説明

ゴムストリップ搬送装置

【課題】高モジュラスのゴムストリップを移送する場合にも、昇降枠の傾きを制御し、アキュムレータ手段を安定に作動させる。
【解決手段】アキュムレータ手段8は、複数のアキュムレータ部から成り、各アキュムレータ部は、横の固定枠20に取り付く複数の上の案内ローラ6Uからなる固定ローラ群21と、横の昇降枠22に取り付く複数の下の案内ローラ6Lからなる昇降ローラ群23とを具え、かつ無端搬送テープ7が、前記上の案内ローラ6Uと下の案内ローラ6Lとの間を交互に折り返しながらジグザグ状に巻装される。前記アキュムレータ手段8に、前記無端搬送テープ7を巻回する駆動ローラ27、及び隣り合う一方のアキュムレータ部の横の昇降枠22と他方のアキュムレータ部の横の昇降枠22との高さの差を検知する検知具28を有し、該検知具28の信号により前記駆動ローラ27の制御することにより前記高さの差を調整する昇降枠高さ調整手段26を設る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ供給装置から連続的に供給されるゴムストリップを、該ゴムストリップを間欠的に送り出す送り出し位置まで搬送するゴムストリップ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1、2には、複数の案内ローラにより周回運動可能に案内される非伸長性の無端搬送テープを用い、ゴム押出機から連続的に押し出される未加加硫のゴムストリップを、前記無端搬送テープの一面で粘着保持しながら、成形ドラムまで搬送するゴムストリップ搬送装置が開示されている。
【0003】
なお前記成形ドラムでは、搬送されるゴムストリップを螺旋状に巻回する所謂ストリップワインド方によって所望の仕上げ断面形状のゴム製品を成形するが、この成形工程は、成形ドラムの可動によって製品を成形する可動状態と、製品取出しのために成形ドラムが休止する休止状態とを1サイクルとして構成されている、従って、前記搬送装置には、ゴム押出機から連続的に供給されるゴムストリップを一時的に貯留するアキュムレータ手段が設けられ、連続運転するゴム押出機からのゴムストリップの供給速度と、間欠運転する成形ドラムへの送り出し速度との速度差、及びタイミングの差の調整が行われる。
【0004】
そして、前記アキュムレータ手段aは、図6に略示する如く、横の固定枠bに回転自在に取り付く複数個の上の案内ローラc1からなる固定ローラ群cと、前記横の固定枠の下方で昇降自在に支持される横の昇降枠dに回転自在に取り付く複数個の下の案内ローラe1からなる昇降ローラ群eとを具え、上下で向き合う前記上の案内ローラc1と下の案内ローラe1との間を前記無端搬送テープfが交互に折り返しながらジグザグ状に巻装する構造をなす。従って、例えば前記成形ドラムが休止状態にある時(送り出し速度vaが供給速度vbより小となる時)には、前記昇降枠dが下降してゴムストリップが蓄えられ、逆に成形ドラムが運転状態にある時(送り出し速度vaが供給速度vbより大となる時)には、蓄えられたゴムストリップが消費され前記昇降枠dが上降する。
【0005】
他方、前記ストリップワインド方では、自在な形状・サイズのゴム製品を容易に形成しうるというメリットがあるが、このゴム製品の形状・サイズなどに応じて前記サイクル時間が相違する。そのため、前記ゴムストリップ搬送装置では、充分に余裕を持った貯留量の確保が必要であり、そのためにアキュムレータ手段aの巾は、大きく設定されている。
【0006】
【特許文献1】特許3322648号公報
【特許文献2】特開2002−137278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、前記構造のアキュムレータ手段aの場合、ゴムストリップの折り返し部が抵抗となりうる。そのため、例えばゴムストリップがモジュラスの低いゴム材で形成されている場合には、前記抵抗が小さいため、昇降枠dは、ほぼ水平に昇降移動できる。
【0008】
