ゴムシートの製造ラインおよび製造方法
【課題】設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法を提供する。
【解決手段】第１カレンダーロール１と、第１カレンダーロール１との協働によりゴム材料５からゴムシート６ａを連続的に圧延成形する第２カレンダーロール２と、第３カレンダーロール３と、正回り方向へ回転し、第３カレンダーロール３との協働によってゴム材料５からゴムシート６ｂを連続的に圧延成形する第４カレンダーロール４と、を備え、一対のゴムシート６ａ、６ｂを重合した状態の下で、第２カレンダーロールと第４カレンダーロールとの協働によってゴムシート６を圧延成形できる様に構成され、得られたゴムシート６の両側部を裁断するゴムシートの製造ラインである。ゴム材料５を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給でき、かつ、２ヶ所の投入部間の距離ａが、ゴムシートの幅ｂよりも大きい。
【解決手段】第１カレンダーロール１と、第１カレンダーロール１との協働によりゴム材料５からゴムシート６ａを連続的に圧延成形する第２カレンダーロール２と、第３カレンダーロール３と、正回り方向へ回転し、第３カレンダーロール３との協働によってゴム材料５からゴムシート６ｂを連続的に圧延成形する第４カレンダーロール４と、を備え、一対のゴムシート６ａ、６ｂを重合した状態の下で、第２カレンダーロールと第４カレンダーロールとの協働によってゴムシート６を圧延成形できる様に構成され、得られたゴムシート６の両側部を裁断するゴムシートの製造ラインである。ゴム材料５を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給でき、かつ、２ヶ所の投入部間の距離ａが、ゴムシートの幅ｂよりも大きい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ゴムシートの製造ラインおよび製造方法に関し、詳しくは、設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法（以下、単に、それぞれ「製造ライン」および「製造方法」とも称する）に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、ゴムシートはゴム材料をカレンダー装置で圧延することにより製造される。このようなゴムシートの品質管理においては、シート厚のバラツキが重要となる。一般に、ゴムシートのシート厚のバラツキは、ゴム材料がカレンダーロールで圧延される際の荷重により、カレンダーロールが撓むことにより生じる。
【０００３】
カレンダーロールを用いたゴムシートの製造方法としては、例えば、特許文献１に、補強材がゴムシートに埋設されたゴムシートの製造方法が記載されている。この手法は、カレンダーロールを８本用いるため、カレンダー装置に投入したゴム材料は、カレンダーロールを通過するうちに熱入れされ、最終圧延時にはシート状になってカレンダーロールに供給される。そのため、最終的に得られるゴムシートは、シート厚のバラツキが小さく、品質に優れたものといえる。また、複数本のカレンダーロールを用いる場合は、ゴム材料がカレンダーロールを通過する際にカレンダーロールに加わる荷重の変動を、カレンダーロールの角度の変化（ロールクロッシング）やロールバンクへのゴム材料の投入量の適正化で抑制することが可能であり、比較的容易にシート厚のバラツキの小さいゴムシートを製造することができる。
【０００４】
しかしながら、特許文献１に記載の手法では、カレンダーロールを８本使用するため、設備が巨大化してしまい、また、作業位置が高くなり作業性が悪化してしまうため、現実的に実施することは難しい。そこで、このような問題を解消するためには、カレンダーロールの使用本数を減らすことが考えられる。例えば、特許文献２には、４本のカレンダーロールを用いて補強材が埋設されたゴムシートの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平６−１５５６３１号公報
【特許文献２】特開２００８−１２６５７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献２にあるように、４本のカレンダーロールでゴムシートを製造する場合は、設備の巨大化等の問題を生じることはない。しかしながら、カレンダーロールが４本では、ゴム材料が通過するカレンダーロールが少ないため、十分な熱入れを行うことができない。そのため、圧延の際の荷重の変動を十分に低減できず、その結果、ゴムシートのシート厚のバラツキを十分に減らすことができない。
【０００７】
そこで、本発明の目的は、設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ゴム材料の投入位置および投入方法を適正化することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００９】
すなわち、本発明のゴムシートの製造ラインは、正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形できるように構成され、前記ゴムシートの両側部を裁断する裁断装置を有するゴムシートの製造ラインにおいて、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給できるように構成され、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするものである。
