説明

コンバインの伸縮式穀粒排出オーガ

【課題】先端側搬送筒の基端側搬送筒に対する伸縮移動によって搬送スクリュの搬送下流側スクリュ部と搬送上流側スクリュ部とが相対回転しながら伸縮移動するコンバインの伸縮式穀粒排出オーガにおいて、残留穀粒による障害を受けないで、しかも残留穀粒の損失を発生させないで短縮させ得るようにする。
【解決手段】搬送下流側スクリュ部40を穀粒搬出方向に回転しながら短縮移動させる。先端側搬送筒21の穀粒出口21aからの穀粒を貯留する貯留室98を形成した貯留姿勢と、先端側搬送筒21の穀粒出口21aからの穀粒を排出する排出路97を形成した排出姿勢とに切り換え自在な可動部材15を備えてある。搬送下流側スクリュ部40の短縮移動状態において可動部材15を貯留姿勢に自動的に切り換え操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの伸縮式穀粒排出オーガ、詳しくは、先端側搬送筒が基端側搬送筒に伸縮移動自在に支持され、前記基端側搬送筒の内部と前記先端側搬送筒の内部とにわたって位置する搬送スクリュにおける搬送下流側スクリュ部と搬送上流側スクリュ部とが相対回転および伸縮移動自在に連結され、前記先端側搬送筒の前記基端側搬送筒に対する伸縮移動によって前記搬送下流側スクリュ部と前記搬送上流側スクリュ部とが相対回転しながら伸縮移動するように構成したコンバインの伸縮式穀粒排出オーガに関する。
【背景技術】
【0002】
上記した伸縮式穀粒排出オーガは、先端側搬送筒を基端側搬送筒に対して伸縮移動させることにより、先端側搬送筒の伸縮移動によって搬送スクリュが先端側搬送筒の伸縮移動量に対応した伸縮長さに伸縮し、穀粒排出オーガの全長が短くなったり長くなったりするものである。
【0003】
この種の穀粒排出オーガとして、従来、たとえば特許文献1に記載された横オーガ9があった。特許文献1に記載された横オーガ9は、第1ケース23(基端側搬送筒に相当)と、この第1ケース23に伸縮方向にスライド自在に内嵌された第2ケース24(先端側搬送筒に相当)とを備え、第1ケース23および第2ケース24の内部に設けられた第1搬送スクリュ20、第2搬送スクリュ21、第3搬送スクリュ22を備えている。
第1搬送スクリュ20及び第2搬送スクリュ21は、搬送上流側に位置する第1スクリュ40と、この第1スクリュ40の搬送下流側に位置する第2スクリュ41とを備えている。
横オーガ9が最も伸長した状態から第1ケース23に対して第2ケース24が搬送上流側に移動すると、第1搬送スクリュ20の第1スクリュ40が第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41に対して相対回転しながらこの第2スクリュ41の方に入り込み、第2搬送スクリュ20の第1スクリュ40が第2搬送スクリュ20の第2スクリュ41に対して相対回転しながらこの第2スクリュ41の方に入り込む。
横オーガ9が最も短縮した状態から第1ケース23に対して第2ケース24が搬送下流側に移動すると、第1搬送スクリュ20の第2スクリュ41のみが搬送下流側に移動し、第2搬送スクリュ21の第2スクリュ41のみが搬送下流側に移動する。(各符号は、公報に記載されたものである。)
【0004】
【特許文献1】特開2008−167716号公報(段落〔0020〕、〔0025〕、〔0045〕、〔0046〕、〔0051〕、〔0061〕、〔0062〕、図3〜10)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した伸縮式穀粒排出オーガでは、搬送スクリュの搬送下流側スクリュ部と搬送上流側スクリュ部との一方におけるスクリュ羽根が他方におけるスクリュ羽根のスクリュピッチの間に入り込み、搬送下流側スクリュ部と搬送上流側スクリュ部のスクリュ羽根どうしが寄り合った状態になって搬送スクリュが短縮する。
したがって、短縮操作が行われた際、搬送筒に残留した穀粒があり、残留穀粒がスクリュ羽根どうしの間に詰まることがあると、短縮がスムーズでなくなったり進行しなくなったりする場合がある。
【0006】
本発明の目的は、残留穀粒があっても、残留穀粒による障害を受けないで、しかも残留穀粒の損失を発生させないで短縮させることができるコンバインの伸縮式穀粒排出オーガを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、先端側搬送筒が基端側搬送筒に伸縮移動自在に支持され、前記基端側搬送筒の内部と前記先端側搬送筒の内部とにわたって位置する搬送スクリュにおける搬送下流側スクリュ部が搬送上流側スクリュ部に相対回転および伸縮移動自在に連結され、前記先端側搬送筒の前記基端側搬送筒に対する伸縮移動によって前記搬送下流側スクリュ部が前記搬送上流側スクリュ部に対して回転しながら伸縮移動するように構成したコンバインの伸縮式穀粒排出オーガにおいて、
前記搬送下流側スクリュ部を穀粒搬出方向に回転しながら短縮移動するように構成し、
前記搬送下流側スクリュ部からの穀粒を貯留する貯留室を形成した貯留姿勢と、前記先端側搬送筒の穀粒出口からの穀粒を排出する排出路を形成した排出姿勢とに切り換え自在に前記先端側搬送筒に設けた可動部材を備え、
前記搬送下流側スクリュ部の短縮移動状態において前記可動部材を前記貯留姿勢に自動的に切り換え操作する制御手段を備えてある。
【0008】
本第1発明の構成によると、搬送筒に残留穀粒があっても、残留穀粒が搬送下流側スクリュ部の穀粒搬出方向の回転によって穀粒出口に向けて搬送され、寄り合うスクリュ羽根どうしの間に入り込む残留穀粒を少なくしたり無くしたりして寄り合うスクリュ羽根の間に穀粒詰まりが発生することを回避しながら搬送スクリュを短縮させることができる。
