説明

コンテンツ配信装置及び方法

【課題】
既存のインフラ設備を有効活用して効率良くコンテンツを配信し得るコンテンツ配信装置及び方法を提案する。
【解決手段】
予約されたコンテンツをネットワークを介して配信するコンテンツ配信装置及び方法において、ネットワークのデータトラフィック量を監視し、当該監視結果に基づいて、ネットワークにおけるデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、配信予約要求を送信した外部機器に対するコンテンツの配信日時を決定し、当該決定結果に従って、当該外部機器に対して予約されたコンテンツを配信するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信装置及び方法に関し、例えば携帯電話通信網を用いて携帯電話機にゲームアプリケーションソフトウェアなどのコンテンツを予約配信するコンテンツ予約配信システムに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機を用いたユーザからの配信(ダウンロード)要求に応じて、コンテンツ配信事業者(以下、これをコンテンツプロバイダと呼ぶ)の配信サーバからその携帯電話機に直接コンテンツを配信するコンテンツ配信サービスが普及し、成長している。なお、ここでいうコンテンツとは、着信メロディや、壁紙、ゲームアプリケーションソフトウェア、写真、動画、キャラクタ及びアニメーションなどのエンタテインメント系や、これ以外の電子新聞などのすべての種類のコンテンツを指す。
【0003】
また最近では、かかるコンテンツ配信サービスにおいて、コンテンツの配信日時を予約できるコンテンツ予約配信システムも提案されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−58646公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、携帯電話通信サービス事業者の基地局を中心とした無線ネットワーク、コアネットワーク及びIPネットワークや、コンテンツプロバイダの配信サーバなどのコンテンツ配信を行うための各インフラ設備の配信能力は有限であり、一度に多くの配信要求が集中すると、快適に配信が行えないばかりか、いずれかのネットワークがボトルネックとなって、ネットワークシステムに支障を生じさせる場合がある。そして一旦、ネットワークシステムに障害が生じると、携帯電話通信サービス事業者やコンテンツプロバイダ及びかかるコンテンツ配信サービスを利用するユーザに大きな被害を及ぼすこととなる。
【0005】
このような障害を未然に防止するためには、予め多くの配信要求に対応できるようにネットワークや配信サーバ設備を整備することが必要となるが、これには莫大な投資を必要とするため、携帯電話通信サービス事業者やコンテンツプロバイダの経済的負担が大きい問題がある。
【0006】
また例えば莫大な投資をしてインフラ設備を整備しても、深夜や早朝などの時間帯はコンテンツの配信要求を含む通信アクセスが極端に少なく、せっかく整備したインフラ設備が十分に活用されないなどの経済効率上の問題がある。
【0007】
さらに近年では、配信されるひとつひとつのコンテンツのデータ量が増える傾向にあり、ダウンロードに要する時間や通信料が大きくなって、ユーザにとっても待ち時間やコスト負担が増加する傾向にある問題もある。
【0008】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、既存のインフラ設備を有効活用して、効率良くコンテンツを配信し得るコンテンツ配信装置及び方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため本発明においては、予約されたコンテンツをネットワークを介して配信するコンテンツ配信装置において、ネットワークのデータトラフィック量を監視する監視手段と、監視手段の監視結果に基づいて、ネットワークにおけるデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、配信予約要求を送信した外部機器に対するコンテンツの配信日時を決定する決定手段と、決定手段の決定結果に従って、当該外部機器に対して予約されたコンテンツを配信する配信手段とを設けるようにした。
【0010】
この結果このコンテンツ配信装置では、莫大な投資をしてインフラ設備の整備を行うことなく、既存のインフラ設備を有効活用しで、コンテンツ配信の集中に起因するネットワーク障害等の事故の発生を未然かつ有効に防止することができる。
【0011】
また本発明においては、予約されたコンテンツをネットワークを介して配信するコンテンツ配信方法において、ネットワークのデータトラフィック量を監視する第1のステップと、当該監視結果に基づいて、ネットワークにおけるデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、配信予約要求を送信した外部機器に対するコンテンツの配信日時を決定する第2のステップと、当該決定結果に従って、当該外部機器に対して予約されたコンテンツを配信する第3のステップとを設けるようにした。
【0012】
この結果このコンテンツ配信方法によれば、莫大な投資をしてインフラ設備の整備を行うことなく、既存のインフラ設備を有効活用しで、コンテンツ配信の集中に起因するネットワーク障害等の事故の発生を未然かつ有効に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、予約されたコンテンツをネットワークを介して配信するコンテンツ配信装置において、ネットワークのデータトラフィック量を監視する監視手段と、監視手段の監視結果に基づいて、ネットワークにおけるデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、配信予約要求を送信した外部機器に対するコンテンツの配信日時を決定する決定手段と、決定手段の決定結果に従って、当該外部機器に対して予約されたコンテンツを配信する配信手段とを設けるようにしたことにより、コンテンツ配信の集中に起因するネットワーク障害等の事故の発生を未然かつ有効に防止することができ、かくして既存のインフラ設備を有効活用して効率良くコンテンツを配信し得るコンテンツ配信装置を実現できる。
【0014】
