説明

コネクタ

【課題】コネクタと接続部材との脱離操作が容易なコネクタを提供する。
【解決手段】本体部21のうち接続部材176が挿入される挿入穴の入口側に設置された脱着部材25を覆うコネクタカバー24を設ける。脱着部材25は、接続部材176に係合する爪部251と、バネ部材としての連結板252を介して爪部251に連結する押し付け部253とを有する。コネクタカバー24を本体部の挿入穴の中心位置を回動中心として回動させることで、コネクタカバー24の爪保持部242で押し付け部253を押し付け、爪部251を外側に移動させ、爪部251と接続部材176との係合が外れるようにする。
これによれば、接続相手から離れた位置でコネクタ20と接続部材176との脱離操作ができるので、接続相手の近くで脱離操作をしなければならない従来のコネクタと比較して脱離操作が容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体配管の接続部に用いられるコネクタに関するもので、例えば、燃料噴射装置のインジェクタとインジェクタから排出される低圧燃料が流れる低圧燃料配管との接続部に用いられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
流体配管の接続部に用いられるコネクタとして、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
このコネクタは、接続部材が挿入される挿入穴を有する本体部と、本体部のうち挿入穴の入口側に設置された保持ばねと呼ばれる脱着部材とを備えている。この脱着部材は、接続部材に係合する2つの爪部(特許文献1の図4中の符号13参照)が、V字形のバネによって結合され、さらに、このバネのV字部分に押し付け部(特許文献1の図4中の符号15参照)が設けられており、押し付け部を押し合わせると、2つの爪部が互いに離れるようになっている。
【0004】
そして、コネクタと接続部材とを接続する際では、接続部材によって爪部が押し広げられることで、接続部材がコネクタに挿入され、挿入後に爪部が接続部材の係合面に引っ掛かることで、両者が固定される。
【0005】
一方、コネクタと接続部材とを脱離させる際では、脱着部材の押し付け部を直接手で押し合わせることで、2つの爪部を外側に押し広げて、爪部と接続部材との係合を外すことで、コネクタと接続部材とを脱離可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表平11−500817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載のコネクタでは、コネクタ下部、すなわち、コネクタの接続部材側の端部に、脱着部材が配置されているので、コネクタと接続部材とを脱離させるためには、接続相手の近くに手をもっていく必要がある。
【0008】
しかし、接続相手が邪魔となって、コネクタ下部に手を近づけることができず、脱着部材の押し付け部を手で直接押すことができない場合がある。また、コネクタ下部の周囲が他の装置、機器等で密集していると、コネクタ下部に手が届かず、脱着部材の押し付け部を手で直接押すことができない場合がある。
【0009】
このため、このような場合には、上記特許文献1に記載のコネクタは、コネクタと接続部材との脱離操作がしづらいという問題があることがわかった。
【0010】
なお、この問題は、上記したコネクタを一般的な流体配管の接続部に用いた場合においても同様に言えることである。
【0011】
本発明は上記点に鑑みて、上記した従来のコネクタよりも、コネクタと接続部材との脱離操作が容易なコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、コネクタカバー(24)は、本体部(21)のうち脱着部材(25)から脱着部材(25)に対して挿入穴入口側の反対側に離れた部位を覆うとともに、挿入穴(213a)の中心位置を回動中心として本体部(21)の外周を回動可能となっており、
コネクタカバー(24)は、脱着部材(25)と対向する部位にて、爪部(251)の接続部材(176)との係合を保持する爪保持部(242)と、爪部(251)の接続部材(176)との係合を開放する爪開放部(243)とが、コネクタカバー(24)の回動方向に並んで設けられており、
コネクタカバー(24)の回動位置を、爪開放部(243)が押し付け部(253)に対向するとともに、爪保持部(242)が爪部(251)に対向するロック位置とすることで、コネクタカバー(24)が押し付け部(253)を押し付けていない状態とするとともに、爪保持部(242)によって爪部(251)の外側への移動を制限して、爪部(251)の接続部材(176)との係合を保持し、
コネクタカバー(24)の回動位置を、爪保持部(242)が押し付け部(253)に対向するとともに、爪開放部(243)が爪部(251)に対向するリリース位置とすることで、爪保持部(242)によって押し付け部(253)を押し付けて、爪部(251)を外側へ移動させることで、爪部(251)の接続部材(176)との係合を開放するようになっていることを特徴としている。
【0013】