搬送下流側スクリュ部によって残留穀粒が穀粒出口に向けて搬送されても、制御手段による可動部材の貯留姿勢への切り換えによって貯留室が形成されており、この貯留室に搬送下流側スクリュ部からの穀粒が貯留される。
【0009】
したがって、排出オーガを短縮状態に切り換えるのに、残留穀粒があっても、残留穀粒による障害を受けないで搬送スクリュを短縮目標位置までスムーズに短縮させて迅速に切り換えられる。しかも、残留穀粒が貯留室に貯留され、穀粒のこぼれ落ちによる損失を防止できる。
【0010】
本第2発明では、前記先端側搬送筒の穀粒出口に連通させて前記先端側搬送筒に設けられた排出筒を備え、前記可動部材は、前記排出筒を開閉する蓋体である。
【0011】
本第2発明の構成によると、蓋体を付加するだけで、排出筒を貯留室形成手段に利用して貯留室を形成することができる。
【0012】
したがって、短縮時における残留穀粒の詰まり及び損失を防止できるものを、貯留室形成の面から安価に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係る伸縮式穀粒排出オーガが装着されたコンバインの側面図である。図2は、本発明の実施例に係る伸縮式穀粒排出オーガが装着されたコンバインの平面図である。これらの図に示すように、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1,1によって自走するように構成され、かつ運転座席2を有した運転部、および運転座席2の下方に設けたエンジンEを有した原動部が装備された自走機体を備え、この自走機体の機体フレーム3の前部に連結された刈取り部4を備え、前記機体フレーム3の後部側に自走機体横方向に並べて設けた脱穀装置5と穀粒タンク6を備え、この穀粒タンク6の後側に自走機体上下向きに設けた縦穀粒排出オーガ7を有した穀粒排出装置8を備えている。
【0014】
このコンバインは、稲、麦などの収穫作業を行う。
すなわち、刈取り部4は、刈取り部フレーム4aが昇降シリンダ9によって機体フレーム3に対して上下揺動操作されることにより、刈取り部4の前端部に位置する分草具4bが田面の近くに下降した下降作業状態と、分草具4bが田面から高く上昇した上昇作業状態とに昇降する。この刈取り部4を下降作業状態にして自走機体を走行させると、刈取り部4は、エンジンEからの駆動力によって駆動されて植立穀稈を引起しながら刈り取る。脱穀装置5は、エンジンEからの駆動力によって駆動されて刈取り部4からの刈り取り穀稈を脱穀処理する。穀粒タンク6は、脱穀装置5からの脱穀粒を回収して貯留する。
【0015】
穀粒排出装置8は、前記縦穀粒排出オーガ7(以下、縦オーガ7と呼称する。)を備える他、この縦オーガ7の搬送終端側に上中継ケース10を介して搬送始端側が接続された横向きの穀粒排出オーガ11(以下、横オーガ11と略称する。)を備えている。
【0016】
縦オーガ7の搬送始端側は、穀粒タンク6の底部内に位置する底排出スクリュ12に下中継ケース13を介して接続されている。縦オーガ7の搬送スクリュ7aは、下中継ケース13の内部に位置するベベルギヤを有した連動機構によって底排出スクリュ12に連動され、横オーガ11の搬送スクリュ11aは、上中継ケース10の内部に位置する連動機構14(図4参照)を介して縦オーガ7の搬送スクリュ7aに連動されている。
【0017】
つまり、穀粒排出装置8は、エンジンEから底排出スクリュ12への伝動を入り切りする排出クラッチ12a(図1参照)が入り操作されることにより、穀粒タンク6に貯留されている穀粒を排出する。
すなわち、排出クラッチ12aが入り操作されると、底排出スクリュ12が駆動されるとともにこの底排出スクリュ12の駆動力によって縦オーガ7の搬送スクリュ7aが駆動され、この搬送スクリュ7aの駆動力によって横オーガ11の搬送スクリュ11aが駆動される。底排出スクリュ12によって穀粒タンク6から排出されて下中継ケース13に送り込まれた穀粒を縦オーガ7によって揚送して上中継ケース10に送り込み、上中継ケース10に流入した穀粒を横オーガ11によって横送りしてこの横オーガ11の搬送筒11bの先端部に設けてある排出筒15から排出する。このとき、排出筒15の外側に設けてある作業灯16(図1,6参照)によって穀粒排出箇所を照明することができる。
【0018】
穀粒排出装置8は、縦オーガ7の搬送筒7bと下中継ケース13とにわたって設けられた旋回操作機構17(図1,2参照)、縦オーガ7の搬送筒7bが有するシリンダブラケットと横オーガ11の搬送筒11bが有する連結軸18とにわたって連結された昇降シリンダ19(図1,2参照)を備え、旋回操作機構17が有する旋回モータ17aが駆動され、昇降シリンダ19が駆動されることにより、穀粒排出箇所を変更する。
【0019】
すなわち、旋回モータ17aが駆動されると、この旋回モータ17aよって駆動される旋回操作機構17によって縦オーガ7が下中継ケース13に対して旋回操作されて横オーガ11が縦オーガ7と共に旋回し、排出筒15が縦オーガ7の旋回軸芯まわりに旋回移動する。
【0020】
昇降シリンダ19が駆動されると、この昇降シリンダ19の駆動力によって横オーガ11が縦オーガ7に対して上下に揺動操作され、排出筒15が横オーガ11の揺動軸芯まわりに昇降移動する。
【0021】
次に横オーガ11について説明する。
図3(a)は、横オーガ11の最も伸長した状態での縦断面図である。図3(b)は、横オーガ11の最も短縮した状態での縦断面図である。図4〜図6は、図3(a)の状態でのA〜Cの位置における横オーガ11の詳細縦断面図である。図7及び図8は、図3(b)の状態でのD及びEの位置における横オーガ11の詳細縦断面図である。
【0022】
