説明

ケラチン繊維を着色するための薬剤及び方法

本発明は、式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体、又はその生理学的に適合性のある塩を少なくとも1つ、
【化1】


及び、式(II)のオルト−キノン又は式(III)のパラ−キノンを少なくとも1つ含むケラチン繊維着色剤(A)、
【化2】


並びに、前記薬剤を用いて毛髪を着色する方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、例えば、絹、羊毛、又は毛髪、及び詳細にはヒトの毛髪などのケラチン繊維を着色するための薬剤のうち、(i)少なくとも1つの複素環式ヒドラゾン誘導体、及び(ii)少なくとも1つのキノイド化合物の混合物を含む薬剤、並びに、前記薬剤を用いてケラチン繊維を着色する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
毛髪着色剤は主に、着色前の毛髪色と所望の仕上がりに応じて、酸化着色剤と毛髪染料の分野に分かれている。酸化毛髪着色剤は、比較的白髪の量が多い毛髪をカバーするのに非常に適し、白髪の量が50%以下の毛髪に用いる酸化着色剤は一般に酸化毛髪染料と呼ばれており、一方、白髪の量が50%超の毛髪、又は「明色化」に用いられる酸化着色剤は、一般にいわゆる酸化着色剤と呼ばれている。直接染料は主に、非酸化着色剤(いわゆる毛髪染料)中に存在している。例えばニトロ染料などの直接染料には、そのサイズの小ささから、毛髪中に浸透し、少なくとも外側領域を直接着色できるものもある。そのような染料は毛髪に対し非常に穏やかに作用し、一般に6〜8回の洗髪に耐えられる。同様に直接染料は、ある色合いを出したり、色を強化したりするために酸化着色剤中で使用されることが多い。
【0003】
EP−A0848942号、DE−A4335624号、及びEP−B0460996号には既に、ベンゾキノン類、及びアミノ基及び/又はヒドロキシル基が含まれている化合物をベースとしている着色系について記載されている。また、WO03/042199号により、2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン及びベンゾキノン類の混合物をケラチン繊維の着色に使用することが既に知られている。同様に、ある複素環式ヒドラゾン誘導体を酸化毛髪着色剤中で顕色剤物質として使用することは、DE−A10309523号により既に知られている。しかし、現在のところ知られている着色系には、着色剤に対する要件をあらゆる点で満たせないものもある。従って、特に穏和な条件下において、強く、かつまた穏やかに着色できる着色剤に対するニーズは依然として高い。
【0004】
驚くべきことに、(i)式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体の少なくとも1つ、及び(ii)キノイド化合物の少なくとも1つを組み合わせて使用することにより、穏和な条件下において、穏やかな方法で黄色〜青色の色調範囲での強い発色が可能になることが、今では判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明は、例えば、羊毛、絹、綿、又は毛髪、及び詳細にはヒトの毛髪などの繊維を着色する薬剤(A)を提供し、前記薬剤は、適用前に、2つの構成成分(A1)及び(A2)を混合することにより調製し、構成成分(A1)に、式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体、又はその生理学的に適合性のある塩を少なくとも1つ含み
【0006】
【化1】

式中、
Xが酸素、硫黄、又はN−R2であり、
YがC−R3又は窒素であり、
ZがC−R4又は窒素であり、
ただし、式(I)の複素環式部分が最大で3つのヘテロ原子を有し、
Aが水素、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ホルミル基、(C1〜C6)−アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基であり、
R1及びR2が同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、飽和若しくは不飽和(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシ−(C2〜C12)−アルキル基、アミノ−(C2〜C12)−アルキル基、スルホン酸−(C1〜C12)−アルキル基、同素環式若しくは複素環式基、ホルミル基、C(O)−アルキル基、C(O)−フェニル基、C(O)NH−アルキル基、C(O)NH−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、又は置換若しくは非置換ベンジル基であり、
R3及びR4が同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、水素、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、飽和若しくは不飽和(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−アルコキシ基、(C1〜C6)−アルコキシ−(C1〜C6)−アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、(C1〜C12)−アルキルアミノ基、(C1〜C12)−ジアルキルアミノ基、カルボン酸、C(O)O−(C1〜C12)−アルキル基、置換若しくは非置換C(O)O−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、ナフチル基、非芳香族同素環式基、又は置換若しくは非置換ヘテロアリール基であり、
且つ、Y及びZがC−R3及びC−R4である場合、R3及びR4が、残留分子と共に複素環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換環構造を形成することができ、
並びに構成成分(A2)が式(II)のオルト−キノン、又は式(III)のパラ−キノンを少なくとも1つ含み、
【0007】
【化2】

