説明

コネクタシステム、及びその使用方法、製造方法

本発明は、コネクタと相補型コネクタとを備えるコネクタシステムに関し、コネクタは、−ロックデバイスと電気接点要素とを備えるハウジング要素を含み、電気接点要素がハウジング要素の前端の領域に配置され、及び−ハウジング要素に配置された密閉要素を含み、この密閉要素が、少なくともハウジング要素の後端とハウジング要素の外部に配置された電気ケーブルの領域との双方を取り囲み、ハウジング要素及び電気ケーブルと密着して接続されることにより、後端において、ハウジング要素の内部が周囲から実質的に完全に防湿する形で封止され、び相補型コネクタが、対応する相補型要素を有し、ロックデバイスと相補型ロックデバイスとは、−実質的に工具を用いることによってのみ、ロックデバイス及び/又は相補型ロックデバイスを操作してロックデバイスと相補型ロックデバイスとのロックを解除することができるようにして、相補型ロックデバイスをロックデバイスとロックすることができるように、且つ−電気接点要素が周囲から実質的に防湿する形で封止されるようにして、相補型コネクタとコネクタとが接続されるように、設計される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタシステムと、そのコネクタシステムを提供するためのコネクタの使用方法、並びに太陽電池モジュール又はソーラーモジュールをエネルギーピックアップに接続するためのコネクタシステムの使用方法、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ソーラーモジュールは、例えば、家の屋根又は特別に提供された面状の保持構造上に配置される。ソーラーモジュールによって生成されるエネルギーは、電気ケーブルを用いてソーラーモジュールから1つ又は複数の電気エネルギーピックアップに送られる。これを行うには、ソーラーモジュールの電流出力と電気エネルギーピックアップの電流入力との間の接続の信頼性を、あらゆる天候条件に関して確保されることが保証されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、例えばソーラーモジュールのエネルギーピックアップとの信頼性を有しかつ確実な接続を可能にすることである。本目的は、独立請求項によって解決される。好ましい実施形態は、従属請求項によって示される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
コネクタシステムの一態様
本発明の一態様は、コネクタとその対となる相補型コネクタとを備えるコネクタシステムに関し、
コネクタは、
少なくとも1つのロックデバイスと少なくとも1つの電気接点要素とを備えるハウジング要素を含み、少なくとも1つの電気接点要素が、ハウジング要素の前端の領域に配置され、
電気ケーブルを含み、電気ケーブルのケーブル端領域が、ハウジング要素の後端の領域に配置され、電気ケーブルの少なくとも1つの導体が電気接点要素と接続され、電気ケーブルが、ハウジング要素の後端を通じてハウジング要素から出て、他方の電気ケーブル端領域に向かって延在し、且つ
ハウジング要素に配置された密閉要素を含み、この密閉要素が、少なくともハウジング要素の後端とハウジング要素の外部に配置された電気ケーブルの領域との双方を取り囲み、又は包囲し、ハウジング要素及び電気ケーブルと密着して接続されることにより、後端において、ハウジング要素の内部が周囲から実質的に完全に防湿する形で封止又は密閉され、相補型コネクタは、
−少なくとも1つの相補型ロックデバイスと少なくとも1つの相補型電気接点要素とを備える相補型ハウジング要素を含み、少なくとも1つの相補型電気接点要素が、相補型ハウジング要素の前端の領域に配置され、かつ
電気ケーブルを含み、電気ケーブルのケーブル端領域が、相補型ハウジング要素の後端の領域に配置され、電気ケーブルの少なくとも1つの導体が相補型電気接点要素と接続され、電気ケーブルが、相補型ハウジング要素の後端を通じて相補型ハウジング要素から出て、他方のケーブル端領域に向かって延在し、かつ
相補型ハウジング要素に配置された密閉要素を含み、この密閉要素が、少なくとも相補型ハウジング要素の後端と相補型ハウジング要素の外部に配置された電気ケーブルの領域との双方を取り囲み、相補型ハウジング要素及び電気ケーブルと密着して接続されることにより、後端において、相補型ハウジング要素の内部が周囲から実質的に完全に防湿する形で封止又は密閉され、
ハウジング要素は前端に受入デバイスを有し、この受入デバイスは、少なくともある領域において、相補型コネクタの前端に配置された相補型コネクタの挿入デバイスを挿入方向に沿って受け入れるように設計され、かつロックデバイス及び相補型ロックデバイスは、
少なくとも1つの相補型ロックデバイスが、少なくともある領域において挿入方向に沿ってロックデバイスに挿入可能であり、且つ、実質的に工具を用いることによってのみ、ロックデバイスと相補型ロックデバイスを操作してロックデバイスと相補型ロックデバイスとのロックを解除することができるようにしてロックデバイスとロックされ、且つ
電気接点要素がコネクタの前端で周囲から実質的に防湿する形で封止され、且つ相補型電気接点要素が相補型コネクタの前端で周囲から実質的に防湿する形で封止されるようにして、相補型コネクタの挿入デバイスをコネクタの受入デバイスと接続するように、設計される。
【0005】
電気接点要素及び相補型電気接点要素は、ハウジング要素の後端の領域方向に延在してもよい。
【0006】
利点として、コネクタを相補型コネクタとロックすることが可能なことにより、密閉要素のコネクタ及びケーブルとの(又は対応する密閉要素の相補型コネクタとの)密着した接続と相まって、コネクタシステムの信頼性があり、かつ、確実な接続が可能となり、特に、湿分の浸入に起因して、ロックされているコネクタシステムの内部から外部、すなわち周囲に漏洩電流が流れることがないことが保証される。特に、実質的に工具を用いることによってのみロックを解除できる単純且つ信頼性のあるロックと、それぞれの密閉要素の、コネクタのハウジング要素とコネクタのケーブル又は、相補型コネクタのハウジング要素と相補型コネクタのケーブルとの密着した接続との組み合わせにより、工業規格IP67、特にIP68に従う防水性と同時に、極めて低い構造的な高さ、また、分類V−0の基準UL94に従う所定の耐火性も実現される。従って用語「防湿」は、本願で用いられるとき、特に、ロックされたコネクタシステムが、特に、IP67、特に好ましくはIP68に従う耐水試験に合格することを示す。
