説明

コイルコーティング方法

【課題】金属ストリップへの適用を含む金属ストリップのコイルコーティング方法に関する。
【解決手段】 コーティング組成物には、a)ポリオール成分(水溶性または水分散性である);およびb)ポリイソシアネート成分(水溶性または水分散性であり、イソシアネート基をブロックしている)を含むバインダーが含まれる。本発明によってコートされた金属基材を、物品の製造に用いることができる。例えばコーティング組成物をコイルコーティングして各金属ストリップ10の表面に形成されたコーティング膜12の間に位置するようにRIM組成物14を適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンコーティングを含むコイルプロセスを用いることによる、金属基材のコーティング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製カバーおよび/または有機物コーティングを有するフラット製品(flat products)を製造することは、金属板加工産業において一般的な方法である。プラント技術、材料分野および加工方法論における前進は、部品処理から金属板の前処理および/またはコーティングへの転換を促進させた。材料から作られる常に複雑な必需品は、全部の費用を最小限にしながら、基板材料、スチールの長所、例えば、強度、形状性および溶接性と、耐食性および装飾的外観等の特定の新しい性質とを組み合わせる必要性をもたらした。
【0003】
一般にコイルコーティングと呼ばれる方法によって製造される金属板の利用分野は、非常に多様である。例として、建築分野において、多数の用途がある。コートされた金属板は、例えば、壁、家具、ランプおよび家庭用電気器具等のインテリア建築にも用いられる。車両製造業に応用範囲を拡大することもある。例えば、トラックボディおよび「ボルト締め」自動車用部品は、プレコートされた材料からしばしば製造される。多くの場合、ミニ−バンやキャンピングカーのボディは、コートされた金属板から製造される。
【0004】
そのような一連の広範な最終用途に基づいて、多くの種々の必需品は、金属板に適用されるコーティングでできている。特に、高柔軟性および高成形性と、コーティングによる優れた接着性とを組み合わせる必要がある。このことは、例えば、車のボディを製造するときのように、特に、コートされた材料を小さい半径でアーチ形にしなければならないときに必要である。
【0005】
同時に、最も厳しい要求:厚さ、色合い、表面品質および荷重下の挙動、を満たす更なる加工に材料を提供する必要がある。これらの特性も、材料を曲げるとき及び切断するときに保たれる必要がある。
【0006】
加えて、環境上の理由で、溶媒または他の揮発性有機化合物(VOC)を含まない、または含有量を最小限にするコーティング組成物を利用する必要性が高まっている。このように、水は、コイルコーティングのコーティング組成物にますます有利なキャリア液となってきているが、しかしながら、コイルコーティング操作に必要とされる短い時間枠の中で、そのような組成物は典型的には硬化および/または乾燥しないため、その使用が制限されていた。
【0007】
米国特許第4103050号に、熱硬化性かつ水分散性のポリウレタンポリマーおよび熱硬化性または熱可塑性の樹脂ラテックスを含む膜形成バインダー相、ならびに、腐食抑制顔料およびオプションとして不透明顔料を含む顔料相を含む、金属コイルを下塗りするための熱硬化性水性コイルコーティングプライマー(または下塗剤)が開示されている。
【0008】
米国特許第5084304号に、コイルコーティングプロセスによる金属ストリップのコーティング方法が記載されている。コーティング材は、ポリエステルイミド、ポリアミドカルボン酸、ポリアミドイミド、ポリヒダントインおよび/またはポリビスマレイミド、顔料および/またはフィラー、適当な補助剤ならびに添加剤はもちろん、溶媒または溶媒混合物も含む。
【0009】
米国特許第5723536号に、1成分のポリウレタンコーティング組成物の製造に用いる、新規の水性または水希釈性ブロック化ポリイソシアネートが開示されており、比較的低温で焼付可能である。
【0010】
米国特許第5852106号に、水性ポリウレタンコーティング組成物が開示されており、バインダーはポリオール成分、イソシアネート反応性成分およびポリイソシアネート成分を含む。ポリオール成分は水溶性または水分散性である。イソシアネート反応性成分は、少なくとも1個の塩形成可能基を含む。ポリイソシアネート成分は、水溶性または水分散性であり、ブロック化イソシアネート基を含む。コーティング組成物は、ガラス表面、特にガラス瓶をコートするのに用いられる。
【0011】
米国特許第6413642号に、金属基材のコーティング方法が開示されており、該方法は、金属表面をクリーニングすること、有機物および/または無機物の前処理組成物を適用すること、プライマーを適用すること、およびコーティング材を適用することを含む。コーティング材は、アミン修飾されたエポキシ樹脂および架橋に適した架橋剤を含む。
【0012】
米国特許第6599965号に、金属製の基材に用いるコーティング組成物が開示されている。該コーティング組成物は、ポリウレタンまたはエポキシ/アミン膜形成成分および腐食防止成分を含む。
【0013】
上述のように、優れたコーティング特性を提供でき、かつ、経済的に適用可能である、即ち、所望の製造実施範囲内である水性コイルコーティング組成物が、コイルコーティング分野で必要とされている。
【発明の要旨】
【0014】
本発明は、金属ストリップへの適用(または塗布)を含む、金属ストリップのコイルコーティング方法、ならびに、a)ポリオール成分(水溶性かつ水分散性);およびb)ポリイソシアネート成分(水溶性かつ水分散性であり、イソシアネート基をブロックしている)を含むバインダーを含むコーティング組成物を対象とする。
【0015】
本発明は、上述の方法によってコート(又は被覆)された金属基材、および、該金属基材を含む物品も対象とする。
【0016】
さらに、本発明は、第一金属基材および第二金属基材を含む物品であって、どちらも上述の方法によって製造され、各基材のコートされた表面は互いに平行および対向するように位置し、反応射出成形(RIM)材料がRIMプロセスによってその間に配置されている物品を提供する。
【発明の詳細な説明】
【0017】
操作の実施例、または別途示す場合以外は、明細書および特許請求の範囲で用いる構成要素の量、反応条件等に言及している全ての数または表現は、全ての場合において用語「およそ(about)」によって変更されるものとして理解されよう。
【0018】
本文において、分子量(MnおよびMw)は、典型的には、適切なポリスチレンスタンダードまたはスルホン化ポリスチレンスタンダードによるゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定され、ならびに/または、適切な場合には、そして分子量が十分に低い場合には、官能基含有量および官能性から計算によって決定される。
【0019】
本発明において、a)ポリオール成分(水溶性かつ水分散性);およびb)ポリイソシアネート成分(水溶性かつ水分散性であり、イソシアネート基をブロックしている)を含むバインダーを含むコーティング組成物の適用により、金属ストリップをコイルコーティングする。
【0020】
前述のとおり、水性コーティングは、コイルコーティング作業には用いられていない。なぜなら、水性コーティングは典型的には乾燥/硬化するのが遅すぎて、該作業に用いることができないからである。本発明においては、水性コーティング組成物が、コイルコーティングプロセスに用いられる適切な温度において、十分に短い時間で乾燥/硬化することが確認された。従って、より環境的で毒性の少ないコーティング組成物を用いるコイルコーティングプロセスで金属ストリップをコートし得る方法を提供する。
【0021】
