説明

コネクタ装置

【課題】第1接続対象物と第2接続対象物とが電気的に接続されていることを容易に検査可能なコネクタ装置を提供すること。
【解決手段】接続対象体40は、第1コネクタ30が第1接続対象物20に固定・接続された状態において、第1コネクタと嵌合していない未嵌合位置と第1コネクタと嵌合・接続された嵌合位置との間を移動可能に構成されている。接続対象体が嵌合位置にあるときに検査用の経路が形成される。この経路は、接続対象体が嵌合位置にあるときにコネクタ装置10の外部からコネクタ装置の内部を通り第1接続対象物の所定位置まで検査用のピン90を到達させ得るものである。一方、接続対象体が未嵌合位置にあるときは、このような経路が形成されない。ピンを経路に挿入し、挿入されたピンが所定位置まで到達したことを検出することにより、接続対象体が嵌合位置に位置しており且つ第1コネクタと嵌合・接続されていることを検出可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板等である第1接続対象物に固定・接続される第1コネクタと、第1コネクタと嵌合・接続される接続対象体(基板等である第2接続対象物、又は第2接続対象物及び第2コネクタ)とを備えたコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のコネクタ装置を使用する場合、第1接続対象物の信号線は、第1コネクタ(及び第2コネクタ)のコンタクトを夫々経由して第2接続対象物の信号線と電気的に接続されている必要がある。従って、使用に先立ち、第1接続対象物と第2接続対象物との電気的接続についての検査を行う必要がある。
【0003】
このような検査方法としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されたものがある。特許文献1の検査方法によれば、基板搭載コネクタの底面に検査用孔を設け、コンタクトがFPC(Flexible Printed Circuits)の信号線と夫々接続可能に配置されていることを検査用孔から目視検査する(図17参照)。特許文献2の検査方法によれば、コネクタのコンタクトと基板の信号線とに夫々検出ピンを接触させ、検出ピン間の導通検査を行う(図18参照)。
【0004】
特許文献1の検査方法では、コネクタが基板に搭載された実装状態においては検査することができない。特許文献2の検査方法では、複数のコンタクトの導通検査を夫々行う必要があるため検査工数が増大する。また、コネクタのサイズが小さい場合には検査が極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−305621号公報
【特許文献2】特開平6−29055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、第1接続対象物に固定・接続された第1コネクタと接続対象体とが適切な位置関係において嵌合・接続されていることを実装状態において検査可能であり、これにより第1接続対象物と第2接続対象物とが電気的に接続されているものと推定可能なコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、第1のコネクタ装置として、
第1接続対象物と、前記第1接続対象物に固定・接続される第1コネクタと、前記第1コネクタと嵌合方向に沿って嵌合・接続される接続対象体とからなるコネクタ装置であって、
前記接続対象体は、前記第1コネクタが前記第1接続対象物に固定・接続された状態において、前記第1コネクタと嵌合していない未嵌合位置と前記第1コネクタと嵌合・接続された嵌合位置との間を前記嵌合方向に沿って移動可能であり、
前記コネクタ装置は、前記接続対象体が前記嵌合位置にあるときに形成される検査用の経路を有しており、
前記経路は、前記接続対象体が前記嵌合位置にあるときに前記コネクタ装置の外部から前記コネクタ装置の内部を通り前記第1接続対象物の所定位置まで検査用のピンを到達させ得るものである一方、前記接続対象体が前記未嵌合位置にあるとき及び前記未嵌合位置から前記嵌合位置まで移動する途中においては前記経路が形成されないことから前記ピンを前記所定位置まで到達させることができないものであり、
前記ピンを前記経路に挿入し、挿入された前記ピンが前記所定位置まで到達したことを検出することにより、前記接続対象体が前記嵌合位置に位置しており且つ前記第1コネクタと嵌合・接続されていることを検出可能な
コネクタ装置が得られる。
【0008】
また、本発明によれば、第2のコネクタ装置として、第1のコネクタ装置であって、
前記第1コネクタには、前記経路の一部を構成する第1検査孔が形成されている
コネクタ装置が得られる。
【0009】
また、本発明によれば、第3のコネクタ装置として、第2のコネクタ装置であって、
前記接続対象体は、第2接続対象物と、前記第2接続対象物に接続される第2コネクタとからなり、
前記第2コネクタには、前記経路の一部を構成する第2検査孔が形成されており、
前記第2コネクタが前記嵌合方向に沿って前記第1コネクタと嵌合・接続される
コネクタ装置が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、第4のコネクタ装置として、第3のコネクタ装置であって、
前記第2接続対象物には、前記経路の一部を構成する第3検査孔が形成されており、