しかしながら、前記ゴムストリップが高モジュラスのゴム材によって形成されている場合には、前記折り返し部での抵抗が大きいため、アキュムレータ手段aの入り口側Piと出口側Poとで、前記無端搬送テープfに掛かる力の差が大きくなる。即ち、図7に概念的に示すように、出口側Poで引っ張り上げる力Foが、前記抵抗Rによって入り口側Piまで充分に伝わらず、該入り口側Piでの引っ張り上げる力Fiが非常に小さなものとなる。その結果、昇降枠dが大きく傾き、又この傾ぎが機械的な抵抗となって昇降枠dのロックを招き、アキュムレータ手段aが機能しなくなるという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、アキュムレータ手段を複数のアキュムレータ部に分割するとともに、隣り合うアキュムレータ部の昇降枠間の高さの差を検知してその高さの差を調整する調整手段を設けることを基本として、高モジュラスのゴム材によってゴムストリップが形成される場合にも、昇降枠の傾ぎを抑制でき、アキュムレータ手段を安定して作動させうるゴムストリップ搬送装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、複数の案内ローラにより周回運動可能に案内される非伸長性の無端搬送テープを具え、ストリップ供給装置から連続的に供給されかつ受け取り位置で受け取られる未加硫ゴムからなるゴムストリップを、前記無端搬送テープの一面で粘着して保持しながら、該ゴムストリップを間欠的に送り出す送り出し位置まで搬送するゴムストリップ搬送装置であって、
前記受け取り位置と送り出し位置との間に、前記受け取り位置で連続的に受け取るゴムストリップを一時的に貯留するアキュムレータ手段を具え、
かつ前記アキュムレータ手段は、搬送方向に沿って一列に並ぶ複数のアキュムレータ部に分割され、
しかも各アキュムレータ部は、横の固定枠に回転自在に取り付く複数個の上の案内ローラからなる固定ローラ群と、前記横の固定枠の下方で昇降自在に支持される横の昇降枠に回転自在に取り付く複数個の下の案内ローラからなる昇降ローラ群とを具え、かつ前記無端搬送テープが、上下で向き合う前記上の案内ローラと下の案内ローラとの間を交互に折り返しながらジグザグ状に巻装されるとともに、
前記アキュムレータ手段に、前記搬送方向に隣り合うアキュムレータ部の間で前記無端搬送テープを巻回する駆動ローラ、及び隣り合う一方のアキュムレータ部の横の昇降枠と、他方のアキュムレータ部の横の昇降枠との高さの差を検知する検知具を有し、該検知具による検知信号により前記駆動ローラの駆動制御することにより前記高さの差を調整する昇降枠高さ調整手段を設けたことを特徴としている。
【0011】
又請求項2の発明では、前記アキュムレータ手段は、各アキュムレータ部の巾を2000mm以下としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は叙上の如く、アキュムレータ手段を複数のアキュムレータ部に分割しているため、各アキュムレータ部を大幅に減じることができる。そのため、各アキュムレータ部において、その出口側と入り口側との間における引っ張り上げる力の差を減少させることができ、昇降枠の傾きを抑え、ロックの発生を抑制しうる。ここで、アキュムレータ手段を複数のアキュムレータ部に分割しただけでは、前記折返し部の抵抗の影響で、上流側に位置するアキュムレータ部ほど引っ張り上げ力が減少する。その結果、各昇降枠の高さが、上流側に行くに従って階段状に低くなり、アキュムレータとしての貯留容量(貯留能力)を低下させるという問題がある。
【0013】
しかしながら、本発明では 前記アキュムレータ手段に、隣り合うアキュムレータ部における昇降枠間の高さの差を検知してその高さの差を調整する調整手段が設けられている。この調整手段は、隣り合うアキュムレータ部の間で無端搬送テープを巻回する駆動ローラを具え、この駆動ローラの作動により、折返し部の抵抗によるロスを補い、上流側で隣り合うアキュムレータ部の無端搬送テープに引っ張り上げる力を付与できる。即ち、駆動ローラは、上流側で隣り合うアキュムレータ部の昇降枠を上方に引き上げることができ、各アキュムレータ部の昇降枠をほぼ同高さに管理しうるため、アキュムレータにおける貯留容量(貯留能力)の低下を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。