説明

ケラチンベースの基質を洗浄及び/又はコンディショニングするためのカチオン性ポリマーと両性ポリマーとの相乗的組合わせ

【課題】界面活性剤とコンディショニング成分とを含む組成物、及びケラチンベースの基質、例えば毛髪、皮膚、及び爪を洗浄及び/又はコンディショニングする処理方法を提供する。
【解決手段】(a)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双性イオン性界面活性剤を含んでいてもよい界面活性剤成分;(b)水溶性有機両性ポリマーコンディショニング剤;(c)水溶性有機カチオン性ポリマーコンディショニング剤;(d)場合によっては水不溶性液体;及び(e)水性キャリヤーを含む、ケラチンコンディショニング組成物である。該コンディショニング組成物は、場合によっては、シリコーン及び/又は有機水不溶性液体を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤とコンディショニング成分とを含む組成物に関する。本発明はまた、ケラチンベースの基質、例えば毛髪、皮膚、及び爪を処理する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
きれいな人間の髪は、環境と接触することによって、また頭から分泌された皮脂の付着によって、その「汚れた」状態にすぐに戻る。短時間(1日〜数日)内に、毛髪は「汚れている」ように見え始め、「汚れている」感じがし始める。現代の文化では、この外見と感触は、許容しえないものと考えられ、これによって本人は毛髪を頻繁にシャンプーする必要がある。いくつかの国々では、毎日のヘアシャンプーは、実際に髪が「汚く」なっていてもいなくても、適切な衛生のための普通の必要条件と考えられている。
【0003】
シャンプーは、皮脂と共に環境汚染源を除去することによって髪をきれいにする。しかしながらシャンプーは、天然の油及びその他の加湿物質をも取除く。髪がかなりの長さを有するならば、髪はもつれることがあり、まとめられなくなる。髪はひとたび乾燥すると、その輝きと光沢を失ってしまい、乾燥してちりちりになることがある。毛髪はまた、乾燥した時に静電荷を保持することがあり、その結果「ほつれた髪」となる。このシャンプーの時にシャワーを使うなら、天然の油等は、皮膚と爪からも取除かれる。
【0004】
この毛髪の問題は、現代になって表面化したので、頻繁なシャンプーから生じる問題を修正又は最小限にするための解決法が開発された。最初の許容し得る解決法は、一般に髪がシャンプー直後にまだ濡れている間に、ヘアコンディショナー及びヘアリンスをシャンプー後につける必要があった。これらのコンディショナー及びリンスは、十分な処理を可能にする時間の間毛髪上に放置し、ついて水で濯ぐことによって除去された。これらの解決法は、最近になって、不便で時間がかかると考えられた。この問題への解決法は、コンディショナーをシャンプーそれ自体の中に組込むことであり、このようにして「コンディショニングシャンプー」が登場した。
【0005】
コンディショナー又はコンディショニング剤を含むシャンプーは、様々な理由で完全に満足すべきものではなかった。毛髪は、ケラチン、すなわち硫黄含有繊維質タンパク質から構成されている。ケラチン、より特定すれば毛髪の等電点は一般に、pH3.2〜4.0の範囲にある。従って典型的なシャンプーのpH(約5.5〜6.5)において、毛髪は実効陰電荷を有する。従ってカチオン性ポリマーは、これらの陽電荷によって、毛髪の湿潤及び乾燥の適合性を改良するために、長い間シャンプー配合物のコンディショナーとして、あるいは別々の処理として用いられていた。皮膜形成と共に陰電荷の毛髪用カチオン性ポリマーがかなり存在することによって、濡れた毛髪を梳かしている間もつれを取ることが容易にされ、乾いた髪を梳かしている間静的状態であまり髪が飛ばないようになる。カチオン性ポリマーは一般にまた、毛髪に柔らかさとしなやかさをも与える。
【0006】
カチオン性ポリマーが、良好な洗浄のアニオン性界面活性剤を含むシャンプーに添加された時、高度に界面活性な会合錯体の形成が一般に生じる。これによって、改良された泡安定性がシャンプーに与えられるが、不十分なコンディショニングを生じる。最大の界面活性及び泡安定性、あるいは泡立ちは、アニオン性界面活性剤:カチオン性ポリマーの近い化学量論比において得られる。ここにおいてこの錯体はほとんど水溶性でない。しかしながらカチオン性コンディショナーは、これらの比において幾分不相溶性を示す。相溶性は、商品としてはより望ましい透明な配合物を生じるが、一方、不相溶性は曇り又は沈殿を生じ、いくつかの配合物においてこれは美的にあまり望ましくない。さらにはカチオン性界面活性剤が、1つの成分としてシャンプーに添加される時、これらは、柔らかさの点で毛髪に最適な全体的コンディショニングを与えず、毛髪上に蓄積される傾向があり、その結果きれいでない感触を生じる。
【0007】
様々なシリコーンが、良好な洗浄のアニオン性界面活性剤を含むシャンプーに添加された時、改良されたコンディショニング特性が見られる。しかしながらシリコーンは、シャンプー使用が繰返された後で髪に蓄積され、髪はきれいでない脂っぽい外見になる傾向がある。
【0008】
シリコーンとカチオン性ポリマーとの組合わせは、前記欠点を解消する試みとして開示されているが、これらは、シャンプー使用が繰返された後で、髪をきれいで脂っぽくない外見に維持しつつ、最適なコンディショニング特性をもたらすには至らない。
【0009】
優れたコンディショニング特性を与えるポリ両性電解質コンディショニングポリマーが開示されているが、これらの物質は、乾いた髪に、所望の柔らかい輝きのある外見をもたらさない。
【0010】
洗浄力とヘアコンディショニングとの最適な組合わせを与えるこれらの試みにもかかわらず、さらに改良されたヘアコンディショニングシャンプー組成物を提供することは依然として望ましい。例えば、全体的なコンディショニング、特にコンディショニング物質を含むシャンプーで処理された髪の、輝き及び光沢、乾燥時及び湿潤時の梳かしやすさ、及び乾いた髪の感触を改良することが依然として望ましい。カチオン性物質と組合わせて油性物質を含むシャンプーについては、全体的なコンディショニングを改良することが依然として望ましい。特に湿潤時の梳かしやすさともつれ取り、乾燥時の梳かしやすさ、及び乾いた髪の感触である。しかしながらコンディショニング成分のうちの1つ又は両方のレベルを単純に増加させた結果、不都合な作用、例えば脂っぽい髪の感触及び豊かさの喪失を生じることがある。これらの欠点を伴わずにコンディショニングを改良することが望ましい。
【0011】
過剰なコンディショニング剤の使用による蓄積と関連したあらゆる不都合な副作用を最小限にしつつ、優れた洗浄性能及び改良されたレベルのコンディショニングを与えることができる毛髪の洗浄及びコンディショニングのためのシャンプー組成物及び方法を提供することが望ましい。
【0012】
前記のことに加えて、人間の皮膚及び爪の表面特性は、当然ながら化粧品化学において基本的に関心のあることであり、従ってこのケラチン質の基質の局所的状態に有利な影響を与える組成物を発見したいという長年にわたる望みがあった。皮膚の湿分の保持、皮膚の軟化、空気湿分の誘引、皮膚の水分損失の遅延化、細かいしわ及び小じわの減少、洗剤、石鹸等との接触によって引起される皮膚刺激の感触及び減少のような特性を改良する機能を果たすスキンコンディショニング製品が望まれている。
【0013】
望ましいスキンコンディショナーは、エモリエント及び湿潤剤の属性のすべて又はいくつかを与えるべきであり、かつまた処理後、皮膚に改良された滑らかさ及び感触を与え、及び/又は例えば石鹸、洗剤、泡ブースター、界面活性剤、香料等のような製品中のその他の成分によって引起される皮膚刺激を減少させるべきである。
【0014】
前記効果の組合わせを生じる皮膚及び爪を処理するための新製品を見出す必要が、依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のケラチンコンディショニング組成物は、次のものを含んでいる:
(a)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び双性イオン界面活性剤から成る群から選ばれる1つの界面活性剤成分約5〜約50重量%;
(b)水溶性有機両性ポリマー約0.05〜約10重量%;
(c)水溶性有機カチオン性ポリマー約0.05〜約10重量%;
(d)水不溶性液体0〜約70重量%;及び
(e)水性キャリヤー。
【0016】
本発明によるケラチンベースの基質の処理方法は、この基質と前記組成物とを接触させることを含む。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明は、毛髪、皮膚、及び爪を含む基質を含んでいる非常に多様なケラチンに、優れた洗浄性能とコンディショニング効果との両方を与え得る液体組成物を含む洗浄性界面活性剤を提供する。これは、界面活性剤、水性キャリヤー、水溶性有機両性ポリマーコンディショニング剤、水溶性有機カチオン性ポリマーコンディショニング剤、及び場合によってはシリコーン及び/又は有機水不溶性油性液体を含むケラチンコンディショニング組成物を形成することによって得られる。
【0018】
改良された全体的コンディショニングは、組成物において界面活性剤と、水溶性有機両性ポリマー及び水溶性有機カチオン性ポリマーとを組合わせることによって得られることが、今や意外にも発見された。コンディショニングはまた、有機油性液体とシリコーンとを含む好ましい最適な水不溶性液体成分の添加によっても改良される。
【0019】
これらの組成物は、先行の既知コンディショニング系におけるコンディショニング剤のレベルを増すことから結果として生じ得る望ましくない副作用のレベルを減少させつつ、改良されたコンディショニングを与え得る。既に考察されているように、特定の成分をあまりに多く含むコンディショニング剤系は、髪への蓄積を引起すことがある。多すぎるシリコーンは、繰返し使用している間に髪へのシリコーン蓄積を結果として生じ、髪の豊かさを失うことになる。多すぎる有機液体(油)は、結果としてオイリーな感触を生じ、髪の豊かさを失うことになる。多すぎるコンディショニング剤は、結果として髪の滑りやすいオイリーな感触を生じる。今や、これらの特定の種類の成分、すなわち界面活性剤、両性ポリマー、カチオン性ポリマー、及び任意水不溶性液体の組合わせによって、改良された全体的なコンディショニングを与え得るが、一方で、あるいはまた先行の既知コンディショニング系における個々の成分のレベルを増加させた時に生じ得るコンディショニング剤の蓄積の不都合な作用を最小限にする。さらにはここでの組成物における両性ポリマーの使用は、カチオン性ポリマーを単独で含むか、あるいはシリコーン及び/又は有機水不溶性液体コンディショニング剤と組合わせて含む同様な系と比べて性能を改良し得る。
【0020】
本発明の組成物及び方法は、毛髪以外のケラチンベースの基質に対する使用法及び用途を有する。本発明の組成物は、スキン及びネイルケア製品において優れたコンディショニング特性を与える。
【0021】
