説明

コンテンツ記録装置、コンテンツ処理方法、およびプログラム

【課題】他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートされたコンテンツを元の画質に戻すことのできる記録装置を提供する。
【解決手段】出力部11は、記憶部19からのダウンコンバートを伴うムーブにおいて、記憶部19に記録されているコンテンツである高品質データを低品質データにダウンコンバートし、高品質データを低品質データがなければ再生できない状態に変換する。そして、出力部11は、再生できない状態の高品質データを記憶部19に残して、低品質データを他の記録媒体に出力する。入力部12は、記憶部19への低品質データのムーブにおいて、その低品質データがなければ再生できない状態の高品質データが記憶部に存在していれば、その低品質データを用いて高品質データを再生できる状態に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルコンテンツを記録する装置に関し、特に、コピーワンス対応のコンテンツ記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルのコンテンツは、その性質上、コピーしても画質が劣化しないので、自由なコピーを認めれば著作権の保護に関して問題を生じる恐れがある。このデジタルコンテンツの著作権保護の問題に関して、従来、様々な対策技術が提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
デジタル放送においても近年では著作権保護のためにコンテンツにコピーコントロール情報を付加して配信するようになってきている。代表的なコピーコントロール技術として、DVD規格で採用されているCPRM(Content Protection for Recordable Media)規格がある。
【0004】
CPRMによれば、コンテンツに含まれるコピーコントロール情報をチェックし、記録してよいかどうかが判断される。コピーコントロール情報が付加されたコンテンツを記録するには、そのコピーコントロールに対応した記録装置を用いる必要がある。
【0005】
例えば、「1回だけ記録可能(コピーワンス:CopyOnce)」である旨のコピーコントロール情報が付加されたコンテンツ(コピーワンスコンテンツ)であれば、記録装置はそのコンテンツをハードディスクに記録することができる。その際、記録されたコンテンツのコピーコントロール情報は「コピー禁止(NoMoreCopy)」に置き換えられる。
【0006】
コピー禁止である旨のコピーコントロール情報が付加されたコンテンツは、それをさらにコピーすることができない。そのため、デジタル放送から記録装置のハードディスクに一旦記録したコンテンツをDVDなど他の記録媒体に記録するには、コピーではなく、「ムーブ」をしなければならないこととなる。
【0007】
「ムーブ」は、元の記録媒体から他の記録媒体にコンテンツを移動するものであり、元の記録媒体からはコンテンツが消去される。コピー禁止のコンテンツでも、このムーブは可能である。具体例として、デジタル放送からハードディスクに記録したコンテンツをDVDに記録しなおす場合、あるいは携帯端末に移す場合が考えられる。
【0008】
デジタル放送で配信されたハイビジョンのコンテンツ(HDコンテンツ)を、SD(スタンダードディフィニション)のみに対応した従来のDVDや携帯端末にムーブすると、移動先の記録媒体に合わせてSD画質のコンテンツ(SDコンテンツ)にダウンコンバートされる。ダウンコンバートとは、高品質のコンテンツをそれよりも品質の低いコンテンツに変換することである。
【0009】
ダウンコンバートによりHDからSD(あるいはCIF/QCIFなど)に変換することで、そのコンテンツを携帯端末など他の装置で視聴することが可能となる。
【特許文献1】特開2002−196982号公報
【特許文献2】特開2004−102789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、HDコンテンツをSD画質の記録媒体にムーブすると、HDコンテンツはSD画質にダウンコンバートされ、携帯端末などで視聴ができるようになる。しかし、従来の記録装置では、一旦、SDコンテンツにダウンコンバートされると、そのコンテンツを元の記録装置のハードディスクに再びムーブしても元のHD画質に戻ることはなく、HD画質で視聴することができなくなる。
【0011】
本発明の目的は、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートされたコンテンツを元の画質に戻すことのできる記録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のコンテンツ記録装置は、
コピーワンス対応のコンテンツ記録装置であって、
記憶部からのダウンコンバートを伴うムーブにおいて、前記記憶部に記録されているコンテンツの高品質データを低品質データにダウンコンバートし、該高品質データを該低品質データがなければ再生できない状態に変換し、再生できない状態の前記高品質データを前記記憶部に残して、前記低品質データを他の記録媒体に出力する出力部と、
前記記憶部への前記低品質データのムーブにおいて、該低品質データがなければ再生できない状態の前記高品質データが前記記憶部に存在していれば、該低品質データを用いて該高品質データを再生できる状態に戻す入力部とを有している。
【0013】
本発明によれば、他の記憶媒体への「ムーブ」において、高品質データを低品質データが無いと再生できない状態に変換して残しておき、他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」において、低品質データを用いて、残しておいた高品質データを再生できる状態に戻すので、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再び元のコンテンツ記録装置にムーブされてきたとき元の品質に戻すことができる。