前記第1検査孔は、前記第2コネクタが前記第1コネクタと嵌合・接続される過程において前記第2コネクタの一部を受容する第1受容孔であり、
前記第2検査孔は、前記第2コネクタが前記第1コネクタと嵌合・接続される過程において前記第1コネクタの一部を受容する第2受容孔である
コネクタ装置が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、第5のコネクタ装置として、第2のコネクタ装置であって、
前記接続対象体は、コネクタ機能を有さない第2接続対象物であり、
前記第2接続対象物には、前記経路の一部を構成する第3検査孔が形成されており、
前記第2接続対象物が前記嵌合方向に沿って前記第1コネクタと嵌合・接続される
コネクタ装置が得られる。
【0012】
また、本発明によれば、第6のコネクタ装置として、第1乃至第5のコネクタ装置のいずれかであって、
前記第1接続対象物は略平面状に形成されており、
前記嵌合方向は、前記第1接続対象物と平行している
コネクタ装置が得られる。
【0013】
また、本発明によれば、第7のコネクタ装置として、第1乃至第6のコネクタ装置のいずれかであって、
前記経路は、前記嵌合方向と交差する所定方向に沿って直線状に延びている
コネクタ装置が得られる。
【0014】
また、本発明によれば、第8のコネクタ装置として、第7のコネクタ装置であって、
前記ピンは柱状の導電部を備えており、
前記第1接続対象物には、前記所定位置を含む検査用の導電パターンが形成されており、
前記経路を通過して前記所定位置まで到達した前記ピンの前記導電部と前記導電パターンとを含む電気経路に対する導通テストにより前記ピンが前記所定位置まで到達したことを検出し得る
コネクタ装置が得られる。
【0015】
また、本発明によれば、第9のコネクタ装置として、第7のコネクタ装置であって、
前記ピンにはマーカーが設けられており、
前記所定方向と交差する方向から前記マーカーと前記第1接続対象物との位置的関係をモニタすることにより前記ピンが前記所定位置まで到達したことを検出し得る
コネクタ装置が得られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、接続対象体が嵌合位置にあるときに、コネクタ装置の外部からコネクタ装置の内部を通り第1接続対象物の所定位置まで検査用のピンを到達させ得る検査用の経路が形成される一方、接続対象体が未嵌合位置にあるとき及び未嵌合位置から嵌合位置まで移動する途中においては検査用の経路が形成されない構成としたため、ピンを経路に挿入し、挿入されたピンが所定位置まで到達したことを検出することにより、接続対象体が第1コネクタと嵌合・接続された嵌合位置に位置していることを検出可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるコネクタ装置と検査用のピンとを示す分解斜視図である。
【図2】図1のコネクタ装置の第1コネクタと第1接続対象物とを示す斜視図である。
【図3】図1のコネクタ装置の第2コネクタと第2接続対象物とを示す斜視図である。
【図4】図1のコネクタ装置を示す上面図である。なお、破線によって第2コネクタの位置を示している。また、V−V線は、第2コネクタの第2雄コンタクト部分でコネクタ装置を切断している。
【図5】図4のコネクタ装置の第1コネクタと第2コネクタとを、V−V線に沿って示す断面斜視図である。なお、第2コネクタは嵌合位置にある。
【図6】図4のコネクタ装置を、VI−VI線に沿って示す断面図である。なお、第2コネクタは未嵌合位置にある。
【図7】図4のコネクタ装置を、VII−VII線に沿って示す断面図である。なお、第2コネクタは未嵌合位置から嵌合位置に移動する途中の位置にある。
【図8】図4のコネクタ装置を、VIII−VIII線に沿って示す断面図である。なお、第2コネクタは嵌合位置にある。
【図9】図4のコネクタ装置と検査用のピンとを示す部分断面斜視図である。なお、第2コネクタは嵌合位置にある。
【図10】本発明の第2の実施の形態によるコネクタ装置と検査用のピンとを示す分解斜視図である。
【図11】図10のコネクタ装置を示す上面図である。
【図12】図11のコネクタ装置を、XII−XII線に沿って示す断面図である。なお、第1接続対象物は未嵌合位置にある。
【図13】図11のコネクタ装置をXIII−XIII線に沿って示す断面図である。なお、第1接続対象物は嵌合位置にある。
【図14】図11のコネクタ装置をXIV−XIV線に沿って示す断面図である。なお、第1接続対象物は嵌合位置にある。
【図15】図11のコネクタ装置を示す部分断面斜視図である。なお、第1接続対象物は嵌合位置にある。
【図16】本発明の第3の実施の形態によるコネクタ装置と検査用のピンとを示す上面図である。
【図17】従来のコネクタの一例を示す斜視図である。
【図18】従来のコネクタの別の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
図1に示されるように、本発明の第1の実施の形態によるコネクタ装置10は、第1接続対象物20と、第1コネクタ30と、第2接続対象物40と、第2コネクタ50とを備えている。
【0019】
本実施の形態においては、第2コネクタ50が最終的な嵌合方向(Y方向)に沿って第1コネクタ30と嵌合・接続され、ピン90を使用して、嵌合・接続されていることが検査される。ピン90は導電性材料によって円柱状に形成されており、導電部には後端面92が形成されている。後端面92の反対側は円錐状に突出しており、先端部91が形成されている。即ち、先端部91と後端面92とは電気的に接続されている。
