説明

コーティング装置及び方法

【課題】バインダを用いることなく基材上の粉末の厚みを一定に調節可能とすることにより、バインダの残留物を含有することのない均一な厚みのコーティング層を基材に対して形成する。
【解決手段】基材の一方の面に対して供給された粉末からなる粉末層Y1の厚みを一定に調節する調節手段として、基材Xの一方の面に対して離間して配置されると共に基材Xの搬送方向に回転される回転ローラ4を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の基材に対してコーティング層を形成するコーティング装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、板状の基材に対してコーティングを施す技術としては、いわゆるドクターブレード法が知られている。
当該ドクターブレード法においては、コーティング層の形成材料からなる粉末をバインダと混合することによりスラリーとし、当該スラリーを基材の表面に配置して上記バインダを揮発させると共に粉末を加熱処理することにより基材に対して固着させることで、基材に対してコーティング層を形成している。
そして、ドクターブレード法は、ブレードを備えており、当該ブレードの先端から所定距離だけ下方において表面にスラリーが配置された基材を搬送することによって、基材上のスラリーの厚みをブレードの先端から基材の表面までの距離に調節している。
【特許文献1】特開平10−278018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ドクターブレード法においては、粉末をスラリーとするためにバインダを用いているため、バインダを揮発させた場合であってもバインダの成分の一部がコーティング層に残留する。例えば、有機バインダを用いた場合には、コーティング層に炭素が残留する。このため、所望の機能性を有するコーティング層を形成できない虞がある。
なお、粉末をスラリーとせずに基材に対して供給し、ブレードによって粉末層の厚みを調節することも考えられるが、粉末はスラリーと比較して流動性が低いため、ブレードと基材との間において粉末が詰まってしまう虞がある。特に近年は、最大粒径がブレードと基材の表面との間の距離の半分程度の粒度分布を有する粉末を用いる場合があり、このような場合には、ブレードと基材との間において特に粉末が詰まる虞が高くなる。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、バインダを用いることなく基材上の粉末の厚みを一定に調節可能とすることにより、バインダの残留物を含有することのない均一な厚みのコーティング層を基材に対して形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のコーティング装置は、板状の基材の一方の面にコーティング層を形成するコーティング装置であって、処理領域において上記一方の面を水平状態として上記基材を搬送する搬送手段と、上記処理領域において上記基材の一方の面に対して上記コーティング層の形成材料からなる粉末を供給する粉末供給手段と、上記処理領域において上記基材の一方の面に対して供給された上記粉末からなる粉末層の厚みを一定に調節する調節手段と、該調節手段によって厚みが一定とされた粉末層を熱処理することにより上記基材に固着させる熱処理手段とを備え、上記調節手段が、上記基材の一方の面に対して離間して配置されると共に上記基材の搬送方向に回転される回転ローラであることを特徴とする。
【0006】
このような特徴を有する本発明のコーティング装置によれば、調節手段である回転ローラの回転によって上流側の粉末が下流側に送り出される。また、調節手段である回転ローラの回転速度に応じて上流側から下流側に一定量の粉末が送り出される。
【0007】
また、本発明のコーティング装置においては、上記回転ローラの下方に設置されると共に上記基材を支持する支持手段を備えるという構成を採用する。
【0008】
また、本発明のコーティング装置においては、上記支持手段は、上記基材の搬送速度と同期して回転される支持ローラであるという構成を採用する。
【0009】
また、本発明のコーティング装置においては、上記回転ローラの回転速度を調節可能な回転速度調節手段を備えるという構成を採用する。
【0010】
また、本発明のコーティング装置においては、上記回転ローラの上記基材の一方の面までの距離を調節可能な距離調節手段を備えるという構成を採用する。
【0011】
また、本発明のコーティング装置においては、上記基材及び上記粉末は、各々、金属、プラスチック及びセラミックスのいずれか、あるいは複数からなるという構成を採用する。
【0012】