本発明の一態様において、ポリオール成分は、ウレタンおよび/またはエーテル基を含むポリヒドロキシル化合物であり得、水溶性または水分散性である。ポリオールは、少なくとも500、ある場合には少なくとも1000、他の場合には少なくとも2000の数平均分子量(適切なスタンダードを用いてGPCによって決定したMn)を有し得る。ポリオールのMnは、最大で100000、ある場合には最大で50000、他の場合には最大で10000であり得る。ポリオールのMnは、上述した値のいずれかの間で変化し得る。
【0022】
この態様において、ポリオールが十分量の親水基、いくらかの特定の態様においては、エチレンオキサイドユニットを含むポリエーテル部分および/またはカルボキシレート基を含み、水溶性または水分散性を供給するとの条件で、ポリオールは、ポリウレタンコーティング化学から既知であるいずれのポリオールでもあり得る。外部乳化剤との混合物で本目的には十分でない親水性のポリオールのブレンドを用いることもできる。
【0023】
特定の態様において、a)におけるポリオールは、ポリイソシアネート成分と、ポリオール成分(1またはそれより多くのポリエーテルポリオールを含み、かつ、25〜350、ある場合には35〜300、他の場合には50〜250mgKOH/g solids(g−固体)のOH価を有する)との反応生成物を含む。
【0024】
本発明のより特定の態様において、a)におけるポリオールは、50〜100重量%の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンを含むポリイソシアネート成分、ポリオール成分(1またはそれより多くのポリエーテルポリオールを含み、かつ、25〜350、ある場合には35〜300、他の場合には50〜250mgKOH/gのOH価を有する)、および、少なくとも1個の塩形成可能基を含むイソシアネート反応性成分の反応生成物を含む。
【0025】
本発明の更なる特定の態様において、バインダーはポリオール成分を含み、ポリオール成分は、成分A1)〜H1)の反応生成物であるか、または、成分A1)〜H1)の1もしくはそれより多くを含む:
A1) 50〜100重量%の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、および、0〜50重量%の140〜1500の分子量を有する他の有機ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分20〜60重量%、ある場合には30〜50重量%、
B1) 1またはそれより多くのポリエーテルポリオールを含み、かつ、25〜350mgKOH/g solidsのOH価を有するポリオール成分20〜60重量%、ある場合には30〜50重量%、
C1) 少なくとも1個のイソシアネート反応性基、および、少なくとも1個の塩形成可能基を有する1またはそれより多くの化合物を含み、少なくとも部分的に中和された形でオプションとして存在し得る、アニオンまたは潜在アニオン成分2〜12重量%、ある場合には3〜10重量%、
D1) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、少なくとも1個の側部もしくは末端親水性ポリエーテル鎖を有する1またはそれより多くの化合物を含む、非イオン性親水性成分0〜12重量%、ある場合には0〜8重量%、
E1) 2〜4個のヒドロキシル基および62〜250の分子量を有する1またはそれより多くの多価アルコール0〜15重量%、ある場合には0〜10重量%、
F1) 2〜4個のアミノ基および60〜300の分子量を有する1またはそれより多くの(環式)脂肪族ポリアミン0〜15重量%、ある場合には0〜10重量%、
G1) 合計2〜4個のヒドロキシル基およびアミノ基ならびに61〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの(環式)脂肪族ポリアミノ/ヒドロキシル化合物0〜30重量%、ある場合には0〜20重量%、
H1) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、1〜2個のヒドラジド基および70〜300の分子量を有する1またはそれより多くの安定化成分0〜15重量%、ある場合には0〜10重量%、
A1)〜H1)の百分率の合計は100であり、ポリオール成分a)の重量を基にしている。
【0026】
成分A1)の50〜100重量%、ある場合には75〜100重量%、他の場合には100重量%が、1またはそれより多くの4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(IPDI)、2,4−および/または2,6−ジイソシアナトトルエン(TDI)、1−メチル−2,4−および/または2,6−ジイソシアナトシクロヘキサンならびに4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン(MDI)を含み得るとの条件で、成分A1)を、140〜1500、ある場合には168〜318の分子量を有する有機ポリイソシアネートから選択することができる。ポリイソシアネート成分A1)は、HDI、IPDIおよび/またはTDIに基づく、既知のラッカーポリイソシアネートを含んでもよい。特定の態様においては、成分A1)は4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(HMDI)を含む。
【0027】
成分B1)を、ポリウレタン化学から既知であり、300〜5000、ある場合には500〜3000のMnを有する、比較的高分子量のポリヒドロキシポリエーテルから選択することができる。例として、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、またはエピクロルヒドリン、特に、プロピレンオキサイドおよびオプションとしてのエチレンオキサイドのポリマーまたはコポリマーがあるが、これらに限定されるものではなく、これらは、水、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ビス−ヒドロキシメチルシクロヘキサン異性体、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび2個のNH結合を含むアミン等の、2官能性出発分子から生成される。得られたポリエーテルジオールが多くとも10重量%のエチレンオキサイドユニットを含むとの条件で、エチレンオキサイドをオプションとして用いることができる。用いられるポリエーテルジオールは、エチレンオキサイドを用いないで得られたものを含み得、ある場合には、プロピレンオキサイドおよび/またはテトラヒドロフランから得られたものを含み得る。
【0028】
上述の比較的高分子量の2官能性化合物に加えて、成分B1)は3官能性またはより多官能性のポリヒドロキシル化合物、ある場合にはポリエーテルポリオールを含むこともでき、これらは、トリメチロールプロパン、グリセロール等のより多官能性の出発物質またはエチレンジアミンから得られる。
【0029】
いくつかの態様において、前述のポリエーテルポリオールのヒドロキシル基を、第一級アミノ基に転化させることによって得られた、ポリエーテルポリアミンを用いることができる。該物質は、ハンツマン社(Hunstman Inc.)、(オースティン、テキサス州)からJEFFAMINE(登録商標)で市販されている。
【0030】
成分C1)を、アニオンまたは潜在アニオン基を含み、少なくとも1個のイソシアネート反応性基を有する化合物から選択することができる。これらの化合物は、少なくとも1個の、多くの場合には1個もしくは2個のヒドロキシ基またはアミノ基を含むカルボン酸、あるいは、これらのアミノ酸またはヒドロキシカルボン酸の塩であり得る。適当な酸として、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)アルカン−カルボン酸(ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、または2,2−ジメチロール−ペンタン酸等)、ジヒドロキシ琥珀酸、ヒドロキシピバリン酸、およびこれらの酸の混合物がある。ジメチロールプロピオン酸および/またはヒドロキシピバリン酸は、多くの場合において成分C1)として用いることができる。米国特許第4108814号(適切な部分は、参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されているエーテル基をオプションとして含み得るスルホン酸ジオールを、アニオン構造成分C1)として用いることもできる。