また本発明によれば、予約されたコンテンツをネットワークを介して配信するコンテンツ配信方法において、ネットワークのデータトラフィック量を監視する第1のステップと、当該監視結果に基づいて、ネットワークにおけるデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、配信予約要求を送信した外部機器に対するコンテンツの配信日時を決定する第2のステップと、当該決定結果に従って、当該外部機器に対して予約されたコンテンツを配信する第3のステップとを設けるようにしたことにより、コンテンツ配信の集中に起因するネットワーク障害等の事故の発生を未然かつ有効に防止することができ、かくして既存のインフラ設備を有効活用して効率良くコンテンツを配信し得るコンテンツ配信方法を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0016】
(1)本実施の形態によるコンテンツ予約配信システムの構成
(1−1)コンテンツ予約配信システムの全体構成
図1及び図2において、1は全体として本実施の形態によるコンテンツ予約配信システムを示し、コンテンツプロバイダが携帯電話機2を用いたユーザからのコンテンツの配信予約要求を受け付け、予約されたコンテンツを携帯電話通信網3を介して当該携帯電話通信網3のデータトラフィック量の少ない時間帯にその携帯電話機2に配信するようになされている。
【0017】
実際上、このコンテンツ予約配信システム1の場合、ユーザの携帯電話機2には、このようなコンテンツ予約販売サービスに対応した所定のAWブラウザ2A(図2)がインストールされている。そしてユーザがこのAWブラウザ2Aを起動して携帯電話機2を操作すると、その操作に応じた各種コマンドや必要な各種データが携帯電話機2から無線信号S1として発信される。
【0018】
この無線信号S1は、携帯電話通信サービス事業者の携帯電話通信網3内のそのときユーザが位置するエリアを担当する無線基地局(BTS:Base Tranceiver Station)4において受信され、受信信号S2として非同期転送モードでこの無線基地局4を管轄する無線基地制御部(BSC:Base Station Controller)5を介して当該無線基地制御部5を管轄するSGSN(Serving GPRS Support Node)6に送信される。
【0019】
SGSN6は、GPRS(General Packet Radio Service)ユーザの位置管理及びセキュリティ管理やアクセス制御等を行うノードであり、無線基地局制御部5から供給される受信信号S2を所定フォーマットにパケット化して、そのパケットデータPD1を内部GPRSバックボーンネットワーク7を介してGGSN(Gateway GPRS Support Node)8に送信する。
【0020】
またSGSN6は、かかる処理と並行して、各無線基地制御部5から順次送信される各携帯電話機の位置情報を、ホームロケーションレジスタ(HLR: Home Location Register)と呼ばれるその携帯電話サービス加入者の位置情報や電話番号など各種情報を管理するデータベース(以下、これをホームロケーションレジスタと呼ぶ)9に順次登録する。
【0021】
GGSN8は、内部GPRSバックボーンネットワーク7を介して供給されるパケットデータPD1のパケットフォーマットをIPフォーマットに変換し、得られたIPパケットデータPD2を内部IPバックボーンネットワーク10に出力する。かくしてこのIPパケットデータPD2は、この後携帯電話通信網3のルータ11及びインターネット12を順次介してコンテンツプロバイダのコンテンツプロバイダセンタ13に送信される。
【0022】
コンテンツプロバイダセンタ13では、供給されるIPパケットデータPD2をルータ14及びファイヤーウォール15を順次介して負荷分散装置16に入力する。そして負荷分散装置16は、供給されるIPパケットデータPD2をユーザ単位で当該コンテンツプロバイダセンタ13に複数設置されたポータルサーバ17に振り分ける。
【0023】
このときコンテンツプロバイダセンタ13には、かかる複数のポータルサーバ17のほか、DRM(Digital Rights Management)サーバ18、証明書・署名発行サーバ19、顧客管理データベースサーバ20、予約エントリデータベースサーバ21、ネットワークトラフィック監視サーバ22、スケジューリングサーバ23、プッシュサーバ24及びコンテンツサーバ25が設けられている。
【0024】
このうちDRMサーバ18は、ポータルサーバ17からの要求に応じて、コンテンツごとに異なる公開鍵及びこれと対をなす秘密鍵を生成して記憶する一方、このうち公開鍵を証明書・署名発行サーバ19に送出する。また証明書・署名発行サーバ19は、ポータルサーバ17からの要求に応じてかかる公開鍵に基づく証明書を発行する一方、公開鍵を指定したプッシュサーバ24からの要求に応じて、対応する秘密鍵をDRMサーバから読み出し、この秘密鍵を用いた署名を発行し得るようになされている。
【0025】
さらに顧客管理データベースサーバ20は、ユーザ登録が行われたときにポータルサーバ17から与えられるそのユーザのユーザIDや、そのユーザの携帯電話機2の電話番号及びメールアドレスなどの各種登録情報が格納された顧客管理データベース20A(図2)を管理し、予約エントリデータベースサーバ21は、コンテンツの配信予約を行った各ユーザのユーザID、そのコンテンツのコンテンツ名、そのコンテンツの配信希望日などの配信予約に関する各種情報(以下、これを配信予約エントリ情報と呼ぶ)が格納された予約エントリデータベース21A(図2)を管理している。
【0026】
かくしてポータルサーバ17は、かかるユーザからの配信予約要求を受け付けると、顧客管理データベース20に登録された各登録ユーザの各種登録情報に基づいてそのユーザを特定すると共に、DRMサーバ18及び証明書・署名発行サーバ19を制御することによりその配信予約に固有の証明書を発行させる。そしてポータルサーバ17は、この証明書をそのユーザの携帯電話機2に送信し、その後その配信予約の予約内容を予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21Aに登録する。
【0027】
なお、ポータルサーバ17から送信される各種コマンドや各種データは、IPパケット化されて負荷分散装置16、ファイヤーウォール15及びルータ14と、インターネット12と、携帯電話通信網3内のルータ11及び内部IPバックボーンネットワーク10とを順次介してGGSN8に与えられる。
【0028】
そしてGGSN8は、このIPパケットデータPD2の宛て先であるユーザの携帯電話機2の現在位置をホームロケーションレジスタ9に問い合わせると共に、そのIPパケットデータPD2のパケットフォーマットを所定フォーマットに変換し、かくして得られたそのパケットデータPD1を内部GPRSバックボーンネットワーク7を介してそのときその携帯電話機2が位置するエリアを管轄するSGSN6に送信する。
【0029】
SGSN6は、内部GPRSバックボーンネットワーク7を介して供給されるパケットデータPD1を所定の無線通信フォーマットの受信信号S2に変換し、これをそのときその携帯電話機2が位置するエリアを管轄する無線基地制御部5に送信する。