次に、本発明のコーティング方法は、板状の基材の一方の面にコーティング層を形成するコーティング方法であって、処理領域において上記一方の面を水平状態として上記基材を搬送し、上記処理領域において上記基材の一方の面に対して上記コーティング層の形成材料からなる粉末を供給し、上記処理領域において上記基材の一方の面に対して離間して配置されると共に上記基材の搬送方向に回転される回転ローラによって、上記基材の一方の面に対して供給された上記粉末からなる粉末層の厚みを一定に調節し、厚みが一定とされた粉末層を熱処理することにより上記基材に固着させて上記コーティング層とすることを特徴とする。
【0013】
このような特徴を有する本発明のコーティング方法によれば、回転ローラの回転によって上流側の粉末が下流側に送り出され、回転ローラの回転速度に応じて上流側から下流側に一定量の粉末が送り出される。
【0014】
また、本発明のコーティング方法においては、上記回転ローラの下方において上記基材を支持するという構成を採用する。
【0015】
また、本発明のコーティング方法においては、上記回転ローラの回転速度が調節可能であるという構成を採用する。
【0016】
また、本発明のコーティング方法においては、上記回転ローラの上記基材の一方の面までの距離が調節可能であるという構成を採用する。
【0017】
また、本発明のコーティング方法においては、上記基材及び上記粉末は、各々、金属、プラスチック及びセラミックスのいずれか、あるいは複数からなるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、調節手段である回転ローラの回転によって上流側の粉末が下流側に送り出され、回転ローラの回転速度に応じて上流側から下流側に一定量の粉末が送り出される。
つまり、回転ローラの上流側の粉末は、回転ローラの回転によって回転ローラの下流側方向に押し出される。このため、回転ローラと基材との間において粉末が詰まることを抑止することができる。
また、回転ローラの下流側の粉末層の厚みは、回転ローラの下流側に送り出される粉末の量に依存するため、回転ローラの回転速度を一定とすることで、回転ローラの下流側における粉末層の厚みを一定に調節することができる。
そして、厚みが一定に調節された粉末層を熱処理することにより、バインダの残留物を含まないコーティング層が均一な厚みで形成される。
したがって、本発明によれば、バインダを用いることなく基材上の粉末の厚みを一定に調節可能とすることにより、バインダの残留物を含有することのない均一な厚みのコーティング層を基材に対して形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係るコーティング装置及び方法の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0020】
本実施形態のコーティング装置は、帯状の基材(板状の基材の連続体)に対してコーティング層を形成する装置である。
図1は、本実施形態のコーティング装置の全体構成を示す概略構成図である。この図に示すように、本実施形態のコーティング装置S1は、巻戻し装置1と、第1プーリ2と、供給装置3と、回転ローラ4と、支持ローラ5と、加熱炉6と、第2プーリ7と、巻取り装置8と、制御装置9とを備えている。
【0021】
巻戻し装置1は、帯状の基材Xが複数巻回された巻回体を回転可能に支持するものである。
第1プーリ2は、巻戻し装置1から引き出された基材Xを案内するためのローラであり、巻戻し装置1に支持された巻回体から接線方向に引き出された基材Xを、一方の面が水平状態となるように方向転換するように構成されている。
【0022】
供給装置3は、第1プーリ2によって一方の面が水平状態とされた基材Xに対してコーティング層の形成材料からなる粉末Yを供給するものであり、例えば基材Xの一方の面の上方に配置され、基材Xの搬送に応じて基材Xの一方の面に収容する粉末Yを供給するホッパから構成される。
【0023】
なお、基材Xとしては、例えば、金属、プラスチック及びセラミックスのいずれか、あるいは複数からなるものを用いることができる。
また、粉末Yとしては、基材Xの形成材料に応じて、例えば、金属、プラスチック及びセラミックスのいずれか、あるいは複数からなるものを用いることができ、基材Xよりも融点の低いものが選択される。
【0024】
回転ローラ4は、供給装置3から基材Xの一方の面に供給された粉末Yからなる粉末層Y1(図2参照)の厚みを調節するためのものである。
図2は、回転ローラ4近傍の拡大図である。この図に示すように、回転ローラ4は、基材Xの一方の面の上方に所定のギャップGだけ離間して配置されており、不図示の駆動装置(例えば、モータ等)によって一定の周速度で基材Xの搬送方向(巻戻し装置1から巻取り装置8に向かう方向)に回転される。