このように、本発明のコネクタでは、コネクタカバーを回動させてリリース位置とすることで、コネクタカバーの爪保持部が脱着部材の押し付け部を押し付け、爪部を外側へ移動させて、爪部と接続部材との係合を開放するようになっている。さらに、コネクタカバーは、本体部のうち脱着部材に対して離れた部位を覆っているので、コネクタカバーのうち脱着部材から離れた部分を脱離操作位置とすることができる。
【0014】
したがって、本発明のコネクタによれば、コネクタの接続相手から離れた位置でコネクタと接続部材との脱離操作ができるので、コネクタの接続相手の近くで脱離操作をしなければならない上記した従来のコネクタと比較して、脱離操作が容易となっている。
【0015】
脱着部材としては、例えば、請求項2に記載のように、脱着部材(25)は、爪部(251)が2つ互いに対向して配置されるとともに、押し付け部(253)が爪部(251)に対して回動方向に90度ずれた位置に2つ配置されており、 2つの爪部(251)と2つの押し付け部(253)とが、連結板(252)によって、四角形状につながっているものを採用できる。
【0016】
また、コネクタカバーとしては、例えば、請求項3に記載のように、コネクタカバー(24)は筒部(241)を有し、爪保持部(242)は、筒部(241)をなす壁によって構成され、爪開放部(243)は、筒部(241)をなす壁の内周面に形成された凹部(243a)によって構成されたものを採用できる。
【0017】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態における燃料噴射装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図1中のインジェクタの縦断面図である。
【図3】インジェクタの接続部材と低圧燃料配管とが接続されたコネクタの側面図である。
【図4】図3のコネクタの縦断面図である。
【図5】図4中のV−V線断面図である。
【図6】脱着部材が自然状態であるときのコネクタの縦面図である。
【図7】図6中のVII−VII線断面図である。
【図8】リリース状態におけるコネクタの縦断面図である。
【図9】図8中のIX−IX線断面図である。
【図10】第2実施形態におけるコネクタの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付している。
【0020】
(第1実施形態)
図1に本実施形態における蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を示す。図1の蓄圧式燃料噴射装置10はディーゼル機関に用いられるものであり、燃料タンク11と、燃料供給ポンプ12と、コモンレール13と、インジェクタ17とを備えている。
【0021】
燃料タンク11内の燃料は、燃料供給ポンプ12によってコモンレール13に供給される。燃料タンク11と燃料供給ポンプ12との間には、燃料フィルタ14が配置されている。
【0022】
燃料供給ポンプ12は、図示しないフィードポンプ部と高圧ポンプ部12aとを有している。フィードポンプ部は、燃料タンク11から燃料を吸入して高圧ポンプ部12aに供給する。高圧ポンプ部12aは、フィードポンプ部から供給された燃料を加圧してコモンレール13に圧送する。
【0023】
高圧ポンプ部12aは、ポンプ内圧力が所定圧力以上となった場合に、燃料を燃料タンク11に流出させる調圧弁12bを有している。調圧弁12aは、戻り燃料配管15を介して燃料タンク11と接続されている。
【0024】
コモンレール13は、高圧ポンプ部12aで加圧された燃料を高圧に維持したまま蓄える蓄圧器を構成しており、高圧燃料配管16を介してインジェクタ17の燃料導入口17aに接続されている。コモンレール13に蓄えられた高圧燃料は、高圧燃料配管16を介してインジェクタ17に供給される。
【0025】
インジェクタ17は、内燃機関の複数の気筒に対応して、複数個、図1の例では4個設けられている。インジェクタ17は、コモンレール13に蓄えられた高圧燃料を、インジェクタ17の噴孔17bから図示しない内燃機関の各気筒内に噴射するものである。インジェクタ17は、図示しない制御手段によって、所定時期に所定の期間開弁するように制御される。
【0026】
インジェクタ17には、オーバーフローした燃料、すなわち、リーク燃料が流出する燃料流出口17cが設けられている。ここで、インジェクタ17におけるリーク燃料とは、コモンレール13からインジェクタ17に送出された燃料のうちインジェクタ17から噴射されなかった余剰燃料や、後述するインジェクタ17内部の制御室175a(図2参照)から排出された燃料等のことである。
【0027】
この燃料流出口17cには、配管部材としての低圧燃料配管18が接続されている。燃料流出口17cから低圧燃料配管18に流出したリーク燃料は、戻り燃料配管15を流れる燃料とともに燃料タンク11に戻される。インジェクタ17の燃料流出口17cと低圧燃料配管18との接続部には、後述するコネクタ20が用いられている。
【0028】
ここで、図2に図1中のインジェクタ17の縦断面図を示す。インジェクタ17は、略円柱形状のインジェクタボデー171の内部に、ピエゾアクチュエータ172、駆動力伝達部173、制御弁部174およびノズル部175が収容されたものである。ピエゾアクチュエータ172、駆動力伝達部173、制御弁部174およびノズル部175は、インジェクタボデー171の軸方向である図2中の矢印X方向にて、この順番に並んで配置されている。
【0029】