【0030】
また無線基地制御部5は、SGSN2から送信される受信信号S2を非同期転送モードで当該無線基地制御部5が管轄するすべての無線基地局4のうち、かかる携帯電話機2が位置するエリアを担当する無線基地局4に送信する。これによりこの受信信号S2は、かかる無線基地局4から無線信号S1として発信され、対応するユーザの携帯電話機2に受信されることとなる。
【0031】
一方、ネットワークトラフィック監視サーバ22は、ネットワークトラフィックデータベースコンテンツプロバイダセンタ内のルータ及び携帯電話通信サービス事業者の携帯電話通信網3のGGSN8に所定時間(例えば10分)毎にアクセスしてその時間帯におけるデータトラフィック量を問い合わせ、得られたデータトラフィック量に基づく所定の統計結果をデータトラフィック量統計情報としてネットワークトラフィックデータベース22A(図2)に格納して管理する。
【0032】
そしてスケジューリングサーバ23は、予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21A(図2)に登録された各配信予約(以下、これを配信予約エントリと呼ぶ)について、このネットワークトラフィック監視サーバ22のネットワークトラフィックデータベース22A(図2)に格納されたトラフィック統計情報に基づいて、対応するコンテンツを携帯電話通信網3におけるデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するようにその配信日時を決定する。
【0033】
またスケジューリングサーバ23は、その決定した配信日時になると、プッシュサーバ24を制御することにより、対応するユーザの携帯電話機2に対し、証明書・署名発行サーバ19が発行した対応する署名を添付して、そのユーザが指定したコンテンツのダウンロードを開始すべき旨の通知を送信させる。かくしてこの通知が上述の場合と同様にして、インターネット12及び携帯電話通信網3を順次介してそのユーザの携帯電話機2に送信される。
【0034】
そしてこの通知を受信した携帯電話機2は、携帯電話通信網3を介してコンテンツサーバ25にそのコンテンツの転送要求を送信する。
【0035】
このときコンテンツサーバ25は、コンテンツプロバイダが販売する各種コンテンツのデータを、その内部に設けられた例えばRAID(Redundant Arrays of Independent Disks)等の大容量ストレージでなるコンテンツストレージ25B(図2)に保持している。
【0036】
そしてコンテンツサーバ25は、携帯電話機2からのコンテンツの転送要求が与えられると、そのコンテンツのデータをコンテンツストレージ25Bから読み出し、IPパケット化してその携帯電話機2に送信する。かくしてこのIPパケットデータPD2が上述の場合と同様にして、インターネット12及び携帯電話通信網3を順次介してそのユーザの携帯電話機2に送信されて保持される。
【0037】
このようにしてこのコンテンツ予約配信システム1では、ユーザからの要求に応じて指定されたコンテンツをその携帯電話機2に自動的にダウンロードすることができるようになされている。
【0038】
(1−2)コンテンツ配信予約手順
次に、このコンテンツ予約配信システム1において、ユーザが所望するコンテンツを配信予約する際の携帯電話機2及びコンテンツプロバイダセンタ13における具体的な処理の流れを、図2〜図5を参照して、ゲームのアプリケーションソフトウェアを購入する場合を例に説明する。
【0039】
図3及び図4に示すように、ユーザがゲームのアプリケーションソフトウェアを配信予約する場合、まず自己の携帯電話機2のAWブラウザ2Aを起動し(ステップSP1)、購入可能なゲームのリスト(以下、これをゲームリストと呼ぶ)の送信要求をコンテンツプロバイダに送信するための所定の操作を行う。この結果、携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、かかる操作に応じて、ゲームリストの転送要求をコンテンツプロバイダセンタ13に送信する(ステップSP2)。
【0040】
コンテンツプロバイダ側のポータルサーバ17に実装されたウェブアプリサーバプログラム17Aは、ユーザからのゲームリストの転送要求を受信すると(ステップSP3)、予め登録されているゲームのゲームリストのデータをそのユーザ側に送信する(ステップSP4)。なお、この場合において、このゲームリストには、既に販売されているゲームのほか、発売前のものであって、先行予約が可能なゲームも掲載される。
【0041】
携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、このゲームリストのデータを受信すると(ステップSP5)、当該データに基づくゲームリストを携帯電話機2の表示パネルに可視表示させる(ステップSP6)。かくしてユーザは、このゲームリストを目視確認しながら、携帯電話機2を操作して、購入するゲームを選択し、その配信希望日を指定することができる(ステップSP7)。ただし、この実施の形態においては、発売前のゲームについては、ユーザが配信希望日を指定することはできない。そしてAWブラウザ2Aは、かかるユーザ操作によりゲーム及び必要に応じてその配信希望日が指定されると、これに応じた配信予約要求をコンテンツプロバイダ側に送信する(ステップSP8)。
【0042】
ポータルサーバ17のウェブアプリサーバプログラム17Aは、この配信予約要求を受信すると(ステップSP9)、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして予約エントリデータベース21Aを検索し、既にそのユーザのそのゲームについての配信予約が登録されているか否かを判断する(ステップSP10)。
【0043】
そしてポータルサーバ17のウェブアプリサーバプログラム17Aは、既にかかる配信予約が登録されている場合には、これをユーザ側に通知する。かくしてこのとき携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、表示パネルに「予約済み」との表示を行い(ステップSP11)、この後この配信予約処理を終了する(ステップSP25)。
【0044】
これに対してポータルサーバ17のウェブアプリサーバプログラム17Aは、かかる配信予約が予約エントリデータベース21Aに登録されていない場合には、予約確認の通知をユーザ側に送信する(ステップSP12)。かくしてこのとき携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、この通知を受信すると(ステップSP13)、予約決定のためのパスワードが入力されるのを待ち受け、やがてユーザ操作によりかかるパスワードが入力されると、これをコンテンツプロバイダ側に送信する(ステップSP14)。