なお、回転ローラ4の回転による周速度は、制御装置9によって制御され、基材Xの搬送速度よりも遅く設定される。
また、回転ローラ4は、回転軸が上下するように移動可能とされている。そして、回転ローラ4から基材Xまでの距離(すなわちギャップG)は、制御装置9によって制御可能とされている。
【0025】
支持ローラ5は、基材Xを下方から支持することにより、基材Xの一方の面から回転ローラ4までの距離が変動しないようにするものであり、基材Xの他方の面に対して当接するように配置されている。この支持ローラ5は、不図示の駆動装置(例えば、モータ等)によって、基材Xの搬送速度と同一の周速度でかつ基材Xの搬送方向に回転される。
【0026】
図1に戻り、加熱炉6は、回転ローラ4によって厚みが一定となった粉末層Y1を熱処理することによって基材Xに対して固着させることによってコーティング層とするものであり、粉末層Y1を焼成あるいは溶融させることによって基材Xに対して固着させる。
なお、加熱炉6の内部は、還元ガスが充満されることによって還元性雰囲気とされている。
【0027】
第2プーリ7は、コーティング層が形成された基材Xを案内するためのローラであり、基材Xを巻取り装置8における巻回体の接線方向に方向転換する。
巻取り装置8は、第2プーリ7によって案内される基材Xを巻取ることによって巻回体とするものであり、不図示の駆動装置(例えばモータ等)によって基材Xを巻き取る。なお、巻取り装置8における巻取り速度が、巻戻し装置1と巻取り装置8との間における基材Xの搬送速度を規定する。
【0028】
そして、本実施形態のコーティング装置S1においては、第1プーリ2から第2プーリ7までの間が、基材Xに対してコーティング層を形成するための処理領域Aとされており、巻戻し装置1、第1プーリ2、第2プーリ7及び巻取り装置8によって処理領域Aにおいて一方の面を水平状態となるように基材Xが搬送される。
すなわち、本実施形態において、本発明の搬送手段は、巻戻し装置1、第1プーリ2、第2プーリ7及び巻取り装置8によって構成されている。
【0029】
制御装置9は、本実施形態のコーティング装置S1の全体を制御するものである。そして、本実施形態のコーティング装置S1において制御装置9は、回転ローラ4の回転速度(周速度)と、回転ローラ4から基材Xまでの距離とを、予め設定されるコーティング装置の厚みに応じて調節する。
すなわち、本実施形態において、制御装置9は、本発明の回転速度調節手段及び距離調節手段の機能を有している。
【0030】
次に、このように構成された本実施形態のコーティング装置S1の動作(コーティング方法)について説明する。
【0031】
まず制御装置9の制御の下、巻取り装置8によって基材Xの巻取りが開始されると、巻戻し装置1に支持された巻回体から基材Xが引き出される。
巻戻し装置1から引き出された基材Xは、第1プーリ2によって一方の面が上方を向いて水平状態となるように案内される。
【0032】
続いて、第1プーリ2によって水平状態とされた基材Xの一方の面に対して、コーティング層の形成材料からなる粉末Yが、制御装置9の制御の下、供給装置3から供給される。このように供給装置3から基材Xの一方の面に対して粉末Yが供給されることによって、基材Xの一方の面上には、粉末Yからなる粉末層Y1が形成される。
【0033】
そして、基材Xの一方の面に形成された粉末層Y1は、基材Xと共に回転ローラ4まで搬送され、回転ローラ4と基材Xの一方の面との間において、その厚みが調節される。
なお、回転ローラ4によって調節される粉末層Y1の厚みは、回転ローラ4の周速度及び回転ローラ4と基材Xの一方の面とのギャップGとに依存し、これらの値が一定である場合には、一定となる。
このため、制御装置9は、予め設定されるコーティング層の厚みに応じて回転ローラ4の周速度及び回転ローラ4と基材Xの一方の面とのギャップGを設定し、この設定が維持されるように回転ローラ4を制御する。
【0034】
なお、回転ローラ4の周速度を速めた場合には、回転ローラ4の下流側に供給される粉末Yの量が増加し、これによって粉末層Y1の厚みが厚くなる。また、回転ローラ4の周速度を遅くする場合には、回転ローラ4の下流側に供給される粉末Yの量が減少し、これによって粉末層Y1の厚みが薄くなる。
【0035】
また、回転ローラ4にて粉末層Y1の厚みが調節されている間、基材Xは支持ローラ5によって支持され、これによって、回転ローラ4と基材Xの一方の面とのギャップGが変動することが防止される。