本発明の両性ポリマーコンディショニング剤とカチオン性ポリマーコンディショニング剤との組合わせを含む組成物は、シャンプー以外の様々な製品の特性を改良することができる。このような様々な製品には、ソープバー、食器洗い組成物、圧注水、ハンド及びボディーローション、日焼けローション、コールドクリーム、シェービング前の製品及びアフターシェーブ製品、スティック、ジェル、ローション、及びエーロゾルフォーム形態のデオドロラント及び制汗製品、リップスティック、ルージュ、マスカラ、及びアイライナーを含む化粧品、フェイシャルベース及びパウダー、小じわ及びしみ取りクリーム及びローション等、及びその他の多くのスキン及びネイルケア製品が含まれる。
【0022】
その他の物質も、このようなスキン及びネイルケア製品に含まれていてもよい。ハンド及びボディーローションは、多くの場合次のようなエモリエントを含んでいる。すなわち例えば、ステアリン酸、グリセロールモノステアレート、鉱油、グリセリン、ゴマ油、蜜ろう、ラウリル、ミリスチル、セチル、及び/又はステアリルアルコール、ラノリン、レシチン、ステロール、イソプロピルミリステート、並びにその他の多くの認められているエモリエントである。エモリエントは一般的には、本発明の組成物において、約1〜約50重量%のレベルで用いられる。
【0023】
本発明のソープバー及び食器洗い組成物は、あらゆる種類のアニオン性、非イオン性、双性、両性、及び/又はカチオン性界面活性剤を含んでいてもよい。本来バーソープは大部分、脂肪酸エステルとアルカリとの水溶性反応生成物から構成されているアニオン性界面活性剤である。一般的には液体製品の場合、界面活性剤は、約1〜約50重量%、好ましくは約3〜35重量%で存在する。
【0024】
本発明の両性ポリマーコンディショニング剤とカチオン性ポリマーコンディショニング剤との組合わせを含む組成物を用いることによって、スキンケア製品は、皮膚に対して改良された加湿特性を与え、皮膚を滑らかでつるつるした感触にする。
【0025】
本発明は、ケラチンコンディショニング組成物、例えば次のものを含むヘアシャンプーを提供する。すなわち、成分(a)約5〜約50重量%;成分(b)約0.05〜約10重量%;成分(c)約0.05〜約10重量%;成分(d)0〜約70重量%;及び水性キャリヤー(e)である。
【0026】
本発明による好ましい組成物は、次のものを含むケラチンコンディショニング組成物を提供する。すなわち、成分(a)約5〜約25重量%、より好ましくは約10〜約20重量%;成分(b)約0.05〜約7重量%、より好ましくは約0.05〜約5重量%;成分(c)約0.05〜約4重量%、より好ましくは約0.05〜約3重量%;成分(d)0〜約50重量%、より好ましくは約1〜約50重量%;及び水性キャリヤー(e)である。
【0027】
本発明による特定の好ましいヘアシャンプー組成物は、次のものを含んでいる。すなわち、(a)アニオン性界面活性剤約10〜約15重量%と、双性イオン界面活性剤約1〜5重量%、(b)両性ポリマー約0.1〜約1.5重量%、及び(c)カチオン性ポリマー約0.1〜1.5重量%である(残りは水である)。
【0028】
本発明による特定の好ましいローション組成物は、次のものを含む水中油エマルジョンである。すなわち、(a)非イオン性界面活性剤約3〜約10重量%;(b)両性ポリマー約0.1〜約1重量%;(c)カチオン性ポリマー約0.1〜約1%;(d)鉱油約1〜約25重量%;及び(e)水性キャリヤーである。
【0029】
任意水不溶性液体は、有機性又はシリコーンであってもよく、好ましくはこの組成物に混合されており、この組成物全体に分散されている。有機水不溶性液体は一般に、炭化水素油と脂肪酸エステルとから成る群から選ばれる。ここで用いられている「脂肪酸エステル」とは、10又はそれ以上の炭素原子を有するエステルを意味する。
【0030】
シリコーンコンディショニング剤は、小滴又は粒子の形態で組成物全体に分散されている。好ましくは適切な懸濁剤は、分散されたシリコーンの安定性を促進するために用いられている。
【0031】
ここで用いられているように、これらの組成物の特定の成分に関連して用いられている「可溶性」及び「不溶性」という用語は、ほかに特別に示されていなければ、特許請求されている組成物中へのその成分のそれぞれ可溶性又は不溶性のことを言う。例えばここで用いられている「水溶性」及び「水不溶性」という用語は、例えばシャンプーのような組成物への溶解性に対して、特定成分の水への可溶性のことを言う。
【0032】
すべてのパーセントは、ほかに特別に示されていなければ、総組成物の重量で計算されている。すべての比は、ほかに特別に示されていなければ、重量比である。
【0033】
(b)の両性ポリマーコンディショニング剤
本発明の組成物は、必須成分として、水溶性両性有機ポリマーコンディショニング剤を含んでいる。ここでのポリマー両性コンディショニング剤は一般に、約0.05〜約10重量%、好ましくは約0.05〜約5%、より好ましくは約0.1〜約4%で存在しており、この組成物の約0.2〜約3重量%が最も好ましい。「水溶性」両性有機ポリマーという意味は、25℃で水(蒸留水又は同等のもの)中0.1%の濃度で、裸眼には実質的に透明な溶液を形成するのに十分なほど水に可溶なポリマーのことである。好ましくはこのポリマーは、0.5%濃度で、より好ましくは1.0%濃度で実質的に透明な溶液を形成するのに十分なほど可溶なものである。
【0034】
ここでのコンディショニング剤に用い得る両性有機ポリマーは、ケラチンベースの基質、例えば毛髪及び皮膚にコンディショニング効果を与えることができ、かつ組成物特にシャンプー組成物中に可溶な有機ポリマーである。これらの効果を与えることができるあらゆる両性ポリマーを、このポリマーの電荷密度にかかわらず用いることができる。
【0035】
両性ポリマーコンディショニング剤は好ましくは、(A)少なくとも1つのエチレン不飽和カチオン性モノマー、(B)少なくとも1つのエチレン不飽和酸含有モノマー、及び(C)エチレン不飽和非イオン性モノマーであるモノマー約0〜約80モル%を含んでいる。
【0036】
本発明によるコンディショニング組成物の水溶性有機両性コンディショニング剤は、より好ましくは次のもの:
(A)アルキルアクリルアミドプロピル―ジメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルメタクリルアミドプロピルジメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルアクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルメタクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムハロゲン化物、及びジアルキルジアリルアンモニウムハロゲン化物から成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマー約1〜約99モル%;
(B)カルボン酸とスルホン酸とから成る群から選ばれるモノマー、好ましくはアクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、2−アクリルアミド―2−メチルプロパンスルホン酸(AMPSA)2−メタクリルアミド―2−メチルプロパンスルホン酸(MAMPSA)、n―メタクリルアミドプロピル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸、n―アクリルアミドプロピル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸、n―メタクリロイルオキシエチル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸、及びn―アクリロイルオキシエチル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸から成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマーを含むエチレン不飽和酸約1〜約99モル%;及び
(C)C〜C22直鎖又は枝分かれ鎖アルキルアクリレート又はメタクリレート、C〜C22直鎖又は枝分かれ鎖n―アルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、アクリルアミドメチルアクリルアミド、n―ビニルピロリドン、ビニルアセテート又はエトキシル化及びプロポキシル化アクリレート又はメタクリレートから成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマー約0〜約80モル%;
から構成されており、粘度計で測定された重量平均分子量が少なくとも約50,000である。
【0037】
本発明の水溶性有機両性ポリマーコンディショニング剤は、より好ましくは次のものを含む有機ポリマーである:
(A)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(APTAC)、
メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(MAPTAC)、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(AETAC)、
メタクリロイルオキシエチルメチルスルフェート(METAMS)、
メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(METAC)、又は
ジメチルジアリルアンモニウム塩化物(DMDAAC);
(B)AA、MAA、AMPSA、及びMAMPSA;及び
(C)場合によってはC〜C22直鎖又は枝分かれ鎖アルキルアクリレート又はメタクリレート、例えばメチル、エチル、ブチル、オクチル、ラウリル、及びステアリルアクリレートエステル、及びメタクリレートエステル;アクリルアミド;メタクリルアミド;C〜C22直鎖又は枝分かれ鎖n―アルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、例えばn−メチル、n―エチル、n―ブチル、n―オクチル、t−オクチル、n―ラウリル、及びn―ステアリルアクリルアミド及びメタクリルアミド。
【0038】
この組成物は、好ましくは約pH3〜約pH9、より好ましくは約pH4〜約pH8のpHを有する。
【0039】
好ましくは前記両性ポリマーにおけるモル比(A):(B)は、約20:80〜約95:5、より好ましくは約25:75〜約75:25である。さらには粘度計で測定された前記ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは少なくとも約50,000、より好ましくは約100,000〜約10,000,000であり、約150,000〜約8,000,000の重量平均分子量が最も好ましい。あるいはまた光散乱検出によるゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を、ほぼ同数で用いることができる。
【0040】
