説明

コネクタ保護部構造

【課題】主に、干渉や異物侵入を防止すると共に、外力によるコネクタの破損を防止し得るようにする。
【解決手段】コネクタ2の周囲に、コネクタ2を保護可能な保護部材5を設けたコネクタ保護部構造であって、保護部材5が、コネクタ2に対し、クリアランス部12を有して設けられた硬質壁部13と、クリアランス部12に対し、クリアランス部12をほぼ塞ぐように設けられたフレキシブル壁部14とを、二重に有するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタ保護部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネルの内部には、ほぼ車幅方向へ延びて左右の車体パネル間を連結する車体強度部材が設けられている。そして、この車体強度部材にほぼ沿って、いわゆるメインハーネスが配索されている。このメインハーネスは、車両の各部に対する電力の供給や信号の送受信を行わせるために設けられる部材であり、電線の束などで構成されている。
【0003】
そして、近年、上記したメインハーネスをモジュール化することが行われている(例えば、特許文献1参照)。このメインハーネスのモジュール(ハーネスモジュール)は、少なくとも、上記した各電線の機能を回路化した回路基板と、この回路基板を収容保護する樹脂製の保護ケースとを備えている。
【0004】
そして、図9に示すように、回路基板には、外部との接続のためのコネクタ2が設けられ、保護ケース3には、コネクタ2を外部に露出するための開口部4が設けられている。
【0005】
ここで、コネクタ2は、開口部4から若干外方へ突出されるように設けられている。また、開口部4は、コネクタ2よりも一回り大きなものとされている。
【0006】
そして、このコネクタ2の周囲には、保護部材5が設けられる。この保護部材5は、例えば、コネクタ2に対し、所要のクリアランス部6を有して設けられた硬質壁部7などとされる。この硬質壁部7は、開口部4の縁部から外方へ向け、ほぼ面直に、コネクタ2の先端部を若干越える程度の長さに延設される。この硬質壁部7は、保護ケース3の一般部とほぼ同程度の肉厚などとされる。また、クリアランス部6は、コネクタ2と開口部4との隙間とほぼ等しく、硬質壁部7の延設方向に対しほぼ一定で、且つ、保護ケース3の内外間を連通するものなどとされる。
【0007】
なお、このようなコネクタ保護部構造は、ハーネスモジュールに限らず、車体に搭載される各種の電気接続箱に対しても設けられる。
【特許文献1】特開2006−44587
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記コネクタ保護部構造では、以下のような問題があった。
【0009】
即ち、図9に示すように、コネクタ2と硬質壁部7との間のクリアランス部6を小さく設定した場合、寸法精度や、組付精度や、回路基板と保護ケース3との間の熱膨張差などによって、図10に示すように、干渉を起こすおそれがある。
【0010】
そこで、図11に示すように、コネクタ2と硬質壁部7との間のクリアランス部6を大きく設定すると、図12に示すように、クリアランス部6を通して外部から保護ケース3の内部へ異物8が侵入するおそれがある。
【0011】
これに対し、干渉や異物8の侵入を防止するため、図13に示すように、保護部材5をフレキシブル壁部9などとして、保護ケース3の内外間の連通を遮断し得るようなものとすると、図14に示すように、外力Fによって、コネクタ2が破損されるおそれがある。
【0012】
なお、上記したハーネスモジュールの場合、少なくとも保護ケース3は、車幅方向へ延びる長尺物となるので、回路基板と保護ケース3との間の熱膨張差の影響は重大な問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、コネクタの周囲に、コネクタを保護可能な保護部材を設けたコネクタ保護部構造において、前記保護部材が、コネクタに対し、クリアランス部を有して設けられた硬質壁部と、前記クリアランス部に対し、クリアランス部をほぼ塞ぐように設けられたフレキシブル壁部とを、二重に有することを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載された発明では、前記フレキシブル壁部が、その先端部にコネクタの側面に対して接触可能な当接部を有すると共に、その基端部に、硬質壁部に対する固着部を有する請求項1記載のコネクタ保護部構造を特徴としている。
【0015】
請求項3に記載された発明では、前記フレキシブル壁部の先端部が、基端部よりも外方に位置する請求項2記載のコネクタ保護部構造を特徴としている。
【0016】
