説明

コネクション管理装置、及びコネクション管理方法

【課題】通信方式が融合された通信ネットワークにおいても、効率的なコネクション管理を実現するとともに、移動機の在圏状態の管理を可能にすること。
【解決手段】このデータ通信管理装置6は、コネクション情報を取得するとともに通信の発生を検出する呼処理部11と、コネクション情報を格納する優先データ格納部15及び非優先データ格納部16と、コネクション情報を、無通信状態が所定時間以上継続している場合に非優先データ格納部16に移動し、通信の発生が検出された場合に優先データ格納部15に移動するコネクション情報管理部14と、データ格納部15,16に格納されているコネクション情報に含まれる移動機電話番号に基づいて移動機2の在圏状態を判断する状態判断部18と、優先データ格納部15に格納されているコネクション情報をデータ通信に応じて出力するコネクション情報伝達部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機と通信ネットワークとの間のコネクションを管理するコネクション管理装置、及びコネクション管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、IMT−2000(International Mobile Telecommunication 2000)網等の移動体通信網におけるUプレーンを利用したHTTP等によるデータ通信が実現されている。このデータ通信に際しては、移動機の接続状態を網側で管理する必要性から、Cプレーン上の制御信号によって予めTCP/IPコネクションを確立することが行われている。同様に、データ通信時にコネクションを確立するような技術の一例としては、例えば、下記特許文献1記載の接続支援サーバが開示されている。
【0003】
一旦確立されたコネクションに対しては、移動体通信網内の管理装置によってコネクション上のデータ監視等のコネクション管理のための処理が実施される。そこで、一般には、そのコネクション管理を効率的に行うために、データ通信が一定期間発生しないコネクションに関してはそのコネクションの開放が実行される。これは、コネクション管理による無駄な通信リソースの消費や、処理負荷の増大を防止するためである。
【特許文献1】特開2003−169075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなコネクション管理の方法は、データ通信中のコネクション管理に主眼を置いているため、以下のような問題があった。すなわち、FMC(Fixed Mobile Convergence)サービスにおける無線LANを経由したHTTPによるデータ通信等においてはTCP/IPコネクションの有無によって移動機の在圏状態を判断する必要があるため、無通信時にTCP/IPコネクションを開放してしまうと移動機の在圏状態が正確に判断できなくなる。また、一旦コネクションを開放すると、再度データ通信が必要な場合に再度コネクションを確立することが必要になり、効率的な通信が妨げられてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、通信方式が融合された通信ネットワークにおいても、効率的なコネクション管理を実現するとともに、移動機の在圏状態の管理を可能にするコネクション管理装置、及びコネクション管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のコネクション管理装置は、移動機と通信ネットワークとの間のコネクションを管理するコネクション管理装置であって、コネクションの確立に応じて、移動機を特定する移動機特定情報を含むコネクション情報を取得するとともに、コネクションにおける通信の発生を検出する情報取得手段と、情報取得手段によって取得されたコネクション情報を格納する第1の情報格納手段と、情報取得手段によって取得されたコネクション情報を、第1の情報格納手段とは異なるデータ領域に格納する第2の情報格納手段と、第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、該コネクション情報に対応するコネクションにおける無通信状態が所定時間以上継続している場合に、第2の情報格納手段に移動する第1のデータ移動手段と、第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、情報取得手段によって該コネクション情報に対応するコネクションにおける通信の発生が検出された場合に、第1の情報格納手段に移動する第2のデータ移動手段と、第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に含まれる移動機特定情報に基づいて、移動機の在圏状態を判断する状態判断手段と、第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報の少なくとも一部を、コネクション情報によって特定されるコネクションにおける通信の発生に応じて読み出して出力する情報伝達手段とを備える。
【0007】
