説明

グリセロールエーテル/ポリオール混合物に基づいた組成物

【課題】殺菌性及び/又は保存性及び/又は化粧効果及び/又は皮膚科学的効果を有し、不快を伴わないか、又は少ない組成物の提供。
【解決手段】1つ以上のグリセロールエーテルと、1つ以上のジオール及び/又はポリオールと共に具備した組成物。例えば、1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテルと、グリセロールが例示される。
【効果】優れた殺菌効能だけでなく、白化が低減又は回避され、皮膚の乾燥が防止され、水分含量が調整され、及び、皮膚が適性な程度までリグリーシングされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ以上のグリセロールエーテルの他に、1つ以上のポリオールを備えた組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコール、ポリオール、及びまたグリセロールエーテルは、一般に、化粧用、薬学的、皮膚科学的、及びまた技術的な製品の分野で広く使用されている。ここでの基準は、しばしば、抗菌効能、並びに、材質及び皮膚適合性である。
【0003】
改善された性質を有した組成物に対する恒常的なニーズが存在し、皮膚への適用、対応した製品の適用後に生じる感覚、及び結果として生じる見た目も、ますます大きな役割を果たすようになっている。組成物によっては、しばしば、対応した製品の使用後に、不快な乾燥感、べたつき感、及び/又は、不所望な目に見える残渣さえもが現われる。
【0004】
一部の消費者の衛生意識の増大、並びに、例えば、石鹸、クリーム、脱臭製品、シャワー及びバス調製品などの、化粧用のクレンジング及びケア製品の使用が増加している時勢において、皮膚上でのアルコール−、石鹸−及び界面活性剤含有製品の使用の増加もまた、しばしば、上述した不快を伴った現象をもたらす。
【発明の開示】
【0005】
本発明の目的は、したがって、殺菌性及び/又は保存性及び/又は化粧効果及び/又は皮膚科学的効果及び/又は薬学的効果を有し、上記の不利益及び不快を伴う現象を示さないか、又は、より少ない程度で示す組成物を提供することである。この関連で、優れた又は改善された殺菌性、及び、同時に、リグリーシング(regreasing)効果を達成しつつ、いわゆる「白化」を防止するか、又は、制限することが必要である。この目的は、1つ以上のグリセロールエーテルと共に、1つ以上のジオール及び/又はポリオールを備えた組成物を通じて達成される。
【0006】
本発明の好ましい態様は、従属項の内容である。
【0007】
本発明は、各々の場合に所望の効果を達成するための、係る組成物の適当な製品中における使用をも包含している。
【0008】
本発明にしたがって使用されうるグリセロールエーテルは、好ましくは、モノ−、ジ−又はトリアルキル、−アラルキル、−アルキルアリール又は−アリールグリセロールエーテルであって、もし存在するならば、各々の場合において(また、互いに独立して)、飽和又は不飽和の枝分れした又は枝分れしていないC1−C24−アルキル基、及び、もし存在するならば、C6−C10−アリール基を有している。
【0009】
本発明に係るグリセロールエーテルは、式
【化3】