請求項4に記載された発明では、前記フレキシブル壁部の中間部が、蛇腹形状部とされた請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造を特徴としている。
【0017】
請求項5に記載された発明では、前記フレキシブル壁部の中間部が、アール形状部とされた請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造を特徴としている。
【0018】
請求項6に記載された発明では、前記フレキシブル壁部の中間部が、斜面形状部とされた請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造を特徴としている。
【0019】
請求項7に記載された発明では、前記フレキシブル壁部が、硬質壁部に一体形成された請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、コネクタの周囲に、コネクタを保護可能な保護部材を設けたコネクタ保護部構造において、前記保護部材が、コネクタに対し、クリアランス部を有して設けられた硬質壁部と、前記クリアランス部に対し、クリアランス部をほぼ塞ぐように設けられたフレキシブル壁部とを、二重に有することにより、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、硬質壁部によって、外力によるコネクタの破損を防止することができる。また、フレキシブル壁部によって、寸法精度や、組付精度や、回路基板と保護ケースとの間の熱膨張差などによるコネクタと硬質壁部との干渉を防止することができると共に、クリアランス部から内部への異物の侵入を防止することができる。更に、クリアランス部に対してフレキシブル壁部を設置することにより、硬質壁部とフレキシブル壁部とが、互いの機能を損い合うことなく、それぞれの機能を最大限に発揮することができる。そして、硬質壁部とフレキシブル壁部とを二重に有することにより、保護部材をコンパクトなものとすることができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、前記フレキシブル壁部が、その先端部にコネクタの側面に対して接触可能な当接部を有すると共に、その基端部に、硬質壁部に対する固着部を有することにより、先端部から基端部までの部分によってクリアランス部を有効に塞ぐことが可能となる。
【0022】
請求項3の発明によれば、前記フレキシブル壁部の先端部が、基端部よりも外方に位置することにより、フレキシブル壁部に対するコネクタの挿入作業を容易なものとすることが可能となる。また、コネクタを挿入配置した際にフレキシブル壁部が不自然に変形されるなどの不具合を防止することが可能となる。
【0023】
請求項4の発明によれば、前記フレキシブル壁部の中間部が、蛇腹形状部とされたことにより、フレキシブル壁部を柔軟で自在に変形し得るものとすることができる。よって、フレキシブル壁部によってコネクタの全周を囲わせることが可能となるので、異物の侵入を有効に防止することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、前記フレキシブル壁部の中間部が、アール形状部とされたことにより、フレキシブル壁部に大きな弾性力を持たせることができる。また、フレキシブル壁部によってコネクタの全周を囲わせることが可能となるので、異物の侵入を有効に防止することができる。更に、フレキシブル壁部の先端部とコネクタの側面との当接部の接触範囲をより大きなものとすることができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、前記フレキシブル壁部の中間部が、斜面形状部とされたことにより、フレキシブル壁部に弾性力を持たせることができる。また、フレキシブル壁部に対するコネクタの挿入作業をより容易なものとすることが可能となる。
【0026】
請求項7の発明によれば、前記フレキシブル壁部が、硬質壁部に一体形成されたことにより、フレキシブル壁部と硬質壁部とを有する保護部材を、容易且つ安価に製造することができる。また、フレキシブル壁部を、破損や脱落などを起こし難いものとすることができ、信頼性や耐久性などを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
【実施例】
【0028】
図1〜図8は、この発明の実施例およびその変形例を示すものである。
【0029】
まず、構成について説明する。
【0030】
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルが設けられている。このインストルメントパネルの内部には、ほぼ車幅方向へ延びて左右の車体パネル間を連結する車体強度部材が設けられている。この車体強度部材は、クロスカービームやステアリングサポートメンバなどと呼ばれるものである。