【0007】
さらに、ハウジング要素と密閉要素との、及びケーブルと密閉要素との密着した接続により、極めて単純な構造で、湿分、特に浸入する水や水蒸気あるいは他の液体に対する後端部分の封止が達成され、他封止手段が不要となる。
【0008】
特にこれに関連して、用語「防湿」は、本願により定義されるとき、流体、特に水や水蒸気に対する密閉性又は遮断を示す。防湿性は、分圧差若しくは圧力差(特に、圧力差が約10kPaの場合)や拡散によって湿分が入り込む、すなわち流入や、マイグレーションを防止するか、又は十分に遅くさせることにより達成される。十分に遅くさせるとは、特に、物体の孔の中にある、又はチャネル形状の若しくは扁平な選択的流路に沿った流体の流量が、好ましくは、1時間当たり約1m、1時間当たり約1cm、1日当たり約1mm、さらに好ましくは1年当たり約1mm、特に好ましくは1年当たり0.1mm、特に1年当たり0.01mmの値を超えないことを意味する。
【0009】
さらに、この単純な構造により、極めてコンパクトな構造のコネクタ及び相補型コネクタ、ひいてはコネクタシステムも可能となり、従ってコネクタシステムを、例えば、ソーラーモジュールとソーラーモジュールのホルダとの間に挿入することができる。これにより、コネクタシステムがさらに保護され、特に高い信頼性で機能させることができる。
【0010】
換言すれば、コネクタシステムの内部への、特に電気接点要素への、コネクタおよび相補型コネクタの前端からの湿分の浸入が、ロックにより確実に防止される。コネクタシステムの内部への、特に電気接点要素への、コネクタおよび相補型コネクタの前端からの湿分の浸入が、密閉要素により確実に防止される。従って、これらが組み合わさって、コネクタシステムは、特に、IP67、特に好ましくはIP68に従う高い防湿性と同時に、極めてコンパクトなサイズの構造にすることができる。
【0011】
ハウジング要素は、十分に剛性のあるハウジング成分であってもよく、すなわち、ハウジング要素は、コネクタ及び相補型コネクタが相互の接続及びロック中の通常の力に耐え、特に、安定した確実なロックを可能とするようなねじれ剛性と引張剛性を有する材料、特に熱可塑性材料若しくはポリマーを含むか、又は熱可塑性材料若しくはポリマーで作製され、材料はまた、ロック及びロック解除のため、さらにはその複数回のロック及びロック解除動作にわたり、ロックデバイス及び相補型ロックデバイスを移動可能、特に、屈曲及び圧縮可能とするのに十分な可撓性も有する。さらに、材料は、手のみでは、すなわち工具なしではロックを解除できないようにするのに十分な硬度と強度を有する。換言すれば、有効に使用されている状態のとき、工具を用いることなしにコネクタの相補型コネクタとのロックを解除することは実質的に不可能である。一方、コネクタと相補型コネクタとは、手だけを使って、すなわち工具を用いることなく単純な方法でロックすることができる。コネクタのロックを、手だけを使って、すなわち工具を用いずに解除する場合、ロックデバイスと相補型ロックデバイスとは、好ましくは、ロックデバイス又は相補型ロックデバイスが損傷を受け、特に破壊されるため、誤った使用を単純な方法で認識できるようにして形成され、又は互いにロックされる。同様に、密閉要素も、熱可塑性材料若しくはポリマーを含んでもよく、又は熱可塑性材料若しくはポリマーで作製される。特に、ハウジング要素と密閉要素とは同一の材料を含んでもよく、又は同一の材料で作製されてもよい。
【0012】
好ましくは、前述のポリマーは熱可塑性ポリマーであり、これは冷却又は硬化中に収縮、すなわち縮小する。
【0013】
コネクタは、前端と後端とを有する。コネクタの前端は、好ましくは、コネクタのうち、相補型コネクタとの接続されるほうの端部である。好ましくはコネクタは、接続中、相補型コネクタと前端で接触する。
【0014】
後端は、前端の反対側に配置される。後端では、電気ケーブルがコネクタから出るように配線される。従って、ケーブル端領域は、コネクタの上、又はその中に配置される。別のケーブル端領域は、異なる構成部品、例えばソーラージャンクションボックス、エネルギーピックアップ等と接続され、又はその上や中に配置され得る。
【0015】
用語「ロックされた」又は「ロック可能な」とは、コネクタ又は相補型コネクタの損傷又は破壊が起こらないような小さい力でコネクタとロックされた相補型コネクタから解除することができないことを示している。実用上の目的から、ロックは明確な移動操作によって行われ、好ましくは対応するロック作動音が伴い、従って組立て中、完全にロックされたことを確認することができる。従って、コネクタの相補型コネクタとの組立てを、迅速且つ正確な方法で行うことができ、組立てミスや接触不良は回避される。本願では、用語「ロックされた」及び用語「固定された」は、同義語として用いられる。同様に、用語「ロック可能な」及び用語「固定可能な」も、同義語として用いられる。
【0016】
用語「実質的に」は、目標値からの僅かな偏差、特に製造精度や必要精度の範囲内の偏差を示し得るもので、従って目標値が呈するとおりの効果が維持される。従って、用語「実質的に」は、目標値又は目標位置等からの、約30%未満、約20%未満、約10%未満、約5%未満、約2%未満、好ましくは約1%未満の偏差を示し得る。用語「実質的に」は、用語「同一の」、すなわち、目標値、目標位置等と偏差がないことを含む。
【0017】
コネクタシステムの好ましい実施形態
ロックデバイス及び相補型ロックデバイスは、ロックを解除するためにロックデバイスと相補型ロックデバイスとをロック解除方向に沿って互いに移動させることが可能であるように配置及び設計され、ロック解除方向は、挿入方向と実質的に垂直であり、かつ
コネクタと相補型コネクタとが互いにロックされているとき、ロックデバイスは、ロック解除開口を形成するように相補型ロックデバイスを取り囲み、又は包囲している。このロック解除開口を通じてロック解除用工具をロックデバイス及び/又は相補型ロックデバイスに工具挿入方向に沿って挿入可能であり、工具を用いて、ロックデバイスと相補型ロックデバイスとをロック解除方向に沿って互いに移動させることが可能である。
【0018】
好ましくは、工具挿入方向は、挿入方向と実質的に垂直であり、且つロック解除方向と実質的に垂直である。
【0019】
好ましくは、コネクタと相補型コネクタとが互いにロックされているとき、ロックデバイスは、ロックデバイスがロック解除方向に沿って密閉されるように相補型ロックデバイスを取り囲む。
【0020】
また、コネクタと相補型コネクタとが互いにロックされているとき、相補型ロックデバイスがロック解除方向に沿って密閉されるようにして相補型ロックデバイスがロックデバイスを取り囲むことも可能である。
【0021】
好ましくは、工具挿入方向は、挿入方向と実質的に垂直であり、且つロック解除方向と実質的に平行である。
【0022】
好ましくは、ハウジング要素に配置される密閉要素は、ハウジング要素より可撓性が高い。さらに好ましくは、相補型ハウジング要素に配置される密閉要素は、相補型ハウジング要素より可撓性が高い。
【0023】
利点として、それぞれの密閉要素が可撓性であることにより、コネクタ及び相補型コネクタは、外部からの力の作用を極めて受けにくい。例えば、コネクタや相補型コネクタの後端から出るケーブルは動いて、特に屈曲することがあり、ここで可撓性の密閉要素はその動きを吸収に適応することができ、その動きによって裂けたり、又は割れたりすることがない。特に有利には、ケーブルが動く場合にも、コネクタや相補型コネクタの後端を通じた湿分の浸入が実質的に防止される。
【0024】
換言すれば、密閉要素は「可撓性」であってもよく、すなわち、特にハウジング要素と異なる弾性率を有してもよく、これは「剛性」であってもよい。特に、ハウジング要素の弾性率は、密閉要素の弾性率より大きい。例えば、密閉要素の弾性率は約3MPaであり、ハウジング要素の弾性率は約1000MPaである。利点として、密閉要素がハウジング要素の形状に可能な限り正確に追従することができる。そのためには、例えば、密閉要素はハウジング要素より軟質であり、より高い弾性を有しても良い。また、他の利点として、それによりハウジング要素の後端及びケーブルの防湿性、特に防水性のシース被覆が可能となる。密閉要素は、ハウジング要素やケーブルに接触し、特にそれを取り囲むか、又は取り巻くか、又はシース被覆し得る。用語「可撓性」は、塑性変形や弾性変形、弾性を含む。
【0025】
用語「可撓性」及び「剛性」は、本願により定義されるとき、以下の機械的な材料特性を意味するものと理解され、これらの特性は実質的に弾性率E及び剛性率Gにより定量化される。可撓性材料及び剛性材料の双方とも、実質的に弾性変形及び塑性変形することが可能である。弾性変形は、弾性のある物体の、作用力又は機械的応力(単位面積当たりの力)による幾何学的な変形でり、その変形は、力又は機械的応力がそれ以上物体に作用しなければ実質的に完全に元に戻ることができ、従って物体はその元の形状を回復する。相対的に剛性が高い物体、すなわち剛性物体と対照的に、可撓性物体は、可撓性物体、例えば密閉要素の弾性率Ef及び/又は剛性率Gfが、剛性の物体、例えばハウジング要素の弾性率Es及び/又は剛性率Gsより小さい点が異なる。換言すれば、同じ大きさの力又は機械的応力を加えたとき、可撓性物体(例えば、密閉要素)は、剛性物体(例えば、ハウジング要素)と比べて幾何学的により大きく変形する。
【0026】
さらに好ましくは、Es/Ef及び/又はGs/Gfの比は、約1.5より大きく、好ましくは約2より大きいか、更には約5より大きく、更には約10より大きく、更に約50より大きく、更に好ましくは約100より大きい。好ましくは、例えば密閉要素の剛性率Gfは、109N/m2未満、さらに好ましくは108N/m2未満、特に好ましくは107N/m2未満、更に好ましくは5×106N/m2未満である。好ましくは、例えばハウジング要素の剛性率Gsは、5×106N/m2より大きく、さらに好ましくは107N/m2より大きいか、更に好ましくは108N/m2より大きく、更に好ましくは109N/m2より大きく、更に好ましくは5×109N/m2より大きい。
【0027】
ハウジング要素及び相補型ハウジング要素は、ある領域において、例えば、弾性率が約1GPa〜約11GPa、特に約3GPa又は約10GPaの、ポリアミド、特にポリアミド66(PA66)又はガラス繊維強化ポリアミドで作製される。ハウジング要素の材料、特にポリアミドの融点は、約250℃〜約265℃である。
【0028】
密閉要素は好ましくは、少なくともある領域において、又は完全に、弾性率が約2MPa〜約10MPa、特に約3MPaから約4MPaの熱可塑性エラストマー(TPE)又は熱可塑性加硫物(TPV)からなる。さらに好ましくは、密閉要素は、ポリオレフィンで作製される。特に好ましくは、密閉要素は、α−ビニル共重合体、特にエチレンプロピレン共重合体で作製される。熱可塑性エラストマーが塑性変形するか、又は溶融する温度範囲は、好ましくは、ハウジング要素の材料の(すなわち、特にポリアミドの)融点未満である。特に、その温度範囲は約170℃〜約250℃である。この、好ましい材料選択から、利点として、ハウジング要素と可撓性シール要素との間、及び/又は相補型ハウジング要素と可撓性シール要素との間の接続が、特に優れた付着性及び封止性を示し、これによってコネクタシステムが湿分又は水蒸気から特に良好に保護される結果となる。特に、好ましい材料選択により、利点として、ハウジング要素とシール要素との間、及び/又は相補型ハウジング要素とシール要素との間の密着した接続を達成することができ、これによって、ハウジング要素の後端、内部や相補型ハウジング要素の内部が周囲から実質的に完全に防湿する形で封止される。
【0029】
好ましくは、可撓性の密閉要素は、収縮性のある材料で作製される。
【0030】
用語「収縮性のある」は、本願で用いられるとき、約0.1%〜5%、好ましくは約0.2%〜約2%、特に好ましくは約0.3%〜約0.7%の体積の変化、特に体積の減少を示す。
【0031】