【0014】
また、前記出力部は、
前記記憶部の前記高品質データを前記低品質データにダウンコンバートするダウンコンバート部と、
前記ダウンコンバート部で得られた前記低品質データから暗号キーを取り出す第1のキー取出部と、
前記キー取出部で取り出された前記暗号キーを用いて前記高品質データを暗号化し、該暗号キーで復号しないと再生できない状態に変換する暗号化部とを有し、
前記入力部は、
前記記憶部へムーブされる低品質データに含まれている暗号キーで暗号化された高品質データが前記記憶部に残っているか確認するチェック部と、
前記チェック部にて、暗号化された前記高品質データが残っていることが確認された前記低品質データから前記暗号キーを取り出す第2のキー取出部と、
前記第2のキー取出部で取り出された前記暗号キーを用いて、暗号化された前記高品質データを再生できる状態に復号する復号部とを有することとしてもよい。
【0015】
また、前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データの一部を前記暗号キーとして取り出すこととしてもよい。
【0016】
また、前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データのヘッダ部以外の部分を含む一部を前記暗号キーとして取り出すこととしてもよい。
【0017】
これによれば、複数のコンテンツで暗号キーが重複する可能性を低減することができる。
【0018】
また、前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データの複数の部分を前記暗号キーとして取り出すこととしてもよい。
【0019】
これによれば、似た画像を含む複数のコンテンツで暗号キーが重複する可能性を低減することができる。
【0020】
また、前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データのハッシュ値を前記暗号キーとして取り出すこととしてもよい。
【0021】
これによれば、ハッシュ値を用いているので、複数のコンテンツで暗号キーが重複する可能性が極めて低い。また、低品質データの全体が無ければハッシュ値を求めることができないので、高品質データの復号がより困難である。
【0022】
また、前記出力部は、
前記記憶部の前記高品質データを前記低品質データにダウンコンバートするダウンコンバート部と、
前記記憶部の前記高品質データの一部分を削除し、該高品質データを不完全な状態にする元データ分解部と、
前記元データ分解部で前記高品質データから削除された前記一部分を、前記ダウンコンバート部で得られた前記低品質データに挿入するデータ挿入部とを有し、
前記入力部は、
前記記憶部へムーブされる低品質データに、前記記憶部に残っている不完全な高品質データから削除された一部分が挿入されているか確認するチェック部と、
前記チェック部にて、不完全な前記高品質データから削除された一部分が挿入されていることが確認された前記低品質データから該一部分を取り出す挿入データ取出部と、
前記第2のキー取出部で取り出された前記一部分を不完全な前記高品質データに挿入し、該高品質データを再生できる状態に復元する元データ復元部とを有することとしてもよい。
【0023】
これによれば、単純かつ容易な構成で、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再びムーブされてきたとき元の品質に戻すことができる装置を提供できる。
【0024】
また、前記元データ分解部は、前記高品質データの複数の部分を削除することとしてもよい。
【0025】
また、前記出力部は、
暗号キーを生成するキー生成部と、
前記記憶部の前記高品質データを前記低品質データにダウンコンバートするダウンコンバート部と、
前記ダウンコンバート部で得られた前記低品質データに前記暗号キーを挿入するキー挿入部と、
前記キー生成部で生成された前記暗号キーを用いて前記高品質データを暗号化し、該暗号キーで復号しないと再生できない状態に変換する暗号化部とを有し、
前記入力部は、
前記記憶部へムーブされる低品質データに含まれている暗号キーで暗号化された高品質データが前記記憶部に残っているか確認するチェック部と、
前記チェック部にて、暗号化された前記高品質データが残っていることが確認された前記低品質データから前記暗号キーを取り出すキー取出部と、
前記キー取出部で取り出された前記暗号キーを用いて、暗号化された前記高品質データを再生できる状態に復号する復号部とを有することとしてもよい。
【0026】
また、前記キー挿入部は、前記低品質データに前記暗号キーを電子透かしとして挿入し、
前記キー取出部は、前記低品質データから、電子透かしとして挿入されている前記暗号キーを取り出すこととしてもよい。
【0027】
これによれば、電子透かし技術を用いて暗号キーをコンテンツのデータに挿入するので、コンテンツ記録装置から出力された低品質データが更にダウンコンバートされた状態で「ムーブ」されてきた場合でも、残しておいた高品質データのコンテンツを復号することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再び元のコンテンツ記録装置にムーブされてきたとき元の品質に戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
本発明の実施形態として示すコンテンツ記録装置は、内部の記憶部に記録されているコンテンツをダウンコンバートを伴って他の記録媒体に「ムーブ」するとき、ダウンコンバートしたデータを他の記録媒体に出力する。「ムーブ」では、このとき元のコンテンツを記憶部から削除しなければならないが、本実施形態ではコンテンツを記憶部から削除せず、その代わりに再生できない状態に変換する。再生できない状態に変換されたコンテンツは、他の記録媒体に出力されたデータが無ければ、元の再生できる状態に戻すことができない。この変換によってコンテンツが不正に複製されるのを防止している。