【００１０】
本発明のゴムシートの製造ラインは、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材が供給され、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する、補強材が埋設されたゴムシートの製造ラインに好適に用いることができる。
【００１１】
本発明のゴムシートの製造方法は、正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形した後、該ゴムシートの両側部を裁断するゴムシートの製造方法において、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給し、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きいことを特徴とするものである。
【００１２】
本発明のゴムシートの製造方法は、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材を供給し、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する、補強材が埋設されたゴムシートの製造方法に好適に用いることができる。また、本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールの撓み（μｍ）／カレンダーロールに加わる荷重（ｋＮ）を撓み係数（μｍ／ｋＮ）としたとき、前記第２カレンダーロールおよび前記第４カレンダーロールの撓み係数が０．０５以上である場合に好適である。さらに、本発明のゴムシートの製造方法は、前記ゴムシートのシート幅が８００〜１８００ｍｍである場合に好適である。さらにまた、本発明のゴムシートの製造方法は、前記ゴムシートのシート厚が０．２〜１．０ｍｍである場合に好適である。また、本発明の製造方法は、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールに加わる荷重が５０ｋＮ以上である場合に好適である。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態の概略斜視図である。
【図２】本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態のカレンダーロールの配置の説明図である。
【図３】本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の他の実施の形態のカレンダーロールの配置の説明図である。
【図４】実施例および比較例の荷重の変動を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明のゴムシートの製造ラインおよびゴムシートの製造方法の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図１は、本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態の概略斜視図であり、図２は、本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態のカレンダーロールの配置の説明図である。本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置は、正回り方向へ回転する第１カレンダーロール１と、第１カレンダーロール１に対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、第１カレンダーロール１との協働によりゴム材料５からゴムシート６ａを連続的に圧延成形する第２カレンダーロール２とを有している。また、第１カレンダーロール１に対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロール３と、第３カレンダーロール３に対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、第３カレンダーロール３との協働によってゴム材料５からゴムシート６ｂを連続的に圧延成形する第４カレンダーロール４と、を有している。そして、第２カレンダーロール２の外周面および第４カレンダーロール４の外周面にそれぞれ転写された一対のゴムシート６ａ，６ｂを重合した状態の下で、第２カレンダーロール２と第４カレンダーロール４との協働によって押圧してゴムシート６を成形している。その後、得られたゴムシートの両側部を、裁断装置（図示せず）を用いて裁断している。図中のａはゴム材料５の供給部間の距離、ｂは裁断後のゴムシートの幅を示す。
【００１６】
