説明

ケーブル接続部の遮水構造

【課題】熱収縮チューブを用いずに、簡単な構成で確実な遮水が可能なケーブル接続部の遮水構造を提供する。
【解決手段】ケーブル接続部の両端部に、内方側パテ部3と遮水シート部4と外方側パテ部7とを備える。内方側パテ部3は、接続部の端部全周と、ケーブル端部全周を覆う。遮水シート部4は、融着層と金属箔層とが積層された遮水シート41を、内方側パテ部3の軸方向の一部とケーブル接続部全体とを覆うようにケーブル接続部上に巻きつけて形成される。遮水シート部4は、遮水シート41の両端部が、内方側パテ部3上に位置されて、融着層が内面となるようにケーブル接続部上に巻きつけられた筒状部51と、遮水シート41のケーブル周方向両端部の融着面同士を対向させて、対向面全体を融着して形成された融着接合部52とを有する。外方側パテ部7は、融着接合部52が接続部2の外周面に沿って折り曲げられた状態で、内方側パテ部3と遮水シート部4の軸方向端部を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル端部同士を接続するケーブル接続部を覆い、そのケーブル接続部への外部からの水分の浸入を阻止するケーブル接続部の遮水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力ケーブルでは、ケーブル同士を接続する場合、そのケーブル接続部は、電気的性能を確保して電力供給を安定して行うために、高い遮水性能が要求される。
【0003】
従来では、ケーブルの接続部における遮水構造として、金属箔を周方向へ筒状に巻いて形成される遮水層を熱収縮チューブの内部に埋め込んで成形した遮水性熱収縮チューブでケーブル接続部を覆い、この遮水性熱収縮チューブを加熱して熱収縮させてケーブル接続部に密着被覆させる構造のものが知られている。
【0004】
この熱収縮チューブを加熱する加熱装置としては、バーナーやヒーターなどがあり、施工現場において、これらバーナーなどで直接熱収縮チューブを加熱するようにしている。
【0005】
しかし、熱収縮チューブを収縮させるバーナーなどの加熱装置は、マンホールなどの狭い空間で作業を行う場合、作業環境上の制約を受ける。また、バーナーやヒーターでは、作業する際の安全性の問題がある。しかも、熱収縮チューブ全体を加熱する作業は、人の手によって行うので、ばらつきを無くすためには熟練した技能を必要とする。また、ケーブル接続部全体も加熱されるため、このケーブル接続部が劣化してしまう虞もある。
【0006】
そこで、常温収縮性遮水チューブを使用したものが提案されている(特許文献1参照)。この常温収縮性遮水チューブは、解体除去が可能な筒状コア、内側と外側の常温収縮性ゴム弾性体層、これら常温収縮性ゴム弾性体層の間に介在させる遮水層により構成される。まず、筒状コアの上に弾性的に伸長、拡径された状態で巻き付けられた常温収縮性ゴム弾性体層が設けられる。そして、この常温収縮性ゴム弾性体層の上に金属箔を周方向に筒状に巻きつけた遮水層を設ける。この遮水層の外周面を弾性的に伸長・拡径された状態で巻き付けられた常温収縮性ゴム弾性体層により被覆する。
【0007】
ケーブル接続部をこの常温収縮性遮水チューブで覆うには、まず、ケーブルを接続する前にケーブルの一方の端部に、この常温収縮性遮水チューブを挿通させておく。そして、ケーブル接続部を形成した後に、このケーブル接続部上に、常温収縮性遮水チューブを移動させる。次に、常温収縮性遮水チューブの筒状コアを解体し、常温収縮性遮水チューブを収縮させて、常温収縮性遮水チューブをケーブル接続部に密着させる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−231150号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、常温収縮性遮水チューブを用いた場合、ケーブルを接続する前に、常温収縮性遮水チューブをケーブルに挿通しておく必要があり、この常温収縮性遮水チューブを配置しておくスペースを必要とする。
【0010】
また、常温収縮性遮水チューブは、解体させる筒状コアを必要とし、特許文献1では、この筒状コアは、収縮状態の常温収縮性ゴム弾性体層を拡径させながら、この常温収縮性ゴム弾性体層の内部に圧入していかなければならない。さらに、筒状コアの解体作業も必要となる。
【0011】
また、常温収縮性遮水チューブは、常温収縮性ゴム弾性体層の間に、金属箔を周方向に筒状に巻きつけた遮水層が介在されているので、常温収縮性ゴム弾性体層が収縮した際に、遮水層を形成する金属箔に大きな皺が入りやすい。
【0012】