式中、R5、R6、R7、及びR8が、互いに独立して、水素、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−(C1〜C12)−アルキル基、ポリヒドロキシ−(C2〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−アルコキシ基、モノ−(C1〜C6)−アルコキシ−(C1〜C6)−アルキル基、ポリ−(C1〜C6)−アルコキシ−(C2〜C6)−アルキル基、(C1〜C2)−アルキレンジオキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸、C(O)O−(C1〜C12)−アルキル基、置換若しくは非置換C(O)O−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、ナフチル基、非芳香族同素環式基、又は芳香族又は非芳香族複素環式基、又はアミノ基−NR9R10であり、この場合、ラジカルR9及びR10は同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、水素、(C1〜C12)−アルキル基、炭素環式若しくは複素環式置換芳香族化合物、又は炭素環式若しくは複素環式非置換芳香族化合物であり、あるいはR9及びR10が、窒素原子と共に、飽和又は不飽和、置換若しくは非置換複素環式(C3〜C6)−ラジカル(例えばイミダゾリジノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピラゾリジノ、ピペラジノ、又はモルホリノ基)を形成し、
あるいは、式(II)のo−キノン類の場合はR5とR6、及び/又はR6とR7、及び/又はR7とR8が、又は式(III)のp−キノン類の場合はR5とR6、及び/又はR7とR8が、いずれの場合も残留分子と共に、複素環式又は炭素環式、置換又は非置換環を形成できることを特徴としている。特に好ましいのは、式(I)のヒドラゾン誘導体又はその生理学的に適合性のある塩であって、Xが硫黄、YがC−R3、ZがC−R4、及びAが水素原子であるものである。
【0008】
列挙可能な式(I)の化合物の例は以下の化合物である。3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(4−トリル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−メトキシ)フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−エトキシ)フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(3−クロロ−フェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(4−ニトロフェニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(2−ナフタレニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4−チアゾールカルボン酸エチル、3,4,5−トリメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジメチル−5−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,5−ジメチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−エチル−3−メチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−5−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−5−フェニル−4−(4−トリル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−(4−クロロフェニル)−4−フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−(4−クロロフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3,4−ジメチル−4−チアゾールカルボン酸エチル、4−アミノ−2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−5−チアゾールカルボニトリル、3−エチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−エチル−4−メチル−チアゾールカルボン酸エチル、5−メチル−3−(1−メチルエチル)−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(1−メチルエチル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(1−メチルエチル)−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−プロピル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジフェニル−3−プロピル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ブチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ブチル−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(2−メチルプロピル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(2−メチルプロピル)−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−4−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−4−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−メチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−p−ビフェニリル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−メトキシ)フェニル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−メチル−3,4−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4,5−トリフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(フェニルメチル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−メチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−フェニル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジフェニル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−[(フェニルアミノ)カルボニル]−4−メチルチアゾールカルボン酸エチル、3−メチル−2(3H)−オキサゾロンヒドラゾン、3−フェニル−2(3H)−オキサゾロンヒドラゾン、1,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3−ジエチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3−ジヒドロキシエチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3−ジアミノエチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3−ジメチル−4−メトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3,4−トリメチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、4−カルボキシ−1,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、4−アミノ−1,3−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,3−ジメチル−4−ジメチルアミノ−1,3−ジヒドロ−2H−イミダゾール−2−オンヒドラゾン、1,4−ジメチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジヒドロキシエチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジアミノエチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,3,4−トリメチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジメチル−3−フェニル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジメチル−3−メトキシ−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジメチル−3−ジメチルアミノ−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−カルボキシ−1,4−ジメチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−アミノ−1,4−ジメチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−ブチル−1−メチル−3−フェニル−Δ2−1,3,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジメチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジヒドロキシエチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−アミノエチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,3,4−トリメチル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、1,4−ジメチル−3−フェニル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−メチル−3−フェニル−Δ2−1,2,4−トリアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−メチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−ヒドロキシエチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−アミノエチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−メチル−2−フェニル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、2−メトキシ−4−メチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、2−アニリノ−4−メチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、2−アミノ−4−メチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、2−ジメチルアミノ−4−メチル−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−メチル−2−(メチルチオ)−Δ2−1,3,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−(5−ヒドラゾノ−4,5−ジヒドロ−4−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホニルフッ化物、4−メチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−ヒドロキシエチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−アミノエチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、4−メチル−3−フェニル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、3−メトキシ−4−メチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、3−アミノ−4−メチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、3−ジメチルアミノ−4−メチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン、及び3−カルボキシ−4−メチル−Δ2−1,2,4−チアジアゾリン−5−オンヒドラゾン。
【0009】
式(I)の化合物のうち、特に好ましいのは以下のチアゾロンヒドラゾン誘導体である。
【0010】
3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(4−トリル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−メトキシ)フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−エトキシ)フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(4−ニトロフェニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4−チアゾールカルボン酸エチル、3,4,5−トリメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、
3,4−ジメチル−5−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,5−ジメチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−エチル−3−メチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−5−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−5−フェニル−4−(4−トリル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−(4−クロロフェニル)−4−フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−(4−クロロフェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3,4−ジメチル−4−チアゾールカルボン酸エチル、4−アミノ−2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−5−チアゾールカルボニトリル、3−エチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−エチル−4−メチル−チアゾールカルボン酸エチル、5−メチル−3−(1−メチルエチル)−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(1−メチルエチル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(1−メチルエチル)−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−プロピル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジフェニル−3−プロピル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ブチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ブチル−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(2−メチルプロピル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(2−メチルプロピル)−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−4−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−4−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−メチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−p−ビフェニリル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−メトキシ)フェニル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−メチル−3,4−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4,5−トリフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(フェニルメチル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−メチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−フェニル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジフェニル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、及び2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−[(フェニルアミノ)カルボニル]−4−メチルチアゾールカルボン酸エチル。
【0011】
式(I)の化合物は、文献により周知の合成方法、例えば「研究の開示(Research Disclosure)」(1978年10月、42〜44ページ、17434号)に記載されている方法、もしくはWO02/074268号、DE−B1049381号に記載されている類似の方法、及び「化学研究ジャーナル(概要)(Journal of Chemical Research, Synopses)」(1998年)の12〜13ページに記載されている方法により、調製することができる。
【0012】
式(II)の好ましいオルト−キノン類は、4,5−ジメトキシ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、5(5H),6(6H)−ジオキソ−1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロ−1,4−ジメチル−3−ヒドロキシ−1H−インドール−5,6−ジオン、2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−1−メチル−1H−インドール−5,6−ジオン、3,5−ジ(1,1−ジメチル−エチル)−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−1H−インドール−5,6−ジオン、3,4,5,6−テトラクロロ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、4,5−ジメトキシ−3,6−ジフェニル−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、4,5−ジ(フェニルアミノ)−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、カコテリン、3,4−ジヒドロ−3,4−ジオキソ−1−ナフタレンスルホン酸アンモニウム塩、4−メトキシ−1,2−ナフタレンジオン、1,2−ナフタレンジオン、1,2−ナフタレンジオン−4−スルホン酸ナトリウム塩、4−アミノ−1,2−ナフタレンジオン水和物(2:1)、及び9,10−フェナントレンキノンであり、特に好ましいのは、4,5−ジメトキシ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、5(5H),6(6H)−ジオキソ−1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロ−1,4−ジメチル−3−ヒドロキシ−1H−インドール−5,6−ジオン、3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、3,4,5,6−テトラクロロ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、カコテリン、1,2−ナフタレンジオン、1,2−ナフタレンジオン−4−スルホン酸ナトリウム塩、4−アミノ−1,2−ナフタレンジオン水和物(2:1)、及び9,10−フェナントレンキノンである。
