説明

グルコキナーゼアクチベーターとして有用なピリジン誘導体

式(I)


式中、R、R、R、RおよびDは請求項1に示す意味を有する、
で表される新規な複素環式化合物は、グルコキナーゼのアクチベーターであり、1型および2型糖尿病、肥満、神経障害および/または腎症を予防および/または処置するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、有用な特性、特に薬剤の調製のために用いることができる特性を有する新規な化合物を見出す目的を有していた。
【0002】
本発明は、グルコキナーゼ活性の不十分なレベルにより媒介された疾患、例えば真性糖尿病の処置および/または予防に有用な化合物ならびにかかる化合物を調製する方法に関する。また提供するのは、グルコキナーゼ活性の活性低下(underactivation)により特徴づけられるかまたはグルコキナーゼを活性化することにより処置することができる疾患および障害を処置する方法であって、本発明の化合物の有効量を投与することを含む、前記方法である。
【0003】
したがって、グルコキナーゼのシグナル伝達を特異的に活性化、制御および/または調節する小化合物の同定が所望されており、これが本発明の1つの目的である。さらに、本発明の目的は、1型および2型糖尿病、肥満、神経障害および/または腎症を予防および/または処置するための新規な化合物を調製することにあった。
【0004】
驚くべきことに、本発明者らは、ヘテロアリールアミノピリジン類がグルコキナーゼを活性化することを見出した。したがって、これらの化合物は、1型および2型糖尿病、肥満、神経障害および/または腎症を予防および処置するのに特に適する。本発明の化合物およびその塩は極めて有用な薬理学的特性を有し、同時に十分耐容されることが見出された。
特に、それらはグルコキナーゼ活性化効果を示す。
【0005】
したがって、本発明は、前述の疾患の処置および/または予防における医薬および/または医薬活性成分としての本発明の化合物ならびに前述の疾患を処置および/または予防するための医薬を調製するための本発明の化合物の使用、ならびにまた前述の疾患の処置方法であって、そのような投与を必要とする患者に本発明の1種または2種以上の化合物を投与することを含む前記方法に関する。
【0006】
宿主または患者は、任意の哺乳類種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯動物;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどに属し得る。動物モデルは実験調査のために興味深く、そこでそれらはヒトの疾患を処置するためのモデルを提供する。
【0007】
真性糖尿病(DM)は、インスリン欠乏およびインスリン耐性または両方により特徴づけられる、しばしば肥満と関連する進行性疾患である。空腹時血糖および食後血糖は上昇し、患者に急性および慢性合併症(微小血管性および大血管性)をもたらし、失明、腎不全、心臓疾患、発作および切断に至らせる。血糖コントロールの改善が、これらの合併症の危険性を低下させることが示されている。当該疾患の進行性の性質のために、血糖コントロールを維持するのに処置方法を変えていく必要がある。真性糖尿病の2つの形態がある:1型、即ち若年型糖尿病またはインスリン依存性真性糖尿病(IDDM)および2型、即ち成人発症糖尿病または非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)である。
【0008】
1型糖尿病患者は、インスリンを合成および分泌する膵臓β細胞の免疫学的破壊による絶対的インスリン欠乏を有する。タイプ2糖尿病は病因学的により複雑であり、相対的インスリン欠乏、低下したインスリン作用およびインスリン耐性により特徴づけられる。早期発症型のNIDDMまたは若年発症成人型糖尿病(MODY)は、発症が中年期において生じるNIDDMの最も一般的な形態の多くの特徴を共有する(Rotter et al 1990)。明確な遺伝様式(常染色体優性)が、MODYについて観察されている。少なくとも、3種の異なる突然変異が、MODY家系において確認された(Bell et al. 1996)。
【0009】
グルコース恒常性におけるグルコキナーゼ(GK)の重要性は、ヒトにおける真性糖尿病(MODY−2)とのGK変異体の関連により、ならびにトランスジェニックマウスおよび遺伝子ノックアウトマウスにおけるグルコース代謝の変化により例証されている(Froguel et al. 2003; Bali et al. 1995, Postic et al. 1999)。
【0010】
またヘキソキナーゼIVまたはDとして知られているGKは、グルコースをグルコース6−リン酸に代謝する4種のヘキソキナーゼアイソザイムの1種である[Wilson, 2004]。GKは神経/神経内分泌細胞、肝細胞および膵臓細胞において発現され、全身恒常性において中心的な作用を奏することが知られている[Matschinsky et al. 1996; 2004]。GKは、膵臓β細胞からのインスリン分泌および肝臓におけるグルコース代謝を増強することのみならず、L細胞からのGLP1分泌を増大させることによっても、血漿グルコース恒常性を制御するためのグルコースセンサーとしての重要な作用を奏する。β細胞、即ち弓状(ARC)視床下部核におけるグルコース感知はGKに依存しており、グルコースの上昇を検出し、グルコースにより誘発されるインスリン分泌を促進し得る。
【0011】
複数の作用機序は、GKアクチベーターが、全身のグルコース感知を改善することにより糖尿病患者、および肥満患者においてその生物学的効果を奏することを示唆しており、これは、GK活性の増強が代謝障害についての新規な治療方策であるという合理的な予測をもたらす。GKアクチベーターが、重篤な低血糖症を誘発することなく、肝臓グルコース産生の抑制に加えて膵臓ホルモンおよびインクレチン分泌を回復することが予期される。
【背景技術】
【0012】
従来技術
他のアミノピリジン誘導体は、WO 2007/053345 A1、WO 2007/117381およびWO 2007/089512 A1においてグルコキナーゼアクチベーターとして開示されている。
複素環式残基を有する他の化合物は、以下に開示されている:US2006019967、WO2002050071、WO2004060305、WO2004103959、US2006019967、WO2007010273、WO2003013523、WO9618616、WO9618617、WO2006078621、WO200230358、WO2003027085、WO9616650、WO200196307、WO2006028958。
以下の特許出願(GKについてではない)には、他の複素環式化合物が開示されている。WO2007023382、WO2005021529、WO200117995、US2005227989、US2004157845、WO2006101740、JP07285962、WO2007016228。
【0013】
参考文献一覧
Wilson JE: The hexokinase gene family. In Glucokinase and Glycemic Disease: From Basics to Novel Therapeutics. Front Diabetes.第16巻
Matschinsky FM, Magnuson MA, Eds. Basel, Karger, 2004
Matschinsky, F. M. Diabetes 1996, 45, 223-41.
Matschinsky F.M.; Magnuson M.A. eds. Glucokinase and Glycemic Disease: From Basics to Novel Therapeutics. Basel:Karger, 2004
Rotter et al. Diabetes mellitus (1990): Theory and practice Rifkin and Porte (編) NY, 378-413
Bell et al 1996
Froguel et al. 2003
Bali et al. 1995
Postic et al. 1999
【発明の概要】
【0014】
発明の概要
本発明は、式I
【化1】

式中、
、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、S(O)12、NR1011、NO、CN、COOR10、CONR1011、NR10COR11、NR10CONR1011、NR10SO11、COR10、SOH、SONR1011、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12、O[C(R12CONR1011、O−Alk−NR10COR11、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し、
Dは、
【化2】

を示し、
【0015】
、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212、S(O)12、NR1011、CN、COOR10、CONR1011、NR10COR11、NR10CONR1011、NR10SO11、COR10、SOH、SONR1011、O−Alk−NR1011、O[C(R12CONR1011、O−Alk−NR10COR11、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し、
は、H、A、S(O)[C(R1210、CONR1011、COR10、SONR1011、[C(R12Arまたは[C(R12Hetを示し、
10、R11は、各々、互いに独立してH、A、ArまたはHetを示し、
【0016】
Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つもしくは2つの隣接していないCH基がO、S、SO、SO、NH、NA’、NAr、NHetおよび/またはCH=CH−基により置き替えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Cl、Br、=S、=NR12および/または=Oにより置き替えられていてもよい、非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=O、F、Cl、OH、OA’、OAr’、OHet’、SOA’、SOAr’、SOHet’、NH、NHA’、NA’、NHAr’および/またはNHHet’により単置換、二置換もしくは三置換されているシクロアルキルを示し、
A’は、1〜6個のC原子を有し、ここで1〜7個のH原子がFおよび/またはClにより置き替えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
【0017】
Alkは、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
Arは、各々が非置換であるかまたはA、Hal、[C(R12Ar’、[C(R12Het’、O[C(R1212、S(O)12、NH、NHA’、NA’、NHAr’、NHHet’、NO、CN、COOR12、CON(R12、NR12COR12、NR12CON(R12、NR12SO12、COR12、SOH、SON(R12、O−Alk−N(R12、O[C(R12CON(R12、O−Alk−NR12COR12、O[C(R12Het’、O[C(R12Ar’、S(O)[C(R12Het’および/またはS(O)[C(R12Ar’により単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、
【0018】
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、Hal、A、[C(R12Ar’、[C(R12Het’、O[C(R12Ar’、O[C(R12Het’、[C(R12シクロアルキル、[C(R12OR12、[C(R12N(R12、NO、CN、[C(R12COOR12、O[C(R12COOR12、[C(R12CON(R12、[C(R12CONR12N(R12、O[C(R12CON(R12、O[C(R12CONR12N(R12、[C(R12NR12COA、NR12CON(R12、[C(R12NR12SOA、COR12、SON(R12、S(O)A、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよい、単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
【0019】
Ar’は、各々が非置換であるか、またはHal、A、OR12、N(R12、NO、CN、COOR12、CON(R12、NR12COA、NR12CON(R12、NR12SOA、COR12、SON(R12、S(O)A、[C(R12COOR12および/またはO[C(R12COOR12により単置換、二置換もしくは三置換されている、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、
Het’は、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、Hal、A、OR12、N(R12、NO、CN、COOR12、CON(R12、NR12COA、NR12SOA、COR12、SON(R12、S(O)A、=S、=NR12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよい、単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
【0020】
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有するシクロアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、0、1、2、3または4を示し、
nは、0、1または2を示し、
ただし、Dがチアゾールを示す場合には、RはOCHArまたはOCHHetとは等しくない、
で表される化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体、すべての比率でのそれらの混合物に関する。
【0021】
本発明は、式Iで表される化合物およびそれらの塩、ならびに式Iで表される化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体の調製方法であって、
a)式I中、
Dは
【化3】

を示し、
式II
【化4】

式中、
、R、RおよびRは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を式III
【化5】

式中、
LはCl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に機能的に修飾された(reactively functionally modified)OH基を示し、
およびRは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、
あるいは、
【0022】
b)式I中、
Dは
【化6】

を示し、
式IV
【化7】

式中、
、R、R、RおよびHalは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を式V
D−NH
式中、Dは
【化8】