【0031】
そして、他の記録媒体に一旦出力したデータを内部の記録部に「ムーブ」するとき、本実施形態のコンテンツ記録装置は、戻ってきたダウンコンバートされたコンテンツのデータを用いて、記憶部に再生できない状態で残しておいたコンテンツを再生できる状態に戻す。「ムーブ」をするために一旦品質を下げたコンテンツがコンテンツ記録装置に戻ってきたとき、コンテンツ記録装置はそのコンテンツを元の高い品質に戻すことができる。
【0032】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態によるコンテンツ記録装置の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、コンテンツ記録装置10は、出力部11、入力部12、および記憶部19を有している。出力部11は、ダウンコンバート部13、キー取出部14、および暗号化部15を有している。入力部12は、IDチェック部16、キー取出部17、および復号部18を有している。
【0033】
出力部11は、記憶部19から他の記憶媒体への「ムーブ」において、記憶部19に格納されているコピーコントロール情報の付加されたコンテンツを取り出し、他の記録媒体に出力する。その際、出力部11は、他の記録媒体に合わせて必要があれば、コンテンツをダウンコンバートしたコンテンツを出力する。ダウンコンバートして出力するとき、出力部11は、記憶部19からそのコンテンツを削除せず、暗号化して再生できない状態にして記憶部19に残す。出力部11は、ダウンコンバートされたコンテンツから得られた暗号キーを暗号化に用いる。
【0034】
入力部12は、他の記録媒体から記憶部19への「ムーブ」において、他の記憶媒体からのコンテンツのIDをチェックし、過去に記憶装置19から他の記録媒体への「ムーブ」の処理において暗号化したコンテンツであり、暗号化したコンテンツのデータが記憶部19に残っているか確認する。ダウンコンバートを伴って記憶装置19から他の記録媒体に「ムーブ」したコンテンツであり、暗号化されたコンテンツが記憶部19に残っていれば、入力部12は、他の記録媒体からのコンテンツより暗号キーを取り出し、記憶部19内の暗号化されたコンテンツをその暗号キーを用いて復号する。
【0035】
出力部11にあるダウンコンバート部13は、記憶部19から他の記憶媒体への「ムーブ」において、記憶部19に格納されているコピーコントロール情報の付加されたコンテンツを取り出し、他の記憶媒体に合わせてダウンコンバートする。例えば、記憶部19にあるコンテンツがHDコンテンツであり、他の記憶媒体がSDのみに対応したものであれば、ダウンコンバート部13は、HDコンテンツをSDのコンテンツ(SDコンテンツ)に変換する。
【0036】
キー取出部14は、ダウンコンバート部13にてダウンコンバートされたコンテンツ(例えばSDコンテンツ)から暗号キーを取り出し、その暗号キーを暗号化部15に与え、ダウンコンバートされたコンテンツのデータを他記録媒体に送る。本実施形態では、一例としてSDコンテンツの所定部分を暗号キーとするものとする。キー取出部14は、ダウンコンバート部13からのSDコンテンツのデータより所定部分を暗号キーとして取り出して暗号化部15に与える。
【0037】
暗号キーは、各コンテンツで異なる値になることが好ましい。コンテンツのデータは、ヘッダ部が類似しているのが一般的なので、暗号キーにヘッダ部以外の部分を含むようにしてもよい。これによれば、複数のコンテンツで暗号キーが重複する可能性を低減することができる。また、似た画像を含むコンテンツでも異なる暗号キーとなるように、時間的に分散した複数部分を暗号キーに含めるようにしてもよい。これによれば、似た画像を含む複数のコンテンツで暗号キーが重複する可能性を低減することができる。
【0038】
暗号化部15は、キー取出部14からの暗号キーを用いて記憶部19内のHDコンテンツを暗号化し、再生できない状態にする。
【0039】
一方、入力部12にあるIDチェック部16は、他の記録媒体から記憶部19への「ムーブ」において、他の記憶媒体からのコンテンツのIDをチェックし、過去に記憶装置19からの「ムーブ」において暗号化したコンテンツであり、暗号化したコンテンツのデータが記憶部19に残っているか確認する。暗号化したコンテンツのデータが記憶部19に残っていれば、IDチェック部16は、他の記憶媒体からのコンテンツのデータをキー取出部17に与える。暗号化したコンテンツのデータが記憶部19に残っていなければ、IDチェック部16は、他の記憶媒体からのコンテンツのデータを記憶部19に格納する。
【0040】
なお、IDチェック部16がチェックするIDは、コンテンツを識別するための識別情報である。このIDとして、記憶部19に格納する際にコンテンツに付与されたファイル名を用いてもよい。また、ダウンコンバート部13がコンテンツをダウンコンバートするときに、ファイル名とは別にIDを付与することとしてもよい。
【0041】
キー取出部17は、IDチェック部16からのコンテンツのデータから暗号キーを取り出して復号部18に与える。キーの取り出し方法は、出力部11のキー取出部14と同じであり、ダウンコンバートされたコンテンツの所定部分を暗号キーとするというものである。
【0042】
復号部18は、キー取出部17から与えられた暗号キーを用いて、記憶部19にある暗号化されたコンテンツを復号し、再生可能な状態にする。
【0043】
図2は、第1の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を示すフローチャートである。図2を参照すると、コンテンツ記録装置10は、ユーザに指定されたコンテンツのデータを記憶部19から取り出す(ステップ101)。その際、コンテンツ記録装置10は、記憶部19上のコンテンツのデータを削除しない。
