説明

コンバイン

【課題】オーガを支持位置に適切に旋回操作でき、オーガを支持位置に正確に位置決めできるコンバインを提供する。
【解決手段】グレンタンク及びオーガを機体の後部に備え、運転部及び受け部を機体の前部に備え、オーガの旋回操作範囲を、受け部の上方の支持位置P1と横向きの排出位置P2との間でかつ運転部の上方を通過しない範囲に設定し、オーガ又は支持部58の一方に被検出体66を設け、オーガ又は支持部58の他方に検出体68を設けて、オーガが支持位置P1に位置したことを検出する停止位置検出手段94を構成し、被検出体66又は検出体68の位置をオーガの旋回方向に沿って調節可能な停止位置調節機構70を設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グレンタンク及びそのグレンタンクに貯留された穀粒を外部に排出するオーガを機体の後部に備えると共に、運転部及びその運転部の横側に設けられて前記オーガを受け止め支持する受け部を機体の前部に備え、機体に固定された支持部によってオーガを上下軸芯周りに旋回操作可能でかつ横軸芯周りで起伏操作可能に支持してあるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンバインとして、オーガ(特許文献1の図1及び図2の番号17)の格納用の受け部(特許文献1の図1及び図2の番号34)を、運転部(特許文献1の図1及び図2の番号6)の横側に設けて、受け部を起点として受け部から右側に又は受け部から左側に約360度の範囲で、オーガを旋回可能に構成しているものがある。
【0003】
この特許文献1では、格納スイッチの操作によって格納指令が指令されると、先ず、起立限界位置までオーガを起立操作し、次に、ロータリーエンコーダ等の変位量検出機構によって検出される任意の旋回位置が制御手段に記憶された受け部の上方の支持位置と一致するまでオーガを旋回操作し、その後、受け部に装備された格納検出スイッチによってオーガを受け止め支持したことを検出するまでオーガを倒伏操作するように構成していた。
【0004】
このように、起立限界位置までオーガを起立した状態でオーガを旋回操作することにより、オーガを支持位置に旋回操作する際に、オーガが運転部から十分に高い位置を通過する。
【0005】
このような機能は、格納スイッチを操作しない通常のオーガの旋回操作においても同様に働いており、運転部の上方を通過するようなオーガの旋回操作を行うと、オーガが自動的に起立限界位置まで起立操作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−108536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、オーガが運転部の上方を通過する際にオーガを自動的に起立限界位置まで起立操作する機能を装備すると、オーガの位置を検出する各種の位置センサや、オーガを自動的に起立限界位置まで起立操作する制御手段が必要になるので、構造の複雑化及び生産コストの上昇を伴うものとなっていた。
【0008】
本発明は、オーガを受け部の上方の支持位置に適切に旋回操作でき、オーガを受け部の上方の支持位置に正確に位置決めできるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンバインの第1特徴構成は、グレンタンク及びそのグレンタンクに貯留された穀粒を外部に排出するオーガを機体の後部に備えると共に、運転部及びその運転部の横側に設けられて前記オーガを受け止め支持する受け部を機体の前部に備え、前記機体に固定された支持部によって前記オーガを上下軸芯周りに旋回操作可能でかつ横軸芯周りで起伏操作可能に支持し、前記オーガの旋回操作範囲を、前記受け部の上方の支持位置と横向きの排出位置との間でかつ運転部の上方を通過しない範囲に設定し、前記オーガ又は支持部の一方に被検出体を設け、前記オーガ又は支持部の他方に前記被検出体を検出する検出体を設けて、前記オーガが支持位置に位置したことを検出する停止位置検出手段を構成し、前記停止位置検出手段の検出に基づいて前記オーガの旋回を停止させる停止手段を設け、前記被検出体又は検出体の位置を前記オーガの旋回方向に沿って調節可能な停止位置調節機構を設けてある点にある。
【0010】
本構成によれば、オーガの旋回操作範囲を前記受け部の上方の支持位置と横向きの排出位置との間でかつ運転部の上方を通過しない範囲に設定することにより、オーガを排出位置から支持位置に旋回操作するときに、オーガが運転部の上方を通過することはなくなる。よって、オーガが運転部の上方を通過する際にオーガを自動的に起立限界位置まで起立操作する機能を装備する必要がなくなって、構造の簡素化及び生産コストの低減を図りながら、オーガを受け部の上方の支持位置に適切に旋回操作できるようになった。
【0011】
本発明では、オーガ又は機体に固定された支持部の一方に被検出体を設け、オーガ又は支持部の他方に検出体を設けて、オーガが支持位置に位置したことを検出する停止位置検出手段を備えており、オーガを排出位置から支持位置に旋回操作した際に、オーガが支持位置に達すると、停止位置検出手段による支持位置の検出および停止手段により、オーガが支持位置で自動的に停止するように構成している。
【0012】