従って用語「密閉する」は、本願で用いられるとき、特に、密閉要素の内部が、ハウジング要素に装着したときにハウジング要素の外部より僅かに大きいことを示す。好ましくは、密閉要素の内部は、ハウジング要素に装着したときにハウジング要素の外部と実質的に同じサイズを有する。しかしながら、密閉要素は、その内部サイズ又はその内部寸法又はその体積範囲が変化する。特に、密閉要素は、少なくとも内部が収縮するか、又は材料が縮小しまたは圧縮され、ハウジング要素の外部寸法が密閉要素の内部の減少に対抗する。従って、密閉要素とハウジング要素との間には張力が生じる。この張力により、密着した接続が生じ、又はそれが規定される。密着した接続の張力により、密閉要素のハウジング要素との防湿性の接続を設けることができる。張力又は密着した接続により、密閉要素をハウジング要素に固定的に配置することが可能となり得る。同様にして、電気ケーブルとの密着した接続も確立することが可能である。
【0032】
換言すれば、「密着した接続」は、取り囲んでいる、又は包むように覆う物体が、別の取り囲んでいる、又は包むように覆う物体に対して収縮し、それにより接触領域の取り囲んでいる物体が取り囲んでいる物体に対して力又は機械的応力を加え、従って接触領域における2つの物体の弾性変形又は塑性変形により、2つの物体間に実質的に間隙がなくなる。特に、2つの物体は、接触領域において互いに溶融又は融合し得る。これは、2つの物体間に十分に小さい間隙が存在し得るという事実を相容れないものではなく、好ましくは、接触領域における2つの物体間の距離は、約10μm未満、更に好ましくは5μm未満、更に好ましくは2μm未満である。
【0033】
密閉要素の収縮は、例えば密閉要素を加熱することにより達成される。収縮はまた、粘性流体と架橋材料中に密閉要素をハウジング要素上の密閉要素に配置し、実質的に完全に固化及び/又は架橋させることによって達成されてもよい。密閉要素を実質的に完全に固化させても、それは依然として可撓性である。従って用語「実質的に完全に固化させる」は、本発明により定義されるとき、密閉要素が実質的にその形状を維持し、但し、外部からの力の作用によって変形可能であることを示す。
【0034】
好ましくは、可撓性の密閉要素は、ハウジング要素の材料より大きく収縮することができる材料、及び/又はケーブルのケーブル端領域の材料より大きく収縮することができる材料で作製される。
【0035】
好ましくは、可撓性の密閉要素は、ハウジング要素と、電気ケーブルのうち、ハウジング要素の外部に配置される領域とに実質的に液状形態で付加され、可撓性の密閉要素を冷却し、及び/又は硬化させることにより、密着した接続が確立される。
【0036】
換言すれば、密閉要素の材料は冷却中に収縮し、このとき密閉要素の材料は、液化温度まで冷却される。(液状)密閉要素の材料はまた、ハウジング要素の材料を加熱し、従って同様に冷却中にハウジング要素の材料も収縮する。密閉要素の材料の特性は、共通の温度まで冷却する間に、それがハウジング要素やケーブルの材料より大きく収縮することである。
【0037】
これによる利点として、密閉要素をハウジング要素及びケーブルと密着して接続することが達成され得る。ここで、ハウジング要素及びケーブルは、液状の密閉要素が、少なくともある領域においてハウジング要素に浸入するか、又はハウジング要素の開口に浸入することができ、ひいては密閉要素の固化後、ハウジング要素と密閉要素とは好ましくは分離できないようになるか、又は密閉要素をハウジング要素と分離させると、密閉要素又はハウジング要素が少なくとも部分的に非可逆的に破壊されるように形成及び配置される。さらに好ましくは、ハウジング要素の1つ又は複数の凹部や開口に係合するように、密閉要素の1つ又は複数の突出部が形成される。
【0038】
好ましくは、可撓性の密閉要素、ハウジング要素及び電気ケーブルは、実質的に液状の可撓性の密閉要素が、ハウジング要素と共に少なくとも部分的に溶融又は融合し、且つ実質的に液状の可撓性の密閉要素が、電気ケーブルと実質的に機械的な形でのみ接続されるように形成される。
【0039】
密閉要素は、最高約0.1mmの深さまでハウジング要素と共に溶融又は融合し、特にそれ以上分離できないか、又は分離させると、少なくとも最大で前述の深さに至るまで、ハウジング要素が破壊され、及び/又は密閉要素が少なくとも破壊され、特に層状に裂けるような化合物を、形成する。
【0040】
好ましくは、電気ケーブルは、ポリマー材料のシースを含み、ここでケーブルのシースのポリマー材料は、好ましくは全体が、但し少なくともケーブルの端部領域においては、好ましくはβ線によって架橋される。
【0041】
更に好ましくは、少なくとも又は全体が、可撓性の密閉要素によって取り囲まれるケーブルの領域において、ケーブルのシースのポリマー材料は、特にβ線によって架橋される。利点として、可撓性の密閉要素とケーブルのシースとの間の防湿性の接続も同様に可能となるが、ケーブルのシースは化合物に対して不動態化される。
【0042】
更に利点として、β線によって架橋されたケーブルの場合にも、可撓性の密閉要素とケーブル端領域との間に、また可撓性の密閉要素とハウジング要素との間にも、可撓性の密閉要素の収縮により、コネクタの後端がIP67に従い、特に好ましくはまたIP68にも従い防湿性となるような、密着した接続が確立される。
【0043】
相補型電気接点要素は、少なくともある領域において、相補型コネクタの挿入デバイスに配置され、コネクタの電気接点要素は、少なくともある領域において、コネクタの受入デバイスに配置され、
コネクタと相補型コネクタとが互いにロックされているとき、 接点要素が、挿入デバイス内及び受入デバイス内で相補型接点要素と接触し、かつ
挿入デバイスと受入デバイスとの間に、電気接点要素及び相補型電気接点要素を周囲から実質的に防湿する形で封止するように、シール要素、特にOリングが配置される。
【0044】
一態様による使用
本発明の一態様は、本発明によるコネクタシステムを提供するための、コネクタ及び相補型コネクタの使用に関する。
【0045】
一態様による使用
本発明の一態様は、ソーラーモジュール又は太陽電池モジュールを電力又はエネルギーピックアップと接続するための、本発明のコネクタシステムの使用に関する。
【0046】
好ましくは、ソーラーモジュールと接続するためにコネクタシステムを使用する間、ソーラーモジュールは、面又は表面、例えば屋根に配置され、コネクタシステムは、ソーラーモジュールと表面との間に配置される。これは有利には、コネクタシステムの構造高さが低いことによって可能であり、ひいては、さらに有利には、コネクタシステムはまた、悪天候条件、特に雨や雪、強風によって引き起こされる外部の力の影響や、例えば子どもによる、不注意な操作からも保護される。