本発明は、熱収縮チューブおよびこの熱収縮チューブを加熱する加熱装置を用いずに、簡単な構成で確実な遮水が可能なケーブル接続部の遮水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、ケーブル端部同士を接続するケーブル接続部を覆い、そのケーブル接続部への外部からの水分の浸入を阻止するケーブル接続部の遮水構造であって、内方側パテ部と、遮水シート部と、外方側パテ部と備えることを特徴とするものである。
【0014】
内方側パテ部は、合成樹脂からなり、ケーブル接続部の両端部において、接続部の端部全周と、接続部の端部に続くケーブル端部の全周を覆う。内方側パテ部は、例えばポリイソブチレンを主体とした合成樹脂をテープ状にしたものを、ケーブル接続部とケーブル端部上に巻き付けて形成することができる。
【0015】
遮水シート部は、融着層と金属箔層とが積層された遮水シートを、内方側パテ部のケーブル軸方向の一部でケーブル周方向全周とケーブル接続部全体とを覆うようにケーブル接続部上に巻きつけて形成される。そして、遮水シート部は、遮水シートを融着層が内面となるようにケーブル接続部上に巻きつけて、遮水シートのケーブル周方向両端部の融着面同士を対向させて融着して形成された融着接合部と、融着接合部の形成により筒状に形成され、遮水シートのケーブル軸方向両端部が、内方側パテ部上に位置される筒状部と有する。
【0016】
遮水シートの金属箔層はアルミニウムを用いることが安全で良好な遮水性が得られるので好ましい。
【0017】
外方側パテ部は、合成樹脂からなり、遮水シート部の融着接合部がケーブル接続部の外周面に沿って折り曲げられた状態で、遮水シート部の軸方向端部の全周と内方側パテ部の全周を覆う。外方側パテ部も、例えばポリイソブチレンを主体とした合成樹脂をテープ状にしたものを用い、内方側パテ部と遮水シート部の端部上に巻き付けて形成することができる。
【0018】
ところで、前記遮水シートの周方向端部を融着する手段としては、所定のシール面積を有するヒートシール装置などを用いて行う。
【0019】
前記遮水シートの周方向端部を融着する好ましい方法は、まず、遮水シートでケーブル接続部を覆って融着によりシートの周方向端部における軸方向全体を接合して筒状部を形成したとき、その筒状部の内径が、ケーブル接続部の最大外径よりも大きくなるように、軸方向全体を融着する。
【0020】
そして、筒状部の軸方向端部において、すでに融着した部分に連続させて、ケーブル接合部の端部に形成した内方側パテ部の外径に合わせてさらに融着する。この軸方向両端部の融着により、遮水シート部は、ケーブル接合部の軸方向内方においては、ケーブル接続部の外周面と遮水シートの内面との間に隙間が形成され、ケーブル接続部の両端部においては、内方側パテ部と遮水シートとの間にほとんど隙間が無い状態にできる。
【0021】
そして、筒状の遮水シート内部の空気を抜きながら、遮水シートをケーブル接続部の形状に沿わせた後、遮水シートの融着接合部をケーブル接続部の外形に沿って折り曲げる。
【0022】
このように、遮水シートをケーブル接続部の形状に沿わせることにより遮水シート部が形成される。そして、遮水シート部の融着接合部がケーブル接続部の外周面に沿って折り曲げられた状態で、遮水シート部の軸方向端部の全周と内方側パテ部の全周を覆うように、外方側パテ部を形成する。
【0023】
ここで、外方側パテ部を形成する前に、遮水シートの筒状部外周面と折り曲げられた融着接合部との間で、かつ、軸方向両端部に、合成樹脂からなるシート状のシートパテ部を形成することが好ましい。
【0024】
このシートパテ部は、遮水シートの筒状部外周面と折り曲げられた融着接合部との間にシートを介在させたときに、このシートが融着接合部から周方向にはみ出す長さとすることがシール性をさらに良好にする上で好ましい。
【0025】
シートパテ部も、例えばポリイソブチレンを主体とした合成樹脂をテープ状にしたものを用いることができる。
【発明の効果】
【0026】
遮水シートの周方向端部同士を軸方向長さ全体にわたって融着させ、遮水シートの軸方向端部は、内方側パテ部と外方側パテ部で挟み込んだ状態になっているので、遮水シートにより形成される筒状の遮水シート部の内側への水分の浸入を確実に阻止できる。しかも、遮水シート部の外側には収縮チューブが設けられないので、遮水シートは、従来のように収縮チューブの収縮による大きな皺が生ずることは無くなる。
【0027】
さらに、遮水シート部は、ケーブル接続部に遮水シートを巻きつけて覆った状態で、シートの周方向端部同士を融着させて筒状に形成しているので、従来の常温収縮性遮水チューブのように、ケーブルを接続する前に、チューブをケーブルに挿通しておく必要がない。従って、マンホールなどの狭いスペースでもケーブルの接続部に遮水加工を簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下本発明のケーブル接続部の遮水構造の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0029】