【0010】
を有しており、好ましくは、式
【化4】

【0011】
を有したグリセロールモノアルキルエーテルである。
【0012】
上式において、Rは、各々の場合に他とは独立して、好ましくは、直鎖の若しくは枝分れしたアルキル、アラルキル又はアルキルアリール基であって、そのアルキル基中に、好ましくは6乃至18、特には7乃至12及び好ましくは8乃至12、特に好ましくは8の炭素原子を有している。
【0013】
これらは、例えば、好ましい1−オクタデシルグリセロールエーテル(バチルアルコールとしても知られている)、1−ヘキサデシルグリセロールエーテル(キミルアルコールとしても知られている)、1−(9−オクタデセニル)グリセロールエーテル(セラキルアルコールとしても知られている)、1−ドデシルグリセロールエーテル、1−デシルグリセロールエーテル、1−(2−プロピルヘプチル)グリセロールエーテル、1−オクチルグリセロールエーテル及び1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテル(3−((2−エチルヘキシル)オキシ)−1,2−プロパンジオールとしても呼ばれてもいるを含んでおり、ここで、1−(2−エチルヘキシル)グルセロールエーテルが特に好ましい。
【0014】
本発明に係るグリセロールエーテルの混合物を使用することも可能である。
【0015】
本発明に係るグリセロールエーテル、特には、グリセロールモノアルキルエーテルは、色及び匂いに関して中立的な化合物であり、化学的に純粋な形態で製造されうる。
【0016】
9以下の炭素原子を有しているアルキルラジカルを有した誘導体であって室温で液体のものは、特に容易に製品に組み込まれうるため、好ましい。
【0017】
特に有利なのは、脂肪酸エステル、例えばモノ−及びジグリセリドと比較したときのグリセロールモノアルキルエーテルのより優れた化学的安定性である。それらのエーテル構造おかげで、それらは、アルカリ性のセクター中においても使用されうる。このことは、高いpH値及び大きな水含量において、グリセリドの加水分解が脂肪酸の放出とともに生じて、それが、とりわけ、対応する製品の乏しい低温安定性として現れる、液体石鹸中での使用に特に有利である。グリセリドの場合に起こりうる脂肪酸の放出を伴った酵素的切断もまた、グリセロールエーテルの場合には、懸念しなくてもよい。
【0018】
本発明にしたがって使用されるジオールは、ブチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール及びデカンジオール、特には1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、並びにこれらの混合物、例えば1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールとの混合物などの、4乃至16の炭素原子、好ましくは6乃至10の炭素原子、好ましくは6乃至8の炭素原子をアルキレン鎖中に有しているアルカンジオールを含んでいる。
【0019】
混合物におけるジオールの混合比は、ここでは任意であり、例えば、10:1乃至1:10、好ましくは5:1乃至1:5、特には2:1乃至1:2、特に好ましくは1:1でありうる。
【0020】
本発明にしたがって使用されるポリオールは、グリセロールなどのトリオール、並びに、トレイトール、グルシトール、ソルビトール及びイノシトールなどの糖アルコール、又はこれらの混合物を含んでいる。
【0021】
特に好ましくは、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールなどのジオール、それらの混合物、及びポリオールグリセロールである。
【0022】
ポリオールの混合物における混合比は、ここでもまた任意であり、例えば、20:1乃至1:20、好ましくは10:1乃至1:10、より好ましくは5:1乃至1:5、及び特には2:1乃至1:2でありうる。
【0023】
本発明に係る組成物は、少なくとも1つのグリセロールエーテルを、0.01乃至30又は40重量%、好ましくは0.05乃至10重量%、特には0.1乃至5重量%、好ましくは0.5乃至2又は3重量%の量で備えている。
【0024】
加えて、それらは、少なくとも1つのジオール又はポリオールを、0.01乃至99.99重量%、好ましくは0.05乃至40重量%、特には0.1乃至10重量%、好ましくは0.5乃至5又は8重量%の量で備えている。
【0025】
成分の使用濃度もまた、洗浄活性物質及び更なる添加物などの、他の成分のタイプ及び濃度に応じて、及びまた、所望の効果、特には殺菌性、抗白化(anti-whitening)及びリグリーシング効果の強さに依存して変化する。
【0026】
本発明から除外されるのは、1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテル、グリセロール及びエーテルを備えたアフターシェイブ配合物、並びにまた、1−ドデシルグリセロールエーテル及びグリセロールを備えたデイクリームである。
【0027】
本発明に係る好ましい組成物は、
− グリセロールモノアルキルエーテル、特には1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテル、及び1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールとの混合物、又は
− グリセロールモノアルキルエーテル、特には1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテル、及びグリセロール
を備えている。
【0028】