本発明においては、ゴム材料５を一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給することが重要である。ゴム材料が、一対のカレンダーロール１、２（３、４）の中心部付近に投入されると、カレンダーロールの中心付近が撓み、その結果、ゴムシート６ａ、６ｂの中心部付近の厚みが大きくなってしまい、ゴムシート６ａ、６ｂを重合して得られるゴムシート６も中央部付近が厚くなってしまう。そこで、本発明では、一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側の２ヶ所に投入することで、ゴムシート６ａ、６ｂの中心部の厚みが大きくなることを防いでいる。また、ゴム材料５としては、短冊状にカットしたものでなく、連続的にカレンダーロールに供給することで、ロールバンクに安定した回転を与え、カレンダーロールに加わる荷重の変動を抑制している。なお、ゴム材料５の供給には、既知の手法を用いることができ、例えば、ベルトコンベア等の搬送装置を用いてゴム材料を連続して供給することができる。
【００１７】
また、一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側に投入されたゴム材料５は、カレンダーロールの中心部に向かって移動していくことになるが、その際、ゴム材料５は一対のカレンダーロール１、２（３、４）の隙間を通過することになる。そのため、ゴム材料５の温度のバラツキが小さくなるため、ゴム材料５の温度差による局部的な荷重の変動を防ぐこともできる。例えば、ゴム材料５の温度が９０℃で、カレンダーロールの温度が１３０±２０℃である場合、経験的には、最終的なゴムシート６の厚みが０．４ｍｍの場合、おおよそ４０μｍ程度の撓みが発生する。
【００１８】
また、本発明の製造ラインおよび製造方法においては、ゴム材料５の２ヶ所の供給部間の距離ａを、両側部を裁断した後のゴムシートの幅ｂよりも大きくすることも重要である。ゴム材料５を一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側に供給するだけでは、シート厚のバラツキが小さいゴムシートを製造することは困難である。すなわち、ゴム材料５をカレンダーロールの両側に供給した場合、得られたゴムシート６の両側の厚みが厚くなってしまう。しかしながら、ゴム材料５の供給部間の距離ａを、裁断後のゴムシートのシート幅ｂよりも大きくすれば、ゴムシート６の厚みの大きい両側部は、ゴムシート６の作製後に裁断されるため、最終製品としては厚みのバラツキの少ないゴムシートを得ることができる。なお、裁断されたゴムシートの両端部は、再度、ゴム材料として利用することができる。
【００１９】
本発明の製造ラインおよび製造方法は、ゴム中に補強材が埋設されたゴムシートの製造に好適に適用することができる。この場合、図１、２に示す様に、補強材７を第２カレンダーロール２と第４カレンダーロール４の間隙へ向かって供給し、この補強材７を一対のゴムシート６ａ、６ｂの間に配置して、一対のゴムシート６ａ，６ｂを押圧することにより製造する。補強材７としては、通常、ゴムの補強材に用いているものであれば、特に制限はない。例えば、スチールワイヤ、スチールコードを用いてもよく、また、ポリエステル、ナイロンおよびレーヨンなどのテキスタイルコードを用いてもよい。なお、補強材の供給は、例えば、第２カレンダーロールの後方に補強材の供給ロール（図示せず）を配置することによって行うことができる。
【００２０】
また、本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールの撓み（μｍ）／カレンダーロールに加わる荷重（ｋＮ）を撓み係数（μｍ／ｋＮ）としたとき、第２カレンダーロール２および第４カレンダーロール４の撓み係数が０．０５以上である場合に好適である。上述のとおり、一対のカレンダーロール１、２（３、４）はゴム材料５が供給されると、圧延の際にカレンダーロールに加わる荷重が変動する。その結果、カレンダーロールが撓み、シート厚がばらつく原因となる。したがって、本発明の製造方法は、撓み係数が０．０５以上の撓みの大きいカレンダーロールを用いる場合に好適に適用することができる。
【００２１】
なお、汎用のカレンダーロールの撓みの変動は、荷重１ｋＮ当たり、約０．１５μｍである。また、通常、ゴム材料がカレンダーロールに巻き込まれる際の荷重の変動量は２００ｋＮ程度であるため、片側のカレンダーロールで約３０μｍ撓むことになる。したがって、一対のカレンダーロールで圧延され製造されるゴムシートは厚みが約６０μｍばらつくことになる。この場合、ゴムの比重を１．１（ｇ／ｃｍ３）とすると、
６０（μｍ）×１．１（ｇ／ｃｍ３）＝６６ｇ／ｍ２
となり、６６ｇ／ｍ２ものユニットマスが変動することになる。
【００２２】
本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールの両側にゴム材料を供給するため、幅広のゴムシートの製造に好適に適用することができ、具体的には、シート幅が８００〜１８００ｍｍ程度のゴムシートの製造に適している。また、本発明のゴムシートの製造方法は、シート厚の薄いゴムシートはカレンダーロールに加わる荷重の変動が大きいため、シート厚が０．２〜１．０ｍｍであるゴムシートを製造する場合に、好適に適用することができる。さらに、本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールに加わる荷重の変動を低減させるものであるため、第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールに加わる荷重が５０ｋＮ以上である場合に、本発明の製造ラインおよび製造方法の効果を良好に得ることができる。
【００２３】
