説明

グリセリン精製装置及び精製方法並びにグリセリン改質装置及び改質方法

【課題】グリセリンとアルカリ触媒由来のアルカリ化合物とを含有したグリセリン含有液からアルカリ化合物を低コストで除去し、グリセリンを分離・精製する。
【解決手段】グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有したグリセリン含有液を、グリセリンの沸点が前記アルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共に、アルカリ化合物を溶融させるグリセリン蒸発器2と、グリセリン蒸気とアルカリ化合物融液とを分離する気液分離器3と、アルカリ化合物融液を固化させて、回収する回収槽4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリセリン精製装置及び精製方法並びにグリセリン改質装置及び改質方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大豆油、菜種油、ひまわり油等の植物性油脂を原料として、バイオディーゼル燃料を生産する方法が提案されている。バイオディーゼル燃料の一般的な生産方法として、油脂にメタノールとアルカリ触媒を加えてエステル交換反応を起こさせた後、これに酸を加えて中和させ、脂肪酸メチルエステルとグリセリンに分離する。分離した脂肪酸メチルエステルから触媒を取り除き、さらにメタノールを除去すると、バイオディーゼル燃料となる。このように、アルカリ触媒を用いた方法では、原理的にグリセリンの発生を抑制することは難しく、原料油脂の10%程度のグリセリンが副生する。
【0003】
下記の特許文献1には、副生グリセリンの精製工程を有するバイオディーゼル燃料の製造方法が開示されている。この特許文献1によれば、エステル交換反応で副生したアルカリ性のグリセリン含有液を希硫酸で中和した後、蒸留し、遠心分離することで高純度のグリセリンを精製し、有効利用できる、と記載されている。
【0004】
グリセリンは現在、医薬品分野や化粧品、樹脂、塗料などといった分野で消費されているが、その消費量は限定されている。一方、地球温暖化対策として期待が高まっているバイオディーゼル燃料の生産量増加に伴い、副生グリセリンが余剰となることが予測される。現在、副生グリセリンはその多くが焼却処分により熱回収されているのが現状である。
以上の背景の下、副生グリセリンの市場において、グリセリンの余剰量がますます拡大すること、焼却処分によって資源の利用価値が低下すること、などが課題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−350630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたグリセリンの精製方法では、精製したグリセリンの新規用途については記載がない。
また、グリセリン含有液は強アルカリ性であり、その中和には多量の硫酸が必要となり、処理コストが高くなるという問題があった。
副生グリセリンを有価物として利用するためには、高純度グリセリンとする必要があるが、中和処理でのアルカリ成分の除去は理論的には容易であるが、産業的に行う際には、中和処理に加えて、分離、洗浄を多段で行う必要があり、実用的ではないという問題があった。特に、中和処理で用いる硫酸や塩酸に含まれる硫黄や塩素は、例えば副生グリセリンを水素ガスとして再利用する水蒸気改質反応の触媒の被毒成分であるので、更なる精製が必要になるという問題もあった。
したがって、低コストでバイオディーゼル燃料の副生グリセリンを高純度に精製できる装置と方法の提供が求められている。これに加えて、精製された副生グリセリンを有価物化する装置と方法の提供も求められている。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)グリセリンとアルカリ触媒由来のアルカリ化合物とを含有したグリセリン含有液からアルカリ化合物を低コストで除去し、グリセリンを分離・精製する。
(2)グリセリンを効率よく有価ガスに転換する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、グリセリン精製装置に係る第1の解決手段として、グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点がアルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共に、アルカリ化合物を溶融させるグリセリン蒸発部と、気化したグリセリンと溶融したアルカリ化合物とを分離する分離部と、溶融したアルカリ化合物を固化させる固化部とを、備えてなる、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、グリセリンが気化する一方で、アルカリ化合物は溶融するので、気化したグリセリンをアルカリ化合物融液から分離するだけで、グリセリンの精製が完了する。よって洗浄等に必要とされる多段の複数装置が不要となるばかりでなく、グリセリン含有液に他の薬剤を添加する必要がないので、低コストでグリセリンの精製を行うことができる。溶融したアルカリ化合物は、固化部で固化されて、回収できる。