インジェクタボデー171の側壁には、コモンレール13からの高圧燃料を導入する燃料導入口17aが開口している。インジェクタボデー171のうちノズル部175側の先端部には、高圧燃料を噴射する噴孔17bが開口している。また、インジェクタボデー171のうちピエゾアクチュエータ172側である図2の上側の端面には、リーク燃料を流出する燃料流出口17cが開口している。
【0030】
燃料導入口17aは、インジェクタボデー171内部に形成された高圧通路171aと連通している。燃料流出口17cは、インジェクタボデー171内部に形成された低圧通路171bと連通している。インジェクタボデー171内において、低圧通路171bは、ピエゾアクチュエータ172および駆動力伝達部173を収容する収容空間171cと連通している。
【0031】
ピエゾアクチュエータ172は、図示しない駆動回路により通電されて、X方向に伸縮するようになっている。
【0032】
駆動力伝達部173は、ピエゾアクチュエータ172と一体に変位可能な第1、第2ピストン173a、173bと、第1、第2ピストン173a、173bを摺動可能に保持する筒状部材173cと、第1ピストン173aをピエゾアクチュエータ172側に付勢してピエゾアクチュエータ172に当接させる第1スプリング173dと、第2ピストン173bを制御弁部174の制御弁174a側に付勢して制御弁174aに当接させる第2スプリング173eとを有している。第1、第2ピストン173a、173b同士の間には、作動油が充填された油密室173fが形成されている。
【0033】
制御弁部174は、3方弁構造になっており、制御弁174aが収容される弁室174bを有している。弁室174bは、連通路174cを介してノズル部175の制御室175aと常時連通している。
【0034】
制御弁174aは、駆動力伝達部173の第2ピストン173bと一体に変位可能になっている。弁室174bには、制御弁174aが選択的に着座する低圧側シート面174dおよび高圧側シート面174eが形成されている。
【0035】
低圧側シート面174dには、低圧通路171bと連通する連通口が開口している。高圧側シート面174eには、ノズル部175の連通路175fを通じて高圧通路171aと連通する連通口が開口している。弁室174bには、制御弁174aを駆動力伝達部173の第2ピストン173b側に付勢して第2ピストン173bに当接させるスプリング174fが配置されている。
【0036】
ノズル部175は、X方向に延びるノズルニードル175bと、ノズルニードル175bの外周側に配置されたシリンダ部材175cと、ノズルニードル175bを噴孔17b側に付勢するニードルスプリング175dとを有している。
【0037】
制御室175aは、制御弁部174の弁室174bと常時連通していることによって、ノズルニードル175bの背圧を発生する。制御室175aの背圧は、ニードルスプリング175dとともに、ノズルニードル175bを閉弁方向に付勢する。
【0038】
ノズルニードル175bおよびシリンダ部材175cの外周側には、高圧通路171aおよび噴孔17bと連通する油溜まり室175eが形成されている。油溜まり室175eは、連通路175fを介して制御弁部174の高圧側シート面174eの連通口と連通している。油溜まり室175eの高圧燃料の圧力は、ノズルニードル175bを開弁方向に付勢する。
【0039】
図2は、インジェクタ17の無噴射時の状態を示している。この無噴射時の状態では、制御室175aの背圧およびニードルスプリング175dの付勢力によってノズルニードル175bが着座しているので、油溜まり室175eから噴孔17bへの燃料供給が遮断される。
【0040】
これに対し、噴射時の状態では、ピエゾアクチュエータ172が通電されて、X方向に伸長し、これに伴って制御弁部174が制御室175aの圧力を低下させる。これにより、ノズルニードル175bがニードルスプリング175dの付勢力に抗してリフトするので、油溜まり室175eの燃料が噴孔17bを通じて噴射される。
【0041】
このような構成のインジェクタ17において、インジェクタボデー171のうち燃料流出口17cの形成部位には、コネクタ20との接続用の接続部材176が配置されている。
【0042】
このインジェクタ17の接続部材176は、ステンレスや炭素鋼等にて形成され、X方向に延びる略円筒形状を有している。接続部材176は、インジェクタボデー171のうち燃料流出口17cの形成部位に固定されている。接続部材176とインジェクタボデー171との固定は、螺合、圧入、樹脂溶着、溶接等によって行うことができる。なお、接続部材176は、インジェクタボデー171と別部品ではなく、インジェクタボデー171と同一材料で一体成形されたものであっても良い。
【0043】
接続部材176の内部には、燃料流出口17cと連通する燃料流路176aが形成されている。接続部材176は、コネクタ20に保持される保持リブ176bを有している。接続部材176bのうち保持リブ176bが形成されている部分は、他の部分よりも外径が大きくなっている。この保持リブ176bの図2中下側の面、すなわち、インジェクタボデー171側の面176cがコネクタ20との係合部として機能する。
【0044】
