説明

コンテンツ配信システム及び方法

【課題】本発明はコンテンツをストリーム配信する際に、コンテンツの中の所望する場面のみを簡単に視聴する。
【解決手段】コンテンツ配信サーバ10は、コンテンツの任意のシーンを示すインデックスキーデータと該シーンのコンテンツ内の開始位置とを含むインデックス情報を作成するインデックス情報作成装置20を具備し、視聴者の端末12は、所望するシーンを示す視聴キーデータと再生時間を含む管理情報を作成し、サーバ10へ送信する視聴場面制御装置26を具備する。サーバ10は視聴者側から送られてきた視聴管理情報とインデックス情報とに基づいてコンテンツを配信する配信制御装置18を具備する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネットや電話回線等の通信インフラストラクチャを利用した動画/音楽配信/視聴システムにおいて、視聴者の所望する動画/音楽を効率よく配信/視聴することができ、通信インフラストラクチャの負荷を軽減させ、かつ視聴者の負担をも軽減させるコンテンツ配信システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,インターネットの普及に伴い、WWWサイト上等に保存された圧縮符号化された動画コンテンツをインターネットや電話回線等の通信インフラストラクチャを介してストリーム配信する動画配信サーバシステムや、ビデオカメラからのライブ映像をリアルタイムに圧縮符号化しながらストリーミング配信する動画配信サーバシステムが実用化されている。このようなシステムにおいて、動画コンテンツを再生(視聴)する端末(パーソナルコンピュータや携帯情報端末等)側の視聴者が、その動画コンテンツから必要な場面のみを視聴しようとした場合、従来は次のような方法がとられていた。
【0003】第1の方法は、動画コンテンツの先頭から順に再生し、必要な場面を検索する方法である。
【0004】第2の方法は、視聴側の端末で動作する動画再生ソフト(プレーヤ等)のシークバーを操作して、必要な場面を検索する方法である。
【0005】第3の方法は、端末の動画再生ソフト等においてあらかじめブックマークを指定しておき、再生時にそのマーク箇所へジャンプさせて見たい場面を検索する方法である。
【0006】しかしながら、いずれの方法でも、見たい部分を探すまでに多くの時間とコスト(有料コンテンツの場合、通信料金や接続料金等)が必要となり、視聴者の負担を無駄に増加させる。この負担は、動画コンテンツのサイズや見たい場面の総数に比例して増加する。特に、第3の方法では、ブックマークを付けるために一度コンテンツ全体を通して再生する必要がある。そのため、この方法はコンテンツをダウンロードして複数回見る場合等には有効な手段だが、1回見るだけのストリーミングの場合には非現実的な手段である。さらに、上記の3方法のいずれにおいても、視聴者が本当に必要とする場面以外の動画配信を行なう必要があるため、動画配信サーバや通信インフラストラクチャへの負担を無駄に増加させる傾向にある。なお、この問題は動画コンテンツに限らず、音楽コンテンツに関しても同様に生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のインターネットや電話回線等の通信インフラストラクチャを利用してコンテンツを配信するサービスを構築するシステムにおいては、対象となるコンテンツのうち視聴者の必要とする部分のみを検索し、再生する場合、コンテンツ全体のサイズや検索する部分数に比例して、視聴者側の負担(時間とコスト)が増大し、かつコンテンツを配信するサーバや通信インフラストラクチャに対しても無駄に負荷を増大させるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、コンテンツ配信側において、コンテンツに対してインデックス情報(コンテンツの各部分を表す情報)を付加することで、視聴側がコンテンツ再生前にインデックス情報を参照し、必要な部分のみを視聴することを可能とする配信制御および視聴制御を行い、視聴側の手間やコストを軽減し、かつ配信サーバや通信インフラストラクチャへの無駄な負荷を抑制するコンテンツ配信システム及び方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるコンテンツ配信システム及び方法は、コンテンツ配信側でコンテンツの任意のシーンを示すシーン情報と該シーンのコンテンツ内の位置情報とを含むインデックス情報を記述し、視聴者側で所望するシーンを示すシーン情報を含む管理情報を記述し、視聴者側からコンテンツ配信側へ送られた管理情報とインデックス情報に基づいてコンテンツを配信する。