を示し、
、RおよびRは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、
あるいは、
【0023】
c)式Iで表される化合物において、ラジカルRを他のラジカルR
i)ハロゲン基を芳香族複素環に変換すること;
ii)エステルをアルコール基に変換すること
により変換する、
かつ/または
式Iで表される塩基または酸をその塩の1種に変換する
前記方法に関する。
【0024】
式Iで表される化合物はまた、それらの薬学的に使用可能な誘導体およびそれらの溶媒和物を意味する。
本発明はまた、これらの化合物の立体異性体(E、Z異性体)ならび水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物は、それらの相互の引力のために生成する化合物上への不活性溶媒分子のアダクション(adduction)を意味するものと解釈される。溶媒和物は、例えば一もしくは二水和物またはアルコラートである。
【0025】
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば、本発明の化合物の塩、およびまたいわゆるプロドラッグ(prodrug)化合物を意味するものと解釈される。
プロドラッグ誘導体は、例えばアルキル基もしくはアシル基、糖またはオリゴペプチドで修飾されており、生物体中で迅速に切断されて本発明の活性化合物を生成する、式Iで表される化合物を意味するものと解釈される。
これらはまた、例えばInt. J. Pharm. 115, 61-67 (1995)に記載されているように、本発明の化合物の生分解性ポリマー誘導体を含む。
【0026】
「有効量」の表現は、例えば研究者または医師により組織、系、動物またはヒトにおいて求められているかまたは目的とされている生物学的または薬学的応答を生じる、医薬または薬学的に活性な成分の量を意味する。
さらに、「治療有効量」の表現は、この量を施与されていない対応する対象と比較して、以下の結果:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害の改善された処置、治癒、予防もしくは解消、または副作用の予防、また疾患、状態、障害もしくは副作用の進行の低減
を有する量を示す。
「治療有効量」の表現はまた、正常な生理学的機能を増大させるのに有効である量を包含する。
【0027】
本発明はまた、本発明の式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比率での混合物に関する。
これらは、特に好ましくは立体異性体化合物の混合物である。
【0028】
1回よりも多く出現するすべてのラジカルについて、それらの意味は互いに独立している。
本明細書中で、ラジカルならびにパラメータR、R、R、RおよびDは、他に明確に示さない限りは式Iについて示した意味を有する。
【0029】
Aはアルキルを示し、非分枝状(直鎖状)であるかまたは分枝状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは、好ましくはメチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは例えばトリフルオロメチルを示す。
【0030】
Aは、極めて特に好ましくは1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを示す。
【0031】
さらに、Aは、好ましくは1〜10個のC原子を有し、ここで1つもしくは2つの隣接していないCH基がO、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状もしくは分枝状アルキルを示すか、あるいは3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示す。
【0032】
シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。
Alkは、好ましくはCHまたはCHCHを示す。
【0033】
は、好ましくはH、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12または[C(R12O[C(R1212を示す;
は、より好ましくはH、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12または[C(R12O[C(R1212を示し、ここで
【0034】
10、R11は、各々、互いに独立してHまたはAを示し、
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示すか、あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Alkは、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
Hetは、1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはAおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されていてもよい単環式の飽和複素環を示し、
mは、0、1または2を示す。
【0035】
は好ましくはHを示す。
は好ましくはHal、[C(R12Ar、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12ArまたはS(O)[C(R12Arを示す。
【0036】
は、より好ましくはHal、[C(R12Ar、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12ArまたはS(O)[C(R12Arを示し、
ここで
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
Arは、それは非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族複素環を示し、
mは、0、1または2を示し、
nは、0、1または2を示す。
【0037】
は、特に好ましくはF、Cl、Br、フェノキシ、ベンジルオキシ、フェニルスルファニル、フェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、アミノスルホニル−フェノキシ、ピリジルオキシ、カルバモイル−ピリジル−メトキシ、メトキシベンジル、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたは2−メトキシ−エトキシを示し;最も好ましくは、RはBr、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたは2−メトキシ−エトキシを示す。
【0038】
は好ましくはHを示す。
は好ましくはHを示す。
は好ましくはH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示す。
【0039】
は、特に好ましくはH、A、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し、
ここで
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基がO、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
Hetは、1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族複素環を示し、
mは、0、1または2を示す。
【0040】
は好ましくはHを示す。
は好ましくはHを示す。
は好ましくはH、Aまたは[C(R12Hetを示す。
は、より好ましくはH、Aまたは[C(R12Hetを示し、ここで
12はHを示し、
Aは1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルを示し、
Hetは1〜2個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族複素環を示し、
mは0、1または2を示す。
【0041】
Arは、例えばフェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−ウレイドフェニル、o−、m−またはp−ホルミルフェニル、o−、m−またはp−アセチルフェニル、o−、m−またはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメトキシフェニル、さらに好ましくは 2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,4−もしくは2,5−ジニトロフェニル、2,5−もしくは3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−もしくは2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−もしくは3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−もしくは3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを示す。
【0042】
Arは、好ましくは、例えば非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示す。
Arは、特に好ましくは、例えば非置換であるかまたはOCH、SOCHもしくはSONHにより単置換されているフェニルを示す。
【0043】
Ar’は、好ましくは、例えば非置換であるかまたはHal、A、OH、OA、SOA、COOAもしくはCNにより単置換、二置換もしくは三置換されているフェニル、極めて特に好ましくは非置換であるかまたはHalおよび/またはAにより単置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを示す。
【0044】
他の置換とは関係なく、Hetは、例えば2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イルを示す。
【0045】
複素環式基はまた、部分的にまたは完全に水素化されていてもよい。
Hetは、したがって、また、例えば2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは−6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたはまた3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを示すことができる。
【0046】
Hetは、好ましくは1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示す。
【0047】
Hetは、特に好ましくはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニルまたはピペラジニルを示し、それらの各々は非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されている。
【0048】
Het’は、好ましくは1〜2個のNおよび/またはO原子を有し、非置換であるかまたはA、Hal、OHおよび/またはOAにより単置換、二置換もしくは三置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示す。
Het’は、特に好ましくは1〜2個のNおよび/またはO原子を有し、非置換であるかまたはAにより単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和複素環を示す。
【0049】
他の態様において、Het’は、極めて特定的にピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルを示す。
他の態様において、Het’は、特に好ましくはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルを示し、その各々は非置換であるかまたはA、Hal、OHおよび/またはOAにより単置換、二置換もしくは三置換されている。
【0050】
単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環は、例えば2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−もしくは−5−イルまたは2,1,3−ベンズオキサジアゾール−5−イル、さらに2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−もしくは5−フリル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−もしくは−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピロリル、1−、2−もしくは3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−もしくは−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−もしくは−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−もしくは−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−もしくは−6−ピリジル、1−、2−、3−もしくは4−ピペリジニル、2−、3−もしくは4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−もしくは−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−もしくは−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−もしくは−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−もしくは−5−ピリミジニル、1−、2−もしくは3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−もしくは−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−もしくは8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−もしくは−6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたはまた3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−もしくは−7−イル、さらに2,3−ジヒドロ−ベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニルを示す。
【0051】
式Iで表される化合物は、1つまたは2つ以上のキラル中心を有していてもよく、したがって種々の立体異性体形態で存在することができる。式Iは、すべてのこれらの形態を包含する。
【0052】
したがって、本発明は特に、式Iで表され、式中前述のラジカルの少なくとも1つが上記に示した好ましい意味の1つを有する化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群を、以下の従属式Ia〜Itにより表してもよく、それは式Iに適合し、ここでより詳細に指定されないラジカルは式Iについて示した意味を有するが、ここで
【0053】
Iaにおいて、R、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12Het、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12またはS(O)[C(R12Arを示し;
Ibにおいて、Rは、H、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12または[C(R12O[C(R1212を示し;
Icにおいて、Rは、Hを示し;
【0054】
Idにおいて、Rは、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し;
Ieにおいて、Rは、Hal、[C(R12Ar、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12ArまたはS(O)[C(R12Arを示し;
Ifにおいて、Rは、Hを示し;
【0055】
Igにおいて、R、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し;
Ihにおいて、Rは、Hを示し;
Iiにおいて、Rは、H、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し;
Ijにおいて、Rは、Hを示し;
Ikにおいて、Rは、Hを示し;
Ilにおいて、Rは、H、Aまたは[C(R12Hetを示し;
Imにおいて、R10、R11は、各々、互いに独立してHまたはAを示し;
【0056】
Inにおいて、Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基がO、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し;
【0057】
Ioにおいて、Arは、それは、非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示し;
【0058】
Ipにおいて、Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し;
【0059】
Iqにおいて、Hetは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニルまたはピペラジニルを示し、それらの各々は非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されており;
【0060】
Irにおいて、R、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し、
Dは、
【化9】

を示し、
【0061】
、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し、
は、H、Aまたは[C(R12Hetを示し、
10、R11は、各々、互いに独立してHまたはAを示し、
【0062】
Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基がO、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Alkは、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
【0063】
Arは、それは、非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはAにより単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
【0064】
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、0、1、2、3または4を示し、
nは、0、1または2を示し、
【0065】
Isにおいて、Rは、H、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12または[C(R12O[C(R1212を示し、
は、Hを示し、
は、Hal、[C(R12Ar、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12ArまたはS(O)[C(R12Arを示し、
は、Hを示し、
Dは、
【化10】

を示し、
【0066】
は、Hを示し、
は、H、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し、
は、Hを示し、
は、Hを示し、
は、H、Aまたは[C(R12Hetを示し、
10、R11は、各々、互いに独立してHまたはAを示し、
【0067】
Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基がO、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Alkは、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
【0068】
Arは、それは、非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはAにより単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
【0069】
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、0、1、2、3または4を示し、
nは、0、1または2を示し;
【0070】
Itにおいて、R12は、Hを示し;
ただし、Dがチアゾールを示す場合には、RはOCHArまたはOCHHetとは等しくない;
ならびにそれらの薬学的に使用可能な塩および立体異性体であり、すべての比率でのそれらの混合物を含む。
【0071】
本発明の化合物およびまたそれらの調製のための出発物質は、さらに、文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの標準的学術書)に記載されているような自体公知の方法により、正確には、公知であって前述の反応に適する反応条件の下で、調製される。また、ここで、ここではこれ以上詳細には述べない自体公知の変法を用いることができる。
【0072】
所望により、出発物質をまたインサイチュで生成して、それらを反応混合物から単離せず、代わりに直ちにさらに本発明の化合物に変換することができる。
出発化合物は一般的に知られている。しかし、それらが新規である場合には、それらを自体公知の方法により調製することができる。
【0073】
式Iで表され、
式中
Dが
【化11】

を示す化合物を、好ましくは式IIで表される化合物を式IIIで表される化合物と反応させることにより得ることができる。
【0074】
式IIIで表される化合物において、LはCl、Br、OHまたは反応性のエステル化されたOH基である。Lが反応性のエステル化されたOH基である場合には、これは好ましくは、1〜6個のC原子を有するアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニルもしくはp−トリルスルホニルオキシおよびまた2−ナフタレンスルホニルオキシ)である。
【0075】
反応を、当業者に知られている方法により行う。
反応を、一般的に不活性溶媒中で行う。
式IIおよびIIIで表される出発物質は、場合によっては知られている。それらが知られていない場合には、それらを自体公知の方法により調製することができる。
【0076】
好適な不活性溶媒の例は、例えば炭化水素類、例えばヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレン;塩素化炭化水素類、例えばトリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノール;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサン;グリコールエーテル類、例えばエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム);ケトン類、例えばアセトンもしくはブタノン;アミド類、例えばアセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル類、例えばアセトニトリル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸類、例えばギ酸もしくは酢酸;ニトロ化合物、例えばニトロメタンもしくはニトロベンゼン;エステル類、例えば酢酸エチル、または前述の溶媒の混合物である。
【0077】
用いる条件に依存して、反応時間は数分〜14日であり、反応温度は約−30°〜140°、通常−10°〜110°、特に約20°〜約100°である。
【0078】
式Iで表され、
式中
Dが
【化12】