好ましいポリマーは、前記アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルアセテート、ビニルアルコール、及び/又はn―ビニルピロリドンを少なくとも0.1〜約20モル%まで含んでいる。より好ましくは本ポリマーは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルアセテート、ビニルアルコール、及び/又はn―ビニルピロリドン部分約5〜約15モル%を含んでいる。最も好ましいくは、メチルアクリレート及び/又はアクリルアミドである。
【0041】
場合によっては、しかしながら好ましくは、本ポリマーはさらに(C)を含んでおり、さらには(C)から構成されているか、あるいは(C)を用いて調製されている。すなわちC〜C22直鎖又は枝分かれ鎖アルキルアクリレート又はメタクリレート、好ましくはC〜Cアルキルアクリレート、最も好ましくはメチルアクリレート、C〜C22直鎖又は枝分かれ鎖n―アルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、好ましくはC〜Cアルキルアクリルアミド、最も好ましくはアクリルアミド約80モルパーセントまで、好ましくは少なくとも約0.1モルパーセントを用いる。ここにおいて本ポリマーにおける(C)の上限モルパーセントは、溶解性を考えて制限される。両性ポリマーは好ましくは、約1〜約40モル%の(C)、より好ましくは約1〜約35モル%の(C)から構成されており、(C)は、好ましくはC〜C22アクリレートエステル、C〜C22メタクリレートエステル、アクリルアミド、及びC〜C22n―アルキルアクリルアミドから成る群から選ばれるモノマーである。
【0042】
好ましくは(C)のモノマーは、(i)メチル、エチル、ブチル、オクチル、ラウリル、及びステアリルアクリレートエステルから成る群から選ばれるC〜C22アクリレートエステル;(ii)メチル、エチル、ブチル、オクチル、ラウリル、及びステアリルメタクリレートエステルから成る群から選ばれるC〜C22メタクリレートエステル;及び(iii)n−メチル、n―エチル、n―ブチル、n―オクチル、t−オクチル、n―ラウリル、及びn―ステアリルアクリルアミド及びメタクリルアミドから成る群から選ばれるC〜C22n―アルキルアクリルアミド、から成る群から選ばれる。
【0043】
本発明による両性ポリマーコンディショニング剤の特定の好ましい例には、(1)約45モル%MAPTAC、約45モル%アクリル酸、及び約10モル%メチルアクリレートから構成されるポリマー、及び(2)約30モル%DMDAAC、約35モル%アクリル酸、及び約35モル%アクリルアミドから構成されるポリマーが含まれる。これらのポリマーは、カルゴン社(Calgon Corporation)からそれぞれMERQUAT(登録商標)2001及びMERQUAT(登録商標)プラス3330として入手し得る。
【0044】
(c)のカチオン性ポリマーコンディショニング剤
本発明の組成物は、必須成分として、水溶性有機カチオン性ポリマーコンディショニング剤を含んでいる。ここでのポリマーカチオン性コンディショニング剤は一般に、約0.05〜約10重量%、好ましくは約0.05〜約5%、より好ましくは約0.1〜約4%で存在しており、この組成物の約0.2〜約3重量%が最も好ましい。「水溶性」カチオン性有機ポリマーという意味は、25℃で水(蒸留水又は同等のもの)中0.1%の濃度で、裸眼には実質的に透明な溶液を形成するのに十分なほど水に可溶なポリマーのことである。好ましくはこのポリマーは、0.5%濃度で、より好ましくは1.0%濃度で、実質的に透明な溶液を形成するのに十分なほど可溶であろう。過剰に用いることなく所望の結果を生じるのに十分な、このカチオン性ポリマーコンディショニング剤の最少量が好ましい。従って比較的少量が一般に好ましい。
【0045】
ここでのコンディショニング剤に用い得るカチオン性有機ポリマーは、毛髪及びその他のケラチンベースの基質にコンディショニング効果を与えることができ、かつ組成物中に可溶な有機ポリマーである。これらの効果を与えることができるあらゆるカチオン性ポリマーを、ポリマーのカチオン電荷密度にかかわらず用いることができる。
【0046】
本発明に従って用いることができるカチオン性ポリマーのうち、次のものが特定例である。
【0047】
(1)セルロースエーテルの第四誘導体。
【0048】
(2)グアールの第四誘導体。
【0049】
(3)ジメチルジアリルアンモニウム塩化物(DMDAAC)のホモポリマー及びコポリマー。
【0050】
(4)メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(MAPTAC)のホモポリマー及びコポリマー。
【0051】
(5)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩化物(APTAC)のホモポリマー及びコポリマー。
【0052】
(6)メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(METAC)のホモポリマー及びコポリマー。
【0053】
(7)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物(AETAC)のホモポリマー及びコポリマー。
【0054】
(8)メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート(METAMS)のホモポリマー及びコポリマー。
【0055】
(9)デンプンの第四誘導体。
【0056】
本発明の水溶性有機カチオン性ポリマーコンディショニング剤は、より好ましくは次のものを含む有機ポリマーである。
【0057】
(1)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーション(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Assocation(CTFA),1101 17th Street,N.W.,Suite300,Washington,DC20036)によって出版されている「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)」においてポリクオーターニウム―10と呼ばれている、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四アンモニウム塩。
【0058】
(2)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてグアールヒドロキシプロピルトリモニム塩化物と呼ばれている、ヒドロキシプロピルグアールの第四アンモニウム誘導体。
【0059】
(3)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―4と呼ばれている、ヒドロキシエチルセルロースとDMDAACとのコポリマー。
【0060】
(4)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―5と呼ばれている、アクリルアミドとMETAMSとのコポリマー。
【0061】
(5)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―6と呼ばれている、DMDAACのホモポリマー。
【0062】
(6)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―7と呼ばれている、アクリルアミドとDMDAACとのコポリマー。
【0063】
(7)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―11と呼ばれている、ビニルピロリドンとMETAMSとのコポリマー。
【0064】
(8)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―14と呼ばれている、METAMSのホモポリマー。
【0065】
(9)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―15と呼ばれている、メタクリルアミドとMETAMSとのコポリマー。
【0066】
(10)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―24と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四アンモニウム塩。
【0067】
(11)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―28と呼ばれている、ビニルピロリドンとMAPTACとのコポリマー。
【0068】
(12)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―32と呼ばれている、アクリルアミドとMETACとのコポリマー。
【0069】
(13)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―33と呼ばれている、アクリルアミドとAETACとのコポリマー。
【0070】
(14)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―36と呼ばれている、ブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びMETAMSのコポリマー。
【0071】
(15)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―37と呼ばれている、METACのホモポリマー。
【0072】
(16)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリクオーターニウム―45と呼ばれている、METAMS、メチルメタクリレート、及びヒドロキシエチルメタクリレートのコポリマー。
【0073】
(17)ワシントン、ディー・シー20036スイート300、エヌ・ダブリュー、17ストリート1101番地のコスメティック・トイレトリー・アンド・フレグランス・アソシエーションによって出版されている「国際化粧品成分辞典」においてポリメタクリルアミドプロピルトリモニウム塩化物と呼ばれている、MAPTACのホモポリマー。
【0074】
(18)CAS登録番号5670−58−6によって一般に記載されている、デンプンのヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物エーテル誘導体。これのデンプンは、多様な天然源、例えばとうもろこし、じゃがいも、米、タピオカ、小麦、又はその他の源に由来してもよい。
【0075】
本発明によるカチオン性ポリマーコンディショニング剤の好ましい特定例には、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四アンモニウム塩、ヒドロキシプロピルグアールの第四アンモニウム誘導体、及びデンプンの第四アンモニウム誘導体が含まれる。
【0076】