これらの図に示すように、横オーガ11の搬送筒11bは、前記上中継ケース10に搬送上流側端部が連結された横断面円形の基端側搬送筒20と、前記排出筒15が搬送下流側端部に設けられた横断面円形の先端側搬送筒21とを備えて構成してある。
【0023】
先端側搬送筒21は、基端側搬送筒20に外嵌した状態で基端側搬送筒20に伸縮移動自在に支持されている。図4、図12に示すように、先端側搬送筒21は、これの搬送上流側端部に搬送筒周方向に分散配置して設けた3個のガイドローラ22,23を備えている。先端側搬送筒21は、各ガイドローラ22,23が基端側搬送筒20の外周面に当接して転動することにより、先端側搬送筒21の軸芯と基端側搬送筒20の軸芯とが合致した状態で伸縮移動する。各ガイドローラ22,23は、先端側搬送筒21に止着されたステー24に支軸ピン25を介して回転自在に支持されている。3個のガイドローラ22,23のうちの一つのガイドローラ23は、基端側搬送筒20の外周面に固定された回り止めレール26に係合しながら転動し、これにより、先端側搬送筒21は、基端側搬送筒20に対する回転を防止された状態で伸縮移動する。
【0024】
横オーガ11の搬送スクリュ11aは、基端側搬送筒20と先端側搬送筒21とにわたって内装されている。この搬送スクリュ11aは、搬送上流側に位置した搬送上流側スクリュ部30(以下、上流側スクリュ部30と呼称する。)と、搬送下流側に位置した搬送下流側スクリュ部40(以下、下流側スクリュ部40と呼称する。)とを備えて構成してある。
【0025】
上流側スクリュ部30は、前記上中継ケース10の内部に搬送上流側端部が位置した筒軸形のスクリュ軸31と、このスクリュ軸31に一体回転自在に支持された上流側スクリュ羽根32と、この上流側スクリュ羽根32よりも搬送下流側に位置させてスクリュ軸31の搬送下流側端部に支持された下流側スクリュ羽根33とを備えて構成してある。
【0026】
図4に示すように、上流側スクリュ部30のスクリュ軸31は、これの搬送上流側端部の内側に連結部材34及び連結ピン35を介して一体回転自在に連結された連結軸36を備えており、上中継ケース10に位置する前記連動機構14のベベルギヤ14aに連結軸36を介して一体回転自在に連結されている。
【0027】
図5に示すように、上流側スクリュ部30のスクリュ軸31の搬送下流側端部は、基端側搬送筒20の搬送下流側端部に設けたホルダー37のアーム部37aにベアリング及び連結筒38を介して回転自在に支持されている。
【0028】
上流側スクリュ部30の上流側スクリュ羽根32は、全長にわたってスクリュ軸31に一体回転自在に固着されている。上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33は、これの搬送上流側端部に一体回転自在に連結された取り付け筒39を備え、この取り付け筒39および前記連結筒38を介してスクリュ軸31に一体回転自在に連結されている。下流側スクリュ羽根33は、前記下流側スクリュ部40の筒軸形のスクリュ軸41に巻きつけられている。しかし、このスクリュ軸41と下流側スクリュ羽根33とは、所定間隔を備えて離れていて連結されていない。
【0029】
前記下流側スクリュ部40は、前記スクリュ軸41を備える他、このスクリュ軸41の搬送下流側部分に巻きつけられたスクリュ羽根42を備えて構成してある。このスクリュ羽根42は、全長にわたってスクリュ軸41に一体回転自在に固着されている。
【0030】
下流側スクリュ部40のスクリュ軸41の外径は、上流側スクリュ部30のスクリュ軸31の内径よりも小になっている。図6に示すように、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41の搬送下流側端部は、先端側搬送筒21の先端部に設けたホルダ43にベアリングを介して回転自在に支持されている。
つまり、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41は、先端側搬送筒21が基端側搬送筒20に対して伸縮移動操作されるに伴い、上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33に対応する部分で上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に内嵌した状態でこのスクリュ軸31に対して伸縮移動する。このとき、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が回転操作されると、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42は、上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33に対して回転しながらこの下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間に対して出入りする。下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42は、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して短縮移動する場合、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41の搬送上流側端部と上流側スクリュ部30のスクリュ軸31とにわたって設けたガイド機構50の作用によって穀粒搬出方向(穀粒を排出筒15に向けて搬送する回転方向)に回転しながら下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間に入っていく。