【0045】
そしてポータルサーバ17のウェブアプリサーバプログラム17Aは、このパスワードを受信すると(ステップSP15)、DRMサーバ18にアクセスしてその配信予約に固有の公開鍵及び秘密鍵を生成させ、このうち公開鍵を証明書・署名発行サーバ19に送信させる。またウェブアプリサーバプログラム17Aは、証明書・署名発行サーバ19にアクセスして、証明書発行プログラム19A(図2)にその公開鍵を用いて証明書を発行させる(ステップSP16)。そしてウェブアプリサーバプログラム17Aは、このようにして得られたその配信予約に固有の証明書をユーザ側に送信する(ステップSP17)。
【0046】
携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、かかる証明書を受信すると、これを携帯電話機2内部の例えば不揮発性メモリからなる証明書ストレージ2B(図2)に格納し(ステップSP18)、この後かかる証明書の受信を完了した旨の通知をコンテンツプロバイダ側に送信する(ステップSP19)。
【0047】
ポータルサーバ17のウェブアプリサーバプログラム17Aは、この通知を受信すると(ステップSP20)、その配信予約の予約内容を予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21Aに登録する(ステップSP21)。具体的には、図5に示すように、顧客管理データベースサーバ20の顧客管理データベース20Aを検索することにより得られたその配信予約を行ったユーザのユーザID(「ユーザID」)と、配信予約されたコンテンツのコンテンツ名(「コンテンツ名」)と、その配信予約についてユーザに送信した証明書の証明書ID(「証明書ID」)と、そのコンテンツプロバイダが決定したそのコンテンツの配信の開始日(「配信開始日」)及び終了日(「配信終了日」)と、配信予約の際にユーザが指定した配信希望日(「配信希望日」)又はその配信予約が発売前のゲームに対する先行予約であった場合のそのゲームの発売日(「配信完了日」)と、後述するそのコンテンツ配信の優先度(「優先度」)とを予約内容として予約エントリデータベース21Aに登録することとなる。またこの場合の優先度としては、最も低い値(例えば3段階のうちの「3」)が登録される。そしてウェブアプリサーバプログラム17Aは、この後かかる配信予約が完了した旨の通知をユーザ側に通知する(ステップSP22)。
【0048】
かくして携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、この配信予約完了の通知を受信すると(ステップSP23)、表示パネルに「予約完了」の文字を表示させ(ステップSP24)、この後この配信予約処理を終了する(ステップSP25)。
【0049】
(1−3)配信スケジューリング処理
一方、コンテンツプロバイダ側において、スケジューリングサーバ23に実装されたスケジューラ23Aは、一定時間(例えば1時間)毎に予約エントリデータベースサーバ21にアクセスし、予約エントリデータベース21A内の各配信予約エントリについて、対応するコンテンツの配信日時を順次決定する。
【0050】
この場合、かかる各配信予約エントリについてのコンテンツ配信日時の決定処理は、図6に示す配信スケジューリング処理手順RT1に従って行われる。
【0051】
すなわちスケジューラ23Aは、かかる決定処理を最後に行ってから一定時間が経過すると、この配信スケジューリング処理手順RT1をステップSP30において開始し、続くステップSP31において、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして予約エントリデータベース21Aから1つの配信予約エントリを読み出す。そしてスケジューラ23Aは、続くステップSP32において、その配信予約エントリについてのコンテンツの配信日時が既に決定されているか否かを判断する。
【0052】
スケジューラ23Aは、このステップSP32において肯定結果を得ると、ステップSP36に進み、これに対して否定結果を得ると、ステップSP33に進んで、ネットワークトラフィック監視サーバ22(図1)のネットワークトラフィックデータベース22A(図2)にアクセスして、当該ネットワークトラフィックデータベース22Aに蓄積されたコンテンツプロバイダセンタ13のルータ14(図1)及び携帯電話通信網3のGGSN8(図1)における例えば直前数日分のデータトラフィック解析情報を取得する。
【0053】
ここで、ユーザからの携帯電話通信網3へのアクセス数は、時間帯によって異なり、例えば図7に示すように、通常のユーザの就寝時間帯である午前4時から午前5時までの間が最も少なく、その後アクセス数が徐々に多くなっていって、学校や会社等の昼休み時間帯である午後12時から午後1時までの間と、午後8時から午後10時までの間とでピークとなり、その後減少してゆく傾向がある。ただしこの傾向は、曜日や季節等によって変化する。
【0054】
そこでスケジューラ23Aは、続くステップSP34において、このステップSP33において取得したデータトラフィック統計情報に基づいて、発売前の先行予約の配信予約エントリについてはゲームの発売前日までのなるべく早い日のうちの統計的に最もデータトラフィック量が少ない時間帯、それ以外の配信予約エントリについてはユーザが指定した配信希望日のうちの統計的に最もデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、他の配信予約エントリの配信日時をも考慮しながら、その配信予約エントリについてのコンテンツの配信日時を決定する。
【0055】
またスケジューラ23Aは、この後ステップSP35に進んで、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして、この決定した配信日時を予約エントリデータベース21Aにその配信予約エントリと対応付けて登録し(対応する配信予約エントリの図5に示す「配信決定日時」の欄に書き込み)、この後ステップSP36に進んで、予約エントリデータベース21A内のすべての配信予約エントリについて、コンテンツの配信日時を決定し終えたか否かを判断する。
【0056】
そしてスケジューラ23Aは、このステップSP36において否定結果を得ると、ステップSP31に戻り、この後ステップSP36において肯定結果を得るまで、対象とする配信予約エントリを順次変えながらステップSP31〜ステップSP36の処理を繰り返す。
【0057】