本発明のゴムシートの製造方法は、上記要件を満足するものであれば、他に特に制限はなく、例えば、カレンダーロールの配置は、図２に示す以外にも、図３（ａ）に示すように、第１カレンダーロール１１と第２カレンダーロール１２が水平に対向し、かつ第３カレンダーロール１３と第４カレンダーロール１４が上下（垂直）に対向した配置パターンであってもよく、または、図３（ｂ）に示すように、第１カレンダーロール２１と第２カレンダーロール２２が水平に対向し、かつ第３カレンダーロール２３と第４カレンダーロール２４が水平に対向した配置パターンであってもよく、その他、種々の配置パターンを選択することができる。また、使用するゴム材料についても、通常、カレンダー装置で圧延することができるものであれば、特に制限はない。
【実施例】
【００２４】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
＜実施例＞
撓み係数が０．１２μｍ／ｋＮのカレンダーロール４本を用いて、図１に示すタイプのカレンダー装置を作製した。このカレンダー装置の一対のカレンダーロールの両側２ヶ所からゴム材料５を連続的に投入し、シート幅ｂが１３００ｍｍ、シート厚が０．５ｍｍのゴムシートを作製した。その際に、第２カレンダーロールと第４カレンダーロールとのゲージの変化を、渦流ゲージセンサー（株式会社 新川社製）を用いて測定した。なお、ゴム材料５の供給部間の距離ａは１５４０ｍｍとした。また、ゴムシートの補強材７として、スチールコードを用いた。
【００２５】
＜比較例＞
ゴム材料の投入位置をカレンダー装置の一対のカレンダーロールの中心部としたこと以外は、実施例と同様にして第２カレンダーロールと第４カレンダーロールとのゲージの変化を測定した。
【００２６】
図３は、実施例および比較例にけるゴムシート圧延の際のカレンダーロールのゲージの変化を、渦流ゲージセンサーで測定した結果を示すグラフであり、（ａ）は比較例、（ｂ）は実施例の結果を示している。比較例においては、ゲージ厚が最大で６０μｍ変動しているが、本発明の製造方法によれば最大で１０μｍ程度の変化であり、シート厚のバラツキを抑制することができることがわかる。この結果から、ゴム材料の投入方法および投入場所を適正化することで、カレンダーロールに加わる荷重が約４００ｋＮ減少させることができる。なお、ゴム比重１．１（ｇ／ｃｍ３）を用いて、得られた値をユニットマスに換算すると、比較例は、
６０（μｍ）×１．１（ｇ／ｃｍ３）＝６６ｇ／ｍ２
であり、実施例は、
１０（μｍ）×１．１（ｇ／ｃｍ３）＝１１ｇ／ｍ２
となり、１ｍ２当たり、５０ｇ以上のゴム材料の変動を抑えることができる。
【符号の説明】
【００２７】
１，１１，２１ 第１カレンダーロール
２，１２，２２ 第２カレンダーロール
３，１３，２３ 第３カレンダーロール
４，１４，２４ 第４カレンダーロール
５，１５，２５ ゴム材料
６，１６，２６ ゴムシート
７，１７，２７ 補強材
１０，２０，３０ カレンダー装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ゴムシートの製造ラインおよび製造方法に関し、詳しくは、設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法（以下、単に、それぞれ「製造ライン」および「製造方法」とも称する）に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、ゴムシートはゴム材料をカレンダー装置で圧延することにより製造される。このようなゴムシートの品質管理においては、シート厚のバラツキが重要となる。一般に、ゴムシートのシート厚のバラツキは、ゴム材料がカレンダーロールで圧延される際の荷重により、カレンダーロールが撓むことにより生じる。
【０００３】
カレンダーロールを用いたゴムシートの製造方法としては、例えば、特許文献１に、補強材がゴムシートに埋設されたゴムシートの製造方法が記載されている。この手法は、カレンダーロールを８本用いるため、カレンダー装置に投入したゴム材料は、カレンダーロールを通過するうちに熱入れされ、最終圧延時にはシート状になってカレンダーロールに供給される。そのため、最終的に得られるゴムシートは、シート厚のバラツキが小さく、品質に優れたものといえる。また、複数本のカレンダーロールを用いる場合は、ゴム材料がカレンダーロールを通過する際にカレンダーロールに加わる荷重の変動を、カレンダーロールの角度の変化（ロールクロッシング）やロールバンクへのゴム材料の投入量の適正化で抑制することが可能であり、比較的容易にシート厚のバラツキの小さいゴムシートを製造することができる。
【０００４】
しかしながら、特許文献１に記載の手法では、カレンダーロールを８本使用するため、設備が巨大化してしまい、また、作業位置が高くなり作業性が悪化してしまうため、現実的に実施することは難しい。そこで、このような問題を解消するためには、カレンダーロールの使用本数を減らすことが考えられる。例えば、特許文献２には、４本のカレンダーロールを用いて補強材が埋設されたゴムシートの製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平６−１５５６３１号公報
【特許文献２】特開２００８−１２６５７８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献２にあるように、４本のカレンダーロールでゴムシートを製造する場合は、設備の巨大化等の問題を生じることはない。しかしながら、カレンダーロールが４本では、ゴム材料が通過するカレンダーロールが少ないため、十分な熱入れを行うことができない。そのため、圧延の際の荷重の変動を十分に低減できず、その結果、ゴムシートのシート厚のバラツキを十分に減らすことができない。