【0031】
遊離酸基、特にカルボキシル基を、潜在アニオン基であると見なし、一方で、塩基と酸との中和によって得られる塩の基(salt group)、特にカルボキシレート基をアニオン基であると見なす。
【0032】
オプション成分D1)を、1個または2個のイソシアネート反応性基、特にヒドロキシル基またはアミノ基を含む非イオン性親水性化合物から選択する。場合によっては、これらの化合物中に含まれるポリエーテル鎖の少なくとも80重量%はエチレンオキサイドユニットである。プロピレンオキサイドユニットも存在し得る。適当な非イオン性親水性化合物として、ビーピー・ケミカルズ(BP Chemicals)製BREOX(登録商標)350、550および750等の、350〜5000のMnを有する単官能性ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルがある。1個のイソシアネート反応性基、および、例えば、米国特許第4237264号(適切な部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に記載されているエチレンオキサイドユニットを含む親水鎖を有する単官能性化合物も適当である。
【0033】
成分D1)として、ジイソシアネートおよび/または2個のイソシアネート反応性基を含む化合物を用いるのも適当であり、該化合物もまた、側部エチレンオキサイドユニット(米国特許第4092286号(適切な部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に記載されている)を含む親水鎖も含む。
【0034】
オプション成分E1)を、2〜4個のヒドロキシル基および62〜250の分子量を有する化合物から選択する。例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール異性体およびペンタエリトリトールがあるが、これらに限定されない。
【0035】
オプション成分F1)を、2〜4個のアミノ基および60〜300の分子量を有する化合物から選択する。例として、エチレンジアミン、1,2−および1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチル−プロパン、イソホロンジアミン、1,3−および1,4−ジアミノ−ヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4−および/または2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、1,4−ビス−(2−アミノプロパン−2−イル)シクロヘキサン、ヒドラジン、ヒドラジドならびにジアミンおよび/またはヒドラジンの混合物;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレン−テトラミン、ならびに、脂肪族または脂環式ジアミンへのアクリロニトリルの水素化付加生成物等のより多官能性のポリアミン、多くの場合には、ヘキサメチレンプロピレントリアミン、テトラメチレンプロピレントリアミン、イソホロンプロピレントリアミン、1,4−または1,3−シクロヘキサンプロピレントリアミン、およびこれらポリアミンの混合物等の、ジアミンへのアクリロニトリル基の相当する付加化合物があるが、これらに限定されない。
【0036】
オプション成分G1)を、60〜300の分子量を有し、かつ、2〜4個のアミノ基およびヒドロキシル基を含む化合物から選択し、限定されない例として、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ならびにヒドロキシエチル−エチレンジアミンがある。
【0037】
オプション成分H1)を、70〜300の分子量を有する単官能性および/または2官能性カルボン酸ヒドラジドから選択する。適当な成分H1)の限定されない例として、アジピン酸ヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、テトラフタル酸ヒドラジド異性体、N−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−N−アミノオキサミド(LUCHEM(登録商標)HA−R 100、エルフ・アトケム社(Elf Atochem))、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t.−ブチルフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−3−t.−ブチル−5−メチルフェニル酢酸ヒドラジド、またはこれらの化合物の混合物があるが、これらに限定されない。他の有効なヒドラジドとして、米国特許第5523377号および5596064号(これらの適切な部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に記載されている、環式カーボネートおよびヒドラジンから調製される付加生成物がある。限定されない例として、ヒドラジン1モルおよびプロピレンカーボネート1モルの付加生成物、ならびに、ヒドラジン1モルおよびプロピレンカーボネート2モルの付加生成物がある。いくつかの態様において、安定剤は、アジピン酸ヒドラジドおよびN−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−N−アミノオキサミドである。
【0038】
ポリオールa)として、上述のヒドロキシ官能性ポリエーテルポリウレタンは、1またはそれより多くの段階で出発成分A1)〜H1)から既知の方法で製造される。反応体の量を、成分B1)、C1)、D1)、E1)、F1)、G1)およびH1)のイソシアネート−反応性基に対する成分A1)のイソシアネート基の当量比が、0.8:1〜2:1、ある場合には0.95:1〜1.5:1、他の場合には0.95:1〜1.2:1となるように選択する。
【0039】
成分C1)のカルボキシル基、ポリウレタン溶液または分散液を調製するために用いられる水だけでなく、カルボキシル基を中和するために用いられる中和剤も、当量比の計算には含まれない。
【0040】
本発明の一態様において、成分E1)を、成分B1)の重量に基づいて0〜75重量%、ある場合には0〜70重量%の量で用いる。
【0041】
本発明の他の態様において、本発明によって最終的に得られるポリウレタン中に含まれる末端および/または側部に配列されたポリエーテル鎖に、0〜30、多くの場合には0〜20重量%のエチレンオキサイドユニットが組み込まれるような量で成分D1)を用いる。
【0042】
本発明の更なる態様において、エチレンオキサイドユニットおよびカルボキシレート基の合計量がポリウレタンの水溶性または水分散性を確保するのに十分であるとの条件で、最終的に得られるポリウレタンにおいて固体100gにつき0.1〜120、ある場合には1〜80ミリグラム当量のカルボキシル基が含まれるように、成分C1)の量および成分C1)に組み込まれるカルボキシル基の中和度を計算する。
【0043】
得られたポリウレタンが、樹脂固体に基づいて最大15、ある場合には最大10重量%の未反応ヒドロキシル基を含むように、出発成分A1)〜H1)の種類および量の比を計算することができる。
【0044】