【0044】
次に、コンテンツ記録装置10は、記憶部19から取り出したコンテンツを、出力先の記憶媒体に合わせてダウンコンバートする(ステップ102)。そして、コンテンツ記録装置10は、ダウンコンバートしたコンテンツのデータから暗号キーを取り出し(ステップ103)、その暗号キーを用いて記憶部19上のコンテンツを暗号化して再生できない状態にする(ステップ104)。
【0045】
図3は、第1の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を示すフローチャートである。ここでコンテンツ記録装置10の記憶部19に「ムーブ」されるコンテンツは、過去に記憶部19に記録されていたコンテンツをダウンコンバートを伴って他の記憶媒体に移動したものであり、暗号化されたデータが記憶部19に残っている場合があるものとする。
【0046】
図3を参照すると、コンテンツ記録装置10は、他の記憶媒体からコンテンツを取得すると(ステップ201)、そのコンテンツのIDに基づき、ダウンコンバート前のコンテンツの暗号化されたデータが記憶部19にあるか否か判定する(ステップ202)。
【0047】
暗号化されたデータが記憶部19にあれば、コンテンツ記録装置10は、取得したコンテンツのデータから暗号キーを取り出す(ステップ203)。そして、コンテンツ記録装置10は、記憶部19に格納されている暗号化されたコンテンツのデータを、その暗号キーを用いて復号する(ステップ204)。
【0048】
一方、暗号化されたデータが記憶部19になければ、コンテンツ記録装置10は、取得したコンテンツのデータをそのまま記憶部19に格納する(ステップ205)。
【0049】
図4Aは、第1の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。図4Aを参照すると、HDコンテンツのデータ(HDデータ)をダウンコンバートしたSDコンテンツのデータ(SDデータ)から暗号キーが取得される。そして、HDデータは、その暗号キーを用いて暗号化される。そしてSDデータは他の記録媒体に「ムーブ」される。
【0050】
図4Bは、第1の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。ここで「ムーブ」するコンテンツは、暗号化されたデータが記憶部19に残っているコンテンツである。図4Bを参照すると、他の記憶媒体からコンテンツ記憶装置10にSDデータが「ムーブ」されると、コンテンツ記憶装置10は、そのSDデータから暗号キーを取り出し、記憶部19にある暗号化されたデータを復号する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態によれば、コンテンツ記録装置10から他の記憶媒体への「ムーブ」において、出力部11のダウンコンバート部13がコンテンツをダウンコンバートし、ダウンコンバートされたデータからキー取得部14が暗号キーを取得し、暗号化部15がその暗号キーを用いて記憶部19のコンテンツのデータを暗号化する。また、他の記憶媒体からコンテンツ記録装置10への「ムーブ」において、入力部12のIDチェック部16が、他の記憶装置からのコンテンツの暗号化されたデータが記憶部19に残っているか確認し、残っていれば、キー取出部17が暗号キーを取り出し、復号部18が復号する。したがって、本実施形態のコンテンツ記録装置10は、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再び元のコンテンツ記録装置10にムーブされてきたとき、元の品質に戻すことができる。
【0052】
なお、コンテンツのデータが記録媒体に格納される場合、一般に、データはCPRMや機器独自の方式で暗号化される。本実施形態においても、記憶部19や他の記録媒体にコンテンツのデータを格納する場合、書き込み時にデータを暗号化し、読み出し時にデータを復号する処理をするのが好適である。ただし、この処理は本発明の要旨と直接的な関係がないので説明を簡略化するために省略している。また、このことは以下の実施形態についても同様である。
【0053】
また、本実施形態では、ダウンコンバートの例としてHDコンテンツからSDコンテンツへの変換を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、HDコンテンツからSDコンテンツへの変換に代表される解像度変換の他、MPEG2からMPEG4への変換のような圧縮方式の変換にも広く適用することができる。また、このことは以下の実施形態についても同様である。
【0054】
(第2の実施形態)
第1の実施形態ではSDコンテンツの所定部分を暗号キーとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。第2の実施形態では、SDコンテンツのデータのハッシュ値を暗号キーとする。
【0055】
第2の実施形態によるコンテンツ記録装置の構成は、図1に示した第1の実施形態と同様である。ただし、第2の実施形態では、出力部11のキー取出部14と入力部12のキー取出部17の動作が第1の実施形態とは異なる。
【0056】
本実施形態におけるキー取出部14は、ダウンコンバート部13にてダウンコンバートされたコンテンツ(例えばSDコンテンツ)のハッシュ値を求め、それを暗号キーとし、その暗号キーを暗号化部15に与え、ダウンコンバートされたコンテンツのデータを他記録媒体に送る。
【0057】
また、本実施形態におけるキー取出部17は、IDチェック部16からのコンテンツのデータから暗号キーを取り出して復号部18に与える。キーの取り出し方法は、出力部11のキー取出部14と同じであり、ダウンコンバートされたコンテンツのハッシュ値を暗号キーとするというものである。