或いは、本発明のコネクション管理方法は、移動機と通信ネットワークとの間のコネクションを管理するコネクション管理方法であって、情報取得手段が、コネクションの確立に応じて、移動機を特定する移動機特定情報を含むコネクション情報を取得するとともに、コネクションにおける通信の発生を検出する情報取得ステップと、第1の情報格納手段が、情報取得ステップにおいて取得されたコネクション情報を格納する第1の情報格納ステップと、第2の情報格納手段が、情報取得ステップによって取得されたコネクション情報を、第1の情報格納手段とは異なるデータ領域に格納する第2の情報格納ステップと、第1のデータ移動手段が、第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、該コネクション情報に対応するコネクションにおける無通信状態が所定時間以上継続している場合に、第2の情報格納手段に移動する第1のデータ移動ステップと、第2のデータ移動手段が、第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、情報取得手段によって該コネクション情報に対応するコネクションにおける通信の発生が検出された場合に、第1の情報格納手段に移動する第2のデータ移動ステップと、状態判断手段が、第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に含まれる移動機特定情報に基づいて、移動機の在圏状態を判断する状態判断ステップと、情報伝達手段が、第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報の少なくとも一部を、コネクション情報によって特定されるコネクションにおける通信の発生に応じて読み出して出力する情報伝達ステップと、を備える。
【0008】
このようなコネクション管理装置及びコネクション管理方法によれば、移動機と通信ネットワークとの間のコネクションの確立に応じて、そのコネクション情報が第1又は第2の情報格納手段に格納される。このとき、該当コネクションにおいて無通信状態が所定時間以上続いた場合にコネクション情報が第1の情報格納手段から第2の情報格納手段に移動され、該当コネクションにおいてデータ通信が発生するとコネクション情報が第1の情報格納手段に戻される。そして、第1及び第2の情報格納手段に格納されたコネクション情報によって移動機の在圏状態が判断されると共に、データ通信の発生に応じて第1の情報格納手段に格納されたコネクション情報が出力されてデータ通信処理に利用される。これにより、コネクションを開放することなくコネクション情報を利用した通信が迅速に行われると同時に、コネクションの有無により移動機の在圏状態を判断する場合の正確性が向上する。
【0009】
第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報によって特定されるコネクションに関する監視情報を収集する情報収集手段を更に備えることが好ましい。この場合、コネクションを開放することなくコネクションに関する監視情報の収集処理量が必要最小限に抑えられる。
【0010】
また、第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に対応する移動機特定情報を格納する管理情報格納手段を更に備え、状態判断手段は、管理情報格納手段に格納された移動機特定情報に基づいて在圏状態を判断することも好ましい。こうすれば、移動機の在圏状態の判断の処理効率が向上する。
【0011】
さらに、第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に対応する移動機特定情報を、該コネクション情報の格納場所を特定する格納場所特定情報に対応付けて格納する管理情報格納手段を更に備え、第1及び第2のデータ移動手段は、管理情報格納手段に格納された格納場所特定情報に基づいて、第1の情報格納手段と第2の情報格納手段との間でコネクション情報を移動することも好ましい。かかる構成を採れば、コネクション情報を通信状態に応じて分散管理する際のデータ移動処理の効率が向上し、データ通信を利用するユーザの利便性が向上する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、通信方式が融合された通信ネットワークにおいても、効率的なコネクション管理を実現するとともに、移動機の在圏状態の管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面とともに本発明によるコネクション管理装置及びコネクション管理方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明の好適な一実施形態であるデータ通信システム1の概略構成を示す図である。同図に示すデータ通信システム1は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、PHS(Personal Handyphone System)等の移動機2とインターネット等の公衆通信ネットワークN2との間でデータを中継する通信システムであり、移動機2と公衆通信ネットワークN2との間で送受信されるデータを中継する通信ネットワークN1を有している。通信ネットワークN1は、移動機2との間で無線LAN通信方式による無線通信を行う無線LANアクセスポイント4と、移動機2との間でIMT−2000方式の移動体通信を行う無線基地局3と、無線基地局3及び無線LANアクセスポイント4とデータ通信管理装置(コネクション管理装置)6との間で送受信されるデータを中継する無線GW装置5と、移動機2との間でHTTPによるデータ通信のためのコネクションを確立し該当コネクションに関する各種監視処理(該当コネクション上のデータ量の収集等)を実行するとともに、移動機2と公衆通信ネットワークN2との間におけるプロキシサーバとして機能するデータ通信管理装置6とを含んでいる。なお、便宜上、無線LANアクセスポイント4、無線基地局3、無線GW装置5及び、データ通信管理装置6をそれぞれ1台ずつ図示しているが、それぞれ複数台存在していてもよい。