出発成分A1)〜H1)を1またはそれより多くの段階で反応させてよい。溶媒は、反応生成物を該溶媒での溶液の形で得るように、イソシアネート基に対して不活性である溶媒を用いることもできる。ここで、「溶液」とは、真溶液および油中水乳剤の両方を意味し、例えば、いくらかの構造成分を水溶液の形で用いると起こり得る。適当な溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドンならびに、これらおよび/または他の溶媒の混合物がある。これらの溶媒は、出発成分A1)〜H1)から調製された反応生成物の少なくとも10重量%溶液を供給するのに十分な量で、典型的には存在する。
【0045】
ポリオールa)としてOH−官能性ポリエーテルポリウレタンを、触媒の不在または存在下で製造することができる。適当な触媒は既知であり、ポリウレタン化学において常套的に用いられる触媒である。例として、トリエチルアミン等の第三級アミン;ならびに、スズ(II)オクトエート(tin(II) octoate)、ジブチルスズオキサイドおよびジブチルスズジラウレート等のスズ化合物がある。
【0046】
本発明のポリウレタンポリウレア分散液または溶液の適切な製造方法は既知であり、米国特許第5852106号(適切な部分は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に記載されている方法がある。
【0047】
本発明の一態様において、過剰のE1)またはG1)とNCOプレポリマーとを反応させることによって、ヒドロキシル基を導入することができる。溶媒中でプロセスを行うとき、これらの成分をプレポリマーに添加することができる。溶媒フリーの溶融プロセスにおいては、多くとも少量の共存溶媒を用い、OH−官能性構造ユニットを用いるときのみ、該成分をプレポリマーに添加することができる。アミノ基を含む成分を用いるとき、オプションとしての共存溶媒の存在下、分散水または一部の分散水に成分をゆっくりと添加する必要があり、制御された発熱反応を維持する。
【0048】
本発明の一態様において、カルボキシル基を少なくとも部分的に中和するのに必要な塩基を、水を添加する前、間または後で加えることができる。適当な塩基として、これらに限定されないが、アンモニア、N−メチルモルホリン、ジメチル−イソプロパノールアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールならびにこれらの混合物および/または他の中和剤がある。水酸化ナトリウム、水酸化リチウムおよび水酸化カリウムもまた中和剤として適当である。多くの場合においてアンモニアおよびジメチルエタノールアミンを中和剤として用いる。
【0049】
本発明の他の態様において、得られた溶液または分散液が10〜60、ある場合には20〜45重量%の固形分を有するように用いる水の量を選択する。いったん水を添加すると、いずれの共存溶媒も蒸留によってオプションとして除去してよい。本発明のポリウレタンを最終的には水溶液または水分散液の形で得る。水溶液または水分散液のいずれを得るかは、親水性セグメントの濃度によって主に決定される。
【0050】
本発明の一態様において、ブロック化ポリイソシアネートb)は、2〜30重量%のイソシアヌレート基含有量を有するポリイソシアネート、可逆性、単官能性のイソシアネート基ブロッキング剤(blocking agent)、非イオン性親水性成分、ならびに、1〜2個のヒドラジド基および70〜300の分子量を有する安定化成分の反応生成物を含む。
【0051】
本発明の特定の態様において、b)におけるブロック化ポリイソシアネートは、限定されない例として、BAYHYDUR(登録商標)VPLS2240(バイエル・ポリマー社(Bayer Polymer LLC)(ピッツバーグ、ペンシルベニア州)から市販されている)等の、水分散性ブロック化ポリイソシアネートがある。
【0052】
本発明の一態様において、バインダーはブロック化ポリイソシアネート成分b)を含んで成り、該ブロック化ポリイソシアネート成分b)は、以下の成分の反応生成物であり得る:
A2) 2〜30重量%のイソシアヌレート基(Cとして計算;分子量=126)含有量を有し、140〜350の分子量を有する1またはそれより多くのジイソシアネートから調製されたポリイソシアネート40〜80重量%、ある場合には50〜70重量%、
B2) イソシアネート付加反応の目的で単官能性である、1またはそれより多くの可逆性イソシアネート基ブロッキング剤5〜30重量%、ある場合には10〜20重量%、
C2) 少なくとも1個のイソシアネート−反応性基および少なくとも1個の塩形成可能基を有する1またはそれより多くの化合物を含み、少なくとも部分的に中和された形でオプションとして存在し得るアニオンまたは潜在アニオン成分0〜15重量%、ある場合には0〜10重量%、
D2) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、かつ、少なくとも1個の側部または末端の親水性ポリエーテル鎖を有する1またはそれより多くの化合物を含む、非イオン性親水性成分5〜30重量%、ある場合には10〜20重量%、
E2) 2〜4個のヒドロキシル基および62〜250の分子量を有する1またはそれより多くの多価アルコールを0〜15重量%、ある場合には0〜10重量%、
F2) 2〜4個のアミノ基および60〜300の分子量(Mn)を有する、1またはそれより多くの(環式)脂肪族ポリアミンを0〜15重量%、ある場合には0〜10重量%、ならびに、
G2) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、1〜2個のヒドラジド基および70〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの安定化成分0.5〜15重量%、ある場合には1〜10重量%。
【0053】
成分A2)を、2〜30重量%、ある場合には5〜20重量%、他の場合には少なくとも5重量%のイソシアヌレート基(Cとして計算、分子量126)含有量を有し、140〜350の分子量を有するジイソシアネートから調製された有機ポリイソシアネートから選択することができる。用い得るジイソシアネートの例として、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシル−メタン(DESMODUR(登録商標)W、バイエル・AG社(Bayer AG))、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(IPDI)、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)およびこれらのポリイソシアネートの混合物があるが、これらに限定されない。ポリイソシアネート成分A2)を、限定されない例として、欧州特許公開公報(EP−A)第649866号に記載されている既知の方法を用いて、ジイソシアネートから調製する。
【0054】
オキシムおよび/またはピラゾールを、単官能性ブロッキング剤B2)として用いることができる。用い得る他のブロッキング剤として、ブタノンオキシム、3,5−ジメチルピラゾール、ε−カプロラクタム、1,2,4−トリアゾール、ジイソプロピルアミン、マレイン酸エチルエステル、酢酸エチルエステル、および/またはt−ブチルベンジルアミンがある。
【0055】
成分C2)を、少なくとも1個のイソシアネート−反応性基を有するアニオンまたは潜在アニオン基を含む化合物から選択することができる。本発明の一態様において、これらの化合物は、少なくとも1種のカルボン酸および1もしくは2個のヒドロキシル基、またはこれらのヒドロキシカルボン酸の塩を含むことができる。適当な塩として、これらに限定されないが、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−アルカンカルボン酸(ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール−プロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸または2,2−ジメチロールペンタン酸等)、ジヒドロキシコハク酸、ヒドロキシピバリン酸、およびこれらの酸の混合物がある。特定の態様において、成分C2)としてジメチロールプロピオン酸および/またはヒドロキシピバリン酸を用いる。