本発明に係る組成物は、抗菌又は殺菌に効果的であり、化粧用、薬学的、皮膚科学的、及びまた技術的製品(例えば、冷却潤滑剤など)において、マイコバクテリア、Mallasezia furfur、Propionibacterium acnes、及び臭気をもたらす微生物等の、不活性化するのが比較的困難な微生物を含む細菌、酵母、菌類及びウイルスなどの微生物を不活性化するために使用されうる。
【0029】
特には、非常に優れたリグリーシング特性(regreasing properties)、皮膚に非常に心地よい感覚を与えること、及びまた、皮膚上での非常に良い広がりやすさにも起因して、皮膚への適用は、ここでは問題なく可能である。
【0030】
化粧用のO/W乳液(例えば、クリーム、ローション)を皮膚へと適用するときには、厄介な効果がしばしば観察され、これは、白化効果と呼ばれている。本発明に係る組成物を使用するときには、厄介な「白化」は、有利に回避されるか、又は、かなり低減される。
【0031】
本発明に係る組成物は、グリセロール、及び、ジオール及び/又はポリオール以外に好適な及び任意の添加物をも備えることができる。但し、これらは、本発明に係る組成物の調製に必須である訳ではなく、そのため、本発明の最も一般的な態様によると、省略されうる。
【0032】
好適な添加物は、例えば、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール及び脂肪アルコールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、フェニルプロパノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノールなどの芳香族アルコール、並びに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ブチルジグリコール、脂肪アルコールエステル及び脂肪酸エステルである。しかしながら、非イオン性又はイオン性界面活性剤、グルコシド、及び、増粘剤、乳化剤、保存料、分散助剤などの他の慣例的な助剤もまた使用されうる。ここでは、フェノキシエタノールが好ましい添加物である。更なる機能性添加物は、例えば、特に濃縮物を調製する際に使用されうる錯化剤及び溶解促進剤である。
【0033】
組成物は、好ましくは、水、水/アルコール、又はアルコール溶性である。それらは、濃縮物、低粘度希薄液、若しくは、より高い粘度であるが流動可能な組成物、クリーム、膏薬若しくはペースト、又は乳液(W/O若しくはO/W)の形態でも存在しうる。
【0034】
適用温度は、例えばパック(mask)において使用されるときには、周囲温度又は室温(20℃)から、例えば、30℃、37℃若しくは50℃又はそれ以上までの範囲内でありうる。
【0035】
本組成物の他の添加物は、所望のコンシステンシー又は所望の使用分野に応じて選択される。
【0036】
本発明に係る組成物は、水及び/又はアルコール溶液、クリーム又は乳液の形態、特には、界面活性物質、特には乳化剤又は界面活性剤、及び/又は他の添加剤との混合物がその中に存在している形態でありうる。
【0037】
本発明に係る組成物は、特には、化粧用及び化粧用に近いセクターからのスキンケア製品において使用されうる。これらは、例えば、固体又は液体石鹸、シャワーバス、シャワージェル、フォームバス、シャンプー、ウォッシングローション、デイクリーム、モイスチャクリーム、O/W 又は W/Oケアクリーム、O/W 又は W/Oケア乳液、アフターシェイブ液又は乳液、及び食器手洗い用組成物などの洗浄及びケア製品を含んでいる。
【0038】
皮膚のリグリーシング、並びに、皮膚上における心地よい感覚及び滑らかな感覚の付与、並びに使用後の粘つきの回避も、本発明によって存在しているグリセロールエーテルとジ−及び/又はポリオールとの組み合わせを通じて、驚くほど良好に生じる。蝋又は油のような感覚とは対照的に、絹のような、ビロードのような、柔らかな感覚が生じる。皮膚上又は皮膚内における広がりやすさ及び吸収能力も改善されている。
【0039】
安定性、官能的性質を改善するために、及び、不所望の分解生成物の生成を防止又は低減するために、本発明に係る組成物に安定化剤及び/又は抗酸化剤を加えることが特に好ましい。
【0040】
安定化剤及び/又は抗酸化剤の例は、
− 例えばエタノール、プロパノールなどの低級アルコール、例えば1,2−プロピレングリコールなどのグリコール、グリコールエーテルなどの低温安定化剤、
− 3−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、没食子酸ドデシル、ピロガラート、トコフェロール(例えばビタミンE)、及びその誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、好ましくはビタミンE及びその誘導体、特に好ましくはビタミンEなどのフェニル化合物
である。
【0041】
安定化剤及び/又は抗酸化剤は、組成物中に、0.0001重量%乃至5重量%、好ましくは0.001重量%乃至0.5重量%、特に好ましくは0.01重量%乃至0.1重量%、例えば0.015重量%の濃度で存在しうる。
【0042】
加えて、良好な脱臭効果、及び、他の保存料の保存効果の増大が生じる。
【0043】
本発明に係る組成物は、濃縮物又は希釈使用溶液(dilute use solution)として使用されうる。濃縮物のための好適なグリセロールエーテル濃度は、例えば、10乃至40重量%、特には15乃至30重量%である。希釈使用溶液のための好適なグリセロールエーテル濃度は、例えば、0.1乃至5重量%、好ましくは1乃至3.0重量%、又は、好ましくは0.5乃至2.0重量%である。
【0044】
本発明は、以下、実施例によって更に説明される。
【0045】
実施例
実施例1:クリーム − 感覚効果
本発明に係る典型的な製品は、以下の組成を有したクリームBである:
【表1】