前記のように、ここでの両性及びカチオン性ポリマーは水溶性である。しかしながらこれは、本組成物、例えばシャンプー組成物に可溶でなければならないという意味ではない。しかしながら好ましくは、これらのポリマーは本組成物中に可溶であるか、あるいは両性及びカチオン性ポリマー及びその他のイオン性物質によって形成された組成物中の錯コアセルベート相に可溶である。両性及びカチオン性ポリマーの錯コアセルベートは、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤と共に形成されてもよい。
【0077】
コアセルベート形成は、多様な基準、例えば分子量、濃度、及び相互作用するイオン性物質の比、イオン強度(例えば塩の添加によるイオン強度の修正を含む)、カチオン種及びアニオン種の電荷密度、pH、及び温度に依る。コアセルベート系及びこれらのパラメーターの作用は、既に調査されている。例えばJ.Caellesらの「混合系におけるアニオン性及びカチオン性化合物(Anionic and Cationic Compounds in Mixed Systems)」、Cosmetics & Toiletries,Vol.106、April 1991、pp.49−54;C.J.van Ossの「コアセルベーション、錯コアセルベーション、及びフロキュレーション(Coacervation,Complex Coacervation,and Flocculation)」、J.Dispersion Science and Technology,Vol.9(5,6)、1988−89、pp.561−573;及びD.J.Burgessの「錯コアセルベート系の実用分析(Practical Analysis of Complex Coacervate Systems)」、J.of Colloid and Interface Science,Vol.140,No.1,November 1990、pp.227−238参照。
【0078】
両性及びカチオン性ポリマーが、例えばシャンプー組成物中に、コアセルベート相において存在すること、あるいは組成物を基質につけた時又は基質から濯ぎ洗いした時にコアセルベート相を形成することは特に有利であると考えられている。錯コアセルベートは、ケラチンベース基質により容易に付着すると考えられている。従って一般に、両性及びカチオン性ポリマーが、組成物中にコアセルベート相として存在するか、あるいは希釈した時にコアセルベート相を形成することが好ましい。たとえ既に組成物中にコアセルベートがない場合でも、両性及びカチオン性ポリマーは好ましくは、水:組成物重量比約20:1、より好ましくは約10:1、さらにより好ましくは約8:1まで水で希釈した時に、組成物中に錯コアセルベート形態で存在するであろう。
【0079】
錯コアセルベートの形成の分析方法は、この技術で知られている。例えばこれらの組成物の顕微鏡分析は、選ばれたどの希釈段階でも、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認するために用いることができる。このようなコアセルベート相は、組成物中の追加の乳化相として同定可能であろう。染料の使用は、コアセルベート相と、この組成物中に分散されたその他の不溶相とを識別するのを助ける。
【0080】
本発明の組成物中における(b)と(c)との合計は、好ましくはわずか約10重量%、好ましくはわずか約5%、より好ましくはわずか約2%であり、わずか1重量%が最も好ましい。より多量のこれら2つのポリマーコンディショニング剤は、より大きいコンディショニングを与える。しかしながらこの量が、1重量%以上10重量%まであるいはそれ以上上昇するにつれて、わずかに追加されたコンディショニングは、結果として生じる製品のコスト面での有意な上昇に見合わない。
【0081】
本発明のポリマーコンディショニング剤の好ましい組合わせは、(b)については(1)約45モル%MAPTAC、約45モル%アクリル酸、及び約10モル%メチルアクリレートから構成されるポリマーと、(2)約30モル%DMDAAC、約35モル%アクリル酸、及び約35モル%アクリルアミド(MERQUAT(登録商標)2001及びMERQUAT(登録商標)プラス3330)とから構成されるポリマーとの両性ポリマーを含み、(c)については、トリメチルアンモニウム置換エポキシド(UCAREポリマーJR、Amerchol)と反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四アンモニウ塩、ヒドロキシプロピルグアール(Jaguar,Rhodia)の第四アンモニウム誘導体、及びデンプンの第四アンモニウム誘導体のうちの1つ又はそれ以上との組合わせを含んでいる。
【0082】
錯コアセルベートシャンプー組成物の例は、次の実施例に示されている。
【0083】
(a)の界面活性剤成分
アニオン性界面活性剤
本発明のコンディショニング組成物は好ましくは、成分(a)の少なくとも一部としてアニオン性界面活性剤を含んでいる。これは、この組成物に洗浄性能を与えるために、この組成物のpHにおいてアニオン性である1つ又はそれ以上のアニオン性洗浄性界面活性剤を含んでいてもよい。
【0084】
成分(a)のアニオン性界面活性剤は、唯一の界面活性剤であってもよく、一般にこの組成物の約2%〜約50%、好ましくは約5%〜約30%、より好ましくは約6%〜約25%のレベルで存在するが、約10%〜約15%が最も好ましい。洗浄組成物については、アニオン性界面活性剤が好ましい界面活性剤であり、好ましくはカチオン性でない第二界面活性剤と組合わせてこの組成物中に存在する。
【0085】
ここにおいて有用なアニオン性洗浄性界面活性剤には、米国特許第5,573,709号に開示されているものが含まれる。これの開示は、その全体が参照してここに組込まれる。これらの例には、アルキル及びアルキルエーテルスルフェートが含まれる。本発明に用いることができるアルキルエーテルスルフェートの特定例は、ラウリルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、ココナットアルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェートのナトリウム及びアンモニウム塩;タローアルキルトリエチレングリコールエーテルスルフェート、及びタローアルキルヘキサオキシエチレンスルフェートである。非常に好ましいアルキルエーテルスルフェートは、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は、約12〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び酸化エチレン約1モル〜約6モルの平均エトキシル化度を有する。
【0086】
アニオン性洗浄性界面活性剤のもう1つの適切な種類は、アルキル硫酸塩である。重要な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約12〜約18個の炭素原子を有するイソ―、ネオ―、イネソ―、及びn―パラフィンを含むメタン系列の炭化水素の有機硫酸反応生成物の塩、及び漂白及び加水分解を含む既知のスルホン化方法に従って得られたスルホン化剤、例えばSO、HSOである。好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム硫酸塩化C12〜38n―パラフィンである。
【0087】
本発明の用語内に入る合成アニオン性洗浄性界面活性剤のその他の例は、オレフィンスルホネート、ベータ―アルキルオキシアルカンスルホネート、及びイセチオン酸でエステル化され、かつ水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物、並びにスクシナメートである。スクシナメートの特定例には、ジナトリウムN−オクタデシルスルホスクシナメート;テトラナトリウムN―(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシナメート;ナトリウムスルホコハク酸のジアミルエステル;ナトリウムスルホコハク酸のジヘキシルエステル;ナトリウムスルホコハク酸のジオクチルエステルが含まれる。
【0088】
その他の多くの合成アニオン性界面活性剤は、M.C.Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,1989 Annualに記載されている。これは、その全体が参照してここに組込まれる。同様に、1975年12月30日に発行されたLaughlinらの米国特許第3,929,678号は、その他の多くのアニオン性の型、並びにその他の界面活性剤型を開示しており、その全体が参照してここに組込まれる。
【0089】
本組成物に用いるのに好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤には、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレトスルフェート、トリエチルアミンラウリルスルフェート、トリエチルアミンラウレトスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウレトスルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンラウレトスルフェート、ジエタノールアミンラウリルスルフェート、ジエタノールアミンラウレトスルフェート、ラウリンモノグリセリドナトリウムスルフェート、ナトリウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウレトスルフェート、カリウムラウリルスルフェート、カリウムラウレトスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、アンモニウムココイルスルフェート、アンモニウムラウロイルスルフェート、ナトリウムココイルスルフェート、ナトリウムラウロイルスルフェート、カリウムココイルスルフェート、カリウムラウリルスルフェート、トリエタノールアミン1ラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンココイルスルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、ナトリウムトリデシルベンゼンスルホネート、及びナトリウムドデシルベンゼンスルホネートが含まれる。
【0090】
両性界面活性剤
本発明のケラチンコンディショニング組成物は好ましくは、両性洗浄性界面活性剤を含んでいる。この界面活性剤の量は好ましくは、わずか約10重量%である。本発明の組成物において用いることができる両性洗浄性界面活性剤の例は、脂肪族置換基が、約8〜18個の炭素原子を含んでおり、かつ1つがアニオン性水可溶性化基、例えばカルボキシ、スルホネート、スルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含んでいる脂肪族第二及び第三アミンの誘導体として広く記載されているものである。この定義内に入る化合物の例は、ナトリウム―3−ドデシル―アミノプロピオネート、ナトリウム―3−ドデシルアミノプロパンスルホネート、ナトリウムラウリルサルコシネート、N−アルキルタウリン、例えば米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンとナトリウムイセチオネートとを反応させることによって調製されたもの、N―高級アルキルアスパラギン酸、例えば米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されたもの、及び米国特許第2,528,378号に記載されているような商品名「ミラノール(MIRANOL)(商標)」として販売されている製品である。