【０００７】
そこで、本発明の目的は、設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ゴム材料の投入位置および投入方法を適正化することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００９】
すなわち、本発明のゴムシートの製造ラインは、正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形できるように構成され、前記ゴムシートの両側部を裁断する裁断装置を有するゴムシートの製造ラインにおいて、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給できるように構成され、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするものである。
【００１０】
本発明のゴムシートの製造ラインは、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材が供給され、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する、補強材が埋設されたゴムシートの製造ラインに好適に用いることができる。
【００１１】
本発明のゴムシートの製造方法は、正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形した後、該ゴムシートの両側部を裁断するゴムシートの製造方法において、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給し、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きいことを特徴とするものである。
【００１２】
本発明のゴムシートの製造方法は、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材を供給し、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する、補強材が埋設されたゴムシートの製造方法に好適に用いることができる。また、本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールの撓み（μｍ）／カレンダーロールに加わる荷重（ｋＮ）を撓み係数（μｍ／ｋＮ）としたとき、前記第２カレンダーロールおよび前記第４カレンダーロールの撓み係数が０．０５以上である場合に好適である。さらに、本発明のゴムシートの製造方法は、前記ゴムシートのシート幅が８００〜１８００ｍｍである場合に好適である。さらにまた、本発明のゴムシートの製造方法は、前記ゴムシートのシート厚が０．２〜１．０ｍｍである場合に好適である。また、本発明の製造方法は、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールに加わる荷重が５０ｋＮ以上である場合に好適である。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、設備の大型化を伴わずにシートの厚みのバラツキを抑制することができるゴムシートの製造ラインおよび製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態の概略斜視図である。
【図２】本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態のカレンダーロールの配置の説明図である。
【図３】本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の他の実施の形態のカレンダーロールの配置の説明図である。
【図４】実施例および比較例の荷重の変動を示すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明のゴムシートの製造ラインおよびゴムシートの製造方法の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図１は、本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態の概略斜視図であり、図２は、本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置の好適な実施の形態のカレンダーロールの配置の説明図である。本発明の製造ラインおよび製造方法に係るカレンダー装置は、正回り方向へ回転する第１カレンダーロール１と、第１カレンダーロール１に対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、第１カレンダーロール１との協働によりゴム材料５からゴムシート６ａを連続的に圧延成形する第２カレンダーロール２とを有している。また、第１カレンダーロール１に対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロール３と、第３カレンダーロール３に対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、第３カレンダーロール３との協働によってゴム材料５からゴムシート６ｂを連続的に圧延成形する第４カレンダーロール４と、を有している。そして、第２カレンダーロール２の外周面および第４カレンダーロール４の外周面にそれぞれ転写された一対のゴムシート６ａ，６ｂを重合した状態の下で、第２カレンダーロール２と第４カレンダーロール４との協働によって押圧してゴムシート６を成形している。その後、得られたゴムシートの両側部を、裁断装置（図示せず）を用いて裁断している。図中のａはゴム材料５の供給部間の距離、ｂは裁断後のゴムシートの幅を示す。
