒドロキシ−2
−{2−[4(4−フェニル−ブトキシ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−3H−
ベンゾチアゾル−2−オン;7−[(R)−2−(1,1−ジメチル−2−フェニル−エチル
アミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾル−2−オン
;4−ヒドロキシ−7−{(R)−1−ヒドロキシ−2−[2−(5,6,7,8−テトラヒド
ロ−ナフタレン−2−イル)−エチルアミノ]−エチル}−3H−ベンゾチアゾル−2−オ
ンギ酸塩;7−[(R)−2−((1S,2S)−2−ベンジルオキシ−シクロペンチルアミノ)
−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ3H−ベンゾ−チアゾル−2−オン;およ
び7−[(R)−2−((1S,2R)−2−ベンジルオキシ−シクロペンチルアミノ)−1−ヒ
ドロキシエチル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾル−2−オンを含む。
【0044】
式IIにおいて、フェノール環に対してアルファ位の炭素原子は、ヒドロキシ基を有し、
故に不斉である;故に、本化合物は、個々の光学活性異性体形またはそれらの混合物とし
て、例えばラセミ体またはジアステレオマー混合物として存在する。式IIの化合物は、個
々の光学活性RおよびS異性体ならびにそれらの混合物、例えばラセミ体またはジアステ
レオマー混合物の両方を含む。
【0045】
遊離形もしくは塩形または溶媒和物形の式IIの化合物は、国際特許出願WO2004/
016601に記載の方法を使用して製造でき、その内容を引用により本明細書に包含す
る。
【0046】
式IおよびIIの化合物の薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸、例えば、フッ化水素
酸、塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸、硝酸、硫酸、リン
酸;および有機酸、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸および酪酸のよ
うな脂肪族モノカルボン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸またはリンゴ酸のような脂肪族ヒド
ロキシ酸、マレイン酸またはコハク酸のようなジカルボン酸、安息香酸、p−クロロ安息
香酸、ジフェニル酢酸またはトリフェニル酢酸のような芳香族性カルボン酸、o−ヒドロ
キシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸ま
たは3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸のような芳香族性ヒドロキシ酸、および
メタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸のようなスルホン酸のものを含む。これらの
塩は、既知の塩形成法により製造できる。薬学的に許容される溶媒和物は一般に水和物で
ある。エナンチオマーのような異性体は、慣用法で、例えば分別結晶により、または対応
して不斉に置換された、例えば光学活性の出発物質からの不斉合成により、得ることがで
きる。
【0047】
本発明の薬剤には、特に前記のような閉塞性または炎症性気道疾患の処置において、さ
らに1個以上の抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鬱血除去剤または鎮咳剤のよ
うな併用治療剤が、例えばこのような薬剤の治療的活性の増強剤として、またはこのよう
な薬剤の必要な投与量または副作用の可能性を減じる手段として含まれ得る。
【0048】
併用治療剤は、ステロイド、A2Aアゴニスト、A2Bアンタゴニスト、抗ヒスタミン
剤、カスパーゼ阻害剤、LTB4アンタゴニスト、LTD4アンタゴニスト、PDE4阻
害剤、粘液溶解剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(MMPi)、ロイコトリエ
ン、抗生物質、抗新生物、ペプチド、ワクチン、ニコチン、エラスターゼ阻害剤およびク
ロモグリク酸ナトリウムを含む。
【0049】
このような抗炎症剤は、ステロイド、例えばブデソニド、ジプロピオン酸ベクロメタゾ
ン(beclamethasone)、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドまたはフロ酸モメタゾン
のようなグルココルチコステロイド、またはWO02/88167、WO02/1226
6、WO02/100879、WO02/00679(とりわけ実施例3、11、14、
17、19、26、34、37、39、51、60、67、72、73、90、99およ
び101のもの)、WO03/35668、WO03/48181、WO03/6225
9、WO03/64445、WO03/72592、WO04/39827およびWO0
4/66920に記載のステロイド、およびDE10261874、WO00/0053
1、WO02/10143、WO03/82280、WO03/82787、WO03/
86294、WO03/104195、WO03/101932、WO04/05229
、WO04/18429、WO04/19935、WO04/26248、WO05/0
5452に記載のような非ステロイド性グルココルチコイド受容体アゴニストを含む。
【0050】
適当なA2Aアゴニストは、EP409595A2、EP1052264、EP124
1176、WO94/17090、WO96/02543、WO96/02553、WO
98/28319、WO99/24449、WO99/24450、WO99/2445
1、WO99/38877、WO99/41267、WO99/67263、WO99/
67264、WO99/67265、WO99/67266、WO00/23457、W
O00/77018、WO00/78774、WO01/23399、WO01/271
30、WO01/27131、WO01/60835、WO01/94368、WO02
/00676、WO02/22630、WO02/96462、WO03/086408
、WO04/039762、WO04/039766、WO04/045618およびW
O04/046083に記載のものを含む。
【0051】
適当なA2Bアンタゴニストは、WO03/042214およびWO02/42298
に記載のものを含む。適当な抗ヒスタミン剤は、塩酸セチリジン、アセトアミノフェン、
フマル酸クレマスチン、プロメタジン、ロラタジン(loratidine)、デスロラタジン(deslo
ratidine)、ジフェンヒドラミンおよび塩酸フェキソフェナジン、アクティバスチン(acti
