説明

コルチシノイド化合物のバイオトランスフォーメーション

本発明は、コルチシノイド化合物の3−O−グリコシル誘導体の製造のための、選択された微生物株によるバイオトランスフォーメーション方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コルチシノイド化合物の3−O−グリコシル誘導体を製造するための、選択された微生物株により実施されるバイオトランスフォーメーション方法に関する。
【0002】
特に、本発明の方法は、コルチシン、チオコルチシン、又はそれらの誘導体から出発した、芳香環AのC−3位でのみグリコシル化されたコルチシノイド化合物を提供する。生成物を高い生産性及び純度にて得られる本方法は、脱メチル化コルチシン中間体により決定されるグリコシル化酵素の早期の活性化に基づくものである。本発明の方法は、窒素源、炭素源、及び変換されるべき基質を、分割して供給することを含む、多数回供給バッチ発酵方法から構成されることが好ましい。
【0003】
ベンゼン環のC−3位がグリコシル化されたコルチシノイド化合物は、その高い有効性の観点から、また新しい医薬品を製造するための中間体として、注目すべき薬理学的重要性を有する。
【0004】
特に、チオコルチコシド(3−O−グリコシルチオコルチシン)は、薬学分野、主に筋肉骨格系の疾患の治療において、並びに新規な抗腫瘍剤、免疫抑制剤、抗乾癬剤及び抗炎症剤の製造のための出発物質として、魅力的な、興味深い活性成分である。
【0005】
WO98/15642には、初期濃度が1g/l以下の、例えばコルチシン、チオコルチシン及びそれらの誘導体のようなコルチシノイド化合物から出発した、コルチシノイドのグリコシル誘導体を高い変換収率(90%以下)で製造する方法が開示されている。この方法は、コルチシノイドの芳香環に結合したC−3メトキシ基の予備的な位置選択的脱メチル化の工程と、続く脱メチル誘導体の同一の分子位置でのグリコシル化に基づいている。
【0006】
本発明の方法は、以前の方法と同じく高い変換収率を維持しながら、基質総量を相当増大させて変換することが可能であり、したがってバッチ当たり1リットル当たりに得られる生成物の総量として表される総生産性と、バイオトランスフォーメーション工程中の一単位時間(即ち、1時間)当たり1リットル当たりに得られる生成物の量として表される比生産性との両方を改善する。
【0007】
本発明の方法は、特定の酵素の誘導に基づいた、グリコシル化工程の活性化のメカニズムにより特徴付けられる。実際、驚くべきことに、グリコシル化工程に関与する酵素は、例えば3−O−デメチルコルチシン(DMC)又は3−O−デメチルチオコルチシン(DMTC)等の脱メチル化コルチシノイドによって効率的に誘導されることが見出された。少量(200〜600mg/l)の3−デメチル誘導体をバイオトランスフォーメーション工程の早期の段階で、即ち好ましくは予備的な種培養に添加することは、グリコシル化系の早期の活性化に有用である。このような条件下で、脱メチル化酵素により段階的に放出される脱メチル化中間体は、最終的なグリコシル誘導体へと効率的に変換されることができ、バイオトランスフォーメーションは、発酵の最初の15〜18時間にて非常に迅速に進行し得る。さらに、中間体は有意に蓄積せず、このことは脱メチル化活性と高い変換率とが阻害されないことを意味する。バイオトランスフォーメーションは、18〜21時間後に完了し、したがって周知の方法(26〜28時間)と比較して相当速い。変換収率は依然として非常に高く、80〜100%、通常約90〜95%であるが、変換された全基質、及び結果として最終生成物が相当増加する。
【0008】
したがって、本発明は、式(I)
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Rは、O−グリコシド残基であり、Rは、水素又はC〜Cアシルであり、Rは、C〜Cアルコキシ又はC〜Cチオアルキルである)
の3−O−グリコシルコルチシノイド化合物の製造方法であって、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)を用いて、RがOH又はメトキシである化合物をバイオトランスフォーメーションすることを含み、脱メチル化コルチシノイドを使用してグリコシル化酵素系の誘導することを特徴とする方法を提供する。
【0011】
は、O−グルコシド残基であることが好ましい。