【0047】
一態様による方法
本発明の一態様は、コネクタの製造方法に関し、これは、ハウジング要素を提供するステップと、電気ケーブルを提供するステップと、ケーブルを、少なくともある領域においてハウジング要素に配置し、ケーブルの導電体をコネクタの電気接点要素と電気的に接触させるステップと、密閉要素の実質的に液状の材料をハウジング要素及びケーブルのケーブル端領域に付加し、密閉要素の実質的に液状の材料を冷却し、硬化させることにより、ハウジング要素及びケーブルのケーブル端領域に密閉要素を配置するステップであって、密閉要素が実質的に固化及び収縮して、ハウジング要素及びケーブルのケーブル端領域との密着した接続を確立する、ステップと、を含む。
【0048】
基本的に、同じようにして相補型コネクタを製造することができ、コネクタを相補型コネクタとロックすることにより、コネクタシステムを製造することができる。
【0049】
本発明の態様の上記の記載は、それぞれの態様に限定されない。むしろ、それぞれの態様に関する説明は、同じようにして本発明の別の態様に適用される。特に、コネクタに関する説明は、相補型コネクタにも適用され、及び逆も同様であり、並びに使用及び方法並びに好ましい実施形態又はその変形例にも適用される。
【0050】
図面の説明
本発明の好ましい実施形態が、以下に、添付の図面に基づき例示として説明される。記載される実施形態の個々の要素は、それぞれの実施形態に限定されない。実施形態の要素は任意に組み合わせてもよく、それにより新規の実施形態を得てもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】コネクタシステムの分解図である。
【図2】ロックが解除されたコネクタシステムの断面図である。
【図3】ロックされたコネクタシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、コネクタシステム1の分解図を示す。コネクタシステム1は、コネクタ10と相補型コネクタ12とを含む。コネクタ10及び相補型コネクタ12もまた、分解図として示している。コネクタ10及び相補型コネクタ12と接続される電気ケーブル(図2に図示)は、図1では示さない。コネクタシステム1の厚さは、好ましくは約8〜15mm、特に約12mmである。コネクタ10及び相補型コネクタ12は、例えば、弾性率が約1000MPa〜約11000MPa、特に約3000MPa又は約10000MPaの、ポリアミド、特にガラス繊維強化ポリアミド製で可能である。ポリアミドの融点は、約250℃〜約265℃である。使用温度Fにおいて、コネクタ10及び相補型コネクタ12は、弾性率が約2MPa〜約10MPa、特に約3MPa又は約4MPaの熱可塑性エラストマーからなり得る。熱可塑性エラストマーが塑性変形可能な温度範囲は、約170℃〜約250℃であり得る。
【0053】
コネクタ10は、ハウジング要素14と密閉要素16とを含む。さらに、図1は、コネクタ10の電気接点要素18を示し、これは、コネクタ10が有効に使用されている状態のとき、受入デバイス20内に配置される。さらに、図1とロックデバイス22を示す。ロックデバイス22は2つのラッチ要素24a、24bを含み、これらはコネクタ10のハウジング要素14に配置される。ラッチ要素24a、24bの各々は、挿入開口26a、26b、並びに好ましいロック解除開口として工具挿入開口28a、28bを有する。加えて、各ラッチ要素24a、24bはカバー30a、30bを有する。ロックされた状態において、それぞれのカバー30a、30bは、相補型ロックデバイス34の相補型ラッチ32a、32bの手動操作を防止し、この相補型ラッチ32a、32bは、相補型コネクタ12の相補型ハウジング要素35に配置される。
【0054】
工具挿入開口28a、28bは、好ましくは工具を使わない操作を防止するような寸法である。特に、工具挿入開口28a、28bは、好ましくは指を挿入することができないような寸法である。
【0055】
例えば、コネクタ10が相補型コネクタ12とロックされているとき、ラッチ32a、32bは、それぞれ、コネクタ10のロックデバイス22のラッチ24a、24bに挿入できる。これを行うには、コネクタ10と相補型コネクタ12とが、互いに挿入方向EFRに、又はそれと逆方向に動かす。相補型ラッチ要素32a、32bが挿入開口26a、26bを少なくともある領域において通り過ぎ、そこで、傾斜面36a、36b、及び挿入開口26a、26bの配置又はその延長線上に、ラッチ要素32aがロック解除ENR方向に動き、ラッチ要素32bがロック解除方向ENRと逆方向に動く。完全にロックされた状態では、工具挿入開口28a、28bの延在により、且つ相補型ラッチ要素32a、32bの弾性により、相補型ラッチ要素32aは、少なくとも部分的にロック解除方向ENRと逆方向にその元の位置まで復帰し得る。これは同様に、相補型ラッチ要素32bにも当てはまる。それにより、ラッチ要素24a、24bがそれぞれの相補型ラッチ要素32a、32bとロックされ、ひいては同様にロックデバイス22が相補型ロックデバイス34とロックされる。
【0056】
同時に、挿入デバイス38が、挿入方向EFRに受入デバイス20に挿入される。有効に使用されている状態のとき、挿入デバイス38は、相補型コネクタ12の相補型電気接点要素40を備える。相補型コネクタ12の挿入デバイス38がコネクタ10の受入デバイス20に挿入されると、電気接点要素18、40が互いに接触し、ここで電気接点要素18のピンが相補型電気接点要素40の開口に入る。
【0057】
さらに、図1は、好ましい封止要素としてのOリング42と、Oリングを受け入れるための溝44とを示す。コネクタシステム1が有効に使用されている状態のとき、コネクタ10と相補型コネクタ12とがロックされると、受入デバイス20の内径は挿入デバイス38の外径と実質的に一致するか、又は僅かに大きいため、Oリング42は挿入デバイス38(すなわち、Oリング42が溝44に配置されることにより)と受入デバイス20との双方に接触する。従って、Oリング42が締め付けられ、コネクタ10と相補型コネクタ12との間に防湿性の接続を確立し、従って、特に、湿気が挿入デバイス38と受入デバイス20との間の間隙を通じて外部から電気接点要素18、40に達することはできなくなる。さらに、コネクタ10は密閉要素16を用いて、及び相補型コネクタ12は密閉要素45を用いて防湿する形で封止又は密閉される。