vastine)、アステミゾール、アゼラスチン、エバスチン、エピナスチン、ミゾラスチンお
よびテルフェナジン(tefenadine)ならびに、WO03/099807、WO04/026
841、JP2004107299に記載のものを含む。
【0052】
インターロイキン−IP変換酵素(ICE)阻害剤を含む適当なカスパーゼ阻害剤は、カ
ナダ特許明細書2109646、EP519748、EP547699、EP59065
0、EP628550、EP644197、EP644198、WO93/05071、
WO93/14777、WO93/16710、WO94/00154、WO94/03
480、WO94/21673、WO95/05152、WO95/35308、WO9
7/22618、WO97/22619、WO98/41232、WO99/06367
、WO99/65451、WO01/119373、US5411985、US5416
013、US5430128、US5434248、US5565430、US5585
357、US5656627、US5677283、US6054487、US6531
474、US20030096737、GB2,278,276に記載のもの、ならびに国
際特許出願WO98/10778、WO98/11109、WO98/11129および
WO03/32918に記載のものを含む。
【0053】
適当なLTB4アンタゴニストは、LY293111、CGS025019C、CP-195543、SC53228、BIIL
284、ONO 4057、SB 209247およびUS5451700およびWO04/108720に
記載のものを含む。適当なLTD4アンタゴニストはモンテルカストおよびザフィルカス
トを含む。
【0054】
適当なPDE4阻害剤は、シロミラスト(Ariflo(登録商標)GlaxoSmithKline)、ロフル
ミラスト(Byk Gulden)、V-11294A(Napp)、BAY19-8004(Bayer)、SCH-351591(Schering-Plo
ugh)、Arofylline(Almirall Prodesfarma)、PD189659/PD168787(Parke-Davis)、AWD-12-2
81(Asta Medica)、CDC-801(Celgene)、SelCID(TM)CC-10004(Celgene)、VM554/UM565(Vern
alis)、T-440(田辺)、KW-4490(協和発酵工業)、GRC 3886(Glenmark)、およびWO92/
19594、WO93/19749、WO93/19750、WO93/19751、W
O98/18796、WO99/16766、WO01/13953、WO03/104
204、WO03/104205、WO03/39544、WO04/000814、W
O04/000839およびWO04/005258、WO04/018450、WO0
4/018451、WO04/018457、WO04/018465、WO04/01
8431、WO04/018449、WO04/018450、WO04/018451
、WO04/018457、WO04/018465、WO04/019944、WO0
4/019945、WO04/045607、WO04/037805、WO04/06
3197、WO04/103998およびWO04/111044に記載のもののような
PDE4阻害剤である。
【0055】
(A)グリコピロレートはM3アンタゴニストであるが、本発明の薬剤は、所望により臭
化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、チオトロピウム塩、CHF 4226(Chiesi)、ま
たはWO02/51841、WO02/53564、WO03/00840、WO03/
87094、WO04/05285、WO02/00652、WO03/53966、E
P424021、US5171744、US3714357、WO03/33495、W
O04/018422またはWO05/003090に記載のもののような1個以上の他
のM3アンタゴニストを含んでよい。
【0056】
(B)はベータ−2アドレナリン受容体アゴニストであるが、本発明の薬剤は、所望によ
りアルブテロール(サルブタモール)、メタプロテレノール、テルブタリン、サルメテロー
ルフェノテロール、プロカテロール、およびとりわけ、フォルモテロール、カルモテロー
ルおよびそれらの薬学的に許容される塩、WO04/087142の式Iの化合物(遊離
形もしくは塩形または溶媒和物形の)、またはJP05025045、US2002/0
055651、WO93/18007、WO99/64035、WO01/42193、
WO01/83462、WO02/066422、WO02/070490、WO02/
076933、WO03/24439、WO03/72539、WO03/42160、
WO03/91204、WO03/42164、WO03/99764、WO04/11
416、WO04/16578、WO04/22547、WO04/32921、WO0
4/33412、WO04/37773、WO04/37807、WO04/39762
、WO04/39766、WO04/45618、WO04/46083、WO04/8
0964、WO04/108675またはWO04/108676に記載のもののような
1個以上の他のベータ−2アドレナリン受容体アゴニストを含んでよい。
【0057】
前記の薬剤または医薬組成物、すなわち混合したまたは別々の(A)および(B)の投与は
、好ましくは吸入により、すなわち(A)および(B)は吸入可能な形態である。本薬剤の吸
入可能な形態は、例えば、噴霧剤中に溶液または分散の活性成分、すなわち(A)および(
B)を別々にまたは混合して含むエアロゾルのような霧化可能な組成物、または水性、有
機または水性/有機媒体中に活性成分の溶液または分散を含む噴霧可能組成物であり得る
。例えば、薬剤の吸入可能な形態は、噴霧剤中の溶液または分散の(A)および(B)の混合
物を含む、エアロゾル、または噴霧剤中の溶液または分散の(A)を含むエアロゾルと噴霧
剤中の溶液または分散の(B)を含むエアロゾルの組合せであり得る。他の例では、吸入可
能な形態は、水性、有機または水性/有機媒体中に(A)および(B)の分散を含む噴霧可能
組成物、またはこのような媒体中の(A)の分散とこのような媒体中の(B)の分散の組合せ
である。
【0058】
本薬剤の吸入可能な形態としての使用に適するエアロゾル組成物は、当分野で既知の全
ての噴霧剤から選択し得る噴霧剤中に溶液または分散の活性成分を含む。適当なこのよう
な噴霧剤は、n−プロパン、n−ブタンまたはイソブタンのような炭化水素またはこのよ
うな炭化水素の2個以上の混合物、およびハロゲン置換炭化水素、例えばジクロロジフル
オロメタン(CFC12)、トリクロロフルオロメタン(CFC11)、1,2−ジクロロ−
1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CFC114)または、特に、1,1,1,2−テトラ