【0031】
下側スクリュ部40のスクリュ軸41と前記取り付け筒39との間は、取り付け筒39の端部に設けたダストシール39aによってシールされている。
【0032】
図5に示すように、前記ガイド機構50は、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41の搬送上流側端部に連結されたガイドキー51と、上流側スクリュ部30のスクリュ軸31の内部に設けたガイド軸52とを備えて構成してある。
【0033】
図7に示すように、ガイド軸52は、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41の軸芯と同芯状に配置されている。ガイド軸52は、これの搬送上流側端部に一体回転自在に外嵌された連結体53を介して上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に一体回転自在に連結されており、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して伸縮移動する際、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41がガイド軸52に外嵌した状態でガイド軸52に対してガイド軸52の軸芯方向に移動する。
【0034】
図15は、ガイド機構50の縦断面図である。図16は、図15のXVI−XVI断面矢視図である。これらの図に示すように、ガイドキー51は、ガイド軸52に相対回転および摺動自在に外嵌する筒形キー本体54と、この筒形キー本体54の内周面側に突設したガイド突起55と、筒形キー本体54の外周面側に筒形キー本体54の周方向に分散配置して突設した複数の連結突起56とを備えて構成してある。ガイド突起55および各連結突起56は、筒形キー本体54に一体成形されている。
【0035】
筒形キー本体54は、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41の端部に筒体を一体回転自在に連結して設けたキー支持部44の組み付け孔に嵌入されている。各連結突起56は、キー支持部44の回り止め凹部44aに係入されている。キー支持部44に装着された止め輪57が筒形キー本体54の端面に抜け止め作用している。
つまり、ガイドキー51は、ガイド軸52に対してスクリュ軸41と一体に回転するように、かつガイド軸52に対してスクリュ軸41と一体に移動するようにキー支持部44に支持されている。
ガイド突起55は、ガイド軸52の周面に設けられた螺旋ガイド溝52aに摺動自在に係入している。
【0036】
したがって、ガイド機構50は、先端側搬送筒21が基端側搬送筒20に対して短縮移動側に移動操作される場合、先端側搬送筒21が下流側スクリュ部40のスクリュ軸41を押し移動操作してガイドキー51がガイド軸52に対して搬送上流側に移動操作され、ガイド突起55が螺旋ガイド溝52aに案内されて搬送上流側に移動することにより、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41を上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して短縮移動側に移動するとともに回転するように案内する。
これにより、ガイド機構50は、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42を穀粒搬出方向に回転しながら上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間に入り込んでいくように案内する。
【0037】
ガイド機構50は、先端側搬送筒21が基端側搬送筒20に対して伸長移動側に移動操作される場合、先端側搬送筒21が下流側スクリュ部40のスクリュ軸41を引き移動操作してガイドキー51がガイド軸52に対して搬送下流側に移動操作されることにより、ガイド突起55が螺旋ガイド溝52aに案内されて搬送下流側に移動することにより、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41を上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して伸長移動側に移動するとともに回転するように案内する。
これにより、ガイド機構50は、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42を穀粒搬出方向と逆方向に回転しながら上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間から出ていくように案内する。
【0038】
さらに、ガイド機構50は、上流側スクリュ部30が前記連動機構14によって縦オーガ7の駆動力を伝達されて穀粒搬出を行なうよう駆動された場合、ガイド軸52が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31によって駆動され、ガイド軸52の駆動力をガイドキー51を介して下流側スクリュ部40のスクリュ軸41に伝達することにより、下流側スクリュ部40を上流側スクリュ部30と共に穀粒搬出の回転方向に回転するように駆動する。
【0039】
図9に示すように、横オーガ11は、基端側搬送筒20の搬送上流側端部の外側に位置した電動式のモータ61(以下、伸縮モータ61と呼称する。)が装備された伸縮駆動機構60を備えている。
【0040】