そしてスケジューラ23Aは、やがて予約エントリデータベース21A内のすべての配信予約エントリについてコンテンツの配信日時を決定し、その配信日時を予約エントリデータベース21Aに登録し終えることによりステップSP36において肯定結果を得ると、ステップSP37に進んでこの配信スケジューリング処理手順RT1を終了する。
【0058】
(1−4)配信スケジュール管理処理
他方、スケジュールサーバ23のスケジューラ23Aは、図8に示す配信スケジュール管理処理手順RT2を一定時間毎(例えば30分毎)に実行することにより、配信日時が決定された各配信予約エントリについてのコンテンツの配信スケジュールを管理する。
【0059】
すなわちスケジューラ23Aは、最後に配信スケジュール管理処理手順RT2を実行し終えてから一定時間(例えば30分)が経過すると、この配信スケジュール管理処理手順RT2をステップSP40において開始し、続くステップSP41において、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして、予約エントリデータベース21Aからその一定時間内に配信するように配信日時が決定されているすべての配信予約エントリを読み出す。
【0060】
続いてスケジューラ23Aは、ステップSP42に進んで、これら読み出したすべての配信予約エントリを掲載した例えば図9(A)に示すような配信リスト30を作成し、この後ステップSP43に進んで、この配信リスト30における配信予約エントリの順番を、図9(B)に示すように、優先度が高い順に、かつ優先度が同じものについては予約エントリデータベース21Aに登録された時間が早い順に並べ替える。
【0061】
そしてスケジューラ23Aは、この後ステップSP44に進んで、配信リスト30から最も順位の高い配信予約エントリを1つ読み出し、続くステップSP45において、ネットワークトラフィック監視サーバ22にアクセスして、コンテンツプロバイダセンタ13(図1)内のルータ14(図1)及び携帯電話通信網3(図1)内のGGSN8(図1)における現在のデータトラフィック量を問い合わせる。
【0062】
続いてスケジューラ23Aは、ステップSP46に進んで、ステップSP45において得られたルータ14及びGGSN8における現在のデータトラフィック量に基づいて、ステップSP44において取得した配信予約エントリのコンテンツのデータを送信する空きが携帯電話通信網3及びコンテンツプロバイダセンタ13内の通信網にあるか否かを判断する。
【0063】
そしてスケジューラ23Aは、このステップSP46において否定結果を得ると、ステップSP47に進んで、その配信予約エントリについて、配信完了日が指定されているか否か(すなわち、その配信予約が発売前のゲームの先行予約であるか否か)を判断する。
【0064】
そしてスケジューラ23Aは、このステップSP47において肯定結果を得ると、ステップSP48に進んで、その配信予約エントリについて配信完了日前、すなわちそのゲームの販売日前までに配信できるように配信日時を再決定する。そしてスケジューラ23Aは、この後予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21Aにおけるその配信予約エントリの配信日時を当該決定した配信日時に更新し、その後ステップSP44に戻る。
【0065】
これに対してスケジューラ23Aは、ステップSP47において否定結果を得ると、ステップSP49に進んで、ネットワークトラフィック監視サーバ22にアクセスし、ネットワークトラフックデータベース22Aからこのコンテンツプロバイダセンタ13のルータ14及び携帯電話通信網3のGGSN8における直前数日分のデータトラフィック統計情報を取得する。
【0066】
そしてスケジューラ23Aは、この後ステップSP50に進んで、この取得したデータトラフィック統計情報に基づいて、本日中の現在時刻以降のデータトラフィック量が少ないであろう時刻をその配信予約エントリの配信日時として決定すると共に、予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21Aにおけるその配信予約エントリの配信日時を当該決定した配信日時に更新し、この後ステップSP44に戻る。
【0067】
一方、スケジューラ23Aは、ステップSP46において肯定結果を得ると、ステップSP51に進んでその配信予約エントリの配信を決定する。なお、スケジューラ23Aは、この配信を決定した配信予約エントリについては、その後その配信予約エントリについて決定されている配信日時(時刻)となったときにプッシュサーバ24に配信開始のコマンドを送信することにより、対応するユーザへの対応するコンテンツの配信処理を開始させることとなる。
【0068】
続いてスケジューラ23Aは、ステップSP52に進んで、配信リスト30に掲載されたすべての配信予約エントリに対する処理を終えたか否かを判断する。そしてスケジューラ23Aは、このステップSP52において否定結果を得ると、ステップSP44に戻って配信リスト30に掲載された次の配信予約エントリを取得し、この後ステップSP44〜ステップSP52において同様の処理を繰り返す。
【0069】
そしてスケジューラ23Aは、やがて配信リスト30に掲載されたすべての配信予約エントリについての処理が終了すると、ステップSP53に進んでこの配信スケジュール管理処理手順RT2を終了する。
【0070】
(1−5)コンテンツ配信手順
次に、このコンテンツ予約配信システム1における配信予約されたコンテンツ(ここではゲーム)の配信(携帯電話機2によるダウンロード)の流れについて、図2、図10及び図11を参照して説明する。
【0071】
上述のように、配信スケジュール管理処理手順RT2(図8)のステップSP51において配信が決定された配信予約エントリについては、その後その配信日時(時刻)になると、スケジューリングサーバ23のスケジューラ23Aからプッシュサーバ24に配信開始のコマンドが与えられる。
【0072】
そしてプッシュサーバ24に実装されたプッシュプログラム24A(図2)は、このコマンドが与えられると、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして、予約エントリデータベース21Aに登録されているその配信予約を行ったユーザのユーザIDを取得し、さらにその後顧客管理データベースサーバ20にアクセスして、このユーザIDから顧客管理データベース20Aに登録されているそのユーザのメールアドレス等のコンテンツの送信先を取得することにより、コンテンツの送信先のユーザを決定する(ステップSP61)。なお、ユーザのメールアドレス等のコンテンツの送信先がそのままユーザIDとなっている場合には、顧客管理データベースサーバ20へのアクセスは不要となる。
【0073】