フルオロエタン(HFA134a)および1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン
(HFA227)のような、塩素および/またはフッ素−置換メタン、エタン、プロパン、
ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタン、またはこのようなハロゲン−置換炭化水素
の2個以上の混合物を含む。活性成分が噴霧剤中の懸濁液で存在するとき、すなわちそれ
が噴霧剤中に分散した微粒子状の形態で存在するとき、本エアロゾル組成物はまた滑剤お
よび界面活性剤を含み得、これらは当分野で既知の滑剤および界面活性剤から選択され得
る。他の適当なエアロゾル組成物は、無界面活性剤または実質的に無界面活性剤のエアロ
ゾル組成物を含む。本エアロゾル組成物は、噴霧剤の重量を基本にして、約5重量%まで
の、例えば0.0001から5重量%、0.001から5重量%、0.001から3重量%
、0.001から2重量%、0.001から1重量%、0.001から0.1重量%、または
0.001から0.01重量%の活性成分を含み得る。滑剤および界面活性剤は、存在する
とき、エアロゾル組成物の各々5%および0.5%までの量であり得る。本エアロゾル組
成物はまた、特に、加圧低量吸入デバイスからの投与のために、エタノールのような共溶
媒を、組成物の30重量%までの量で含み得る。本エアロゾル組成物は、さらに充填剤、
例えばラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトールまたはソルビトールのよ
うな糖を、例えば、組成物の重量の20%まで、通常0.001から1%の量で含み得る

【0059】
本発明の他の態様において、吸入可能な形態は乾燥粉末であり、すなわち(A)および(
B)は、微粉化した(A)および(B)を所望により少なくとも1個の微粒子状の薬学的に許
容される担体と共に含む乾燥粉末中に含まれ、該担体は、好ましくは、例えばモノサッカ
ライド、ジサッカライド、ポリサッカライドを含むサッカライド、およびアラビノース、
グルコース、フルクトース、リボース、マンノース、スクロース、トレハロース、ラクト
ース、マルトース、デンプン、デキストラン、マンニトールまたはソルビトールのような
糖アルコールを含む、乾燥粉末吸入組成物の担体として既知の剤量から選択される、薬学
的に許容される担体として既知の1個以上の材料であり得る。とりわけ好ましい担体はラ
クトースである。本乾燥粉末は、好ましくは単位用量の(A)および(B)とカプセル当たり
の乾燥粉末の総重量を5mgから50mgとするための量の担体で、単位投与量として、例え
ば、単回投与または多回投与用デバイスであり得る乾燥粉末吸入デバイスで使用するため
の、ゼラチンまたはプラスチックのカプセルに、または(例えばアルミニウムまたはプラ
スチック製の)ブリスターに含まれていてよい。あるいは、本乾燥粉末は、作動あたり、
例えば、3−25mgの乾燥粉末を送達するのに適した多回用量乾燥粉末吸入デバイスに含
まれ得る。
【0060】
薬剤の微粉化した微粒子状の形態、および活性成分が微粒子状の形態で存在するエアロ
ゾル組成物において、該活性成分は、約10μmまで、例えば0.1から5μm、好まし
くは1から5μmの平均粒子直径を有し得る。微粒子状の担体は、存在するとき、一般に
、300μmまで、好ましくは212μmまでの最大粒子直径を有し、簡便には40から
100μm、例えば50から75μmの平均粒子直径を有する。活性成分の、および、乾
燥粉末組成物に存在するとき、微粒子状の担体の粒子サイズは、所望のレベルまで、常套
法で、例えばエアージェットミル、ボールミルまたはバイブレーターミル、篩い、微小沈
殿(microprecipitation)、噴霧乾燥、凍結乾燥または通常の溶媒もしくは超臨界媒体から
の制御された結晶化により減少できる。
【0061】
本薬剤は、例えば国際特許出願WO01/76575(その内容は引用により本明細書
に包含させる)に記載の通りの、例えばステアリン酸マグネシウムを含む、疎水性マトリ
ックス物質に(A)および(B)の微粉化した粒子を含む制御放出製剤であり得る。
【0062】
本吸入可能な薬剤は、吸入可能な形態に適する吸入デバイスを使用して投与でき、この
ようなデバイスは当分野で既知である。従って、本発明はまた、前記の吸入可能な形態の
前記の薬剤または医薬組成物を、1個以上の吸入デバイスと共に含む医薬製品も提供する
。さらなる局面において、本発明は、前記の吸入可能な形態の前記の薬剤または医薬組成
物を含む、吸入デバイス、または2個以上の吸入デバイスのパックを提供する。
【0063】
活性成分の吸入可能な形態がエアロゾル組成物であるとき、該吸入デバイスは、10か
ら100μl、例えば25から50μlのような、定量の組成物を送達するのに適したバル
ブを備えたエアロゾルバイアル、すなわち定量吸入器として既知のデバイスであり得る。
適当なこのようなエアロゾルバイアルおよび、加圧下でその中にエアロゾル組成物を入れ
る方法は吸入治療の分野の当業者には既知である。例えば、エアロゾル組成物は、例えば
EP0642992Aに記載の通りの、被覆されたカンから投与し得る。
【0064】
活性成分の吸入可能な形態が噴霧可能水性、有機または水性/有機分散であるとき、該
吸入デバイスは、既知のネブライザー、例えば、1から50ml、一般に1から10mlの分
散を含み得る、例えばエアジェットネブライザー、または超音波ネブライザーのような慣
用の空気式(pneumatic)ネブライザー;または、慣用のネブライザーよりも少ない噴霧用
量、例えば10から100μlを可能にする、ミストもしくは軟スプレー吸入器とも呼ば
れることがある携帯型ネブライザー、例えばAERx(Aradigm, US)またはAerodose(Aerogen)
のような電子制御デバイス、またはRESPIMAT(Boehringer Ingelheim)ネブライザーのよう
な機械的デバイスであり得る。
【0065】
活性成分の吸入可能な形態が微粉化した微粒子状の形態であるとき、該吸入デバイスは
、例えば、投与単位の(A)および(B)を含む乾燥粉末を含むカプセルまたはブリスターか
らの乾燥粉末の送達に適した乾燥粉末吸入デバイス、または、例えば、作動あたり投与単
位の(A)および(B)を含む3−25mgの乾燥粉末の送達に適した多回用量乾燥粉末吸入(
MDPI)デバイスであり得る。本乾燥粉末製剤は、好ましくは活性成分を、所望により
、所望の粒子サイズ分布のラクトースのような希釈剤または担体、および例えばステアリ
ン酸マグネシウムのような湿気による製品性能の悪化からの保護を助ける化合物を含む。
適当なこのような乾燥粉末吸入デバイスは既知である。例えば、カプセル封入された形態
の乾燥粉末の送達に適当なデバイスは、US3991761に記載され、一方適当なMD
PIデバイスはWO97/20589に記載のものである。
【0066】