また、本発明のグリセリン精製装置にあっては、グリセリンは気体状態で、アルカリ化合物は液体状態でグリセリン蒸発部から逐次排出されるので、グリセリン蒸発部には、常に新たなグリセリン含有液を供給することができ、グリセリンを連続的に精製することができる。
【0009】
グリセリン精製装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、グリセリン蒸発部と分離部との間に圧力調整弁を設けることによりグリセリン蒸発部内を加圧状況とする、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、グリセリン精製装置全体を加圧状況としなくても、グリセリン蒸発器内部だけを所望の加圧状況にできるので、グリセリン蒸発器以外には耐圧設備が不要となり、低コストの装置となる。また、圧力管理が容易になる。
【0010】
グリセリン精製装置に係る第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、グリセリン蒸発部は、グリセリン含有液を管路に挿通させて熱源と熱交換させてなる、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、管路内のグリセリン含有液は均一かつ効率的に所定温度で加熱されることとなり、グリセリンが気化する一方でアルカリ化合物が溶融するので、気体と液体との分離が容易である。また、簡単な汎用装置をグリセリン精製装置とすることができ、低コストでのグリセリン精製が可能となる。
【0011】
グリセリン精製装置に係る第4の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、グリセリン蒸発部は、貯留槽内に貯留されたグリセリン含有液に熱源が挿通する管路を浸漬させてなる、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、簡単な汎用装置をグリセリン精製装置とすることができ、低コストでのグリセリン精製が可能となる。
【0012】
グリセリン精製装置に係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれかの解決手段において、グリセリン含有液は、原料油とアルコールとをアルカリ触媒の存在下で反応させてバイオディーゼル燃料を製造する際に副生されたものである、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、グリセリン含有液からグリセリンを精製するばかりでなく、アルカリ触媒であるアルカリ化合物を回収でき、資源の有効利用ができる装置となる。また、他の薬剤の添加が必要なく、汎用装置を採用することにより、市場に対して余剰な粗製の副生グリセリンを低コストで高純度の精製グリセリンとすることができ、産業的に有用である。
【0013】
また、本発明では、グリセリン改質装置に係る第1の解決手段として、グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点がアルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共に、アルカリ化合物を溶融させるグリセリン蒸発部と、気化したグリセリンと溶融したアルカリ化合物とを分離する分離部と、溶融したアルカリ化合物を固化させる固化部とを、備えてなるグリセリン精製装置と、内部に触媒が収容され、グリセリン精製装置で精製されたグリセリンと、少なくとも水蒸気を含む反応ガスとの間で触媒を用いて改質反応を生じさせ、グリセリンを改質する改質反応器とが、備えられ、改質反応後に生じた改質後ガスの熱がグリセリン蒸発部の熱源とされる、という手段を採用する。
グリセリン精製装置で精製されたグリセリンが改質反応器に供給され、改質反応器内において、触媒作用によりグリセリンと水蒸気との間の水蒸気改質反応が起こる。この反応によりグリセリンが改質され、水素、一酸化炭素、二酸化炭素等の有価ガスに転換することができる。
【0014】
また、水蒸気改質反応は例えば数百℃といった高温で進行するため、相当の高温の改質後ガスが改質反応器から排出されるので、これをグリセリン蒸発器の熱源とすることで、グリセリンを精製する際に必要な熱源を外部から導入する必要がなく、エネルギーの利用効率の高いグリセリン改質装置となる。
【0015】
また、グリセリン精製装置から連続的に供給される精製グリセリンは、水蒸気改質反応の触媒の被毒成分を含まないので、改質反応の反応速度の低下を招くことなく、グリセリン改質装置の長時間の連続運転が可能となる。また、得られる改質後ガスも不純物を含まないものとなり、水素燃料や化学合成品の原料として利用できる。
【0016】