【0012】
本発明の方法の好ましい実施態様は、基質をペプトン及びブドウ糖等の窒素源及び炭素源と組み合わせて、多数回、分割して供給することからなる。この条件は、微生物培地の安定した増殖率を保証することにより、未変換基質の相当の蓄積による変換効率の損失、及びバクテリア培地上の毒性作用の危険性を全く有することなく、発酵バッチに添加される全基質を関連して増加させ(1g/lではなく2〜4g/l)、ひいては工程の生産性を向上させる(一バッチ当たりのグリコシル化生成物が、1〜1.2g/lではなく2.5〜5.2g/l以下)。
【0013】
本発明はまた、培地の高い生存率及び制限された細胞溶解をもたらす工程時間の短縮、並びに細胞デブリ形成の減少と、下流での処理及び生成物回収における相当の利点の観点から有利である。この利点は、コルチシノイド化合物の選択的吸収と、発酵ブロスからの生成物の効率的な回収に有用なXAD1180(Rohm&Haas)又はHP21(三菱)等の吸収樹脂の使用によって更に改善され得る。
【0014】
更なる利点は、生成物を含有する最終発酵ブロスの主部分(75%〜90%)を回収し、生物反応器内の該ブロスの残留部分に新しい発酵培養液を添加して、新しいバッチを開始することによる半連続工程の可能性である。この方法は、反復発酵工程に拡張でき、総生産性が比例して向上し得る。
【0015】
また、卓越した生産収率に加えて、触媒の一定の位置選択性は、得られる生成物の高品質を保証し、単純な下流処理により99%以上の純度を得ることができ、精製及び生成物回収工程の回数が低下し得る。この局面は、溶媒制限と該工程の高い環境適合性との観点から、更なる利点を示唆するものである。
【0016】
本発明に使用可能なバチルス・メガテリウム微生物は、参照のため本明細書に組み込まれるWO98/15642に記載されているものと同一である。
【0017】
これらは、有機窒素源(ペプトン、酵母エキス、肉エキス、アスパラギン等)、炭素源(グリセリン、澱粉、麦芽糖、ブドウ糖等)を含有する、pH5〜8、好ましくはpH6〜7の異なる寒天培養液上に選択され得る。インキュベーション温度は、20〜45℃、好ましくは28〜40℃の範囲に亘る。
【0018】
培養の保存に使用される培養液は、有機窒素源(ペプトン、酵母エキス、トリプトン、肉エキス等)、炭素源(ブドウ糖、麦芽糖、グリセリン等)を含有する、pH5〜8、好ましくはpH6〜7の一般的な微生物学的基質である。インキュベーション温度は、20〜45℃、好ましくは28〜40℃の範囲に亘る。
【0019】
選択された微生物は、本発明に記載するように添加されたコルチシノイド化合物の存在下における、液内培養での増殖能力と、後の化合物を対応する3−グリコシル誘導体に変換する能力についてアッセイされ得る。
【0020】
上記アッセイは、一種又は二種以上の有機窒素源(酵母エキス、ペプトン、トリプトン、カゼイン加水分解物、肉エキス、コーンスティープリカー(corn-step liquor)等)、一種又は二種以上の炭素源(ブドウ糖、グリセロール、澱粉、ショ糖等)、無機リン及び窒素源、並びに様々なイオン(K、Na、Mg++、Ca++、Fe++、Mn++等)の無機塩を含有する、異なる処方の液体培地20m/lを収容した100m/lフラスコ内で実施される。
【0021】
培養サンプルを、場合により従来の突然変異誘発法(UV線の照射等)を用いて変異属性処理に付し、上記と同一の方法で評価可能な特定のバイオトランスフォーメーション活性を有する突然変異体を誘導してもよい。
【0022】
炭素源及び窒素源と共に、一部分ずつ繰り返し培養ブロスに添加されたコルチシノイド基質を、対応する3−グリコシル誘導体へ変換する選択されたバクテリアの能力は、一種又は二種以上の有機窒素源(酵母エキス、ペプトン、トリプトン、カゼイン加水分解物、肉エキス、コーンスティープリカー等)、一種又は二種以上の炭素源(ブドウ糖、グリセロール、澱粉、ショ糖等)、無機リン及び窒素源、並びに様々なイオン(K、Na、Mg++、Ca++、Fe++、Mn++、NH等)の無機塩を含有する、異なる処方の培地を収容した300m/l目盛りのフラスコ内におけるバイオトランスフォーメーションアッセイにより確認されている。
【0023】