を示す化合物を、好ましくは式IVで表される化合物を式Vで表される化合物と反応させることにより得ることができる。
【0079】
反応を、好ましくは触媒、例えばトリス−(ジベンジリデン−アセトン)−ジパラジウムおよびBINAP(2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル)の存在下で行う。BINAPは、触媒に対するリガンドである。他の好ましいリガンドは、トリ−(o−トリル)−ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニルまたはクロロ(ジ−2−ノルボルニルホスフィノ)(2−ジメチルアミノフェロセン−1−イル)パラジウム(II)である。
【0080】
反応を、一般的に酸結合剤、好ましくはアルカリもしくはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩または、アルカリもしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムまたはセシウムの弱酸の他の塩の存在下で行う。有機塩基、例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンを加えることもまた、好ましい場合がある。
特に好ましいのは、ナトリウムtert−ブチラートまたはカリウムtert−ブチラートである。
【0081】
式IVおよびVで表される出発物質は、場合によっては知られている。それらが知られていない場合には、それらを自体公知の方法により調製することができる。
詳細には、式IVおよびVで表される化合物の反応を、不活性溶媒の存在下または不存在下で、および上記の通りの温度にて行う。
【0082】
さらに、式Iで表される化合物中のラジカルRを他のラジカルRに、例えばハロゲン基を芳香族複素環に変換するかまたはエステルをアルコール基に変換することにより変換することが可能である。
【0083】
他のラジカルを、ニトロ基を(例えば不活性溶媒、例えばメタノールまたはエタノールなどの中におけるラネーニッケルまたはPd/炭素上での水素化により)アミノ基に還元するか、またはシアノ基をCOOH基に加水分解することにより変換することができる。
【0084】
さらに、遊離アミノ基を、有利には不活性溶媒、例えばジクロロメタンもしくはTHFなどにおいて、および/または塩基、例えばトリエチルアミンもしくはピリジンの存在下で、−60〜+30°の温度において、酸性塩化物もしくは無水物を用いて慣用的な方法でアシル化することができるか、または非置換もしくは置換ハロゲン化アルキルを用いてアルキル化することができる。
【0085】
エステル基を、例えば0〜100°の温度にて水、水/THFまたは水/ジオキサン中のNaOHまたはKOHを用いて鹸化することができる。カルボン酸を、例えば塩化チオニルを用いて対応するカルボン酸塩化物に変換することができ、後者をカルボキサミドに変換することができる。水をそれから既知の方法で除去することにより、カルボニトリル類が得られる。
【0086】
薬学的塩および他の形態
本発明の前述の化合物を、これらの最終的な非塩形態で用いることができる。一方、本発明はまた、これらの化合物を、当該分野において知られている手順により、種々の有機および無機酸類および塩基類から誘導し得るこれらの薬学的に許容し得る塩の形態で用いることを包含する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分、慣用的な方法により調製される。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含む場合には、この好適な塩の1種を、当該化合物を好適な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることにより、生成することができる。このような塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属アルコキシド類、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびに種々の有機塩基、例えばピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンである。
【0087】
式Iで表される化合物のアルミニウム塩は、同様に包含される。式Iで表される数種の化合物の場合において、これらの化合物を、薬学的に許容し得る有機および無機酸類、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸およびこれらの対応する塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキルおよびモノアリールスルホン酸塩類、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、ならびに他の有機酸およびこれらの対応する塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することにより、酸付加塩を生成することができる。
【0088】
したがって、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩には、以下のものが含まれる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、重亜硫酸塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかしこれは、限定を表すものではない。
【0089】
さらに、本発明の化合物の塩基性塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは、限定を表すことを意図しない。前述の塩の中で、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩、ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩、カルシウムおよびマグネシウムである。
【0090】
薬学的に許容し得る有機無毒性塩基から誘導される、式Iで表される化合物の塩には、第一、第二および第三アミン類、また天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0091】
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物を、剤、例えば(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C〜C)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C〜C)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルを用いて四級化することができる。本発明の水溶性および油溶性の化合物を共に、このような塩を用いて調製することができる。
【0092】
好ましい前述の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0093】
式Iで表される塩基性化合物の酸付加塩を、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることにより、調製する。塩形態を塩基と接触させ、慣用の方法で遊離塩基を単離することにより、遊離塩基を再生することができる。遊離塩基形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点ではそれぞれの遊離塩基形態に相当する。
【0094】
述べたように、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、金属またはアミン類、例えばアルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン類を用いて生成する。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミン類は、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0095】
本発明の酸性化合物の塩基付加塩を、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用的な方法で塩の生成を生じることにより、調製する。塩形態を酸と接触させ、慣用的な方法で遊離酸を単離することにより、遊離酸を再生することができる。遊離酸形態は、ある観点において、いくつかの物理的特性、例えば極性溶媒への溶解性の点で、対応する塩形態と異なる;しかし、本発明の目的のためには、塩は、他の点ではそれぞれの遊離酸形態に相当する。
【0096】
本発明の化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を生成することができる1つよりも多い基を含む場合には、本発明はまた、多重塩(multiple salt)を包含する。典型的な多重塩形態には、例えば、重酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図しない。
【0097】
上記で述べたことに関して、本文脈における表現「薬学的に許容し得る塩」は、式Iで表される化合物をこの塩の1種の形態で含む活性成分を意味するものと解釈されることが明らかであり、特に、この塩形態が、活性成分に対して、前に用いられていた活性成分の遊離形態または活性成分のすべての他の塩形態と比較して改善された薬物動態学的特性を付与する場合には、このように解釈されることが明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、活性成分に前には有していなかった所望の薬物動態学的特性を初めて付与することができ、さらに、活性成分の薬力学に対して身体における治療的有効性に関する正の影響を有することができる。
【0098】
本発明の式Iで表される化合物は、それらの分子構造のためにキラルであってもよく、したがって種々の鏡像異性体形態で存在してもよい。したがって、それらは、ラセミ体または光学的に活性な形態で存在することができる。
【0099】
本発明の化合物のラセミ化合物または立体異性体の薬学的活性が異なり得るため、鏡像異性体を用いることが所望され得る。これらの場合において、最終生成物またはさらに中間体を、当業者に知られている化学的または物理的手段により鏡像異性体化合物に分離するか、またはさらに合成においてそれ自体で用いることができる。
【0100】
ラセミ体アミンの場合において、ジアステレオマーを、光学的に活性な分割剤との反応により混合物から生成する。好適な分割剤の例は、光学的に活性な酸、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、好適にN保護されたアミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロリンもしくはN−ベンゼンスルホニルプロリン)または種々の光学的に活性な樟脳スルホン酸などのRおよびS体である。また有利なのは、光学的に活性な分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロースもしくは炭水化物の他の誘導体またはシリカゲル上に固定されたキラル的に誘導体化されたメタクリレートポリマー)の補助によるクロマトグラフィー的鏡像異性体分割である。この目的に適する溶離剤は、水性またはアルコール性溶媒混合物、例えば82:15:3の比率での例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルなどである。
【0101】
本発明はさらに、当該化合物および/またはそれらの生理学的に許容し得る塩の、特に非化学的方法により医薬(医薬組成物)を調製するための使用に関する。それらを、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体賦形剤またはアジュバントと共に、および所望により1種または2種以上のさらなる活性成分と組み合わせて、ここでの好適な投与形態に変換することができる。
【0102】
本発明はさらに、本発明の少なくとも1種の化合物および/または薬学的に使用可能な塩およびそれらの立体異性体、すべての比率でのそれらの混合物、ならびに任意に賦形剤および/またはアジュバントを含む医薬に関する。
【0103】
医薬製剤を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で投与することができる。そのような単位は、例えば処置する疾患状態、投与の方法および年齢、体重および患者の状態に依存して0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明の化合物を含むことができ、または医薬製剤を、投与単位あたり所定量の活性成分を含む投与単位の形態で投与することができる。好ましい投与単位製剤は、活性成分の上記に示した通りの1日の用量もしくは部分的用量、またはそれらの対応する画分を含むものである。さらに、このタイプの医薬製剤を、薬学的分野において一般的に知られているプロセスを用いて調製することができる。
【0104】
医薬製剤を、任意の所望の好適な方法、例えば経口(頬側もしくは舌下を含む)、直腸、鼻、局所的(頬側、舌下もしくは経皮を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)方法による投与に適合させることができる。そのような製剤を、例えば活性成分を賦形剤(1種もしくは2種以上)またはアジュバント(1種もしくは2種以上)と組み合わせることにより、薬学分野において知られているすべてのプロセスを用いて調製することができる。
【0105】
経口投与に適合された医薬製剤を、別個の単位、例えばカプセルもしくは錠剤;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用の発泡体もしくは発泡体食品;または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型液体エマルジョンなどとして投与することができる。
【0106】
したがって、例えば錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合において、活性成分要素を、経口の、無毒性でありかつ薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと組み合わせることができる。散剤を、好適な微細な大きさに化合物を粉砕し、それを同様の方法で粉砕した薬学的賦形剤、例えば食用の炭水化物、例えばデンプンまたはマンニトールと混合することにより調製する。フレーバー、防腐剤、分散剤および染料が、同様に存在してもよい。
【0107】
カプセルを、上記のように散剤混合物を調製し、成形したゼラチン殻にそれを充填することにより製造する。流動促進剤および潤滑剤、例えば固体形態での高分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールなどを、充填操作の前に散剤混合物に加えることができる。崩壊剤または可溶化剤、例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどを、カプセルを服用した後の医薬の有効性を改善するために、同様に加えてもよい。
【0108】
さらに、所望により、または所要に応じて、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに染料を、同様に混合物中に包含させることができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖類、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、トウモロコシから製造された甘味剤、天然および合成ゴム、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどが含まれる。これらの投与形態において用いられる潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、それらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。錠剤を、例えば散剤混合物を調製し、混合物を顆粒化または乾燥圧縮し、潤滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることにより処方する。
【0109】
散剤混合物を、好適な方法で粉砕した化合物を上記のように希釈剤または塩基と、および随意に結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドン、溶解遅延剤、例えばパラフィン、吸収促進剤、例えば第四級塩および/または吸収剤、例えばベントナイト、カオリンもしくはリン酸二カルシウムと混合することにより調製する。散剤混合物を、これを結合剤、例えばシロップ、デンプンペースト、アラビアゴム漿またはセルロースの溶液またはポリマー材料で湿潤させ、これをふるいを通して押圧することにより顆粒化することができる。顆粒化の代替として、散剤混合物を打錠機に通し、不均一な形状の塊を得、それを崩壊させて、顆粒を形成することができる。
【0110】
顆粒を、錠剤成形型への付着を防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えることにより潤滑化することができる。次に、潤滑化した混合物を圧縮して錠剤を得る。本発明の化合物をまた、自由流動の不活性賦形剤と混ぜ合わせ(combined)、次に直接圧縮して、顆粒化または乾燥圧縮工程を行わずに錠剤を得ることができる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびろうの光沢層からなる透明な、または不透明な保護層が、存在してもよい。染料を、異なる投与単位同士を区別することができるように、これらのコーティングに加えることができる。
【0111】
経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤などを、投与単位の形態で調製し、したがって所定量が予め特定された量の化合物を含むようにすることができる。シロップを、化合物を水性溶液に好適なフレーバーと共に溶解することにより調製することができ、一方エリキシル剤を、無毒性アルコール性ビヒクルを用いて調製する。懸濁液を、化合物を無毒性ビヒクル中に分散させることにより処方することができる。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類、防腐剤、フレーバー添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味剤もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などを、同様に加えることができる。
【0112】
経口投与用の投与単位製剤を、所望によりマイクロカプセル中にカプセル封入することができる。製剤をまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば粒子状材料をポリマー、ろうなどの中にコーティングするかまたは包埋することにより、調製することができる。
【0113】
本発明の化合物および塩、溶媒和物およびそれらの生理学的な機能性誘導体をまた、リポソーム送達系、例えば小型単層小胞、大型単層小胞および多層小胞の形態で投与することができる。リポソームを、種々のリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類から生成させることができる。
【0114】
本発明の化合物および塩、溶媒和物およびそれらの生理学的な機能性誘導体をまた、化合物分子が結合した個別の担体としてモノクローナル抗体を用いて送達することができる。当該化合物をまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合させることができる。そのようなポリマーは、パルミトイルラジカルにより置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール(polyhydroxyethylaspartamidophenol)またはポリエチレンオキシドポリリジンを包含してもよい。当該化合物をさらに、医薬の制御された放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの群、例えばポリ乳酸、ポリ−エプシロン−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロキシピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性のブロックコポリマーに結合させることができる。
【0115】
経皮的投与用に適合された医薬製剤を、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば、活性成分を、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)中に一般論として記載されているように、イオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所的投与用に適合された医薬化合物を、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールまたは油として処方することができる。
【0116】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚を処置するために、製剤を、好ましくは局所的軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を施与するための製剤の場合において、活性成分を、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に用いることができる。あるいはまた、活性成分を処方して、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースを有するクリームを得ることができる。
【0117】
目への局所的適用のために適合された医薬製剤には、点眼剤が含まれ、ここで活性成分を好適な担体、特に水性溶媒中に溶解させるかまたは懸濁させる。
口における局所的適用のために適合された医薬製剤は、薬用キャンデー、トローチおよび洗口剤を包含する。
直腸内投与のために適合された医薬製剤を、坐剤または浣腸剤の形態で投与することができる。
【0118】
担体物質が固体である鼻腔内投与のために適合された医薬製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲内の粒子サイズを有する粗粉末を含み、それを、嗅ぎタバコを服用する方法で、即ち鼻に近接して保持した散剤を含む容器からの鼻の経路を介しての迅速な吸入により投与する。担体物質としての液体を有する鼻腔内スプレーまたは点鼻剤としての投与に適する製剤は、水中または油中の活性成分溶液を包含する。
【0119】
吸入による投与のために適合された医薬製剤は、微細な粒子状ダストまたはミストを包含し、それをエアゾール、噴霧器または吸入器を有する種々のタイプの加圧ディスペンサーにより発生させることができる。
膣内投与のために適合された医薬製剤を、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー製剤として投与することができる。
【0120】
非経口投与のために適合された医薬製剤には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の無菌注射溶液であって、それにより製剤が処置されるべきレシピエントの血液と等張になるもの;ならびに水性の、および非水性の無菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含んでいてもよいもの、が含まれる。製剤を、単一用量または複数用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルにおいて投与することができ、使用の直前に無菌の担体液体、例えば注射目的のための水を添加することしか必要としないようにフリーズドライした(freeze-dried)(凍結乾燥(lyophilised))状態において貯蔵することができる。
処方箋に従って調製される注射溶液および懸濁液を、無菌の散剤、顆粒および錠剤から調製することができる。
【0121】
上記で特定的に述べた構成成分に加えて、製剤はまた、製剤の特定のタイプに関して当該分野において通常である他の剤を含んでいてもよいことは、言うまでもない;したがって、例えば、経口投与に適する製剤は、フレーバーを含んでいてもよい。
【0122】
本発明の化合物の治療有効量は、例えばヒトまたは動物の年齢および体重、処置が必要である正確な疾患状態およびその重篤度、製剤の性質および投与の方法を含む多数の要因に依存し、最終的には処置する医師または獣医師により決定される。しかし、本発明の化合物の有効量は、一般的に1日あたり0.1〜100mg/レシピエント(哺乳類)の体重1kgの範囲内、特に典型的には1日あたり1〜10mg/体重1kgの範囲内である。したがって、体重が70kgである成体の哺乳類についての1日あたりの実際の量は、通常70〜700mgであり、ここでこの量を、1日あたり個別の用量として、または通常1日あたり一連の部分用量(例えば2回分、3回分、4回分、5回分もしくは6回分など)において投与し、したがって合計の日用量が同一であるようにすることができる。塩もしくは溶媒和物の、またはその生理学的な機能的誘導体の有効量を、本発明の化合物自体の有効量の比として決定することができる。同様の用量が、前述の他の状態を処置するのに適すると、推測することができる。
【0123】
本発明はさらに、本発明の少なくとも1種の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩およびその立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)ならびに少なくとも1種の他の医薬活性成分を含む医薬に関する。
【0124】
本発明はまた、
(a)本発明の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに
(b)他の医薬活性成分の有効量
の個別のパックからなるセット(キット)に関する。
【0125】
当該セットは、好適な容器、例えば、箱、個別のビン、袋またはアンプルなどを含んでいてもよい。当該セットは、例えば個別のアンプルを含んでいてもよく、各々は、本発明の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、ならびに他の医薬活性成分の有効量を、溶解されたかまたは凍結乾燥された形態で含む。
【0126】
使用
本発明の化合物は、哺乳類のための、特にヒトのための、1型および2型糖尿病、肥満、神経障害および/または腎症の処置における医薬活性成分として適する。
【0127】
したがって、本発明は、請求項1に記載の化合物ならびに薬学的に使用可能な塩および立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の、1型および2型糖尿病、肥満、神経障害および/または腎症を処置するための医薬を調製するための使用に関する。
【0128】
本発明の化合物を、グルコキナーゼ活性の不十分なレベルにより媒介されるかまたはグルコキナーゼを活性化することにより処置することができる疾患または障害(真性糖尿病、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)およびIFG(空腹時高血糖)ならびに以下に記載するような他の疾患および障害が含まれるがこれらには限定されない)を処置するための予防薬または治療薬として用いることができる。
【0129】
さらに、本発明の化合物をまた、境界タイプ、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)またはIFG(空腹時高血糖)の真性糖尿病への進行を防止するために用いることができる。
【0130】
本発明の化合物をまた、糖尿病性合併症(例えば、これらに限定されないが、神経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧性昏睡など)、感染症(例えば呼吸器感染症、尿路感染症、消化管感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症など)、糖尿病性壊疽、口内乾燥、低下した聴覚、脳血管疾患、末梢循環障害など)の予防薬または治療薬として用いることができる。
【0131】
本発明の化合物をまた、疾患および障害、例えば、これらに限定されないが、肥満、メタボリックシンドローム(シンドロームX)、高インスリン血症、高インスリン血症により誘発された感覚障害、糖尿病性脂質異常症を含む異常βリポタンパク血症(血中の異常なリポタンパク質)、高脂血症、I型、II−a型(高コレステロール血症)、II−b型、III型、IV型(高トリグリセリド血症)およびV型(高トリグリセリド血症)を含む高リポタンパク血症(血中の過剰のリポタンパク質)、低HDLレベル、高LDLレベル、アテローム性動脈硬化症およびその続発症、血管再狭窄、神経変性疾患、抑うつ症、CNS障害、脂肪肝、骨粗鬆症、高血圧、腎臓疾患(例えば糖尿病性腎症、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、末期の腎臓障害など)、心筋梗塞、狭心症および脳血管疾患(例えば脳梗塞、脳卒中)の処置における予防薬または治療薬として用いることができる。
【0132】
本発明の化合物をまた、疾患および障害、例えば、これらに限定されないが、骨粗鬆症、脂肪肝、高血圧、インスリン抵抗性症候群、炎症性疾患(例えば慢性関節リウマチ、変形性脊椎炎、骨関節炎、腰痛、痛風、術後のまたは外傷性炎症、腫脹の寛解、神経痛、咽頭喉頭炎、膀胱炎、肝炎(非アルコール性脂肪性肝炎を含む)、肺炎、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎)、膵炎、内臓肥満症候群、悪液質(例えば癌性悪液質、結核性悪液質、糖尿病性悪液質、血液疾患性(hemopathic)悪液質、内分泌障害(endocrinopathic)悪液質、感染性悪液質、後天性免疫不全症候群により誘発される悪液質)、多嚢胞性卵巣症候群、筋ジストロフィー、腫瘍(例えば白血病、乳癌、前立腺癌、皮膚癌など)、過敏性腸症候群、急性または慢性下痢、変形性脊椎炎、骨関節炎、腫脹の寛解、神経痛、咽頭喉頭炎、膀胱炎、SIDSなどの処置における予防薬または治療薬として用いることができる。
【0133】
本発明の化合物を、以下に記載するような1種または2種以上の追加の薬物と組み合わせて用いることができる。第2の薬物の用量を、臨床的に用いる用量を基準にして適切に選択することができる。式Iで表される化合物と第2の薬物との比率を、投与対象、投与経路、標的疾患、臨床状態、組み合わせおよび他の要因に従って適切に決定することができる。投与対象がヒトである場合において、例えば第2の薬物を、式Iで表される化合物の1重量部あたり0.01〜100重量部の量で用いてもよい。
【0134】
薬学的組み合わせ製剤の第2の化合物または投与計画は、好ましくは式Iで表される化合物に対する補完的な活性を有し、したがってそれらは互いに悪影響を及ぼさない。そのような薬物は、意図される目的のために有効な量で組み合わせて好適に存在する。したがって、本発明の他の観点は、式Iで表される化合物またはその溶媒和物、代謝物または薬学的に許容し得る塩またはプロドラッグを、本明細書中に記載したもののような第2の薬剤と組み合わせて含む組成物を提供する。
【0135】
式Iで表される化合物および追加の薬学的に活性な剤(1種または2種以上)を、単一の医薬組成物中で一緒に、または別個に投与することができ、別個に投与する場合には、これは同時に、または任意の順序で連続して発生し得る。そのような連続的な投与は、時間的に接近していても時間的に離れていてもよい。式Iで表される化合物および第2の剤(1種または2種以上)の量ならびに投与の相対的なタイミングを、所望の組み合わせた治療的効果を達成するように選択する。
【0136】
併用療法により「相乗効果」が得られ、「相乗的である」ことが明らかになり得る。即ち、一緒に用いる活性成分が化合物を別個に用いることから生じる効果の総計よりも大きい場合に、当該効果が達成される。活性成分が:(1)同時処方され(co-formulated)、組み合わせた単位投与製剤において同時に投与もしくは送達され;(2)別個の製剤として交代により、もしくは平行して送達され;または(3)数種の他の計画による場合に、相乗効果は達成され得る。交代処置において送達される場合には、相乗効果を、当該化合物を例えば別個のシリンジにおける異なる注射により連続して投与または送達する際に達成することができる。一般的に、交代療法の間に、有効投与量の各々の活性成分は連続して、即ち連続的に投与され、一方併用療法において、有効投与量の2種または3種以上の活性成分を一緒に投与する。
【0137】
本発明の化合物を、上記で定義したように、例えば追加の薬物(1種または2種以上)、例えば真性糖尿病のための治療薬および/または糖尿病性合併症のための治療薬と組み合わせて用いることができる。
【0138】
式Iで表される化合物と組み合わせて用いることができる真性糖尿病のための既知の治療薬の例には、インスリン調製物(例えばウシまたはブタ膵臓から抽出した動物性インスリン調製物;大腸菌または酵母を用いた遺伝子工学手法により合成されたヒトインスリン調製物)、インスリンまたはその誘導体の断片(例えばINS−i)、インスリン抵抗性を改善するための剤(例えばピオグリタゾン塩酸塩、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、GI−262570、JTT−50 1、MCC−555、YM−440、KRP−297、CS−Oil、FK−614)、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤(例えばボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート)、ビグアナイド(例えばフェンホルミン、メトホルミン、ブホルミン)、インスリン分泌促進物質[スルホニル尿素(例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピジド、グリブゾール)、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニドまたはそのカルシウム塩水和物、GLP−1J、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例えばNVP−DPP−278、PT−100)、ベータ−3アゴニスト(例えばCL−3 16243、SR−58611−A、UL−TG−307、SB−226552、AJ−9677、BMS−l96085、AZ−40140など)、アミリンアゴニスト(例えばプラムリンチド)、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤(例えばバナジウム酸)、糖新生阻害剤(例えばグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト)、SGLT(ナトリウム−グルコース共輸送体)阻害剤(例えばT−1095)などが含まれる。
【0139】
糖尿病性合併症のための既知の治療薬の例には、アルドース還元酵素阻害剤(例えばトルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット、フィダレスタット(SNK−860)、CT−i 12)、神経栄養因子(例えばNGF、NT−3、BDNF)、神経栄養因子産生分泌促進剤、PKC阻害剤(例えばLY−333531)、AGE阻害剤(例えばALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、臭化N−フェナシルチアゾリウム(ALT766)、EXO−226)、活性酸素スカベンジャー(例えばチオクト酸)および脳血管拡張薬(例えばチアプリド、メキシレチン)が含まれる。
【0140】
本発明の化合物をまた、例えば抗脂質異常症薬と組み合わせて用いることができる。疫学的証拠により、高脂血症がアテローム性動脈硬化症により心血管疾患(CVD)を生じるにあたっての主要な危険因子であると確固として確立された。近年、CVDの防止における必須の段階として、血漿コレステロールレベルを低下することに対して、および特に低密度リポタンパク質コレステロールに対して強調がなされた。
【0141】
心血管疾患は、少なくとも部分的にこの集団において複数の独立した危険因子が存在するため、糖尿病の対象の中で特に一般的である。したがって、一般的な集団の、および特に糖尿病の対象の高脂血症の成功した処置は、特別に医学的に重要である。抗脂質異常症薬の例には、コレステロール合成阻害剤であるスタチン化合物(例えばセリバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フラバスタチン、ピタバスタチンもしくはそれらの塩など)、スクアレンシンターゼ阻害剤またはトリグリセリド低下作用を有するフィブラート化合物(例えばベザフィブラート、クロフィブラート、シンフィブラート、クリノフィブラート)などが含まれる。
【0142】
本発明の化合物をまた、例えば降圧薬と組み合わせて用いることができる。高血圧は、上昇した血中インスリン濃度、即ち高インスリン血症として知られている状態と関連している。インスリン、即ち主な作用がグルコース利用、タンパク質合成ならびに中性脂肪の生成および貯蔵を促進することであるペプチドホルモンはまた、血管細胞増殖を促進し、とりわけ腎臓ナトリウム保持を増大させる作用を奏する。これらの後者の機能は、グルコースレベルに影響を及ぼさずに達成され得、高血圧の既知の原因である。末梢血管系の発達により、例えば末梢の毛細管の狭窄が生じ得、一方ナトリウム保持により血液の容量が増大する。
【0143】
したがって、高インスリン血症患者におけるインスリンレベルの低下により、高いインスリンレベルにより生じる異常な血管成長および腎臓ナトリウム保持が防止され得、それにより高血圧が軽減される。降圧薬の例には、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えばカプトプリル、エナラプリル、デラプリル)、アンジオテンシンIIアンタゴニスト(例えばカンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン)、カルシウムアンタゴニスト(例えばマニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン、エホニジピン)およびクロニジンが含まれる。
【0144】
本発明の化合物を、抗肥満薬と組み合わせて用いることができる。用語「肥満」は、脂肪組織の過剰を暗示する。肥満は、多くの極めて一般的な疾患、例えば糖尿病、アテローム性動脈硬化症および高血圧の発生についての十分知られている危険因子である。ある程度は、食欲は視床下部中の別々の領域:視床下部(VLH)の腹外側核中の摂食中枢および視床下部腹内側核(VMH)中の満腹中枢により制御される。大脳皮質は、摂食することを刺激する摂食中枢から正の信号を受け、満腹中枢は、抑制活動電位を摂食中枢に伝送することによりこのプロセスを調節する。いくつかの調節プロセスにより、これらの視床下部中枢に影響が及び得る。満腹中枢は、食事に続く血漿グルコースおよび/またはインスリンの増大により活性化され得る。
【0145】
抗肥満薬の例には、中枢神経系に対して作用する抗肥満薬(例えばデクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキストロアンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス)、膵臓リパーゼ阻害剤(例えばオルリスタット)、ベータ−3アゴニスト(例えばCL−3 16243、SR−5861 1−A、UL−TG−307、SB−226552、AJ−9677、BMS−196085、AZ−40l40)、食欲抑制ペプチド(例えばレプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)およびコレシストキニンアゴニスト(例えばリンチトリプト、FPL−1 5849)が含まれる。
【0146】
アッセイ
グルコキナーゼ活性化スクリーニングアッセイ
GK活性(ヒトまたはラット酵素)を、ピルビン酸キナーゼ(PK)および乳酸脱水素酵素(LDH)を結合酵素として用いた、結合酵素アッセイにより測定する。GK活性を、マイクロタイタープレート(MTP)リーダーで340nmにて光度的にモニタリングしたNADHの低下から計算する。
【0147】
スクリーニング目的のために、GKアッセイを、384−MTP形式で33μl/ウェルの合計容量にてルーチン的に行う。10μlのATP再生溶液(HEPES緩衝液、pH7.0中、15μg/ml、6.73U/mlのピルビン酸キナーゼ、6.8U/mlの乳酸脱水素酵素)および10μlのグルコキナーゼ/グルコース溶液(HEPES緩衝液、pH7.0中、6.6mMのグルコース;グルコース原液の濃度はMilliporeHO中660mMであった)を、3.3倍量の化合物を含む3μlの10%DMSO溶液(HEPES緩衝液、pH7.0中)と混合して、アッセイ溶液中1nM〜30μM(場合によっては300μM)の範囲内の最終的な化合物濃度を達成した(以下を参照)。溶液を5秒間混合し、243×gにて5分間遠心分離した後、溶液を25分間室温にてプレインキュベートした。
【0148】
反応を、10μlのNADH/ATP溶液(HEPES緩衝液中、4.29mMのNADH、4.95mMのATP)を加えることにより開始した。MTPを5秒間振盪し、次に340nmにおける吸光度を、MTPリーダー(TECAN Spectro fluor plus)で次の27分にわたり(199秒のMTPサイクル時間で)連続的にモニタリングした。種々の成分の最終濃度は、以下の通りであった:49.5mMのHepes、pH7.0、1.49mMのPEP、1.3mMのNADH、49.5mMのKCl、4.96mMのMgCl、1.5mMのMg−ATP、1.98mMのDTT、2.04U/mlのピルビン酸キナーゼ、2.06U/mlの乳酸脱水素酵素、0.91%のDMSO、0.15g/ウェルのグルコキナーゼ、および試験化合物は1nM〜300μMの範囲内であった。
【0149】
対照インキュベーション(2mMのグルコースおよび0.91%のDMSOの存在下)のΔOD340nm,ctrlに対する、化合物の存在下での光学濃度の変化(ΔOD340nm)を、ブランク試料(2mMのグルコースの不存在下でのインキュベーション)の光学濃度を考慮して表した。最大半量の有効濃度(EC50)を決定するために、%Ctrl値を、片対数グラフ中に対象とする化合物の濃度に対してプロットした。データポイントを、非線形回帰分析によりシグモイド曲線関数(f(x)=((%−Ctrlmax−%−Ctrlmin)/(1−(EC50/x**n(Hill)))+%−Ctrlmin))に適合させた。
【0150】
Hepes緩衝液(50mMのHepes、pH7.0、5mMのMgCl、50mMのKCl、1.5mMのPEP、0.1%のBSA)。DTTをHepes緩衝液に、200×原液(MilliporeHO中)から新たに毎日加えた。Hepes緩衝液中のDTTの最終濃度は、2mMである。
【0151】
膵臓INS−1細胞の培養
INS−1細胞を、完全培地、すなわち1mMのピルビン酸ナトリウム、50μMの2−メルカプトエタノール、2mMのグルタミン、10mMのHEPES、100IU/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシン(CM)を含み、10mMのグルコースおよび10%(vol/vol)の熱不活性化胎児ウシ血清(FCS)を添加したRPMI1640中で、Asfari et al. (Endocrinology 130: 167-178, 1992)により記載されたとおりに培養した。
【0152】
インスリン分泌アッセイ
INS−1細胞を播種、48ウェルプレート中で培養した。2日間培養した後、培地を除去し、培地を5mMのグルコース、1%のFCSに変更して細胞を24時間培養した。次に、細胞をクレブス・リンゲル重炭酸塩HEPES緩衝液(KRBH;135mMのNaCl;3.6mMのKCl;5mMのNaHCO;0.5mMのNaHPO;0.5mMのMgCl;1.5mMのCaClおよび10mmのHEPES;pH7.4)、2.8mMのグルコースを含む0.1%のBSAで洗浄し、37℃にて30分間同一の緩衝液中でプレインキュベートした。次に、細胞を2回洗浄し、2.8または4.2mMのグルコースおよび種々の濃度の試験した分子を含むKRBH 0.1%BSA中で1時間インキュベートした。採集した上清中のインスリン濃度を、ラットインスリン抗体(Insulin Rat Elit PLUS, cat. ref 10-1145-01)を用いてELISAで測定した。
【0153】
本発明を例証するために、以下の例を包含させる。しかし、これらの例は本発明を限定せず、単に本発明を実施する方法を示唆することを意味するに過ぎないことを理解するべきである。
【0154】
当業者は、記載した化学反応を、本発明の多数の他のグルコキナーゼアクチベーターを調製するように容易に適合させてもよく、本発明の化合物を調製するための代替の方法は本発明の範囲内にあると見なされることを認識する。例えば、例示されていない本発明の化合物の合成を、当業者に明らかな変更により、例えば干渉する基を適切に保護することにより、記載したもの以外の当該分野において知られている他の好適な試薬を用いることにより、および/または反応条件のルーチンの変更を行うことにより成功裡に行うことができる。あるいはまた、本明細書中に開示したかまたは当該分野において知られている他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適用可能性を有すると認識される。
【0155】
本明細書中、すべての温度を℃で示す。以下の例において、「慣用の精製操作」は、以下のことを意味する:所要に応じて水を加え、pHを、最終生成物の構成に依存して所要に応じて2〜10に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物をシリカゲル上のクロマトグラフィーにより、および/または結晶化により精製する。シリカゲル上のRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール9:1。
質量分析法(MS):
EI(電子衝撃イオン化)M
FAB(高速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)(他に示さない限り)
【0156】
融点(mp.):融点を、BUCHI Melting Point B-540を用いて決定する。
【0157】
LC−MS−およびHPLC条件
以下に述べる例において、質量データはLC−MS測定からのものであり、それぞれのイオン(M+HまたはM+Na)をm/zとして示す:
以下の特徴を有するHP 1100シリーズのHewlett Packard System:イオン源:エレクトロスプレー(正のモード);走査:100〜1000m/z;断片化電圧:60V;ガス温度:300℃、DAD:220nm。
流量:2.4ml/分。用いたスプリッターにより、MSについてのDADの後の流量が0.75ml/分に減少した。
【0158】
カラム:Chromolith Speed ROD RP-18e 50-4.6
溶媒:Merck KGaA社からのLiChrosolv-quality
溶媒A:HO(0.01%のTFA)
溶媒B:ACN(0.01%のTFA)
方法A:2.8分において80%のA〜100%のB、続いて0.2分において100%のBおよび1分において80の%A;
方法B:95%のA〜100の%Bの3分における勾配、続いて0.8分において95%のA;
方法C:2分において90%のA〜100%のB、続いて3分において100%のBおよび1分において90%のA;
方法D:1分において100%のA。2.5分において100%のA〜100%のB、続いて1.5分において100%のBおよび1分において100%のA。
【0159】
例1
(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−アミン(「A1」)の調製
【化13】