【0031】
そして、この車体強度部材にほぼ沿って、いわゆるメインハーネスが配索されている。このメインハーネスは、車両の各部に対する電力の供給や信号の送受信を行わせるために設けられる部材であり、電線の束などで構成されている。
【0032】
そして、近年、上記したメインハーネスをモジュール化することが行われている。このメインハーネスのモジュール(ハーネスモジュール)は、少なくとも、上記した各電線の機能を回路化した回路基板と、この回路基板を収容保護する樹脂製の保護ケースとを備えている。
【0033】
この実施例では、このようなハーネスモジュールに適用した例として説明する。なお、この実施例の構造はハーネスモジュールに限るものではないが、ハーネスモジュールは、少なくとも保護ケースが、車幅方向へ延びる長尺物となることから、回路基板と保護ケースとの間の熱膨張差の影響が重大な問題となるので、適用するには最適である。
まず、図1〜図3に示すように、回路基板1には、外部との接続のためのコネクタ2が設けられる。また、保護ケース3には、コネクタ2を外部に露出するための開口部4が設けられている。
【0034】
ここで、コネクタ2は、開口部4から若干外方へ突出されるように設けられている。コネクタ2は、回路基板1に対してほぼ面直なものとされている。コネクタ2は、保護ケース3の長手方向11へ延びるほぼ長方形の断面形状のコネクタハウジングを有している。コネクタ2(コネクタハウジング。以下同様)の長方形状のコーナー部分には、僅かな面取加工などが施されている。また、開口部4は、コネクタ2よりも一回り大きなほぼ長方形状のものとされている。開口部4の長方形状のコーナー部分には、若干のアール加工が施されている。
【0035】
そして、このコネクタ2の周囲には、コネクタ2を保護するための保護部材5が設けられる。
【0036】
なお、以上の構成は、上記した従来例のものとほぼ同様である。
【0037】
この実施例のものでは、保護部材5が、コネクタ2に対し、狭すぎず、広すぎない所要のクリアランス部12を有して設けられた硬質壁部13と、このクリアランス部12に対し、クリアランス部12をほぼ塞ぐように設けられたフレキシブル壁部14とを、二重に有している(二重保護部材15)。
【0038】
このうち、硬質壁部13は、開口部4の縁部から外方へ向け、ほぼ面直に、コネクタ2の先端部を若干越える程度の長さに延設される。この硬質壁部13は、保護ケース3の一般部とほぼ同程度の肉厚などとされる。
【0039】
また、クリアランス部12は、コネクタ2と開口部4との隙間とほぼ等しく、硬質壁部13の延設方向に対しほぼ一定で、且つ、保護ケース3の内外間を連通するのものとなる。この場合、コネクタ2と開口部4との隙間は、回路基板1と保護ケース3との間の熱膨張差の影響を考慮して、保護ケース3の長手方向11には大きく、幅方向16には小さくなるように設定されている。よって、コネクタ2の外側面と、硬質壁部13の内壁面との間のクリアランス部12も、同様に、長手方向11には大きく、幅方向16には小さなものとなる。
【0040】
そして、フレキシブル壁部14は、その先端部17にコネクタ2の側面に対して当接可能な当接部18を有すると共に、その基端部21に、硬質壁部13に対する固着部22を有するものとする。
【0041】
この場合、当接部18は、コネクタ2の外側面に対し、周方向および延設方向にほぼ沿うようにして接触されるものなどとする。また、固着部22は、硬質壁部13の内壁面に対し、周方向に固着されるものなどとする。
【0042】
更に、フレキシブル壁部14の先端部17が、基端部21よりも外方(開口部4の外周側ではなく、保護ケース3の外方。或いは、回路基板1から遠ざかる方向)に位置するように構成する。
【0043】
この場合、フレキシブル壁部14の先端部17は、コネクタ2における先端(外方端)部分の近傍に位置し、基端部21は、硬質壁部13における開口部4の縁部近傍に位置するように構成されている。
【0044】
この際、フレキシブル壁部14は、その中間部23を、蛇腹形状部24としても良い。
【0045】
この場合、蛇腹形状部24を有するフレキシブル壁部14は、その中間部23が、全体として基端部21から先端部17へ向けて漸縮するほぼテーパ形状とされると共に、このテーパ形状の部分に、ほぼ上下方向の折返部を多段に形成することにより、蛇腹形状部24となるように構成されている。この中間部23に蛇腹形状部24を有するフレキシブル壁部14は、コネクタ2の全周を囲うように設けられる。
【0046】
または、図4、図5に示すように、フレキシブル壁部14は、その中間部23を、アール形状部25としても良い。