グリセリン改質装置に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、グリセリン精製装置は、上記第2〜第5の解決手段のいずれかのグリセリン精製装置である、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、グリセリン含有液からグリセリンを低コストで精製し、これを水蒸気改質して、有価ガスに転換することができるので、焼却処分による熱回収を行っていた従来のグリセリン処理方法に比べて、エネルギーの利用効率を高めることができる。
【0017】
グリセリン改質装置に係る第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段において、改質反応器を収容する容器と、燃料を燃焼させて燃焼排ガスを発生させる燃焼器とが、備えられ、容器の内部に燃焼排ガスが導入され、燃焼排ガスの熱により改質反応器が加熱される、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、燃焼排ガスの熱により改質反応器内の加熱が可能である。また、改質反応器と容器とにより一つの熱交換器が構成されることになり、改質反応器の壁面を通じて燃焼排ガスの熱が伝熱され、改質反応器内の加熱が効率良く行える。
【0018】
グリセリン改質装置に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3のいずれかの解決手段において、改質反応後に生じた改質後ガスから水素を分離する水素分離部が備えられた、という手段を採用する。
このような構成を採用することによって、より高純度の水素ガスを得ることができる。
このような水素ガスを燃料として利用すれば、燃料電池による高効率発電が可能となるばかりでなく、その他の水素利用分野への転用も可能である。
一方、水素ガスを精製した後、水素分離部からは一酸化炭素、二酸化炭素、微量の水素が排出されるが、その排ガスを燃焼器での燃料として再利用することで、より一層とエネルギー効率の良いグリセリン改質装置とすることができる。
【0019】
グリセリン改質装置に係る第5の解決手段として、上記第3又は第4の解決手段において、グリセリン蒸発器の熱源として燃焼排ガスを用いる、という手段を採用する。
【0020】
また、本発明では、グリセリン精製方法に係る第1の解決手段として、グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点が前記アルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共にアルカリ化合物を溶融させて、気化したグリセリンを分離する、という手段を採用する。
【0021】
グリセリン精製方法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、溶融したアルカリ化合物を固化させて回収する、という手段を採用する。
【0022】
グリセリン精製方法に係る第3の解決手段として、上記第1又は第2の解決手段に
おいて、グリセリン含有液は、原料油とアルコールとをアルカリ触媒の存在下で反応させてバイオディーゼル燃料を製造する際に副生されたものである、という手段を採用する。
【0023】
また、本発明では、グリセリン改質方法に係る第1の解決手段として、グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点がアルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共にアルカリ化合物を溶融させて、気化したグリセリンを分離するグリセリン精製工程と、内部に触媒が収容され、グリセリン精製工程で精製されたグリセリンと、少なくとも水蒸気を含む反応用ガスとの間で触媒を用いて改質反応を生じさせ、グリセリンを改質する改質工程とを備え、改質反応後に生じた改質後ガスの熱によってグリセリン含有液を加熱する、という手段を採用する。
【0024】
グリセリン改質方法に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段におけるグリセリン精製工程は、上記第2又は第3の解決手段のグリセリン精製方法に基づくものである、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るグリセリン精製装置及び精製方法によれば、グリセリン含有液に他の薬剤を添加する必要がなく、簡単な汎用装置と方法によるので、低コストでの精製が可能となる。また、溶融したアルカリ化合物は固化させて、アルカリ化合物として回収可能であるので、これによっても低コスト化が図れる。
特に、本発明に係る精製装置及び精製方法を、バイオディーゼル燃料製造に伴って副生された粗製グリセリンの精製に使用すれば、市場に対して過剰供給の副生グリセリンを低コストで高純度化できるので、産業的に有用である。
【0026】