【0058】
ロックを解除するため、工具(図示せず)を工具挿入開口28a、28bに工具挿入方向WERに従って挿入することができる。相補型ラッチ要素は、工具を用いてロック解除方向ENRに動かすことができ、ラッチ要素24aと相補型ラッチ要素32aとの間のロックを解除することができる。同じように、相補型ラッチ要素32bはロック解除方向ENRと逆方向に動かすことができ、ひいてはラッチ要素24bと相補型ラッチ要素32bとの間のロックを解除することができる。ここで、相補型コネクタ12を挿入方向EFRと逆方向に動かせば、コネクタ10と相補型コネクタ12とを互いに分離させることができる。
【0059】
工具は、例えば、スクリュードライバ、プライヤ、釘、ロックデバイス22、34に適合する工具等である。
【0060】
覆い要素30a、30bは、ロックデバイス22、34を不注意な操作から保護する働きをする。特に、ロックデバイス22、34を手で、すなわち工具を使わずに、例えば人の指のみによってロック解除することは不可能である。一方で、工具挿入開口は、工具しか挿入することができず、手、特に指は挿入できないような配置及び寸法とされる。さらに、ロック要素24a、24bを単純な方法で圧迫してロックを解除することはできず、相補型ラッチ要素32a、32bを手で移動させることは、覆い要素30a、30bによって防止される。
【0061】
「挿入方向」EFRは、本発明により定義されるとき、例えば、受入デバイス20に挿入デバイス38が挿入される、又はそれを挿入可能な方向である。例えば、挿入方向は、コネクタシステム1がロックされたときのコネクタ10及び/又は相補型コネクタ12の長手方向軸と平行であり得る。
【0062】
挿入方向EFR、工具挿入方向WER及びロック解除方向ENRは、好ましくは直交座標系を形成する。
【0063】
図2は、ロックが解除された状態のコネクタシステム1の断面図を示す。特に、電気ケーブル46がコネクタ10に配置される。同様に、電気ケーブル48が相補型コネクタ12に配置される。電気ケーブル46の導体50は、電気接点要素18と電気的に伝導するように接続され、電気接点要素18はさらに、電気ケーブル46と機械的に固定される。同様に、電気ケーブル48の導電体52は、相補型電気接点要素40と電気的に伝導するように接続され、電気接点要素40はさらに、電気ケーブル48と機械的に固定される。
【0064】
電気接点要素18、40は、好ましくはいわゆる打ち抜き端子であり、すなわち、電気接点要素18、40は、導電性材料の扁平な金属シートから打ち抜かれ、その後所望の形状に屈曲される。従って、電気接点要素18、40は、単純且つ信頼性が高く、特に費用対効果の高い方法で製造することができる。
【0065】
さらに、図2は、同様に打ち抜かれた金属シートから作製される基本的に円筒形状の接触ブッシュ54を示す。接触ブッシュ54はさらに長手方向のスリットを有し、ここで接触ブッシュ54の直径は、接触ブッシュの中心に向かって縮径している。従って、接触ブブッシュ54は弾性を得て、それにより電気接点要素18は、相補型電気接点要素40、特に接触ブシュ54に押し込まれ、相補型電気接点要素40の接触ブシュ54と電気接点要素18との間の確実な電気接点が保証される。
【0066】
さらに、図2は、ハウジング要素14の前端56とハウジング要素14の後端58とを示す。更に、相補型ハウジング要素35の端部60及び相補型ハウジング要素35の後端62も示す。電気ケーブル46は、ハウジング要素14の後端58から出ている。密閉要素16が、電気ケーブル46の一領域及びハウジング要素14の一領域、特にハウジング要素14の後端58を取り囲み、又は包囲する。電気ケーブル46及びハウジング要素14の双方の上にある密閉要素16が収縮することにより、一方で、ハウジング要素14の後端を通ってコネクタ10の内部への、特に電気接点要素18への湿分の浸入が防止される。他方で、同時に、電気ケーブル46とハウジング要素14との機械的な接続が補強され、ここで可撓性の密閉要素16は、電気ケーブル46に損傷を与えることなく、且つ湿分の浸入を許すことなく、電気ケーブル46の動きを補償することができる。
【0067】
さらに、図2は、ラッチ要素24a、24bを備えたロックデバイス22を示す。特に、図2は、縁端64a、64bを示し、それと相補型ラッチ要素32a、32b、特にその縁端66a、66bが嵌合して、ロックされた状態の形嵌めを形成することができる。ラッチ要素32a、32bは、挿入開口26a、26bを通じてロックデバイス22に挿入することができる。
【0068】
さらに、工具挿入方向WERに工具(図示せず)を工具挿入開口28a、28bに挿入することが可能である。また、図2は、ロック解除方向ENRも示す。
【0069】
さらに、図2は、ハウジング要素14の前端56の領域68を示す。前端56を始端として、領域68は約42mmの長さを有する。領域68は、コネクタの後端56から約42mmだけ離間されている。更に、図2は、電気ケーブル46の端部領域70(長さ約35mm)を示す。端部領域70は、可撓性の密閉要素16によって少なくとも部分的に取り囲まれ、又は完全に覆われ、又は接触される。ケーブル端領域の部分領域72(長さ約18.6mm)は、ハウジング要素14内に配置される。少なくともケーブル端領域70において、ケーブルシースは、それがなお存在する範囲まで、β線によって架橋される。
【0070】
上記の説明は、同じように示される相補型コネクタ12にも当てはまる。
【0071】
図3は、図2と同様の断面図を示し、ここではコネクタシステム1がロックされ、前出の図と同じく、同一の参照符号は同一の要素を指示する。
【0072】
特に、図3は、ロックされた状態のラッチ要素24a、24bと32a、32bとを示す。また、図3は、Oリング42が間隙74を密閉し、それにより湿分がコネクタ10、12の前端56、60からロックされたコネクタシステム1の内部76に入り込まない、すなわち湿分が電気接点要素18、40に達することがないことが示される。後端58、62は、密閉要素16、45を用いて防湿する形で密閉される。