【0046】
使用された対照製品は、1重量%のグリセロールエーテルが1重量%の水によって置き換えられたこと以外は、同じ組成を有したクリームAであった。
【0047】
2つのクリームA及びBは、皮膚に当該製品を適用された22人の被験者のグループによって評定された。クリームは、それぞれ1日当り1回、試験領域(各々の場合に1つの、及び、常に前腕の内側の同じ領域)に、円環状の擦り動作で適用された。試験期間は、3日間であった。それぞれの場合に適当であり且つそれぞれの場合に同じ量のクリームA及びBが使用された。感応性は、直ちに及びその3分後に、擦りつけに関わらなかった指を使用して評定された。感応性は、それぞれの場合に、それぞれの時点で3回ずつ評定された。
【0048】
これら2つのクリームA及びBの場合の感覚に関する結果は、以下の通りであった:
べたつき:
べたつきは、適用直後(t=0)及び適用の3分後(t=3分)に評定された。平均値が与えられている。評価スケールは、0から5までに亘った。かなりのべたつきは、5と評価された。べたつきが全くない場合には、0が与えられた。
【表2】

【0049】
(全ての値は、1及び4の間であった)。
【0050】
白化:
白化は、適用直後に評定された。ここでも、平均値が与えられている。評価スケールは、0から5までに亘った。かなりの白化は、5と評価された。白化が全くない場合には、0が与えられた。
【表3】

【0051】
(全ての値は、1及び4の間であった)。
【0052】
吸収能:
吸収能は、適用直後(t=0)及び適用の3分後(t=3分)に評定された。平均値が与えられている。評価スケールは、0から5までに亘った。遅い吸収は、5と評価された。速い吸収は、0と評価された。
【表4】

【0053】
(全ての値は、1及び5の間であった)。
【0054】
皮膚上の心地よい感覚:
適用の3分後に皮膚上の感覚がどれだけ心地よく知覚されたかが評定された。ここでも、平均値が与えられている。評価スケールは、0から5までに亘った。皮膚上での不快な感覚は、5と評価された。皮膚上での心地よい感覚は、0と評価された。
【表5】

【0055】
(全ての値は、クリームAの場合は1及び4の間、クリームBの場合は1及び3の間であった)。
【0056】
グリースのような皮膚感覚:
適用の3分後に皮膚上の感覚がどれだけグリースのように知覚されたかが評定された。ここでも、平均値が与えられている。評価スケールは、0から5までに亘った。皮膚上でのグリース感は、5と評価された。皮膚上での非グリース感は、0と評価された。
【表6】

【0057】
(全ての値は、クリームAの場合は1及び5の間、クリームBの場合は1及び4の間であった)。
【0058】
滑らかさの感覚:
適用の3分後に皮膚の滑らかさがどのように知覚されたかが評定された。ここでも、平均値が与えられている。評価スケールは、0から5までに亘った。皮膚上でのざらざらした感覚は、5と評価された。皮膚上での滑らかな感覚は、0と評価された。
【表7】