【0020】
本実施の形態による第1コネクタ30及び第2コネクタ50は、互いに同一の形状及びサイズを有している。第1接続対象物20及び第2接続対象物40は、電子部品等が搭載される基板であり、略平面状に形成されており、信号線等が設けられている。
【0021】
図2及び図3から理解されるように、第1コネクタ30は、第1接続対象物(第1基板)20に固定・接続され、第2コネクタ50は、第2接続対象物(第2基板)40に固定・接続される。本実施の形態においては、第2基板40と第2コネクタ50とからなる接続対象体は、Z方向に移動した後、+Y方向(嵌合方向)に沿って第1コネクタ30と嵌合・接続される。
【0022】
図2に示されるように、第1コネクタ30は、絶縁性材料からなる第1ハウジング39と、金属からなる複数の第1雄コンタクト31と、金属からなる複数の第1雌コンタクト32と、第1被固定部36とを備えている。第1ハウジング39は、Y方向において対向する第1嵌合部33及び第1収容部34と、2つの第1連結部35とを備えている。第1連結部35は、第1ハウジング39のX方向における両端部に位置しており、Z方向と直交する平面状の上面を有している。第1連結部35のY方向における両側部の下端部分には、第1コネクタ30を第1基板20に固定するための第1被固定部36が設けられている。第1嵌合部33及び第1収容部34とは、2つの第1連結部35によってY方向に連結されており、これにより第1ハウジング39には第1受容孔(第1検査孔)37が形成されている。
【0023】
第1受容孔37は、第1ハウジング39のX方向及びY方向における中央部分に形成されており、第1ハウジング39をZ方向において貫通している。第1受容孔37は、X方向において2つの第1連結部35の間で延びており、Y方向において第1嵌合部33及び第1収容部34の間で延びている。第1受容孔37のX方向及びY方向における幅は、ピン90の外径よりも大きい。
【0024】
第1嵌合部33は、X方向において長く延びており、略平面状の上面を有している。第1嵌合部33の上面は、Z方向において第1連結部35の上面よりも少し上に位置している。第1嵌合部33の上面部分は、第1受容孔37に向けて突出しており、Z方向において薄厚な平板状部が第1受容孔37の一部を上から覆っている。
【0025】
図2及び図5から理解されるように、第1収容部34は、X方向に長手を有する略四角柱状に形成されており、略平面状の上面を有している。第1収容部34の上面は、Z方向において第1連結部35の上面よりも上に位置している。詳しくは、第1収容部34の高さは、第1連結部35の高さ×2とほぼ等しくなるように構成されている。第1収容部34のうち第1受容孔37とは反対側(第1コネクタ30の外側)の面は第1受容孔37に近づくように窪んでおり、これにより第1コネクタ30の外部に向けて開口した凹部(第1凹部38)が形成されている。
【0026】
図2及び図5に示されるように、第1嵌合部33は、複数の第1雄コンタクト31をX方向において列設保持している。詳しくは、第1雄コンタクト31はYZ平面内を延びており、第1雄コンタクト31の一方の端部は、第1嵌合部33の上面部分に埋設され、他方の端部は第1嵌合部33の下端付近(−Z方向の端部付近)から第1コネクタ30の外部に突出している。
【0027】
第1収容部34は、複数の第1雌コンタクト32をX方向において列設保持している。詳しくは、第1雌コンタクト32は、第1収容部34の第1凹部38に収容されている。第1雌コンタクト32は、曲部を有しており、曲部を第1受容孔37に向けるようにしてYZ平面内を略U字状に延びている。第1雌コンタクト32の一方の端部は、第1収容部34の上面付近から第1コネクタ30の外部に突出しており、他方の端部は第1収容部34の下端付近から第1コネクタ30の外部に突出している。第1収容部34に形成された第1凹部38は、第1雌コンタクト32に取り囲まれ、第1コネクタ30の外部に向けて開口した空間となっている。
【0028】
図1及び図2に示されるように、第1基板20は、第1固定部21と、第1雄接触部22と、第1雌接触部23と、導電パターン24とを備えている。第1固定部21は、第1コネクタ30の第1被固定部36を半田付け等により固定するための部位であり、第1雄接触部22及び第1雌接触部23は、第1コネクタ30の第1雄コンタクト31及び第1雌コンタクト32を第1基板20の信号線等(図示せず)と夫々接続するための部位である。第1固定部21、第1雄接触部22及び第1雌接触部23は、第1コネクタ30が第1基板20に搭載された際に、第1被固定部36、第1雄コンタクト31の端部及び第1雌コンタクト32の端部が夫々置かれる位置に設けられている。
【0029】