図9(a)は、伸縮駆動機構60の伸長操作状態での平面図である。図9(b)は、伸縮駆動機構60の短縮操作状態での平面図である。図10(a)は、伸縮駆動機構60の伸長操作状態での側面図である。図10(b)は、伸縮駆動機構60の短縮操作状態での側面図である。図11は、横オーガ11の伸縮駆動機構60が配設されている部位における側面図である。図12は、図11のXII−XII断面矢視図である。図13は、図11のXIII−XIII断面矢視図である。図14は、伸縮駆動機構60の横断平面図である。これらの図に示すように、伸縮駆動機構60は、先端側搬送筒21の搬送上流側端部と基端側搬送筒20の搬送上流側端部とにわたって設けられている。この伸縮駆動機構60は、前記伸縮モータ61を備える他、基端側搬送筒20の搬送上流側端部に支持されたチェーン支持部材62を備え、このチェーン支持部材62に先端側搬送筒21の伸縮移動方向に沿わせて支持された無端回動チェーン63を備え、この無端回動チェーン63の一部分に位置するローラ63aと先端側搬送筒21の搬送上流側端部とを連結した連結体64を備えて構成してある。
【0041】
チェーン支持部材62は、基端側搬送筒20の搬送上流側端部に設けた一対の支持部20a,20aに連結ボルトによって脱着自在に連結された連結部材65と、この連結部材65に一対の連結ボルト65a,65aを介して一端側が連結されたレール部材66とを備えて構成してある。
【0042】
伸縮モータ61は、前記連結部材65に連結ボルトによって止着された減速機67を介して連結部材65に支持されている。減速機67は、これの出力軸に一体回転自在に連結された駆動スプロケット68を備え、伸縮モータ61が出力した正回転方向および逆回転方向の駆動力を入力して減速し、この減速駆動力によって駆動スプロケット68を駆動する。
【0043】
無端回動チェーン63は、前記駆動スプロケット68と、前記レール部材66の連結部材65に連結している側とは反対側の端部に支軸69を介して遊転自在に支持された遊転スプロケット70とに巻回されている。これにより、無端回動チェーン63は、チェーン支持部材62に回動自在に支持された状態となっていて、先端側搬送筒21の伸縮移動方向に沿った方向に回動する。
【0044】
図17は、連結体64の分解状態での斜視図である。この図および図11,12,14に示すように、連結体64は、先端側搬送筒21の搬送上流側端部の外面側に固着された連結軸71と、この連結軸71の先端部71aに外嵌された連結板72とを備えて構成してある。
【0045】
連結板72は、連結軸71の先端部71aの非円形の外周形状によって連結軸71に対して回転不能に連結している。連結板72は、連結軸71に装着された抜け止めネジ73によって外れ止めされている。この連結板72は、無端回動チェーン63の長手方向に並んだ3つの連結爪72aを備え、各連結爪72aが無端回動チェーン63のローラ間に係入していることにより、無端回動チェーン63のローラ63aに一体移動自在に連結している。
【0046】
したがって、連結体64は、無端回動チェーン63のチェーン構成体としてのローラ63aと、先端側搬送筒21の搬送上流側端部とを一体移動自在に連結している。
【0047】
つまり、伸縮駆動機構60は、伸縮モータ61が駆動されると、この伸縮モータ61によって減速機67および駆動スプロケット68を介して無端回動チェーン63を正回転方向あるいは逆回転方向に駆動し、無端回動チェーン63に発生した張り側部分と緩み側部分とのうちの張り側部分によって連結体64を引っ張り移動させる。無端回動チェーン63が正回転方向に駆動された場合に無端回動チェーン63に発生した張り側部分によって連結体64が引っ張り移動される方向と、無端回動チェーン63が逆回転方向に駆動された場合に無端回動チェーン63に発生した張り側部分によって連結体64を引っ張り移動される方向とは逆方向になる。
これにより、伸縮駆動機構60は、伸縮モータ61が正回転方向あるいは逆回転方向に駆動されることにより、伸縮モータ61の駆動力によって無端回動チェーン63を正回転方向あるいは逆回転方向に回動作動させ、この無端回動チェーン63によって連結体64を引き移動操作することにより、先端側搬送筒21を無端回動チェーン63の正回転方向と逆回転方向との一方に対応した伸長移動方向や、無端回動チェーン63の正回転方向と逆回転方向との他方に対応した短縮移動方向に移動操作する。
【0048】
図12,14,17に示すように、前記連結体64は、連結軸71の基端側に回転自在に支持された輪体74を備えている。この輪体74は、連結軸71に外嵌されたリング形のスペーサ75の作用により、連結板72に対して設定間隔を隔てた所定位置に位置決めされている。前記チェーン支持部材62は、輪体74の周面に当接して案内作用するように構成してレール部材66に設けた一対のガイド部66a,66aを備えている。
【0049】
つまり、チェーン支持部材62のガイド部66aは、輪体74に接触作用することにより、連結体64を一対のガイド部66a,66aの間を移動するように案内し、これにより、連結体64がチェーン支持部材62に対して先端側搬送筒21の周方向にずれ動いて連結体64と無端回転チェーン63とが外れることを防止する。
【0050】
したがって、横オーガ11は、伸縮モータ61を駆動することにより、伸縮駆動機構60が作動してこの伸縮駆動機構60によって短縮状態に切り換えられて、横オーガ11の全長を短くして格納できるようになり、あるいは伸縮駆動機構60によって伸長状態に切り換えられて、横オーガ11の全長を長くして排出作業できるようになる。
【0051】