なお、支持ローラ5の周速度は、基材Xの搬送速度と同一とされる。このため、基材Xと支持ローラ5との摺動を抑制し、基材Xと支持ローラ5との間の摩擦を小さくすることで、基材Xの搬送を阻害することなく支持ローラ5によって基材Xを支持することができる。
【0036】
回転ローラ4によって厚みが調節された粉末層Y1は、基材Xと共に加熱炉6に搬送される。そして、粉末層Y1が加熱炉6において焼成あるいは溶融されることによって基材Xに対して固着され、これによってコーティング層が形成される。
なお、加熱炉6の内部は、上述のように還元性雰囲気とされているため、基材Xの表面が酸化している場合であっても、表面の酸化膜を還元させて除去することができる。
【0037】
そして、コーティング層が形成された基材Xは、第2プーリ7によって巻取り装置8に対して案内され。巻取り装置8によって巻き取られる。
【0038】
このような本実施形態のコーティング装置S1においては、第1プーリ2と第2プーリ7との間の処理領域Aにおいて、基材Xが一方の面を水平状態として搬送され、この状態の基材Xの一方の面上に粉末層Y1が形成され、この粉末層Y1の厚みが回転ローラ4によって調節される。
【0039】
そして、本実施形態のコーティング装置S1によれば、回転ローラ4の回転によって、回転ローラ4の上流側(巻戻し装置1側)から回転ローラ4の下流側(巻取り装置8側)に一定量の粉末Yが送り出される。
つまり、回転ローラ4の上流側の粉末Yは、回転ローラ4の回転によって回転ローラ4の下流側方向に押し出される。このため、回転ローラ4の基材Xとの間において粉末Yが詰まることが抑制することができる。
また、回転ローラ4の下流側の粉末層の厚みは、回転ローラ4の下流側に送り出される粉末Yの両に依存するため、回転ローラ4の回転速度を一定とすることで、回転ローラ4の下流側における粉末層Y1の厚みを一定に調節することができる。
したがって、本実施形態のコーティング装置S1によれば、バインダを用いることなく基材X上の粉末の厚みを一定に調節可能とすることにより、バインダの残留物を含有することのない均一な厚みのコーティング層を基材Xに対して形成することが可能となる。
【0040】
例えば、本実施形態のコーティング装置S1において、粉末Yとして、加熱炉6による加熱処理によってロウ材層となる粉末を用いることによって、基材に対してロウ材層(コーティング層)が形成されたいわゆるクラッドシートを製造することができる。
そして、このような場合には、本実施形態のコーティング装置S1によって、バインダの残留物を含有することのない均一な厚みのロウ材層を基材Xに対して形成することができ、均一なロウ付け性を有するクラッドシートを製造することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態のコーティング装置S1においては、回転ローラ4の下方にて基材Xを支持する支持ローラ5を備えている。
このため、本実施形態のコーティング装置S1によれば、回転ローラ4と基材Xの一方の面との距離(すなわちギャップG)が変動することを抑制し、より安定して粉末層Y1の厚みを調節することができる。
また、支持ローラ5は、基材Xの搬送方向に基材Xの搬送速度と同一の周速度で回転される。すなわち、支持ローラ4は、基材Xの搬送速度と同期して回転される。したがって、基材Xと支持ローラ5との摺動を抑制し、基材Xの搬送を阻害することなく支持ローラ5によって基材Xを支持することができる。
【0042】
また、本実施形態のコーティング装置S1においては、制御装置9によって、回転ローラ4の周速度及び回転ローラ4から基材Xまでの距離が調節可能とされている。
このため、粉末層Y1の厚み、すなわちコーティング層の厚みを任意に変更することが可能となっている。
【0043】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0044】
上記実施形態のコーティング装置S1においては、基材Xの一方の面のみにコーティング層を形成する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、一方の面にコーティング層が形成された基材Xを上下反転となるようにねじることによって他方の面を上方に向け、この他方の面に対する供給装置、回転ローラ、支持ローラ、加熱炉を設置することによって基材Xの他方の面にさらにコーティング層を形成する構成を採用することもできる。
【0045】
また、上記実施形態においては、基材Xの搬送速度と同期して回転される支持ローラ5によって基材Xを支持する構成、すなわち本発明の支持手段として支持ローラ5を用いる構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれ限定されるものではなく、例えば、本発明の支持手段が支持ローラ5よりも小径の複数のローラからなる構成や本発明の支持手段が支持台からなる構成を採用することもできる。