【0047】
この場合、アール形状部25を有するフレキシブル壁部14は、その基端部21が、硬質壁部13の内壁面に対しほぼ直交する方向へ向けられると共に、その先端部17が、コネクタ2の外側面に対し、平行な方向に向けられている。そして、その中間部23が、これらの間を、大きな半径を有する、上に凸の部分円弧で繋ぐことにより、アール形状部25となるように構成されている。なお、基端部21は、固着部22の強度を増すなどのために、ほぼ横向の先細形状などとしている。この中間部23にアール形状部25を有するフレキシブル壁部14は、コネクタ2の全周を囲うように設けられる。
【0048】
或いは、図6〜図8に示すように、フレキシブル壁部14は、その中間部23を、斜面形状部26としても良い。
【0049】
この場合、斜面形状部26のフレキシブル壁部14は、その基端部21が、硬質壁部13の内壁面に対して鋭角状態で固着されることにより、板バネとして機能するように構成されている。この中間部23に斜面形状部26を有するフレキシブル壁部14は、コネクタ2の各面に対応させて4分割されている。この際、コネクタ2の長手方向11の面と対応する一対のフレキシブル壁部片27の間に、コネクタ2の幅方向16の面と対応する一対のフレキシブル壁部片28が挟み込まれるように分割している。符号31は、コネクタ2とフレキシブル壁部14との間の若干の隙間、符号32は、フレキシブル壁部片27とフレキシブル壁部片28との間の若干の隙間である。
【0050】
そして、上記した各フレキシブル壁部14は、硬質壁部13に貼付けたりするようなものとしても良いが、好ましくは、フレキシブル壁部14が、硬質壁部13に一体形成されるようにする(一体型フレキシブル壁部)。
【0051】
この場合、硬質壁部13は、保護ケース3と同じ樹脂材料によって一体成形される。これに対して、フレキシブル壁部14(一体型フレキシブル壁部)も、これらと同じ樹脂材料を用いることができる。この場合には、フレキシブル壁部14は、弾性変形可能な程度の薄肉のものとする。或いは、二色成形などにより、フレキシブル壁部14(一体型フレキシブル壁部)を、保護ケース3などと比べて柔軟な別の樹脂材料で形成することも可能である。
【0052】
なお、上記したコネクタ保護部構造は、ハーネスモジュールに限らず、車体に搭載される各種の電気接続箱に対しても設けることが可能である。
【0053】
次に、この実施例の作用について説明する。
【0054】
この実施例によれば、コネクタ2の周囲に、コネクタ2を保護可能な保護部材5を設けたコネクタ保護部構造において、保護部材5が、コネクタ2に対し、クリアランス部12を有して設けられた硬質壁部13と、クリアランス部12に対し、クリアランス部12をほぼ塞ぐように設けられたフレキシブル壁部14とを、二重に有することにより、以下のような作用効果を得ることができる。
【0055】
即ち、硬質壁部13によって、外力によるコネクタ2の破損を防止することができる。また、フレキシブル壁部14によって、寸法精度や、組付精度や、回路基板1と保護ケース3との間の熱膨張差などによるコネクタ2と硬質壁部13との干渉を防止することができると共に、クリアランス部12から内部への異物の侵入を防止することができる。更に、クリアランス部12に対してフレキシブル壁部14を設置することにより、硬質壁部13とフレキシブル壁部14とが、互いの機能を損い合うことなく、それぞれの機能を最大限に発揮することができる。そして、硬質壁部13とフレキシブル壁部14とを二重に有することにより、保護部材5をコンパクトなものとすることができる。
【0056】
この際、フレキシブル壁部14が、その先端部17にコネクタ2の側面に対して接触可能な当接部18を有すると共に、その基端部21に、硬質壁部13に対する固着部22を有することにより、先端部17から基端部21までの部分によってクリアランス部12を有効に塞ぐことが可能となる。
【0057】
また、フレキシブル壁部14の先端部17が、基端部21よりも外方に位置することにより、フレキシブル壁部14に対するコネクタ2の挿入作業を容易なものとすることが可能となる。また、コネクタ2を挿入配置した際にフレキシブル壁部14が不自然に変形されるなどの不具合を防止することが可能となる。
【0058】
そして、フレキシブル壁部14の中間部23が、蛇腹形状部24とされたことにより、フレキシブル壁部14を柔軟で自在に変形し得るものとすることができる。よって、フレキシブル壁部14によってコネクタ2の全周を囲わせることが可能となるので、異物の侵入を有効に防止することができる。
【0059】