本発明の薬剤は、好ましくは医薬組成物は、前記で定義の(A)および前記で定義の(B)
の混合物を、好ましくは前記の少なくとも1個の薬学的に許容される担体と共に含む。
【0067】
(A)対(B)のモル比は、一般に、100:1から1:300、例えば50:1から1:
100または20:1から1:50、好ましくは10:1から1:20、より好ましくは
5:1から1:10、3:1から1:7または2:1から1:2であり得る。化合物(A)
およびthe 化合物(B)は、同じ比率で別々に投与し得る。
【0068】
吸入のための、化合物(A)の、特に臭化物塩としての、適当な一日投与量は、10μg
から2000μg、好ましくは60から1000μg、およびとりわけ80から800μg
、例えば20から500μgであり得る。
【0069】
吸入のための、化合物(B)の適当な一日量は、10μgから2000μg、例えば10か
ら1500μg、10から1000μg、好ましくは20から800μg、例えば20から
600μgまたは20から500μgであり得る。
【0070】
適当な単位用量の、特に臭化物塩としての、化合物(A)は、10μgから2000μg、
好ましくは60から1000μg、とりわけ80から800μg、例えば20から500μ
gであり得る。
【0071】
適当な単位用量の化合物(B)は、10μgから2000μg、例えば10から1500μ
g、10から1000μg、好ましくは20から800μg、例えば20から600μgまた
は20から500μgであり得る。
【0072】
これらの単位用量を、前記の一日投与量に従い、1日1回または2回投与し得る。1回
投与が好ましい。使用する厳密な単位および一日用量は、もちろん、処置すべき状態、患
者および吸入デバイスの効率に依存して変化する。
【0073】
本発明の一つの好ましい態様において、本発明の薬剤は、例えば1回カプセル吸入器か
らの吸入のための、単位用量の(A)および(B)を含むカプセル中の乾燥粉末である医薬組
成物であり、該カプセルは、適当には、例えば前記の通りの単位用量の(A)、および例え
ば前記の通りの単位用量の(B)を、カプセルあたりの乾燥粉末の総重量が5mgから50mg
、例えば5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mgまた
は50mgとするための量の薬学的に許容される担体を含む。
【0074】
本発明の他の好ましい態様において、本発明の薬剤は、作動あたり単位用量の(A)およ
び(B)を含む、例えば、3mgから25mgの粉末の送達に適した多回用量乾燥粉末吸入器の
貯蔵部から投与するための乾燥粉末である医薬組成物であり、例えば、ここで、(A)はマ
レイン酸塩の形であるとき、粉末は、重量で、20から2000部、例えば60から10
00部、100から500部、または100から300部の(A);25から800部、例
えば25から500部、50から400部、または100から400部の(B);0.2か
ら1部のステアリン酸マグネシウム、および2000から25000部、例えば4000
から15000部または4000から10000部の前記の薬学的に許容される担体を含
む。
【0075】
本発明のさらに好ましい態様において、本発明の薬剤は、前記の噴霧剤中に、例えば前
記の比率の(A)および(B)を、所望により、作動あたり、単位用量の(A)および単位用量
の(B)、または単位用量の既知分画の(A)および単位用量の既知分画の(B)を含む一定量
のエアロゾルの送達に適した定量吸入器からの投与のための前記の界面活性剤および/ま
たは充填剤および/またはエタノールのような共溶媒と共に含むエアロゾルである医薬組
成物である。故に、例えば、該吸入器が作動あたり(A)および(B)の半量を送達するとき
、該単位投与量は吸入器の2回の作動により投与され得る。
【0076】
上記によって、本発明はまた、有効量の(A)および(B)の投与に適した別々の単位投与
形態の前記で定義の(A)および(B)を含む医薬キットを提供する。このようなキットは、
適当には、さらに1個以上の(A)および(B)の投与用の吸入デバイスを含む。例えば、本
キットは、カプセルからの乾燥粉末の送達に適した1個以上の乾燥粉末吸入デバイスを、
投与単位の(A)を含む乾燥粉末を含むカプセルおよび投与単位の(B)を含む乾燥粉末を含
むカプセルと共に、含み得る。他の例では、本キットは、その貯蔵部に(A)を含む乾燥粉
末を含む多回用量乾燥粉末吸入デバイスおよびその貯蔵部に(B)を含む乾燥粉末を含む多
回用量乾燥粉末吸入デバイスを含み得る。さらなる例では、本キットは、噴霧剤中に(A)
を含むエアロゾルを含む定量吸入器および噴霧剤中に(B)を含むエアロゾルを含む定量吸
入器を含み得る。
【0077】
本発明の薬剤は、炎症性または閉塞性気道疾患の処置に有利であり、非常に有効な気管
支拡張性および抗炎症性特性を示す。例えば、(A)または(B)のいずれか単独での処置を
使用したときと比較して、ある治療効果を得るのに必要な(A)または(B)の用量を減少す
るために本発明の組合せ治療を使用することが可能であり、それにより望ましくない副作
用の可能性を最小化する。さらに、本発明の組合せ剤を使用して、特に(A)および(B)を
含む組成物を使用して、迅速な作用の開始および長期の作用期間を有する薬剤を製造し得
る。さらに、このような組合せ治療を使用して、肺機能の著しい改善をもたらす薬剤を製
造し得る。他の局面において、本発明の組合せ治療を使用して、閉塞性または炎症性気道
疾患の有効な制御を、またはこのような疾患の悪化の減少を提供する、薬剤を製造し得る
。さらなる局面において、(A)および(B)を含む本発明の組成物を使用して、サルブタモ
ールまたはテルブタリンのような短時間作用型レスキュー剤での処置の必要性を減ずるか
または無くす薬剤を製造し得る;故に、(A)および(B)を含む本発明の組成物は、単独の
薬剤で、閉塞性または炎症性気道疾患の処置を容易にする。
【0078】
本発明に従う炎症性または閉塞性気道疾患の処置は、対症的または予防的処置であり得
る。本発明を適用し得る炎症性または閉塞性気道疾患は、内因性(非アレルギー性)喘息お
よび外因性(アレルギー性)喘息、軽度喘息、中程度喘息、重度喘息、気管支喘息、運動誘
発性喘息、職業的喘息および細菌感染後に誘発される喘息を含む、いかなるタイプまたは
起源であれ、喘息を含む。喘息の処置はまた、例えば、主要な医学的関心事であり、現在
しばしば喘息の初期または早期相と同定されている、4または5歳未満の、喘鳴症状を示
し、“喘鳴幼児”と診断された対象の処置を含むことは理解されるべきである。(簡便の
ために、この特定の喘息状態を、“喘鳴幼児症候群(wheezy-infant syndrome)”と呼ぶ。
)
【0079】
喘息の予防的効果は、症候的発作、例えば急性喘息発作または気管支収縮発作の頻度ま
たは重症度の低下、肺機能の改善または改善された気道過敏症により証明される。これは
、さらに、他の症候的治療、すなわち、症候的発作が、それが起こったときに阻止するか