【0056】
遊離酸基、特にカルボキシル基を潜在アニオン基と見なし、一方で、塩基と酸との中和によって得られる塩の基(salt group)、特にカルボキシレート基をアニオン基と見なす。
【0057】
オプション成分D2)を、1もしくは2個のイソシアネート−反応性基、特にヒドロキシル基またはアミノ基を含む、非イオン性親水性化合物から選択することができる。典型的には、これらの化合物中に含まれるポリエーテル鎖の少なくとも80重量%、ある場合には100重量%がエチレンオキサイドユニットである。プロピレンオキサイドユニットも存在し得る。適当な非イオン性親水性化合物として、例えば、ビーピー・ケミカルズ(BP Chemicals)製のBREOX(登録商標)350、550および750等の、350〜5000、ある場合には600〜900のMnを有する単官能性ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルがある。
【0058】
オプション成分E2)を、2〜4個のヒドロキシル基および62〜250の分子量を有する化合物から選択することができる。限定されない例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール異性体、ペンタエリトリトールおよびこれらの化合物の混合物がある。
【0059】
オプション成分F2)を、2〜4個のアミノ基および60〜300の分子量を有する化合物から選択することができる。限定されない例として、エチレンジアミン、1,2−および1,3−ジアミノプロパン、1,6−ジアミノヘキサン、1,3−ジアミノ−2,2−ジメチルプロパン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノ−メチルシクロヘキサン(IPDA)、1,3−および1,4−ジアミノヘキサン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、2,4−および2,6−ジアミノ−1−メチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、1,4−ビス−(2−アミノプロパン−2−イル)シクロヘキサン、ならびにこれらの化合物の混合物がある。
【0060】
成分G2)を、70〜300の分子量を有する、単官能性および/または2官能性カルボン酸ヒドラジドから選択することができる。限定されない例として、アジピン酸ジヒドラジド、安息香酸ヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、テレフタル酸ヒドラジド異性体、N−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−N−アミノオキサミド(Luchem HA−R 100,Elf Atochem)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオン酸ヒドラジド、2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル酢酸ヒドラジドおよびこれらの化合物の混合物がある。他の有効なヒドラジドは、米国特許第5523377号および第5596064号(これらの適切な部分は、参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されているように、環式カーボネートおよびヒドラジン、例えば、1モルのヒドラジンおよび1または2モルのプロピレンカーボネートから調製された付加生成物である。特定の態様において、安定剤は、アジピン酸ヒドラジドおよびN−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル−N−アミノオキサミドであり得る。
【0061】
ブロック化ポリイソシアネート成分b)を、出発成分A2)〜G2)から多段階で製造することができる。成分B2)、C2)、D2)、E2)、F2)およびG2)のイソシアネート反応性基に対する成分A2)のイソシアネート基の当量比が、1:0.8〜1:1.2、ある場合には1:0.9〜1:1であるように、反応体の量を選択する。成分C2)のカルボキシル基、ポリウレタンの溶液または分散液を調製するために用いる水だけでなく、カルボキシル基を中和するために用いる中和剤も、当量比の計算に含まれない。
【0062】
本発明の一態様において、0.1〜10、多くの場合には0.5〜3重量%のエチレンオキサイドユニット(COとして計算、分子量=44)が、本発明のブロック化ポリイソシアネートb)における末端および/または側部ポリエーテル鎖に組み込まれるような量で、成分D2)を用いる。
【0063】
本発明の一態様において、エチレンオキサイドユニットおよびカルボキシレート基の合計量がブロック化ポリイソシアネートの水溶性または水分散性を確保にするのに十分であるとの条件で、0.1〜1.5、ある場合には0.5〜0.7重量%の化学的に組み込まれたカルボキシル基(COOHとして計算、分子量=45)がブロック化ポリイソシアネートb)中に含まれるように、成分C2)の量を計算する。
【0064】
本発明の一態様において、成分G2)は、0.1〜3.0、ある場合には0.1〜1.0重量%の化学的に組み込まれたヒドラジド基(HN−NHとして計算、分子量=30)がブロック化ポリイソシアネートb)中に含まれるような量で存在する。
【0065】
製造プロセスの第一段階において、親水性成分C2)およびD2)を容器に導入し、80℃〜100℃、ある場合には90℃で、親水性成分がポリイソシアネートに組み込まれるまでポリイソシアネート成分A2)と反応させる。次いで、反応混合物を70℃まで冷却し、ブロッキング剤B2)を徐々に添加し、理論上計算されたNCO値が得られるまで反応させる。反応の間、温度は80℃を超えてはならない。
【0066】
第二段階において、安定化成分G2)を、分散操作の前または間で組み込む。オプションとして、成分E2)およびF2)を水に溶解し、反応混合物を徹底的な撹拌によってこの溶液に分散させる。得られる溶液または分散液が20〜50重量%、多くの場合には30〜40重量%の固形分を有するように、用いる水の量を選択する。
【0067】
カルボキシル基を少なくとも部分的に中和するのに必要な塩基を、分散段階の前、間または後で添加することができる。適当な塩基として、アンモニア、N−メチルモルホリン、ジメチルイソプロパノールアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリプロピルアミン、エタノール、トリイソプロパノールアミン、2−ジエチルアミノ−2−メチル−1−プロパノールならびにこれらおよび/または他の中和剤の混合物がある。水酸化ナトリウム、水酸化リチウムおよび水酸化カリウムも中和剤として適当である。多くの場合において、ジメチルエタノールアミンを中和剤として用いる。
【0068】
本発明のコーティング組成物を、水溶性または水分散性のポリオール成分a)と、水溶性または水分散性のブロック化ポリイソシアネート成分b)とを既知の方法でブレンドすることによって製造する。オプションとして、a)とb)との混合物に、適当な触媒および/または流れ調整添加剤をブレンドすることができる。
【0069】
本発明の別の態様において、成分a)のヒドロキシル基に対する成分b)のブロック化イソシアネートの当量比は、0.8:1〜3:1、ある場合には0.8:1〜2.5:1、そして、他の場合には0.9:1〜2:1であり得る。
【0070】