本発明に係るグリセリン改質装置及び改質方法によれば、グリセリン含有液はグリセリン精製装置で連続的に精製された後、改質反応器で水蒸気改質されて、有価ガスに転換される。精製されたグリセリンは、水蒸気改質反応の触媒の被毒成分を含まないので、改質反応の反応速度の低下を招くことがなく、グリセリン改質装置の長時間の連続運転が可能となる。また、得られる有価ガスも不純物を含まないものとなり、水素燃料や化学合成品の原料として有効利用できる。
また、改質反応ガスをグリセリン蒸発器の熱源とすることで、グリセリンを精製する際に必要な熱源を外部から導入する必要がなく、エネルギーの利用効率の高いグリセリン改質装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係るグリセリン精製装置1の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るグリセリン精製装置10の概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るグリセリン精製装置11の概略構成図である
【図4】本発明の一実施形態に係るグリセリン改質装置100の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
最初に、第1実施形態に係るグリセリン精製装置及び精製方法について、図1を参照して説明する。
本第1実施形態に係るグリセリン精製装置1は、図1に示すように、グリセリン蒸発器2と気液分離器3と回収槽4とによって概略構成されている。グリセリン蒸発器2は、二重管式の蒸発管21を備えた熱交換器からなり、その一端には供給管22が接続されており、他端には排出管23が接続されており、排出管23には気液分離器3が配設されている。気液分離器3には、排気管31と排液管32とが接続されており、排液管32は回収槽4に装管されている。グリセリン蒸発器2と気液分離器3と排液管32は高温ガスで加熱されている。回収槽4は常温であり、その内部に水などの冷媒が貯留されている。回収槽4の底部には、回収管41が接続されており、固化したアルカリ化合物が排出されて、回収される。
【0029】
本実施形態においては、蒸発管21はコイル状の管路からなる。二重管式の蒸発管21の各管には、グリセリン含有液と高温ガスとが挿通されている。二重管の内管にグリセリン含有液を、外管に高温ガスを挿通すると、熱交換が効率良く行えるので、好適である。内管に挿通されたグリセリン含有液と外管に挿通された高温ガスとは管壁を介して熱交換され、グリセリン含有液が高温ガスによって加熱される。
【0030】
グリセリン含有液は、アルカリ化合物とグリセリンとを含有してなるものであって、例えば、油脂などの原料油にアルコール(例えばメタノール等、沸点がグリセリンよりも低いアルコール:低級アルコール)とアルカリ触媒を加えてエステル交換反応させてバイオディーゼル燃料を製造した際に副生したグリセリンを含有する溶液である。この溶液中には、アルカリ触媒として一般的に使用されている水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ化合物が不純物として含有されている。
【0031】
高温ガスはグリセリン含有液を加熱する熱源となるものであって、グリセリン含有液中に含まれるアルカリ化合物の融点以上の温度に加熱されて、蒸発管21に挿通される。
グリセリン含有液中に、複数のアルカリ化合物が含有される場合には、それらの融点のうち、最も高い融点を最低温度として採用する。常圧下でのグリセリンの沸点は290℃、水酸化ナトリウムの融点は319℃、水酸化カリウムの融点は326℃であるので、グリセリン含有液中に水酸化ナトリウムが含有されている場合には、326℃より高い温度とされる。より具体的には、グリセリン精製装置1への導入側で360〜500℃、排気側で300〜400℃が維持されるような温度であることが好ましい。
【0032】
グリセリン蒸発器2内は、グリセリンの沸点がアルカリ化合物の融点のなかで最も高い温度よりも高くなるような加圧状況とされている。一般に、物質の融点と沸点とは加圧によって上昇するので、本第1実施形態に係るグリセリン精製方法は、これを利用したものである。加圧によってグリセリンの沸点は容易に上昇するのに対して、アルカリ化合物の融点上昇は小さく、グリセリンの沸点とアルカリ化合物の融点とが近い温度であるために、加圧によってグリセリンの沸点はアルカリ化合物の融点以上となる。これにより、グリセリン含有液は加圧状況下で加熱されて、グリセリン蒸気とアルカリ化合物融液とからなるものとなる。グリセリン蒸発器2の加圧は、グリセリンの沸点がアルカリ化合物の融点以上となる大きさであればよいが、上限は200kPaが好ましい。200kPaを超えると、高性能の加圧装置が必要となるばかりでなく、装置内の各機器の耐圧対策に費用が嵩むために経済的でない。
【0033】
グリセリン含有液は、供給管22から蒸発管21に供給され、上述のような加圧状況下で加熱される。これにより、グリセリン含有液中のグリセリンは気化してグリセリン蒸気となり、アルカリ化合物は溶融してアルカリ化合物融液となる。グリセリン蒸気とアルカリ化合物融液とは、排出管23から排出されて気液分離器3へ導入される。ここで、グリセリン蒸気は気体として分離された後、排気管31から排出されて、精製グリセリンとして捕集される。