中断させるためのまたはそれを意図した治療、例えば抗炎症剤(例えばコルチコステロイ
ド)または気管支拡張剤の必要性の減少により証明され得る。喘息における予防的利点は
、特に、“早朝悪化(morning dipping)”の傾向のある対象において明白であり得る。“
早朝悪化”は、喘息患者のかなりの割合に共通した認識された喘息症候群であり、大凡4
から6am、すなわち前回の何らかの対症的喘息治療から通常相当離れた時間の喘息発作
により特徴付けられる。
【0080】
本発明を適用し得る他の炎症性または閉塞性気道疾患およびは、急性/成人肺損傷(A
LI)、成人/急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、嚢胞性線維症、慢性気管支炎および気腫
を含む慢性閉塞性肺、気道または肺疾患(COPD、COADまたはCOLD)、気管支拡
張症および他の薬剤治療、特に他の吸入剤治療の結果としての気道過敏症の悪化を含む。
本発明を適用し得るさらなる炎症性または閉塞性気道疾患は、例えば、アルミニウム肺症
、炭粉沈着症、石綿肺症、石肺症、ダチョウ塵肺症、鉄沈着症、珪肺症、タバコ肺症およ
び綿肺症を含む、いかなるタイプまたは起源であれ、塵肺(慢性であれ急性であれ、頻繁
に気道閉塞を伴う、そして、塵の反復吸入によりもたらされる、炎症性の、一般的に職業
性の肺の疾患)を含む。
【0081】
本発明を下記実施例により説明する。
【実施例】
【0082】
化合物A1
3−[(シクロペンチル−ヒドロキシフェニルアセチル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリ
ジニウムブロマイド(グリコピロレート)
この化合物は、ラセミ体として市販されているか、または米国特許US2956062
に記載の方法を使用して製造する。
【0083】
化合物B1
(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチ
ル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オンマレイン酸塩
この化合物は、国際特許出願WO2000/075114に記載の方法を使用して製造
する。
【0084】
化合物B2からB6
それぞれ4−ヒドロキシ−7−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(4−フェニル−ブト
キシ)−フェニル]−エチルアミノ}−エチル)−3H−ベンゾチアゾル−2−オン、7−[
(R)−2−(1,1−ジメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]
−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾル−2−オン、4−ヒドロキシ−7−{(R)−1
−ヒドロキシ−2−[2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)エチルア
ミノ]−エチル}−3H−ベンゾチアゾル−2−オンギ酸塩、7−[(R)−2−((1S,2
S)−2−ベンジルオキシ−シクロペンチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒ
ドロキシ−3H−ベンゾ−チアゾル−2−オンおよび7−[(R)−2−((1S,2R)−2
−ベンジルオキシ−シクロペンチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−ヒドロキシ
−3H−ベンゾチアゾル−2−オン
これらの化合物は、国際特許出願WO2004/016601に記載の方法を使用して
製造する。
【0085】
実施例1−60
US3991761およびEP1270034に記載のようなカプセル吸入器での使用
のために適当なゼラチンカプセルを製造し、各カプセルは、下記表1に示す量の、平均粒
子直径1から5μmまで挽いた化合物A1および化合物B1ならびに212μm未満の粒子
直径を有するラクトース一水和物の混合により得た乾燥粉末を含む:
【0086】
【表1】

【表2】

【0087】
実施例61−105
WO97/20589に記載の多回用量吸入器の貯蔵部からの送達に適当な乾燥粉末を
、下記表2に示す量の、平均粒子直径1から5μmまで挽いた化合物A1および化合物B
1ならびに212μm未満の粒子直径を有するラクトース一水和物の混合により製造する

【0088】
【表3】

【0089】
実施例106−150
WO97/20589に記載の多回用量吸入器の貯蔵部からの送達に適当な乾燥粉末を
、平均粒子直径1−5μmまで挽いた化合物A1および化合物B3ならびに212μm未満
の粒子直径を有するラクトース一水和物の混合により製造し、量は表2に示す通りである
が、さらに0.5重量%ステアリン酸マグネシウムを含む。
【0090】
実施例151−195
WO97/20589に記載の多回用量吸入器の貯蔵部からの送達に適当な乾燥粉末を
、平均粒子直径1−5μmまで挽いた化合物A1および化合物B3ならびに212μm未満
の粒子直径を有するラクトース一水和物の混合により製造し、量は表2に示す通りである
が、さらに1重量%ステアリン酸マグネシウムを含む。
【0091】
実施例196−213
エアロゾル製剤を、微粉化活性成分、化合物A1および化合物B4、および必要であれ
ば充填剤としてのラクトースをバイアルに分配し、バイアルを定量バルブで密封し、予め
混合したエタノール/噴霧剤および所望により界面活性剤を、バイアルにバルブを通して
注入し、バイアルを超音波エネルギーに付して、固体粒子を分散させることにより製造す
る。
成分および量は下記表3に示す:
【0092】
【表4】

【0093】
実施例214−223
エアロゾル製剤を、微粉化活性成分、化合物A1および化合物B5、および必要であれ
ば充填剤としてのラクトースをバイアルに分配し、バイアルを定量バルブで密封し、予め
混合したエタノール/噴霧剤および所望により界面活性剤を、バイアルにバルブを通して
注入し、バイアルを超音波エネルギーに付して、固体粒子を分散させることにより製造す
る。
成分および量は下記表4に示す:
【表5】

【0094】
実施例224−233
実施例214−223の方法を、上記表4に示す量を使用して、化合物B5を化合物B
6に置き換える以外繰り返す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)グリコピロレート;および
(B)遊離形もしくは塩形または溶媒和物形の式I
【化1】

〔式中、Wは式
【化2】

の基であり;
およびRは両方とも−CH−または−(CH)−であり;
は水素、ヒドロキシ、またはC−C10−アルコキシであり;
およびRは、各々独立して水素またはC−C10−アルキルであり;
、R、RおよびRは、各々独立して水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C