適当な触媒として、これらに限定されないが、有機スズ−ベースの系、チタン酸エステル、亜鉛塩、他の適当な金属塩および第3級アミンがある。有機スズをベースとした系の限定されない例として、スズオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、スズジオクトエート(tin dioctoate)、ビス−(2−エチルヘキサノエート)スズ、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、スズオクチレート(tin octylate)、スズナフテネート、鉛オクチレート、トリメチルメトキシスズオキサイド、トリブチルスズトルエンスルホネート、トリブチルスズメタンスルホネート、および米国特許第5718817号に記載されている系がある。チタン酸エステルの限定されない例として、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネートおよびテトラアセチルアセトネートチタンがある。亜鉛塩の限定されない例として、亜鉛オクトエート、塩化亜鉛、亜鉛2−エチルカプロエートおよび亜鉛アセチルアセトネートがある。他の金属塩の限定されない例として、塩化鉄(III)、鉄(III)アセチルアセトネート、ジルコニウムキレート、アルミニウムキレート、ビスマスカーボネート、ビスマスカルボキシレートおよびモリブデナムグリコレートがある。第三級アミンの限定されない例として、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]−オクタン、1,3−ジアザビシクロ(5,4,6)ウンデセン−7、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−エンドエチレンピペラジン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノシクロヘキサン、およびN,N’−ジメチルピペラジン等の化合物の塩ならびにカルボキシレートがある。
【0071】
本発明で用いることができる適当な流れ調製剤の限定されない例として、ポリアクリル酸エステル、非イオン性フッ素化アルキルエステル界面活性剤、非イオン性アルキルアリールポリエーテルアルコール、シリコーンおよび同等のもの、エストロン・ケミカル社(Estron Chemical, Inc.)、(パーシッパニー、ニュージャージー州)により商号RESIFLOW(登録商標)で市販されているもの、DSM社(DSM, Inc.)により商号Benzoin(登録商標)で販売されているもの、モンサント社(Monsanto)から商号MODAFLOW(登録商標)で市販されているもの、および、エアー・プロダクツ社(Air Products)、(ベスレヘム、ペンシルベニア州)により商号SURFYNOL(登録商標)で市販されているものがある。
【0072】
本発明において、プライマーを適用した直後にコーティング組成物を適用することができる。
【0073】
本方法において、金属ストリップとして、いずれの適当な金属を用いてもよい。適当な金属として、これらに限定されないが、アルミニウム(例えば亜鉛めっきアルミニウム)、亜鉛、鉄(例えば、鋼板、および、特に冷延鋼板)、および/またはニッケルを含む金属がある。
【0074】
本発明のいくつかの態様において、金属ストリップの表面を前処理する。適当な前処理組成物として、当業者には既知である全ての有機製品または無機製品があるが、これらに限定されるものではない。限定されない例として、基材へのホスフェートコートの適用がある。他の例では、強力な腐食攻撃にさらされない鋼材は、更なる前処理なしにコイルコーティングによって処理することができる。湿気および気候ストレスがより高い場合には、電気亜鉛めっき又は溶融亜鉛めっきした材料を用いることができる。
【0075】
本発明の一態様において、本方法は、コーティング組成物を金属ストリップに適用する前に、プライマー層を適用することを含む。限定されない例として、プライマー層には、エポキシプライマー、ウレタンベースのプライマー、ポリエステルベースのプライマー、および水希釈性アクリルプライマーから選択されたプライマー組成物がある。用い得る適当なプライマーの限定されない例として、米国特許第6413642号(適切な部分は、参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されているプライマーがある。
【0076】
プライマー層を適用するとき、プライマー層の乾燥膜厚は、少なくとも1、ある場合には少なくとも2.5、他の場合には少なくとも5μmであり得る。また、プライマー層の乾燥膜厚は、最大でも35、ある場合には最大でも30、他の場合には最大でも25、そして場合によっては最大でも20μmであり得る。金属ストリップ上のプライマー層の乾燥膜厚は、上述した値のいずれの間で変化してもよい。
【0077】
プライマー層を、噴霧、浸漬、ナイフコーティング、ローラーコーティング、またはブラッシングによって適用することができる。
【0078】
本発明の一態様において、コーティング組成物は、金属ストリップ上に、プライマー層を覆って、少なくとも1、ある場合には少なくとも2.5、また、他の場合には少なくとも5μm以上の乾燥膜厚を有するコーティング層を形成する。また、コーティング層の乾燥膜厚は、最大でも35、ある場合には最大でも30、他の場合には最大でも25、そして場合によっては最大でも20μmであり得る。金属ストリップ上の本発明のコーティング組成物のコーティング層の乾燥膜厚は、上述したいずれの値の間で変化してもよい。
【0079】
コーティング組成物を、噴霧、浸漬、ナイフコーティング、ローラーコーティングまたはブラッシング、および後のベーキングによって適用することができる。
【0080】
ベーキング工程の間にコーティング組成物を硬化する。硬化は、少なくとも150、ある場合には少なくとも175、そして他の場合には少なくとも200℃の温度で起こり得る。また、硬化は、最大でも400、ある場合には最大でも350、そして他の場合には最大でも300℃の温度でも起こり得る。硬化温度は、実際のコーティング組成物、コイルの速度、および、硬化温度での暴露時間の長さを含む数々の要因による。コーティング組成物の硬化温度は、上述した値のいずれの間で変化してもよい。
【0081】
さらに、コーティング組成物の硬化は、少なくとも20、ある場合には少なくとも25、そして他の場合には少なくとも30秒で起こる。また、硬化は、150秒を上回る、ある場合には最大でも150秒、他の場合には125秒、そして場合によっては最大でも100秒、他の状況では最大でも50秒でも起こり得る。硬化時間は、硬化の温度のみならず実際のコーティング組成物を含む数々の要因に依る。コーティング組成物の硬化時間は、上述した値のいずれの間で変化してもよい。
【0082】
本発明の方法は、下塗りされた金属ストリップ表面と強い結合を形成するコーティングを提供する。限定されない例として、本方法を用いると、コーティング組成物の乾燥膜の剥離強度は、典型的には少なくとも2102ニュートン/メーター(N/M)(12ポンド/インチ:lb/in)、ある場合には少なくとも2452(N/M)(14 lb/in)である。また、コーティング組成物の乾燥膜の剥離強度は、6129N/M(35 lb/in)より大きく、多くの場合には最大で6129N/M(35 lb/in)、ある場合には最大で5255N/M(30 lb/in)、また、ある場合には最大で4378N/M(25 lb/in)であり得る。剥離強度は、ASTM D429 Method B 90°(方法B 90°)剥離試験に従って測定する。コーティング組成物の乾燥膜の剥離強度は、金属および/またはプライマーの性質のみならず、実際のコーティング組成物によっても変化し得る。剥離強度は、上述した値のいずれの間でも変化し得る。
【0083】
本発明は、また、上述の方法によってコートされた金属基材の他に該金属基材を含む物品も提供する。
【0084】
本発明の態様は、また、第一金属基材および第二金属基材を含む物品も提供する。どちらも上述の方法によって作製され、各基材のコートされた表面は互いに平行かつ対向するように位置し、その間には反応射出成形(RIM)組成物がRIMプロセスによって配置されている。