この場合、長期間に亘る使用によって、被検出体を検出するときの検出体の検出姿勢が変化したとしても、停止位置調節機構によって被検出体又は検出体の位置をオーガの旋回方向に沿って調節することにより、オーガを排出位置から支持位置に旋回操作したときに、オーガを受け部の上方の支持位置に正確に停止させることができる。よって、オーガを受け部の上方の支持位置に正確に位置決めした状態でオーガを倒伏操作することにより、受け部によってオーガを適切に受け止め支持することができる。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、前記オーガに当接体を設け、前記支持部に被当接体を設けて、前記当接体が前記被当接体に当接することにより、前記オーガが支持位置から運転部側に回動することを機械的に阻止する旋回阻止機構を構成し、前記当接体又は被当接体の位置を前記オーガの旋回方向に沿って調節する当接位置調節機構を設けてある点にある。
【0014】
本構成によれば、当接体が被当接体に当接することにより、オーガが支持位置から運転部側に回動することを機械的に阻止する。よって、停止位置検出手段や停止手段が故障したときでも、オーガが支持位置から運転部側に回動することを防止できる。
【0015】
加えて、停止位置調節機構によって被検出体又は検出体の位置をオーガの旋回方向に沿って調節するときに、被検出体又は検出体の位置調節に合わせて当接位置調節機構によって当接体又は被当接体の位置をオーガの旋回方向に沿って調節する。これにより、停止位置検出手段や停止手段が正常に作動しているときには、当接体が被当接体に当接せず、停止位置検出手段や停止手段が故障すると、当接体が被当接体に当接して、オーガの運転部側への旋回を機械的に阻止するように設定することができる。よって、停止位置検出手段や停止手段が正常に作動しているときに、当接体が被当接体に頻繁に当接して、騒音や衝撃を発したり、当接体又は被当接体が変形や損傷することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンバインを示す全体側面図である。
【図2】コンバインを示す全体平面図である。
【図3】運転席の周囲を示す平面図である。
【図4】停止位置検出手段および停止位置調節機構を示す側面図である。
【図5】停止位置検出手段および停止位置調節機構を示す平面図である。
【図6】旋回阻止機構および当接位置調節機構を示す平面図である。
【図7】旋回阻止機構および当接位置調節機構を示す側面図である。
【図8】旋回阻止機構および当接位置調節機構を示す正面図である。
【図9】グレンタンクを示す側面図である。
【図10】(a)グレンタンクに開閉部材が取り付けられた状態を示す正面図、(b)グレンタンクに開閉部材が取り付けられた状態を示す断面図である。
【図11】クローラ式走行装置を示す横断平面図である。
【図12】クローラ式走行装置の動作を示す側面図である。
【図13】排出オーガの動作を示す図である。
【図14】制御ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る自脱型のコンバインについて説明する。
【0018】
〔全体構成〕
図1,図2に示すように、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置Aを装備した機体フレームB(機体の一例)の前部に、穀稈を刈り取る刈取部C、作業者が運転する運転部D、を装備するとともに、その機体フレームBの後部に、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀部E、脱穀した穀粒を貯留するグレンタンクF、貯留した穀稈を排出する穀粒排出部G、を装備して構成してある。
【0019】
(クローラ式走行装置)
右側のクローラ式走行装置Aは左側のクローラ式走行装置Aと同一の構成を備えているので、右側のクローラ式走行装置Aについてのみ説明する。
【0020】
図1,図11,図12に示すように、前記右側のクローラ式走行装置Aは、機体フレームBに固定された支持フレーム1と、その支持フレーム1に前揺動リンク2および後揺動リンク3を介して連結するトラックフレーム4と、そのトラックフレーム4に前後方向に並んで遊転可能に支持された6つの接地輪5と、支持フレーム1の前部に駆動可能に支持されたクローラ駆動輪6と、トラックフレーム4の後端部に張力調整機構7を介して遊転可能に支持された緊張用転輪8と、支持フレーム1の中間部に遊転可能に支持された上部転輪9と、クローラベルト10と、を備えている。
【0021】
前記トラックフレーム4の前側部分における上下方向の中央部には、3本の支持軸11が外方側に突出して固定され、それら支持軸11には、それぞれ3つの前側の接地輪5aが遊転可能に片持ち支持されている。
【0022】
前記トラックフレーム4の後側部分における上下方向の中央部には、2本の支持軸11が外方側に突出して固定され、それら支持軸11には、それぞれ2つの後側の接地輪5bが遊転可能に片持ち支持されている。
【0023】
前記トラックフレーム4の中間部分における上下方向の中央部からやや上側寄りの部分には、1本の支持軸11が外方側に突出する態様で固定され、その支持軸11には、1つの中間の接地輪5cが遊転可能に片持ち支持されている。
【0024】
前側の接地輪5aおよび後側の接地輪5bは、クローラベルト10の一対の案内突起10bの外方側に位置する外転輪に構成し、中間の接地輪5cは、前側の接地輪5aおよび後側の接地輪5bよりも小径でかつクローラベルト10の一対の案内突起10bの内方側に位置する内転輪に構成してある。
【0025】