−C10アルコキシ、C−C10−アリール、C−C10−アルキル、1個以上の
ハロゲン原子または1個以上のヒドロキシ基もしくはC−C10−アルコキシ基で置換
されているC−C10−アルキル、1個以上のヘテロ原子で中断されているC−C
−アルキル、C−C10−アルケニル、トリアルキルシリル、カルボキシ、C−C
10アルコキシカルボニル、または−CONR1112であり、ここで、R11および
12は、各々独立して水素またはC−C10−アルキルであるか、
またはRとR、RとR、またはRとRは、それらが結合している炭素原子と
一体となって5、6または7員炭素環式環または4から10員ヘテロ環式環を意味し;そ
して
、RおよびR10は、各々独立して水素またはC−C−アルキルである。〕
の化合物、または遊離形もしくは塩形または溶媒和物形の、式II
【化3】

〔式中、
Xは−R13−Ar−R14または−R15−Yであり;
Arは、所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル、C−C10−アルコ
キシ、C−C10−アルコキシ−C−C10−アルキル、フェニル、フェニルで置換
されたC−C10−アルキル、フェニルで、C−C10−アルキル置換フェニルで、
またはC−C10アルコキシ−置換フェニルで置換されたC−C10−アルコキシで
置換されていてよいフェニレン基であり;
13およびR14は、Arの隣接炭素原子に結合しており、そして
13はC−C10−アルキレンであり、そしてR14は水素、C−C10−アルキ
ル、C−C10−アルコキシまたはハロゲンであるか、
またはR13およびR14は、それらが結合しているArの炭素原子と一体となって、5
、6または7員環状脂肪族環を意味し;
15は結合または所望によりヒドロキシ、C−C10−アルコキシ、C−C10
アリールまたはC−C14−アラルキルで置換されていてよいC−C10−アルキレ
ンであり;そして
Yは、所望によりハロ、シアノ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル、C−C10
アルコキシまたはハロ−C−C10−アルキルで置換されていてよいC−C10−ア
ルキル、C−C10−アルコキシ、C−C10−アルケニルまたはC−C10−ア
ルキニル;
所望により1個以上のベンゼン環に縮合し、そして所望によりC−C10−アルキル、
−C10−アルコキシ、C−C10−シクロアルキル、C−C14−アラルキル
、C−C14−アラルキルオキシまたはC−C10−アリール(ここで、C−C
−シクロアルキル、C−C14−アラルキル、C−C14−アラルキルオキシまた
はC−C10−アリールは、所望により、ハロ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル
、C−C10−アルコキシまたはハロ−C−C10−アルキルで置換されていてよい
)で置換されていてよい、C−C10−シクロアルキル;
所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C10−アルキル、C−C10アルコキシ、C
−C10−ハロアルキル、フェノキシ、C−C10−アルキルチオ、C−C10−ア
リール、少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員ヘテロ環式
環で、またはNR1617(ここで、R16およびR17は、各々独立して所望により
ヒドロキシ、C−C10−アルコキシまたはフェニルで置換されていてよいC−C
−アルキルであるか、またはR16はさらに水素であり得る)で置換されていてよいC
−C10−アリール;
所望によりC−C10−アルキル、C−C10−アルコキシでまたは所望によりC
−C10−アルキルもしくはC−C10−アルコキシで置換されていてよいフェニルで
置換されていてよいフェノキシ;
少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員ヘテロ環式環(該ヘ
テロ環式環は、所望により、ハロ、C−C10−アルキル、C−C10−アルコキシ
、ハロ−C−C10−アルキル、C−C10−アリール、C−C14−アラルキル
、C−C14アラルキルオキシ、C−C10−アルコキシカルボニルまたは4から1
0員ヘテロシクリル−C−C10アルキルで置換されていてよい);
−NR1819(ここで、R18は水素またはC−C10−アルキルであり、そして
19は所望によりヒドロキシで置換されていてよいC−C10−アルキルであるか、
またはR19は、所望によりハロで置換されていてよいC−C10−アリールであるか
、またはR19は、少なくとも1個の環窒素、酸素または硫黄原子を有する4から10員
ヘテロ環式環であり、該環は所望によりフェニルまたはハロ−置換フェニルで置換されて
いてよく、またはR19は所望によりC−C10−アルキルアミノまたはジ(C−C
10−アルキル)アミノで置換されていてよいC−C10−アリールスルホニルである)

−SR20(ここで、R20は、所望によりハロ、C−C10−アルキル、C−C
−アルコキシもしくはC−C10−ハロアルキルで置換されていてよいC−C10
−アリールまたはC−C14−アラルキルである);または
−CONHR21(ここで、R21はC−C10−アルキル、C−C10−シクロア
ルキルまたはC−C10−アリールである)
である。〕
の化合物のいずれかを、別々にまたは一緒に含む、炎症性または閉塞性気道疾患の処置に
おいて同時に、連続的にまたは別々に投与するための、薬剤。
【請求項2】
有効量の(A)および(B)の混合物を、所望により少なくとも1個の薬学的に許容される
担体と共に含む医薬組成物である、請求項1記載の薬剤。
【請求項3】
(B)が、式中、R、RおよびR10が各々Hであり、RがOHであり、Rおよ
びRが各々Hであり、そして
(i)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々CH
−であり、そしてRおよびRが各々Hであるか;
(ii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが各々CHCH−であるか;
(iii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであ
り、そしてRおよびRが各々CH−であるか;
(iv)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々CH
−であり、そしてRおよびRが各々Hであるか;
(v)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが一緒になって−(CH)−を意味するか;
(vi)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが一緒になって−O(CH)O−を意味するか;