【0091】
任意洗浄性界面活性剤
アニオン性洗浄性界面活性剤成分に加えて、本発明の組成物は場合によっては、その他の洗浄性界面活性剤を含んでいてもよい。これらは、非イオン性界面活性剤と双性イオン界面活性剤とを含んでいる。任意洗浄性界面活性剤が用いられる場合、これらは典型的には、約0.5%〜約20%、より典型的には約1%〜約10%のレベルで存在している。但しこれより高いか又は低いレベルも用いることができる。アニオン性界面活性剤に加えて任意洗浄性界面活性剤を含んでいる組成物における洗浄性界面活性剤の総量は一般に、約5%〜約40%、好ましくは約8%〜約30%、より好ましくは約10%〜約25%であろう。カチオン性洗浄性界面活性剤も用いることができるが、これらは一般にあまり好ましくない。その理由は、これらがアニオン性洗浄性界面活性剤と有害な相互作用を行なうことがあるからである。カチオン性洗浄性界面活性剤が用いられるとすれば、好ましくは約5%よりも高くないレベルで用いられる。カチオン性界面活性剤が用いられるとすれば、より典型的にはこれらは、場合によってはここでの組成物中に含まれていてもよいコンディショニング剤である。
【0092】
用いることができる非イオン性洗浄性界面活性剤には、酸化アルキレン基(親水性)と、脂肪族又はアルキル芳香族性であってもよい有機疎水性化合物との縮合によって生成された化合物として広く定義されているものが含まれる。好ましい種類の非イオン性洗浄性界面活性剤の例は次のものである:長鎖アルカノールアミド;アルキルフェノールの酸化ポリエチレン縮合物;直鎖又は枝分かれ鎖立体配置において約8〜約18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールと酸化エチレンとの縮合生成物;長鎖第三アミン酸化物;長鎖第三ホスフィン酸化物;約1〜約3個の炭素原子の1つの短鎖アルキル又はヒドロキシアルキル基を有する長鎖ジアルキルスルホキシド;及びアルキル多糖類(APS)界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド;ポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪酸エステルである。
【0093】
その他の双性イオン性のもの例えばベタインも、本発明に用いることができる。ここで有用なベタインの例には次のものが含まれる。すなわち、高アルキルベタイン、例えばココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス―(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス―(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ―カルボキシプロピルベタイン、及びラウリルビス―(2−ヒドロキシプロピル)アルファ―カルボキシエチルベタインである。スルホベタインは、次のものによって代表される。すなわち、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス―(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン等であり、RCONH(CH基がベタインの窒素原子に接着しているアミドベタイン及びアミドスルホベタインもこの発明において用い得る。
【0094】
本発明の好ましい組成物はシャンプーであり、これらは好ましくはアニオン性界面活性剤と双性イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤との組合わせを含んでいる。特に好ましいシャンプーは、アルキルスルフェート約0%〜約16%、エトキシル化アルキルスルフェート0%〜約16%、及び非イオン性、両性、及び双性洗浄性界面活性剤から選ばれる任意洗浄性界面活性剤約0%〜約10%を含んでおり、アルキルスルフェートか、エトキシル化アルキルスルフェートか、あるいはこれらの混合物が、少なくとも5%であり、総界面活性剤レベルが約10%〜約25%である。
【0095】
(d)の任意水不溶性液体
任意有機水不溶性液体
本発明の組成物は場合によっては、好ましい種類のコンディショニング剤として、不揮発性水不溶性有機油性液体を含んでいる。このコンディショニング油性液体は、皮膚を保護し、滑らかにし、及び/又は加湿し、毛髪に輝き、柔らかさ、及び光沢を加える。さらにはこれはまた、乾燥時の梳かしやすさ及び乾いた髪の感触を強めることができる。このヘアコンディショニング油性液体は一般的には、これらの組成物中に、この組成物の約0.05〜約5重量%、好ましくは約0.2%〜約3%、より好ましくは約0.5%〜約1%のレベルで存在する。
【0096】
スキンケア配合物の場合、水中油エマルジョンは、約3〜約25重量%、好ましくは約5〜約20重量%の有機不溶性液体の量を含むが、約6〜15%が最も好ましい。油中水スキンケア配合物は、約25〜約70重量%、好ましくは約30〜約60重量%の有機不溶性液体の量を含むが、約35〜50%が最も好ましい。
【0097】
「不揮発性」という意味は、この技術で理解されているように、油性物質が周囲条件において(例えば1気圧、25℃)で非常に低い、又は有意でない蒸気圧を示すということである。不揮発性油性物質は好ましくは、約250℃又はそれ以上の周囲圧力において沸点を有する。
【0098】
「水不溶性」という意味は、油性液体が、25℃において0.1%の濃度で水(蒸留水又は同等のもの)中に溶解しないということである。
【0099】
ここでのコンディショニング油性液体は一般に、約3百万cs又はそれ以下、好ましくは約2百万cs又はそれ以下、より好ましくは約1.5百万cs又はそれ以下の粘度を有する。
【0100】
ここでのコンディショニング油性物質は、炭化水素油と脂肪酸エステルとから成る群から選ばれる液体である。ここでの脂肪酸エステルは、少なくとも12個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸又はアルコールに由来する炭化水素鎖を有するエステル、例えばモノエステル、多価アルコールエステル、及びジ―及びトリ―カルボン酸エステルが含まれる。ここでの脂肪酸エステルのヒドロカルビル基はまた、その他の適合性官能基、例えばアミド及びアルコキシ部分(例えばエトキシ又はエーテル結合等)を含むか、あるいはこれらに共有結合したものであってもよい。
【0101】
炭化水素油には、環式炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び枝分かれ鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)が含まれる。直鎖炭化水素油は好ましくは、約12〜約19炭素原子を含んでいる。但し必ずしも炭化水素をこの範囲に限定するものではない。枝分かれ鎖炭化水素油は、より大きい数の炭素原子を含んでいてもよく、一般的には含んでいることがある。同様にここでは、アルケニルモノマーのポリマー炭化水素、例えばC〜Cアルケニルモノマーも包含される。これらのポリマーは、直鎖又は枝分かれ鎖ポリマーであってもよい。直鎖ポリマーは、一般的には長さが比較的短く、一般に直鎖炭化水素について前記されたような炭素原子の総数を有する。枝分かれ鎖ポリマーは、実質的により高い鎖長を有していてもよい。このような物質の数平均分子量は、非常に様々なものであってもよいが、一般的には約500まで、好ましくは約200〜約400、より好ましくは約300〜約350であろう。
【0102】
適切な物質の特定例には、パラフィン油、鉱油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、及びこれらの混合物が含まれる。これらの化合物、並びにより大きい鎖長の炭化水素の枝分かれ鎖異性体も用いることができる。枝分かれ鎖異性体の例は、高度に枝分かれした飽和又は不飽和アルカン、例えばペルメチル置換異性体、例えばヘキサデカン及びウンデカンのペルメチル置換異性体、例えばパーメチル社(Permethyl Corporation)によって販売されている2,2,4,4,6,6,8,8−ジメチル―10−メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6―ジメチル―8−メチルノナンである。好ましい炭化水素ポリマーは、ポリブテン、例えばイソブチレンとブテンとのコポリマーである。この種類の商品として入手し得る物質は、アモコ・ケミカル社(Amoco Chemical Co.)(米国イリノイ州シカゴ)製のL−19ポリブテンである。
【0103】
ここでのモノカルボン酸エステルには、式R’COORのアルコール及び/又は酸のエステルが含まれる。ここにおいてアルキル又はアルケニル基、及びR’及びRにおける炭素原子の合計は、少なくとも10、好ましくは少なくとも20である。
【0104】
脂肪酸エステルには例えば、約10〜約22個の炭素原子の脂肪族鎖を有する脂肪酸のアルキル及びアルケニルエステル、及び約10〜約22個の炭素原子を有するアルキル及び/又はアルケニルアルコール由来脂肪族鎖を有するアルキル及びアルケニル脂肪アルコールカルボン酸エステル、及びこれらの組合わせが含まれる。これらの例には、イソプロピルイソステアレート、ヘキシルラウレート、イソヘキシルラウレート、イソヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、デシルオレエート、イソデシルオレエート、ヘキサデシルステアレート、デシルステアレート、イソプロピルイソステアレート、ジヘキシルデシルアジペート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、セチルラクテート、オレイルステアレート、オレイルオレエート、オレイルミリステート、ラウリルアセテート、セチルプロピオネート、及びオレイルアジペートが含まれる。
【0105】
しかしながらモノカルボン酸エステルは、脂肪族鎖炭素原子の総数が少なくとも10である限りは、必ずしも少なくとも10個の炭素原子を有する少なくとも1つの鎖を含む必要はない。これらの例には、ジイソプロピル、アジペート、ジイソヘキシルアジペート、及びジイソプロピルセバケートが含まれる。
【0106】