【0013】
式(III)の好ましいパラ−キノン類は、1,4−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−ターシャル−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−ターシャル−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−ターシャル−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2−メトキシ−1,4−ベンゾキノン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−3−メトキシ−6−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−3,6−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、3−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−ヒドロキシメチル−6−メトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2−フルオロ−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−3,6−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−3−メチル−6−(1−メチルエチル)−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、3,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1,4−ジエン−1,2−ジカルボニトリル、2,5−ジクロロ−3,6−ジオキソシクロヘキサ−1,4−ジエン−1,4−ジカルボニトリル、2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−3,6−ジメチルアミノ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2−アミノ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、5−アミノ−2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジアミノ−3,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフタレンジオン、及び1H−インドール−4,7−ジオンであり、特に好ましいのは、1,4−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフタレンジオン、及び1H−インドール−4,7−ジオンである。
【0014】
式(I)の化合物、及び式(II)又は(III)のオルト−又はパラ−キノン類は通常は別々に保存し、適用直前に混合させる。しかし、式(I)の化合物、及び式(II)又は(III)のオルト−又はパラ−キノン類が固体の場合、これらを一緒に梱包し、式(I)の化合物、及び式(II)又は(III)のオルト−又はパラ−キノン類が含まれている固体製剤(A’)を、水、又は薬剤のその他構成成分が含まれている液体製剤(A’’)と適用直前に混合することによって、調製済み着色剤(A)を調製することも可能である。
【0015】
更に本発明による着色剤には、構成成分(A2)及び(A’)及び調製済み製剤(A)中の式(I)の化合物、及び式(II)のオルト−キノン類及び/又は式(III)のパラ−キノン類に加え、更に、カチオン性及びアニオン性染料、分散染料、アゾ染料、キノン染料、及びトリフェニルメタン染料の群の、慣例的に生理学的に許容できる直接染料を任意に追加して含めることができる。
【0016】
これらの直接染料は、構成成分(A2)又は(A’)中に、総量約0.02〜20重量%、好ましくは0.2〜10重量%で、調製済み着色剤(A)中に、総量約0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%で用いることができる。
【0017】
本発明による着色剤は、一般に構成成分(A1)及び(A2)の混合物、すなわち、式(I)の化合物が1つ以上含む着色キャリア体(A1)、及び式(II)/(III)のキノイド化合物を1つ以上含む更なる着色キャリア体(A2)から構成されている。
【0018】
式(I)の化合物、及び式(II)のオルト−キノン類及び/又は式(III)のパラ−キノン類は、特定の着色キャリア体(構成成分(A1)又は構成成分(A2)又は構成成分(A1’))中に、いずれの場合も総量約0.02〜20重量%、好ましくは約0.2〜10重量%で存在し、調製済み着色剤(A)中には、式(I)の化合物、及び式(II)のオルト−キノン及び/又は式(III)パラ−キノンは、いずれの場合も総量約0.01〜10重量%、好ましくは約0.1〜5重量%で存在している。
【0019】
構成成分(A1)及び(A2)、及び調製済み着色剤(A)の調製形状は、例えば、溶液、詳細には水性又は水性−アルコール性溶液、クリーム、ジェル、又はエマルションとすることができる。この組成物は、式(I)の化合物、又は式(II)のオルト−キノン類及び/又は式(III)のパラ−キノン類と、このような調製剤では通例的な添加剤との混合物である。
【0020】
溶液、クリーム、エマルション、ジェル、又はエアゾールフォームの着色剤で用いる通例的な添加物は、例えば、水、低級脂肪族アルコール、例えばエタノール、n−プロパノール及びイソプロパノール、又はグリセロール及び1,2−プロパンジオールなどのグリコール、などの溶媒、並びに、脂肪族アルコール硫酸塩、オキシエチル化脂肪族アルコール硫酸塩、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベタイン、オキシエチル化脂肪族アルコール、オキシエチル化ノニルフェノール、脂肪酸アルカノールアミド、オキシエチル化脂肪酸エステルなどのアニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面活性物質の部類からの湿潤剤もしくは乳化剤、並びに、高級脂肪族アルコール、デンプン、又はセルロース誘導体などの増粘剤、香料、毛髪前処理剤、コンディショナー、毛髪膨張剤、防腐剤、並びに、ワセリン、パラフィン油、及び脂肪酸、並びに、カチオン性樹脂、ラノリン誘導体、コレステロール、パントテン酸、及びベタインなどのケア物質がある。記載した構成成分は、その目的に対する慣例的な量、例えば、湿潤剤及び乳化剤は、約0.5〜30重量%(いずれの場合も構成成分(A1)又は(A2)に対して)の濃度で、増粘剤は、約0.1〜25重量%(いずれの場合も構成成分(A1)又は(A2)又は(A’’)に対して)の量で、及びケア物質は、約0.1〜5.0重量%(いずれの場合も構成成分(A1)又は(A2)又は(A’’)に対して)の濃度で使用する。
【0021】
調製済み着色剤(A)及び着色キャリア体(A1)、(A2)及び(A’’)のpHは、いずれの場合も約3〜12、好ましくは約4〜10であり、調製済み着色剤(A)のpHは、一般に個々の構成成分の混合時に明らかになる。しかし、着色に必要な構成成分(A1)、(A2)及び(A’’)、及び調製済み着色剤(A)のpHを求めるために、必要に応じて、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属アセテート(特に酢酸ナトリウム)、アルカリ土類金属アセテート、アルカリ金属カーボネート、又はアルカリ土類金属カーボネート(特に炭酸ナトリウム)などのアルカリ化剤、又は例えば、乳酸、酢酸、酒石酸、リン酸、塩酸、クエン酸、アスコルビン酸、又はホウ酸などの酸を添加することも可能である。
【0022】
調製済み着色剤は、構成成分(A1)及び(A2)、若しくは構成成分(A1’)と水又は構成成分(A’’)を(必要に応じてアルカリ化剤又は酸を添加して)混合することにより適用直前に調製し、次いで繊維、詳細にはヒトの毛髪に適用する。目的の着色度により、この混合物を約5〜60分間、好ましくは約15〜30分間、約20〜50℃、詳細には約30〜40℃の温度で反応させる。次いで繊維を水ですすぎ、任意に応じて市販のシャンプーで洗浄し、乾燥させる。
【0023】
本発明は更に、構成成分(A1)の剤及び構成成分(A2)剤、及び任意にpH調整剤(アルカリ化剤又は酸)から成る多成分キットを提供する。当然ながら、構成成分(A1)及び(A2)の薬剤は、適用直前に互いに混合させる2つ以上の個々の構成成分から構成させることもできる。2構成成分キットも同様に可能であり、第1の構成成分は式(I)の化合物、及び式(II)のオルト−キノン類及び/又は式(III)のパラ−キノン類、及び任意に更なる慣例の粉末化粧品添加剤が含まれている粉末(A’)から成り、第2の構成成分は水又は液体化粧品製剤(A’’)である。第1の構成成分が式(I)の化合物、及び式(II)のオルト−キノン類及び/又は式(III)のパラ−キノン類、及び任意に更なる慣例の粉末化粧品添加剤が含まれている粉末(A’)から成り、第2の構成成分が水又は液体化粧品製剤(A’’)である2構成成分キットが特に好ましい。
【0024】
本発明による着色剤は、繊維、詳細には例えば、ヒトの毛髪などのケラチン繊維に対し、穏やかで、均一かつ長続きする着色を行えるようにし、黄〜青の色合いで幅広い着色パターンを可能にする。
【0025】
以下の実施例は、主題をより詳細に説明することを意図しており、前記主題はこれらの実施例に限定するものではない。
【実施例】
【0026】
実施例1〜13:染毛剤
【0027】
【表1】