【0010】本発明による他のコンテンツ配信システム及び方法は、コンテンツ配信側でライブコンテンツの任意のシーンを示すシーン情報を含むインデックス情報を記述し、視聴者側で所望するシーンを示すシーン情報を含む管理情報を記述し、視聴者側からコンテンツ配信側へ送られた管理情報とインデックス情報に基づいてコンテンツを配信する。
【0011】本発明によれば、動画配信側のシステムにおいて、動画データに対してインデックス情報(シーンを表す情報)を付加することで、視聴側が動画再生前にインデックス情報を参照し、必要な場面のみを視聴することを可能とするような動画配信制御および視聴制御を行い、視聴側の手間やコストを軽減し、かつ配信サーバや通信インフラストラクチャへの無駄な負荷を抑制するような動画コンテンツ配信システム及び方法を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明によるコンテンツ配信システムの実施形態を説明する。
【0013】第1実施形態近年、ノートパソコンを筆頭に、PDAや携帯電話等のモバイル機器の性能および機能が向上し、インターネット上の広帯域な動画コンテンツをダウンロードしたりストリーミング再生して視聴できるサービス(有料/無料)が提供され始めている。しかしながら、それら多くの広帯域な動画コンテンツへ実際にアクセスを行なうと、場合によってはその通信(通話)料金や接続料金が膨大になる可能性がある。一方で、サービス利用者の本当に望む映像が見られるかというと、そうではないケースも多々ある。つまり、コンテンツの帯域が大きくなるにつれて利用者のコンテンツへの対費用満足度は低くなりがちである。また、サービスを構成するシステムにおいても、処理の多くは利用者にとって重要でない(価値のない)データの配信に費やされ、そのために多くのリソース(帯域や処理能力)を無駄に消費していることになる。これはコンテンツの内容そのものの問題を別とすると、コンテンツの視聴インタフェースに問題があるのではないとか考えられる。
【0014】利用者にとって本当に知りたい情報、見たい場面というのは、一般的にはある程度限られていることが多い。例えば、スポーツで言えば、野球、サッカー等の得点/攻撃のシーンや、特定選手の登場/活躍のシーン、また、ニュースでは、見たいジャンルの記事、天気予報では、居住地域の予報、ライブコンサートでは、好きなアーティストや曲のシーン、映画ではクライマックスや好みの俳優の演技等、様々な分野において、多くのリッチシーン(真の価値のある場面)が存在している。本発明はこのようなシーンを利用者へ効率的、かる効果的に提供するためのものである。
【0015】以下、一例としてインターネットや電話回線等の通信インフラストラクチャを利用した動画配信システムにおいて、上記のようなリッチシーンを効率的、かつ効果的に利用者へ提供するための配信および視聴制御方式を説明する。
【0016】図1は本発明の第1実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。
【0017】本システムは、動画配信サーバシステム10と、動画再生端末12とからなり、両者はインターネット、電話回線、専用線等の通信回線14により接続される。動画配信サーバシステム10は、2次記憶装置16に格納された動画コンテンツを、通信回線14を介してストリーム配信する動画配信制御装置18、動画コンテンツから各種シーンに関する情報(インデックス情報)を抽出し、動画コンテンツに挿入するインデックス情報作成装置20、視聴の制御を行なうための視聴管理情報を管理し、視聴制御を行なう動画視聴管理装置22を有する。動画再生端末12は、通信回線14を介して供給された動画ストリームを受信し、再生を行なう動画受信制御装置24、視聴する場面を選択し、動画配信サーバシステム10側へ指示を出す視聴場面制御装置26を有する。