【0015】
まず、本実施形態に係るデータ通信管理装置6の構成について説明する。図2は、データ通信管理装置6の機能的構成を示すブロック図である。データ通信管理装置6は、機能的には、同図に示すように、呼処理部(情報取得手段)11と、コネクション処理部(情報収集手段)12と、呼管理部13とを備え、呼管理部13は、コネクション情報管理部(第1及び第2のデータ移動手段)14と、優先データ格納部(第1の情報格納手段)15と、非優先データ格納部(第2の情報格納手段)16と、呼管理テーブル格納部(管理情報格納手段)17と、状態判断部(状態判断手段)18と、コネクション情報伝達部(情報伝達手段)19とを含んで構成されている。
【0016】
また、図3は、データ通信管理装置6のハードウェア構成図である。データ通信管理装置6は、物理的には、図2に示すように、CPU21、主記憶装置であるRAM22及びROM23、ハードディスク等の補助記憶装置25、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置26、ディスプレイ等の出力装置27、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール24などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2において説明した各機能は、図3に示すCPU21、RAM22等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU21の制御のもとで通信モジュール24、入力装置26、出力装置27を動作させるとともに、RAM22や補助記憶装置25におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0017】
以下、図2を用いて、各機能要素について詳細に説明する。
【0018】
呼処理部11は、移動機2又は公衆通信ネットワークN2からの接続要求信号に応じて、移動機2との間のコネクションを確立した後、移動機2を特定する移動機電話番号及び移動機IPアドレスを含む該当コネクションに対応するコネクション情報を取得する。より詳細には、呼処理部11は、移動機2とのコネクションの確立に応じて、移動機2を特定する電話番号“090aaaabbbb”、移動機2への接続先を示すIPアドレス“10.X.X.1”、及び呼接続の開始時刻“2006/1/23 10:00:00”を含むコネクション情報を取得し、コネクション情報管理部14に出力する。
【0019】
また、呼処理部11は、移動機2との間のコネクションにおける信号をモニタすることによってHTTPデータ通信の要求を検出し、データ通信要求が発生した場合は、移動機2の電話番号等の移動機特定情報をコネクション情報管理部14に出力する。さらに、呼処理部11は、該当コネクションにおけるHTTPデータ通信要求が発生した場合は、コネクション情報伝達部19を介して該当コネクションに関するコネクション情報を取得して、移動機2と公衆通信ネットワークN2との間のデータ通信を中継する。
【0020】
コネクション情報管理部14は、呼処理部11から移動機2とのコネクション確立に応じて出力されたコネクション情報を、次のようにして、優先データ格納部15、又は優先データ格納部15とは異なるデータ領域の非優先データ格納部16のどちらかに格納する。すなわち、コネクション情報管理部14は、呼処理部11からコネクション情報が最初に出力されると、該当コネクションを特定する呼管理番号とともに優先データ格納部15に格納する。図4は、このようにして優先データ格納部15に格納されたデータの構成を示す図であり、優先データ格納部15には、呼処理部11から出力された移動機電話番号“090aaaabbbb”、移動機IPアドレス“10.X.X.1”、及び呼接続開始時刻“2006/1/23 10:00:00”が、呼管理番号“A−1”及びコネクション処理フラグ“ON”に対応付けて格納される。このコネクション処理フラグは、該当コネクションに対する監視情報収集等の各種処理を実施するか否かを示すフラグであり、呼管理番号は、コネクション情報の格納場所が優先データ格納部15であることを示す符号(格納場所特定情報)“A”を含む。同時に、コネクション情報管理部14は、優先データ格納部15に格納したコネクション情報に関する管理情報を、呼管理テーブル格納部17に格納する。図6は、呼管理テーブル格納部17に格納されたデータの構成を示す図であり、コネクション情報における接続先を特定する移動機電話番号“090aaaabbbb”が、呼管理番号“A−1”、及び経過時間“600(秒)”に関連付けて格納される。この経過時間は、コネクション情報管理部14がコネクション情報を格納してからの経過時間を示すように定期的に更新されるタイマである。
【0021】