本実施形態では、図1に示すように、ケーブル1の先端部を段状に剥ぎ取った状態でケーブル1の端部を接続している。
【0030】
ケーブル1は、内側から、導体11、内部半導電層(図1では省略)、絶縁層12、外部半導電層13、遮蔽銅テープ14、シース15から構成されている。
【0031】
ケーブル接続部2を形成するには、まず、ケーブル1の先端部を段状に剥ぎ取る。そして、ケーブル1の導体11を導体接続管22で接続する。2本の導体11の端部を導体接続管22に挿入した後、導体接続管22を圧縮することにより接続する。
【0032】
導体11および導体接続管22上に半導電性融着テープ23を幅方向端部を重ね合わせながら巻き付ける。このとき半導電性融着テープ23は伸ばして巻き付ける。
【0033】
ケーブル1の絶縁層12および半導電性融着テープ23の上に、自己融着テープを幅方向端部を重ね合わせながら巻き付けて第一絶縁層24を形成する。自己融着テープは、元のテープ長さより約2倍伸ばして巻き付ける。
【0034】
第一絶縁層24の上に塩化ビニル製の粘着テープ25を幅方向端部を重ね合わせながら巻き付ける。塩化ビニル製粘着テープ25は、できるだけ伸ばさずに巻き付ける。
【0035】
半導電性融着テープ26を外部半導電層13同士を連絡するように、外部半導電層13上、第一絶縁層24上に幅方向端部を重ね合わせながら巻き付ける。半導電性融着テープ26は伸ばして巻き付ける。
【0036】
さらに、鉛テープ27を遮蔽銅テープ14同士を連絡するように、遮蔽銅テープ14の端部と半導電性融着テープ26上に巻き付ける。
【0037】
次に、図1に示すように、錫メッキ軟銅線21を、遮蔽銅テープ14に2回巻きつけた後、他端の遮蔽銅テープ14に向けてタスキ掛けをしながら鉛テープ27上に巻き付け、他端の遮蔽銅テープ14に2回巻き付ける。そして、錫メッキ軟銅線21の巻き始め部分と巻き終わり部分および線の交差した部分を半田付けする。
【0038】
シース15の一部に掛かるように、シース15端部から他方のシース15端部まで、自己融着テープを幅方向端部を重ね合わせながら巻き付けて第二絶縁層28を形成する。自己融着テープは、元のテープ長さより約2倍伸ばして巻き付ける。
【0039】
以上のように第二絶縁層28が形成されることにより図3に示すような、ケーブル接続部2が形成される。
【0040】
そして、このケーブル接続部2上に、ケーブル接続部2を遮水する遮水構造となる内方側パテ部3、遮水シート部4、シートパテ部6、外方側パテ部7を形成する。
【0041】
まず、図4に示すように、第二絶縁層28の軸方向端部に掛かるように、この第二絶縁層28の端部から露出しているシース15の端部の所定長さに至るまで、パテテープを幅方向端部を重ね合わせながら巻き付けて内方側パテ部3を形成する。パテテープは、後記するシートパテ部6、外方側パテ部7も含めて、ポリイソブチレンを主体とした合成樹脂テープを用いる。パテテープは、伸びを与えないように巻き付けることが好ましい。テープの重なり部分は指で押して段差が滑らかになるようにすることが好ましい。さらに、第二絶縁層28に対して大きな段差ができないように滑らかにするとさらによい。
【0042】
次に、図4に示すように、長方形の遮水シート41をケーブル接続部2の下に配置させる。遮水シート41は、長辺部の長さが、内方側パテ部3の軸方向のほぼ2/3を覆う長さを有し、短辺部の長さが、第二絶縁層28の最大外径の外周長さに、後記する融着接合部52を形成するための重ね合わせた部分の長さを足した長さを有する。
【0043】
遮水シート41は、図示していないが、一方の面が金属箔層(アルミニウム箔)で他方の面が融着層(ポリエチレン)で形成され、これら金属箔層と融着層との間に補強層(ポリエステル)を設けている。この遮水シート41を用いて筒状の遮水シート部4を形成する。
【0044】
そして、図5に示すように、ケーブル接続部2を包み込むように遮水シート41で、ケーブル接続部2を覆い、図5の(b)に示すように、遮水シート41をケーブル接続部2の最大外径に沿わした状態で遮水シート41の端部を融着層の面同士が対向するように重ね合わせる。
【0045】
重ね合わせた部分のうち、径方向外側部分に対して遮水シート41の軸方向全体を融着して第1融着部52a(融着接合部52)を形成し、遮水シート41を筒状に形成する。この第1融着部52aの形成により、遮水シート部4の筒状部51を形成する。融着する際、図5(b)に示すように、重ね合わせた部分は、ケーブル接続部2に対して径方向外方に突出した状態となっている。
【0046】
本実施形態では、第1融着部52aの形成は、遮水シートの長辺部の長さの1/5の長さを有するヒートシール面を備えた融着工具を用いて融着しているので、シールを確実にするために、第1融着部52aを形成する際は、融着部分が端部で重なるように融着させていく。