【００１６】
本発明においては、ゴム材料５を一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給することが重要である。ゴム材料が、一対のカレンダーロール１、２（３、４）の中心部付近に投入されると、カレンダーロールの中心付近が撓み、その結果、ゴムシート６ａ、６ｂの中心部付近の厚みが大きくなってしまい、ゴムシート６ａ、６ｂを重合して得られるゴムシート６も中央部付近が厚くなってしまう。そこで、本発明では、一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側の２ヶ所に投入することで、ゴムシート６ａ、６ｂの中心部の厚みが大きくなることを防いでいる。また、ゴム材料５としては、短冊状にカットしたものでなく、連続的にカレンダーロールに供給することで、ロールバンクに安定した回転を与え、カレンダーロールに加わる荷重の変動を抑制している。なお、ゴム材料５の供給には、既知の手法を用いることができ、例えば、ベルトコンベア等の搬送装置を用いてゴム材料を連続して供給することができる。
【００１７】
また、一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側に投入されたゴム材料５は、カレンダーロールの中心部に向かって移動していくことになるが、その際、ゴム材料５は一対のカレンダーロール１、２（３、４）の隙間を通過することになる。そのため、ゴム材料５の温度のバラツキが小さくなるため、ゴム材料５の温度差による局部的な荷重の変動を防ぐこともできる。例えば、ゴム材料５の温度が９０℃で、カレンダーロールの温度が１３０±２０℃である場合、経験的には、最終的なゴムシート６の厚みが０．４ｍｍの場合、おおよそ４０μｍ程度の撓みが発生する。
【００１８】
また、本発明の製造ラインおよび製造方法においては、ゴム材料５の２ヶ所の供給部間の距離ａを、両側部を裁断した後のゴムシートの幅ｂよりも大きくすることも重要である。ゴム材料５を一対のカレンダーロール１、２（３、４）の両側に供給するだけでは、シート厚のバラツキが小さいゴムシートを製造することは困難である。すなわち、ゴム材料５をカレンダーロールの両側に供給した場合、得られたゴムシート６の両側の厚みが厚くなってしまう。しかしながら、ゴム材料５の供給部間の距離ａを、裁断後のゴムシートのシート幅ｂよりも大きくすれば、ゴムシート６の厚みの大きい両側部は、ゴムシート６の作製後に裁断されるため、最終製品としては厚みのバラツキの少ないゴムシートを得ることができる。なお、裁断されたゴムシートの両端部は、再度、ゴム材料として利用することができる。
【００１９】
本発明の製造ラインおよび製造方法は、ゴム中に補強材が埋設されたゴムシートの製造に好適に適用することができる。この場合、図１、２に示す様に、補強材７を第２カレンダーロール２と第４カレンダーロール４の間隙へ向かって供給し、この補強材７を一対のゴムシート６ａ、６ｂの間に配置して、一対のゴムシート６ａ，６ｂを押圧することにより製造する。補強材７としては、通常、ゴムの補強材に用いているものであれば、特に制限はない。例えば、スチールワイヤ、スチールコードを用いてもよく、また、ポリエステル、ナイロンおよびレーヨンなどのテキスタイルコードを用いてもよい。なお、補強材の供給は、例えば、第２カレンダーロールの後方に補強材の供給ロール（図示せず）を配置することによって行うことができる。
【００２０】
また、本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールの撓み（μｍ）／カレンダーロールに加わる荷重（ｋＮ）を撓み係数（μｍ／ｋＮ）としたとき、第２カレンダーロール２および第４カレンダーロール４の撓み係数が０．０５以上である場合に好適である。上述のとおり、一対のカレンダーロール１、２（３、４）はゴム材料５が供給されると、圧延の際にカレンダーロールに加わる荷重が変動する。その結果、カレンダーロールが撓み、シート厚がばらつく原因となる。したがって、本発明の製造方法は、撓み係数が０．０５以上の撓みの大きいカレンダーロールを用いる場合に好適に適用することができる。
【００２１】
なお、汎用のカレンダーロールの撓みの変動は、荷重１ｋＮ当たり、約０．１５μｍである。また、通常、ゴム材料がカレンダーロールに巻き込まれる際の荷重の変動量は２００ｋＮ程度であるため、片側のカレンダーロールで約３０μｍ撓むことになる。したがって、一対のカレンダーロールで圧延され製造されるゴムシートは厚みが約６０μｍばらつくことになる。この場合、ゴムの比重を１．１（ｇ／ｃｍ３）とすると、
６０（μｍ）×１．１（ｇ／ｃｍ３）＝６６ｇ／ｍ２
となり、６６ｇ／ｍ２ものユニットマスが変動することになる。
【００２２】