【0034】
アルカリ化合物融液は、気液分離器3で液体として分離された後、保温された排液管32から排出されて、回収槽4へ導入される。回収槽4内に貯留されている冷媒中に滴下されたアルカリ化合物融液は、固化するので、回収管41から排出される。回収槽4中に貯留する冷媒は水に限定されるものではないが、熱容量の大きさとコストとから水が最適である。回収管41から排出されたアルカリ化合物は冷媒の水で洗浄されたものとなるので、そのままアルカリ触媒等に再利用できる。また、回収槽4には必ずしも冷媒が必要なわけではなく、回収槽4へアルカリ化合物融液を直接滴下して固化させてもよい。
【0035】
なお、冷媒としての水を流動させ、アルカリ化合物融液の滴下速度を小さくすると、アルカリ化合物は固化するとともに、直ちに水に溶解してアルカリ化合物水溶液となるので、この水溶液を回収管41から回収して、再利用してもよい。
【0036】
以上説明したように、本第1実施形態に係るグリセリン精製装置1及び精製方法によれば、グリセリン蒸発器2において、グリセリン含有液はグリセリン蒸気とアルカリ化合物融液とに分離されて逐次排出されるので、常に新たなグリセリン含有液を供給することができ、これによりグリセリンを連続的に精製することができる。
従来の中和処理による精製のように、グリセリン含有液に他の薬剤を添加する必要がない上に、アルカリ分を除去した後のグリセリンを高純度化するための洗浄処理や多段の精製工程を必要としないので、低コストで精製を行うことができる。また、簡単な汎用装置と方法とを用いると共に、アルカリ化合物を固体として回収できるので、更に低コスト化が図れる。
特に、本第1実施形態に係るグリセリン精製装置1及び精製方法をバイオディーゼル燃料製造に伴って副生された粗製グリセリンの精製に使用すれば、市場に対して過剰供給の副生グリセリンを低コストで高純度化できるので、産業的に有用である。
【0037】
次に、第2実施形態に係るグリセリン精製装置及び精製方法について、図2を参照して説明する。
図2は、本第2実施形態に係るグリセリン精製装置10の概略構成図である。本グリセリン精製装置10の基本構成は第1実施形態と同様であり、グリセリン蒸発器2と気液分離器3とを接続する排出管23に、圧力制御器としての圧力調整弁5を設けたところが異なるのみである。従って、図2において、図1と共通の構成要素は同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0038】
圧力制御器としての圧力調整弁5は、グリセリン蒸発管21内の圧力を一定に維持するための調整弁であって、汎用の直動型やバランスピストン型の減圧弁である。このような圧力調整弁5を設けると、グリセリン蒸発管21内を所望の加圧状態に維持管理しやすくなるので好適である。
【0039】
次に、第3実施形態に係るグリセリン精製装置及び精製方法について、図3を参照して説明する。
図3は、本第3実施形態に係るグリセリン精製装置11の概略構成図である。本グリセリン精製装置11が第1実施形態と異なるところは、グリセリン蒸発器2の構成と、気液分離器3を設けないところであり、その他の基本構成については、第1実施形態と同様であるので、図3において、図1と共通の構成要素は同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。
【0040】
本グリセリン精製装置11にあっては、グリセリン貯留槽24と熱媒体管路25とからなるタンクコイル式熱交換器がグリセリン蒸発器2として配設されている。グリセリン貯留槽24の上側部には供給管22が、頂部には排出管23が、底部には排液管32が、それぞれ接続されている。排出管23には、圧力調整弁5が配設されている。グリセリン貯留槽24、排出管23、排液管32、圧力調整弁5は筐体26内に収容されている。筐体26は、グリセリン貯留槽24と、これに接続された各配管を保温するためのものであって、図示しない保温及び加熱手段が備えられており、高温ガスと同様の温度範囲の360〜500℃で保温、加熱される。
【0041】
本グリセリン精製装置11にあっては、図3に示したように、グリセリン含有液は供給管22から供給され、グリセリン貯留槽24で貯留される。グリセリン貯留槽24内には、熱媒体管路25が配設されており、貯留されたグリセリン含有液中に浸漬されている。熱媒体管路25はコイル状の管路であって、その内部に熱媒体としての高温ガスが挿通されており、この高温ガスを熱源として、グリセリン貯留槽24内に貯留されたグリセリン含有液が加熱される。加熱によって気化したグリセリンは、グリセリン蒸気として頂部の排出管23から排気されて、精製グリセリンとされる。
【0042】
グリセリン含有液中のアルカリ化合物は、加熱により溶融してアルカリ化合物融液とされ、グリセリン含有液よりも比重の大きなアルカリ化合物融液は、グリセリン貯留槽24の底部に沈降する。アルカリ化合物融液は、排液管32から排出されて、回収槽4へ滴下され、固化された後、回収される。