【0018】動画配信制御装置18は、動画コンテンツのストリーム配信の開始、停止等を制御する配信制御部30、通信回線14へコンテンツを実際に配信する配信部32を有する。インデックス情報作成装置20は、動画コンテンツからシーン情報を抽出する抽出部34、外部より指定した情報をインデックス情報としてコンテンツに挿入する挿入部36を有する。動画視聴管理装置22は、視聴管理情報とインデックス情報を参照し、配信制御部30へ指示をだす視聴制御部38、視聴場面制御装置26と通信し、視聴管理情報を登録したり削除する管理情報操作部40を具備する。動画受信制御装置24は、ストリーム受信の開始、停止を制御する受信制御部42、受信した動画ストリームを再生する再生部44を有する。視聴場面制御装置26は、視聴したい場面を選択するための視聴場面選択部46、選択した視聴場面の情報を管理情報操作部40へ渡し、視聴制御を要求する視聴制御通信部48を表している。
【0019】動画コンテンツの形式は種々考えられるが、ここでは、国際標準規格のMPEGを代表とする各種の圧縮符号化方式により符号化されたデータからなるとする。
【0020】図2にインデックス情報および視聴管理情報のフォーマット例を示す。同図(a)はインデックス情報のフォーマット例を示し、インデックス情報は動画コンテンツの識別子であるコンテンツ識別子と、配信を開始するための位置情報である開始位置と、シーンを表すデータであるインデックスキーデータとからなる。コンテンツ識別子には、オリジナルの動画コンテンツの識別子を格納する。開始位置には、コンテンツより抽出されたシーンまたはインデックスとして指定したシーンの位置情報(例えば再生時間や動画フレーム番号)を格納する。インデックスキーデータには、抽出または指定したシーンを表すデータを格納する。開始位置とインデックスキーデータの組み合わせは複数になってもよい。同図(b)は視聴管理情報のフォーマット例を示し、視聴管理情報は動画コンテンツの識別子であるコンテンツ識別子と、視聴シーンを表すデータである視聴キーデータと、視聴時の再生時間である再生時間とからなる。視聴管理情報において、コンテンツ識別子には、視聴する動画コンテンツの識別子を格納する。視聴キーデータには、視聴したいシーンを表すデータを格納する。再生時間には、視聴するシーンの視聴時間を指定する。
【0021】次に第1実施形態の動作を説明する。先ず、処理の概要を説明する。
【0022】動画配信サーバシステム10において、動画コンテンツの特定シーンに対しインデックス情報を付加する。全ての動画コンテンツにインデックス情報が付加される。動画再生端末12の利用者(視聴者)が、それらの動画コンテンツにおいて任意のシーンのみを視聴しようとした場合、視聴場面制御装置26により視聴管理情報を作成し、その情報を動画視聴管理装置22へと送信する。動画視聴管理装置22では、送られてきた視聴管理情報とインデックス情報とを比較し、両者に含まれているキーデータが一致するときだけ、動画配信制御装置18へ配信要求をだす。動画配信制御装置18は、インデックス情報に含まれる所定の開始位置より配信を行い、動画再生端末12の動画受信制御装置24にて動画の受信および再生を行なう。
【0023】インデックス情報および視聴管理情報の作成処理について図3を参照して説明する。同図(a)は「サッカー」という動画コンテンツに対して付加された「開始から1200秒と5300秒にゴール、3000秒にコーナーキック、5000秒にフリーキックのシーンがある」というインデックス情報の例である。このようなインデックス情報を作成する方法には次の2通りがあり、1つは、オリジナルの動画コンテンツそのものを解析し、自動的にキーデータを抽出する方法である。もう一つは、外部からオペレータ等の人手によりキーデータを入力する方法である。例えば、前者では、動画コンテンツ中のテロップ文字を画像認識の技術により認識させ、テキスト情報を抽出したり、音声データを音声認識によりキーワードを認識させ、テキスト情報を抽出する方法等がある。一方、後者では、オペレータ等の手入力により、例えばサッカーのシーンに合わせて、得点、コーナーキック、フリーキック等の情報を挿入したり、映画等で俳優が活躍するシーンに名前を挿入していく方法等がある。