本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールの両側にゴム材料を供給するため、幅広のゴムシートの製造に好適に適用することができ、具体的には、シート幅が８００〜１８００ｍｍ程度のゴムシートの製造に適している。また、本発明のゴムシートの製造方法は、シート厚の薄いゴムシートはカレンダーロールに加わる荷重の変動が大きいため、シート厚が０．２〜１．０ｍｍであるゴムシートを製造する場合に、好適に適用することができる。さらに、本発明のゴムシートの製造方法は、カレンダーロールに加わる荷重の変動を低減させるものであるため、第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールに加わる荷重が５０ｋＮ以上である場合に、本発明の製造ラインおよび製造方法の効果を良好に得ることができる。
【００２３】
本発明のゴムシートの製造方法は、上記要件を満足するものであれば、他に特に制限はなく、例えば、カレンダーロールの配置は、図２に示す以外にも、図３（ａ）に示すように、第１カレンダーロール１１と第２カレンダーロール１２が水平に対向し、かつ第３カレンダーロール１３と第４カレンダーロール１４が上下（垂直）に対向した配置パターンであってもよく、または、図３（ｂ）に示すように、第１カレンダーロール２１と第２カレンダーロール２２が水平に対向し、かつ第３カレンダーロール２３と第４カレンダーロール２４が水平に対向した配置パターンであってもよく、その他、種々の配置パターンを選択することができる。また、使用するゴム材料についても、通常、カレンダー装置で圧延することができるものであれば、特に制限はない。
【実施例】
【００２４】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
＜実施例＞
撓み係数が０．１２μｍ／ｋＮのカレンダーロール４本を用いて、図１に示すタイプのカレンダー装置を作製した。このカレンダー装置の一対のカレンダーロールの両側２ヶ所からゴム材料５を連続的に投入し、シート幅ｂが１３００ｍｍ、シート厚が０．５ｍｍのゴムシートを作製した。その際に、第２カレンダーロールと第４カレンダーロールとのゲージの変化を、渦流ゲージセンサー（株式会社 新川社製）を用いて測定した。なお、ゴム材料５の供給部間の距離ａは１５４０ｍｍとした。また、ゴムシートの補強材７として、スチールコードを用いた。
【００２５】
＜比較例＞
ゴム材料の投入位置をカレンダー装置の一対のカレンダーロールの中心部としたこと以外は、実施例と同様にして第２カレンダーロールと第４カレンダーロールとのゲージの変化を測定した。
【００２６】
図３は、実施例および比較例にけるゴムシート圧延の際のカレンダーロールのゲージの変化を、渦流ゲージセンサーで測定した結果を示すグラフであり、（ａ）は比較例、（ｂ）は実施例の結果を示している。比較例においては、ゲージ厚が最大で６０μｍ変動しているが、本発明の製造方法によれば最大で１０μｍ程度の変化であり、シート厚のバラツキを抑制することができることがわかる。この結果から、ゴム材料の投入方法および投入場所を適正化することで、カレンダーロールに加わる荷重が約４００ｋＮ減少させることができる。なお、ゴム比重１．１（ｇ／ｃｍ３）を用いて、得られた値をユニットマスに換算すると、比較例は、
６０（μｍ）×１．１（ｇ／ｃｍ３）＝６６ｇ／ｍ２
であり、実施例は、
１０（μｍ）×１．１（ｇ／ｃｍ３）＝１１ｇ／ｍ２
となり、１ｍ２当たり、５０ｇ以上のゴム材料の変動を抑えることができる。
【符号の説明】
【００２７】
１，１１，２１ 第１カレンダーロール
２，１２，２２ 第２カレンダーロール
３，１３，２３ 第３カレンダーロール
４，１４，２４ 第４カレンダーロール
５，１５，２５ ゴム材料
６，１６，２６ ゴムシート
７，１７，２７ 補強材
１０，２０，３０ カレンダー装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形できるように構成され、前記ゴムシートの両側部を裁断する裁断装置を有するゴムシートの製造ラインにおいて、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給できるように構成され、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするゴムシートの製造ライン。
【請求項２】
前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材が供給され、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する請求項１記載のゴムシートの製造ライン。
【請求項３】
正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形した後、該ゴムシートの両側部を裁断するゴムシートの製造方法において、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給し、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きいことを特徴とするゴムシートの製造方法。
【請求項４】
前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材を供給し、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する請求項３記載のゴムシートの製造方法。