【0028】
室温(20〜30℃)で、又は穏やかに加温(35〜45℃)し、上記構成成分を均質に混合する。必要に応じて、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム、アンモニア、又はクエン酸を用いて、調製済み着色剤(A)のpHを表1に記載した値に調整する。
【0029】
調製済み染毛剤を毛髪に適用し、ブラシを用いてむらなく塗布する。40℃、30分間の接触時間の後、毛髪を微温湯ですすぎ、乾かす。
【0030】
使用したオルト−又はパラ−キノン類の量、及び着色結果を以下のテーブル1にまとめる。
【0031】
【表2】

【0032】
実施例14〜22:染毛剤
【0033】
【表3】

【0034】
室温(20〜30℃)で、又は穏やかに加温(35〜45℃)し、上記構成成分を均質に混合する。必要に応じて、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム、アンモニア、又はクエン酸を用いて、調製済み着色剤(A)のpHを表2に記載した値に調整する。
【0035】
調製済み染毛剤を毛髪に適用し、ブラシを用いてむらなく塗布する。40℃による30分間の接触時間の後、毛髪を微温湯ですすぎ、乾かす。
【0036】
使用したオルト−又はパラ−キノン類の量、及び着色結果を以下のテーブル2にまとめる。
【0037】
【表4】

【0038】
本実施例中のL*a*b*着色測定値は、ミノルタの着色測定機器であるクロマメーターIIモデルを使用して測定した。ここで、L値は明度であり(すなわち、L値が小さいほど色強度が高い)、a値は赤みの測定値である(すなわち、a値が大きいほど赤みが強い)。b値は色の青みの測定値であり、青みが強くなるほどb値が小さくなる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維を着色するための薬剤(A)であって、
2つの構成成分(A1)及び(A2)を混合することにより調製し、前記構成成分(A1)が、式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体、又はその生理学的に適合性のある塩を少なくとも1つ含み、
【化1】