1.1 アンモニウムチオシアネート(76mmol、1.2当量)をアセトン(75ml)に溶解し、塩化ベンゾイル(1当量)を滴加する。RTにて撹拌した20分後に、反応物を加熱還流する。アセトン(50ml)中の2−アミノ−5−ブロモピリジン(71mmol)を加え、30分間加熱還流する。その後、反応溶液を氷上に注ぐ。沈殿物を濾過し、水/メタノール(1:1)で洗浄する。沈殿物を2MのNaOH(120ml)に80℃にて溶解し、80℃にて10分間撹拌する。溶液をHCl溶液(5%)中に0℃にて注ぐ。溶液のpHを飽和NaCO溶液で8に調整する。得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄する。(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(「1」)が、40℃にて真空において乾燥した後に淡黄色固体として63%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.43分;LC−MS(方法A):1.062分、231.95(MH)。
【0160】
1.2 (5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(1mmol)をDMF(2ml)に溶解し、DMF(2ml)中の1−クロロ−プロパン−2−オン(1当量)を加え、70℃にて2時間撹拌する。RTに冷却した後に、反応溶液を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−(4−メチル−チアゾール−2−イル)−アミンが無色粉末として86%の収率において得られる;mp.241.5〜242.6℃;HPLC(方法C):1.55分、269.95(M+H);LC−MS(方法A):1.432分;
【数1】