(vii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであ
り、そしてRおよびRが各々CH(CH)−であるか;
(viii)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであ
り、そしてRおよびRが各々CH(CH)−であるか;
(ix)RおよびRが両方とも−(CH)−であり、R、R、RおよびRが各
々Hであるか;または
(x)RおよびRが両方とも−CH−であり、そしてRおよびRが各々Hであり
、そしてRおよびRが各々CHOCH−である、
前記で定義の式Iの化合物であるか;または
(B)が式中、Xが−R13−Ar−R14または−R15−Yであり;
Arが、所望によりハロ、C−C10−アルキル、C−C10−アルコキシまたはフ
ェニルで置換されたC−C10−アルコキシで置換されていてよいフェニレン基であり

13およびR14がArの隣接炭素原子に結合し、そして
13がC−C10−アルキレンであり、そしてR14が水素であるか、
またはR13およびR14が、それらが結合しているArの炭素原子と一体となって、5
−、6または7員環状脂肪族環を意味し;
15が結合または、所望によりヒドロキシ、C−C10−アリールもしくはC−C
14−アラルキルで置換されているC−C10−アルキレンであり;そして
YがC−C10−アルキル、C−C10−アルコキシまたはC−C10−アルキニ
ル;所望により1個以上のベンゼン環に縮合し、所望によりハロで置換されていてよいC
−C10−アルキル、C−C10−シクロアルキル、C−C14アラルキル、C
−C14−アラルキルオキシ、または所望によりC−C10−アルキルもしくはC
10−アルコキシで置換されていてよいC−C10−アリールで所望により置換され
ていてよい、C−C10−シクロアルキル;所望によりハロ、ヒドロキシ、C−C
−アルキル、フェノキシ、C−C10−アルキルチオ、C−C10−アリール、少
なくとも1個の環窒素原子を有する4から10員ヘテロ環式環、またはNR1617(
ここで、R16およびR17は、各々独立して所望によりヒドロキシもしくはフェニルで
置換されていてよいC−C10−アルキルであるか、またはR16はさらに水素であり
得る)で置換されていてよいC−C10−アリール;所望によりC−C10−アルコ
キシで置換されていてよいフェノキシ;少なくとも1個の環窒素または酸素原子を有する
4から10員ヘテロ環式環(該ヘテロ環式環は、所望によりC−C10−アルキル、C
−C10−アリール、C−C14−アラルキル、C−C10−アルコキシカルボニ
ルでまたは4から10員ヘテロシクリル−C−C10−アルキルで置換されていてよい
);−NR1819(ここで、R18は水素またはC−C10−アルキルであり、そし
てR19はC−C10−アルキルであるか、またはR19は少なくとも1個の環窒素ま
たは酸素原子を有する4から10員ヘテロ環式環であり、該環は所望によりハロ−置換フ
ェニルで置換されていてよく、またはR19は、所望によりジ(C−C10アルキル)ア
ミノで置換されていてよいC−C10−アリールスルホニルである);−SR20(ここ
で、R20は、所望によりハロまたはC−C10−ハロアルキルで置換されていてよい
−C10−アリールまたはC−C14−アラルキルである);または−CONHR
21(ここで、R21はC−C10−シクロアルキルまたはC−C10−アリールで
ある)である、
前記で定義の式IIの化合物のいずれかである、請求項1または2記載の薬剤。
【請求項4】
(B)が、8−ヒドロキシ−5−[1−ヒドロキシ−2−(インダン−2−イルアミノ)−
エチル]−1H−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジメトキシ−インダン−2−イ
ルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、5
−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−
ヒドロキシ−3−メチル−1H−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジエチル−イ
ンダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]−8−メトキシメトキシ−6−メチル
−1H−キノリン−2−オン、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)
−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−6−メチル−1H−キノリン−2−オン
、8−ヒドロキシ−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒド
ロキシ−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン、5−[(R)−2−(5,
6−ジエチル−2−メチルインダン−2−イル−アミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8
−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、(S)−5−[2−(4,7−ジエチル−インダ
ン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2
−オン塩酸塩、5−[(R)−1−ヒドロキシ−2−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−
ベンゾシクロヘプテン−7−イルアミノ)−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−
2−オン塩酸塩、(R)−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−
ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オンマレイン酸塩、(R)
−5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]
−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン塩酸塩、(R)−8−ヒドロキシ−5−[(S
)−1−ヒドロキシ−2−(4,5,6,7−テトラメチルインダン−2−イルアミノ)−エチ
ル]−1H−キノリン−2−オン、8−ヒドロキシ−5−[(R)−1−ヒドロキシ−2−(
2−メチル−インダン−2−イルアミノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オン、5−[
2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−