導電パターン24は、導電性材料から形成されており、第1導電端25と第2導電端(検査用パッド)26とを備えている。即ち、第1導電端25と第2導電端26とは電気的に接続されている。第1導電端25は、第1コネクタ30が第1基板20に搭載された際にXY平面において第1受容孔37と対応する位置に設けられている。換言すれば、第1コネクタ30が第1基板20に固定・接続された状態において、第1導電端25の上方(+Z方向)は第1コネクタ30によって覆われておらず、ピン90を第1導電端25の上方から第1導電端25まで到達させることができる。詳しくは、第1導電端25は、第1基板20に搭載された第1コネクタ30のY方向における中間地点であって、且つ第1受容孔37のX方向における両端部付近である位置(所定位置)に設けられている。即ち、第1基板20には、所定位置を含む検査用の導電パターン24が形成されている。第2導電端26は、第1コネクタ30が第1基板20に搭載された際に第1コネクタ30の外部となる位置に設けられている。具体的には、本実施の形態による第2導電端26は、第1基板20のX方向における端部付近に設けられている。
【0030】
図3及び図5に示されるように、第2コネクタ50は、絶縁性材料からなる第2ハウジング59と、金属からなる複数の第2雄コンタクト51と、金属からなる複数の第2雌コンタクト52と、第2被固定部56とを備えている。第2ハウジング59は、第2嵌合部53と第2収容部54と2つの第2連結部55とを備えている。第2ハウジング59には第2受容孔(第2検査孔)57が形成されている。第2収容部54には、第2コネクタ50の外側に向けて開口した空間である第2凹部58が形成されている。以上の各部材の形状、機能、構造等は、第1コネクタ30において対応する各部材と同様である。
【0031】
図2、図3及び図5から理解されるように、第2受容孔57のサイズは第1収容部34のサイズよりも僅かに大きく、第1受容孔37のサイズは第2収容部54のサイズよりも僅かに大きい。
【0032】
図1及び図3に示されるように、第2基板40は、第2固定部41と、第2雄接触部42と、第2雌接触部43と、第3検査孔47とを備えている。第2固定部41、第2雄接触部42(図8参照)及び第2雌接触部43の形状、機能、構造等は、第1基板20の第1固定部21、第1雄接触部22及び第1雌接触部23と夫々同様である。
【0033】
図1、図3及び図4から理解されるように、第3検査孔47は、第2基板40をZ方向に貫通しており、ピン90が通過可能な大きさを有する円形状に形成されている。第3検査孔47は、第2基板40に搭載された第2コネクタ50のY方向における中間地点であって、第2受容孔57のX方向における両端部付近である位置に設けられている。詳しくは、X方向における第3検査孔47の中心と第2連結部55との間の距離は、X方向における第1導電端25の中心と第1連結部35との間の距離と等しい。第2コネクタ50が第2基板40に固定・接続された状態において、第3検査孔47の下方(−Z方向)は第2コネクタ50によって覆われておらず、ピン90を第3検査孔47から下方に通過させることができる。
【0034】
図1乃至図3、図5及び図6から理解されるように、第2基板40に固定・接続された第2コネクタ50の第2収容部54及び第2受容孔57を、第1基板20に固定・接続された第1コネクタ30の第1受容孔37及び第1収容部34の上方に夫々位置させて、第2コネクタ50を第1コネクタ30に向けて下方(−Z方向)に移動させると、第1連結部35と第2連結部55とは互いに当接し、第2収容部54及び第1収容部34は、第1受容孔37及び第2受容孔57の内部に夫々嵌入する。このとき、図6に示されるように、第1収容部34及び第2収容部54は、第2基板40及び第1基板20と夫々近接している。また、第1収容部34の第1凹部38及び第2収容部54の第2凹部58は、第2嵌合部53の突出した平板状部及び第1嵌合部33の突出した平板状部と、Z方向においては夫々対応しているがY方向においては離れた位置に置かれている。即ち、第2コネクタ50を含む接続対象体は、第1コネクタ30と嵌合していない未嵌合位置にある。
【0035】
図6乃至図8から理解されるように、第2コネクタ50は、第1基板20と平行する嵌合方向(+Y方向)に沿って移動可能である。第2コネクタ50を嵌合方向に沿って移動させると、第2嵌合部53の突出した平板状部及び第1嵌合部33の突出した平板状部が、第1収容部34の第1凹部38及び第2収容部54の第2凹部58に夫々収容される。図8に示されるように、このとき、第1雄コンタクト31及び第2雄コンタクト51は、第2雌コンタクト52及び第1雌コンタクト32と夫々接触しており、従って第1基板20の第1雄接触部22及び第1雌接触部23は、第2基板40の第2雌接触部43及び第2雄接触部42と夫々電気的に接続されている。即ち、第1基板20と第2基板40とは電気的に接続されており、第2コネクタ50を含む接続対象体は、第1コネクタ30と嵌合・接続された嵌合位置にある。
【0036】
図8に示されるように、第2コネクタ50が嵌合位置にあるとき、第1収容部34と第2収容部54との間に間隙70が形成されている。間隙70はピン90が上方から通過可能なサイズを有している。また、間隙70の上方には第3検査孔47が位置しており、間隙70のY方向における中央部分には第1導電端25が位置している。以上の説明から理解されるように、第2コネクタ50が嵌合位置にあるとき、コネクタ装置10の上方(即ち、コネクタ装置10の外部)から第3検査孔47及び間隙70(即ち、コネクタ装置10の内部)を通り第1導電端25が置かれた位置(所定位置)までピン90を到達させ得る経路80が形成されている。経路80は、嵌合方向と直交する(即ち、交差する)Z方向(所定方向)に沿って直線状に延びている。
【0037】