【0161】
例2
(4−ブロモメチル−チアゾール−2−イル)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アミン(「A2」)の調製
【化14】

(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(2.5mmol)をDMF(5ml)に溶解し、1,3−ジブロモアセトン(1当量)を加え、70℃にて2時間撹拌する。RTに冷却した後に、反応溶液を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)の後に、(4−ブロモメチル−チアゾール−2−イル)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アミンが無色粉末として16%の収率で得られる。HPLC(方法C):1.92分;LC−MS(方法A):1.977分、347.95(M+H);
【数2】

【0162】
例3
(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−(4−イミダゾール−1−イルメチル−チアゾール−2−イル)−アミン(「A3」)の調製
【化15】

(4−ブロモメチル−チアゾール−2−イル)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アミン(64μmol、1当量)、イミダゾール(1当量)、KCO(3当量)およびヨウ化カリウム(0.1当量)をアセトニトリル(1ml)に溶解し、3時間加熱還流する。生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製する:「A3」が無色粉末として単離する(収率49%)。HPLC(方法C):1.55分、LC−MS(方法A):1.062分、335.95(M+H)。
【0163】
例4
2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(「A4」)の調製
【化16】

(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(1mmol)をDMF(2ml)に溶解し、3−ブロモ−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(1当量)を加え、70℃にて2時間撹拌する。懸濁液をDMF(2ml)で希釈する。RTに冷却した後に、反応溶液を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。「A4」が無色粉末として78%の収率において得られる;mp.299.8〜300.8℃;HPLC(方法C):2.01分;LC−MS(方法A):2.002分、327.95(M+H);
【数3】

【0164】
例5
酢酸2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イルメチルエステル(「A5」)の調製
【化17】

(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(1mmol)をDMF(2ml)に溶解し、酢酸3−クロロ−2−オキソ−プロピルエステル(1当量)を加え、70℃にて2時間撹拌する。RTに冷却した後に、反応溶液を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。「A5」が無色粉末として82%の収率において得られる;mp.200.9〜201.6℃;HPLC(方法C):1.80分;LC−MS(方法A):1.800分、327.95(M+H);
【数4】

【0165】
例6
[2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イル]−メタノール(「A6」)の調製
【化18】

酢酸2−(5−ブロモ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イルメチルエステル(0.29mmol)をエタノール(1ml)に懸濁させ、1MのNaOH(1ml)を加える。懸濁液をRTにて75分間撹拌する。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。「A6」が無色粉末として56%の収率において得られる;mp.207.0〜209.0℃;HPLC(方法C):1.41分;LC−MS(方法A):1.222分、285.95(M+H);
【数5】

【0166】
例7
[4−(2−アミノ−エチルスルファニルメチル)−チアゾール−2−イル]−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アミン(「A7」)の調製
【化19】

(4−ブロモメチル−チアゾール−2−イル)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−アミン(177μmol、1当量)、2−アミノ−チオエタノール(1.1当量)およびKCO(1.1当量)をエタノール(3ml)に溶解し、RTにて1時間撹拌する。溶媒を真空において除去し、残留物を0.5MのHClに溶解し、酢酸エチルで抽出する。水相を32%のNaOHでpH12〜14に調整し、酢酸エチルで抽出する。有機層を混ぜ合わせ、ブラインで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥する。生成物を分取逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)により精製する。「A7」が無色粉末として21%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.48分;LC−MS(方法A):1.108分、344.95(M+H);
【数6】