【符号の説明】
【0073】
参照符号のリスト
1 コネクタシステム
10 コネクタ
12 相補型コネクタ
14 ハウジング要素
16 密閉要素
18 電気接点要素
20 受入デバイス
22 ロックデバイス
24a ラッチ要素
24b ラッチ要素
26a 挿入開口
26b 挿入開口
28a 工具挿入開口
28b 工具挿入開口
30a 覆い要素
30b 覆い要素
32a 相補型ラッチ要素
32b 相補型ラッチ要素
34 相補型ロックデバイス
35 相補型ハウジング要素
36a 傾斜面
36b 傾斜面
38 挿入デバイス
40 相補型電気接点要素
42 Oリング
44 溝
45 密閉要素
46 電気ケーブル
48 電気ケーブル
50 導体
52 導体
54 接触ブシュ
56 ハウジング要素の前端
58 ハウジング要素の後端
60 相補型ハウジング要素の前端
62 相補型ハウジング要素の後端
64a 縁端
64b 縁端
66a 縁端
66b 縁端
68 領域
70 領域
72 部分領域
74 間隙
76 コネクタシステムの内部
EFR 挿入方向
ENR ロック解除方向
WER 工具挿入方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ(10)と相補型コネクタ(12)とを備えるコネクタシステム(1)であって、
前記コネクタ(10)が、少なくとも1つのロックデバイス(22)と少なくとも1つの電気接点要素(18)とを備えるハウジング要素(14)を含み、前記少なくとも1つの電気接点要素(18)が、前記ハウジング要素(14)の前端(56)の領域に配置され、
電気ケーブル(46)を含み、前記電気ケーブル(46)のケーブル端領域が、前記ハウジング要素(14)の後端(58)の領域に配置され、前記電気ケーブル(14)の少なくとも1つの導体(50)が前記電気接点要素(18)と接続され、前記電気ケーブル(46)が、前記ハウジング要素(14)の前記後端(58)を通じて前記ハウジング要素(14)から出て、他方のケーブル端領域に向かって延在し、
前記ハウジング要素に配置された密閉要素(16)を含み、前記密閉要素が、少なくとも前記ハウジング要素(14)の前記後端(58)と前記ハウジング要素(14)の外部に配置された前記電気ケーブル(46)の領域との双方を取り囲み、前記ハウジング要素(14)及び前記電気ケーブル(46)と密着して接続されることにより、前記後端(58)において、前記ハウジング要素(14)の内部が周囲から実質的に完全に防湿する形で封止され、
−前記相補型コネクタ(12)が、
−少なくとも1つの相補型ロックデバイス(34)と少なくとも1つの相補型電気接点要素(40)とを備える相補型ハウジング要素(35)を含み、前記少なくとも1つの相補型電気接点要素(40)が、前記相補型ハウジング要素(35)の前端(60)の領域に配置され、
−電気ケーブル(48)を含み、前記電気ケーブル(48)のケーブル端領域が、前記相補型ハウジング要素(35)の後端(62)の領域に配置され、前記電気ケーブル(48)の少なくとも1つの導体(52)が前記相補型電気接点要素(40)と接続され、前記ケーブル(48)が、前記相補型ハウジング要素(35)の前記後端(62)を通じて前記相補型ハウジング要素(35)から出て、他方のケーブル端領域に向かって延在し、
−前記相補型ハウジング要素(35)に配置された密閉要素(45)を含み、前記密閉要素が、少なくとも前記相補型ハウジング要素(35)の前記後端(62)と前記相補型ハウジング要素(35)の外部に配置された前記電気ケーブル(48)の領域との双方を取り囲み、前記相補型ハウジング要素(35)及び前記電気ケーブル(48)と密着して接続されることにより、前記後端(62)において、前記相補型ハウジング要素(35)の内部が周囲から実質的に完全に防湿する形で封止され、
−前記ハウジング要素(14)が前端(56)に受入デバイス(20)を有し、前記受入デバイス(20)は、少なくともある領域において、前記相補型コネクタ(12)の前記前端(60)に配置された前記相補型コネクタ(12)の挿入デバイス(38)を挿入方向(EFR)に沿って受け入れるように設計され、及び
−前記ロックデバイス(22)及び前記相補型ロックデバイス(34)は、
−前記少なくとも1つの相補型ロックデバイス(34)が、少なくともある領域において前記挿入方向(EFR)に沿って前記ロックデバイス(22)に挿入可能であり、且つ、実質的に工具を用いることによってのみ、前記ロックデバイス(22)及び/又は前記相補型ロックデバイス(34)を操作して前記ロックデバイス(22)と前記相補型ロックデバイス(34)とのロックを解除することができるようにして前記ロックデバイス(22)とロックすることができるように、且つ
−前記電気接点要素(18)が前記コネクタ(10)の前記前端(56)で周囲から実質的に防湿する形で封止され、且つ前記相補型電気接点要素(40)が前記相補型コネクタ(12)の前記前端(60)で周囲から実質的に防湿する形で封止されるようにして、前記相補型コネクタ(12)の前記挿入デバイス(38)を前記コネクタ(10)の前記受入デバイス(20)と接続するように、
設計される、
コネクタシステム(1)。
【請求項2】
−前記ロックデバイス(22)及び前記相補型ロックデバイス(34)が、ロックを解除するために前記ロックデバイス(22)と前記相補型ロックデバイス(34)とをロック解除方向(ENR)に沿って互いに移動させることが可能であるように配置され、前記ロック解除方向(ENR)が、前記挿入方向(EFR)と実質的に垂直であり、
−前記コネクタ(10)と前記相補型コネクタ(12)とが互いにロックされるとき、前記ロックデバイス(22)が、ロック解除開口(28a、28b)を形成するように前記相補型ロックデバイス(34)を取り囲み、前記ロック解除開口(28a、28b)を通じてロック解除用工具を前記ロックデバイス(22)及び/又は前記相補型ロックデバイス(34)に工具挿入方向(WER)に沿って挿入可能であり、前記工具を用いて、前記ロックデバイス(22)と前記相補型ロックデバイス(34)とを前記ロック解除方向(ENR)に沿って互いに移動させることが可能である、