次に、コネクタ20を介したインジェクタ17の接続部材176と低圧燃料配管18との接続構造について説明する。図3、4に、それぞれ、当該接続構造の側面図、縦断面図を示し、図5に図4中のV−V線断面図を示す。なお、図4中の矢印X方向は、図2中の矢印X方向と同じであり、後述するように、挿入穴213aの延伸方向、挿入穴213aに挿入される接続部材176の延伸方向、本体部21と接続部材176との接続方向を示している。
【0045】
これらの図に示されるコネクタ20は、図1に示す4つのコネクタ20のうち図の左側から1番目、2番目、3番目のコネクタ20であり、2本の低圧燃料配管18が接続されるタイプである。
【0046】
図3、4に示すように、コネクタ20は、接続部材176および低圧燃料配管18に接続される本体部21と、本体部21と接続部材176との間をシールする環状のOリング22と、Oリング22を本体部21に対して保持する環状のOリング保持部材23と、本体部21を覆うコネクタカバー24とを備えている。
【0047】
本体部21は、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)等の樹脂で一体成形されている。
【0048】
図4に示すように、本体部21には、接続部材176に接続される第1接続部211がX方向と平行に延びて形成されているとともに、低圧燃料配管18に接続される2つの第2接続部212がX方向と直交する方向に延びて形成されている。第1接続部211および第2接続部212の外形は円柱状である。2つの第2接続部212は、第1接続部211のうちX方向一端側、すなわち、図4中の上側の部位から、互いに反対方向に向かって延びている。したがって、本体部21は、全体としてT字状の形状を有している。
【0049】
また、本体部21の内部には、接続部材176内の燃料流路176aと低圧燃料配管18とを連通する貫通孔213がT字状に形成されている。具体的には、貫通孔213は、第1接続部211内にてX方向に延びる円柱状の第1穴部213aと、第1、第2接続部211、212内にてX方向と直交する方向に延びて第1穴部213aと連通する2つの第2穴部213bとで構成されている。
【0050】
低圧燃料配管18としては、例えば、ゴムホースが用いられる。この低圧燃料配管18の端部に第2接続部212が差し込まれることによって、低圧燃料配管18が第2接続部212に接続されるようになっている。
【0051】
また、貫通孔213の第1穴部213aには、接続部材176が挿入される。したがって、第1穴部213aは、接続部材176が挿入される挿入穴213aを構成している。
【0052】
この挿入穴213aにOリング22が配置され、Oリング22よりも挿入穴213aの入口側にOリング保持部材23が配置されている。
【0053】
Oリング保持部材23は、樹脂で一体成形されている。Oリング保持部材23の外周部には、径方向外側に向かって突出する突起部231が形成されている。この突起部231が、第1接続部211の挿入穴213aの入口側に形成された凹部211aに係合することで、Oリング保持部材23が本体部21に保持される。
【0054】
本体部21の第1接続部211のうちOリング保持部材23よりも挿入穴213aの入口側の側面に開口部211bが形成されている。さらに、この開口部211bが形成されている部位における第1接続部211の内部に、爪部251を有する脱着部材25が配置されている。
【0055】
脱着部材25は、樹脂で形成されており、本体部21と別体部品として構成されている。この脱着部材25は、接続された本体部21と接続部材176とを爪部251によって固定したり、本体部21と接続部材176との爪部251による固定を解除して両者を脱離可能としたりするものである。
【0056】
具体的には、図5に示すように、脱着部材25は、対をなすように対向して配置された2つの爪部251と、対をなすように対向して配置された2つの押し付け部253とを有している。爪部251と押し付け部253とは、第1接続部211の周方向に交互に並んで配置されており、爪部251と押し付け部253とは、第1接続部211の周方向で90度ずれた位置にある。そして、周方向で隣り合う爪部251と押し付け部253とは、平板状の連結板252によって連結されており、2つの爪部251と2つの押し付け部253とが、連結板252によって四角形状につながっている。
【0057】
また、図5に示すように、本体部21の第1接続部211には、爪部251と押し付け部253の数に合わせて、その周方向に開口部211bが4カ所形成されており、これらの開口部211bに対向して爪部251と押し付け部253とが配置されている。
【0058】
ここで、爪部251は、図4に示すように、接続部材176の延伸方向であるX方向に板状に延びている板状部251aと、板状部251aから挿入穴213aの径方向内側に突出した突出部251bとを有している。
【0059】
板状部251aは、X方向と直交する横断面形状が、接続部材176の保持リブ176bの外周面に沿う円弧形状になっている。
【0060】
突出部251bは、接続部材176の保持リブ176bの下方面176cと係合する部分であり、この下方面176cと係合することによって、接続部材176がコネクタ20から抜けるのを防止する役割を果たすようになっている。
【0061】