【0059】
(全ての値は、1及び5の間であった)。
【0060】
要約すると、感覚に関する性質について、以下の状況が明らかになった。
【0061】
被験者らは、2つのクリーム配合物間のはっきりとした差異を証明した。
【0062】
本発明に係るグリセロールエーテル/ジオールの組み合わせを有しているクリームBは、適用の後に皮膚上にはっきりと感知できる心地よい感覚を残し、それは以下の形容詞
−ビロードのような
−滑らかな
−しなやかな(supple)
によって評された。
【0063】
グリセロールエーテルを有していない対照配合物Aの適用後における皮膚上の感覚については、以下の意見
−乾いた
−粗い(rough)
−ざらざらした
が述べられた。
【0064】
グリセロールエーテルを含んでいるクリームの適用後における皮膚は、グリースのようにもべたついても感じられないことが、特に有利に、付加的に、確立された。
【0065】
比較のため、グリセロールエーテルのみを備えているがグリセロールは備えていない組成物C、及び、グリセロールエーテルもグリセロールも備えていない(3重量%のグリセロールエーテルが水に置き換えられた)組成物Dも調査された。
【表8】

【0066】
評定の結果、組成物Dの場合においても、組成物Cの場合(3.0重量%のグリセロールエーテルを有した)においても、達成された効果は、上でグリセロールエーテル/グリセロールの組み合わせについて達成されたスキンケア効果に及ばなかった。
【0067】
実施例2: 殺菌効果
感覚に関する評価のほかに、本発明に係る組成物の殺菌効果も調査された。
【0068】
定量的懸濁実験(quantitative suspension experiment)は、DGHM にしたがって、Microbacterium terrae に対して実行された。
【表9】

【0069】
各々の場合に、Rf値が与えられている。
以下の組成物E、F及びGが試験され、そのデータは重量%で与えられている:
【表10】

【0070】
組成物F及びGは、本発明に属さず、対照の目的で役割を果たしている。
【0071】
得られたRf値は、以下の表に与えられている。
【表11】

【0072】
結果:
グリセロールエーテルとジオール混合物との組み合わせ(E)は、同等の濃度において、ジオール混合物(F)単独及びグリセロールエーテル(G)単独より優れた効果を有している。これは、グリセロールエーテル(G)の添加の結果として、ジオール混合物(F)についての効果にかなりの増加を引き起こしており、このことは、グリセロールエーテル単独での効果の欠如のために、予測されえなかった。相乗効果が存在する。
【0073】
実施例3: 殺菌効果
30重量%の1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテルと70重量%の1,2−オクタンジオールとを備えた組成物が試験された。
【0074】
それは、スキンモイスチャ、脱臭効果、及び、例えば、パラベン、特にはメチルパラベン、又はフェノキシエタノールなどの他の保存料の、例えば Aspergillus niger、Candida albicans、Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginose 及び Eschirichia coli に対する保存効果の増大に関して、良い結果を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のグリセロールエーテルと共に、1つ以上のジオール及び/又はポリオールを具備したことを特徴とする組成物(1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテル、グリセロール及びエタノールを具備したアフターシェイブ配合物と、1−ドデシルグリセロールエーテル及びグリセロールを具備したデイクリームとを除く)。
【請求項2】
前記グリセロールエーテルは、モノ−、ジ−若しくはトリアルキル、−アラルキル、−アルキルアリール又は−アリールグリセロールエーテルであって、もし存在するならば、各々の場合に(また、互いに独立して)、飽和又は不飽和の枝分れした又は枝分れしていないC1−C24−アルキル基、及び、もし存在するならば、C6−C10−アリール基を有していることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記グリセロールエーテルは、式
【化1】