前記中間の接地輪5cを支持する支持軸11を、前側の接地輪5aおよび後側の接地輪5bを支持する支持軸11よりも上側に位置させるとともに、中間の接地輪5cを前側の接地輪5aおよび後側の接地輪5bよりも小径にしてある。
【0026】
上記の構成を備えることにより、図12(a)に示すように、コンバインが走行する際に、中間の接地輪5cとクローラベルト10との間に隙間が形成される。そして、図12(b)に示すように、コンバインが畦越えする際に、クローラベルト10の接地面の中間部10aが凹むように変形する。これにより、コンバインの後側から前側への重心移動をスムーズに行うことができ、コンバインの上向き傾斜姿勢から水平姿勢への姿勢変更をスムーズに行うことができ、コンバインの畦越えを容易に行うことができる。
【0027】
しかも、中間の接地輪5cを内転輪に構成することにより、クローラベルト10の左右の案内突起10bによって中間の接地輪5cが挟み込まれる。よって、クローラベルト10が中間の接地輪5cから外れ難くなる。
【0028】
(グレンタンク)
図1,図2,図9,図10に示すように、グレンタンクFは、機体フレームBの後部の右側に配設されている。グレンタンクFは、断面形状が略V字状の底面部21と、側面部22と、天井面部23と、を備えている。側面部22は、前壁22aと後壁22bと左右の横壁22cとからなる。左右の横壁22cのうち右側(機体外側)の横壁22cの下部には、矩形状の開口部22dが形成されている。そして、開口部22dには、前後方向にスライド開閉可能な開閉部材24が設けられている。
【0029】
前記開口部22dの周縁部のうち前側の縁部を除く部分には、タンク内方側に突出するリブ22eが形成されている。また、開口部22dの周縁部のうち前側の縁部を除く部分には、開閉部材24を案内する案内部材25が取り付けられている。案内部材25は、開口部22dに取り付けられる取付部25aと、開口部22dとの間に開閉部材24を案内するための隙間を有する案内部25bと、を備えている。
【0030】
図10(b)に示すように、前記開閉部材24の周縁部のうち前側の縁部を除く部分には、断面形状がL字状の長尺状の第1補強部材26が取り付けられている。第1補強部材26は、開閉部材24に取り付けられる取付部26aと、タンク内方側に突出するリブ26bと、を備えている。
【0031】
前記開閉部材24の上下方向の中間部には、前後方向に延びる長尺状の第2補強部材27が取り付けられている。第2補強部材27は、開閉部材24に取り付けられる一対の取付部27aと、タンク内方側に突出する断面形状がV字状の凸部27bと、を備えている。
【0032】
図10(a)に示すように、前記開閉部材24の前側の縁部には、前壁22aに当接する第1当接部材28が取り付けられている。第1当接部材28には、略コ字状の取っ手29が取り付けられている。
【0033】
作業者が取っ手29を握った状態で開閉部材24を前側にスライド移動させると、開口部22dが開放する。これにより、グレンタンクFの内部のメンテナンスを行うことができることに加えて、空のグレンタンクFの内部空間に予備の部品等を収納することができる。また、開閉部材24を前側にさらにスライド移動させて開閉部材24を簡単に取り外すこともできる。
【0034】
作業者が取っ手29を握った状態で開閉部材24を後側にスライド移動させると、開口部22dが閉塞し、第1当接部材28が前壁22aに当接する。このとき、第1当接部材28が前壁22aに当接した状態で第1当接部材28と前壁22aとをボルト30によって連結可能に構成してある。これにより、コンバインが走行する際に、開閉部材24が不測にスライド移動して収納した予備の部品等が落下することを防止できる。
【0035】
(穀粒排出部)
図1,図2,図4に示すように、穀粒排出部Gは、グレンタンクFの底面部21に前後方向に沿う状態に配備された底部スクリューコンベヤ41と、底部スクリューコンベヤ41の搬送終端部から上方に向けて延設された縦送りスクリューコンベヤ42と、縦送りスクリューコンベヤ42の上部に横軸芯X1周りに起伏揺動可能でかつ縦軸芯X2周りに旋回揺動可能に装備された排出オーガ43と、排出オーガ43を縦送りスクリューコンベヤ42に対して横軸芯X1周りに起伏駆動する起伏駆動手段44と、排出オーガ43を縦送りスクリューコンベヤ42に対して縦軸芯X2周りに旋回駆動する旋回駆動手段45と、を備えている。
【0036】
(底部スクリューコンベヤ)
図1に示すように、前記底部スクリューコンベヤ41は、コンベヤスクリュー41aを備えている。コンベヤスクリュー41aの搬送始端側の端部は、グレンタンクFの前壁22aから突出してある。コンベヤスクリュー41aの搬送始端側の端部には、出力プーリ46aが装着されている。排出クラッチ46は、出力プーリ46aともう一方のプーリ(図示しない)とに亘ってベルト(図示しない)を巻き掛けて、ベルトテンションクラッチに構成してある。排出クラッチ46は、排出クラッチレバー46bに連係されており、排出クラッチレバー46bを入切操作することにより、エンジン(図示しない)から底部スクリューコンベヤ41への伝動を断続するようになっている。
【0037】
前記コンベヤスクリュー41aの搬送終端側の端部は、グレンタンクFの後壁22bから突出してある。グレンタンクFの後壁22bには、コンベヤスクリュー41aの搬送終端側の端部を取り囲むとともにグレンタンクFに連通接続するロアケース47(支持部の一例)が固定されている。ロアケース47は、機体フレームBの後部に回転可能に設置されている。
【0038】
(縦送りスクリューコンベヤ)