バクテリアの増殖及びバイオトランスフォーメーションは、一種又は二種以上の有機窒素源、好ましくは肉エキス、ペプトン、トリプトン、カゼイン加水分解物、コーンスティープリカー等により支持される。増殖及びバイオトランスフォーメーションに有用な炭素源は、ブドウ糖、果糖、ショ糖、グリセロール、麦芽エキス等であり、好ましくはブドウ糖、果糖及びグリセロールである。培地は、更に無機リン源、及びK、Na、Mg++、Mn++、NH等の塩を含有する。
【0024】
インプロセス(in process)供給に有用な炭素源は、ブドウ糖及び果糖が好ましい。インプロセス供給のための窒素源は、ペプトン、カゼイン加水分解物、トリプトンのような有機源、若しくは硫酸アンモニウムのような無機源、又はその両方の組み合わせが好ましい。
【0025】
予備的な実験により、バイオトランスフォーメーション工程の前に、生産培地処方物と同様の培地処方物を含有する液内種培養を導入することによって、バイオトランスフォーメーションの初期にて非常に均質な、高い活性を有する微生物集団が得られることが示されている。
【0026】
例えば基質添加の量、時間及び形態、供給比、インキュベーション時間、接種比等の異なる発酵パラメータを用いて、さらなる実験が実施されている。
【0027】
バイオトランスフォーメーションの初期に、又はより良好には予備的な種培養の間に、脱メチル化コルチシノイドを誘導物質として早期に添加することにより、変換効率及び該工程の総生産性が相当向上し得る。
【0028】
更なる向上は、工程中、変換されるべき基質をより多くの分画に変換し、炭素源及び窒素源と共に供給することにより達成し得る。
【0029】
したがって、上述したパラメータを組み合わせた典型的な手順は、以下の計画に基づき得る。
【0030】
3−O−デメチルコルチシノイド(200〜600mg/l、好ましくは300〜500mg/l)を種培養中に予備的に添加し、
バイオトランスフォーメーションの最初の14〜18時間、好ましくは15〜16時間において、変換されるべきコルチシノイド基質のアリコート(300〜800mg/l、好ましくは500〜600mg/l)を、開始時及び1〜3時間毎、好ましくは1.5〜2.5時間毎に添加し、
各基質供給時に、以下の原料:
a)最終濃度が2〜4g/l、好ましくは2.5〜3.5g/lのペプトン、トリプトン、又はカゼイン加水分解物(硫酸アンモニウム1〜3m/l、好ましくは1.5〜2.5g/lも組み合わせて)、
b)最終濃度が5〜15g/l、好ましくは8〜12g/lのブドウ糖又は果糖
を含有する溶液を添加する。
【0031】
総発酵時間が20時間であることを考慮すれば、最初の基質濃度は500g/l、インプロセス供給の間隔は2時間、及び供給する工程は合計7回(最終の基質添加が、発酵から14時間目)であり、基質総量4g/l(WO98/15642に記載されている1g/lではなく)が培地に添加されるであろう。
【0032】
バイオトランスフォーメーションは、25〜35℃、好ましくは28〜32℃にて、pH4〜8、好ましくはpH5〜7でロータリーシェーカー上の撹拌しているフラスコ内で実施され得る。
【0033】
本発明のバイオトランスフォーメーションは、特に培地、温度、及び処理時間に関する限り、培養の条件を変更せずに発酵槽レベルまでスケールアップすることができる。良好な増殖を得るためには、十分なレベルの撹拌−エアレーションが重要であり、特に培地1リットルにつき1分間で空気1〜2リットル(vvm)、好ましくは1.4〜1.8vvmのエアレーションレベルが要求される。このような条件下では、工程は非常に速く、20〜21時間後にはバイオトランスフォーメーションが完了する。
【0034】
生成物は細胞外にあり、遠心分離及び上澄み液の回収、又は精密濾過及び濾過物の回収により液体部分からバイオマスを分離した後、培養ブロスから生成物を抽出し得る。生成物の最適な回収を考慮して、培地はアルコールで処理され得る。
【0035】
精製は、WO98/154621に記載されているように、クロマトグラフィー技術、アルコール及び脂溶性有機溶媒による液−液抽出、並びに結晶化により実施され得る。
【0036】
以下の実施例において、本発明を更に詳細に開示する。
【0037】
実施例1