また、コネクション情報管理部14は、優先データ格納部15にコネクション情報を格納した時刻から、該当コネクション情報に対応するコネクションにおける無通信状態が所定時間T0以上継続している場合に、コネクション情報を非優先データ格納部16に移動する。具体的には、コネクション情報管理部14は、呼管理テーブル格納部17から呼管理番号に符号“A”を含む管理情報を読み出して、その管理情報によって特定されるコネクション情報を対象にして優先データ格納部15から非優先データ格納部16にデータを移動する。ここで、無通信状態は、呼処理部11において該当コネクション上のデータ通信要求が検出されていないか否かで判断され、その継続時間は、呼管理テーブル格納部17に格納された管理情報の中の経過時間を参照することで計測される。図5は、このようにして非優先データ格納部16に格納されたデータの構成を示す図である。非優先データ格納部16には、優先データ格納部15に格納されていたコネクション情報のうちの移動機電話番号“090aaaabbbb”、移動機IPアドレス“10.X.X.1”、及び呼接続開始時刻“2006/1/23 10:00:00”が、呼管理番号“B−1”に関連付けて格納される。すなわち、呼管理番号は、コネクション情報の格納場所が非優先データ格納部16であることを示す符号(格納場所特定情報)“B”を含む番号に置換される。このとき、コネクション情報管理部14は、呼管理テーブル格納部17に格納された該当コネクション情報に関する呼管理番号をも併せて更新するとともに、そのコネクション情報における経過時間を削除する。
【0022】
さらに、コネクション情報管理部14は、非優先データ格納部16に格納されているコネクション情報に対応するコネクションにおいてHTTPを利用したデータ通信要求が発生した場合に、該当コネクション情報を非優先データ格納部16から優先データ格納部15に移動する。ここで、コネクション情報管理部14は、移動機2との間のコネクションにおけるデータ通信要求の発生を、呼処理部11から出力される移動機2の電話番号により検出する。具体的には、コネクション情報管理部14は、呼管理テーブル格納部17から呼管理番号に符号“B”を含む管理情報を読み出して、その管理情報の中でデータ通信要求が発生したコネクション情報を特定して非優先データ格納部16から優先データ格納部15に移動し、そのコネクション情報における呼管理番号を符号“A”を含む番号に置換するとともにコネクション処理フラグを追加する。同時に、コネクション情報管理部14は、呼管理テーブル格納部17に格納された該当コネクション情報に関する呼管理番号を併せて更新するとともに、そのコネクション情報の経過時間を“0”にリセットする。
【0023】
コネクション情報伝達部19は、呼処理部11によってデータ通信要求が検出された場合に、呼処理部11からの要求に応じて、該当コネクションに関するコネクション情報を優先データ格納部15から読み出して呼処理部11に返す。具体的には、コネクション情報伝達部19は、移動機2との間のコネクション上におけるデータ通信要求があった場合には、図4に示す優先データ格納部15のデータの中から移動機2の電話番号“090aaaabbbb”に基づいて、呼管理番号“A−1”、及び移動機2のIPアドレス“10.X.X.1”を含むコネクション情報が読み出されて呼処理部11に出力される。このとき、コネクション情報伝達部19は、該当するコネクション情報が非優先データ格納部16に格納されていた場合は、コネクション情報管理部14によって優先データ格納部15に移動されたコネクション情報を読み出して出力する。
【0024】
状態判断部18は、呼管理テーブル格納部17に格納されている管理情報に基づいて移動機2の在圏状態、すなわち、移動機2が無線基地局3或いは無線LANアクセスポイント4の通信エリア内に存在するか否かを判定する。このとき、状態判断部18は、呼管理テーブル格納部17から読み出した管理情報の中に移動機2の電話番号を含む管理情報が存在する場合は移動機2が通信エリア内に存在すると判断し、移動機2の電話番号を含む管理情報が存在しない場合は移動機2が通信エリア外に存在すると判断する。その結果、状態判断部18は、データ格納部15,16に移動機2の電話番号を含むコネクション情報が存在しているか否かに基づいて在圏状態を判断することになり、公衆通信ネットワークN2から移動機2への接続可否について適切に判断することができる。
【0025】
コネクション処理部12は、優先データ格納部15に格納されたコネクション情報に対応するコネクションに関する監視情報の収集等の各種処理を実行する。ここで、コネクション処理部12は、コネクション情報に含まれるコネクション処理フラグが“ON”になっているコネクションを対象として、例えば、該当コネクション上のデータ量や、通信相手先IPアドレス等の監視情報の収集を実行する。
【0026】
以下、図7を参照して、データ通信管理装置6の動作について説明するとともに、併せてデータ通信管理装置6におけるコネクション管理方法について詳述する。
【0027】
まず、移動機2が、データ通信システム1の通信エリア外から無線LANアクセスポイント4の通信エリア内に移動してきたことを想定する(ステップS101)。そうすると、呼処理部11が、移動機2からデータ通信管理装置6に対する接続要求を検出する(ステップS102)。これに対して、呼処理部11は、移動機2との間でTCP/IPコネクションを確立する(ステップS103)。コネクションの確立に応じて、呼処理部11は、該当コネクションに関するコネクション情報を取得してコネクション情報管理部14に出力し、コネクション情報管理部14が優先データ格納部15にコネクション情報を格納する(ステップS104)。それと同時に、コネクション情報管理部14は、該当コネクション情報に対応する管理情報における経過時間の計時をスタートさせる(ステップS105)。
【0028】