またプッシュプログラム24Aは、これと併せて予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21Aに登録されている、その配信予約を受け付けたときに発行した証明書の証明書IDを取得する。さらにプッシュプログラム24Aは、この後DRMサーバ18を制御することにより対応する秘密鍵を証明書・署名発行サーバ19に送信させると共に、証明書・署名発行サーバ19の署名発行プログラム19Bを制御して、この秘密鍵を用いた署名を発行させる。
【0074】
そしてプッシュプログラム24Aは、この後ステップSP61において決定した送信先のユーザに対し、この署名を添付して、配信予約されたコンテンツのダウンロードを開始すべき旨の通知(以下、これをダウンロード開始通知と呼ぶ)を送信する(ステップSP62)。
【0075】
一方、ユーザ側では、配信予約したコンテンツの配信予定日には、携帯電話2のAWブラウザ2Aを起動して待機する必要があり、かかるコンテンツプロバイダ側のプッシュサーバ24からのダウンロード開始通知を受信した場合において(ステップSP63)、AWブラウザ2Aが起動していないときには、その段階でそのコンテンツのダウンロード処理が終了することとなる(ステップSP64及びステップSP84)。
【0076】
これに対して、携帯電話機2のAWブラウザ2Aが起動している場合、AWブラウザ2Aのスケジュールレシーバ2AX(図1)は、かかるダウンロード開始通知及び署名を受信すると、証明書ストレージ2B(図2)に格納されている証明書を用いて受信した署名の有効性を確認する(ステップSP65)。
【0077】
そしてかかる確認の結果、署名の有効性が確認できなかった場合には、AWブラウザ2Aは、これをコンテンツプロバイダ側に通知する(ステップSP67)。かくしてプッシュサーバ24のプッシュプログラム24Aは、この通知を受信すると(ステップSP68)、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして、予約エントリデータベース21Aからその配信予約エントリを削除し(ステップSP69)、この後この配信予約エントリについての処理を終了する。
【0078】
これに対してAWブラウザ2Aは、かかる確認の結果、署名の有効性が確認できた場合には、携帯電話機2内部の例えば不揮発性メモリからなるコンテンツストレージ2C(図2)に格納されているそのときまでにダウンロードされた各種コンテンツデータに基づいて、そのコンテンツを最初からダウンロードすべきか否かを判断する(ステップSP70)。
【0079】
そして、そのユーザがそのコンテンツを初めてダウンロードするときには、このステップSP70において肯定結果が得られ、かくしてこのときAWブラウザ2Aのコンテンツレシーバ2XY(図2)は、そのコンテンツの送信を開始すべきコンテンツブロックのシーケンス番号として「0」をコンテンツプロバイダ側のコンテンツサーバ25に送信する(ステップSP71)。
【0080】
これに対して、例えば以前にそのコンテンツのダウンロードを試みており、ユーザの誤操作や携帯電話機2の故障又はネットワーク障害等によりそのコンテンツの一部だけが既にダウンロードされているときには、このステップSP70において否定結果が得られる。かくしてこのときAWブラウザ2Aのコンテンツレシーバ2AYは、前回のダウンロードにより最後に受信したコンテンツブロックの次のコンテンツブロックのシーケンス番号をコンテンツプロバイダのコンテンツサーバ25に送信する(ステップSP72)。
【0081】
そしてコンテンツサーバ25に実装されたコンテンツサーバプログラム25A(図2)は、かかるユーザ側からのシーケンス番号を受信すると(ステップSP73)、コンテンツストレージ25Bからそのコンテンツのそのシーケンス番号のコンテンツブロックのデータを読み出し、これをユーザ側に送信する(ステップSP74)。
【0082】
このとき携帯電話機2では、このコンテンツサーバ25から送信されるコンテンツブロックのデータをAWブラウザ2Aのコンテンツレシーバ2AY(図2)が受信し、これをコンテンツストレージ2C(図2)に格納する(ステップSP75)。
【0083】
またコンテンツレシーバ2AYは、そのコンテンツブロックのデータを受信し終えると、最後のコンテンツブロックのデータを受信し終えたか否かを判断し(ステップSP76)、否定結果を得ると次に送信すべきコンテンツブロックのシーケンス番号として、そのとき受信し終えたコンテンツブロックの次のコンテンツブロックのシーケンス番号をコンテンツサーバ25に送信する。
【0084】
かくしてコンテンツサーバ25のコンテンツサーバプログラム25Aは、このシーケンス番号を受信すると、そのシーケンス番号のコンテンツブロックのデータをコンテンツストレージから読み出し、これをユーザ側に送信する(ステップSP77)。
【0085】
そして、この後、このような携帯電話機2からのシーケンス番号の送信、コンテンツサーバ25からの当該シーケンス番号のコンテンツブロックのデータの送信、携帯電話機2における当該コンテンツブロックのデータの受信というやり取りが携帯電話機2及びコンテンツサーバ25間において繰り替えされることにより、そのコンテンツのダウンロードが進められる(ステップSP75〜ステップSP77)。そして携帯電話機2のAWブラウザ2Aのコンテンツレシーバ2AYは、やがて最後のコンテンツブロックを受信し終えると、これをコンテンツサーバ25に通知する(ステップSP78)。
【0086】
かくしてコンテンツサーバ25のコンテンツサーバプログラム25Aは、この通知を受信すると(ステップSP79)、予約エントリデータベースサーバ21にアクセスして予約エントリデータベース21Aからその配信予約エントリを削除し(ステップSP80)、この後そのコンテンツの配信が完了したことをユーザ側に通知する(ステップSP81)。
【0087】
そして携帯電話機2のAWブラウザ2Aは、この通知を受信すると(ステップSP82)、携帯電話機2の表示パネルに「配信完了」の文字を表示させ(ステップSP83)、この後この配信予約したコンテンツに対するダウンロード処理を終了する(ステップSP84)。
【0088】
(1−6)コンテンツ配信サービスパターン
次に、このコンテンツ予約配信システム1を用いたコンテンツ配信サービスのサービスパターンを、発売前のゲームのアプリケーションソフトウェアを例に説明する。
【0089】
かかるサービスパターンとしては、第1に、先行予約を受け付けている発売前のゲームについて、発売日の2日前までに配信予約の申し込みがあった場合(ステップSP90)、ダウンロード前に課金処理を終了し(ステップSP91)、その後発売日の前日までにゲームのダウンロード(配信)を完了させて(ステップSP92)、発売日の前日から最初の一部についてプレイできるようにすることが考えられる(ステップSP93)。このようなサービスパターンによれば、ユーザ側に「配信予約」することに対する煩わしさを感じさせないようにすることができる。