【0167】
例8
(5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A8」)の調製
【化20】

8.1 フェノール(25mmol)をDMF(30ml)に溶解し、NaH(1.1当量、流動パラフィン中の60%懸濁液)を0℃にて加える。DMF(20ml)中の5−ブロモ−2−ニトロピリジン(1.0当量)を加え、RTにて16時間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に褐色油として78%の収率において得られる;HPLC(方法A):1.95分;LC−MS:1.678分、217.15(M+H)。
【0168】
8.2 2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジン(11.3mmol)を酢酸(30ml)に35℃にて溶解する。水(30ml)を加えた後、亜鉛粉末(6当量)を加え、反応懸濁液を105℃に2.5時間にわたり加熱する。反応懸濁液をRTに冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(700ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで抽出し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミンがピンク色粉末として90%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.32分、LC−MS(方法A):0.531分、187.15(M+H)。
【0169】
8.3 5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミン(6.1mmol)をTHF(70ml)に溶解し、0℃に冷却し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.5当量)を加える。反応溶液を0℃にて3日間撹拌する。32%のNHOH(14ml)を加え、RTにて2時間撹拌する。溶媒を真空において除去し、水(100ml)を加える。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。(5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素がカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に無色粉末として52%の収率において得られる;LC−MS(方法A):1.525分、246.15(M+H)。
【0170】
8.4 (5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(0.3mmol)をDMF(1ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.1当量、水中55%)を加え、70℃にて2時間撹拌する。RTに冷却した後に、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。(5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミンが無色粉末として66%の収率において得られる;mp.161.4〜162.4℃;HPLC(方法C):1.69分;LC−MS(方法A):1.559分、270.15(M+H);
【数7】

【0171】
例9
酢酸2−(5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イルメチルエステル(「A9」)の調製
【化21】

(5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(0.86mmol)をDMF(1ml)に溶解し、1mlのDMF中の酢酸3−クロロ−2−オキソ−プロピルエステル(1.1当量)を加え、70℃にて2時間撹拌する。RTに冷却した後に、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。「A9」がカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に無色粉末として69%の収率において得られる;mp.158.5〜160.5℃;HPLC(方法C):1.89分;LC−MS(方法A):1.938分、342.15(M+H);
【数8】

【0172】
例10
[2−(5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イル]−メタノール(「A10」)の調製
【化22】

酢酸2−(5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミノ)−チアゾール−4−イルメチルエステル(0.44mmol)をエタノール(1.5ml)に懸濁させ、1MのNaOH(1.5ml)を加える。溶液をRTにて3時間撹拌する。反応溶液を水で希釈する。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。「A10」がベージュ色粉末として88%の収率において得られる;mp.130.0〜131.0℃;HPLC(方法C):1.64分;LC−MS(方法A):1.430分、300.15(M+H);
【数9】

【0173】
例11
(5−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A11」)の調製
【化23】

11.1 2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(2mmol)をDMF(2.5ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中の60%懸濁液)を加える。30分後、臭化ベンジル(1.1当量)を加え、反応物をRTにて16時間撹拌する。反応溶液を水で希釈し、メチルtert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に無色粉末として64%の収率において得られる;HPLC(方法C):2.09分;LC−MS(方法A):1.987分、263.95(M+H)。
【0174】
11.2 5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−ピリジン(0.53mmol)、ナトリウム−tert−ブチラート(1.4当量)、トリス−(ジベンジリデン−アセトン)−ジパラジウム(0.01当量)、BINAP(0.01当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.2当量)を、窒素の下でマイクロ波反応容器中に充填する。脱ガスしたトルエン(50当量)を加える。反応懸濁液を10分間120℃に加熱する。酢酸エチルを反応懸濁液に加え、セライトを通して濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。「A11」がカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に無色粉末として29%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.60分;LC−MS(方法A):1.008分、281.15(M+H);
【数10】

【0175】
例12
(5−フェニルスルファニル−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A12」)の調製
【化24】

12.1 (5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(2.5mmol)をDMF(5ml)に溶解し、クロロアセトアルデヒド(1.3当量、水中55%)を加え、70℃にて5時間撹拌する。RTに冷却した後に、反応溶液を水中に注ぎ、得られた沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において16時間乾燥する。(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミンが無色粉末として81%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.51分;LC−MS(方法A):1.464分、255.95(M+H)。
【0176】
12.2 (5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(0.66mmol)をTHFに溶解し、−70℃に冷却し、メチルリチウムを加える(1.3当量、ジエチルエーテル中5%)。15分後、n−ブチルリチウム(1.3当量、ヘキサン中15%)を−70℃にて加え、ジフェニルジスルフィド(7当量)を加え、反応溶液を−70℃にて4時間撹拌する。飽和NHCl溶液を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。「A12」が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)の後に無色粉末として20%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.83分;LC−MS(方法A):1.892分、285.95(M+H);
【数11】

【0177】
例13
(5−フェニルスルフィニル−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A13」)の調製
【化25】

(5−フェニルスルファニル−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(0.13mmol)をジクロロメタンに溶解し、0℃に冷却し、m−クロロ−過安息香酸(1当量)を加える。反応物を0℃にて30分およびRTにて2.5時間撹拌する。二亜硫酸ナトリウム(50ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層を飽和NaHCOで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。「A13」が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)の後に黄色粉末として44%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.41分;LC−MS(方法A):1.223分、301.95(M+H);
【数12】

【0178】
例14
(5−フェニルスルホニル−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A14」)の調製
【化26】

(5−フェニルスルファニル−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(0.07mmol)をジクロロメタンに溶解し、0℃に冷却し、m−クロロ−過安息香酸(3当量)を加える。反応物を0℃にて30分およびRTにて22時間撹拌する。二亜硫酸ナトリウム(40ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層を飽和NaHCOで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。「A14」が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル)の後に無色粉末として41%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.63分;LC−MS(方法A):1.537分、317.95(M+H);
【数13】

【0179】
例15
[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A20」)の調製
【化27】

段階A:5−クロロ−3−ピリジノール(15.3mmol)を濃HSO(15ml)に溶解する。5℃にて濃硝酸(0.9ml)を加える。反応混合物を6日にわたり室温に放置して加温する。反応溶液を氷(50ml)上に注ぎ、水(200ml)で希釈する。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、40℃にて真空において乾燥する。5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オールが黄色粉末として得られる;mp.97°;LC−MS(方法B):1.35分、175.1(M+H)。
【0180】
段階B:5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オール(1.15mmol)をDMF(2ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加え、懸濁液を室温にて45分間撹拌する。1−ブロモ−2−メトキシエタン(1当量)を加え、反応懸濁液を24時間にわたり100℃に加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−クロロ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジンがカラムクロマトグラフィーの後にベージュ色固体として60%の収率において得られる;mp.71.5〜72.5°;HPLC(方法C):1.63分;LC−MS(方法A):1.36分、232.95(M+H)。
【0181】
段階C:5−クロロ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジン(0.68mmol)をDMF(7ml)に溶解し、フェノール(3当量)およびKCO(4当量)を加える。反応混合物をマイクロ波中で30分間100℃に加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として62%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.93分;LC−MS(方法A):1.80分、291.15(M+H)。
【0182】
段階D:3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジン(0.4mmol)を酢酸(1.3ml)に溶解する。水(1.3ml)を加えた後、亜鉛粉末(6当量)を加え、反応懸濁液を3時間にわたり100℃に加熱する。反応懸濁液を室温に冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(30ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで抽出し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミンが褐色油として76%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.43分;LC−MS(方法A):0.808分、261.15(M+H)。
【0183】
段階E:3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミン(0.3mmol)をTHF(4ml)に溶解し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(4当量)を加える。反応溶液を19時間撹拌する。32%のNHOH(21当量)を加え、室温にて3時間撹拌する。水(50ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チオ尿素が褐色油として81%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.85分;LC−MS(方法A):1.68分、320.15(M+H)。
【0184】
段階F:[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チオ尿素(0.24mmol)をDMF(1ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.1当量、水中55%)を加え、100℃にて3時間撹拌する。室温に冷却した後、懸濁液を氷水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A20」)が逆相クロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に黄色固体として45%の収率において得られる;mp.140.6〜140.9°;HPLC(方法C):1.73分;LC−MS(方法A):1.589分、344.1(M+H);
【0185】
【数14】

【0186】
例16
(3−シクロペンチルオキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A21」)の調製
【化28】

段階A:5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オール(3.4mmol)をDMF(2ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加え、懸濁液を45分間室温にて撹拌する。ヨウ化シクロペンチル(1当量)を加え、反応懸濁液を100℃に24時間加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−クロロ−3−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−ピリジンがカラムクロマトグラフィーの後に黄色油として60%の収率において得られる;HPLC(方法C):2.11分;LC−MS(方法A):2.07分、243.10(M+H)。
【0187】
段階B:5−クロロ−3−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−ピリジン(0.8mmol)をDMF(8ml)に溶解し、フェノール(3当量)およびKCO(4当量)を加える。反応混合物をマイクロ波中で60分間100℃に加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として60%の収率において得られる;HPLC(方法C):2.23分;LC−MS(方法A):2.31分、301.15(M+H)。
【0188】
段階C:3−シクロペンチルオキシ−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジン(0.46mmol)を酢酸(1.5ml)に溶解する。水(1.5ml)を加えた後、亜鉛粉末(6.2当量)を加え、反応懸濁液を3時間100℃に加熱する。反応懸濁液を室温に冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(30ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミンが褐色油として72%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.43分;LC−MS(方法A):1.231分、271.15(M+H)。
【0189】
段階D:3−シクロペンチルオキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミン(0.33mmol)をTHF(5ml)に溶解し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(4当量)を加える。反応溶液を19時間撹拌する。32%のNHOH(20当量)を加え、室温にて3時間撹拌する。水(50ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。(3−シクロペンチルオキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素が褐色油として87%の収率において得られる;HPLC(方法C):2.13分;LC−MS(方法A):2.18分、330.15(M+H)。
【0190】
段階E:(3−シクロペンチルオキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(0.29mmol)をDMF(1ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.1当量、水中55%)を加え、100℃にて3時間撹拌する。室温に冷却した後、懸濁液を氷水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。(3−シクロペンチルオキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A21」)が逆相クロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に黄色固体として47%の収率において得られる;mp.:138.2〜139.7°;HPLC(方法C):2.00分;LC−MS(方法A):2.00分、354.1(M+H);
【0191】
【数15】

【0192】
例17
[5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A22」)の調製
【化29】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(1mmol)をDMF(2.5ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加える。30分後、1−ブロモ−2−メトキシ−エタン(1.1当量)を加え、反応溶液を3日間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ブロモ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジンがカラムクロマトグラフィーの後に無色粉末として42%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.48分;LC−MS(方法A):1.11分、231.95(M+H)。
【0193】
段階B:2−ブロモ−5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン(0.42mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.4当量)、トリス−(ジベンジリデン−アセトン)−ジパラジウム(0.1当量)、BINAP[=2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル](0.1当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.4当量)を、窒素の下でマイクロ波反応容器中に充填する。脱ガスしたトルエン(45当量)を加える。反応懸濁液を100分間120℃に、および30分間150℃に加熱する。酢酸エチルを反応懸濁液に加え、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。[5−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A22」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に黄色油として35%の収率において得られる:HPLC(方法C):1.16分;LC−MS(方法A):0.43分、249.15(M+H);
【0194】
【数16】

【0195】
例18
(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−(5−プロポキシ−ピリジン−2−イル)−アミン(「A23」)の調製
【化30】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(6mmol)をDMF(10ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加える。30分後、1−ヨードプロパン(1.1当量)を加え、反応溶液を18時間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ブロモ−5−プロポキシ−ピリジンが黄色油として87%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.93分;LC−MS(方法A):1.78分、215.95(M+H)。
【0196】
段階B:2−ブロモ−5−プロポキシ−ピリジン(0.96mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.4当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.3当量)を脱ガスしたジオキサン(2ml)に溶解し、80℃に加熱する。脱ガスしたジオキサン(1ml)中のクロロ−(ジ−2−ノルボルニルホスフィノ)(2−ジメチルアミノフェロセン−1−イル)パラジウム(II)(5.9mg)を加え、反応混合物をマイクロ波中で150℃に60分間加熱する。反応を酢酸エチル/メタノール(30ml、9:1)で停止し、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−(5−プロポキシ−ピリジン−2−イル)−アミン(「A23」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に無色粉末として43%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.41分;LC−MS(方法A):0.81分、233.0(M+H);
【0197】
【数17】

【0198】
例19
(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A24」)の調製
【化31】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(5mmol)をDMF(10ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加える。30分後、ヨードメタン(2当量)を加え、反応溶液を3日間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ブロモ−5−メトキシ−ピリジンが黄色油として79%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.49分;LC−MS(方法A):1.16分、187.95(M+H)。
【0199】
段階B:2−ブロモ−5−メトキシ−ピリジン(0.97mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.5当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.3当量)を脱ガスしたジオキサン(2ml)に溶解し、80℃に加熱する。脱ガスしたジオキサン(1ml)中のクロロ−(ジ−2−ノルボルニルホスフィノ)(2−ジメチルアミノフェロセン−1−イル)パラジウム(II)(5mg)を加え、反応を110℃にて20時間加熱する。反応物を酢酸エチル/メタノール(30ml、9:1)で停止し、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。(5−メトキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A24」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に無色粉末として55%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.09分;LC−MS(方法A):0.73分、205.0(M+H);
【0200】
【数18】