バチルス・メガテリウムの冷凍培地のアリコートを使用して、3−O−デメチルチオコルチシチンを添加して最終濃度0.4g/lとした培養液SF2(表)250m/lを収容する1000m/lの三角フラスコ内に、種培養(即ち、前培養)を播種した。上記培地をロータリーシェーカー上で、30℃にて250rpmで一夜インキュベーションした。インキュベーション後、前培養500m/lを、チオコルチシンを添加して最終濃度0.5g/lとした新鮮な培養液SF2(表1参照)9.5lを収容する14lの発酵槽内に滅菌下で移した。撹拌−エアレーションの適切なレベルを保持して(撹拌は900rpm以下、培地の増殖に応じてエアレーション1〜1.8vvm)、発酵を30℃で行った。発酵の最初の14時間の間、2時間毎にチオコルチシン(最終濃度0.5g/l)、ペプトン(2g/l)、硫酸アンモニウム(2g/l)及びブドウ糖(10g/l)を培養に添加した。各添加前(即ち、2時間毎)に、培養ブロスからのサンプルを採取して、以下の分析を行った。
600nmにおける光学密度(OD)としての増殖レベル、
LB寒天培地上の株の無菌性及び純度、
顕微鏡形態(Gram株)、
TLC及びHPLCによるチオコルチコシド含有量の分析。
【0038】
TLC分析はシリカゲル上で、アセトン:酢酸エチル:水5:4:1の溶離液系を用いて行った。HPLC分析のために、培養ブロスの1m/l部分にメタノール9m/lを加え、13,000rpmで2分間遠心分離した。上澄み液中のチオコルチコシドの含有量を、水:アセトニトリル80:20溶離液系を用いた定組成溶離による逆相HPLCにより分析した。HPLC分析により、チオコルシチンのチオコルチコシドへの変換は非常に早期に開始され、20時間後にはほぼ完了することが証明された。チオコルチシンの総量4g/lがチオコルチコシド5.2g/lに変換され、グリコシル化コルチシノイドの変換収率は96%、比生産性は0.26g/l時間であった。
【0039】
実施例2
HPLC分析による測定でチオコルチコシド約52gを含有していた発酵の最終培養ブロス(総体積:約10l)を、0.22μmのセラミックカートリッジ上でクロスフロー精密濾過して、ブロスから細胞を分離した。XAD1180(Rohm and Haas)吸収樹脂で充填したカラム上に、浸透液を吸収させた。水で洗浄した後、生成物をメタノールで溶出した。メタノール溶出物を真空下で濃縮させ乾燥した後、メタノールに再溶解した。塩化メチレンで抽出した後、アルコール画分を濃縮させ乾燥し、エタノール−塩化メチレンの1:1混合物に再溶解した。シリカゲルによる清澄化後、溶液を真空下で濃縮し、次いで塩化メチレンをエタノールと交換した。得られた懸濁液を濃縮し、放置して結晶化させた。固体をエタノール−クロロホルム混合物中に更に再溶解して、シリカゲル上で清澄化する工程の後、エタノールによる第二の結晶化を行った。精製後、総量49.9gの生成物が得られ、精製収率は96%、純度は99.5%であった。
【0040】
得られた生成物は、HPLC、C−NMR、H−NMR及び質量スペクトルによる分析で、チオコルチコシド標準と同一であることが判明した。
【0041】
比較例3
発酵の開始時に、最終濃度4g/lのチオコルチシン全部を一回で添加して、実施例1に記載した手順を繰り返した。その結果、増殖は非常に乏しく、インキュベーションの数時間後に事実上停止した。顕微鏡分析により、明らかな細胞溶解を検出した。TLC及びHPLC分析では、有意なバイオトランスフォーメーションは全く示されなかった。
【0042】
比較例4
予備的な種培養中に3−O−デメチルチオコルチシンを全く添加せずに、実施例1に記載した手順を繰り返した(酵素誘導なし)。バイオトランスフォーメーションは、実施例1と比較してより遅く、28時間後に停止し、チオコルチコシドの最終変換収率は61%、総生産性は3.3g/l、比生産性は0.118g/l時間であった。
【0043】
比較例5(WO98/15462に対応)
発酵の開始時に、最終濃度1g/lのチオコルチシン全部を一回で添加して、WO98/15462に記載されている発酵培地STを使用して、実施例4に記載した手順を繰り返した。バイオトランスフォーメーションは、実施例1と比較してより遅く、28時間後に停止し、チオコルチコシドの最終変換収率は90%、総生産性は1.22g/l、比生産性は0.044g/l時間であった。
【0044】
以下の表に、総生産性、比生産性、及びチオコルチシンのチオコルチコシドへの変換収率に関する本発明(A)とWO098/15642(B)との比較を示す。
【0045】
【表1】

【0046】
表1
培地の処方
1)LB寒天培地(滅菌:121℃×20’)−pH7
トリプトン 10g/l
酵母エキス 5g/l
NaCl 10g/l
寒天(Agar Agar) 15g/l
2)ブロスSF2(滅菌:121℃×20’)−pH7