【0047】
さらに、重ね合わせた部分での融着部の形成は、この軸方向全体の融着(第1融着部52a)の他、本実施形態では、さらに第2融着部52bと第3融着部52cを形成する。この第1融着部52aで遮水シート41が筒状に形成された後、次に、図6に示すように、重ね合わせた部分における遮水シート41の軸方向端から内方側パテ部3の形成位置よりも軸方向内側となる位置までを融着する(第2融着部52b)。この第2融着部52bを形成する工程は、前記した所定の融着面積をもつ融着工具を用いるので、シールを確実にするために、第1融着部52aの一部に重なるように融着を行う。
【0048】
本実施形態では、第2融着部52bを形成しとき、遮水シート41の筒状部51の内面と、内方側パテ部3の外周面との間に大きな隙間が残るように遮水シート41の重ね合わせる部分の大きさを設定している。そこで、この大きな隙間を小さくするために、第2融着部52bと同じ位置で第2融着部52bよりも内方側パテ部3側の融着されていない部分を、遮水シート41の筒状部51の内面と、内方側パテ部3の外周面との間に僅かな隙間が形成される程度に融着する(第3融着部52c)。第3融着部52cは、前記した融着工具で形成するので、この場合も、第2融着部52bの一部に重なるように第3融着部52cを形成する。
【0049】
本実施形態では、第1融着部52aと第2融着部52bと第3融着部52cとにより融着接合部52を形成する。本実施形態では、遮水シート41の融着接合部52は、第2融着部52b同士の間と第3融着部52c同士の間は融着されていない状態になる。
【0050】
そして、ケーブル接続部2の外形がテーパー形状になっているので、融着後、遮水シート41とケーブル接続部2との間の空気を、内方側パテ部3と遮水シート41との間の隙間から外部に抜きながら遮水シート41をケーブル接続部2の形状に馴染ませていく。
【0051】
このときに、第2融着部52b間・第3融着部52c間は融着されていないので、遮水シート41をケーブル接続部2の形状に馴染ませやすく、皺も生じ難い。
【0052】
次に、遮水シート41の重ね合わせた部分をケーブル接続部2の形状に合わせて折り曲げる。ところで、重ね合わせた部分を折り曲げると、この重ね合わせた部分と筒状部51の外面との間に隙間ができやすくなる。
【0053】
この隙間に水分が浸入すると、遮水シート41の端部から、遮水シート41内面側、即ち、ケーブル接続部2の配設側に回り込む虞がある。水分の回り込みを確実に阻止するため、遮水シート41の折り曲げ部分の幅方向端部をシールすることが好ましい。
【0054】
そこで、折り曲げる前に、図7に示すように、遮水シート41における内方側パテ部3の上方位置に、内方側パテ部3から遮水シート41に至り、しかも、折り曲げ部分の突出長さよりも長いパテテープ片を内方側パテ部3と遮水シート41とに跨るように貼り付ける。パテテープは、内方側パテ部3上に位置する部分と遮水シート41上に位置する部分の幅が略同じ幅となるようにこれらの上に貼り付ける。このパテテープ片によりシートパテ部6を形成する。このシートパテ部6は、指で押して馴染ませるとよい。
【0055】
そして、パテテープ片を配置した状態で、図2および図8に示すように、シート41の重ね合わせた部分、即ち、融着接合部52をパテテープ片上に折り曲げる。そして、図2の仮想線および図9に示すように、重ね合わせた部分を折り曲げた状態で、内方側パテ部3全体と遮水シート41の軸方向端部を覆うようにパテテープを、幅方向端部を重ね合わせながら巻き付けて、外方側パテ部7を形成する。このときも、パテテープは、伸びを与えないように巻きつけることが好ましい。テープの重なり部分は指で押して段差が滑らかになるようにすることが好ましい。
【0056】
外方側パテ部7を形成した後、一方の外方側パテ部7の端部から他方の外方側パテ部7の端部まで至るように、自己融着テープを幅方向端部を重ね合わせながらケーブル1の端部と外方側パテ部7と遮水シート部4上に巻き付けて、図1および図9に示すように第三絶縁層81を形成する。
【0057】
そして、この第三絶縁層81の外側にクロロプレン等の防水性に優れた樹脂から形成されるテープを巻きつけて防水層82を形成する。最後に防水層82の外側に、塩化ビニル製の粘着テープを巻き付けて保護層83を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のケーブル接続部の遮水構造は、狭い箇所でケーブル接続部を遮水する場合に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係るケーブル接続部全体の断面図である。