【0024】図3(b)は「サッカー」という動画コンテンツに対して付加される「ゴールシーンを20秒視聴したい」という視聴管理情報の例である。この視聴管理情報を作成するにあたり、例えば、再生端末上に対象の動画コンテンツのインデックスキーデータを一覧表示させ、その中から視聴キーデータとするものを選択させる方法がある。また、他の方法では、視聴者が任意のキーワードを入力し、視聴キーデータを作成する方法(インターネット等では一般的な検索手法となっている)がある。ただし、この場合、視聴キーデータと一致するインデックスキーデータが存在しない可能性があり、その場合には視聴するシーンは見つからず再生されない。
【0025】次に、図4を参照して第1実施形態の処理の詳細を説明する。動画再生端末12からのアクセス対象となる動画コンテンツについて、動画配信サーバシステム10において、あらかじめインデックス情報を作成しておく。作成には前述したように抽出部34や挿入部36を用いる。一方、動画再生端末12の利用者は、既にインデックス情報の付加された動画コンテンツに対し、見たいシーンを指定するために、視聴場面選択部46により視聴管理情報を作成する。視聴管理情報の作成は前述したような方法による。そして、ここで作成した視聴管理情報を視聴制御通信部48が配信サーバ側の管理情報操作部40へと送信し、視聴制御要求を出す。受信制御部42は動画配信開始通知を受信するまで待機する。管理情報操作部40は、受信した視聴管理情報を動画再生端末12毎に蓄積管理する。視聴制御部38が視聴管理情報を解析し、指定の動画コンテンツのインデックス情報を取得する。そして、視聴管理情報の視聴キーデータと取得したインデックス情報のインデックスキーデータの内容を順番に比較していく。視聴キーデータとインデックスキーデータが一致した場合には、視聴制御部38は一致したインデックスキーデータの開始位置を取得する。インデックス情報の全てのインデックスキーデータと視聴キーデータとが比較される。
【0026】その後、配信制御部30は動画再生端末12へ配信開始を通知する。端末12は通知を受信すると、受信制御部42は動画再生アプリケーションを起動し受信待機し、動画再生開始を配信制御部30へ送る。配信制御部30は、配信部32により指定の開始位置から動画配信を行なう。一方、動画再生端末12では、待機していた受信制御部42が、動画の受信を開始し、再生部44により再生を行なう。動画の配信は視聴管理情報内に指定された再生時間が経過するまで行なう。再生時間が経過すると、視聴制御部38が配信制御部30へ配信の停止を要求し、配信部32が配信を停止する。配信停止後は、次の開始位置から動画配信を再び行なう。この動作を全ての開始位置に関して行なう。なお、再生時間経過前でも、動画再生端末12の利用者からの停止要求に基づいて配信を停止してもよいし、全ての開始位置からの配信を行なわないで、途中で配信要求を中止してもよい。
【0027】図5は特定シーンを視聴するまでの流れを示すフローチャートである。ここでは図3に示した視聴管理情報の具体例を例にとり説明する。事前に、動画コンテンツ「サッカー」に対して図3(a)のインデックス情報を作成しておく。ステップS12で、動画再生端末12にて動画コンテンツ「サッカー」を選択し、ステップS14で、図3(b)に示す視聴管理情報を作成し、ステップS16で、視聴管理情報を動画視聴管理装置22へ渡す。ステップS18で、視聴制御部38は受信した視聴管理情報に含まれる動画コンテンツに対応したインデックス情報(図3(a))を取得する。
【0028】視聴制御部38はステップS20で、視聴キーデータ(ここでは「GOAL」)とインデックス情報内のインデックスキーデータとを比較する。一致した場合、ステップS22で、当該インデックスキーデータの開始位置(ここでは1200秒)を取得する。ステップS24で、全てのインデックスキーデータが調べられたか否かを判定し、残っている場合は、ステップS20に戻る。不一致の場合は、すぐステップS24が実行される。