図1に示すように、前記縦送りスクリューコンベヤ42は、底部スクリューコンベヤ41のコンベヤスクリュー41aにベベルギヤ式連動機構50を介して連動連結されたコンベヤスクリュー42aと、そのコンベヤスクリュー42aを取り囲むとともにロアケース47に連通接続する円筒ケース42bと、を備えている。縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bは、ロアケース47に回動可能に支持されている。
【0039】
(排出オーガ)
図1に示すように、前記排出オーガ43は、縦送りスクリューコンベヤ42のコンベヤスクリュー42aにベベルギヤ式連動機構(図示しない)を介して連動連結されたコンベヤスクリュー43aと、そのコンベヤスクリュー43aを取り囲むとともに縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bに連通接続する円筒ケース43bと、その円筒ケース43bの先端部に形成された穀粒排出用の排出口43cと、を備えている。
【0040】
前記縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bと排出オーガ43の円筒ケース43bとの間には、回動ケース51が介装されている。回動ケース51は、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bに接続されるとともに、排出オーガ43の円筒ケース43bに横軸芯X1周りに相対回動可能に接続されている。
【0041】
エンジンの駆動によって、底部スクリューコンベヤ41、縦送りスクリューコンベヤ42、および、排出オーガ43を駆動し、グレンタンクFに貯留された穀粒を排出オーガ43の排出口43cから排出するようになっている。
【0042】
(保持部材)
図1,図4に示すように、前記機体フレームBの後端部には、支柱53が縦送りスクリューコンベヤ42に沿って立設されている。その支柱53の上端部には、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bの中央のやや上側寄り部分を保持する第1保持部材54が固定されている。
【0043】
図5に示すように、前記第1保持部材54は、断面形状が略U字状の第1保持部54aと、断面形状が略M字状の第1押さえ部54bと、を備えている。縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bを第1保持部54aの内方側に嵌め込み、第1押さえ部54bを第1保持部54aの内方側に差し込んで、第1保持部54aと第1押さえ部54bとをボルト連結する。このとき、第1保持部54aおよび第1押さえ部54bで縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bを相対回転可能に支持する。
【0044】
図1に示すように、グレンタンクFの後壁22bの上部には、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bの上側部分を回転可能に保持する第2保持部材56が取付金具57を介して固定されている。尚、第2保持部材56も、第1保持部材54と同様の構造で縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bを相対回転可能に支持する。
【0045】
このように、これら第1および第2保持部材54,56が縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bの中央のやや上側寄り部分および上側部分を回転可能に支持し、ロアケース47が縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bの下側部分を回転可能に支持する。これにより、縦送りスクリューコンベヤ42を回転軸としてグレンタンクFを機体外側に揺動することができる。よって、脱穀部E等のメンテナンスを容易に行うことができるようになっている。
【0046】
(ブラケットおよび取付部材)
図1,図4,図5に示すように、第1保持部材54の第1保持部54aには、ブラケット58(支持部の一例)、取付部材60が固着されている。ブラケット58は、六角形の平板状に構成してある。取付部材60は、断面形状がコ字状に構成してある。取付部材60と第1保持部54aとを接続する第1補強板61を設け、ブラケット58の下面の一方側と第1保持部54aとを接続する第2補強板62を設け、ブラケット58の下面の他方側と第1補強板62とを接続する第3補強板63を設けてある。
【0047】
(旋回駆動手段)
図1,図4,図5に示すように、前記旋回駆動手段45は、電動モータMを備えている。前記縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bには、リングギヤ55が固着されている。電動モータMは、ブラケット58の下面の中間に支持固定され、リングギヤ55に噛合するピニオン59を有している。ピニオン59は、ブラケット58に形成された貫通孔を通してブラケット58の上方に突出してある。電動モータMの回転駆動によって、ピニオン59、リングギヤ55、および、縦送りスクリューコンベヤ42を駆動し、排出オーガ43を旋回操作するようになっている。
【0048】
(起伏駆動手段)