その後、コネクション処理部12が、優先データ格納部15に格納されているコネクション情報の中でコネクション処理フラグが“ON”となっているものを対象にして、該当コネクションに対する監視情報収集等の各種処理を随時実行する(ステップS106)。次に、コネクション情報管理部14は、優先データ格納部15に格納されているコネクション情報に対応するコネクションにおいて所定時間T0内にHTTPデータ通信要求が発生しているか否かを判定する(ステップS107)。
【0029】
上記判定の結果、データ通信要求が発生している場合は(ステップS107;YES)、コネクション情報伝達部19を介して呼処理部11に対して該当コネクション情報を出力する。そして、コネクション情報管理部14は、呼管理テーブル格納部17に格納されている該当コネクション情報の管理情報の中の経過時間を“0”にリセットする(ステップS109)。その後、呼処理部11が移動機2と公衆通信ネットワークN2の間で送受信されるデータを中継し(ステップS110)、再度ステップS107に戻る。
【0030】
これに対して、データ通信要求が発生していない場合は(ステップS107;NO)、コネクション情報管理部14は、該当コネクション情報を優先データ格納部15から非優先データ格納部16に移動し、呼管理テーブル格納部17における該当コネクション情報の管理情報を更新する(ステップS111)。それと同時に、コネクション処理部12は、該当コネクションに対する各種処理を中止する(ステップS112)。その後、コネクション情報管理部14は、該当コネクションにおいてHTTPデータ通信要求が発生しているか否かを監視し(ステップS113)、データ通信要求が発生した場合は、該当コネクション情報を非優先データ格納部16から優先データ格納部15に再度移動させ(ステップS114)、処理をステップS108に移行する。これにより、該当コネクション上でデータ通信処理が実行される。
【0031】
以上説明したデータ通信管理装置6によれば、移動機2と通信ネットワークN1との間のコネクションの確立に応じて、そのコネクション情報が優先データ格納部15又は非優先データ格納部16に格納される。このとき、該当コネクションにおいて無通信状態が所定時間T0以上続いた場合にコネクション情報が優先データ格納部15から非優先データ格納部16に移動され、該当コネクションにおいてデータ通信が発生するとコネクション情報が優先データ格納部15に戻される。そして、それぞれのデータ格納部15,16に格納されたコネクション情報によって移動機2の在圏状態が判断されると共に、データ通信の発生に応じて優先データ格納部15に格納されたコネクション情報が出力されてデータ通信処理に利用される。これにより、コネクションを開放することなく優先データ格納部15に格納された情報のみを利用してデータ通信を実行することで、コネクション情報を利用した通信が迅速に行われるとともにデータ通信システム1内のリソースを効率的に利用することができる。それと同時に、優先データ格納部15及び非優先データ格納部16の両方におけるコネクション情報の有無により移動機2の在圏状態を判断することで、在圏状態の判断の正確性が向上する。
【0032】
また、優先データ格納部15に格納されているコネクション情報によって特定されるコネクションに対する監視情報を収集するコネクション処理部12を備えることで、コネクションを開放することなくコネクションに関する監視情報の収集処理量が必要最小限に抑えられる。
【0033】
また、状態判断部18は、呼管理テーブル格納部17に格納された移動機電話番号に基づいて在圏状態を判断するので、移動機2の在圏状態の判断の処理効率が向上する。
【0034】
さらに、コネクション情報管理部14は、呼管理テーブル格納部17に格納された呼管理番号に基づいて、データ格納部15,16の間でコネクション情報を移動するので、コネクション情報を通信状態に応じて分散管理する際のデータ移動処理の効率が向上し、データ通信を利用するユーザの利便性が向上する。
【0035】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、無線GW装置5とデータ通信管理装置6とは一体的に構成されていてもよい。このようにすることで、通信ネットワークN1内のコアネットワークN3におけるコネクション確立の処理軽減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好適な一実施形態であるデータ通信システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1のデータ通信管理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】図1のデータ通信管理装置のハードウェア構成図である。
【図4】図2の優先データ格納部に格納されたデータの構成を示す図である。
【図5】図2の非優先データ格納部に格納されたデータの構成を示す図である。
【図6】図2の呼管理テーブル格納部に格納されたデータの構成を示す図である。
【図7】図2のデータ通信管理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1…データ通信システム、2…移動機、6…データ通信管理装置(コネクション管理装置)、11 呼処理部(情報取得手段)、12…コネクション処理部(情報収集手段)、14…コネクション情報管理部(第1及び第2のデータ移動手段)、15…優先データ格納部(第1の情報格納手段)、16…非優先データ格納部(第2の情報格納手段)、17…呼管理テーブル格納部(管理情報格納手段)、18…状態判断部(状態判断手段)、19…コネクション情報伝達部(情報伝達手段)、N1…通信ネットワーク、N2…公衆通信ネットワーク、N3…コアネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機と通信ネットワークとの間のコネクションを管理するコネクション管理装置であって、
