説明

コンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材

【課題】一体構造として容易に成形することができ、コンクリート構造体への大きな固定強度を確保することができるコンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材を提供すること。
【解決手段】相対向するコンクリート構造体1,1の接続部端面11内側に切り欠き部12aを形成して止水用シール材20を装着する装着溝12を形成し、この装着溝12に装着する可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材20を、装着溝12の側面に外側面が押圧される一対の中空部を有する側面押圧部21と、これら一対の側面押圧部を連結して装着溝12の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ中空部を有する開口閉塞部22とを略V字状に連結して構成する。
これにより、一対の側面押圧部21,21のV字状の先端側の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて装着溝12に装着することで、中空部とともに大きな固定強度を確保でき、しかも止水用シール材20を一体に成形できるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材に関し、コンクリート製二次製品であるコンクリート函体などを用いて水路などを構築する場合の接続部の変位の吸収および止水を行なうもので、特にコンクリート函体を接続して農業用水路などを構築する場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造体のひとつとして、例えば図3に示すように、コンクリート製二次製品であるコンクリート函体を用いて水路を構築する場合があり、横断面形状が略U字状のコンクリート函体1,1の端面同士を相対向させた接続部2にあっては、コンクリート函体1,1の地震時の変位並びに温度変化等に起因する伸縮等を許容するとともに、止水する必要があり、種々の止水構造やこれに用いる止水用シール材が提案されている。
【0003】
このようなコンクリート函体1,1の接続部2の止水構造に用いる止水用シール材として、例えば図4に示すように、ゴム継手3が用いられており、中央部の中空台形状の主部3aの両側に板状の連結部3bを介して固定用のアンカー部3cが一体に形成されて構成され、主部3aを接続部2の端面間の装着溝1aに位置させ、アンカー部3cを固定用溝1bに入れて硬質樹脂製のくさび4で固定するようにしている。
【0004】
また、特許文献1に開示された止水用シール材5では、図5に示すように、コンクリート函体1,1の接続部2の装着溝1aに装着する本体5aの両側に切り欠き部5bを形成することで押圧片5cを形成するとともに、装着溝1aの開口側にジッパー溝5dを形成し、このジッパー溝5dに別に形成したジッパー5eを係合することで本体5aを押し広げて押圧できるようにしている。
【0005】
さらに、特許文献2では、一体成形された漏水防止用シール材を装着溝に装着することでシールするようにしている。
【特許文献1】特開2002−194332号公報
【特許文献2】特開2005−282180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンクリート函体1,1の接続部2の止水用のゴム継手3では、コンクリート函体1、1に変位が生じると、ゴム自体の変位反力が大きく、これがアンカー部3cに作用するため固定強度が不足してしまう場合がある。
【0007】
また、止水用シール材5では、本体5aにジッパー溝5dを形成しておき、このジッパー溝5dより大きいジッパー5eを係合することで、押し広げることができ、大きな固定強度を確保できるものの、2部品で構成されるため成形が煩雑となるとともに、施工も煩雑になる。
【0008】
さらに、特許文献2に開示された漏水防止用シール材は、一体成形のため成形が容易にできるものの、2部品で構成した止水用シール材に比べ大きな固定強度を確保することが難しい。
【0009】
この発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであって、一体構造として容易に成形することができ、コンクリート構造体への大きな固定強度を確保することができるコンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためこの発明の請求項1記載のコンクリート構造体接続部の止水構造は、コンクリート構造体の接続部の変位の吸収と止水とを行うコンクリート構造体接続部の止水構造であって、相対向するコンクリート構造体の接続部端面内側に切り欠き部を形成して止水用シール材を装着する装着溝を形成し、この装着溝に装着される可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材を、前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ開口閉塞部とを備え、前記一対の側面押圧部を,前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結するとともに、前記一対の側面押圧部および前記開口閉塞部にそれぞれ中空部を形成してなり、この止水用シール材の一対の側面押圧部の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて前記装着溝に装着してなることを特徴とするものである。
【0011】