【0043】
本グリセリン精製装置11にあっては、アルカリ貯留槽24でグリセリン含有液はグリセリン蒸気とアルカリ化合物融液にされて、自ずと分離するので、気液分離器3が不要となる。このように、本実施形態のグリセリン精製装置11においても、グリセリン含有液からグリセリンを低コストで精製することができる。
【0044】
次に、本実施形態に係るグリセリン改質装置及び改質方法について、図4を参照して説明する。
本実施形態に係るグリセリン改質装置100は、図4に示すように、改質反応器6と燃焼器7とを内部に収容する容器8と、グリセリン精製装置1と、ガス精製器9とから概略構成されている。
【0045】
容器8の内部には、バイオディーゼル燃料副生グリセリン(以下、副生グリセリンと称する。)を燃焼器7に導入するための副生グリセリン導入配管12、空気を燃焼器7に導入するための空気導入配管13、ガス精製器9から排出される排ガスを燃焼器7に導入するための排ガス導入配管14が、それぞれ装入されており、これら配管12、13、14が燃焼器7に接続されている。この構成により、燃焼器7内に、副生グリセリンと、空気と、排ガスとが、供給される。燃焼器7では、副生グリセリンと排ガスとが燃料として燃焼され、高温の燃焼排ガスが排出される。燃焼排ガスは、改質反応器6を加熱するように容器8内を流通させられた後、容器8に設けられた燃焼排気管17から排気される。
【0046】
本実施形態では、燃焼器7の燃料として、副生グリセリンとガス精製器9の排ガスを用いたが、その他、都市ガス、LPG、水素ガス等を用いてもよい。また、必ずしも副生グリセリンと排ガスとを導入しなくてもよいが、これらを用いれば、外部燃料を導入するよりも低コストでエネルギー効率の良い運転ができる。また、燃焼器7の設置場所については、容器8の内部に限らず、容器8の外部でもよい。
【0047】
副生グリセリン導入配管12は、分岐点12Aで分岐しており、一方の配管12aは燃焼器7に接続されている。他方の配管12bはグリセリン精製装置1に装入されて、グリセリン蒸発器2に接続されている。分岐点12Aで分岐された2つの配管12a、12bの始点には、仕切り弁B1、B2が配設されている。配管12aと配管12bの途中には、各流路の副生グリセリンの供給量を調節するためにそれぞれポンプ18a、18bが設置されており、副生グリセリンを配管12a、12bに圧送できるようなっており、仕切り弁B1、B2と連動させて、グリセリン改質装置100内が所定圧力に維持される。なお、グリセリン改質装置100内の圧力管理は、後述するガス精製器9の下流、すなわち排ガス導入配管14に減圧弁等の圧力制御器を設けて行ってもよい。
【0048】
容器8の内部には、水蒸気を改質反応器6に導入するための水蒸気導入配管15、精製グリセリンを改質反応器6に導入するための精製グリセリン導入配管16が、それぞれ装入されており、これら導入配管15、16が改質反応器の反応上流側の一端部に接続されている。この構成により、改質反応器6内に精製グリセリンと水蒸気とが供給される。
【0049】
改質反応器6とグリセリン精製装置1とは精製グリセリン導入配管16で接続されている。グリセリン精製装置1の蒸発管21は気液分離器3と排気管31とを経て精製グリセリン導入配管16に接続されている。この構成により、グリセリン精製装置1で精製された精製グリセリンが改質反応器6へ導入される。
【0050】
改質反応器6の内部では、精製グリセリンと水蒸気により、グリセリンの水蒸気改質反応(下記の反応式(1))が生じ、グリセリンが水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含む改質後ガスに変換される。改質反応器6での反応温度は、使用する触媒によって異なるが、500℃〜900℃に調整されている。
(OH)+HO → 5H+2CO+CO (1)
【0051】
水蒸気改質反応は吸熱反応であるため、これを促進するためには熱が必要である。そこで、燃焼器7で得られた高温の燃焼排ガスが利用される。容器8内を流通された燃焼排ガスと改質反応器6の壁面を介して熱交換がなされ、改質反応器6内の温度を、反応上流部で700〜800℃、反応下流部で500℃程度に昇温することができる。通常、水蒸気改質反応は200℃以上であれば進行するが、本実施形態のグリセリン改質装置100では改質後ガスをグリセリン精製装置1の熱源として使用するので、改質後ガスの温度が500℃未満とならないようにする。
【0052】
水蒸気改質反応には触媒が必要であるため、改質反応器6内には触媒が収容され、図示しない触媒層が形成されている。ここで用いる触媒としては、例えばNi/Al、Rh/CeO/Al、Ni/MgO、Rh/Pt/CeO、Ru/Yなどを用いることができる。ただし、グリセリンの水蒸気改質反応を行う際には、触媒上への炭素析出による劣化が一つの問題となっている。したがって、炭素を極力析出させないために、スチームカーボン比(水蒸気と一酸化炭素の量論比)を2〜10とすることが望ましい。また、炭素析出が生じにくい触媒として、Pt,Pd,Rh等の貴金属を担持させたMgO触媒(貴金属/MgO触媒)、NiとMgOの固溶体であるNi−MgO触媒、貴金属/MgO触媒とNi−MgO触媒の物理混合触媒などを用いることが望ましい。触媒反応を効率良く進めるため、触媒層が充填層又は流動層の形態を取るようにするのが望ましい。