図1に示すように、前記起伏駆動手段44は、回動ケース51と排出オーガ43の円筒ケース43bとに亘って架設された油圧シリンダ52を備えている。油圧シリンダ52の伸縮作動によって、排出オーガ43を起伏操作するようになっている。
【0049】
(受け部)
機体フレームB(機体の一例)の前部には、排出オーガ43を受け止め支持する受け部84が装備されている。受け部84は、運転部Dの横側に設けられており、機体フレームBの中心部に立設された支柱81と、その支柱81の上端に取り付けられて排出オーガ43を受け止め支持するオーガ支持部82と、を備えている。オーガ支持部82には、受け止め検出スイッチ83(受け止め検出手段の一例)が取り付けられている。これにより、オーガ支持部82によって排出オーガ43が受け止め支持されると、受け止め検出スイッチ83は、排出オーガ43を受け止めたことを検出し、この検出結果を制御手段97に出力するようになっている。
【0050】
図13に示すように、穀稈を刈り取るときには、受け部84によって排出オーガ43を受け止め支持させてある。このとき、排出オーガ43は、受け部84の上方で前向きの右エンド位置P1(支持位置,図13の実線で示す位置)に位置する。穀粒をトラックの荷台BC等の外部に排出するときには、排出オーガ43を右エンド位置P1から受け部84に対して運転部Dとは反対側(図13の紙面反時計方向)で、且つ運転部Dの上方を通過しない方向に旋回させて、横向きの左エンド位置P2(排出位置,図13の2点鎖線で示す位置)まで旋回操作する。穀粒をトラックの荷台BC等に排出した後には、排出オーガ43を左エンド位置P2から運転部Dとは反対側(図13の紙面時計方向)で、且つ運転部Dの上方を通過しない方向に旋回させて右エンド位置P1まで旋回操作する。
【0051】
このように、排出オーガ43の旋回操作範囲θを、後述の停止位置検出手段94および停止手段H、並びに、旋回阻止機構78によって設定される右エンド位置P1と左エンド位置P2との間の範囲で、且つ平面視で運転部Dが存在しない側の範囲に設定することにより、排出オーガ43を右エンド位置P1と左エンド位置P2との間で旋回操作するときに排出オーガ43が運転部Dの上方を通過することはなくなる。
【0052】
(停止位置検出手段)
前記ブラケット58の上面の一方側(図5の紙面左下)には、第1センサ取付部材64が立設されている。リングギヤ55の上面には、ピン66(被検出体の一例)が立設されている。第1センサ取付部材64の先端には、第1リミットスイッチ65(左エンド位置検出体の一例)が設けられている。第1リミットスイッチ65は、揺動可能なレバー65aを有している。
【0053】
前記排出オーガ43が右エンド位置P1から左エンド位置P2に旋回すると、ピン66も右エンド位置a1(図5の実線のハッチング部分で示される位置)から左エンド位置b1(図5の点線の白抜き部分で示される位置)に排出オーガ43の旋回方向に沿って移動する。このとき、ピン66が第1リミットスイッチ65のレバー65aに接触して、レバー65aが揺動される。これにより、第1リミットスイッチ65は、ピン66の左エンド位置b1(排出オーガ43の左エンド位置P2)を検出し、この検出結果を制御手段97に出力するようになっている。
【0054】
したがって、ピン66、第1リミットスイッチ65が、排出オーガ43の左エンド位置P2を検出する左エンド位置検出手段95を構成する。
【0055】
前記ブラケット58の上面の他方側(図5の紙面右上)には、第2センサ取付部材67が立設されている。第2センサ取付部材67は、ブラケット58に取り付けられる取付部67aと、その取付部67aから上方に延びるセンサ支持部67bと、を備えている。センサ支持部67bの先端には、第2リミットスイッチ68(右エンド位置検出体、検出体の一例)が設けられている。第2リミットスイッチ68は、揺動可能なレバー68aを有している。
【0056】
排出オーガ43が左エンド位置P2から右エンド位置P1に旋回すると、ピン66も左エンド位置b1から右エンド位置a1に排出オーガ43の旋回方向に沿って移動する。このとき、ピン66が第2リミットスイッチ68のレバー68aに接触して、レバー68aが揺動される。これにより、第2リミットスイッチ68は、ピン66の右エンド位置a1(排出オーガ43の右エンド位置P1)を検出するようになっている。
【0057】
したがって、ピン66、第2リミットスイッチ68が、排出オーガ43の右エンド位置P1を検出する右エンド位置検出手段94(停止位置検出手段の一例)を構成する。
【0058】
(停止位置調節機構)
前記ブラケット58の上面の他方側には、一対の丸孔58aが形成されている。第2センサ取付部材67の取付部67aには、一対の長孔67cが形成されている。長孔67bの長手方向は、ピン66が第2リミットスイッチ68のレバー68aに接触するときにおけるピン66の移動方向に沿った方向に設定されている。一対のボルト69が、それら丸孔58aおよび長孔67cを貫通する状態で締結してある。
【0059】
前記第2リミットスイッチ68の位置を調整する場合には、前記ボルト69を少し緩めて第2センサ取付部材67を長孔67bの長手方向にスライド移動させる。第2リミットスイッチ68の位置を調整したのち、前記ボルト69を再び締結する。このようにして、ブラケット58に第2センサ取付部材67の取付部67aを位置調節可能に固定してある。
【0060】
したがって、一対の長孔67c、一対の丸孔58a、一対のボルト69が、第2リミットスイッチ68の位置を排出オーガ43の旋回方向に沿って調節可能な停止位置調節機構70を構成する。