つまり、底排出スクリュ12を停止させておいて伸縮モータ61が正回転方向あるいは逆回転方向に駆動されると、無端回動チェーン63が伸縮モータ61によって駆動されて連結体64を引っ張り移動操作し、先端側搬送筒21が基端側搬送筒20に対して伸長移動操作あるいは短縮移動操作される。無端回動チェーン63が正回転方向と逆回転方向の一方に駆動された場合、先端側搬送筒21が伸長移動操作されて、搬送筒11bが伸長状態(図3(a)の状態)に切り換わり、無端回動チェーン63が正回転方向と逆回転方向の他方に駆動された場合、先端側搬送筒21が短縮移動操作されて、搬送筒11bが短縮状態(図3(b)の状態)に切り換わる。
【0052】
先端側搬送筒21が短縮移動操作(搬送上流側に移動操作)された場合、下流側スクリュ部40が先端側搬送筒21によって搬送上流側に押し操作されることにより、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して搬送上流側(短縮移動側)に移動し、ガイドキー51がガイド軸52の螺旋ガイド溝52aによって案内されることにより、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して回転し、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42が、穀粒搬出方向に回転して先端側搬送筒21の内部に残留穀粒があってもこの残留穀粒を下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42と上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33との間に詰まらないように先端側搬送筒21の穀粒出口21a(図6参照)に向けて搬送しながら搬送上流側に移動して上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間に入っていく。先端側搬送筒21の短縮移動距離が移動距離L(図3(b)参照)に達して横オーガ全体としての搬送筒11bが最も短縮した状態になると、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42の全体が上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間に入り、横オーガ全体としての搬送スクリュ11aが最も短縮した状態(図3(b)の状態)に切り換わる。
【0053】
先端側搬送筒21が伸長移動操作(搬送下流側に移動操作)された場合、下流側スクリュ部40が先端側搬送筒21によって搬送下流側に引き操作されることにより、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して搬送下流側(伸長移動側)に移動し、ガイドキー51がガイド軸52の螺旋ガイド溝52aによって案内されることにより、下流側スクリュ部40のスクリュ軸41が上流側スクリュ部30のスクリュ軸31に対して回転し、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42が、上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33に対して穀粒搬出方向と逆方向に回転しながら搬送下流側に移動して上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間から出ていく。先端側搬送筒21の伸長移動距離が移動距離Lに達して横オーガ全体としての搬送筒11bが最も伸長した状態になると、下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42のほぼ全体が上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33のスクリュピッチの間から出て、横オーガ全体としての搬送スクリュ11aが最も伸長した状態(図3(b)の状態)に切り換わる。
【0054】
図11,14に示すように、レール支持部材62の連結部材65とレール部材66とを連結している前記一対の連結ボルト65a,65aは、連結調節機構80を構成している。この連結調節機構80は、前記一対の連結ボルト65a,65aを備える他、レール部材66に一対の連結ボルト65a,65aを介して連結されたレール操作部材81と、連結部材65に固定された固定部材82とを備え、この固定部材82とレール操作部材81とにわたって装着された調節ネジ軸83を備えている。
【0055】
連結調節機構80は、一対の連結ボルト65a,65aによるレール部材66の連結部材65に対する締め付け固定を解除しておいて、調節ネジ軸83に装着されている一対のナットで成る調節部材84,84が回転操作されることにより、レール部材66の連結部材65に対する連結位置を無端回動チェーン63の移動方向に変更する。
【0056】
すなわち、一対の調節部材84,84を回転操作すると、調節ネジ軸83が調節部材84による送り操作によって固定部材82に対して移動操作されてレール操作部材81を移動操作する。一対の連結ボルト65a,65aが、連結部材65に設けてあるチェーン移動方向に長いボルト孔85に沿わせてレール操作部材81によって移動操作されてレール部材66を連結部材65に対して移動させる。
【0057】
図6に示すように、先端側搬送筒21は、前記排出筒15の内部に設けた蓋体90を備えている。この蓋体90は、支軸91の軸芯まわりに揺動開閉自在に支持されており、排出筒15の外部に設けた電動モータ92(以下、開閉モータ92と呼称する。)による開閉アーム93の揺動操作によって開き状態と閉じ状態とに切り換えられる。
【0058】
開閉モータ92は、減速機94を介して排出筒15に支持されており、かつ減速機94を介して開閉アーム93に連動されている。
【0059】