【0058】
図5Aは、第2の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。図5Aを参照すると、HDコンテンツのデータ(HDデータ)をダウンコンバートしたSDコンテンツのデータ(SDデータ)のハッシュ値が暗号キーとされる。そして、HDデータは、その暗号キーを用いて暗号化される。そしてSDデータは他の記録媒体に「ムーブ」される。
【0059】
図5Bは、第2の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。ここで「ムーブ」するコンテンツは、暗号化されたデータが記憶部19に残っているコンテンツである。図5Bを参照すると、他の記憶媒体からコンテンツ記憶装置10にSDデータが「ムーブ」されると、コンテンツ記憶装置10は、そのSDデータのハッシュ値を求め、それを暗号キーとして記憶部19にある暗号化されたデータを復号する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態のコンテンツ記録装置10は、第1の実施形態と同様に、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再びムーブされてきたとき、元の品質に戻すことができる。また、本実施形態では、ハッシュ値を用いているので、複数のコンテンツで暗号キーが重複する可能性が極めて低い。また、ダウンコンバートされたコンテンツの全体のデータが無ければハッシュ値を求めることができず、暗号化されたコンテンツのデータを復号できないので、復号がより困難である。
【0061】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態では、ダウンコンバートされたコンテンツのデータから暗号化キーを取り出し、その暗号化キーで記憶部19内のコンテンツのデータを暗号化したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
第3の実施形態では、記憶部19内のコンテンツのデータから一部を切り出すことにより、記憶部19内のコンテンツを不完全なデータにして正常な再生ができない状態にするものである。切り出された部分は、ダウンコンバートされたコンテンツのデータに挿入されるので、ダウンコンバートされたデータが無ければ、記憶部19内のコンテンツを完全な状態に戻すことができなくなる。再生がより困難となるように、時間的に分散した複数の部分を切り出すこととしてもよい。
【0063】
図6は、第3の実施形態によるコンテンツ記憶装置の構成を示すブロック図である。図6を参照すると、コンテンツ記録装置20は、出力部21、入力部22、および記憶部19を有している。出力部21は、ダウンコンバート部13、データ挿入部23、および元データ分解部24を有している。入力部22は、IDチェック部16、挿入データ取出部25、および元データ復元部26を有している。
【0064】
出力部21は、記憶部19から他の記憶媒体への「ムーブ」において、記憶部19に格納されているコピーコントロール情報の付加されたコンテンツを取り出し、他の記録媒体に出力する。その際、出力部21は、他の記録媒体に合わせて必要があれば、コンテンツをダウンコンバートしたコンテンツを出力する。ダウンコンバートして出力するとき、出力部21は、記憶部19からそのコンテンツを完全には削除せず、正常に再生できない不完全な状態にして記憶部19に残す。
【0065】
入力部22は、他の記録媒体から記憶部19への「ムーブ」において、他の記憶媒体からのコンテンツのIDをチェックし、過去に記憶装置19から他の記録媒体への「ムーブ」の処理において不完全化したコンテンツであり、不完全化したコンテンツのデータが記憶部19に残っているか確認する。ダウンコンバートを伴って記憶装置19から他の記録媒体に「ムーブ」したコンテンツであり、不完全化されたコンテンツが記憶部19に残っていれば、入力部22は、他の記録媒体からのコンテンツに挿入された部分を取り出し、記憶部19内のコンテンツのデータに戻して完全な状態に復元する。
【0066】
出力部21のダウンコンバート部13と入力部22のIDチェック部16は第1、2の実施形態と同じものである。
【0067】
出力部21にある元データ分解部24は、記憶部19内のコンテンツのデータから一部を削除し、削除した部分のデータ(切り出しデータ)をデータ挿入部23に与える。一部が削除されたコンテンツのデータは正常な再生ができなくなる。再生をより困難にするために、記憶部19のコンテンツのデータから時間的に分散した複数部分を削除するようにしてもよい。
【0068】
データ挿入部23は、元データ分解部24から与えられた切り出しデータを、ダウンコンバート部13でダウンコンバートされたコンテンツのデータに挿入する。切り出しデータの挿入位置は予め定められているものとする。一例としてSDコンテンツのプライベートパケットに切り出しデータを挿入することとしてもよい。
【0069】
一方、入力部12にある挿入データ取出部25は、IDチェック部16からのコンテンツのデータから、そこに挿入されている切り出しデータを取り出して元データ復元部26に与える。切り出しデータの挿入位置は予め定められている。
【0070】
元データ復元部26は、挿入データ取出部25から与えられた切り出しデータを、記憶部19にある不完全化されたコンテンツのデータに戻し、コンテンツを再生可能な状態にする。
【0071】
図7Aは、第3の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。図7Aを参照すると、HDデータから一部(切り出しデータ)が削除され、HDデータをダウンコンバートしたSDデータに、その削除した部分(切り出しデータ)が挿入される。そしてSDデータは他の記録媒体に「ムーブ」される。
【0072】