【0029】ステップS26で、配信制御部30は動画再生端末12へ配信開始を通知する。端末12は通知を受信すると、ステップS28で、受信制御部42は動画再生アプリケーションを起動し受信待機し、動画再生開始を配信制御部30へ送る。ステップS30で、配信制御部30は指定の開始位置から動画配信を行なう。ステップS32で、再生時間が経過したか否かを判定し、経過した場合は、ステップS34で、配信を停止する。配信は再生時間経過前でも、端末からの停止要求により停止してもよい。ステップS36で、最後の開始位置のシーンまで配信したか否か判定する。配信すべきシーンが未だ残っている場合は、ステップS30に戻り、次の開始位置からコンテンツを配信する。配信すべきシーンを全て配信すると、ステップS38で視聴管理情報を削除して、動作終了する。これにより、1200秒後と5300秒後の「GOAL」シーンが20秒だけ配信される。
【0030】以上説明したように、第1実施形態によれば、2次記憶装置16等に予め蓄積された動画コンテンツをストリーム配信する動画配信システムにおいて、動画のシコンテンツのシーンを表すキーデータと開始位置とをコンテンツ毎に予め付加しておいて、視聴者が視聴したいコンテンツと、視聴したいキーデータと、視聴したい時間を視聴管理情報として指定することにより、指定したコンテンツにおいて視聴したいシーンを視聴した時間だけ視聴することが可能となる。これにより、視聴者が見たいシーンをより確実、かつタイムリーに視聴できる。また、視聴者にとって不要なシーンの配信や受信を減らす効果があり、結果的に配信システム側の通信回線14の負荷を軽減させ、視聴者側の負担(操作の手間やコスト)も軽減することができる。これらの特長は、特に、通信データ量や通信時間に応じた有料で動画ストリーム配信サービスを提供するようなシステムにおいて効果的である。しかし、コンテンツは動画に限らず、音楽コンテンツでもよい。視聴管理情報において再生時間は指定せず、視聴中に端末から中止指示を出すまで再生してもよい。また、コンテンツに付加するインデックス情報において、シーンの開始位置のみならず終了位置を記述することにより、視聴管理情報において再生時間は指定せず、開始位置から終了位置まで再生してもよい。また、コンテンツの指定もコンテンツ識別子が完全一致するもののみならず、部分一致するコンテンツも含むようにしてもよい。
【0031】以下、本発明によるコンテンツ配信システムの他の実施形態を説明する。他の実施形態の説明において第1の実施形態と同一部分は同一参照数字を付してその詳細な説明は省略する。
【0032】第2実施形態図6は第2実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す図である。第1実施形態では、2次記憶装置16に予め格納された動画コンテンツをストリーム配信するシステムを対象としていたが、第2実施形態ではカメラからの映像等をリアルタイムに圧縮符号化しながらストリーム配信する、いわゆるライブ動画コンテンツの配信を対象としている。第2実施形態が第1実施形態に比べて異なっている主な点は、オリジナル動画のリアルタイム圧縮符号化と、それに合わせてインデックス情報をリアルタイムで作成しながら、視聴管理情報との比較を行なう点にある。そのため、動画再生端末12は第1実施形態のものと同じである。第1実施例の動画配信サーバシステム10の代わりに第2実施形態ではライブ動画配信サーバシステム110が設けられる。動画配信サーバシステム10では、動画像コンテンツが2次記憶装置16内に記憶されているが、ライブ動画配信サーバシステム110では動画像コンテンツは記憶されておらず、ビデオカメラ112から送出されている。ビデオカメラ112の出力はリアルタイム動画配信制御装置114内の圧縮符号化部116で圧縮符号化される。
【0033】第2実施形態のインデックス情報と視聴管理情報のフォーマット例を図7に示す。図7(a)はインデックス情報のフォーマット例であり、動画コンテンツの識別子であるコンテンツ識別子と、シーンを表すデータであるインデックスキーデータとからなる。図7(b)は視聴管理情報のフォーマット例であり、動画コンテンツの識別子であるコンテンツ識別子と、視聴シーンを表すデータである視聴キーデータとからなる。
【0034】図8を参照して第2実施形態の詳細な処理の流れを説明する。