このコンクリート構造体接続部の止水構造によれば、相対向するコンクリート構造体の接続部端面内側に切り欠き部を形成して止水用シール材を装着する装着溝を形成し、可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材を、前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の中空部を有する側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ中空部を有する開口閉塞部とを前記一対の側面押圧部を、前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結してあり、この止水用シール材の一対の側面押圧部の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて前記装着溝に装着することで、中空部とともに大きな固定強度を確保でき、しかも止水用シール材を一体に成形できるようにしている。
【0012】
また、この発明の請求項2記載のコンクリート構造体接続部の止水構造は、請求項1記載の構成に加え、前記装着溝の内側開口部側に、狭い幅とした狭幅部を形成するとともに、この狭幅部に、前記止水用シール材の開口閉塞部を配置してなることを特徴とするものである。
【0013】
このコンクリート構造体接続部の止水構造によれば、前記装着溝の内側開口部側に、狭い幅とした狭幅部を形成するとともに、この狭幅部に、前記止水用シール材の開口閉塞部を配置しており、狭幅部で開口閉塞部の固定強度を高めると同時に、側面押圧部の抜け出しを防止して一層固定強度を高めるようにしている。
【0014】
さらに、この発明の請求項3記載のコンクリート構造体接続部の止水構造は、請求項1または2記載の構成に加え、前記装着溝と前記止水用シール材との接触面に、シーリング材または接着剤を介在させてなることを特徴とするものである。
【0015】
このコンクリート構造体接続部の止水構造によれば、前記装着溝と前記止水用シール材との接触面に、シーリング材または接着剤を介在させるようにしており、シーリング材または接着剤で一層固定強度を高め、シール性を向上するようにしている。
【0016】
また、この発明の請求項4記載のコンクリート構造体接続部の止水用シール材は、相対向するコンクリート構造体の接続部端面内側に形成した切り欠き部によって形成される装着溝に装着して接続部の変位の吸収と止水とに用いる可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材であって、前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ開口閉塞部とを備え、前記一対の側面押圧部を、前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結するとともに、前記一対の側面押圧部および前記開口閉塞部にそれぞれ中空部を形成してなることを特徴とするものである。
【0017】
このコンクリート構造体接続部の止水用シール材によれば、可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材であって、前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の中空部を有する側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ中空部を有する開口閉塞部とを備え、前記一対の側面押圧部を、前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結して形成してあり、一対の側面押圧部の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて装着溝に装着することで、中空部とともに大きな固定強度を確保でき、しかも止水用シール材を一体に成形できるようにしている。
【発明の効果】
【0018】
この発明の請求項1記載のコンクリート構造体接続部の止水構造によれば、相対向するコンクリート構造体の接続部端面内側に切り欠き部を形成して止水用シール材を装着する装着溝を形成し、可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材を、前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の中空部を有する側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ中空部を有する開口閉塞部とを前記一対の側面押圧部を、前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結したので、この止水用シール材の一対の側面押圧部の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて前記装着溝に装着することで、中空部とともに大きな固定強度を確保することができ、しかも止水用シール材を一体に成形することができる。
【0019】
また、この発明の請求項2記載のコンクリート構造体接続部の止水構造によれば、前記装着溝の内側開口部側に、狭い幅とした狭幅部を形成するとともに、この狭幅部に、前記止水用シール材の開口閉塞部を配置したので、狭幅部で開口閉塞部の固定強度を高めることができると同時に、側面押圧部の抜け出しを防止して一層固定強度を高めることができる。
【0020】
さらに、この発明の請求項3記載のコンクリート構造体接続部の止水構造によれば、前記装着溝と前記止水用シール材との接触面に、シーリング材または接着剤を介在させるようにしたので、シーリング材または接着剤で一層固定強度を高めることができるとともに、シール性を向上することができる。
【0021】