【0201】
例20
(5−シクロペンチルオキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A25」)の調製
【化32】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(3mmol)をDMF(10ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加える。30分後、ヨウ化シクロペンチル(2.2当量)を加え、反応溶液を120℃にて3日間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ブロモ−5−シクロペンチルオキシ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として45%の収率において得られる;HPLC(方法C):2.08分;LC−MS(方法A):2.05分、241.95(M+H)。
【0202】
段階B:2−ブロモ−5−シクロペンチルオキシ−ピリジン(0.97mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.4当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.2当量)を脱ガスしたジオキサン(2ml)に溶解し、80℃に加熱する。脱ガスしたジオキサン(1ml)中のクロロ−(ジ−2−ノルボルニルホスフィノ)(2−ジメチルアミノフェロセン−1−イル)パラジウム(II)(3mg)を加え、反応混合物をマイクロ波中で150℃にて1時間加熱する。反応を酢酸エチル/メタノール(30ml、9:1)で停止し、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。(5−シクロペンチルオキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A25」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に無色粉末として29%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.55分;LC−MS(方法A):0.97分、259.15(M+H);
【0203】
【数19】

【0204】
例21
(5−イソブトキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A26」)の調製
【化33】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(2mmol)をDMF(10ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加える。30分後、1−ブロモ−2−メチルプロパン(1.1当量)を加え、反応溶液を100℃にて3日間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ブロモ−5−イソブトキシ−ピリジンが逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に黄色油として19%の収率において得られる;HPLC(方法C):2.08分;LC−MS(方法A):2.05分、241.95(M+H)。
【0205】
段階B:2−ブロモ−5−イソブトキシ−ピリジン(0.38mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.4当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.2当量)を脱ガスしたジオキサン(2ml)に溶解し、80℃に加熱する。脱ガスしたジオキサン(1ml)中のクロロ−(ジ−2−ノルボルニルホスフィノ)(2−ジメチルアミノフェロセン−1−イル)パラジウム(II)(3mg)を加え、反応物をマイクロ波中で150℃にて1時間加熱する。反応を酢酸エチル/メタノール(30ml、9:1)で停止し、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。(5−イソブトキシ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A26」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後に無色粉末として33%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.57分;LC−MS(方法A):0.936分、247.15(M+H);
【0206】
【数20】

【0207】
例22
[5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A27」)の調製
【化34】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(2mmol)、4−フルオロ−フェニルメチルスルホン(1当量)およびKCO(1当量)を、DMSO(4ml)に溶解する。反応溶液をマイクロ波中で180℃に10分間加熱する。反応物をジクロロメタンで希釈し、1NのNaOHおよびブラインで抽出する。有機層をMgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。2−ブロモ−5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に無色粉末として31%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.71分;LC−MS(方法A):1.46分、327.95(M+H)。
【0208】
段階B:2−ブロモ−5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ピリジン(0.47mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.4当量)および1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(1.2当量)を脱ガスしたジオキサン(2.5ml)に溶解し、80℃に加熱する。脱ガスしたジオキサン(1ml)中のクロロ−(ジ−2−ノルボルニルホスフィノ)(2−ジメチルアミノフェロセン−1−イル)パラジウム(II)(5.9mg)を加え、反応混合物をマイクロ波中で142℃にて1時間加熱する。反応を酢酸エチル(30ml)で停止し、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。[5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−ピリジン−2−イル]−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−アミン(「A27」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後にオレンジ色粉末として55%の収率において得られる;HPLC(方法C):1.57分;LC−MS(方法A):0.787分、345.15(M+H);
【0209】
【数21】

【0210】
例23
[3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A28」)の調製
【化35】

段階A:5−クロロ−3−ピリジノール(382mmol)を濃HSO(375ml)に溶解する。5℃にて、濃硝酸(25ml)を加える。反応物を3時間にわたり室温に放置して加温する。反応溶液を氷水(5000ml)上に注ぐ。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空において40℃にて一晩乾燥する。5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オールが黄色粉末として74%の収率において得られる。mp.:97℃;LC−MS(方法B):1.35分、175.1(MH)。
【0211】
段階B:5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オール(5.7mmol)をTHF(35ml)およびトリフェニルホスフィン(2当量)に溶解し、1−メトキシ−2−プロパノール(1当量)を0℃にて加える。THF(10ml)中のアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.5当量)を加えた後、反応物を0℃にて5時間撹拌する。溶媒を真空において除去する。5−クロロ−3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色固体として100%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.81分;LC−MS(方法A):1.64分、247.05(MH)。
【0212】
段階C:5−クロロ−3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジン(2mmol)をDMF(15ml)に溶解し、フェノール(3当量)およびKCO(4当量)を加える。反応物を45分間マイクロ波中で100℃に加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として22%の収率において得られる。HPLC(方法C):2.03分;LC−MS(方法A):1.99分、305.15(MH)。
【0213】
段階D:3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジン(0.4mmol)を酢酸(1.5ml)に溶解する。水(1.5ml)を加えた後、亜鉛粉末(6当量)を加え、反応懸濁液を90分間100℃に加熱する。反応懸濁液を室温に冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(30ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで抽出し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミンが黄色粉末として64%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.51分、LC−MS(方法A):0.923分、275.15(MH)。
【0214】
段階E:3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミン(0.28mmol)をTHF(4ml)に溶解し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(4当量)を加える。反応溶液を22時間撹拌する。32%のNHOH(20当量)を加え、室温にて2時間撹拌する。水(60ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チオ尿素が黄色油として70%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.93分;LC−MS(方法A):1.85分、334.15(MH)。
【0215】
段階F:[3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チオ尿素(0.2mmol)をDMF(1ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.0当量、水中55%)を加え、100℃にて3時間撹拌する。室温に冷却した後、懸濁液を氷水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[3−(2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A28」)が逆相カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水+0.1%のTFA)の後に黄色固体として46%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.80分;LC−MS(方法A):1.72分、358.15(MH);
【0216】
【数22】

【0217】
2種の鏡像異性体を、超臨界流体クロマトグラフィー(溶媒系COメタノールを用いたカラムChiralpak ADH)の後に単離することができる。
先ずカラムから[3−((R)−2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A28a」);
第2にカラムから[3−((S)−2−メトキシ−1−メチル−エトキシ)−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A28b」)。
【0218】
例24
(3−シクロペンチルメトキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A29」)の調製
【化36】

段階A:5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オール(5.7mmol)をTHF(35ml)およびトリフェニルホスフィン(2当量)に溶解し、シクロペンチルメタノール(1当量)を0℃にて加える。THF(10ml)中のアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(1.5当量)を加えた後、反応物を0℃にて5時間撹拌する。溶媒を真空において除去する。5−クロロ−3−シクロペンチルメトキシ−2−ニトロ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色固体として74%の収率において得られる。HPLC(方法C):2.23分;LC−MS(方法A):2.27分、257.05(MH)。
【0219】
段階B:5−クロロ−3−シクロペンチルメトキシ−2−ニトロ−ピリジン(1.3mmol)をDMF(10ml)に溶解し、フェノール(3当量)およびKCO(4当量)を加える。反応物を45分間マイクロ波中で100℃に加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−シクロペンチルメトキシ−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として94%の収率において得られる。HPLC(方法C):2.31分;LC−MS(方法A):2.48分、315.15(MH)。
【0220】
段階C:3−シクロペンチルメトキシ−2−ニトロ−5−フェノキシ−ピリジン(1.2mmol)を酢酸(4ml)に溶解する。水(4ml)を加えた後、亜鉛粉末(6当量)を加え、反応懸濁液を90分間100℃に加熱する。反応懸濁液を室温に冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(30ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで抽出し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−シクロペンチルメトキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミンが黄色粉末として80%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.83分、LC−MS(方法A):1.486分、285.15(MH)。
【0221】
段階D:3−シクロペンチルメトキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イルアミン(0.97mmol)をTHF(10ml)に溶解し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(4当量)を加える。反応溶液を22時間撹拌する。32%のNHOH(20当量)を加え、室温にて2時間撹拌する。水(250ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。(3−シクロペンチルメトキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素が黄色固体として70%の収率において得られる。HPLC(方法C):2.24分;LC−MS(方法A):2.372分、344.15(MH)。
【0222】
段階E:(3−シクロペンチルメトキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チオ尿素(0.68mmol)をDMF(3ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.0当量、水中55%)を加え、100℃にて3時間撹拌する。室温に冷却した後、懸濁液を氷水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。(3−シクロペンチルメトキシ−5−フェノキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A29」)が逆相カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水+0.1%のTFA)の後に黄色固体として43%の収率において得られる。HPLC(方法C):2.03分;LC−MS(方法A):2.22分、368.15(MH);
【0223】
【数23】

【0224】
例25
(5−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A30」)の調製
【化37】

段階A:2−ブロモ−5−ヒドロキシピリジン(3mmol)をDMF(2.5ml)に溶解し、NaH(1.4当量、流動パラフィン中60%懸濁液)を加える。30分後、臭化ベンジル(1.1当量)を加え、反応溶液を24時間撹拌する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をNaSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−ピリジンがカラムクロマトグラフィーの後に褐色油として80%の収率において得られる。HPLC(方法C):2.01分;LC−MS(方法A):1.97分、264.00(MH)。
【0225】
段階B:5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−ピリジン(0.25mmol)、ナトリウムtert−ブチラート(1.4当量)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0.1当量)、ビス−(2−ジフェニルホスフィノフェニル)−エーテル(0.4当量)および2−アミノ−チアゾール(1.5当量)を、窒素の下でマイクロ波反応容器中に充填する。脱ガスしたトルエン(45当量)を加える。反応懸濁液を150℃に60分間および180℃に60分間加熱する。酢酸エチルを反応懸濁液に加え、セライト上で濾過する。濾液の溶媒を真空において除去する。(5−ベンジルオキシ−ピリジン−2−イル)−チアゾール−2−イル−アミン(「A30」)が逆相カラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル+0.1%のTFA)の後にオレンジ色油として34%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.69分;LC−MS(方法A):1.44分、285.15(MH);
【0226】
【数24】

【0227】
例25b
[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A31」)の調製
【化38】

段階A:5−クロロ−2−ニトロ−ピリジン−3−オール(86mmol)をTHF(300ml)およびトリフェニルホスフィン(2当量)に溶解し、エチレングリコールモノメチルエーテル(1当量)を0℃にて加える。THF(100ml)中のアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(2当量)を加えた後、反応物を室温にて5時間撹拌する。溶媒を真空において除去する。5−クロロ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色固体として90%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.59分;LC−MS(方法A):1.47分、233.1(MH)。
【0228】
段階B:5−クロロ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジン(2.6mmol)をDMF(12ml)に溶解し、3−ヒドロキシピリジン(3当量)およびKCO(4当量)を加える。反応物を45分間マイクロ波中で120℃に加熱する。溶媒を真空において除去し、水(200ml)に溶解し、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として20%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.23分;LC−MS(方法A):1.18分、292.15(MH)。
【0229】
段階C:3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン(0.52mmol)を酢酸(50当量)に溶解する。水(1.5ml)を加えた後、亜鉛粉末(6.3当量)を加え、反応懸濁液を90分間105℃に加熱する。反応懸濁液を室温に冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(30ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−イルアミンが黄色油として93%の収率において得られる。HPLC(方法C):0.44分、LC−MS(方法A):0.46分、262.15(MH)。
【0230】
段階D:3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−イルアミン(0.48mmol)をTHF(7ml)に溶解し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(4当量)を加える。反応溶液を2日間撹拌する。32%のNHOH(20当量)を加え、室温にて4時間撹拌する。溶媒を真空において除去し、水(150ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−イル]−チオ尿素が黄色固体として69%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.15分;LC−MS(方法A):0.9分、321.15(MH)。
【0231】
段階E:[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−イル]−チオ尿素(0.34mmol)をDMF(1.2ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.0当量、水中55%)を加え、120℃にて90分間撹拌する。室温に冷却した後、懸濁液を氷水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[3−(2−メトキシ−エトキシ)−5−(ピリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A31」)が逆相カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水+0.1%のTFA)の後に黄色固体として37%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.17分;LC−MS(方法A):1.07分、345.15(MH);
【0232】
【数25】