【0035】ライブ動画配信サーバシステム110においてビデオカメラ112等からのリアルタイム動画像をリアルタイムに圧縮符号化しつつ、同時にインデックス情報をリアルタイムに作成する。一方、動画再生端末12の利用者が視聴場面選択部46により視聴管理情報を作成し、視聴制御通信部48により管理情報操作部40へと送信する。管理情報操作部40は、受信した視聴管理情報を動画再生端末12毎に蓄積管理する。そして、視聴制御部38が視聴管理情報を解析し、指定された動画コンテンツのインデックスキーデータを取得し、視聴管理情報に含まれる視聴キーデータとこのインデックスキーデータとを比較する。両データが一致した場合、視聴制御部38が視聴制御通信部48へ配信開始の通知を送る。視聴制御通信部48は、視聴制御部38へ再生開始の通知を送り、受信制御部42へ受信の開始を要求する。受信制御部42は、動画データを受信するまで待機する。一方、再生開始通知を受けた視聴制御部38は、配信制御部30に対し配信開始を通知し、配信制御部30は配信部32によりリアルタイム圧縮符号化中のデータを配信する。ここでの配信は、動画再生端末12の利用者の利用者が受信制御部42により再生停止を実行するまで継続する。再生停止を実行した場合、再生部44は再生停止を行い、視聴制御通信部48は、視聴制御部38へ配信停止を要求する。そして、視聴制御部38は、配信制御部30へ配信停止を要求し、配信を停止する。
【0036】第2実施形態の処理では、例えば以下のような動画ストリームの視聴が行える。ライブ動画配信サーバシステム110において、野球の生中継のライブコンテンツ「G***対S***」をリアルタイム圧縮符号化し、インデックスキーとして視聴したい打者の背番号「55」、「24」や贔屓のチームの得点シーン「POINT」等を適時挿入しながら配信サービスを行っているものとする。動画再生端末12の利用者が、視聴前に図9(a)に示すような背番号や得点シーンを視聴キーデータに選択した視聴管理情報を作成した場合を考える。
【0037】野球の試合が進み、背番号55の選手が次打者になると、図9(b)に示すようなインデックス情報が生成される。このとき、インデックスキーデータの「55」と視聴キーデータの「55」とが一致するため、配信サーバにより配信が開始され、利用者の動画再生端末12にて動画が再生される。これは背番号24の選手の打席や得点シーンでも同様に処理する。ただし、既に再生されていた場合には、何もせず再生を継続する。長時間の野球中継でも、このように制御することで、利用者が視聴キーデータで指定したシーンのみを端末で見ることが可能となる。
【0038】以上説明したように第2実施形態によれば、動画コンテンツをリアルタイムに作成しながらストリーム配信するような動画配信システムにおいても第1実施形態と同様な作用、効果が得られる。
【0039】なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、種々変形して実施可能である。例えば、本発明は、コンピュータに所定の手段を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体としても実施することもできる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、視聴側が必要な部分のみを視聴することを可能とし、視聴側の手間やコストを軽減し、かつ配信側や通信インフラストラクチャへの無駄な負荷を抑制するコンテンツ配信システム及び方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンテンツ配信システムの第1の実施形態の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施形態のインデックス情報と視聴管理情報のフォーマットを示す図。
【図3】第1の実施形態のインデックス情報と視聴管理情報の具体例を示す図。
【図4】第1の実施形態の動作を示すシーケンス図。
【図5】第1の実施形態の動作を示すフローチャート。
【図6】本発明によるコンテンツ配信システムの第2の実施形態の構成を示すブロック図。
【図7】第2の実施形態のインデックス情報と視聴管理情報のフォーマットを示す図。
【図8】第2の実施形態の動作を示すシーケンス図。
【図9】第2の実施形態の視聴管理情報とインデックス情報の具体例を示す図。
【符号の説明】
10…動画配信サーバシステム
12…動画再生端末
14…通信回線
20…インデックス作成装置