また、この発明の請求項4記載のコンクリート構造体接続部の止水用シール材によれば、可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材であって、前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の中空部を有する側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ中空部を有する開口閉塞部とを備え、前記一対の側面押圧部を、前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結して形成したので、一対の側面押圧部の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて装着溝に装着することで、中空部とともに大きな固定強度を確保することができ、しかも止水用シール材を一体に成形することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1および図2はこの発明のコンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材の一実施の形態にかかり、図1は止水用シール材の端面図および止水状態の端面図、図2は止水用シール材が取り付けられるコンクリート構造体の横断面図、B−B矢視図およびC部拡大図である。
【0023】
このコンクリート構造体接続部の止水構造10では、既に図3で説明したように、例えばコンクリート構造体のひとつであるコンクリート二次製品の横断面形状が略U字状のコンクリート函体1、1の端面同士を相対向させた目地部となる接続部2を止水用シール材20を用いて止水することで、例えば農業用水路とする場合の止水と同時に、コンクリート函体1、1の地震時などの相対変位や温度変化などに起因する伸縮を可能とするものである。
【0024】
そして、このコンクリート構造体接続部の止水構造10では、接続部2で相対向するコンクリート函体1、1の接続部端面11、11の水路となる内側に沿って止水用シール材20を装着するための切り欠き部12a、12aが形成され、相対向する2つの切り欠き部12a、12aを組み合わせることによって装着溝12が構成されるようにしてある。
【0025】
この装着溝12は、図2に示すように、コンクリート函体1の内側(水路側)の開口部側に、間隔を狭い幅とした狭幅部13が形成され、この狭幅部13の外側に連続して広い幅の装着部14が形成され、装着部14の底部は接続部2の中心に向って傾斜する傾斜面15としてある。
【0026】
このようなコンクリート構造体であるコンクリート函体1、1の接続部2に形成した装着溝12に装着する止水用シール材20は、ゴムやプラスチックなどの可撓性材料で成形され、図1に端面を示すように、装着溝12の側面(コンクリート函体1の端面11に相当)に押圧される一対の側面押圧部21,21と、これら2つの側面押圧部21、21を連結して装着溝12の内側(水路側)の開口を塞ぐ開口閉塞部22とが装着溝12の内側開口から見て(図1(a)の紙面上側から下側に見て)略V字状に配置されて一体成形されている。
【0027】
この止水用シール材20の側面押圧部21は、横断面形状が中空の略半円形とされ、円弧面となっている外側面21aが装着溝12の側面への押圧部分となる。そして、この実施の形態では、側面押圧部21の外側面21aにギザギザの凹凸部21bが形成され、装着溝12の側面(コンクリート函体1の接続部端面11)への密着性を高め止水効果を向上できるようにしてあり、装着溝12の底部側の凹凸部21bが深く長く突き出すようにしてある。
【0028】
このような側面押圧部21が一対、コンクリート函体1、1の接続部2を挟んで対称に配置され、円弧面となっている外側面21aが外側に配置され、装着溝12の幅の広い装着部14に装着される。
【0029】
一対の側面押圧部21、21を連結する開口閉塞部22は、横断面形状が中空の略矩形とされ、装着溝12の狭幅部13の幅および深さに対応する幅(側面間の距離)と高さの矩形とされて、装着溝12の内側開口を塞ぎ、この塞いだ状態で装着溝12の狭幅部13に両外側面22aが押圧されるとともに、コンクリート函体1、1の内側面と凹凸のない面一となるようにしてある。そして、この開口閉塞部22にも外側面22aにギザギザの凹凸部22bが形成され、装着溝12の狭幅部13の側面(コンクリート函体1の接続部端面11)への密着性を高め止水効果を向上できるようにしてある。
【0030】
このような側面押圧部21、21と開口閉塞部22とは、図1(a)に示すように、内側開口から見て(図1(a)の紙面上側から下側に見て)一対の側面押圧部21,21が略V字状に配置されて開口閉塞部22と一体に連結されており、側面押圧部21、21の装着溝12の底部側である傾斜面15側の端部の間隔を広くあけ、開口端側の端部を接近させて略V字状として開口閉塞部22に連結され、全体が押出成形などで一体成形される。
【0031】
これにより、一対の側面押圧部21、21の間隔が開いた部分を狭めるようにして止水用シール材20をコンクリート函体1、1の接続部2に形成した装着溝12に装着することで、これら側面押圧部21、21間に圧縮反力(狭めた状態から広がろうとする力)が生じ、装着溝12への押圧力を高めることができる。
【0032】
次ぎに、このような止水用シール材20を用いて行うコンクリート構造物接続部の止水構造10について説明する。
【0033】
このコンクリート構造物接続部の止水構造10では、コンクリート構造物であるコンクリート函体1、1の接続部2に形成した切り欠き部12aを組み合わせた装着溝12に止水用シール材20の一対の側面押圧部21、21の先端の間隔が開いた部分を狭めるようにして装着溝12の内側開口から押し込むようにし、一対の側面押圧部21、21が装着溝12の幅の広い装着部14に位置し、開口閉塞部22が装着溝12の狭幅部13に位置するとともに、開口閉塞部22の表面がコンクリート函体1、1の平坦部(コーナ部は除く)の表面と同一平面を成すようにする。
【0034】