連結板252は、弾性変形する部材である。図5に示すように、押し付け部253に連なる2枚の連結板252は、所定の角度をなしている。言い換えると、2枚の連結板252がなす角部に押し付け部253が配置されている。そして、外力によって押し付け部253が挿入穴213aの径方向内側に押し付けられると、連結板252の弾性変形により、2つの連結板252のなす角度が自然状態のときの角度よりも大きくなって、2つの爪部251が外側に開き、押し付け部253の外力が取り除かれると、2つの連結板252のなす角度が自然状態のときの角度に戻ることによって、爪部251が自然状態の位置に戻るようになっている。なお、自然状態とは、脱着部材25に外力が作用していない状態であって、脱着部材25が外力によって変形していない状態を意味する。
【0062】
図5に示すように、脱着部材25が自然状態ときでは、爪部251の突起部251bは、接続部材176が接続された状態のときに、接続部材176の保持リブ176bの外周よりも中心側に位置し、保持リブ176bの下方面176cに係合する位置となる。一方、押し付け部253は、脱着部材25が自然状態ときでは、中心から爪部251の外周面までの距離R1よりも、中心から押し付け部253の外周面までの距離R2の方が長くなっている。このとき、爪部251の外周面は本体部21の開口部211bから外側に出ておらず、押し付け部253の外周面は本体部21の開口部211bから外側に出ている状態となる。なお、図5中の一点鎖線で示す半径R1の円は、本体部21の第1接続部211の外周面の仮想延長線である。
【0063】
また、図4、5に示すように、コネクタカバー24は、本体部21の第1接続部211のX方向全域を覆っており、本体部21の外周を、挿入穴213aの中心位置を回動中心として回動可能となっている。
【0064】
コネクタカバー24は、樹脂にて一体成形されたものであり、円筒部241と、円筒部241のうち脱着部材25に対向する部位に形成された爪保持部242および爪開放部243とを有している。
【0065】
図4に示すように、円筒部241のX方向での長さは、本体部21のX方向での長さと同じである。
【0066】
爪保持部242は、脱着部材25の爪部251の接続部材176との係合を保持する部分である。図5に示すように、爪保持部242の数は爪部251と同じ2つであり、2つの爪保持部242は、爪部251と同様に、互いに対向する位置に配置されている。
【0067】
爪開放部243は、脱着部材25の爪部251の接続部材176との係合を開放する部分である。図5に示すように、爪開放部243の数は押し付け部253と同じ2つであり、2つの爪開放部243は、押し付け部253と同様に、互いに対向する位置に配置されている。
【0068】
爪保持部243と爪開放部243とは、コネクタカバー24の回動方向、すなわち、円筒部241の周方向に交互に並んで配置されており、爪保持部243と爪開放部243とは、円筒部241の周方向で90度ずれた位置にある。
【0069】
爪保持部242と爪開放部243とは、具体的には、それぞれ、円筒部241を構成する壁のうちの肉厚部分と薄肉部分である。言い換えると、円筒部241を構成する壁の内周面に凹部243aを設けた部分が爪開放部243であり、凹部243aを除く部分が爪保持部である。
【0070】
したがって、爪保持部242と爪開放部243とは、円筒部241の中心から内壁面までの距離が異なっている。爪保持部242における円筒部241の中心からの内壁面までの距離は、自然状態における脱着部材25での中心から爪部251の外周面までの距離R1に設定されている。一方、爪開放部243における円筒部241の中心からの内壁面までの距離は、爪保持部242よりも長く、自然状態における脱着部材25での中心から押し付け部253の外周面までの距離R2に設定されている。
【0071】
また、1つの爪保持部242の円筒部241の周方向での長さは、1つの爪部251の周方向での長さと同じであり、1つの爪開放部243の円筒部241の周方向での長さは、2つの爪部の周方向での長さ以上となっている。なお、1つの爪保持部242の円筒部241の周方向での長さは、1つの爪部251の周方向での長さよりも短くても良い。
【0072】
このような構成のコネクタカバー24を回動させて位置を変えることで、接続部材176を本体部21に挿入できる自然状態と、爪部251と接続部材176との係合が外れたリリース状態と、爪部251と接続部材176との係合が維持されたロック状態とを切り替えることができる。
【0073】
ここで、図6に自然状態におけるコネクタ20の縦断面図を示し、図7に図6中のVII−VII線断面図を示す。また、図8にリリース状態におけるコネクタ20の縦断面図を示し、図9に図8中のIX−IX線断面図を示す。なお、図4、5がロック状態を示している。
【0074】
接続部材176を本体部21に挿入する場合、図6、7に示すように、コネクタカバー24は、自然状態の位置、すなわち、爪開放部243が爪部251および押し付け部253の両方に対向するとともに、爪保持部242が爪部251および押し付け部253の両方に対向しない位置とされる。これにより、脱着部材25は、爪部251の径方向外側への移動が制限されていないとともに押し付け部253を中心側に押す外力が作用していない自然状態となる。
【0075】
このため、接続部材176を本体部21に挿入すると、接続部材176の保持リブ176bで爪部251を径方向外側に押し広げることができ、接続部材176を本体部21に装着することができる。
【0076】