26…視聴場面制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンテンツをストリーム配信可能なコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツの任意のシーンを示すシーン情報と該シーンのコンテンツ内の位置情報とを含むインデックス情報として格納する手段と、視聴者の所望するシーンを示すシーン情報を含む管理情報を受信し、該管理情報とインデックス情報とに基づいてコンテンツの配信を制御する手段とを具備するコンテンツ配信システム。
【請求項2】 前記管理情報は視聴時間情報も含み、前記制御手段は視聴時間情報に応じて配信を行なう請求項1記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】 ライブコンテンツをストリーム配信可能なコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツの任意のシーンを示すシーン情報を含むインデックス情報を作成する手段と、視聴者の所望するシーンを示すシーン情報を含む管理情報を受信し、該管理情報とインデックス情報とに基づいてコンテンツの配信を制御する手段とを具備するコンテンツ配信システム。
【請求項4】 前記制御手段は視聴者からの中止指令に応じて配信を停止する請求項1または請求項3記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】 前記インデックス情報はコンテンツ識別情報も含み、前記管理情報はコンテンツ識別情報も含む請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載のコンテンツ配信システム。
【請求項6】 コンテンツをストリーム配信可能なコンテンツ配信方法において、コンテンツの任意のシーンを示すシーン情報と該シーンのコンテンツ内の位置情報とを含むインデックス情報として格納しておき、視聴者から受信した所望シーンを示すシーン情報を含む管理情報と前記インデックス情報とに基づいてコンテンツを配信するコンテンツ配信方法。
【請求項7】 前記コンテンツ配信ステップはコンテンツのインデックス情報に前記管理情報に含まれるシーン情報と一致するシーン情報があるか否か判定し、一致するシーン情報の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいてコンテンツを配信する請求項6記載のコンテンツ配信方法。
【請求項8】 ライブコンテンツをストリーム配信可能なコンテンツ配信方法において、コンテンツの制作とともに、コンテンツの任意のシーンを示すシーン情報を含むインデックス情報を作成し、視聴者から受信した所望シーンを示すシーン情報を含む管理情報と前記インデックス情報とに基づいてコンテンツを配信するコンテンツ配信方法。
【請求項9】 前記コンテンツ配信ステップはコンテンツのインデックス情報が前記管理情報に含まれるシーン情報と一致するとコンテンツを配信する請求項8記載のコンテンツ配信方法。
【請求項10】 コンテンツ配信側でコンテンツの任意のシーンを示すシーン情報と該シーンのコンテンツ内の位置情報とを含むインデックス情報を記述し、視聴者側で所望するシーンを示すシーン情報を含む管理情報を記述し、視聴者側からコンテンツ配信側へ管理情報を送り、該管理情報と前記インデックス情報とに基づいてコンテンツ配信側は視聴者側へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法。
【請求項11】 コンテンツ配信側でライブコンテンツの任意のシーンを示すシーン情報を含むインデックス情報を記述し、視聴者側で所望するシーンを示すシーン情報を含む管理情報を記述し、視聴者側からコンテンツ配信側へ管理情報を送り、該管理情報と前記インデックス情報とに基づいてコンテンツ配信側は視聴者側へコンテンツを配信するコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−204536(P2003−204536A)
【公開日】平成15年7月18日(2003.7.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−781(P2002−781)
【出願日】平成14年1月7日(2002.1.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】