【0085】
本発明の水性コーティング組成物は、該組成物のコーティング層を覆って適用されるRIM組成物の結合エンハンサーとして働くことができる。
【0086】
このように、本発明の態様は、図1に示す物品を対象とし、上述のコーティング組成物を用いて金属ストリップ10をコイルコーティングし、各金属ストリップ10の表面にコーティング膜(塗膜)12を形成する。各金属ストリップ10上のコイルコーティングされた膜12の間に位置するようにRIM組成物14を適用する。
【0087】
この態様において、いずれの適当なRIM組成物を用いてもよい。適当なRIM組成物として、これらに限定されないが、米国特許第6649667号(適切な部分は、参照することにより本明細書に組み込まれる)に記載されているRIM組成物がある。
【0088】
特定の態様において、RIM組成物は、以下のa)およびb)を含むプロセス:
a) (1)以下の成分を含んで成るイソシアネート反応性成分:
i)少なくとも1個のイソシアネート−反応性基の官能性および400〜10000の数平均分子量を有する1またはそれより多くのイソシアネート−反応性物質を、イソシアネート−反応性成分の全重量に基づいて、5〜80重量%;
ii)鎖伸長剤または架橋剤;
iii)水等の発泡剤または該分野で既知の発泡剤;
iv)触媒;ならびに
v)オプションとして;難燃剤、顔料、染料、充填剤、界面活性剤、流れ補助剤、およびこれらの組み合わせ;
と、(2)有機ポリイソシアネートとを、イソシアネート反応性基に対するイソシアネート基の当量比が、0.8:1〜1.3:1であるような量で混合すること
b) a)の混合物を第一金属基材および第二金属基材の間の空間に導入すること、
によって得られるフォームを含んで成る。
RIM組成物から得られるフォームは、独立気泡(closed−cell foam)または連続気泡(open−cell foam)であり得る。
【0089】
iii)において、いずれの適当な発泡剤を用いてもよい。適当な発泡剤の限定されない例として、水、そして、示すように;トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、クロロメタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペンタフルオロブタン、ペンタフルオロプロパン、ヘキサフルオロブタン、ペンタン、(n−、イソ−、およびシクロペンタン)ヘキサン等のハロゲン化炭化水素ならびに低沸点炭化水素;p−トルエンスルホニルヒドラジド;重炭酸ナトリウム;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル;アゾジカルボンアミド;4,4’−オキシ−ビス(ベンゼン−スルホニルヒドラジド);ジニトロソペンタメチレン−テトラミン;空気;窒素;二酸化炭素;アルゴン;ならびにこれらの組み合わせがある。本発明の一態様においては、水が主たる発泡剤である。
【0090】
以下の実施例に本発明をより詳細に記載するが、単に説明目的であり、従って、多くの修正および変更が当業者には明らかであろう。特記しない限り、全ての部および百分率は重量に基づく。
【実施例1】
【0091】
本発明のコーティング組成物を、大気状態において、以下に記載する要素を混合容器で混合することにより調製した。
ポリオール(成分a) 240.0g
触媒 2.2g
流れ調整添加剤 1.1g
ブロック化ポリイソシアネート 395.7g
ヒドロキシ官能性水性樹脂、BAYHYDROL(登録商標)VP LS2239、バイエル・ポリマー社、ピッツバーグ、ペンシルベニア州
FASCAT(登録商標)4224、アトフィナ・ケミカルズ社(Atofina Chamicals Inc.,)フィラデルフィア、ペンシルベニア州
シリコーン、BAYSILONE(登録商標)OL44、ランクセス社(Lanxess)、ピッツバーグ、ペンシルベニア州
BAYHYDUR(登録商標)BL VP LS2240、バイエル・ポリマー社、ピッツバーグ、ペンシルベニア州
【実施例2】
【0092】
(比較)
コーティング組成物を、大気状態において、以下に記載する要素を混合容器で混合することにより調製した。該コーティング組成物は、その乏しい耐ブロッキング性のため、典型的にはノンコイル(non−coil)の用途に用いられるタイプである。
十分に反応したポリウレタン分散液 634.0g
流れ調整添加剤 3.2g
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 13.0g
BAYHYDROL(登録商標)140AQ、バイエル・ポリマー社、ピッツバーグ、ペンシルベニア州
シリコーン、BAYSILONE(登録商標)OL44、ランクセス社、ピッツバーグ、ペンシルベニア州
SILQUEST(登録商標)A−1100、ジーイー・スペシャルティ・マテリアルズ社(GE Specialty Materials)、ウィルトン、コネチカット州
【実施例3】
【0093】
(耐ブロッキング性)
エポキシ−ベースのプライマーを用いて両サイドが下塗りされたアルミニウムパネル(サイドBには、白色トップコートおよび剥離性コーティングが適用されている)を、セントリア・インターナショナル(Centria International)から得た。サイドAには、プライマー上にコーティング組成物(実施例1または実施例2による)を適用し、271℃で40秒間硬化させた。
【0094】
サイドBに対する耐ブロッキング性に関して、パネルの第一グループ(実施例1のコーティングを用いるグループ1)およびパネルの第二グループ(実施例2のコーティングを用いるグループ2)を、ASTM D 3003−94(各グループ4−6パネル)に従って試験した。以下に記載する時間、機械万力を用いた圧力および温度条件にパネルを付した。次いで、パネルを冷却し、以下に記載する0〜10の価値尺度に基づいて評価し、パネルの除去プロセスを評価した。パネルを、サイドBに面してサイドAを接触させて置いた。
試験条件:
温度:47℃
圧力:7.03Kg/cm
暴露時間:18時間
価値尺度:
10−− オペレーターの援助無しに室温でパネルを分離する;
8−− オペレーターが最小の作用力でパネルを除去できる;
6−− オペレーターが並みの作用力でパネルを除去できる;
4−− オペレーターがパネルを分離するのに大きな力を用いる必要がある;
2−− No4にあるようにパネルを分離することができる;1のパネルから他のパネルへの目立ったコーティングの移動;
0−− パネルを分離できない;1のパネルから他のパネルへのコーティングの完全な移動
結果を以下に略述する:
グループ1 10
グループ2 2
実施例2のコーティング組成物は乏しい耐ブロッキング性を示し、一方で、実施例1のコーティング組成物は優れた耐ブロッキング性を示した。
【実施例4】
【0095】
(耐ブロッキング性)
実施例3に示すエポキシ−ベースのプライマーを用いて両サイドに下塗りしたアルミニウムパネルを用いた。パネルの第一グループ(実施例1によるコーティングを用いるグループ1)およびパネルの第二グループ(実施例2によるコーティングを用いるグループ2)を試験し(各グループ4−6パネル)、エポキシプライマーコーティングのみを含むパネルサイドに対する耐ブロッキング性を評価したことを除いては、実施例3に記載した評価に付した。
結果を以下に略述する。
グループ1 8
グループ2 6
【実施例5】
【0096】
実施例3に示すエポキシ−ベースのプライマーを用いて両サイドに下塗りしたアルミニウムパネルを用いた。いくつかのパネルでは、サイドAにおいて、プライマーに実施例1のコーティング組成物を用いてコーティングを適用した。サイドBにおいては、追加のコーティングを適用しなかった。
【0097】
実施例1に示す、米国特許第6649667号の反応射出成形(RIM)組成物を、サイドAの上に適用した。剥離強度(平均およびピーク)を、ASTM D429、Method Bによって測定した。
剥離強度(N/Mおよび[lb/in.])