また、接続部材176が本体部21に装着された状態では、図4、5に示すように、コネクタカバー24は、ロック位置、すなわち、爪開放部243が押し付け部253に対向するとともに、爪保持部242が爪部251に対向する位置とされる。このロック位置は、図7に示す自然状態の位置から図7中のA1方向に45度、コネクタカバー24を回動させた位置である。
【0077】
これにより、爪部251の径方向外側が爪保持部242によって覆われるので、爪部251の径方向外側への広がりが制限されて、爪部251と接続部材176との係合が維持されたロック状態となる。
【0078】
また、接続部材176を本体部21から脱離させる場合、図8、9に示すように、コネクタカバー24は、リリース位置、すなわち、爪保持部242が押し付け部253に対向するとともに、爪開放部243が爪部251に対向する位置とされる。このリリース位置は、図7に示す自然状態の位置から図7中のA2方向に45度、コネクタカバー24を回動させた位置である。
【0079】
これにより、爪保持部242が押し付け部253を径方向内側に押すことで、爪部251が径方向外側に移動し、爪部251と接続部材176との係合が外れた状態となる。このため、接続部材176を本体部21から脱離させることができる。
【0080】
また、図3、4に示すように、コネクタカバー24の挿入穴213aの入口側の反対側の端部、すなわち、コネクタカバー24の上端部には、コネクタカバー24を回動させるときに、直接操作される回動用鍔部244が設けられている。
【0081】
また、コネクタカバー24のロック位置とリリース位置との位置決めは、図3に示すように、コネクタカバー24が回動するときに、第2接続部212と干渉しないように設けられた開口部245の端部245aの位置で行われるようになっている。
【0082】
次に、上記構成におけるコネクタ20の組み立て手順、このコネクタ20を用いたインジェクタ17と低圧燃料配管18との接続手順およびコネクタ20とインジェクタ17との脱離手順とを説明する。
【0083】
まず、コネクタ20の組み立てでは、図6に示すように、本体部21の挿入穴213aにOリング22を挿入した後に、挿入穴213aにOリング保持部材23を挿入し、Oリング保持部材23の突起部231を挿入穴213aの凹部211aに係合させることによってOリング保持部材23を本体部21に固定する。
【0084】
続いて、本体部21の挿入穴213aの入口開口部211cから脱着部材25を挿入して、脱着部材25を本体部21に装着する。このとき、脱着部材25の爪部251および押し付け部253が本体部21の側面に形成されている開口部211bから露出する位置とする。
【0085】
その後、コネクタカバー24を本体部21に被せることで、コネクタ20の組み立てが完了する。なお、コネクタカバー24には、コネクタカバー24を本体部21に被せるときにコネクタカバー24が第2接続部212と干渉しないように、図示しない開口部が設けられている。
【0086】
そして、インジェクタ17と低圧燃料配管18との接続では、図6に示すように、本体部21の第2接続部212を低圧燃料配管18の端部に差し込んで、コネクタ20と低圧燃料配管18とを接続する。
【0087】
また、コネクタカバー24を図7に示す自然状態の位置として、本体部21の挿入穴213aにインジェクタ17の接続部材176を挿入する。
【0088】
このとき、図7に示すように、脱着部材25の爪部251の突出部251bが、接続部材176の保持リブ176bと干渉する位置関係にある。しかしながら、爪部251がコネクタカバー24の爪開放部243と対向しているので、この爪部251が接続部材176の保持リブ176bによって押し広げられることで、挿入穴213aへの接続部材176の挿入が可能となる。
【0089】
そして、図4に示すように、挿入穴213aの奥に突き当たるまで接続部材176を挿入すると、爪部251の突起部251bが接続部材176の保持リブ176bの下方面176cに係合した状態となる。
【0090】
その後、コネクタカバー24の上端部に位置する回動用鍔部244に手を当て、コネクタカバー24を図7中の矢印A1方向に45度回動させることで、コネクタカバー24を自然状態の位置から図5に示すロック位置に変更する。これにより、コネクタカバー24の爪保持部243が爪部251を直接覆い、爪部251の径方向外側への移動が制限される。このため、接続部材176をコネクタ20から抜こうとしても、爪部251の突出部251bが接続部材176と係合した状態が維持されるので、接続部材176がコネクタ20から抜けない状態となる。
【0091】
以上により、インジェクタ17と低圧燃料配管18との接続が完了する。このようにして、インジェクタ17と低圧燃料配管18とが接続されることで、インジェクタ17の燃料流出口17cから流出した低圧燃料は、接続部材176内の燃料流路176aおよびコネクタ20内の貫通孔213を経由して、低圧燃料配管18へと流れることとなる。
【0092】
また、インジェクタ17とコネクタ20とを脱離させるときでは、コネクタカバー24の上端部に位置する回動用鍔部244に手を当て、コネクタカバー24を自然状態の位置から図5のロック位置に変更するときの回動方向とは逆の方向にコネクタカバー24を90度回動させることで、コネクタカバー24の位置を図5のロック位置から図9に示すリリース位置に変更する。
【0093】