【0053】
改質反応器6と、グリセリン精製装置1と、ガス精製器9とは、改質後ガス輸送配管19によって接続されている。この構成により、改質反応器6から排出された改質後ガスは、グリセリン精製装置1に導入され、熱源として蒸発管21に挿通されて、グリセリン含有液の加熱に利用されて冷却された後に、ガス精製器9に導入される。このように、改質後ガスをグリセリン精製装置1の熱源として利用することで、グリセリン精製装置1を運転するための外部エネルギーの導入が不必要となるので、副生グリセリンを低コストで精製して、有価ガスに転換できる。また、上記グリセリン蒸発器2の熱源として、改質反応器6の加熱に利用した燃焼排ガスを利用しても良い。
【0054】
改質後ガスに含まれる一酸化炭素、二酸化炭素等はガス精製器9で吸着除去され、高純度の水素ガスを得ることができる。ガス精製器9は、例えば圧力スイング吸着式分離装置(PSA装置)や水素分離膜等、周知のものが使用可能である。ガス精製器9には、水素ガス排出管28が接続されており、精製された高純度の水素ガスが排出されて、種々の用途に供される。一方、水素ガスが分離された残部は、排ガスとして排出され、排ガス導入配管14を経て、燃焼器4へ燃料として供給される。
【0055】
以下に、このように構成された本グリセリン改質装置100を用いたグリセリン改質方法について説明する。
副生グリセリンは、副生グリセリン導入配管12から本装置100内に導入され、そのうちの一部は燃焼器7へ供給されて、燃料として利用され、残部はグリセリン精製装置1へ供給される。副生グリセリンはここで精製された後に、改質反応器6で水蒸気改質されて、有価ガスを含む改質後ガスとされる。一方、副生グリセリン中のアルカリ化合物は、グリセリン蒸発器2でアルカリ化合物融液とされ、気液分離器3で分離された後、回収槽4へ導入される。回収槽4で固化された後、回収管41を介して回収されて、バイオディーゼル燃料製造の際のアルカリ触媒として、再利用される。改質後ガスはグリセリン精製装置1を経て、ガス精製器9に導入されて、水素が有価物として回収され、排ガスは燃焼器7へ導入され、燃料として利用される。
【0056】
以上説明したように、本実施形態に係るグリセリン改質装置100及び改質方法によれば、副生グリセリンからグリセリンを精製し、これを水蒸気改質させて、有価ガスに転換することができる。精製されたグリセリンは、水蒸気改質反応の触媒の被毒成分を含まないので、改質反応の反応速度の低下を招くことがなく、グリセリン改質装置100の長時間の連続運転が可能となる。また、得られる有価ガスも不純物を含まないものとなり、水素燃料や化学合成品の原料として有効利用できる。また、改質後ガスをグリセリン蒸発器2の熱源とすることで、エネルギーの利用効率の高いグリセリン改質装置100となり、より低コストで副生グリセリンを有価ガスに転換することができる。
したがって、本実施形態に係るグリセリン改質装置100及び改質方法によれば、バイオディーゼル燃料の副生グリセリンから、低コストでグリセリンの改質が図れ、有価ガスに転換することが可能なグリセリン改質装置100及び改質方法を提供できる。
【0057】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記第1〜第3実施形態に係るグリセリン精製装置1、10、11において、プレート式熱交換器等、他の構成の熱交換器をグリセリン蒸発器2として採用しても良い。
(2)上記実施形態のグリセリン改質装置100は第1実施形態に係るグリセリン精製装置1を備えるものであるが、第1実施形態に係るグリセリン精製装置1に代えて第2実施形態に係るグリセリン精製装置10あるいは第3実施形態に係るグリセリン精製装置11を備えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0058】
1、10、11…グリセリン精製装置、2…グリセリン蒸発器、21…蒸発管、24…グリセリン貯留槽、25…熱媒体管路、3…気液分離器、4…回収槽、5…圧力調整弁、6…改質反応器、7…燃焼器、8…容器、9…ガス精製器、100…グリセリン改質装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点が前記アルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共に、アルカリ化合物を溶融させるグリセリン蒸発部と、
気化したグリセリンと溶融した前記アルカリ化合物とを分離する分離部と、
溶融した前記アルカリ化合物を固化させる固化部とを、備えてなることを特徴とするグリセリン精製装置。
【請求項2】