バインダー組成物 平均 ピーク
なし 1155[6.6] 1943[11.1]
実施例1 2590[14.8] 3798[21.7]
該例により、本発明のコーティング組成物を用いると、粘着性が改善されることが明らかである。
【0098】
本発明を、説明目的で上に詳細に記載したが、そのような詳細は単に説明目的であること、ならびに、特許請求の範囲で制限し得る場合を除き、本発明の意図および範囲から逸脱することなく当業者によって変更が行われ得ることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、本発明の物品を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストリップをコートするためのコイルコーティング方法であって、コーティング組成物の金属ストリップへの適用を含み、コーティング組成物が、
a)水溶性または水分散性であるポリオール成分;および
b)水溶性または水分散性であるブロック化ポリイソシアネート成分
を含む被覆剤を含んで成る方法。
【請求項2】
a)におけるポリオールは、
4,4’−ジイソシアナトシクロヘキシルメタン(HMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(IPDI)、2,4−および/または2,6−ジイソシアナトトルエン(TDI)、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロ−ヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアナトシクロヘキサンおよび4,4’−ジイソシアナトジフェニル−メタン(MDI)、ならびにこれらの組み合わせから成る群から選択されるポリイソシアネート50〜100重量%を含むポリイソシアネート成分;
1またはそれより多くのポリエーテルポリオールを含み、25〜350mgKOH/g solidsのOH価を有するポリオール成分;ならびに、
少なくとも1個の塩形成可能基を含むイソシアネート反応性成分;
の反応生成物を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリイソシアネートは、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンを含んで成る、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
b)におけるブロック化ポリイソシアネートは、5〜30重量%のイソシアヌレート基含有量を有するポリイソシアネート、可逆性、単官能性のイソシアネート基ブロッキング剤、非イオン性親水性成分、ならびに1〜2個のヒドラジド基および70〜300の分子量を有する安定化成分の反応生成物を含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
成分a)のヒドロキシル基に対する成分b)のブロック化イソシアネート基の当量比は、0.8:1〜3:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
コーティング組成物は、触媒を更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
触媒は、第三級アミン、スズ(II)オクトエート、ジブチルスズオキサイド、および、ジブチルスズジラウレートから成る群から選択される1またはそれより多くの触媒を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
コーティング組成物は、流れ調整添加剤を更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
流れ調整添加剤は、ポリアクリル酸エステル、非−イオン性フッ素化アルキルエステル界面活性剤、非−イオン性アルキルアリールポリエーテルアルコール、およびシリコーンから成る群から選択される1またはそれより多くの流れ調整添加剤を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
バインダーはポリオール成分を含んで成り、該ポリオール成分は、
A1) 50〜100重量%の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、および、0〜50重量%の140〜1500の分子量を有する他の有機ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート成分20〜60重量%、
B1) 1またはそれより多くのポリエーテルポリオールを含み、25〜350mgKOH/g solidsのOH価を有する、ポリオール成分20〜60重量%、
C1) 少なくとも1個のイソシアネート反応性基および少なくとも1個の塩形成可能基を有する1またはそれより多くの化合物を含み、少なくとも部分的に中和された形でオプションとして存在し得る、アニオンまたは潜在アニオン成分2〜12重量%、
D1) イソシアネート付加反応の目的で単官能性もしくは2官能性であり、少なくとも1個の側部もしくは末端の親水性ポリエーテル鎖を有する1またはそれより多くの化合物を含む、非イオン性親水性成分0〜12重量%、
E1) 2〜4個のヒドロキシル基および62〜250の分子量を有する、1またはそれより多くの多価アルコール0〜15重量%、
F1) 2〜4個のアミノ基および60〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの(環式)脂肪族ポリアミン0〜15重量%、
G1) 合計で2〜4個のヒドロキシル基およびアミノ基ならびに61〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの(環式)脂肪族ポリアミノ/ヒドロキシ化合物0〜30重量%、ならびに、
H1) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、1〜2個のヒドラジド基および70〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの安定化成分0〜15重量%、
(A1)〜H1)の百分率の合計は100になる)
の反応生成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
バインダーはブロック化ポリイソシアネート成分を含んで成り、該ブロック化ポリイソシアネート成分は、
A2) 2〜30重量%のイソシアヌレート基(Cとして計算;分子量=126)含有量を有し、140〜350の分子量を有する1またはそれより多くのジイソシアネートから調製したポリイソシアネート40〜80重量%、
B2) イソシアネート付加反応の目的で単官能性である、1またはそれより多くの可逆性イソシアネート基ブロッキング剤5〜30重量%、
C2) 少なくとも1個のイソシアネート−反応性基および少なくとも1個の塩形成可能基を有する1またはそれより多くの化合物を含み、少なくとも部分的に中和された形でオプションとして存在し得るアニオンまたは潜在アニオン成分0〜15重量%、
D2) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、かつ、少なくとも1個の側部または末端親水性ポリエーテル鎖を有する1またはそれより多くの化合物を含む、非イオン性の親水性成分5〜30重量%、
E2) 2〜4個のヒドロキシル基および62〜250の分子量を有する1またはそれより多くの多価アルコール0〜15重量%、
F2) 2〜4個のアミノ基および60〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの(環式)脂肪族ポリアミン0〜15重量%、ならびに、
G2) イソシアネート付加反応の目的で単官能性または2官能性であり、1〜2個のヒドラジド基および70〜300の分子量を有する、1またはそれより多くの安定化成分0.5〜15重量%、
の反応生成物である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
エポキシプライマー、ウレタンベースのプライマー、ポリエステルベースのプライマー、および水希釈性アクリルプライマーから成る群から選択されるプライマー組成物を含んで成るプライマー層を、コーティング組成物を金属ストリップに適用する前に適用することを更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
コーティング組成物は、1〜35μmの乾燥膜厚を有するコーティング層を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
プライマー層の乾燥膜厚は、1〜35μmである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
コーティング組成物の乾燥膜の剥離強度は、ASTM D429 Method B 90°剥離試験に従って測定すると、2102ニュートン/メーター(N/m)(12 lb/in)〜6130N/m(35 lb/in)である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
金属は、アルミニウム、亜鉛、鉄、スチール、および/またはニッケルを含んで成る、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
コーティング組成物を、20〜150秒間、150〜400℃の温度で硬化させる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法によってコートされた金属基材。
【請求項19】
金属は、アルミニウム、亜鉛、鉄、スチール、および/またはニッケルを含んで成る、請求項18に記載の金属基材。
【請求項20】
請求項18に記載の金属基材を有して成る物品。
【請求項21】
請求項18に記載の第一金属基材および請求項18に記載の第二金属基材を有して成り、各基材のコートされた表面は互いに平行かつ対向するように位置し、反応射出成形(RIM)組成物がRIMプロセスによってその間に配置されている物品。
【請求項22】
RIM組成物は、以下のc)およびd)を含むRIMプロセス:
c)(1)以下の成分を含んで成るイソシアネート反応性成分:
i)少なくとも1のイソシアネート−反応性基の官能性および400〜10000の数平均分子量を有する1またはそれより多くのイソシアネート−反応性物質を、イソシアネート−反応性成分の全重量に基づいて5〜80重量%;
ii)鎖伸長剤または架橋剤;
iii)発泡剤;
iv)触媒;ならびに
v)オプションとして;難燃剤、顔料、染料、充填剤、界面活性剤、流れ補助剤、およびこれらの組み合わせ;
と、(2)有機ポリイソシアネートとを、イソシアネート−反応性基に対するイソシアネート基の当量比が0.8:1〜1.3:1であるような量で混合すること
d) a)の混合物を第一金属基材および第二金属基材の間の空間に導入すること、
によって得られるフォームを含んで成る、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
発泡剤は、水、ハロゲン化炭化水素、低沸点炭化水素、p−トルエンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジニトロソペンタメチレン−テトラミン、空気、窒素、二酸化炭素およびアルゴンから成る群から選択される1またはそれより多くの発泡剤を含む、請求項22に記載の物品。

【図1】
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【公開番号】特開2006−21196(P2006−21196A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−182310(P2005−182310)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】