図6に示されるように、第2コネクタ50が未嵌合位置にあるとき、間隙70は形成されておらず、従って経路80も形成されていない。図7に示されるように、第2コネクタ50が未嵌合位置から嵌合位置まで移動する途中においては、間隙70は形成されつつあるがピン90を通過させるサイズを備えていない。即ち、経路80は形成されておらず、ピン90を所定位置まで到達させることができない。
【0038】
図5及び図8から理解されるように、本実施の形態による間隙70は、第1嵌合部33及び第2嵌合部53が相手側コネクタの第2収容部54及び第1収容部34に夫々収容される過程において、第1受容孔37と第2受容孔57とがオーバーラップすることで形成される。即ち、本実施の形態においては、第2コネクタ50が第1コネクタ30と嵌合・接続される過程において第2コネクタ50の一部を受容する第1受容孔37が検査用のピン90を通過させる第1検査孔37として機能しており、第2コネクタ50が第1コネクタ30と嵌合・接続される過程において第1コネクタ30の一部を受容する第2受容孔57が検査用のピン90を通過させる第2検査孔57として機能している。換言すれば、第1コネクタ30には、経路80の一部を構成する第1検査孔37が形成されており、第2コネクタ50には、経路80の一部を構成する第2検査孔57が形成されている。さらに、第2基板40に形成された第3検査孔47が、経路80の一部を構成している。
【0039】
図9に示されるように、第2コネクタ50が嵌合位置にあるとき、ピン90を経路80に挿入して、先端部91を第1導電端25と接触させることができる。この状態でピン90の後端面92と第2導電端26とを検査用回路(図示せず)と接続することにより、経路80を通過して所定位置まで到達したピン90の導電部と導電パターン24とを含む電気経路95が形成される。電気経路95に対する導通テストを行うことにより、ピン90が所定位置まで到達したことを検出することができる。換言すれば、ピン90を経路80に挿入し、挿入されたピン90が所定位置まで到達したことを検出することにより、接続対象体が嵌合位置に位置しており且つ第1コネクタ30と嵌合・接続されていることを検出可能である。即ち、経路80は導通テストに使用される検査用の経路である。
【0040】
第2コネクタ50が嵌合位置にあることを検査する方法は、上述の導通テストに限られない。例えば、図9に示されるように、ピン90にマーカー94を設けてもよい。マーカー94は、経路80に挿入されたピン90の先端部91が第1導電端25と接触した状態において第2基板40の底面(+Z方向の面)よりも僅かに上の位置となる場所に設ければよい。所定方向(Z方向)と交差する方向からマーカー94と第1基板20とのZ方向における位置的関係をカメラや目視等でモニタすることにより、ピン90が所定位置まで到達したことを検出し得る。なお、例えば、ピン90の一部に着色してマーカー94としてもよいし、ピン90の一部に切り込みを入れてマーカー94としてもよい。
【0041】
(第2の実施の形態)
図10に示されるように、本発明の第2の実施の形態によるコネクタ装置10aは、第1接続対象物(第1基板)20aと、第1コネクタ30aと、第2接続対象物40aとを備えている。
【0042】
本実施の形態による接続対象体は、コネクタ機能を有さない、例えばFPC等の第2接続対象物40aである。第2接続対象物40aは、略平面状に形成されており、信号線等を備えている。第2接続対象物40aの先端部分には信号線等と電気的に接続された接触部42aが形成されている(図14参照)。
【0043】
図10、図11及び図15から理解されるように、第1コネクタ30aは、第1基板20aに固定・接続されるものである。第2接続対象物40a(接続対象体)は、第1コネクタ30aと嵌合・接続されるものである。
【0044】
図10及び図11に示されるように、第1コネクタ30aは、絶縁性材料からなるハウジング39aと、金属からなる複数のコンタクト31aと、被固定部36aとを備えている。ハウジング39aは、Y方向に長手を有する略四角柱形状に形成されている。ハウジング39aには、第2接続対象物40aを挿入可能な収容部34aが形成されている。収容部34aは、ハウジング39aの内部に設けられた空間であり、両側面、上面、底面及び後面を有しており、−X方向に開口している(図12参照)。図10及び図11から理解されるように、収容部34aの両側面間のY方向における長さは、第1基板20aのY方向における幅と略同一である。
【0045】
図10、図11及び図14に示されるように、ハウジング39aは、コンタクト31aをY方向において列設保持している。コンタクト31aは、後方(X方向)からハウジング39aの内部に挿入され、収容部34aの底面に沿って収容部34aの開口付近まで延びている。コンタクト31aの後端部はハウジング39aの下端部分に位置している。被固定部36aは、ハウジング39aの下端部分の四隅に設けられている。
【0046】
ハウジング39aには2つの第1検査孔37aが形成されている。第1検査孔37aは、ハウジング39aを上下(Z方向)に貫通している。第1検査孔37aは、ピン90が通過可能なサイズに形成されており、XY平面において略円形の断面を有している。第1検査孔37aの上端部分には、ピン90を第1検査孔37a内にガイドする円錐面が形成されている。
【0047】