式中、
Xが酸素、硫黄、又はN−R2であり、
YがC−R3又は窒素であり、
ZがC−R4又は窒素であり、
ただし、式(I)の複素環式部分が最大で3つのヘテロ原子を有し、
Aが水素、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ホルミル基、(C1〜C6)−アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基であり、
R1及びR2が同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、飽和若しくは不飽和(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン原子で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシ−(C2〜C12)−アルキル基、アミノ−(C2〜C12)−アルキル基、スルホン酸−(C1〜C12)−アルキル基、同素環式若しくは複素環式基、ホルミル基、C(O)−アルキル基、C(O)−フェニル基、C(O)NH−アルキル基、C(O)NH−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、又は置換若しくは非置換ベンジル基であり、
R3及びR4が同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、飽和若しくは不飽和(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン原子で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−アルコキシ基、(C1〜C6)−アルコキシ−(C1〜C6)−アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、(C1〜C12)−アルキルアミノ基、(C1〜C12)−ジアルキルアミノ基、同素環式若しくは複素環式基、カルボン酸、C(O)O−(C1〜C12)−アルキル基、置換若しくは非置換C(O)O−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、又はナフチル基であり、
且つ、Y及びZがC−R3及びC−R4である場合、R3及びR4が残留分子と共に、複素環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換環構造を形成することができ、
並びに、前記構成成分(A2)が、式(II)のオルト−キノン、又は式(III)のパラ−キノンを少なくとも1つ含み、
【化2】

式中、R5、R6、R7、及びR8が、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−(C1〜C12)−アルキル基、ポリヒドロキシ−(C2〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−アルコキシ基、モノ−(C1〜C6)−アルコキシ−(C1〜C6)−アルキル基、ポリ−(C1〜C6)−アルコキシ−(C2〜C6)−アルキル基、(C1〜C2)−アルキレンジオキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸、C(O)O−(C1〜C12)−アルキル基、置換若しくは非置換C(O)O−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、ナフチル基、同素環式若しくは複素環式化合物、又はアミノ基−NR9R10であり、この場合、ラジカルR9及びR10は、同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、水素、(C1〜C12)−アルキル基、炭素環式若しくは複素環式置換芳香族化合物、又は炭素環式若しくは複素環式非置換芳香族化合物、あるいはR9及びR10が、窒素原子と共に、飽和又は不飽和、置換又は非置換複素環式(C3〜C6)−ラジカルを形成し、
あるいは、式(II)のo−キノン類の場合はR5とR6、及び/又はR6とR7、及び/又はR7とR8が、又は式(III)のp−キノン類の場合はR5とR6、及び/又はR7とR8が、いずれの場合も残留分子と共に、複素環式又は炭素環式、置換又は非置換環を形成できる
ことを特徴とする薬剤。
【請求項2】
ケラチン繊維を着色するための薬剤(A)であって、
2つの構成成分(A’)及び(A’’)を混合することにより調製し、前記構成成分(A’)が固形で存在しており、前記構成成分(A’)が、式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体、又はその生理学的に適合性のある塩を少なくとも1つ含み、
【化3】

式中、
Xが酸素、硫黄、又はN−R2であり、
YがC−R3又は窒素であり、
ZがC−R4又は窒素であり、
ただし、式(I)の複素環式部分が最大で3つのヘテロ原子を有し、
Aが水素、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ホルミル基、(C1〜C6)−アルキルスルホニル基、又はアリールスルホニル基であり、
R1及びR2が同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、飽和若しくは不飽和(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン原子で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシ−(C2〜C12)−アルキル基、アミノ−(C2〜C12)−アルキル基、スルホン酸−(C1〜C12)−アルキル基、同素環式若しくは複素環式基、ホルミル基、C(O)−アルキル基、C(O)−フェニル基、C(O)NH−アルキル基、C(O)NH−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、又は置換若しくは非置換ベンジル基であり、
R3及びR4が同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、飽和若しくは不飽和(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン原子で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−(C1〜C12)−アルキル基、(C1−C12)−アルコキシ基、(C1〜C6)−アルコキシ−(C1〜C6)−アルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、(C1〜C12)−アルキルアミノ基、(C1〜C12)−ジアルキルアミノ基、同素環式若しくは複素環式基、カルボン酸、C(O)O−(C1〜C12)−アルキル基、置換若しくは非置換C(O)O−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、又はナフチル基であり、
且つ、Y及びZがC−R3及びC−R4である場合、R3及びR4が、残留分子と共に複素環式、飽和又は不飽和、置換又は非置換環構造を形成することができ、
並びに、前記構成成分(A2)が式(II)のオルト−キノン、又は式(III)のパラ−キノンを少なくとも1つ含み、
【化4】