前記グリセリン蒸発部と前記分離部との間に圧力調整弁を設けることにより前記グリセリン蒸発部内を加圧状況とすることを特徴とする請求項1記載のグリセリン精製装置。
【請求項3】
前記グリセリン蒸発部は、グリセリン含有液を管路に挿通させて熱源と熱交換させてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグリセリン精製装置。
【請求項4】
前記グリセリン蒸発部は、貯留槽内に貯留されたグリセリン含有液に熱源が挿通する管路を浸漬させてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のグリセリン精製装置。
【請求項5】
前記グリセリン含有液は、原料油とアルコールとをアルカリ触媒の存在下で反応させてバイオディーゼル燃料を製造する際に副生されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のグリセリン精製装置。
【請求項6】
グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点が前記アルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共に、アルカリ化合物を溶融させるグリセリン蒸発部と、気化したグリセリンと溶融した前記アルカリ化合物とを分離する分離部と、溶融した前記アルカリ化合物を固化させる固化部とを、備えてなるグリセリン精製装置と、
内部に触媒が収容され、前記グリセリン精製装置で精製されたグリセリンと、少なくとも水蒸気を含む反応ガスとの間で前記触媒を用いて改質反応を生じさせ、前記グリセリンを改質する改質反応器とが、備えられ、
前記改質反応後に生じた改質後ガスの熱が、前記グリセリン蒸発部の熱源とされることを特徴とするグリセリン改質装置。
【請求項7】
前記グリセリン精製装置は、請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載のグリセリン精製装置であることを特徴とする請求項6記載のグリセリン改質装置。
【請求項8】
前記改質反応器を収容する容器と、
燃料を燃焼させて燃焼排ガスを発生させる燃焼器とが、備えられ、
前記容器の内部に前記燃焼排ガスが導入され、前記燃焼排ガスの熱により前記改質反応器が加熱されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のグリセリン改質装置。
【請求項9】
前記改質反応後に生じた改質後ガスから水素を分離する水素分離部が備えられたことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載のグリセリン改質装置。
【請求項10】
前記グリセリン蒸発器の熱源として前記燃焼排ガスを用いることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のグリセリン改質装置。
【請求項11】
グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点が前記アルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共にアルカリ化合物を溶融させて、気化したグリセリンを分離することを特徴とするグリセリン精製方法。
【請求項12】
溶融した前記アルカリ化合物を固化させて回収することを特徴とする請求項11記載のグリセリン精製方法。
【請求項13】
前記グリセリン含有液は、原料油とアルコールとをアルカリ触媒の存在下で反応させてバイオディーゼル燃料を製造する際に副生されたものであることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のグリセリン精製方法。
【請求項14】
グリセリンと少なくとも1種以上のアルカリ化合物とを含有してなるグリセリン含有液を、グリセリンの沸点が前記アルカリ化合物の融点のなかの最も高い温度より高くなるように加熱して、グリセリンを気化させると共にアルカリ化合物を溶融させて、気化したグリセリンを分離するグリセリン精製工程と、
内部に触媒が収容され、前記グリセリン精製工程で精製されたグリセリンと、少なくとも水蒸気を含む反応用ガスとの間で前記触媒を用いて改質反応を生じさせ、前記グリセリンを改質する改質工程とを備え、
前記改質反応後に生じた改質後ガスの熱によって、前記グリセリン含有液を加熱することを特徴とするグリセリン改質方法。
【請求項15】
前記グリセリン精製工程は、請求項12又は請求項13に記載のグリセリンの精製方法に基づくものであることを特徴とする請求項14記載のグリセリン改質方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−116675(P2011−116675A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273287(P2009−273287)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】