或いは、フレキシブル壁部14の中間部23が、アール形状部25とされたことにより、フレキシブル壁部14に大きな弾性力を持たせることができる。また、フレキシブル壁部14によってコネクタ2の全周を囲わせることが可能となるので、異物の侵入を有効に防止することができる。更に、フレキシブル壁部14の先端部17とコネクタ2の側面との当接部18の接触範囲をより大きなものとすることができる。
【0060】
または、フレキシブル壁部14の中間部23が、斜面形状部26とされたことにより、フレキシブル壁部14に弾性力を持たせることができる。また、フレキシブル壁部14に対するコネクタ2の挿入作業をより容易なものとすることが可能となる。更に、図7に示すように、この中間部23に斜面形状部26を有するフレキシブル壁部14を、コネクタ2の各面に対応させて4分割させたことにより、図8に示すように、コネクタ2の長手方向11の変位に対して強いものとすることができる。
【0061】
この際、フレキシブル壁部14が、硬質壁部13に一体形成されたことにより、フレキシブル壁部14と硬質壁部13とを有する保護部材5を、容易且つ安価に製造することができる。また、フレキシブル壁部14を、破損や脱落などを起こし難いものとすることができ、信頼性や耐久性などを向上することができる。 以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施例にかかるコネクタ保護部構造の全体を示す一部破断された斜視図である。
【図2】図1の部分拡大断面図である。
【図3】図2を下方から見た図(全体底面図)である。
【図4】この実施例の変形例の部分拡大断面図である。
【図5】図4を下方から見た図(全体底面図)である。
【図6】この実施例の他の変形例の部分拡大断面図である。
【図7】図6を下方から見た図(全体底面図)である。
【図8】図7の変形の様子を示す図である。
【図9】従来例にかかるコネクタ保護部構造の部分拡大断面図である(クリアランス部小)。
【図10】図9の問題点を説明する図である。
【図11】他の従来例にかかるコネクタ保護部構造の部分拡大断面図である(クリアランス部大)。
【図12】図11の問題点を説明する図である。
【図13】他の従来例にかかるコネクタ保護部構造の部分拡大断面図である。
【図14】図13の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0063】
2 コネクタ
5 保護部材
12 クリアランス部
13 硬質壁部
14 フレキシブル壁部
17 先端部
18 当接部
21 基端部
22 固着部
23 中間部
24 蛇腹形状部
25 アール形状部
26 斜面形状部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタの周囲に、コネクタを保護可能な保護部材を設けたコネクタ保護部構造において、
前記保護部材が、コネクタに対し、クリアランス部を有して設けられた硬質壁部と、前記クリアランス部に対し、クリアランス部をほぼ塞ぐように設けられたフレキシブル壁部とを、二重に有することを特徴とするコネクタ保護部構造。
【請求項2】
前記フレキシブル壁部が、その先端部にコネクタの側面に対して接触可能な当接部を有すると共に、その基端部に、硬質壁部に対する固着部を有することを特徴とする請求項1記載のコネクタ保護部構造。
【請求項3】
前記フレキシブル壁部の先端部が、基端部よりも外方に位置することを特徴とする請求項2記載のコネクタ保護部構造。
【請求項4】
前記フレキシブル壁部の中間部が、蛇腹形状部とされたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造。
【請求項5】
前記フレキシブル壁部の中間部が、アール形状部とされたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造。
【請求項6】
前記フレキシブル壁部の中間部が、斜面形状部とされたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造。
【請求項7】
前記フレキシブル壁部が、硬質壁部に一体形成されたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のコネクタ保護部構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−293885(P2008−293885A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−140354(P2007−140354)
【出願日】平成19年5月28日(2007.5.28)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】