キノリン−2−オン、8−ヒドロキシ−5−[(R)−1−ヒドロキシ−2−(2−メチル−
2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−シクロペンタ[b]ナフタレン−2−イルアミ
ノ)−エチル]−1H−キノリン−2−オンおよび5−[(S)−2−(2,3,5,6,7,8−
ヘキサヒドロ1H−シクロペンタ[b]ナフタレン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−
エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オンから成る群から選択される式Iの
化合物であるか;
または(B)が、4−ヒドロキシ−7−(1−ヒドロキシ−2−{2−[4−(4−フェニル
−ブトキシ)−フェニル]−エチルアミノ)−エチル)−3H−ベンゾチアゾル−2−オン、
7−[(R)−2−(1,1−ジメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エ
チル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾ−チアゾル−2−オン、4−ヒドロキシ−7−{(
R)−1−ヒドロキシ−2−[2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)
−エチル−アミノ]−エチル}−3H−ベンゾチアゾル−2−オンギ酸塩、7−[(R)−2
−((1S,2S)−2−ベンジルオキシ−シクロペンチル−アミノ)−1−ヒドロキシエチ
ル]−4−ヒドロキシ−3H−ベンゾ−チアゾル−2−オンおよび7−[(R)−2−((1S
,2R)−2−ベンジルオキシ−シクロペンチルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−4−
ヒドロキシ−3H−ベンゾチアゾル−2−オンから成る群から選択される式IIの化合物で
ある、請求項1から3のいずれかに記載の薬剤。
【請求項5】
グリコピロレートがラセミ体である、請求項1記載の薬剤。
【請求項6】
グリコピロレートが単一エナンチオマーである、請求項2記載の薬剤。
【請求項7】
グリコピロレートが(3S,2'R)−3−[(シクロペンチル−ヒドロキシフェニルアセチ
ル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリジニウムブロマイドまたは(3R,2'R)−3−[(シ
クロペンチル−ヒドロキシフェニルアセチル)オキシ]−1,1−ジメチルピロリジニウム
ブロマイドである、請求項6記載の薬剤。
【請求項8】
抗炎症剤、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、鬱血除去剤または鎮咳剤である少なくとも
1個の医薬物質をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載の薬剤。
【請求項9】
吸入可能な形態であり、そして
(i)噴霧剤中の溶液または分散の(A)および(B)の混合物を含む、エアロゾル;または
(ii)噴霧剤中の溶液または分散の(A)を含むエアロゾルと噴霧剤中の溶液または分散の(
B)を含むエアロゾルの組合せ;または
(iii)水性、有機または水性/有機媒体中に(A)および(B)の分散を含む噴霧可能組成物
;または
(iv)水性、有機または水性/有機媒体中の(A)の分散と水性、有機または水性/有機媒体
中の(B)の分散の組合せ
である、請求項1から8のいずれかに記載の薬剤。
【請求項10】
(A)および/または(B)が、微粉化した(A)および/または(B)を、所望により少なく
とも1個の微粒子状の薬学的に許容される担体と共に含む乾燥粉末としての吸入可能な形
態で存在する、請求項1から9のいずれかに記載の薬剤。
【請求項11】
(A)および/または(B)が10μmまでの平均粒子直径を有する、請求項9または10
に記載の薬剤。
【請求項12】
(A)対(B)のモル比が100:1から1:300、好ましくは50:1から1:100
、より好ましくは10:1から1:20である、請求項1から11のいずれかに記載の薬
剤。
【請求項13】
カプセル中の乾燥粉末であって、該カプセルが、単位用量の(A)、単位用量の(B)およ
びカプセル当たりの乾燥粉末の総重量が5mgから50mgとするための量の薬学的に許容さ
れる担体を含むか;または
重量で20から2000部のマレイン酸塩の形の(A)、25から800部の(B)および2
000から25000部の薬学的に許容される担体を含む乾燥粉末であるか;または
噴霧剤中に、請求項1または15に特記した比率の(A)および(B)を、所望により作動あ
たり単位用量の(A)および単位用量の(B)、または単位用量の既知分画の(A)および単位
用量の既知分画の(B)を含むエアロゾルの一定量の送達に適した定量吸入器からの投与の
ための界面活性剤および/または充填剤および/または共溶媒と共に含むエアロゾルであ
る、
請求項2記載の薬剤。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の(A)および請求項1から13のいずれかに記載の
(B)の、炎症性または閉塞性気道疾患の処置における(A)および(B)の同時、連続または
別々の投与による組合せ治療用薬剤の製造における、使用。
【請求項15】
請求項1から13のいずれかに記載の(A)および請求項1から13のいずれかに記載の
(B)の、喘息または慢性閉塞性肺疾患の処置における(A)および(B)の同時、連続または
別々の投与による組合せ治療用薬剤の製造における、使用。
【請求項16】
(A)がラセミ体である、請求項14または15に記載の使用。
【請求項17】
(A)および(B)の少なくとも一方が単一エナンチオマーである、請求項15記載の使用

【請求項18】
有効量の(A)および(B)の投与に適した別々の単位投与形態の請求項1、3、4、5、
6および7のいずれかに記載の(A)および(B)を、(A)および(B)の投与のための1個以
上の吸入デバイスと共に含む、医薬キット。
【請求項19】
実質的に実施例のいずれかに記載の通りの、(A)請求項1記載の式Iの化合物および(
B)請求項1記載の式IIの化合物を、一緒にまたは別々に含む、炎症性または閉塞性気道
疾患の処置において同時に、連続的にまたは別々に投与するための、薬剤。

【公開番号】特開2012−236833(P2012−236833A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−156212(P2012−156212)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2007−517074(P2007−517074)の分割
【原出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】