図6及び図18(a)は、蓋体90の開き操作状態を示している。これらの図に示すように、開閉モータ92が開閉アーム93を下降側に揺動操作して、開閉アーム93に設けてある位置決めピン95がガイド溝96の下端部に位置すると、開閉アーム93が開き操作位置となり、蓋体90が自重による下降揺動によって開き姿勢になる。開き姿勢になった蓋体90は、排出筒15を開き状態に切り換えることにより、排出筒15の内部に排出路97を形成する。排出路97は、先端側搬送筒21の穀粒出口21aに連通しており、先端側搬送筒21の穀粒出口21aから出た穀粒を排出筒15から排出させる。
【0060】
図8及び図18(b)は、蓋体90の閉じ操作状態を示している。これらの図に示すように、開閉モータ92が開閉アーム93を上昇側に揺動操作して、開閉アーム93の位置決めピン95がガイド溝96の上端部に位置すると、蓋体90が開閉アーム93による押し上げ操作によって閉じ姿勢になる。閉じ姿勢になった蓋体90は、排出筒15を閉じ状態に切り換えることにより、排出筒15の内部に貯留室98を形成する。貯留室98は、短縮移動操作される下流側スクリュ部40によって搬送された穀粒を排出筒15から出ないように貯留する。
【0061】
図8に示すように、開閉モータ92は、制御手段100に連係され、この制御手段100は、伸縮モータ61の駆動回路101と、横オーガ11の伸縮検出機構102とに連係されている。
【0062】
制御手段100は、マイクロコンピュータを利用して構成してある。この制御手段100は、駆動回路101から伸縮モータ61の操作情報を入力してこの入力情報を基に下流側スクリュ部40が短縮移動状態や停止状態にあること検出し、伸縮検出機構102から検出情報を入力してこの入力情報を基に横オーガ11が短縮状態や伸長状態になっていることを検出する。
【0063】
制御手段100は、下流側スクリュ部40が短縮移動状態にあると検出した場合、この検出結果を基に開閉モータ92を閉じ側に制御し、これによって蓋体90を閉じ姿勢に切り換え操作する。このとき、制御手段100は、開閉アーム93の上昇位置(閉じ操作位置)への切り換わりを検出する検出スイッチ103(図18参照)による検出情報を基に、蓋体90が閉じ姿勢になったことを検出する。制御手段100は、横オーガ11が短縮状態になっていると検出した場合、蓋体90を閉じ姿勢に維持操作する。
【0064】
制御手段100は、横オーガ11が伸長状態になっていると検出した場合、この検出結果を基に開閉モータ92を開き側に制御し、これによって蓋体90を開き姿勢に維持操作する。このとき、制御手段100は、開閉アーム93の下降位置(開き操作位置)への切り換わりを検出する検出スイッチ104(図18参照)による検出情報を基に、蓋体90が開き姿勢になったことを検出する。
【0065】
したがって、横オーガ11は、短縮状態に切り換えられる際、先端側搬送筒21に残留穀粒が存在しており、この残留穀粒が短縮移動操作される下流側スクリュ部40のスクリュ羽根42の穀粒搬出方向の回転によって穀粒出口21aに向けて搬送されて穀粒出口21aから出ることがあっても、制御手段100が蓋体90を閉じ姿勢に操作してこの蓋体90が貯留室98を形成しており、穀粒出口21aから出た穀粒を貯留室98に貯留して排出筒15から落下させない。この後、自走機体が移動走行や作業走行される際、横オーガ11は、短縮状態に維持されていると、制御手段100が蓋体90を閉じ姿勢に維持操作していて蓋体90が貯留室98を形成しており、貯留室98に貯留された穀粒を排出筒15から落下させない。
【0066】
図6に示すように、前記制御手段100は、排出クラッチ牽制機構110に連係されている。
制御手段100は、横オーガ11が短縮状態に切り換えられた際、伸縮検出機構102による検出情報を基に排出クラッチ牽制機構110を自動的に作動させて排出クラッチ牽制機構110によって排出クラッチ12aの入り操作を不能にさせる。すなわち、横オ―ガ11が短縮状態に切り換えられることによって排出筒15の排出口の上方に位置した上流側スクリュ部30の下流側スクリュ羽根33を駆動できなくする。
【0067】
図19は、伸縮検出機構102の平面図である。この図及び図9,12に示すように、伸縮検出機構102は、先端側搬送筒21の搬送上流側端部に固設したステー105に支持された回転ポテンショメータ106と、基端側搬送筒20の外周面に設けた検出対象レール107とを備えて構成してある。
【0068】
回転ポテンショメータ106は、これの回転操作軸106aに一体回転自在に取り付けられた検出アーム108と、この検出アーム108の先端部にローラを取り付けて設けてある接触検出部109を備えている。接触検出部109は、回転操作軸106aの復帰回動力によって検出対象体レール107に接触する。
【0069】
先端側搬送筒21が伸縮移動操作されると、回転ポテンショメータ106が先端側搬送筒21と共に移動し、先端側搬送筒21が伸長移動のストロークエンドに位置すると、接触検出部109が検出対象レール107の検出対象箇所107aに当接し、検出アーム108が検出対象箇所107aに対応した操作位置に揺動操作されて回転操作軸106aを回転操作する。先端側搬送筒21が短縮移動ストロークエンドの手前に位置すると、接触検出部109が検出対象レール107の検出対象箇所107bに当接し、検出アーム108が検出対象箇所107bに対応した操作位置に揺動操作されて回転操作軸106aを回転操作する。先端側搬送筒21が短縮移動のストロークエンドに位置すると、接触検出部109が検出対象レール107の検出対象箇所107cに当接し、検出アーム108が検出対象箇所107cに対応した操作位置に揺動操作されて回転操作軸106aを回転操作する。
【0070】