式中、R5、R6、R7、及びR8が、互いに独立して、水素、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換させた(C1〜C12)−アルキル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ−(C1〜C12)−アルキル基、ポリヒドロキシ−(C2〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−アルコキシ基、モノ−(C1〜C6)−アルコキシ−(C1〜C6)−アルキル基、ポリ−(C1〜C6)−アルコキシ−(C2〜C6)−アルキル基、(C1〜C2)−アルキレンジオキシ基、シアノ基、ニトロ基、スルホン酸基、カルボン酸、C(O)O−(C1〜C12)−アルキル基、置換若しくは非置換C(O)O−フェニル基、置換若しくは非置換フェニル基、ナフチル基、同素環式若しくは複素環式化合物、又はアミノ基−NR9R10であり、この場合、ラジカルR9及びR10は、同一でも異なっていてもよく、互いに独立して、水素、(C1〜C12)−アルキル基、炭素環式若しくは複素環式置換芳香族化合物、又は炭素環式若しくは複素環式非置換芳香族化合物、あるいはR9及びR10が、窒素原子と共に、飽和又は不飽和、置換又は非置換複素環式(C3〜C6)−ラジカルを形成し、
あるいは、式(II)のo−キノン類の場合はR5とR6、及び/又はR6とR7、及び/又はR7とR8が、又は式(III)のp−キノン類の場合はR5とR6、及び/又はR7とR8が、いずれの場合も残留分子と共に、複素環式又は炭素環式、置換又は非置換環を形成でき、
並びに、構成成分(A’’)が、水、又は前記剤のその他構成成分を含む液体製剤である
ことを特徴とする薬剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の薬剤であって、
前記式(I)のヒドラゾン誘導体において、Xが硫黄、YがC−R3、ZがC−R4、及びAが水素であることを特徴とする薬剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬剤であって、
前記式(I)のヒドラゾン誘導体が、3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(4−トリル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−メトキシ)フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−エトキシ)フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(3−ブロモフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(4−ニトロフェニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−4−チアゾールカルボン酸エチル、3,4,5−トリメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジメチル−5−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,5−ジメチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−エチル−3−メチル−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−5−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−メチル−5−フェニル−4−(4−トリル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−(4−クロロ−フェニル)−4−フェニル−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−(4−クロロ−フェニル)−4−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3,4−ジメチル−4−チアゾールカルボン酸エチル、4−アミノ−2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−5−チアゾールカルボニトリル、3−エチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−エチル−4−メチル−チアゾールカルボン酸エチル、5−メチル−3−(1−メチルエチル)−4−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(1−メチルエチル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(1−メチルエチル)−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−プロピル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジフェニル−3−プロピル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ブチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ブチル−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(2−メチルプロピル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(2−メチルプロピル)−4,5−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−4−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−ヒドロキシエチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−4−メチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−アミノエチル−4,5−ジメチル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−メチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−p−ビフェニリル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−(4−メトキシ)フェニル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−フェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、5−メチル−3,4−ジフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3,4,5−トリフェニル−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(フェニルメチル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−メチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−ターシャル−ブチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4−フェニル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジメチル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、4,5−ジフェニル−3−(2−プロペニル)−2(3H)−チアゾロンヒドラゾン、及び2−ヒドラゾノ−2,3−ジヒドロ−3−[(フェニルアミノ)カルボニル]−4−メチルチアゾールカルボン酸エチルから選択されることを特徴とする薬剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤であって、
前記式(II)のオルト−キノンが、4,5−ジメトキシ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、5(5H),6(6H)−ジオキソ−1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロ−1,4−ジメチル−3−ヒドロキシ−1H−インドール−5,6−ジオン、2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−メトキシ−1−メチル−1H−インドール−5,6−ジオン、3,5−ジ(1,1−ジメチル−エチル)−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、2,3−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−1−メチル−1H−インドール−5,6−ジオン、3,4,5,6−テトラクロロ−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、4,5−ジメトキシ−3,6−ジフェニル−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、4,5−ジ(フェニルアミノ)−3,5−シクロヘキサジエン−1,2−ジオン、カコテリン、3,4−ジヒドロ−3,4−ジオキソ−1−ナフタレンスルホン酸アンモニウム塩、4−メトキシ−1,2−ナフタレンジオン、1,2−ナフタレンジオン、1,2−ナフタレンジオン−4−スルホン酸ナトリウム塩、4−アミノ−1,2−ナフタレンジオン水和物(2:1)、及び9,10−フェナントレンキノンから選択されることを特徴とする薬剤。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤であって、
前記式(III)のパラ−キノンが、1,4−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−ターシャル−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−フェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2−メチル−5−(1−メチルエチル)−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ−ターシャル−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジ−ターシャル−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−ベンゾキノン、2−メトキシ−1,4−ベンゾキノン、2−メトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−3−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−3−メトキシ−6−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジヒドロキシ−3,6−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、3−ヒドロキシ−2−メトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2−ヒドロキシメチル−6−メトキシ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2−フルオロ−1,4−ベンゾキノン、2−ブロモ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−3,6−ジフェニル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロモ−3−メチル−6−(1−メチルエチル)−1,4−ベンゾキノン、2−クロロ−6−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−3,6−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、3,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1,4−ジエン−1,2−ジカルボニトリル、2,5−ジクロロ−3,6−ジオキソシクロヘキサ−1,4−ジエン−1,4−ジカルボニトリル、2,5−ジクロロ−3,6−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジクロロ−3,6−ジメチルアミノ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラブロモ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−ベンゾキノン、2−アミノ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、5−アミノ−2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジアミノ−3,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフタレンジオン、5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフタレンジオン、及び1H−インドール−4,7−ジオンから選択されることを特徴とする薬剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬剤であって、
前記式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体、及び前記式(II)のオルト−キノン類及び/又は前記式(III)のパラ−キノン類を、特定の着色キャリア体(構成成分(A1)又は構成成分(A2)又は構成成分(A1’))中に、いずれの場合も総量0.02〜20重量%含むことを特徴とする薬剤。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤であって、
カチオン性及びアニオン性染料、分散染料、ニトロ染料、アゾ染料、キノン染料、並びにトリフェニルメタン染料の群の、生理学的に許容できる直接染料を0.02〜20重量%さらに含むことを特徴とする薬剤。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬剤であって、
調製済み着色剤(A)のpHが3〜12であることを特徴とする薬剤。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の薬剤であって、
染毛剤であることを特徴とする薬剤。
【請求項11】
2つの構成成分(A1)及び(A2)、又は(A’)及び(A’’)を、必要に応じてアルカリ化剤又は酸を添加して混合することにより前記調製済み着色剤(A)を適用直前に調製し、次いで毛髪に適用し、20〜50℃の温度で5〜60分間の接触時間の後、毛髪を水ですすぎ、必要に応じてシャンプーで洗浄して乾かす、毛髪を着色する方法であって、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の着色剤を使用することを特徴とする方法。
【請求項12】
構成成分(A1)の薬剤及び構成成分(A2)の薬剤、及び必要に応じてpH調整剤から成る多成分キットであって、
前記構成成分(A1)が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)の複素環式ヒドラゾン誘導体、又はその生理学的に適合性のある塩を少なくとも1つ含み、前記構成成分(A2)が、請求項1、5、6のいずれか1項に記載の式(II)のオルト−キノン又は式(III)のパラ−キノンを少なくとも1つ含むことを特徴とする多成分キット。
【請求項13】
構成成分(A1’)の薬剤及び構成成分(A’’)の薬剤から成る多成分キットであって、
前記構成成分(A1’)が、式(I)の化合物の少なくとも1つと、式(II)のオルト−キノン化合物及び/又は式(III)のパラ−キノン化合物の少なくとも1つと、任意に更なる慣例の粉末化粧品添加剤とを含む粉末であり、前記構成成分(A’’)が、水又は液体化粧品製剤であることを特徴とする多成分キット。

【公表番号】特表2008−531727(P2008−531727A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558282(P2007−558282)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/007685
【国際公開番号】WO2006/094217
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】