【0061】
このような停止位置調節機構70を設ける理由について説明する。通常、レバー68aが所定角度以上揺動されると、第2リミットスイッチ68に内蔵されたレバー側端子(図示しない)およびスイッチ本体側端子(図示しない)がコンタクトしてピン66を検出する。
【0062】
しかし、第2リミットスイッチ68の長期間に亘る使用によって、レバー68aが所定角度以上揺動しても、レバー側端子およびスイッチ本体側端子がコンタクトしなくなることがある。このとき、ピン66を検出するときのレバー68aの揺動角が変化して、第2リミットスイッチ68が排出オーガ43の右エンド位置P1を適正に検出できなくなることがある。
【0063】
そこで、第2リミットスイッチ68の位置を調節可能な停止位置調節機構70を設ける。これにより、長期間に亘る使用によって、ピン66を検出するときのレバー68aの揺動角が変化しても、停止位置調節機構70によって第2リミットスイッチ68の位置を排出オーガ43の旋回方向に沿って調節することにより、第2リミットスイッチ68が排出オーガ43の右エンド位置P1を適正に検出することができる。よって、排出オーガ43を受け部84の上方の支持位置P1に正確に位置決めした状態で排出オーガ43を倒伏操作することにより、受け部84によって排出オーガ43を適切に受け止め支持することができる。
【0064】
走行中に排出オーガ43がぶつからないためには、排出オーガ43の右エンド位置P1を運転部D側に寄せる必要がある。このような右エンド位置P1と運転部Dとの間にスペースがあまり無い状態においても、排出オーガ43を受け部84の上方の支持位置P1に正確に位置決めすることができる。
【0065】
(旋回阻止機構および当接位置調節機構)
図1,図6〜図8に示すように、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bの下側部分には、リング状の鍔部71が固着されている。この鍔部71は、ロアケース47の上端面に載置支持されている。鍔部71の下面には、セクター状の第2当接部材72(当接体の一例)が固着されている。ロアケース47の上端部には、断面形状が8の字状の第1支持部材73が固着されている。第2当接部材72が当接する第2被当接部材74(被当接体の一例)、および、第2被当接部材74を支持する第2支持部材75を、第1支持部材73に固定してある。
【0066】
前記第2被当接部材74は、第2当接部材72が当接する矩形板状の被当接部74aと、その第2被当接部74aから垂直方向に延びる矩形板状の板状部74bと、を備えている。被当接部74aには、切欠74cが形成されている(図8を参照)。切欠74cと鍔部71との間には、隙間が形成されている。これにより、鍔部71が被当接部74aに干渉することを防止できる。板状部74bには、一対の長孔74dが上下方向に間隔を隔てて形成されている。それら長孔74dの長手方向は、排出オーガ43の旋回方向に沿う方向である。
【0067】
前記第2支持部材75は、被当接部74aに対向する矩形板状の支持部75aと、支持部75aから垂直方向に延びる矩形板状の板状部75bと、支持部75aと板状部75bとを接続する矩形板状の補強部75cと、を備えている。支持部75aの第2被当接部材74とは反対側の側面には、一対のナット75dが上下方向に間隔を隔てて固着されている。それらナット75dには、夫々位置調整用のボルト75eが螺合されている。板状部75bには、一対の丸孔75fが上下方向に間隔を隔てる態様で形成されている。
【0068】
一対の固定用のボルト76が、それら丸孔75fおよび長孔74dを貫通する状態で第1支持部材73に締結されている。これにより、第2被当接部材74および第2支持部材75を第1支持部材73に固定してある。
【0069】
前記排出オーガ43が右エンド位置P1から左エンド位置P2に旋回すると、第2当接部材72も右エンド位置a2(図6の実線で示される位置)から左エンド位置b2(図6の点線で示される位置)に排出オーガ43の旋回方向に沿って移動する。第2当接部材72の他端側の端面が第2支持部材75の板状部75bに当接してそれ以上の移動を阻止する。
【0070】
前記排出オーガ43が左エンド位置P2から右エンド位置P1まで旋回すると、第2当接部材72も左エンド位置b2から右エンド位置a2に排出オーガ43の旋回方向に沿って移動する。第2当接部材72の一端側の端面が第2被当接部材74の被当接部74aに当接してそれ以上の移動を阻止する。
【0071】
したがって、第2当接部材72および被当接部74aが、排出オーガ43が右エンド位置P1から運転部D側に回動することを機械的に阻止する旋回阻止機構78を構成する。
【0072】
このような旋回阻止機構78を設けるのは、停止位置検出手段94が故障等したときに、排出オーガ43が右エンド位置P1から運転部D側に回動しないようにするためである。このため、停止位置検出手段94が正常に作動しているときには、第2当接部材72の一端側の端面が第2被当接部材74の被当接部74aに当接しないようにする必要がある。よって、第2被当接部材74の被当接部74aの当接位置は、第2リミットスイッチ68がピン66の右エンド位置a1を検出するときのレバー68aの検出位置よりも排出オーガ43の旋回方向で運転部D側に位置している。また、左エンド位置検出手段95が故障等したときに、排出オーガ43が左エンド位置P2から運転部D側に回動しないようにするために、第2支持部材75の板状部75bの当接位置は、第1リミットスイッチ65がピン66の左エンド位置b1を検出するときのレバー65aの検出位置よりも排出オーガ43の旋回方向で運転部D側に位置している。