図1は本発明のゴムストリップ搬送装置を示す側面図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のゴムストリップ搬送装置1(以下、搬送装置1という)は、ストリップ供給装置2から連続的に供給されかつ受け取り位置Q1で受け取られる未加硫ゴムからなるゴムストリップGを、このゴムストリップGを間欠的に送り出す送り出し位置Q2まで搬送する。本例では、前記ゴムストリップ搬送装置1が生タイヤの成形ラインに組み込まれ、ゴム押出機である前記ストリップ供給装置2から連続的に押し出されるゴムストリップGを、前記送り出し位置Q2に設置されかつ間欠運転する成形ドラム5に搬送し、この成形ドラム5上で前記ゴムストリップGを螺旋状に巻回することにより、所望の仕上げ断面形状を有するタイヤ構成部材を形成する。
【0016】
又前記搬送装置1は、複数の案内ローラ6により周回運動可能に案内される非伸長性の無端搬送テープ7を具え、その一面にゴムストリップGを粘着して保持させることにより、ゴムストリップGを前記受け取り位置Q1から送り出し位置Q2まで搬送しうる。
【0017】
なお前記「保持」には、未加硫ゴムが有するゴム粘着性が利用される。従って、前記無端搬送テープ7としては、有機繊維を用いた非伸張性の補強用芯材の周囲を、未加硫ゴムとの粘着性に優れるポリエステル樹脂の表面層で被覆したものが好適に採用される。
【0018】
又搬送装置1には、前記受け取り位置Q1と送り出し位置Q2との間に、前記受け取り位置Q1にて連続的に受け取るゴムストリップGを一時的に貯留する往路用のアキュムレータ手段8と、ゴムストリップGを送り出した後の無端搬送テープ7のみを一時的に貯留する帰路用のアキュムレータ手段9とが設けられる。
【0019】
なお前記往路用のアキュムレータ手段8の上流側には、帰路用のアキュムレータ手段9に貯留されている無端搬送テープ7を、前記ストリップ供給装置2からのゴムストリップGの供給速度と実質的に同速度で連続的に引き出す連続運転の駆動ローラ10が配されている。又前記往路用のアキュムレータ手段8の下流側には、前記往路用のアキュムレータ手段8に貯留されるゴムストリップ付きの無端搬送テープ7を、成形ドラム5に同期しかつ成形ドラム5に応じた速度で間欠的に引き出す間欠運転の駆動ローラ11が配されている。
【0020】
そして本発明では、前記往路用のアキュムレータ手段8を、搬送方向に沿って一列に並ぶ複数のアキュムレータ部13に分割している。本例では、搬送方向上流側の第1のアキュムレータ部13Aと下流側の第2のアキュムレータ部13Bとに分割された場合が例示されている。
【0021】
各アキュムレータ部13A、13Bは、図2に示すように、横の固定枠20に回転自在に取り付く複数個の上の案内ローラ6Uからなる固定ローラ群21と、前記横の固定枠20の下方で昇降自在に支持される横の昇降枠22に回転自在に取り付く複数個の下の案内ローラ6Lからなる昇降ローラ群23とを具える。
【0022】
前記横の固定枠20、20は、例えば矩形枠組み状のフレーム24により、互いに同高さでかつ水平に固定支持されている。本例では各固定枠20は、水平に連続する1本の枠材の一方側部分/他方側部分として形成されたものが例示されている。これに対して横の昇降枠22、22は、それぞれ案内ガイド25を介して、互いに独立して昇降自在に支持される。前記案内ガイド25は、本例では上下にのびる左右のガイド軸からなり、各横の昇降枠22は、その両端部が、前記案内ガイド25に案内されることで、互いに独立して昇降移動しうる。なお前記横の固定枠20には、上の案内ローラ6Uが一列に配列するとともに、前記横の昇降枠22には、前記上の案内ローラ6U、6U間の中間の位置に、下の案内ローラ6Lが配される。
【0023】
又前記無端搬送テープ7は、上下で向き合う前記上の案内ローラ6Uと下の案内ローラ6Lとの間を交互に折り返しながらジグザグ状に巻装される。このとき無端搬送テープ7は、図3に示すように、上下の案内ローラ6U、6L間において、その一面S1と他面S2とを180°捻った捻りJを加えて巻装される。これにより無端搬送テープ7は、ゴムストリップGを保持しない他面S2のみにて案内ローラ6U、6Lと接触することができ、安定した周回移動、及びゴムストリップGの変形などを防止しうる。