【0046】
また、上記実施形態においては、回転ローラ4が単一である構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の回転ローラ4によって徐々に粉末層の厚みを調節する構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態であるコーティング装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態であるコーティング装置が備える回転ローラ近傍の拡大図である。
【符号の説明】
【0048】
S1……コーティング装置、1……巻戻し装置、2……第1プーリ、3……供給装置、4……回転ローラ(調節手段)、5……支持ローラ(支持手段)、6……加熱炉(熱処理手段)、7……第2プーリ、8……巻取り装置、9……制御装置(回転速度調節手段,距離調節手段)、G……ギャップ、X……基材、Y……粉末、Y1……粉末層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基材の一方の面にコーティング層を形成するコーティング装置であって、
処理領域において前記一方の面を水平状態として前記基材を搬送する搬送手段と、
前記処理領域において前記基材の一方の面に対して前記コーティング層の形成材料からなる粉末を供給する粉末供給手段と、
前記処理領域において前記基材の一方の面に対して供給された前記粉末からなる粉末層の厚みを一定に調節する調節手段と、
該調節手段によって厚みが一定とされた粉末層を熱処理することにより前記基材に固着させる熱処理手段と
を備え、
前記調節手段は、前記基材の一方の面に対して離間して配置されると共に前記基材の搬送方向に回転される回転ローラである
ことを特徴とするコーティング装置。
【請求項2】
前記回転ローラの下方に設置されると共に前記基材を支持する支持手段を備えることを特徴とする請求項1記載のコーティング装置。
【請求項3】
前記支持手段は、前記基材の搬送速度と同期して回転される支持ローラであることを特徴とする請求項2記載のコーティング装置。
【請求項4】
前記回転ローラの回転速度を調節可能な回転速度調節手段を備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のコーティング装置。
【請求項5】
前記回転ローラの前記基材の一方の面までの距離を調節可能な距離調節手段を備えることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のコーティング装置。
【請求項6】
前記基材及び前記粉末は、各々、金属、プラスチック及びセラミックスのいずれか、あるいは複数からなることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のコーティング装置。
【請求項7】
板状の基材の一方の面にコーティング層を形成するコーティング方法であって、
処理領域において前記一方の面を水平状態として前記基材を搬送し、
前記処理領域において前記基材の一方の面に対して前記コーティング層の形成材料からなる粉末を供給し、
前記処理領域において前記基材の一方の面に対して離間して配置されると共に前記基材の搬送方向に回転される回転ローラによって、前記基材の一方の面に対して供給された前記粉末からなる粉末層の厚みを一定に調節し、
厚みが一定とされた粉末層を熱処理することにより前記基材に固着させて前記コーティング層とする
ことを特徴とするコーティング方法。
【請求項8】
前記回転ローラの下方において前記基材を支持することを特徴とする請求項7記載のコーティング方法。
【請求項9】
前記回転ローラの回転速度が調節可能であることを特徴とする請求項7または8記載のコーティング方法。
【請求項10】
前記回転ローラの前記基材の一方の面までの距離が調節可能であることを特徴とする請求項7〜9いずれかに記載のコーティング方法。
【請求項11】
前記基材及び前記粉末は、各々、金属、プラスチック及びセラミックスのいずれか、あるいは複数からなることを特徴とする請求項7〜10いずれかに記載のコーティング方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−233484(P2009−233484A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79030(P2008−79030)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】