【0073】
前記第2被当接部74aの位置を調整する場合には、位置調整用のボルト75eを回転操作して図7の紙面右方に移動させて、板状部74bを長孔74dの長手方向にスライド移動させる。または、位置調整用のボルト75eを回転操作して図7の紙面左方に移動させた後、第2被当接部74aを位置調整用のボルト75eの先端に接触するまで移動させる。
【0074】
したがって、一対の固定用のボルト76、一対の長孔74d、一対のナット75d、一対の位置調整用のボルト75eが、第2被当接部材74の位置を調節する当接位置調節機構79を構成する。
【0075】
これにより、停止位置調節機構70によって第2リミットスイッチ68の位置を排出オーガ43の旋回方向に沿って調節するときに、第2リミットスイッチ68の位置調節に合わせて当接位置調節機構79によって第2被当接部材74の位置を排出オーガ43の旋回方向に沿って調節することができる。
【0076】
停止位置調節機構70によって第2リミットスイッチ68の位置を調節することができる。しかし、左エンド位置P2の位置を調整する必要は無いため、第1リミットスイッチ65の位置を調節する機構は設けられていない。このため、左エンド位置検出手段95が正常に作動しているときには、第1リミットスイッチ65の長期間に亘る使用によって、ピン66を検出するときのレバー65aの揺動角が変化したとしても、第2当接部材72の他端側の端面が第2支持部材75の板状部75bに当接しないようにするためには、第2支持部材75の板状部75bの当接位置と、第1リミットスイッチ65がピン66の左エンド位置b1を検出するときのレバー65aの検出位置との間に余裕を持たせておく必要がある。よって、本構成では、第2被当接部材74の被当接部74aの当接位置と、第2リミットスイッチ68がピン66の右エンド位置a1を検出するときのレバー68aの検出位置との差に較べて、第2支持部材75の板状部75bの当接位置と、第1リミットスイッチ65がピン66の左エンド位置b1を検出するときのレバー65aの検出位置の差を大きくしてある。
【0077】
〔制御構成〕
図14に示すように、制御部Hは、排出オーガ43を旋回操作する旋回操作手段98と、排出オーガ43を起伏操作する起伏操作手段99と、排出オーガ43の右エンド位置P1を検出する右エンド位置検出手段94と、排出オーガ43の左エンド位置P2を検出する左エンド位置検出手段95と、受け部84によって排出オーガ43が受け止め支持されたことを検出する受け止め検出手段83と、それら各操作手段の指令情報および各検出手段の検出情報に基づいて、起伏駆動手段44、旋回駆動手段45の制御を行う制御手段97と、を備えている。
【0078】
(各操作手段)
図3に示すように、前記運転部Dは、運転席101を有している。運転席101の後側には、エンジンの吸気を清浄にするプレクリーナ102、エアクリーナ103、排出クラッチレバー46b、旋回スイッチ98(旋回操作手段の一例)、起伏スイッチ99(起伏操作手段の一例)等が装備されている。旋回スイッチ98は、右旋回位置、中立位置、左旋回位置の3位置に切換操作可能に構成してある。起伏スイッチ99は、起立位置、中立位置、倒伏位置の3位置に切換操作可能に構成してある。
【0079】
(手動旋回制御)
排出オーガ43の手動旋回制御について説明する。作業者が旋回スイッチ98を右旋回位置に切換操作すると、排出オーガ43の右旋回操作を制御手段97に指令する。制御手段97は、旋回スイッチ98から右旋回操作が指令されている間、排出オーガ43を右旋回させるように、旋回駆動手段45を駆動する。作業者が旋回スイッチ98を中立位置に切換操作すると、排出オーガ43の中立操作を制御手段97に指令する。制御手段97は、旋回スイッチ98から中立操作が指令されている間、旋回駆動手段45を停止する。作業者が旋回スイッチ98を左旋回位置に切換操作すると、排出オーガ43の左旋回操作を制御手段97に指令する。制御手段97は、起伏スイッチ99から左旋回操作が指令されている間、排出オーガ43を左旋回させるように、旋回駆動手段45を駆動する。このとき、制御手段97は、右エンド位置検出手段94によって排出オーガ43の右エンド位置P1が検出される、あるいは、左エンド位置検出手段95によって排出オーガ43の左エンド位置P2が検出されると、旋回駆動手段45を停止する。これにより、この制御手段97は、右エンド位置検出手段94による排出オーガ43の右エンド位置P1の検出、あるいは、左エンド位置検出手段95による排出オーガ43の左エンド位置P2の検出に基づいて、排出オーガ43の旋回を停止させる停止手段を構成している。
【0080】
(手動起伏制御)
排出オーガ43の手動起伏制御について説明する。作業者が起伏スイッチ99を起立位置に切換操作すると、排出オーガ43の起立操作を制御手段97に指令する。制御手段97は、起伏スイッチ99から排出オーガ43の起立操作が指令されると、起伏スイッチ99から起立操作が指令されている間、排出オーガ43を起立させるように、起伏駆動手段44を駆動する。作業者が起伏スイッチ99を中立位置に切換操作すると、排出オーガ43の中立操作を制御手段97に指令する。制御手段97は、起伏スイッチ99から排出オーガ43の中立操作が指令されると、起伏スイッチ99から中立操作が指令されている間、起伏駆動手段44を停止する。作業者が起伏スイッチ99を倒伏位置に切換操作すると、排出オーガ43の倒伏操作を制御手段97に指令する。制御手段97は、起伏スイッチ99から排出オーガ43の倒伏操作が指令されると、起伏スイッチ99から倒伏操作が指令されている間、排出オーガ43を倒伏させるように、起伏駆動手段44を駆動する。このとき、制御手段97は、受け止め検出スイッチ83によって排出オーガ43を受け止め支持したことを検出すると、起伏駆動手段44を停止する。