この止水用シール材20を装着溝12に装着する際に、装着溝12の側面と止水用シール材20の外側面21a、22aとのいずれか一方または両方にシーリング材やゴム系接着剤などを充填したり、塗布するようにして止水用シール材20を固定し、止水性を確保する。このシーリング材やゴム系接着剤を止水用シール材20の凹凸部21b,22bに入り込むようにすることで、一層強固に固定し、止水効果を向上することができる。
【0035】
また、このコンクリート構造物接続部の止水構造10では、コンクリート構造物であるコンクリート函体1、1の接続部2で相対向する接続端面11,11間の止水用シール材20の外側には、コンクリート函体1、1の外部からの土砂の侵入防止用目地材16が装着してある。
【0036】
こうして止水用シール材20を装着溝12に取り付けると、止水用シール材20の側面押圧部21および開口閉塞部22に形成した中空部21c,22cによって大きな変形代を確保できるとともに、圧縮反力を確保して装着溝12に大きな押圧力で押圧することができる。
【0037】
また、1対の側面押圧部21、21をV字状に配置して、これを閉じるようにして装着溝12に装着することで、開こうとする圧縮反力が生じ、これによってさらに大きな押圧力で装着溝12の側面に押圧することができる。
【0038】
さらに、止水用シール材20が一部品で構成されることから、施工が簡単であり、しかも一体成形でき、製造も容易となる。
【0039】
また、コンクリート函体1、1の接続部2の相対向する接続端面11,11間の止水用シール材20の外側の目地材16によって、コンクリート函体1、1の外部からの土砂の侵入を防止することができ、一層止水性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明のコンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材の一実施の形態にかかる止水用シール材の端面図および止水状態の端面図である。
【図2】この発明のコンクリート構造体接続部の止水構造およびこれに用いる止水用シール材の一実施の形態に止水用シール材が取り付けられるコンクリート構造体の横断面図、B−B矢視図およびC部拡大図である。
【図3】この発明のコンクリート構造体接続部の止水構造が適用されるコンクリート構造体の一例の概略斜視図である。
【図4】従来のコンクリート構造体の継手構造の断面図である。
【図5】従来のコンクリート構造体の継手構造の断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1、1 コンクリート函体(コンクリート構造体)
2 接続部
10 コンクリート構造体接続部の止水構造
11 接続部端面
12 装着溝
12a 切り欠き部
13 狭幅部
14 装着部
15 傾斜面
16 目地材
20 止水用シール材
21 側面押圧部
21a 外側面
21b 凹凸部
21c 中空部
22 開口閉塞部
22a 外側面
22b 凹凸部
22c 中空部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート構造体の接続部の変位の吸収と止水とを行うコンクリート構造体接続部の止水構造であって、
相対向するコンクリート構造体の接続部端面内側に切り欠き部を形成して止水用シール材を装着する装着溝を形成し、
この装着溝に装着される可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材を、
前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ開口閉塞部とを備え、
前記一対の側面押圧部を,前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結するとともに、前記一対の側面押圧部および前記開口閉塞部にそれぞれ中空部を形成してなり、
この止水用シール材の一対の側面押圧部の間隔を狭めて圧縮反力を生じさせて前記装着溝に装着してなることを特徴とするコンクリート構造体接続部の止水構造。
【請求項2】
前記装着溝の内側開口部側に、狭い幅とした狭幅部を形成するとともに、この狭幅部に、前記止水用シール材の開口閉塞部を配置してなることを特徴とする請求項1記載のコンクリート構造体接続部の止水構造。
【請求項3】
前記装着溝と前記止水用シール材との接触面に、シーリング材または接着剤を介在させてなることを特徴とする請求項1または2記載のコンクリート構造体接続部の止水構造。
【請求項4】
相対向するコンクリート構造体の接続部端面内側に形成した切り欠き部によって形成される装着溝に装着して接続部の変位の吸収と止水とに用いる可撓性のあるゴムまたはプラスチック製の止水用シール材であって、
前記装着溝の側面に外側面が押圧される一対の側面押圧部と、これら一対の側面押圧部を連結して前記装着溝の側面に押圧されて内側開口を塞ぐ開口閉塞部とを備え、
前記一対の側面押圧部を、前記装着溝の底部端側に間隔をあけ開口端側を接近させて圧縮反力による押圧力を発生可能に前記開口閉塞部に連結するとともに、前記一対の側面押圧部および前記開口閉塞部にそれぞれ中空部を形成してなることを特徴とするコンクリート構造体接続部の止水用シール材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−156833(P2008−156833A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343934(P2006−343934)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000196624)西武ポリマ化成株式会社 (60)
【出願人】(591197699)日本高圧コンクリート株式会社 (20)
【出願人】(500174328)中大実業株式会社 (10)
【Fターム(参考)】