【0233】
例26
[5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A32」)の調製
【化39】

段階A:5−クロロ−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジン(2.6mmol)をDMF(12ml)に溶解し、4−(メチルスルホニル)フェノール(3当量)およびKCO(4当量)を加える。反応物を45分間マイクロ波中で120℃に加熱する。反応溶液を水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジンがカラムクロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル)の後に黄色油として15%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.65分;LC−MS(方法A):1.534分、369.1(MH)。
【0234】
段階B:5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−2−ニトロ−ピリジン(0.39mmol)を酢酸(4ml)に溶解する。水(1.2ml)を加えた後、亜鉛粉末(6.3当量)を加え、反応懸濁液を90分間105℃に加熱する。反応懸濁液を室温に冷却し、濾過する。濾液を3.5%のNaOH(30ml)中に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、溶媒を真空において除去する。5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミンが黄色油として96%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.21分、LC−MS(方法A):0.55分、339.15(MH)。
【0235】
段階C:5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イルアミン(0.37mmol)をTHF(5.5ml)に溶解し、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(4当量)を加える。反応溶液を3日間撹拌する。32%のNHOH(20当量)を加え、室温にて4時間撹拌する。水(150ml)を加え、ジクロロメタンで抽出する。混ぜ合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−チオ尿素が褐色油として75%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.60分;LC−MS(方法A):1.37分、398.15(MH)。
【0236】
段階D:[5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−チオ尿素(0.28mmol)をDMF(1ml)に溶解し、クロロ−アセトアルデヒド(1.1当量、水中55%)を加え、100℃にて3時間撹拌する。室温に冷却した後、懸濁液を氷水中に注ぎ、メチル−tert−ブチルエーテルで抽出する。混ぜ合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を真空において除去する。[5−(4−メタンスルホニル−フェノキシ)−3−(2−メトキシ−エトキシ)−ピリジン−2−イル]−チアゾール−2−イル−アミン(「A32」)が逆相カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水+0.1%のTFA)の後に黄色固体として22%の収率において得られる。HPLC(方法C):1.52分;LC−MS(方法A):1.37分、422.15(MH);
【0237】
【数26】

【0238】
例23〜27と同様にして、以下の化合物が得られる。
【表1】

【0239】
【表2】

【0240】
【表3】

【0241】
【表4】

【0242】
【表5】

【0243】
【表6】

【0244】
【表7】

【0245】
【表8】

【0246】
【表9】

【0247】
【表10】

【0248】
【表11】

【0249】
【表12】

【0250】
【表13】

【0251】
【表14】

【0252】
前の例と同様にして、以下の化合物が得られる。
【表15】

【0253】
【表16】

【0254】
【表17】

【0255】
【表18】

【0256】
【表19】

【0257】
薬理学的データ
【表20】

【0258】
以下の例は、医薬製剤に関する:
例A:注射バイアル
100gの本発明の活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムを3lの再蒸留水(bidistilled water)に溶解した溶液を、2N塩酸を用いてpH6.5に調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々の注射バイアルは、5mgの活性成分を含む。
【0259】
例B:座剤
20gの本発明の活性成分の100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターとの混合物を、溶融し、型中に注入し、放冷する。各々の座剤は、20mgの活性成分を含む。
【0260】
例C:溶液
1gの本発明の活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから、940mlの再蒸留水中に溶液を調製する。pHを6.8に調整し、溶液を1lにし、放射線により滅菌する。この溶液を、点眼剤の形態で用いることができる。
【0261】
例D:軟膏
500mgの本発明の活性成分を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混合する。
【0262】
例E:錠剤
1kgの本発明の活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を、慣用の方法で圧縮して、錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性成分を含むようにする。
【0263】
例F:糖衣錠
例Eと同様にして錠剤を圧縮し、その後慣用の方法で、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の被膜で被覆する。
【0264】
例G:カプセル
2kgの本発明の活性成分を、硬質ゼラチンカプセル中に慣用の方法で導入して、各々のカプセルが20mgの活性成分を含むようにする。
【0265】
例H:アンプル
1kgの本発明の活性成分を60lの再蒸留水に溶解した溶液を、滅菌濾過し、アンプル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥し、滅菌条件下で密封する。各々のアンプルは10mgの活性成分を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、S(O)12、NR1011、NO、CN、COOR10、CONR1011、NR10COR11、NR10CONR1011、NR10SO11、COR10、SOH、SONR1011、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12、O[C(R12CONR1011、O−Alk−NR10COR11、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し、
Dは、
【化2】

を示し、
、R、R、Rは、各々、互いに独立してH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212、S(O)12、NR1011、CN、COOR10、CONR1011、NR10COR11、NR10CONR1011、NR10SO11、COR10、SOH、SONR1011、O−Alk−NR1011、O[C(R12CONR1011、O−Alk−NR10COR11、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し、
は、H、A、S(O)[C(R1210、CONR1011、COR10、SONR1011、[C(R12Arまたは[C(R12Hetを示し、
10、R11は、各々、互いに独立してH、A、ArまたはHetを示し、
Aは、1〜10個のC原子を有し、ここで1つもしくは2つの隣接していないCH基が、O、S、SO、SO、NH、NA’、NAr、NHetおよび/またはCH=CH−基により置き替えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子が、F、Cl、Br、=S、=NR12および/または=Oにより置き替えられていてもよい、非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるか、または=O、F、Cl、OH、OA’、OAr’、OHet’、SOA’、SOAr’、SOHet’、NH、NHA’、NA’、NHAr’および/またはNHHet’により単置換、二置換もしくは三置換されているシクロアルキルを示し、
A’は、1〜6個のC原子を有し、ここで1〜7個のH原子が、Fおよび/またはClにより置き替えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
Alkは、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
Arは、各々が非置換であるか、またはA、Hal、[C(R12Ar’、[C(R12Het’、O[C(R1212、S(O)12、NH、NHA’、NA’、NHAr’、NHHet’、NO、CN、COOR12、CON(R12、NR12COR12、NR12CON(R12、NR12SO12、COR12、SOH、SON(R12、O−Alk−N(R12、O[C(R12CON(R12、O−Alk−NR12COR12、O[C(R12Het’、O[C(R12Ar’、S(O)[C(R12Het’および/またはS(O)[C(R12Ar’により単置換、二置換、三置換、四置換もしくは五置換されているフェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、
Hetは、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、Hal、A、[C(R12Ar’、[C(R12Het’、O[C(R12Ar’、O[C(R12Het’、[C(R12シクロアルキル、[C(R12OR12、[C(R12N(R12、NO、CN、[C(R12COOR12、O[C(R12COOR12、[C(R12CON(R12、[C(R12CONR12N(R12、O[C(R12CON(R12、O[C(R12CONR12N(R12、[C(R12NR12COA、NR12CON(R12、[C(R12NR12SOA、COR12、SON(R12、S(O)A、=S、=NRおよび/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよい、単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
Ar’は、各々が非置換であるか、またはHal、A、OR12、N(R12、NO、CN、COOR12、CON(R12、NR12COA、NR12CON(R12、NR12SOA、COR12、SON(R12、S(O)A、[C(R12COOR12および/またはO[C(R12COOR12により単置換、二置換もしくは三置換されている、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを示し、
Het’は、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、Hal、A、OR12、N(R12、NO、CN、COOR12、CON(R12、NR12COA、NR12SOA、COR12、SON(R12、S(O)A、=S、=NR12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換、二置換または三置換されていてもよい、単環式または二環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
12は、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
mは、0、1、2、3または4を示し、
nは、0、1または2を示し、
ただし、Dがチアゾールを示す場合には、RはOCHArまたはOCHHetとは等しくない、
で表される化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項2】
、R、R、Rが、各々、互いに独立してH、A、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12Het、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12またはS(O)[C(R12Arを示す、
請求項1に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項3】
が、H、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12または[C(R12O[C(R1212を示す、
請求項1または2に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項4】
が、Hを示す、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項5】
が、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示す、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項6】
が、Hal、[C(R12Ar、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12ArまたはS(O)[C(R12Arを示す、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項7】
が、Hを示す、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項8】
、R、R、Rが、各々、互いに独立してH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示す、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項9】
が、Hを示す、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項10】
が、H、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示す、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項11】
が、Hを示す、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項12】
が、Hを示す、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項13】
が、H、Aまたは[C(R12Hetを示す、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項14】
10、R11が、各々、互いに独立してHまたはAを示す、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項15】
Aが、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基がO、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示す、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項16】
Arが、それが、非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示す、
請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項17】
Hetが、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示す、
請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項18】
Hetが、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニルまたはピペラジニルを示し、それらの各々が非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されている、
請求項1〜17のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項19】
、R、R、Rが、各々、互いに独立してH、A、Hal、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12O[C(R1212、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、S(O)[C(R12HetまたはS(O)[C(R12Arを示し、
Dが、
【化3】

を示し、
、R、R、Rが、各々、互いに独立してH、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し、
が、H、Aまたは[C(R12Hetを示し、
10、R11が、各々、互いに独立してHまたはAを示し、
Aが、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基が、O、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Alkが、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
Arが、それが、非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示し、
Hetが、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
12が、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを示し、
mが、0、1、2、3または4を示し、
nが、0、1または2を示し、
ただし、Dがチアゾールを示す場合には、RはOCHArまたはOCHHetとは等しくない、
請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項20】
が、H、O[C(R12Het、O[C(R12Ar、O−Alk−NR1011、O−Alk−O−Alk−NR1011、O−Alk−O−R12または[C(R12O[C(R1212を示し、
が、Hを示し、
が、Hal、[C(R12Ar、[C(R12O[C(R1212、O[C(R12Het、O[C(R12ArまたはS(O)[C(R12Arを示し、
が、Hを示し、
Dが、
【化4】

を示し、
が、Hを示し、
が、H、A、[C(R12Ar、[C(R12Het、[C(R12OCOA、[C(R12O[C(R1212またはCOOR12を示し、
が、Hを示し、
が、Hを示し、
が、H、Aまたは[C(R12Hetを示し、
10、R11が、各々、互いに独立してHまたはAを示し、
Aが、1〜10個のC原子を有し、ここで1つまたは2つの隣接していないCH基が、O、Sおよび/またはNHにより置き換えられていてもよく、かつ/またはさらに1〜7個のH原子がF、Clおよび/またはBrにより置き換えられていてもよい、非分枝状または分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Alkが、1、2、3または4個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキレンを示し、
Arが、それが、非置換であるかまたはO[C(R1212、S(O)12もしくはSON(R12により単置換されているフェニルを示し、
Hetが、1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有し、非置換であるかまたはA、[C(R12CON(R12および/または=O(カルボニル酸素)により単置換もしくは二置換されていてもよい、単環式の飽和、不飽和または芳香族複素環を示し、
12が、Hまたは1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分枝状もしくは分枝状アルキルを示し、
あるいは
3〜7個のC原子を有し、非置換であるかまたは=Oにより単置換されているシクロアルキルを示し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを示し、
mが、0、1、2、3または4を示し、
nが、0、1または2を示し、
ただし、Dがチアゾールを示す場合には、RはOCHArまたはOCHHetとは等しくない、
請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項21】
12が、Hを示す、
請求項1〜20のいずれか一項に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項22】
以下の群
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

から選択される、請求項1に記載の化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の式Iで表される化合物、またはそれらの薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体の調製方法であって、
a)式I中、
Dは
【化5】

を示し、
式II
【化6】

式中、
、R、RおよびRは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、式III
【化7】

式中、
LはCl、Br、Iまたは遊離の、もしくは反応的に機能的に修飾されたOH基を示し、
およびRは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、
あるいは、
b)式I中、
Dは
【化8】

を示し、
式IV
【化9】

式中、
、R、R、RおよびHalは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物を、式V
D−NH
式中、Dは
【化10】

を示し、
、RおよびRは請求項1に示した意味を有する、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、
あるいは、
c)式Iで表される化合物において、ラジカルRを他のラジカルR
i)ハロゲン基を芳香族複素環に変換すること;
ii)エステルをアルコール基に変換すること
により変換する、
かつ/または
式Iで表される塩基または酸をその塩の1種に変換する、
前記方法。
【請求項24】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物、ならびに任意に賦形剤および/またはアジュバントを含む、医薬。
【請求項25】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物または、その薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物の、グルコキナーゼの活性低下に起因するか、またはグルコキナーゼを活性化することにより処置することができる疾患または状態を処置するための医薬の調製のための使用。
【請求項26】
疾患または状態がインスリン依存性真性糖尿病、非インスリン依存性真性糖尿病、肥満、神経障害および/または腎症である、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
請求項1〜22のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体、またはすべての比率でのそれらの混合物、ならびに少なくとも1種のさらなる医薬活性成分を含む、医薬。
【請求項28】
(a)請求項1〜22のいずれか一項に記載の化合物および/またはその薬学的に使用可能な塩もしくは立体異性体(すべての比率でのその混合物を含む)の有効量、
ならびに
(b)他の医薬活性成分の有効量
の個別のパックからなる、セット(キット)。

【公表番号】特表2010−540667(P2010−540667A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528282(P2010−528282)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006649
【国際公開番号】WO2009/046784
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】