【0024】
そして、前記往路用のアキュムレータ手段8には、昇降枠高さ調整手段26が設けられる。この昇降枠高さ調整手段26は、前記搬送方向で隣り合うアキュムレータ部13A、13B間で前記無端搬送テープ7を巻回する駆動ローラ27、及び隣り合う一方のアキュムレータ部13Aの横の昇降枠22と、他方のアキュムレータ部13Bの横の昇降枠22との高さの差Hを検知する検知具28を具える。なお前記高さの差Hは、横の昇降枠22、22における隣り合う側の端部間での高さの差Hを意味する。
【0025】
前記検知具28としては、特に規制されことがなく種々のセンサが使用できる。本例では、各昇降枠22にエンコーダを取り付け、基準高さ位置からの各昇降枠22の上下の移動量を測定することにより、その移動量の差として前記高さの差Hを検知している。
【0026】
又前記駆動ローラ27は、前記フレーム24等に固定のモータMの出力軸に連結され、前記検知具28による検知信号によりそのON/OFFが制御される。この駆動ローラ27は、その搬送方向への駆動により、上流側で隣り合うアキュムレータ部13Aの昇降枠22を上方に引き上げうる。従って、前記検知具28による前記高さの差Hの検知信号によって駆動ローラ27が駆動することにより、各アキュムレータ部13の昇降枠22同士を、ほぼ同高さに調整することができる。
【0027】
このように本発明では、前記アキュムレータ手段8が複数のアキュムレータ部13に分割され、各アキュムレータ部13の巾Wが大幅に減じられるため、各アキュムレータ部13において、その出口側と入り口側との間における引っ張り上げる力の差を減少させることができ、昇降枠22の傾きを抑え、ロックの発生を抑制しうる。そのためには、前記昇降枠22の長さで定義される前記アキュムレータ部13の巾Wを2000mm以下とすることが好ましく、2000mmを超えると、ゴムストリップGの折返し部の抵抗が大きい場合に、昇降枠22のロックを抑制できない恐れを招く。
【0028】
ここで、複数のアキュムレータ部13に分割するだけでは、上流側に行くに従い各昇降枠22が、階段状に低くなってしまい、アキュムレータとしての貯留容量(貯留能力)を低下させるという問題がある。しかしながら本発明では、アキュムレータ手段8に前記昇降枠高さ調整手段26を設けている。そのため、各昇降枠22をほぼ同高さに管理することができ、アキュムレータとしての貯留容量(貯留能力)の低下を抑制しうる。なお前述した如く、上流側の昇降枠22ほど低くなる傾向となる。従って前記高さ調整では、下流側の昇降枠22に対して上流側の昇降枠22の高さが低い側を正(+)として、その差Hを検出し、この差Hが下の閾値Hmax1(+)を超えたとき、前記駆動ローラ27をその搬送方向に駆動し、上流側の昇降枠22を引き上げる。そして上流側の昇降枠22が下流側の昇降枠22よりも上方側(−側)に、上の閾値Hmax2(−)を超えたとき、駆動ローラ27の駆動を停止する。これにより、隣り合う昇降枠22をHmax1〜Hmax2の範囲で管理しうる。
【0029】
次に、帰路用のアキュムレータ手段9では、無端搬送テープ7にゴムストリップGが粘着保持されていないため、前記往路用のアキュムレータ手段8の如き問題は発生しない。従って、この帰路用のアキュムレータ手段9は、分割されることなく一つのアキュムレータ部として形成される。即ち、帰路用のアキュムレータ手段9は、一つの横の固定枠30に回転自在に取り付く複数個の上の案内ローラ6Uからなる固定ローラ群31と、前記横の固定枠30の下方で昇降自在に支持される一つの横の昇降枠32に回転自在に取り付く複数個の下の案内ローラ6Lからなる昇降ローラ群33とを具えて構成され、ゴムストリップGが送り出された後の無端搬送テープ7のみを、一時的に貯留する。
【0030】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【実施例】
【0031】