図10に示されるように、第1基板20aは、固定部21aと、接触部22aと、導電パターン24aとを備えている。固定部21aは、第1コネクタ30aの被固定部36aを半田付け等により固定するための部位であり、接触部22aは、第1コネクタ30aのコンタクト31aを第1基板20aの信号線等(図示せず)と夫々接続するための部位である。固定部21a及び接触部22aは、第1コネクタ30aが第1基板20aに搭載された際に、被固定部36a及びコンタクト31aの端部が夫々置かれる位置に設けられている。
【0048】
導電パターン24aは、第1の実施の形態における導電パターン24と同様の形状及び機能を備えている。例えば、導電パターン24aは、導電性材料から形成されており、第1導電端25aと第2導電端(検査用パッド)26aとを備えている。第1導電端25aは、第1コネクタ30aが第1基板20aに搭載された際にXY平面において第1検査孔37aと対応する位置(所定位置)に設けられている。
【0049】
図10に示されるように、第2接続対象物40aは、第3検査孔47aを備えている。図10、図12及び図13から理解されるように、第3検査孔47aは、第2基板40aをZ方向に貫通しており、ピン90が通過可能な大きさを備えた円形状に形成されている。第3検査孔47aは、第1検査孔37aと対応するように、第2基板40aの先端部付近に形成されており、Y方向における両端部付近に夫々設けられている。詳しくは、第2接続対象物40aのY方向における端部から第3検査孔47aの中心までのY方向における距離は、収容部34aの側面から第1検査孔37aの中心までのY方向における距離とほぼ同一である。また、第2接続対象物40aの先端部から第3検査孔47aの中心までのX方向における距離は、収容部34aの後面から第1検査孔37aの中心までのX方向における距離とほぼ同一である。
【0050】
図10乃至図15から理解されるように、第2接続対象物40a(接続対象体)は、第1基板20aに固定・接続された第1コネクタ30aの収容部34aに向けて、第1基板20aと平行する嵌合方向(+X方向)に沿って移動可能である。図12に示されるように、第2接続対象物40aを嵌合方向に沿って収容部34aに挿入すると、第2接続対象物40aは、先端を第1検査孔37aの内部に突出した位置(未嵌合位置)に到達する。第2接続対象物40aが未嵌合位置にあるとき、第1検査孔37aの一部は第2接続対象物40aによって塞がれているので、ピン90を第1検査孔37aに挿入しても所定位置に置かれた第1導電端25aまで到達させることができない。
【0051】
図13に示されるように、第2接続対象物40aをさらに挿入すると、第2接続対象物40aの先端が収容部34aの後面と当接する。図14に示されるように、このとき、コンタクト31aの一方の端部付近が第2接続対象物40aの接触部42aと接触しており、従って第1基板20aの接触部22aは、第2接続対象物40aの接触部42aと電気的に接続されている。即ち、第1基板20aと第2接続対象物40aとは電気的に接続されており、第2接続対象物40a(接続対象体)は、第1コネクタ30aと嵌合・接続された嵌合位置にある。
【0052】
図13に示されるように、第2接続対象物40aが嵌合位置にあるとき、第1検査孔37aと第3検査孔47aとはオーバーラップしており、これにより経路80aが形成されている。詳しくは、経路80aは、第2接続対象物40aの先端部分(嵌合部)が第1コネクタ30aの収容部34aに収容される過程において、第1検査孔37aと第3検査孔47aとがオーバーラップすることで形成される。経路80aはピン90が上方から通過可能なサイズを有しており、嵌合方向と直交する(即ち、交差する)Z方向(所定方向)に沿って直線状に延びている。また、経路80a下方には第1導電端25aが位置している。以上の説明から理解されるように、第2接続対象物40aが嵌合位置にあるとき、コネクタ装置10aの上方(即ち、外部)から、コネクタ装置10aの内部を通り第1導電端25が置かれた位置(所定位置)までピン90を到達させ得る経路80aが形成されている。
【0053】
図15から理解されるように、ピン90の先端部91を第1導電端25aと接触させ、ピン90の後端面92と第2導電端26aとを検査用回路(図示せず)に接続することにより、ピン90の導電部と導電パターン24aとを含む電気経路95aが形成される。第1の実施の形態と同様に、電気経路95aに対する導通テストを行うことにより、ピン90が所定位置まで到達したことを検出することができる。
【0054】
(第3の実施の形態)
図16に示されるように、本発明の第3の実施の形態によるコネクタ装置10bは、第1接続対象物(第1基板)20aと、第1コネクタ30bと、FPC等の第2接続対象物40bと、第2コネクタ50bとを備えている。第1コネクタ30bは、プラグコネクタである第2コネクタ50bと嵌合・接続されるレセプタクルコネクタである。第1コネクタ30bは、第1基板20aに接続・固定されており、第2コネクタ50bは、第2接続対象物(FPC)40bに接続・固定されている。
【0055】
第1コネクタ30bは、第2の実施の形態における第1コネクタ30aと同様に第1検査孔37bを備えている。第2コネクタ50bのY方向における両側面には、窪み57bが形成されている。窪み57bは、半円柱形状に形成されており、第2コネクタ50bが第1コネクタ30bと嵌合・接続されたときに第1検査孔37bと対応する位置に設けられている。
【0056】