【請求項５】
カレンダーロールの撓み（μｍ）／カレンダーロールに加わる荷重（ｋＮ）を撓み係数（μｍ／ｋＮ）としたとき、前記第２カレンダーロールおよび前記第４カレンダーロールの撓み係数が０．０５以上である請求項３または４記載のゴムシートの製造方法。
【請求項６】
前記ゴムシートのシート幅が８００〜１８００ｍｍである請求項３〜５のうちいずれか一項記載のゴムシートの製造方法。
【請求項７】
前記ゴムシートのシート厚が０．２〜１．０ｍｍである請求項３〜６のうちいずれか一項記載のゴムシートの製造方法。
【請求項８】
前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールに加わる荷重が５０ｋＮ以上である請求項３〜７のうちいずれか一項記載のゴムシートの製造方法。
【請求項１】
正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形できるように構成され、前記ゴムシートの両側部を裁断する裁断装置を有するゴムシートの製造ラインにおいて、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給できるように構成され、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするゴムシートの製造ライン。
【請求項２】
前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材が供給され、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する請求項１記載のゴムシートの製造ライン。
【請求項３】
正回り方向へ回転する第１カレンダーロールと、該第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向へ回転し、前記第１カレンダーロールとの協働によりゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第２カレンダーロールと、前記第１カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、逆回り方向に回転する第３カレンダーロールと、該第３カレンダーロールに対して平行に設けられ、かつ、正回り方向へ回転し、前記第３カレンダーロールとの協働によってゴム材料からゴムシートを連続的に圧延成形する第４カレンダーロールと、を備え、
前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合した状態の下で、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によって一対の前記ゴムシートを、前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールとの協働によってゴムシートを圧延成形した後、該ゴムシートの両側部を裁断するゴムシートの製造方法において、
前記ゴム材料を一対のカレンダーロールの両側の２ヶ所の供給部に連続的に供給し、かつ、前記２ヶ所の供給部間の距離が、前記裁断後のゴムシートのシート幅よりも大きいことを特徴とするゴムシートの製造方法。
【請求項４】
前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールの間隙へ向かって補強材を供給し、該補強材を間に前記第２カレンダーロールの外周面および前記第４カレンダーロールの外周面にそれぞれ転写された一対の前記ゴムシートを重合する請求項３記載のゴムシートの製造方法。
【請求項５】
カレンダーロールの撓み（μｍ）／カレンダーロールに加わる荷重（ｋＮ）を撓み係数（μｍ／ｋＮ）としたとき、前記第２カレンダーロールおよび前記第４カレンダーロールの撓み係数が０．０５以上である請求項３または４記載のゴムシートの製造方法。
【請求項６】
前記ゴムシートのシート幅が８００〜１８００ｍｍである請求項３〜５のうちいずれか一項記載のゴムシートの製造方法。
【請求項７】
前記ゴムシートのシート厚が０．２〜１．０ｍｍである請求項３〜６のうちいずれか一項記載のゴムシートの製造方法。
【請求項８】
前記第２カレンダーロールと前記第４カレンダーロールに加わる荷重が５０ｋＮ以上である請求項３〜７のうちいずれか一項記載のゴムシートの製造方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２０１２−３０５４１（Ｐ２０１２−３０５４１Ａ）
【公開日】平成２４年２月１６日（２０１２．２．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１７３４２１（Ｐ２０１０−１７３４２１）
【出願日】平成２２年８月２日（２０１０．８．２）
【出願人】（０００００５２７８）株式会社ブリヂストン (11,469)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年２月１６日（２０１２．２．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月２日（２０１０．８．２）
【出願人】（０００００５２７８）株式会社ブリヂストン (11,469)
【Ｆターム（参考）】
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