図7Bは、第3の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。ここで「ムーブ」するコンテンツは、不完全化されたデータが記憶部19に残っているコンテンツである。図7Bを参照すると、他の記憶媒体からコンテンツ記憶装置20にSDデータが「ムーブ」されると、コンテンツ記憶装置20は、そのSDデータに挿入されている切り出しデータを取り出し、記憶部19にある不完全化されたデータに挿入してコンテンツを復元する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態のコンテンツ記録装置20は、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再びムーブされてきたとき、元の品質に戻すことができる。また、暗号化および復号や、ハッシュ関数の演算などの複雑な処理が必要ないので、単純かつ容易に構成することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、記憶部19内のコンテンツのデータから一部を削除することでコンテンツを正常な再生ができない状態にするものであるが、コンテンツのデータをどのように削除するかは任意である。ただし、コンテンツとしての利用ができない程度にデータを削除することが好ましい。また、コンテンツのデータから一部を削除すると共に、暗号化を施して再生をより困難にすることとしてもよい。
【0075】
(第4の実施形態)
第1および第2の実施形態では、ダウンコンバートされたコンテンツのデータから暗号キーを取り出したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0076】
第4の実施形態では、別途生成した暗号キーを用いて記憶部19内のコンテンツのデータを暗号化すると共に、その暗号キーをダウンコンバートされたコンテンツのデータの挿入するものである。暗号キーの挿入には、一例として電子透かし技術が用いられる。すなわち、ダウンコンバートされたコンテンツのデータに電子透かしとして暗号キーが挿入される。暗号キーがダウンコンバートされたコンテンツのデータに電子透かしとして挿入されるので、そのダウンコンバートされたデータが無ければ、記憶部19内のコンテンツを復号することができなくなる。
【0077】
図8は、第4の実施形態によるコンテンツ記憶装置の構成を示すブロック図である。図8を参照すると、コンテンツ記録装置30は、出力部31、入力部32、および記憶部19を有している。出力部31は、ダウンコンバート部13、電子透かし挿入部34、キー生成部33、および暗号化部15を有している。入力部32は、IDチェック部16、キー取出部35、および復号部18を有している。
【0078】
出力部31は、記憶部19から他の記憶媒体への「ムーブ」において、記憶部19に格納されているコピーコントロール情報の付加されたコンテンツを取り出し、他の記録媒体に出力する。その際、出力部31は、他の記録媒体に合わせて必要があれば、コンテンツをダウンコンバートしたコンテンツを出力する。ダウンコンバートして出力するとき、出力部31は、記憶部19からそのコンテンツを削除せず、キー生成部33で生成された暗号キーを用いて暗号化して記憶部19に残す。また、出力部31は、電子透かし挿入部34で、ダウンコンバートされたコンテンツのデータに暗号キーを挿入してから出力する。
【0079】
入力部32は、他の記録媒体から記憶部19への「ムーブ」において、他の記憶媒体からのコンテンツのIDをチェックし、過去に記憶装置19から他の記録媒体への「ムーブ」の処理において暗号化したコンテンツであり、暗号化したコンテンツのデータが記憶部19に残っているか確認する。ダウンコンバートを伴って記憶装置19から他の記録媒体に「ムーブ」したコンテンツであり、暗号化されたコンテンツが記憶部19に残っていれば、入力部32は、他の記録媒体からのコンテンツに電子透かしとして挿入されている暗号キーを取り出し、記憶部19内のコンテンツのデータを復号して再生可能な状態にする。
【0080】
出力部31のダウンコンバート部13および暗号化部15と入力部22のIDチェック部16および復号部18は第1の実施形態と同じものである。
【0081】
出力部31にあるキー生成部34は暗号キーを生成し、暗号化部15および電子透かし挿入部34に与える。
【0082】
暗号化部15は、キー生成部33からの暗号キーを用いて記憶部19内のHDコンテンツを暗号化し、再生できない状態にする。
【0083】
電子透かし挿入部34は、キー生成部33からの暗号キーを電子透かしとして、ダウンコンバート部13でダウンコンバートされたコンテンツのデータに挿入し、電子透かしを挿入したコンテンツのデータを出力する。
【0084】
一方、入力部32にあるキー取出部35は、IDチェック部16からのコンテンツのデータに電子透かしとして挿入されている暗号キーを取り出し、復号部18に与える。
【0085】
図9Aは、第4の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。図9Aを参照すると、別途生成された暗号キーを用いてHDデータが暗号化される。また、HDデータがダウンコンバートされたSDデータに暗号キーが電子透かし(WM:Water Mark)として挿入される。そしてSDデータは他の記録媒体に「ムーブ」される。
【0086】
図9Bは、第4の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。ここで「ムーブ」するコンテンツは、暗号化されたデータが記憶部19に残っているコンテンツである。図9Bを参照すると、他の記憶媒体からコンテンツ記憶装置30にSDデータが「ムーブ」されると、コンテンツ記憶装置30は、そのSDデータに電子透かしとして挿入されている暗号キーを取り出し、記憶部19内の暗号化されたデータを復号する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態のコンテンツ記録装置30は、他の記録媒体へのムーブによってダウンコンバートしたコンテンツが再びムーブされてきたとき、元の品質に戻すことができる。