第2接続対象物40bに接続・固定された第2コネクタ50b(接続対象体)は、第2の実施の形態における第2接続対象物40aと同様に、未嵌合位置と嵌合位置との間を嵌合方向(+X方向)に沿って移動可能である。第2コネクタ50bが嵌合位置にあるときには、第1検査孔37bと窪み57bとがオーバーラップすることで、コネクタ装置10bの外部からコネクタ装置10bの内部を通り第1基板20aの所定位置まで検査用のピン90を到達させ得る検査用の経路が形成される。一方、第2コネクタ50bが未嵌合位置にあるとき及び未嵌合位置から嵌合位置まで移動する途中においては、第1検査孔37bの一部が第2コネクタ50bの先端部分によって塞がれており、検査用のピン90をコネクタ装置10bの内部を通して所定位置に到達させることはできない。
【0057】
図16から理解されるように、第1検査孔37bの位置を第1コネクタ30bのY方向における中心に近づけ、第2コネクタ50bに窪み57bではなく第2検査孔を設けてもよい。この場合、コネクタ装置10bは、第1基板20aと、第1基板20aに固定・接続される第1コネクタ(レセプタクルコネクタ)30bと、FPC40bと、FPC40bと嵌合・接続される第2コネクタ(プラグコネクタ)50bとから構成される。第1コネクタ30b及び第2コネクタ50bには第1検査孔37b及び第2検査孔(図示せず)が夫々形成されている一方、FPC40bには第3検査孔が形成されていない。なお、第2及び第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様にピン90にマーカー94を設けてカメラや目視等でモニタすることにより検査してもよい。
【0058】
(その他の実施の形態)
本発明は以上で説明した本発明の実施の形態には限られない。例えば、様々なコネクタを第1コネクタ又は第2コネクタとして使用することができる。また、第1接続対象物及び第2接続対象物は、コネクタを介して電気的に接続されるように構成されているものであれば何でもよく、基板やFPCに限らず、FFC(Flexible Flat Cable)等であってもよい。
【0059】
接続対象体が嵌合位置にあることを検査する方法も、ピンを使用した方法には限られない。例えば、検査用の経路を大きく形成することが可能な場合には検査用の経路から所定位置を目視確認等することで検査してもよい。但し、コネクタのサイズが小さいため検査用の経路を大きく形成することができない場合には、検査用のピンを使用して検査することが好ましい。
【0060】
検査用の経路の形状及びサイズは、検査用のピンを所定位置まで通過させることが可能な限り、どのように形成してもよい。また、検査用のピンは、円柱形状には限られず例えば角柱形状に形成してもよいし、どのようなサイズを有していてもよい。ただし、検査用の経路を大きく形成することができない場合には、検査用のピンの強度を確保するため、検査用のピンのサイズを検査用の経路のサイズと略同一とすることが好ましい。そのためには、検査用のピンの形状も検査用の経路の形状に合わせることが好ましい
【0061】
検査用のピンの周囲を絶縁性材料で覆ってもよい。検査用の経路が金属部分と近接しているような場合は、このように構成することが好ましい。即ち、検査用のピンは柱状の導電部を備えておればよい。
【0062】
検査用の経路が延びる所定方向は、嵌合方向と直交する方向には限られない。所定方向は、嵌合方向と交差していればよい。また、検査用の経路の数は2つに限らず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。ただし、検査用の経路を離れた2箇所(例えばコネクタの両端部付近)に設けることによって、比較的小さな工数によって、より確実な検査を行うことが可能となる。
【0063】
検査孔(第1検査孔、第2検査孔及び第3検査孔)は、検査用の経路を形成する目的で形成されたものであってもよいし、例えば第1の実施の形態における第1受容孔のように検査とは異なる目的で形成された孔を検査孔として使用してもよい。また、第3の実施の形態における窪みのように孔ではない部分を検査用の経路の一部としてもよい。さらに、孔ではない部分のみによって検査用の経路を形成することも可能である。一方、第1コネクタ、第2コネクタ及び第2接続対象物の全てに、専ら検査用の経路を形成する目的で検査孔を設けてもよい。例えば、第3の実施の形態における第1検査孔の位置を第1コネクタの中心に近づけ、第2コネクタ及び第2接続対象物の第1検査孔と対応する位置に第2検査孔及び第3検査孔を夫々設けることも可能である。
【0064】
検査孔の形状及びサイズは、所望の検査用の経路の形状及びサイズに合わせて形成すればよい。例えば、コネクタのサイズが極端に小さい場合には、検査用のピンのピン径が小さくなり強度が弱くなるので、検査用のピンをできる限り大きくして強度を確保しなければならず、そのため経路のサイズも大きくする必要があり、その場合には、検査孔もコネクタのサイズに対応しつつ、できる限り大きく形成する必要がある。
【符号の説明】
【0065】
10、10a、10b コネクタ装置
20、20a 第1接続対象物(第1基板)
21 第1固定部
21a 固定部
22 第1雄接触部
22a 接触部
23 第1雌接触部
24、24a 導電パターン
25、25a 第1導電端
26、26a 第2導電端(検査用パッド)
30、30a、30b 第1コネクタ
31 第1雄コンタクト
31a コンタクト
32 第1雌コンタクト
33 第1嵌合部