これにより、図9に示すように、コネクタカバー24の爪保持部242が脱着部材25の押し付け部253を押すことで、爪部251が径方向外側に移動して、図8に示すように、爪部251の突出部251bと接続部材176の保持リブ176bとの係合が外れた状態にすることができる。
【0094】
したがって、この状態で、コネクタ20とインジェクタ17の接続部材176とが離れる方向に両者を相対的に移動させることで、接続部材176をコネクタ20から脱離させることができる。
【0095】
このように、本実施形態のコネクタ20では、コネクタ20と接続部材176とを脱離させるとき、コネクタカバー24の上端部に位置する回動用鍔部244を回して、コネクタカバー24の位置をリリース位置とすることで、コネクタカバー24の爪保持部242によって脱着部材25の押し付け部253を押し付けるようになっている。
【0096】
このため、本実施形態のコネクタ20によれば、インジェクタ17から離れた位置でコネクタ20と接続部材176との脱離操作ができるので、インジェクタ17の近くでの操作がしづらい場合や、コネクタ下部の周囲が装置等で密集してコネクタ下部に手が届かない場合であっても、コネクタ20と接続部材176とを脱離させることができる。
【0097】
よって、本実施形態のコネクタ20は、コネクタの接続相手の近くで脱離操作をしなければならない上記した従来のコネクタと比較して、脱離操作が容易となっている。
【0098】
ところで、上記した従来のコネクタでは、コネクタカバーを有していなかったので、接続部材とコネクタとが接続された状態で、脱着部材の押し付け部に何かが当たって押し付け部が押し付けられると、誤ってコネクタと接続部材とが脱離してしまうという問題があった。
【0099】
これに対して、本実施形態のコネクタ20は、コネクタカバー24を有しており、脱着部材25の爪部251と押し付け部253を全て覆っているので、接続部材176とコネクタ20とが接続された状態で、誤ってコネクタ20と接続部材176とが脱離してしまうことを防止できる。
【0100】
(第2実施形態)
図10に、本実施形態におけるコネクタ20の縦断面図を示す。図10は、図6に対応している。
【0101】
本実施形態のコネクタ20は、図1に示す4つのコネクタ20のうち最も右側に図示されているように、低圧燃料配管18が1本のみ接続されるタイプである。具体的には、このコネクタ20では、低圧燃料配管18に接続される第2接続部212が、第1接続部212と同じ方向に延びて形成されており、本体部21が全体としてI字形状となっている。その他の構成は、第1実施形態のコネクタ20と同じである。
【0102】
なお、第1実施形態で説明したコネクタ20に対して、2本の第2接続部212のうちの一方を省略しても良い。この場合、コネクタ20の本体部21は、全体としてL字状の形状を有することとなる。
【0103】
(他の実施形態)
(1)上述の実施形態では、コネクタカバー24の爪開放部243を、円筒部241の壁の内周面に凹部243aを設けて、壁の肉厚を爪保持部243よりも薄くした薄肉部分によって構成していたが、円筒部241の壁に設けた開口部によって爪開放部243を構成しても良い。この場合、コネクタカバー24は、例えば、本体部21の脱着部材25に対応する部分において、爪保持部242以外は周方向で壁が存在していない形状となる。
【0104】
なお、この場合、コネクタカバー24がロック位置のとき、脱着部材25の押し付け部253がコネクタカバー24から露出する。しかし、第1実施形態と同様に、コネクタカバー24がロック位置のとき、コネクタカバー24の爪保持部241が脱着部材25の爪部251を覆って、爪部251の外側への移動を制限しているので脱着部材25の押し付け部253に何かが当たって押し付け部253が押し付けられることで、誤ってコネクタ20と接続部材176とが脱離してしまうことを防止できる。
【0105】
(2)上述の実施形態では、コネクタカバー24は、本体部21の第1接続部211のX方向全域を覆う形状であり、コネクタカバー24の上端部に回動用鍔部244が設けられていたが、脱着部材25から離れた位置で、コネクタカバー24の回動操作ができれば、必ずしも、コネクタカバー24は本体部21のX方向全域を覆っていなくても良い。
【0106】
すなわち、コネクタカバー24は、脱着部材25および脱着部材25から離れた側を覆う形状であれば良く、コネクタカバー24のうち脱着部材25から離れた部位に回動用鍔部が形成されていればよい。なお、回動用鍔部244を省略して、コネクタカバー24の脱着部材25から離れた部位を直接回動させても良い。
【0107】
(3)上述の実施形態では、脱着部材25が有する爪部251の数が2つであったが、爪部251の数を1つや3つ以上に変更しても良い。
【0108】
爪部251の数を1つにする場合では、例えば、第1実施形態の脱着部材25に対して、爪部251を1つ省略すればよい。
【0109】
また、爪部251の数を3つにする場合では、第1実施形態の脱着部材25に対して爪部251と押し付け部253とを1つずつ追加し、爪部251と押し付け部253とを本体部21の円周方向に交互に配置し、円周方向で隣り合う爪部251と押し付け部253とを、平板状の連結板252によって連結する。このとき、押し付け部253に連なる2つの連結板252が所定の角度として、爪部251と押し付け部253とが連結板252によって6角形形状につながるようにする。これにより、押し付け部253を押すことで、押し付け部253に連なる2つの連結板252がなす角度が大きくなり、爪部251が外側に移動させることができる。