したがって、伸縮検出機構102は、接触検出部109が検出対象箇所107aに接触することによって横オーガ11が最伸長状態になったと検出し、接触検出部109が検出対象箇所107bに接触することによって横オーガ11が最短縮状態のやや手前の短縮状態になったと検出し、接触検出部109が検出対象箇所107cに接触することによって横オーガ11が最短縮状態になったと検出し、各検出結果を回転ポテンショメータ106によって電気信号にして制御手段100に出力する。
【0071】
図20は、別の実施構造を備えた先端側搬送筒21の縦断側面図である。この先端側搬送筒21は、これの搬送下流側端部に回転自在に装着された排出筒15、先端側搬送筒21に支持された電動モータ111が装備された姿勢切換え機構110を備えている。
【0072】
姿勢切換え機構110は、前記電動モータ111を備える他、排出筒15に一体回転自在に設けたリングギヤ112を備えている。このリングギヤ112に噛み合ったピニオンギヤ113が電動モータ111の出力軸に一体回転自在に支持されている。
【0073】
姿勢切換え機構110は、電動モータ111が駆動されると、この電動モータ111によって駆動されるピニオンギヤ113により、排出筒15を排出姿勢と貯留姿勢とに切換える。
【0074】
姿勢切換え機構110は、制御手段100による電動モータ111の制御により、横オーガ11の伸長状態において、排出筒15を排出姿勢に自動的に切り換え、下流側スクリュ部40の短縮移動状態および横オーガ11の短縮状態において、排出筒15を貯留姿勢に自動的に切換える。
【0075】
図20(a)は、排出筒15の排出姿勢を示している。この図に示すように、排出筒15が先端側搬送筒21から下向きに延出した取り付け勢に切り換えられると、排出筒15は、排出姿勢となる。排出姿勢になった排出筒15は、排出筒15の開口を先端側搬送筒21の穀粒出口21aに連通させた排出路97を形成し、先端側搬送筒21の穀粒出口21aから出た穀粒を排出筒15から排出する。
【0076】
図20(b)は、排出筒15の貯留姿勢を示している。この図に示すように、排出筒15が先端側搬送筒21から上方向きに延出した取り付け姿勢に切り換えられると、排出筒15は、貯留姿勢となる。貯留姿勢になった排出筒15は、排出筒15の先端側排出筒21に外嵌している部分15aによって先端側搬送筒21の穀粒出口21aを閉じて先端側搬送筒21の内部に貯留室98を形成する。貯留室98は、短縮移動操作される下流側スクリュ部20によって搬出された穀粒出口21aに至った穀粒を排出筒15から出ないように貯留する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの平面図
【図3】横オーガの全体の縦断面図
【図4】横オーガを伸長させた状態におけるA部の詳細構造を示す縦断面図
【図5】横オーガを伸長させた状態におけるB部の詳細構造を示す縦断面図
【図6】横オーガを伸長させた状態におけるC部の詳細構造を示す縦断面図
【図7】横オーガを短縮させた状態におけるD部の詳細構造を示す縦断面図
【図8】横オーガを短縮させた状態におけるE部の詳細構造を示す縦断面図
【図9】伸縮駆動機構および伸縮検出機構の平面図
【図10】伸縮駆動機構の側面図
【図11】横オーガの伸縮駆動機構が配設されている部位での側面図
【図12】図11のXII−XII断面矢視図
【図13】図11のXIII−XIII断面矢視図
【図14】伸縮駆動機構の横断平面図
【図15】ガイド機構の縦断面図
【図16】図15のXVI−XVI断面矢視図
【図17】連結体の分解状態での斜視図
【図18】蓋体操作構造の後面図
【図19】伸縮検出機構の平面図
【図20】別実施構造を備えた先端側搬送筒の縦断側面図
【符号の説明】
【0078】
11a 搬送スクリュ
15 排出筒(可動部材)
20 基端側搬送筒
21 先端側搬送筒
21a 穀粒出口
30 搬送上流側スクリュ部
40 搬送下流側スクリュ部
90 蓋体(可動部材)
97 排出路
98 貯留室
100 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側搬送筒が基端側搬送筒に伸縮移動自在に支持され、
前記基端側搬送筒の内部と前記先端側搬送筒の内部とにわたって位置する搬送スクリュにおける搬送下流側スクリュ部と搬送上流側スクリュ部とが相対回転および伸縮移動自在に連結され、
前記先端側搬送筒の前記基端側搬送筒に対する伸縮移動によって前記搬送下流側スクリュ部と前記搬送上流側スクリュ部とが相対回転しながら伸縮移動するように構成したコンバインの伸縮式穀粒排出オーガであって、
前記搬送下流側スクリュ部を穀粒搬出方向に回転しながら短縮移動するように構成し、
前記搬送下流側スクリュ部からの穀粒を貯留する貯留室を形成した貯留姿勢と、前記先端側搬送筒の穀粒出口からの穀粒を排出する排出路を形成した排出姿勢とに切り換え自在に前記先端側搬送筒に設けた可動部材を備え、
前記搬送下流側スクリュ部の短縮移動状態において前記可動部材を前記貯留姿勢に自動的に切り換え操作する制御手段を備えてあるコンバインの伸縮式穀粒排出オーガ。
【請求項2】
前記先端側搬送筒の穀粒出口に連通させて前記先端側搬送筒に設けられた排出筒を備え、前記可動部材は、前記排出筒を開閉する蓋体である請求項1記載のコンバインの伸縮式穀粒排出オーガ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−130973(P2010−130973A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−311512(P2008−311512)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】