【0088】
また、本実施形態では、電子透かし技術を用いて暗号キーをコンテンツのデータに挿入する。電子透かしは、ダウンコンバート部13でダウンコンバートされたコンテンツのデータが更にダウンコンバートされても電子透かしの情報が残る。そのため、本実施形態のコンテンツ記録装置30は、コンテンツ記録装置30から出力されたコンテンツのデータが更にダウンコンバートされた状態で記憶部19に「ムーブ」されてきても、記憶部19に残しておいた元の品質のコンテンツを復号することができる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1の実施形態によるコンテンツ記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を示すフローチャートである。
【図4A】第1の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図4B】第1の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図5A】第2の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図5B】第2の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図6】第3の実施形態によるコンテンツ記憶装置の構成を示すブロック図である。
【図7A】第3の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図7B】第3の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図8】第4の実施形態によるコンテンツ記憶装置の構成を示すブロック図である。
【図9A】第4の実施形態におけるコンテンツ記録装置から他の記憶媒体への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【図9B】第4の実施形態における他の記憶媒体からコンテンツ記録装置への「ムーブ」の動作を説明するための概念図である。
【符号の説明】
【0090】
10、20、30 コンテンツ記録装置
11、21、31 出力部
12、22、32 入力部
13 ダウンコンバート部
14 キー取出部
15 暗号化部
16 IDチェック部
17 キー取出部
18 復号部
19 記憶部
23 データ挿入部
24 元データ分解部
25 挿入データ取出部
26 元データ復元部
33 キー生成部
34 電子透かし挿入部
35 キー取出部
101〜104、201〜205 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コピーワンス対応のコンテンツ記録装置であって、
記憶部からのダウンコンバートを伴うムーブにおいて、前記記憶部に記録されているコンテンツである高品質データを低品質データにダウンコンバートし、該高品質データを該低品質データがなければ再生できない状態に変換し、再生できない状態の前記高品質データを前記記憶部に残して、前記低品質データを他の記録媒体に出力する出力部と、
前記記憶部への前記低品質データのムーブにおいて、該低品質データがなければ再生できない状態の前記高品質データが前記記憶部に存在していれば、該低品質データを用いて該高品質データを再生できる状態に戻す入力部とを有するコンテンツ記録装置。
【請求項2】
前記出力部は、
前記記憶部の前記高品質データを前記低品質データにダウンコンバートするダウンコンバート部と、
前記ダウンコンバート部で得られた前記低品質データから暗号キーを取り出す第1のキー取出部と、
前記キー取出部で取り出された前記暗号キーを用いて前記高品質データを暗号化し、該暗号キーで復号しないと再生できない状態に変換する暗号化部とを有し、
前記入力部は、
前記記憶部へムーブされる低品質データに含まれている暗号キーで暗号化された高品質データが前記記憶部に残っているか確認するチェック部と、
前記チェック部にて、暗号化された前記高品質データが残っていることが確認された前記低品質データから前記暗号キーを取り出す第2のキー取出部と、
前記第2のキー取出部で取り出された前記暗号キーを用いて、暗号化された前記高品質データを再生できる状態に復号する復号部とを有する、請求項1に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項3】
前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データの一部を前記暗号キーとして取り出す、請求項2に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項4】
前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データのヘッダ部以外の部分を含む一部を前記暗号キーとして取り出す、請求項3に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項5】
前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データの複数の部分を前記暗号キーとして取り出す、請求項3または4に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項6】
前記第1のキー取出部および前記第2のキー取出部は前記低品質データのハッシュ値を前記暗号キーとして取り出す、請求項2に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項7】