【0110】
なお、接続部材176を挟むように複数の爪部251を設けた方が、接続部材176を強固に保持できるので、爪部251の数は複数であることが好ましい。
【0111】
(4)上述の各実施形態では、低圧燃料配管18と第2接続部212との接続を、低圧燃料配管18の端部に第2接続部212を差し込むことで行っているが、接続部材176と第1接続部211との接続と同様に、低圧燃料配管18の端部を第2接続部212に挿入することによって低圧燃料配管18と第2接続部212とを接続するようにしても良い。
【0112】
(5)上述の各実施形態では、燃料噴射装置のインジェクタと低圧燃料配管との接続部に本発明のコネクタを適用したが、これに限定されることなく、種々の流体配管の接続部に本発明のコネクタを適用することが可能である。
【0113】
(6)上述の各実施形態を実施可能な範囲で組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0114】
176 インジェクタ側の接続部材
18 低圧燃料配管
21 本体部
211 第1接続部
213a 接続部材の挿入穴
24 コネクタカバー
242 爪保持部
243 爪開放部
25 脱着部材
251 爪部
252 連結板
253 押し付け部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流れる接続部材(176)と前記流体が流れる配管部材(18)とを接続するコネクタにおいて、
前記接続部材(176)が挿入される円柱状の挿入穴(213a)を有する本体部(21)と、
前記本体部(21)のうち前記挿入穴(213a)の入口側に設置された脱着部材(25)と、
前記本体部(21)のうち前記脱着部材(25)が設置された部分を覆うコネクタカバー(24)とを備え、
前記脱着部材(25)は、前記挿入穴(213a)に挿入された前記接続部材(173)と係合する爪部(251)と、前記爪部(251)に連結板(252)を介して連結された押し付け部(253)とを有し、前記押し付け部(253)を押し付けると、前記連結板(252)の弾性変形により、前記爪部(251)が外側に移動するように構成され、
前記押し付け部(253)は、前記脱着部材(25)が自然状態のとき、前記本体部(21)の側面に形成された開口部(211b)から前記本体部(21)よりも外側に突出しており、
前記コネクタカバー(24)は、前記本体部(21)のうち前記脱着部材(25)から前記脱着部材(25)に対して前記挿入穴入口側の反対側に離れた部位を覆うとともに、前記挿入穴(213a)の中心位置を回動中心として前記本体部(21)の外周を回動可能となっており、
前記コネクタカバー(24)は、前記脱着部材(25)と対向する部位にて、前記爪部(251)の前記接続部材(176)との係合を保持する爪保持部(242)と、前記爪部(251)の前記接続部材(176)との係合を開放する爪開放部(243)とが、前記コネクタカバー(24)の回動方向に並んで設けられており、
前記コネクタカバー(24)の回動位置を、前記爪開放部(243)が前記押し付け部(253)に対向するとともに、前記爪保持部(242)が前記爪部(251)に対向するロック位置とすることで、前記コネクタカバー(24)が前記押し付け部(253)を押し付けていない状態とするとともに、前記爪保持部(242)によって前記爪部(251)の外側への移動を制限して、前記爪部(251)の前記接続部材(176)との係合を保持し、
前記コネクタカバー(24)の回動位置を、前記爪保持部(242)が押し付け部(253)に対向するとともに、前記爪開放部(243)が前記爪部(251)に対向するリリース位置とすることで、前記爪保持部(242)によって前記押し付け部(253)を押し付けて、前記爪部(251)を外側へ移動させることで、前記爪部(251)の前記接続部材(176)との係合を開放するようになっていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記脱着部材(25)は、前記爪部(251)が2つ互いに対向して配置されるとともに、前記押し付け部(253)が前記爪部(251)に対して前記回動方向に90度ずれた位置に2つ配置されており、
2つの前記爪部(251)と2つの前記押し付け部(253)とが、前記連結板(252)によって、四角形状につながっていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記コネクタカバー(24)は筒部(241)を有し、
前記爪保持部(242)は、前記筒部(241)をなす壁によって構成され、
前記爪開放部(243)は、前記筒部(241)をなす前記壁の内周面に形成された凹部(243a)によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−236640(P2010−236640A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85940(P2009−85940)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】