カルボン酸のジ―及びトリ―アルキル及びアルケニルエステルも用いることができる。これらには、例えばC〜Cジカルボン酸のエステル、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、及びオクタン酸のC〜C22エステル(好ましくはC〜C)が含まれる。特定例には、イソセチルステアリルステアレート、ジイソプロピルアジペート、及びトリステアリルシトレートが含まれる。多価アルコールエステルには、アルキレングリコールエステルが含まれ、例えばエチレングリコールモノ―及びジ―脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ―脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ及びジ―脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ―脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ―及びジ―脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ここで用いるためには満足すべき多価アルコールエステルである。
【0107】
グリセリドには、モノ―、ジ―、及びトリ―グリセリドが含まれる。より特定すれば、グリセロールのモノ―、ジ―、及びトリ―エステル、及び長鎖カルボン酸、例えばC10〜C22カルボン酸が含まれる。これらの種類の多様な物質は、植物及び動物脂肪及び油、例えば、ひまし油、サフラワー油、綿実油、とうもろこし油、オリーブ油、たら肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油、ラノリン、及び大豆から得ることができる。合成油には、トリオレイン及びトリステアリングリセリルジラウレートが含まれる。好ましいグリセリドは、ジ―及びトリ―グリセリドである。特に好ましいものはトリグリセリドである。
【0108】
任意シリコーンコンディショニング剤
本発明の組成物は場合によっては、ここでの組成物中に不溶な不揮発性非イオン性シリコーンコンディショニング剤を含んでいる。このシリコーンコンディショニング剤は、分散不溶性粒子又は小滴の形態になるように組成物中に混合される。シリコーンコンディショニング剤は、不揮発性不溶性シリコーン流体を含んでおり、場合によっては全体として組成物中に不溶であるが、このシリコーン流体中には可溶であるシリコーンガムを含んでいる。このシリコーンコンディショニング剤はまた、付着効率を高めるために、その他の成分例えばシリコーン樹脂を含んでいてもよい。
【0109】
このシリコーンコンディショニング剤は、低レベルの揮発性シリコーン成分を含んでいてもよい。しかしながらこのような揮発性シリコーンは、好ましくはこの組成物の約0.5重量%以上を超えない。一般的には揮発性シリコーンが含まれているとしても、溶媒又はキャリヤーとしてこれらを使用することは副次的であろうが、それは、他の成分のはるかに商品として入手し得る形態、例えばシリコーンガム及び樹脂があるからである。
【0110】
ここでの用いるためのシリコーンコンディショニング剤は好ましくは、25℃で約1,000〜約2,000,000センチストークス、より好ましくは約10,000〜約1,800,000、さらにより好ましくは約100,000〜約1,500,000の粘度を有する。粘度は、1970年7月20日のダウ・コーニング社(Dow Corning Corporate)テスト方法CTM0004に示されているガラス毛管粘度計を用いて測定することができる。
【0111】
シリコーンコンディショニング剤は、ここでの組成物において、この組成物の約0.5〜約10重量%、好ましくは約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約8%、最も好ましくは約0.5〜約5%のレベルで用いられる。シリコーンコンディショニング剤はまた好ましくは、有機水不溶性液体と組合わせて用いられる。
【0112】
適切な不溶性不揮発性シリコーン流体には、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が含まれる。コンディショニング特性を有するその他の不溶性不揮発性シリコーン流体も用いることができる。ここで用いられている「不揮発性」という用語は、当業者に理解されているように、シリコーン物質が、周囲条件において非常に低いか又は有意でない蒸気圧を示すことを意味するものとする。「シリコーン流体」は、25℃で1,000,000センチストークス未満の粘度を有する流動性シリコーン物質のことを意味するものとする。一般的にはこの流体の粘度は、25℃で約5〜1,000,000センチストークス、好ましくは約10〜約100,000であろう。
【0113】
用いることができる不揮発性ポリアルキルシロキサン流体には、例えばポリジメチルシロキサンが含まれる。これらのシロキサンは、例えばジェネラル・エレクトリック社(General Electric Company)からViscasil(登録商標)及びSF96シリーズとして、及びダウ・コーニング社からDow Corning200シリーズとして入手し得る。
【0114】
用いることができるポリアルキルアリールシロキサン流体にはまた、例えばポリメチルフェニルシロキサンも含まれる。これらのシロキサンは、例えばジェネラル・エレクトリック社からSF1075メチルフェニル流体として、あるいはダウ・コーニング社から556Cosmetic Grade Fluidとして入手し得る。
【0115】
用いることができるポリエーテルシロキサンコポリマーには、例えば酸化ポリプロピレン変性ポリジメチルシロキサン(例えばダウ・コーニングDC−1248)が含まれる。但し酸化エチレン又は酸化エチレンと酸化プロピレンとの混合物も用いることができる。酸化エチレン及び酸化ポリプロピレンのレベルは、水及びここでの組成物中への溶解を防ぐのに十分なほど低くなければならない。
【0116】
適切なシリコーン流体を開示している参考文献には、次のものがある。Geenの米国特許第2,826,551号;1976年6月22日に発行されたDrakoffの米国特許第3,964,500号;Paderの米国特許第4,364,837号;Wellsの米国特許第5,573,709号;Woolstonの英国特許第849,433号;及びPCT特許出願第WO93/08787号である。これらの特許のすべては、その全体が参照してここに組込まれる。同様に、1984年にペトラーク・システムズ社(Petrarch Systems,Inc.)によって配布された「ケイ素化合物」も参照してここに組込まれる。この参考文献は、適切なシリコーン流体の広範な(限定的でない)リストを提供している。
【0117】
シリコーンコンディショニング剤において特に有用なもう1つのシリコーン物質は、不溶性シリコーンガムである。ここで用いられている「シリコーンガム」という用語は、25℃における粘度が1,000,000センチストークス又はそれ以上であるポリオルガノシロキサン物質を意味する。シリコーンガムは、ペトラーク社及びその他によって記載されている。これには、1979年5月1日に発行されたSpitzerらの米国特許第4,152,416号及び1968年ニューヨークAcademic PressのNoll,Walter「シリコーンの化学及び技術(Chemistry and Technology of Silicones)」が含まれる。同様に、ジェネラル・エレクトリック・シリコーン・ラバー・プロダクト・データシートSE30、SE33、SE54、及びSE76も、シリコーンガムについて記載している。これらの記載された引例のすべては、参照してここに組込まれる。「シリコーンガム」は一般的には、約200,000以上、一般に約200,000〜約1,000,000の質量分子量を有する。特定例には、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が含まれる。
【0118】
好ましくはシリコーンコンディショニング剤は、約1,000,000センチストークスより大きい粘度を有するポリジメチルシロキサンガムと、約10センチストークス〜約100,000センチストークスの粘度を有するポリジメチルシロキサン流体との混合物であって、ガム対流体の比が約30:70〜約70:30、好ましくは約40:60〜約60:40である混合物を含んでいる。
【0119】
このシリコーンコンディショニング剤に含まれ得るもう1つの任意成分は、シリコーン樹脂である。シリコーン樹脂は高度に架橋されたポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、単官能又はニ官能、又はその両方のシランと共に三官能及び四官能シランの組込みを通じて導入される。この技術でよく理解されているように、結果としてシリコーン樹脂を生じるために必要とされる架橋度は、シリコーン樹脂の中に組込まれる特定のシラン単位に従って様々であろう。一般に剛性又は硬質フィルムになるまで乾燥するように、三官能及び四官能シロキサンモノマー単位の十分なレベル(従って十分な架橋レベル)を有するシリコーン物質は、シリコーン樹脂であると考えられる。酸素原子対ケイ素原子の比は、特定のシリコーン物質における架橋レベルを示すものである。ケイ素原子1個あたり少なくとも約1.1個の酸素原子を有するシリコーン物質は一般に、ここでのシリコーン樹脂であろう。好ましくは酸素:ケイ素原子の比は少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に用いられるシランには、次のものが含まれる。すなわち、モノメチル―、ジメチル―、トリメチル―、モノフェニル―、ジフェニル―、メチルフェニル―、モノビニル―、及びメチルビニル―クロロシラン、及びテトラクロロシランが含まれ、メチル置換シランが最も普通に用いられている。好ましい樹脂は、ジェネラル・エレクトリック社によって、GESS4230及びSS4267として提供されている。商品として入手可能なシリコーン樹脂は一般に、低粘度揮発性又は不揮発性シリコーン流体中に溶解された形態で供給される。ここで用いるためのシリコーン樹脂は、当業者には容易に明らかになるように、このような溶解された形態で本組成物中に供給され、組込まれる方がよい。
【0120】
シリコーン流体、ガム、及び樹脂について考察しているセクションを含むシリコーンに関するバックグラウンド物質、並びにシリコーンの製造は、「ポリマー化学及びエンジニアリングの百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」,Volume 15,Second Edition,pp.294−308,John Wiley & Sons,Inc.,1989において見ることができる。この文献は参照してここに組込まれる。
【0121】
より好ましい使用の任意シリコーンの例には、ジメチコーン、シクロメチコーン、トリメチルシリルアモジメチコーン、フェニルトリメチコーン、トリメチルシロキシシリケート、ポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、及びポリエステルシロキサンコポリマーが含まれる。
【0122】
水性キャリヤー(e)
本発明の組成物は一般的には液体であり、これは好ましくは室温で注入し得る。ここでの組成物は、水性キャリヤー、すなわち水を含んでおり、これは一般に、組成物の約20〜約95重量%、好ましくは注入し得る液体配合物、例えばシャンプー、シャワージェル、液体ハンドソープ、及びローションについては約60%〜85%で存在する。本発明の組成物はまた、ほかの形態、例えばジェル、ムース等であってもよい。このような場合、この技術で知られている適切な成分、例えばゲル化剤(例えばヒドロキシエチルセルロース)等を、この組成物中に含めることもできる。ジェルは一般的には、約20%〜約90%の水を含んでいる。ムースは、低粘度組成物であり、この技術でよく知られている方法に従って、スプレーし得る液体としてエーロゾルキャニスターに詰められる。このキャニスターには、一般的には推進薬又はエーロゾルスプレーを発生させる手段が入っている。