前記コネクションの確立に応じて、前記移動機を特定する移動機特定情報を含むコネクション情報を取得するとともに、前記コネクションにおける通信の発生を検出する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得されたコネクション情報を格納する第1の情報格納手段と、
前記情報取得手段によって取得されたコネクション情報を、前記第1の情報格納手段とは異なるデータ領域に格納する第2の情報格納手段と、
前記第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、該コネクション情報に対応するコネクションにおける無通信状態が所定時間以上継続している場合に、前記第2の情報格納手段に移動する第1のデータ移動手段と、
前記第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、前記情報取得手段によって該コネクション情報に対応するコネクションにおける通信の発生が検出された場合に、前記第1の情報格納手段に移動する第2のデータ移動手段と、
前記第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に含まれる移動機特定情報に基づいて、前記移動機の在圏状態を判断する状態判断手段と、
前記第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報の少なくとも一部を、前記コネクション情報によって特定されるコネクションにおける通信の発生に応じて読み出して出力する情報伝達手段と、
を備えることを特徴とするコネクション管理装置。
【請求項2】
前記第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報によって特定されるコネクションに関する監視情報を収集する情報収集手段を更に備える、
ことを特徴とする請求項1記載のコネクション管理装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に対応する移動機特定情報を格納する管理情報格納手段を更に備え、
前記状態判断手段は、前記管理情報格納手段に格納された移動機特定情報に基づいて前記在圏状態を判断する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクション管理装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に対応する移動機特定情報を、該コネクション情報の格納場所を特定する格納場所特定情報に対応付けて格納する管理情報格納手段を更に備え、
前記第1及び第2のデータ移動手段は、前記管理情報格納手段に格納された格納場所特定情報に基づいて、前記第1の情報格納手段と前記第2の情報格納手段との間で前記コネクション情報を移動する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のコネクション管理装置。
【請求項5】
移動機と通信ネットワークとの間のコネクションを管理するコネクション管理方法であって、
情報取得手段が、前記コネクションの確立に応じて、前記移動機を特定する移動機特定情報を含むコネクション情報を取得するとともに、前記コネクションにおける通信の発生を検出する情報取得ステップと、
第1の情報格納手段が、前記情報取得ステップにおいて取得されたコネクション情報を格納する第1の情報格納ステップと、
第2の情報格納手段が、前記情報取得ステップによって取得されたコネクション情報を、前記第1の情報格納手段とは異なるデータ領域に格納する第2の情報格納ステップと、
第1のデータ移動手段が、前記第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、該コネクション情報に対応するコネクションにおける無通信状態が所定時間以上継続している場合に、前記第2の情報格納手段に移動する第1のデータ移動ステップと、
第2のデータ移動手段が、前記第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報を、前記情報取得手段によって該コネクション情報に対応するコネクションにおける通信の発生が検出された場合に、前記第1の情報格納手段に移動する第2のデータ移動ステップと、
状態判断手段が、前記第1及び第2の情報格納手段に格納されているコネクション情報に含まれる移動機特定情報に基づいて、前記移動機の在圏状態を判断する状態判断ステップと、
情報伝達手段が、前記第1の情報格納手段に格納されているコネクション情報の少なくとも一部を、前記コネクション情報によって特定されるコネクションにおける通信の発生に応じて読み出して出力する情報伝達ステップと、
を備えることを特徴とするコネクション管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−306401(P2007−306401A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134121(P2006−134121)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】