ブドウ糖 40g/l
ペプトン 20g/l
酵母エキス 5g/l
NaCl 3g/l
(NHSO 3g/l
HPO 8g/l
KHPO 3g/l
MgSO.7HO 0.5g/l

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


(式中、Rは、O−グリコシド残基であり、Rは、水素又はC〜Cアシルであり、Rは、C〜Cアルコキシ又はC〜Cチオアルキルである)
の3−O−グリコシルコルチシノイド化合物の製造方法であって、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)を用いて、RがOH又はメトキシである化合物をバイオトランスフォーメーションすることを含み、脱メチル化コルチシノイドを使用して、グリコシル化酵素系を誘導することを特徴とする方法。
【請求項2】
脱メチル化コルチシノイドが、3−O−デメチルコルチシン(DMC)及び3−O−デメチルチオコルチシン(DMTC)から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
脱メチル化コルチシノイドが、予備的な種培養中に添加される、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
脱メチル化コルチシノイドが、200〜600mg/lの範囲の量で添加される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
基質を窒素源及び炭素源と組み合わせて、多数回に分割して供給することを含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
窒素源及び炭素源が、各々、ペプトン及びブドウ糖から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
発酵バッチに添加される基質全体が、2〜4g/lである、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
生成物の回収が、吸収樹脂を用いて行われる、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
生成物を含有する最終発酵ブロスの主部分(75%〜90%)を回収し、新しい発酵培養液を生物反応器内の該ブロスの残留部分に添加し、新しいバッチを開始することによって、半連続工程にて実施される、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
3−O−デメチルコルチシノイドを種培養中に予備的に添加する工程と、
バイオトランスフォーメーションの最初の14〜18時間において、変換されるべきコルチシノイド基質のアリコート200〜600mg/lを、開始時及び1〜3時間毎に添加する工程と、
各基質供給時に、以下の原料
a)最終濃度が2〜4g/lのペプトン、トリプトン、又はカゼイン加水分解物と、硫酸アンモニウム1〜3g/lとの組み合わせ、
b)最終濃度が5〜15g/lのブドウ糖又は果糖、
を含有する溶液を添加する工程と、
を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
バイオトランスフォーメーションが、25〜35℃にてpH4〜8で実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
培地1lにつき、1分間で空気1〜2リットル(vvm)のエアレーションレベルが使用される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。

【公表番号】特表2007−536916(P2007−536916A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511873(P2007−511873)
【出願日】平成16年5月12日(2004.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005074
【国際公開番号】WO2005/108595
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(397068654)インデナ・ソチエタ・ペル・アチオニ (20)
【Fターム(参考)】