【0081】
〔別実施形態〕
(1)図4,図5に示す実施形態において、第2リミットスイッチ68の位置を調節可能にする構成に代えて、ピン66の位置を調節可能に構成しても良い。この構成に加えて、第1リミットスイッチ65の位置も調節可能に構成しても良い。
【0082】
(2)上記実施形態では、排出オーガ43にピン66を設け、ブラケット58にピン66を検出する第2リミットスイッチ68を設ける構成を例示したが、このような構成に代えて、ブラケット58にピン66を設け、排出オーガ43にピン66を検出する第2リミットスイッチ68を設ける構成としてもよい。このとき、第2リミットスイッチ68の位置又はピン66の位置を調節可能にしてもよい。
【0083】
(3)上記実施形態では、排出オーガ43にピン66を設け、ブラケット58にピン66を検出する第1リミットスイッチ65を設ける構成を例示したが、このような構成に代えて、ブラケット58にピン66を設け、排出オーガ43にピン66を検出する第1リミットスイッチ65を設ける構成としてもよい。このとき、第1リミットスイッチ65の位置又はピン66の位置を調節可能にしてもよい。
【0084】
(4)上記実施形態では、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bは、ロアケース47に回動可能に支持され、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bと排出オーガ43の円筒ケース43bとの間には、回動ケース51が介装され、回動ケース51は、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bに接続されるとともに、排出オーガ43の円筒ケース43bに横軸芯X1周りに相対回動可能に接続され、電動モータMの駆動によって、縦送りスクリューコンベヤ42を縦軸芯X2周りに回動させる構成を例示した。しかし、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bは、ロアケース47に固定支持され、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bと排出オーガ43の円筒ケース43bとの間には、回動ケース51が介装され、回動ケース51は、縦送りスクリューコンベヤ42の円筒ケース42bに縦軸芯X2周りに相対回動可能に接続されるとともに、排出オーガ43の円筒ケース43bに横軸芯X1周りに相対回動可能に接続され、電動モータMの駆動によって、回動ケース51を縦軸芯X2周りに回動させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、自脱型のコンバインだけでなく、普通型のコンバインにも適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
43 オーガ
47,58 支持部
66 被検出体
68 検出体
70 停止位置調節機構
72 当接体
74 被当接体
78 旋回阻止機構
79 当接位置調節機構
84 受け部
94 停止位置検出手段
B 機体
BC 外部
D 運転部
F グレンタンク
P1 支持位置
P2 排出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グレンタンク及びそのグレンタンクに貯留された穀粒を外部に排出するオーガを機体の後部に備えると共に、運転部及びその運転部の横側に設けられて前記オーガを受け止め支持する受け部を機体の前部に備え、
前記機体に固定された支持部によって前記オーガを上下軸芯周りに旋回操作可能でかつ横軸芯周りで起伏操作可能に支持し、前記オーガの旋回操作範囲を、前記受け部の上方の支持位置と横向きの排出位置との間でかつ運転部の上方を通過しない範囲に設定し、
前記オーガ又は支持部の一方に被検出体を設け、前記オーガ又は支持部の他方に前記被検出体を検出する検出体を設けて、前記オーガが支持位置に位置したことを検出する停止位置検出手段を構成し、
前記停止位置検出手段の検出に基づいて前記オーガの旋回を停止させる停止手段を設け、
前記被検出体又は検出体の位置を前記オーガの旋回方向に沿って調節可能な停止位置調節機構を設けてあるコンバイン。
【請求項2】
前記オーガに当接体を設け、前記支持部に被当接体を設けて、前記当接体が前記被当接体に当接することにより、前記オーガが支持位置から運転部側に回動することを機械的に阻止する旋回阻止機構を構成し、
前記当接体又は被当接体の位置を前記オーガの旋回方向に沿って調節する当接位置調節機構を設けてある請求項1に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−10571(P2011−10571A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155407(P2009−155407)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】