を有しており、好ましくは、式
【化2】

を有したグリセロールモノアルキルエーテルであり、
前記式において、Rは、各々の場合に他とは独立して、好ましくは、枝分れした若しくは枝分れしていない飽和若しくは不飽和のアルキル、アラルキル又はアルキルアリール基であって、そのアルキル基中に、好ましくは6乃至18、特には7乃至12及び好ましくは8乃至12、特に好ましくは8の炭素原子を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
1−オクタデシルグリセロールエーテル、1−ヘキサデシルグリセロールエーテル、1−(9−オクタデセニル)グリセロールエーテル、1−ドデシルグリセロールエーテル、1−デシルグリセロールエーテル、1−(2−プロピルヘプチル)グリセロールエーテル、1−オクチルグリセロールエーテル又は1−(2−エチルヘキシル)グルセロールエーテルを具備し、1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテルが好ましいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の組成物。
【請求項5】
2つ以上の前記グリセロールエーテルの混合物を具備したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の組成物。
【請求項6】
1つ以上のジオールを具備し、前記ジオールは、アルキレン鎖中に、4乃至16の炭素原子、好ましくは6乃至10の炭素原子、好ましくは6乃至8の炭素原子を有しているアルカンジオールであり、特にはブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール又はデカンジオール、好ましくは1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、又はそれらの2つ以上の混合物、好ましくは1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールとの混合物であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項7】
ジオールの混合物の混合比は、10:1乃至1:10、好ましくは5:1乃至1:5、特には2:1乃至1:2であり、1:1が特に好ましいことを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
1つ以上のポリオールを具備し、前記ポリオールは、トリオール、特にはグリセロール、若しくは糖アルコール、特にはトレイトール、グルシトール、ソルビトール若しくはイノシトール、又はそれらの1つ以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の組成物。
【請求項9】
ポリオールの混合物の混合比は、20:1乃至1:20、好ましくは10:1乃至1:10、より好ましくは5:1乃至1:5及び特には2:1乃至1:2であることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、混合比が好ましくは10:1乃至1:10、好ましくは5:1乃至1:5、特には2:1乃至1:2、より好ましくは1:1であるそれらの混合物、及び/又はグリセロールを具備したことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の組成物。
【請求項11】
ジオールとポリオールとの混合物の混合比は、10:1乃至1:10、好ましくは5:1乃至1:5、特には2:1乃至1:2であり、1:1がより好ましいことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の組成物。
【請求項12】
グリセロールモノアルキルエーテル、特には1−(2−エチルヘキシル)グリセロールエーテルと、ジオールである、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオールと1,2−オクタンジオールとの混合物、及び/又は、ポリオールであるグリセロールとを具備したことを特徴とする請求項1乃至11に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1つのグリセロールエーテルを、0.01乃至30又は40重量%、好ましくは0.05乃至10重量%、特には0.1乃至5重量%、好ましくは0.5乃至2又は3重量%の量で具備し、少なくとも1つのジオール又はポリオールを、0.01乃至99.99重量%、好ましくは0.05乃至40重量%、特には0.1乃至10重量%、好ましくは0.5乃至5又は8重量%の量で具備したことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の組成物。
【請求項14】
水及び/又はアルコール溶液、クリーム又は乳液であって、特には、界面活性物質、特には乳化剤又は界面活性剤、及び/又は他の添加剤との混合物がその中に存在していることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載の組成物。
【請求項15】
洗浄若しくはケア組成物、化粧用に近い若しくは化粧用のクレンジング製品、特には固体若しくは液体石鹸、シャワーバス、シャワージェル、フォームバス、シャンプー、ウォッシングローション、デイクリーム、ケアクリーム、ケア乳液、アフターシェイブ液若しくは乳液、食器手洗い用組成物、又は技術的製品、特には冷却潤滑剤であることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載の組成物。
【請求項16】
洗浄若しくはケア組成物、化粧用に近い若しくは化粧用のクレンジング製品、特には固体若しくは液体石鹸、シャワーバス、シャワージェル、フォームバス、シャンプー、ウォッシングローション、デイクリーム、ケアクリーム、ケア乳液、アフターシェイブ液若しくは乳液、食器手洗い用組成物、又は技術的製品、特には冷却潤滑剤における請求項1乃至14の何れか1項に記載の組成物の使用。
【請求項17】
殺菌効果、スキンケア効果、及び/又は白化抑制効果を与えるための請求項1乃至14の何れか1項に記載の組成物の使用。

【公開番号】特開2008−266332(P2008−266332A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−105691(P2008−105691)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(399035504)エール・リキード・サンテ(アンテルナスィオナル) (26)
【Fターム(参考)】