【0123】
任意成分
本組成物はまた、このような組成物を化粧品的又は美的により許容し得るものにするために、あるいはこれらに追加の使用効果を与えるのに適した多様な非必須任意成分を含んでいてもよい。多様なこのようなものは、ヘア、スキン、及びネイルケアの当業者に知られている。これらの成分はよく知られており、これには次のものが含まれるが、本発明をこれらに限定するわけではない。すなわち、真珠光沢補助剤、例えば被覆雲母、エチレングリコールジステアレート;乳白剤、例えばスズ(Tin);保存料、例えば1,2−ジブロモ―2,4−ジシアノブタン(米国ペンシルベニア州ピッツバーグのカルゴン社のMERGUARD(登録商標))、ベンジルアルコール、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル―2,3−イミダゾリジンジオン(例えば米国ニュージャージー州フェアローンのロンザ社(Lonza Inc.,Fairlawn,N.J.,USA)のGLYDANT(登録商標))、メチルクロロイソチアゾリノン(例えば米国ペンシルベニア州フィラデルフィアのローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas Co.,Philadelphia,PA,USA)のKATHON((登録商標))、メチルパラベン、プロピルパラベン、及びイミダゾリジニルウレア;脂肪アルコール、例えばセテアリールアルコール、セチルアルコール、及びステアリールアルコール;塩化ナトリウム;塩化アンモニウム;硫酸ナトリウム;エチルアルコール;pH調節補助剤、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、リン酸、リン酸一ナトリウム、リン酸ニナトリウム、水酸化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム;着色剤又は染料;香料;及び金属イオン封鎖剤、例えばジナトリウムエチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)である。
【0124】
有利に用い得るもう1つの任意成分は、帯電防止剤である。帯電防止剤は、この組成物の使用中性能及び最終効果を不当に妨げないものであるべきである。このことはシャンプー組成物にはより重要であり、帯電防止剤は、特にアニオン性洗浄性界面活性剤の妨げにならないものの方がよい。適切な帯電防止剤には、例えばトリセチルメチルアンモニウム塩化物が含まれる。
【0125】
一般的にはこのような帯電防止剤約0.1%〜約5%が、シャンプー組成物の中に組込まれる。
【0126】
ポリマー成分は本組成物をある程度まで増粘する作用をすることがあるが、本組成物はまた場合によっては、その他の増粘剤及び粘度調節剤、例えば長鎖脂肪酸のエタノールアミド、例えばポリエチレン(3)グリコールラウラミド及びココナットモノエタノールアミド(コカミドMEA)、アンモニウムキシレンスルホネート、キサンタンガム、及びヒドロキシエチルセルロースを含んでいてもよい。
【0127】
これらの任意成分は一般に、本発明の組成物において個別に、この組成物の約0.01%〜約10%、好ましくは約0.05%〜約5.0%のレベルで用いられる。
【0128】
使用方法
本発明の組成物は、通常のように用いられる。すなわち、有効量の組成物を頭皮又は皮膚につけ、ついでこれを水で洗い流すことによって、髪又は皮膚をシャンプー又は洗浄する。一般にシャンプーを頭皮につけるということは、頭皮上の髪のすべて又は大部分が接触されるように、髪にシャンプーをすり込むか、かき混ぜることを含んでいる。ここで用いられている「有効量」という用語は、ケラチン基質を洗浄及びコンディショニングするのに有効な量である。髪を洗浄及びコンディショニングするために、一般にこの組成物約1g〜約20gを使用する。好ましくはシャンプーは、濡れているか又は湿った状態で毛髪につける。
【0129】
ここでの組成物はまた、皮膚を洗浄及びコンディショニングするためにも用い得る。このような用途のためには、この組成物は便利な方法で、例えば場合によっては水の存在下に皮膚をこの組成物と共にこするか又はマッサージすることによって皮膚につけ、ついでこれを水で洗い流す。洗い流さない製品の場合、この組成物は、フルの濃度で皮膚と接触させて放置する。
【実施例】
【0130】
次の実施例は、本発明を例証する。ヘア、スキン、又はネイルケア配合物における当業者の技術の範囲内にある本発明のその他の修正は、この発明の精神及び範囲から逸脱することなく実施し得ると認められる。
【0131】
ここでのすべての部分、パーセント、及び比は、ほかに特定されていなければ重量である。いくつかの要素は、供給業者から希釈溶液として得られてもよい。示されているレベルは、ほかに特定されていなければ活性物質の重量パーセントを表わす。
【0132】
次の実施例1〜3はシャンプー組成物であり、実施例3は本発明によるものである。
【0133】
実施例1〜3
次のシャンプー配合物は、両性ポリマーポリクオーターニウム―47がカチオン性ポリマーポリクオーターニウム―10と共に用いられた時に見られる相乗効果を示す。
【0134】
【表1】

【0135】
実施例1〜3のシャンプーを、英国ハンプシャー、アンドーバーのダイアストロン社(Dia−Stron Limited,Andover,Hampshire,U.K.)のダイアストロンミニ引張りテスターを用いて、湿潤時の梳かしやすさについて評価した。髪を梳かすのに必要な仕事量(ミリジュール(mJ))を直接測定する。低い方の仕事レベルは、髪がより梳かしやすいので、優れたコンディショニングを示す。
【0136】
【表2】

【0137】
相乗特性は、各ポリマーから個別に予測されるものと比べた、組合わせを用いて見られた総仕事における減少を測定することによって評価した。K値の計算方法は、当業者によく知られている。この実施例において、K値は次の式によって決定された:
【0138】
【数1】

【0139】
ここにおいて、[PQ10/2についてのmJ]は、2で割られた、ポリクオーターニウム―10がフル濃度(0.26%w/w)で用いられた時に観察された総仕事(mJ)を意味するが、その理由は、この組合わせが1/2ポリクオーターニウム―10から構成されているからである;
[PQ47/2についてのmJ]は、2で割られた、ポリクオーターニウム―47がフル濃度(0.26%w/w)で用いられた時に観察された総仕事(mJ)を意味するが、その理由は、この組合わせが1/2ポリクオーターニウム―47から構成されているからである;
[組合わせについてのmJ]は、ポリクオーターニウム―10とポリクオーターニウム―47との50:50w/wの組合わせが、0.26%w/w濃度で用いられた時に観察された総仕事(mJ)を意味する。
1よりも大きい比の値は、2つのコンディショニングポリマー間の相乗作用を示し、1未満の比の値は、2つのコンディショニングポリマー間の拮抗作用を示し、1に等しい比の値は、2つのコンディショニングポリマーの追加作用を示す。
【0140】
実施例3についての比の値は次のとおりである:
【0141】
【数2】

【0142】
2.39という比の値は、両性ポリマーポリクオーターニウム―47及びカチオン性ポリマーポリクオーターニウム―10が実施例3のシャンプー配合物において組合わせて用いられる時の相乗作用を示している。
【0143】
実施例4〜6
次のシャンプー配合物は、両性ポリマーポリクオーターニウム―47が、カチオン性ポリマーグアールヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物と共に用いられる時に見られる相乗効果を示している。
【0144】
【表3】

【0145】
実施例4〜6のシャンプーを、英国ハンプシャー、アンドーバーのダイアストロン社のダイアストロンミニ引張りテスターを用いて、湿潤時の髪の梳かしやすさについて評価した。髪を梳かすのに必要な仕事量(ミリジュール(mJ))を直接測定する。低い方の仕事レベルは、髪をより梳かしやすいので、優れたコンディショニングを示す。
【0146】
【表4】

【0147】
相乗特性は、各ポリマーから個別に予測されるものと比べた、組合わせを用いて見られた総仕事における減少を測定することによって評価した。実施例6の比の値は次のとおりである:
【0148】
【数3】

【0149】
1.38という比の値は、両性ポリマーポリクオーターニウム―47及びカチオン性ポリマーポリグアールヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物が、実施例6のシャンプー配合物において組合わせて用いられる時の相乗作用を示している。
実施例7〜9
これらの実施例は、ハンド及びボディローションエマルジョンにおけるポリ両性電解質コンディショニング剤とカチオン性ポリマーコンディショニング剤との組合わせの効率を証明するためのものである。これらの実施例において、皮膚表面の電気インピーダンスは、DPM9103センサープローブが付いた皮膚相メーター(Dermal Phase Meter)(DPM)9003(ニューハンプシャー州ポーツマスのノヴァ・テクノロジー社(Nova Technology Corporation, Portsmouth, NH))を用いて測定した。このプローブは、非伝導性樹脂によって分離された2つの同心黄銅電極を含むフラット接触表面にばねで力が加えられている。この器具は、平行な抵抗器とコンデンサーとを備えた交流回路として角質層の形を表わしている。測定されたインピーダンスは、AC入力から、角質層の抵抗とキャパシタンスとの関係をベースとしている。
【0150】
キャパシタンスは、角質層の水和レベルへの洞察を与える皮膚の電気的(又は生物物理的)性質である。角質層は、本来高い電気抵抗を有するが、これは加湿された時に減少する。コンダクターの電荷の瞬間的貯蔵のための能力が、定量的測定を生じる。角質層の水和は、1単位ボルトあたりより多くの電荷が保存され得るように、キャパシタンスを増加させる。水和が大きくなればなるほど、乾燥肌と加湿肌とのより大きな変化又は差が観察される。DPMは、DPM装置においてインピーダンスの読取りを生じ、これは皮膚の電気キャパシタンスに直接関連しており、皮膚の加湿の相対値を示す。
【0151】
加湿調査が、50歳の女性被験者に対して実施された。パネリストは、テスト前の5日間、Ivory(登録商標)石鹸で、両方の前腕の手のひら側表面を予め洗浄した。すべてのテストは、22℃、55%RHの一定の環境室において実施された。パネリストは、テストエマルジョンの塗布前、環境室で30分間平衡された。テストされるハンド及びボディローション0.05gを塗布する直前に、各塗布部位(ベースライン読取り)について、DPM値を測定した。DPM読取りは、塗布の15、30、60、90、及び120分後に実施された。結果は、デルタDPMの各時間間隔における測定値とベースライン読取り値との間の差として表わされる。より高い読取り値は、皮膚におけるよい高い湿分レベルを示し、これはより良い加湿性能を意味する。