34 第1収容部
34a 収容部
35 第1連結部
36 第1被固定部
36a 被固定部
37 第1受容孔(第1検査孔)
37a、37b 第1検査孔
38 第1凹部
39 第1ハウジング
39a ハウジング
40、40a 第2接続対象物(第2基板、接続対象体)
40b 第2接続対象物(FPC)
41 第2固定部
42 第2雄接触部
42a 接触部
43 第2雌接触部
47、47a 第3検査孔
50、50b 第2コネクタ(接続対象体)
51 第2雄コンタクト
52 第2雌コンタクト
53 第2嵌合部
54 第2収容部
55 第2連結部
56 第2被固定部
57 第2受容孔(第2検査孔)
57b 窪み
58 第2凹部
59 第2ハウジング
70 間隙
80、80a 経路
90 ピン
91 先端部
92 後端面
94 マーカー
95、95a 電気経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1接続対象物と、前記第1接続対象物に固定・接続される第1コネクタと、前記第1コネクタと嵌合方向に沿って嵌合・接続される接続対象体とからなるコネクタ装置であって、
前記接続対象体は、前記第1コネクタが前記第1接続対象物に固定・接続された状態において、前記第1コネクタと嵌合していない未嵌合位置と前記第1コネクタと嵌合・接続された嵌合位置との間を前記嵌合方向に沿って移動可能であり、
前記コネクタ装置は、前記接続対象体が前記嵌合位置にあるときに形成される検査用の経路を有しており、
前記経路は、前記接続対象体が前記嵌合位置にあるときに前記コネクタ装置の外部から前記コネクタ装置の内部を通り前記第1接続対象物の所定位置まで検査用のピンを到達させ得るものである一方、前記接続対象体が前記未嵌合位置にあるとき及び前記未嵌合位置から前記嵌合位置まで移動する途中においては前記経路が形成されないことから前記ピンを前記所定位置まで到達させることができないものであり、
前記ピンを前記経路に挿入し、挿入された前記ピンが前記所定位置まで到達したことを検出することにより、前記接続対象体が前記嵌合位置に位置しており且つ前記第1コネクタと嵌合・接続されていることを検出可能なコネクタ装置。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタ装置であって、
前記第1コネクタには、前記経路の一部を構成する第1検査孔が形成されている
コネクタ装置。
【請求項3】
請求項2記載のコネクタ装置であって、
前記接続対象体は、第2接続対象物と、前記第2接続対象物に接続される第2コネクタとからなり、
前記第2コネクタには、前記経路の一部を構成する第2検査孔が形成されており、
前記第2コネクタが前記嵌合方向に沿って前記第1コネクタと嵌合・接続される
コネクタ装置。
【請求項4】
請求項3記載のコネクタ装置であって、
前記第2接続対象物には、前記経路の一部を構成する第3検査孔が形成されており、
前記第1検査孔は、前記第2コネクタが前記第1コネクタと嵌合・接続される過程において前記第2コネクタの一部を受容する第1受容孔であり、
前記第2検査孔は、前記第2コネクタが前記第1コネクタと嵌合・接続される過程において前記第1コネクタの一部を受容する第2受容孔である
コネクタ装置。
【請求項5】
請求項2記載のコネクタ装置であって、
前記接続対象体は、コネクタ機能を有さない第2接続対象物であり、
前記第2接続対象物には、前記経路の一部を構成する第3検査孔が形成されており、
前記第2接続対象物が前記嵌合方向に沿って前記第1コネクタと嵌合・接続される
コネクタ装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のコネクタ装置であって、
前記第1接続対象物は略平面状に形成されており、
前記嵌合方向は、前記第1接続対象物と平行している
コネクタ装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のコネクタ装置であって、
前記経路は、前記嵌合方向と交差する所定方向に沿って直線状に延びている
コネクタ装置。
【請求項8】
請求項7記載のコネクタ装置であって、
前記ピンは柱状の導電部を備えており、
前記第1接続対象物には、前記所定位置を含む検査用の導電パターンが形成されており、
前記経路を通過して前記所定位置まで到達した前記ピンの前記導電部と前記導電パターンとを含む電気経路に対する導通テストにより前記ピンが前記所定位置まで到達したことを検出し得る
コネクタ装置。
【請求項9】
請求項7記載のコネクタ装置であって、
前記ピンにはマーカーが設けられており、
前記所定方向と交差する方向から前記マーカーと前記第1接続対象物との位置的関係をモニタすることにより前記ピンが前記所定位置まで到達したことを検出し得る
コネクタ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−169065(P2012−169065A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27211(P2011−27211)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000231073)日本航空電子工業株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】