請求項1に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項3】
前記工具挿入方向(WER)が、前記挿入方向(EFR)と実質的に垂直であり、且つ前記ロック解除方向(ENR)と実質的に垂直である、請求項2に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項4】
前記コネクタ(10)と前記相補型コネクタ(12)とが互いにロックされるとき、前記ロックデバイス(22)は、前記ロックデバイス(22)が前記ロック解除方向(ENR)に沿って密閉されるように前記相補型ロックデバイス(34)を取り囲む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項5】
前記工具挿入方向(WER)が、前記挿入方向(EFR)と実質的に垂直であり、且つ前記ロック解除方向(ENR)と実質的に平行である、請求項2に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項6】
前記ハウジング要素(14)に配置された前記密閉要素(16)が、前記ハウジング要素(14)より可撓性が高く、及び/又は前記相補型ハウジング要素(35)に配置された前記密閉要素(45)が、前記相補型ハウジング要素(35)より可撓性が高い、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項7】
前記密閉要素(16、45)が、収縮性のある材料で作製される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項8】
前記密閉要素(16、45)が、前記ハウジング要素(14、35)の材料より大きく収縮することのできる材料で作製され、及び/又は前記密閉要素(16、45)が、前記ケーブル(46、48)の前記ケーブル端領域の材料より大きく収縮することのできる材料で作製される、請求項7に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項9】
前記密閉要素(16、45)が、前記ハウジング要素(14、35)及び前記ハウジング要素の外部に配置された前記電気ケーブル(46、48)の領域に実質的に液状形態で付加され、前記密閉要素(16、45)を冷却することにより密着した接続が確立される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項10】
前記密閉要素(16、45)と、前記ハウジング要素(14、35)と、前記電気ケーブル(46、48)とが、実質的に液状の密閉要素(16、45)が前記ハウジング要素(14、35)と共に少なくとも部分的に溶融し、且つ前記実質的に液状の密閉要素(16、45)が前記電気ケーブル(46、48)と実質的に機械的な形でのみ接続されるように形成される、請求項9に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項11】
前記電気ケーブル(46、48)がポリマー材料のシースを含み、前記ケーブル(46、48)の前記シースの前記ポリマー材料が、少なくとも前記ケーブル(46、48)の端部領域においてβ線により架橋される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項12】
−前記相補型電気接点要素(40)が、少なくともある領域において前記相補型コネクタ(12)の前記挿入デバイス(38)に配置され、
−前記コネクタ(10)の前記電気接点要素(18)が、少なくともある領域において前記コネクタ(10)の前記受入デバイス(20)に配置され、及び
−前記コネクタ(10)と前記相補型コネクタ(12)とが互いにロックされるとき、
−前記接点要素(18)が、前記挿入デバイス(38)内及び前記受入デバイス(20)内で前記相補型接点要素(40)に接触し、及び
−シール要素(42)、特にOリングが、前記挿入デバイス(38)と前記受入デバイス(20)との間に、前記電気接点要素(18)及び前記相補型電気接点要素(40)を周囲から実質的に防湿する形で封止するように配置される、
請求項1〜11のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)に提供するための、コネクタ(10)及び相補型コネクタ(12)の使用方法。
【請求項14】
ソーラーモジュールを電力ピックアップと接続するための、請求項1〜12のいずれか一項に記載のコネクタシステム(1)の使用方法。
【請求項15】
コネクタ(10)の製造方法であって、
−ハウジング要素(14)を提供するステップと、
−電気ケーブル(46)を提供するステップと、
−前記ケーブルを、少なくともある領域において前記ハウジング要素(14)に配置し、前記ケーブル(46)の導電体(50)を前記コネクタ(10)の電気接点要素(18)と電気的に接触させるステップと、
−前記密閉要素(16)の実質的に液状の材料を前記ハウジング要素(14)及び前記ケーブル(46)のケーブル端領域に付加し、前記密閉要素(16)の前記実質的に液状の材料を冷却し、硬化させることにより、前記ハウジング要素(14)及び前記ケーブル(46)の前記ケーブル端領域に密閉要素(16)を配置するステップであって、前記密閉要素が実質的に固化及び収縮して、前記ハウジング要素(14)及び前記ケーブル(46)の前記ケーブル端領域との密着した接続を確立する、ステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−520227(P2011−520227A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507841(P2011−507841)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003330
【国際公開番号】WO2009/135692
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(500219504)ヤマイチ エレクトロニクス ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】