【0090】
また第2に、かかるダウンロードの完了までは同じであるが(ステップSP92)、発売日まではそのゲームをプレイすることができず(ステップSP94)、発売日にその制限が自動解除されてプレイできるようにすることが考えられる(ステップSP95)。このようなサービスパターンにおいても、発売日前のゲームを先行予約したユーザは、そのゲームを発売日当日に直ちにプレイすることができる利点がある。
【0091】
さらに第3に、先行予約を受け付けている発売前のゲームについて、発売日の2日前までにそのゲームの配信予約の申し込みがあった場合(ステップSP90)、ダウンロード前には課金処理を行わず(ステップSP96)、発売日の前日までに配信予約のあったゲームのダウンロードを完了させてから(ステップSP97)、課金処理を行うようする(ステップSP98)。このときそのゲームについて、ユーザが発売日の前日からプレイできるようにする(ステップSP99)。このサービスパターンによっても、第1のサービスパターンと同様の効果を得ることができる。
【0092】
さらに第4に、課金処理までは第3のサービスパターンと同じであるが(ステップSP98)、発売日まではそのゲームをプレイすることができず(ステップSP100)、発売日にその制限が自動解除されてプレイできるようにする方法が考えられる(ステップSP101)。このサービスパターンによっても、第2のサービスパターンと同様の効果を得ることができる。
【0093】
さらに第5に、ゲームのアプリケーションソフトウェアをダウンロードするまでは第3及び第4のサービスパターン例と同じであるが(ステップSP97)、発売日まではダウンロードしたゲームをプレイすることができず(ステップSP102)、発売日後にライセンスを購入することによって、そのゲームをプレイできるようにする方法が考えられる(ステップSP103)。
【0094】
さらに第6に、ゲームのアプリケーションソフトウェアをダウンロードするまでは第3及び第4のサービスパターン例と同じであり(ステップSP97)、その後発売日前にライセンスを事前購入するようにしておくことによって(ステップSP104)、発売日まではダウンロードしたゲームをプレイすることができないが(ステップSP105)、発売日にその制限が自動解除されてプレイできるようにする方法が考えられる(ステップSP106)。このサービスパターンによっても、第2のサービスパターンと同様の効果を得ることができる。
【0095】
そして、これら第1〜第6のサービスパターンのいずれの場合においても、ゲームのアプリケーションソフトウェアの配信が発売日前に行われるため、ゲームの発売日当日に配信要求が殺到することに起因するシステム障害等の事故の発生を未然かつ有効に防止できるという効果を得ることができる。
【0096】
(2)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、このコンテンツ予約配信システム1では、携帯電話通信網3のGGSN8及びコンテンツプロバイダセンタ13のルータ14におけるデータトラフィック量をネットワークトラフィック監視サーバ22により常時監視し、ユーザからのコンテンツの配信予約に対しては、スケジュールサーバ23がネットワークトラフィック監視サーバ22の監視結果であるネットワークトラフィックデータベース22Aに格納されたデータトラフィック統計情報に基づいて、予約されたコンテンツを携帯電話通信網3携帯電話通信網3のデータトラフィック量の少ない時間帯に配信するように配信日時を決定し、この決定結果に従って当該コンテンツを配信する。
【0097】
従って、このコンテンツ予約配信システム1では、配信予約要求が集中した場合においても、コンテンツの配信が分散されて行われるため、コンテンツ配信の集中に起因する携帯電話通信網3やコンテンツプロバイダ側の設備の障害の発生を未然かつ有効に防止することができる。
【0098】
この場合において、このコンテンツ予約配信システム1では、かかるコンテンツの配信自体が携帯電話通信網3に余裕のある時間帯に分散して行うようにしているため、莫大な投資を行ってインフラ設備を整備する必要がなく、既存のインフラ設備で対応することができる。
【0099】
またこのコンテンツ予約配信システム1では、このように携帯電話機2へのダウンロードが自動的に行われるため、待ち時間によるストレスからユーザを開放することができ、またネットワークダウン等によるダウンロードのトラブルを防止して、ユーザからみた利便性や信頼性を向上することができる。
【0100】
以上の構成によれば、携帯電話通信網3のGGSN8及びコンテンツプロバイダセンタ13のルータ14におけるデータトラフィック量をネットワークトラフィック監視サーバ22によって常時監視し、ユーザからのコンテンツの配信予約に対しては、スケジュールサーバ23がネットワークトラフィック監視サーバ22の監視結果であるネットワークトラフィックデータベース22Aに格納されたデータトラフィック統計情報に基づいて、予約されたコンテンツを携帯電話通信網3携帯電話通信網3のデータトラフィック量の少ない時間帯に配信するように配信日時を決定し、この決定結果に従って当該コンテンツを配信するようにしたことにより、コンテンツ配信の集中に起因するネットワーク障害等の事故の発生を未然かつ有効に防止することができ、かくして既存のインフラ設備を有効活用して効率良くコンテンツを配信し得るコンテンツ予約配信システムを実現できる。
【0101】
(3)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明を、携帯電話通信網3を用いて携帯電話機2にコンテンツを配信するコンテンツ予約配信システム1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、外部機器からの配信予約要求を受け付け、予約されたコンテンツをネットワークを介して当該外部機器に配信するようになされた、この他種々のコンテンツ配信装置に広く適用することができる。
【0102】
また上述の実施の形態においては、携帯電話通信網3のデータトラフィック量を監視する監視手段としてのデータトラフィック監視サーバ22が、携帯電話通信網3のGGSN8及びコンテンツプロバイダセンタ13のルータ14におけるデータトラフィック量を監視するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これ以外の箇所(例えば携帯電話通信網3内のルータ11)におけるデータトラフィック量を監視するようにしても良い。
【0103】