【0152】
これらのポリマーの組合わせは、次のハンド及びボディローションエマルジョン配合の一部として評価された。
【0153】
【表5】

【0154】
これらの結果は、本発明の組成物(実施例7及び8の生成物)の優れた加湿効果を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び双性イオン界面活性剤から成る群から選ばれる1つの界面活性剤成分約5〜約50重量%;
(b)水溶性有機両性ポリマーコンディショニング剤約0.05〜約10重量%;
(c)水溶性有機カチオン性ポリマーコンディショニング剤約0.05〜約10重量%;
(d)水不溶性液体0〜約70重量%;及び
(e)水性キャリヤー。
を含むコンディショニング組成物。
【請求項2】
成分(a)が約5〜約25重量%の濃度にある、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項3】
(a)の界面活性剤成分がアニオン性である、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項4】
前記組成物がアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との両方を含む、請求項2に記載のコンディショニング組成物。
【請求項5】
界面活性剤成分(a)が、約5〜約25重量%の濃度で存在し、両性ポリマーコンディショニング剤(b)が、約0.05〜約7重量%の濃度で存在し、カチオン性ポリマーヘアコンディショニング剤(c)が、約0.05〜約4重量%の濃度で存在するが、すべてが水性キャリアー(e)中に存在する、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項6】
界面活性剤成分(a)が、約10〜約20重量%の濃度で存在し、両性ポリマーコンディショニング剤(b)が、約0.05〜約5重量%の濃度で存在し、カチオン性ポリマーコンディショニング剤(c)が、約0.05〜約3重量%の濃度で存在する、請求項5に記載のコンディショニング組成物。
【請求項7】
前記両性ポリマーコンディショニング剤が、(A)少なくとも1つのエチレン不飽和カチオン性モノマー、(B)少なくとも1つのエチレン不飽和酸含有モノマー、及び(C)エチレン不飽和非イオン性モノマーであるモノマー約0〜約80モル%から構成されている、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項8】
前記エチレン不飽和酸含有モノマーが、カルボン酸とスルホン酸とから成る酸の群から選ばれる、請求項7に記載のコンディショニング組成物。
【請求項9】
前記両性ポリマーコンディショニング剤は:
(A)アルキルアクリルアミドプロピル―ジメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルメタクリルアミドプロピルジメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルアクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムハロゲン化物、アルキルメタクリロイルオキシエチルジメチルアンモニウムハロゲン化物、及びジアルキルジアリルアンモニウムハロゲン化物から成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマー約1〜約99モル%;
(B)アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、2−アクリルアミド―2−メチルプロパンスルホン酸(AMPSA)2−メタクリルアミド―2−メチルプロパンスルホン酸(MAMPSA)、n―メタクリルアミドプロピル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸、n―アクリルアミドプロピル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸、n―メタクリロイルオキシエチル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸、及びn―アクリロイルオキシエチル,n,n―ジメチル,アミノ酢酸から成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマー約1〜約99モル%;及び
(C)C〜C22直鎖又は枝分かれ鎖アルキルアクリレート又はメタクリレート、C〜C22直鎖又は枝分かれ鎖n―アルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、アクリルアミドメチルアクリルアミド、n―ビニルピロリドン、ビニルアセテート又はエトキシル化及びプロポキシル化アクリレート又はメタクリレートから成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマー約0〜約80モル%;
から構成され、粘度計で測定した重量平均分子量が約100,000〜約10,000,000である、請求項7に記載のコンディショニング組成物。
【請求項10】
前記両性ポリマーコンディショニング剤におけるモル比(A):(B)が、約25:75〜約75:25である、請求項9に記載のコンディショニング組成物。
【請求項11】
(C)は、この両性ポリマー中に、約1〜約40モル%の濃度で存在し、C〜C22アクリレートエステル、C〜C22メタクリレートエステル、アクリルアミド、及びC〜C22n―アルキルアクリルアミドから成る群から選ばれる少なくとも1つのモノマーである、請求項9に記載のコンディショニング組成物。
【請求項12】
前記C〜C22アクリレートエステルは、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ラウリル、及びステアリルアクリレートエステルから成る群から選ばれ、前記C〜C22メタクリレートエステルは、メチル、エチル、ブチル、オクチル、ラウリル、及びステアリルメタクリレートエステルから成る群から選ばれ、前記C〜C22n―アルキルアクリルアミドが、n−メチル、n―エチル、n―ブチル、n―オクチル、t―オクチル、n―ラウリル、及びn―ステアリルアクリルアミド及びメタクリルアミドから成る群から選ばれる、請求項11に記載のコンディショニング組成物。
【請求項13】
(A)のモノマーが、MAPTAC、APTAC、AETAC、METAC、METAMS、及びDMDAACから成る群から選ばれ、(B)のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、及びAMPSAから成る群から選ばれる、請求項9に記載のコンディショニング組成物。
【請求項14】
(A)の少なくとも1つのモノマーは、(B)の少なくとも1つのモノマーに対するモル比(A):(B)25:75〜75:25の比で存在し、(C)の少なくとも1つのモノマーが、約1〜約35モル%の量で存在する、請求項9に記載のコンディショニング組成物。
【請求項15】
(b)の前記両性ポリマーコンディショニング剤が、(1)約45モル%MAPTAC、約45モル%アクリル酸、及び約10モル%メタクリレートから構成される1つのポリマーと、(2)約30モル%DMDAAC、約35モル%アクリル酸、及び約35モル%アクリルアミドから構成される1つのポリマーとから成るポリマーの群から選ばれ;(c)の前記カチオン性ポリマーコンディショニング剤は、(1)トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四アンモニウ塩;(2)ヒドロキシプロピルグアールの第四アンモニウム誘導体;及び(3)デンプンの第四アンモニウム誘導体から成るポリマーの群から選ばれる、請求項14に記載のコンディショニング組成物。
【請求項16】
さらに、シリーコーンコンディショニング剤と、炭化水素油、10〜22個の炭素原子を有する脂肪酸エステル、及びこれらの混合物から成る群から選ばれる1つの有機水不溶性液体約0.05〜約5重量%とを含む、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項17】
(a)の前記アニオン性界面活性剤は、ラウリルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、α―オレフィンスルホネート、及びこれらのアンモニウム、ナトリウム、及びアミン塩から成る群から選ばれ;(a)の前記非イオン性界面活性剤は、脂肪ジ又はモノエタノールアミド、ポリエチレン又はポリプロピレングリコールのモノ又はジ脂肪酸エステル、及びC〜Cグリコールのモノ又はジ脂肪酸エステルから成る群から選ばれ;シリコーンコンディショニング剤は、ジメチコーン、シクロメチコーン、トリメチルシリルアモジメチコーン、フェニルトリメチコーン、トリメチルシロキシシリケート、ポリオルガノシロキサン、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルカリールシロキサン、及びポリエステルシロキサンコポリマーから成る群から選ばれる、請求項16に記載のコンディショニング組成物。
【請求項18】
前記両性ポリマー及びカチオン性ポリマーコンディショニング剤は、水:シャンプー組成物重量比20:1において、成分(a)、(b)、及び(c)の水での希釈時に、錯コアセルベート形態で存在する、請求項1に記載のコンディショニング組成物。
【請求項19】
前記基質と請求項1の組成物とを接触させることを含む、ケラチンベースの基質を処理する方法。
【請求項20】
(a)は、15重量%のアニオン性界面活性剤と、約1〜2重量%の非イオン性界面活性剤とを含み、(b)は、約0.05〜1.5%の両性ポリマーコンディショニング剤を含み、そして、(c)は、前記カチオン性ポリマーコンディショニング剤約0.05〜0.4重量%を含んでいる、請求項15に記載の組成物と毛髪とを接触させることを含む、毛髪の処理方法。

【公開番号】特開2010−106032(P2010−106032A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295370(P2009−295370)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【分割の表示】特願2000−589152(P2000−589152)の分割
【原出願日】平成11年12月15日(1999.12.15)
【出願人】(500183386)カルゴン コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】CALGON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】One Nelco Center, Naperville, Illinois 60563−1198, United States of America
【Fターム(参考)】