前記出力部は、
前記記憶部の前記高品質データを前記低品質データにダウンコンバートするダウンコンバート部と、
前記記憶部の前記高品質データの一部分を削除し、該高品質データを不完全な状態にする元データ分解部と、
前記元データ分解部で前記高品質データから削除された前記一部分を、前記ダウンコンバート部で得られた前記低品質データに挿入するデータ挿入部とを有し、
前記入力部は、
前記記憶部へムーブされる低品質データに、前記記憶部に残っている不完全な高品質データから削除された一部分が挿入されているか確認するチェック部と、
前記チェック部にて、不完全な前記高品質データから削除された一部分が挿入されていることが確認された前記低品質データから該一部分を取り出す挿入データ取出部と、
前記第2のキー取出部で取り出された前記一部分を不完全な前記高品質データに挿入し、該高品質データを再生できる状態に復元する元データ復元部とを有する、請求項1に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項8】
前記元データ分解部は、前記高品質データの複数の部分を削除する、請求項7に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項9】
前記出力部は、
暗号キーを生成するキー生成部と、
前記記憶部の前記高品質データを前記低品質データにダウンコンバートするダウンコンバート部と、
前記ダウンコンバート部で得られた前記低品質データに前記暗号キーを挿入するキー挿入部と、
前記キー生成部で生成された前記暗号キーを用いて前記高品質データを暗号化し、該暗号キーで復号しないと再生できない状態に変換する暗号化部とを有し、
前記入力部は、
前記記憶部へムーブされる低品質データに含まれている暗号キーで暗号化された高品質データが前記記憶部に残っているか確認するチェック部と、
前記チェック部にて、暗号化された前記高品質データが残っていることが確認された前記低品質データから前記暗号キーを取り出すキー取出部と、
前記キー取出部で取り出された前記暗号キーを用いて、暗号化された前記高品質データを再生できる状態に復号する復号部とを有する、請求項1に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項10】
前記キー挿入部は、前記低品質データに前記暗号キーを電子透かしとして挿入し、
前記キー取出部は、前記低品質データから、電子透かしとして挿入されている前記暗号キーを取り出す、請求項9に記載のコンテンツ記録装置。
【請求項11】
コピーワンス対応のコンテンツ記録装置におけるコンテンツ処理方法であって、
記憶部からのダウンコンバートを伴うムーブにおいて、
前記記憶部に記録されているコンテンツである高品質データを低品質データにダウンコンバートするステップと、
該高品質データを該低品質データがなければ再生できない状態に変換するステップと、
再生できない状態の前記高品質データを前記記憶部に残して、前記低品質データを他の記録媒体に出力するステップと、
前記記憶部への前記低品質データのムーブにおいて、
該低品質データがなければ再生できない状態の前記高品質データが残っているか否か判定するステップと、
該低品質データがなければ再生できない状態の前記高品質データが前記記憶部に存在していれば、該低品質データを用いて該高品質データを再生できる状態に戻すステップとを有するコンテンツ処理方法。
【請求項12】
前記低品質データから取り出した暗号キーを用いて前記高品質データを暗号化し、該暗号キーで復号しないと再生できない状態に変換する、請求項11に記載のコンテンツ処理方法。
【請求項13】
前記低品質データの一部を前記暗号キーとして取り出す、請求項12に記載のコンテンツ処理方法。
【請求項14】
前記低品質データのハッシュ値を前記暗号キーとして取り出す、請求項12に記載のコンテンツ処理方法。
【請求項15】
前記記憶部の前記高品質データの一部分を削除して該高品質データを不完全な状態にし、該高品質データから削除された前記一部分を前記低品質データに挿入する、請求項11に記載のコンテンツ処理方法。
【請求項16】
暗号キーを生成して前記低品質データに前記暗号キーを挿入し、前記暗号キーを用いて前記高品質データを暗号化し、該暗号キーで復号しないと再生できない状態に変換する、請求項11に記載のコンテンツ処理方法。
【請求項17】
前記低品質データに前記暗号キーを電子透かしとして挿入する、請求項16に記載のコンテンツ処理方法。
【請求項18】
コンピュータにコピーワンス対応のコンテンツを処理させるためのプログラムであって、
記憶部からのダウンコンバートを伴うムーブにおいて、
前記記憶部に記録されているコンテンツである高品質データを低品質データにダウンコンバートする手順と、
該高品質データを該低品質データがなければ再生できない状態に変換する手順と、
再生できない状態の前記高品質データを前記記憶部に残して、前記低品質データを他の記録媒体に出力する手順と、
前記記憶部への前記低品質データのムーブにおいて、
該低品質データがなければ再生できない状態の前記高品質データが前記記憶部に存在しているか否か判定する手順と、
該低品質データがなければ再生できない状態の前記高品質データが前記記憶部に存在していれば、該低品質データを用いて該高品質データを再生できる状態に戻す手順とをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2007−193654(P2007−193654A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12397(P2006−12397)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(302069930)NECパーソナルプロダクツ株式会社 (738)
【Fターム(参考)】