【図2】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、遮水シートの接合部分をシートパテ部側に折り曲げた状態を示す概略斜視図である。
【図3】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、ケーブル接続部の形成直後の状態を示す概略説明図である。
【図4】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、ケーブル接続部に内方側パテ部を形成し、遮水シートを配置した状態を示す概略説明図である。
【図5】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、ケーブル接続部に遮水シートを巻き付けて第一融着部を形成した状態を示す概略説明図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【図6】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、ケーブル接続部に遮水シートを巻き付けて第三融着部まで形成した状態を示す概略説明図である。
【図7】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、遮水シート上にシートパテ部を配置した状態を示す概略説明図である。
【図8】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、遮水シートの接合部分をシートパテ部側に折り曲げた状態を示す概略説明図である。
【図9】本発明のケーブル接続部の遮水構造に係る、遮水シート上に外方側パテ部を形成した状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 ケーブル
11 導体 12 絶縁層 13 外部半導電層 14 遮蔽銅テープ 15 シース
2 ケーブル接続部
21 錫メッキ軟銅線 22 導体接続管 23 半導電性融着テープ
24 第一絶縁層 25 塩化ビニル製粘着テープ 26 半導電性融着テープ
27 鉛テープ 28 第二絶縁層
3 内方側パテ部
4 遮水シート部
41 遮水シート
51 筒状部
52 融着接合部
52a 第1融着部 52b 第2融着部 52c 第3融着部
6 シートパテ部
7 外方側パテ部
81 第三絶縁層
82 防水層 83 保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル端部同士を接続するケーブル接続部を覆い、そのケーブル接続部への外部からの水分の浸入を阻止するケーブル接続部の遮水構造であって、
ケーブル接続部の両端部において、接続部の端部全周と、接続部の端部に続くケーブル端部の全周を覆う合成樹脂からなる内方側パテ部と、
融着層と金属箔層とが積層された遮水シートを、内方側パテ部のケーブル軸方向の一部でケーブル周方向全周とケーブル接続部全体とを覆うようにケーブル接続部上に巻きつけて形成される遮水シート部とを備え、
この遮水シート部は、
遮水シートを融着層が内面となるようにケーブル接続部上に巻きつけて、遮水シートのケーブル周方向両端部の融着面同士を対向させて融着して形成された融着接合部と、融着接合部の形成により筒状に形成され、遮水シートのケーブル軸方向両端部が、内方側パテ部上に位置される筒状部とを有し、
さらに、遮水シート部の融着接合部をケーブル接続部の外周面に沿って折り曲げた状態で、遮水シート部の軸方向端部の全周と内方側パテ部の全周とを覆う合成樹脂からなる外方側パテ部を備えることを特徴とするケーブル接続部の遮水構造。
【請求項2】
遮水シートの筒状部外周面と折り曲げられた融着接合部との間で、かつ、軸方向両端部に介在される合成樹脂からなるシート状のシートパテ部を備えることを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続部の遮水構造。
【請求項3】
遮水シートの金属箔層がアルミニウムからなることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル接続部の遮水構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−118824(P2008−118824A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301996(P2006−301996)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000222037)東北電力株式会社 (228)
【出願人】(591160268)北日本電線株式会社 (41)
【出願人】(000213884)住電朝日精工株式会社 (24)
【Fターム(参考)】