さらに上述の実施の形態においては、予約エントリデータベースサーバ21の予約エントリデータベース21Aに登録された各配信予約エントリについて、コンテンツの配信日時を決定する決定手段としてのスケジュールサーバ23が、データトラフィック統計情報に基づいて、発売前の先行予約の配信予約エントリについてはゲームの発売前日までのなるべく早い日のうちの統計的に最もデータトラフィック量が少ない時間帯、それ以外の配信予約エントリについてはユーザが指定した配信希望日のうちの統計的に最もデータトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、コンテンツの配信日時を決定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、最もデータトラフィック量が少ない時間帯以外の例えば比較的データトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、コンテンツの配信日時を決定するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明は、携帯電話通信網を介してゲームのアプリケーションソフトウェア等のコンテンツを予約配信するコンテンツ予約配信システムのほか、他のネットワークを介してコンテンツを予約配信するこの他種々のコンテンツ予約配信システムに広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本実施の形態によるコンテンツ予約配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】コンテンツプロバイダセンタ及び携帯電話機の機能構成の説明に供するブロック図である。
【図3】コンテンツ配信予約手順を示すフローチャートである。
【図4】コンテンツ配信予約手順を示すフローチャートである。
【図5】配信予約エントリの説明に供する概念図である。
【図6】配信スケジューリング処理手順を示すフローチャートである。
【図7】携帯電話通信網への時間帯毎のアクセス数を示す特性曲線図である。
【図8】配信スケジュール管理処理手順を示すフローチャートである。
【図9】配信リストの説明に供する概念図である。
【図10】予約コンテンツ配信手順を示すフローチャートである。
【図11】予約コンテンツ配信手順を示すフローチャートである。
【図12】コンテンツ配信サービスパターンの説明に供する概念図である。
【符号の説明】
【0106】
1……コンテンツ予約配信システム、2……携帯電話機、2A……AWブラウザ、2B……証明書ストレージ、2C……コンテンツストレージ、8……GGSN、13……コンテンツプロバイダセンタ、14……ルータ、17……ポータルサーバ、17……ウェブアプリサーバプログラム、18……DRMサーバ、19……証明書・署名発行サーバ、19A……証明書発行プログラム、19B……署名発行プログラム、20……顧客管理データベースサーバ、20A……顧客管理データベース、21……予約エントリデータベースサーバ、21A……予約エントリデータベース、22……ネットワーク監視サーバ、22A……ネットワークトラフックデータベース、23……スケジューリングサーバ、23A……スケジューラ、24……プッシュサーバ、24A……プッシュプログラム、25……コンテンツサーバ、25A……コンテンツサーバプログラム、25B……コンテンツストレージ、30……配信リスト、RT1……配信スケジューリング処理手順、RT2……配信スケジュール管理処理手順。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器からの配信予約要求を受け付け、予約されたコンテンツをネットワークを介して当該外部機器に配信するコンテンツ配信装置において、
上記ネットワークのデータトラフィック量を監視する監視手段と、
上記監視手段の監視結果に基づいて、上記ネットワークにおける上記データトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、上記配信予約要求を送信した上記外部機器に対する上記コンテンツの配信日時を決定する決定手段と、
上記決定手段の決定結果に従って、上記配信予約要求を送信した上記外部機器に対して上記予約されたコンテンツを配信する配信手段と
を具えることを特徴とするコンテンツ配信装置。
【請求項2】
上記決定手段は、
上記配信日時が決定された上記コンテンツを配信する直前に、上記監視手段による現在の上記ネットワークの上記データトラフィック量の上記監視結果に基づいて当該コンテンツを配信する空きが上記ネットワークにあるか否かを判断し、上記空きがないときには、上記監視手段の監視結果に基づいて上記コンテンツの上記配信日時を再決定する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項3】
上記外部機器は、携帯電話機であり、
上記ネットワークは、携帯電話通信網である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信装置。
【請求項4】
外部機器からの配信予約要求を受け付け、予約されたコンテンツをネットワークを介して当該外部機器に配信するコンテンツ配信方法において、
上記ネットワークのデータトラフィック量を監視する第1のステップと、
当該監視結果に基づいて、上記ネットワークにおける上記データトラフィック量が少ない時間帯に配信するように、上記配信予約要求を送信した上記外部機器に対する上記コンテンツの配信日時を決定する第2のステップと、
当該決定結果に従って、上記配信予約要求を送信した上記外部機器に対して上記予約されたコンテンツを配信する第3のステップと
を具えることを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項5】
上記第2のステップでは、
上記配信日時が決定された上記コンテンツを配信する直前に、上記監視手段による現在の上記ネットワークの上記データトラフィック量の上記監視結果に基づいて当該コンテンツを配信する空きが上記ネットワークにあるか否かを判断し、
上記空きがないときには、上記監視手段の監視結果に基づいて上記コンテンツの上記配信日時を再決定する
ことを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項6】
上記外部機器は、携帯電話機であり、
上記ネットワークは、携帯電話通信網である
ことを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−23956(P2006−23956A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201074(P2004−201074)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】