図1に示す構造をなす実施例のゴムストリップ搬送装置を用い、ゴム組成の異なる複数種類のゴムストリップGを受け取り位置Q1から送り出し位置Q2まで搬送する搬送テストを行うとともに、そのときのアキュムレータ手段における故障の発生の有無を、従来のゴムストリップ搬送装置と比較した。
【0032】
図4に、各ゴムストリップG1〜G17における折返し部での抵抗値を縦軸としたグラフを示す。実施例のゴムストリップ搬送装置では、抵抗値86kPa以下の全てのゴムストリップG1〜G17に対して、故障の発生なく安定した搬送が可能であった。これに対して従来例のゴムストリップ搬送装置では、抵抗値60kPaを超えるゴムストリップG13〜G17に対しては、昇降枠がロックして、往路用のアキュムレータ手段が動かなくなるという問題が発生した。
【0033】
ここで、前記実施例のゴムストリップ搬送装置と、従来例のゴムストリップ搬送装置とは、往路用のアキュムレータ手段のみ相違し、実施例では、往路用のアキュムレータ手段を巾Wが2000mmの2つのアキュムレータ部に分割し、かつアキュムレータ部間に昇降枠高さ調整手段を設けている。これに対して、従来例では、往路用のアキュムレータ手段として、分割することなく巾Wが4000mmの幅広の一つのアキュムレータ部によって形成している。
【0034】
又搬送するゴムストリップGは、厚さ2.2mm、巾20mmのものを使用し、又ゴムストリップGの折返し部での抵抗値Kの測定方法は、以下の通りである。
<ゴムストリップの折返し部での抵抗値>
図5に示すように、両端に重さ1.8kgfの錘40を取り付けた長さ約300mmの搬送テープサンプル41上に、厚さ2.2mm、巾20mm、長さ290mmのゴムストリップサンプル42を粘着保持させたテストサンプル43を試作した。このテストサンプル43は、60℃のオーブン中に10分間放置される。その後、テストサンプル43の中央を、直径(30mm)の案内ローラ44に掛け、前記テストサンプル43が室温(測定室の温度)と同温度となるように、前記錘40をぶら下げた状態にて5分間放置する。
【0035】
その後、この錘40をぶら下げた状態にて、前記テストサンプル43の一端側を、ゆっくりと下方に引っ張り、15mmの距離を引き下げる時に生じる引っ張り力のピーク値を測定するとともに、このピーク値を前記ゴムストリップサンプル42の断面積で割った値を抵抗値K(単位:kPa)として定義する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のゴムストリップ搬送装置を示す側面図である。
【図2】そのアキュムレータ手段を拡大して示す側面図である。
【図3】無端搬送テープにおける捻れを説明する斜視図である。
【図4】搬送テストに用いたゴムストリップにおける折返し部での抵抗値を縦軸としたグラフである。
【図5】ゴムストリップの折返し部での抵抗値のテスト方法を説明する側面図である。
【図6】従来のアキュムレータ手段を示す側面図である。
【図7】従来のアキュムレータ手段における問題点を示す概念図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ゴムストリップ搬送装置
2 ストリップ供給装置
6 案内ローラ
6U 上の案内ローラ
6L 下の案内ローラ
7 無端搬送テープ
8 アキュムレータ手段
13、13A、13B アキュムレータ部
20 横の固定枠
21 固定ローラ群
22 横の昇降枠
23 昇降ローラ群
26 昇降枠高さ調整手段
27 駆動ローラ
28 検知具
G ゴムストリップ
Q1 受け取り位置
Q2 送り出し位置
S1 一面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の案内ローラにより周回運動可能に案内される非伸長性の無端搬送テープを具え、ストリップ供給装置から連続的に供給されかつ受け取り位置で受け取られる未加硫ゴムからなるゴムストリップを、前記無端搬送テープの一面で粘着して保持しながら、該ゴムストリップを間欠的に送り出す送り出し位置まで搬送するゴムストリップ搬送装置であって、
前記受け取り位置と送り出し位置との間に、前記受け取り位置で連続的に受け取るゴムストリップを一時的に貯留するアキュムレータ手段を具え、
かつ前記アキュムレータ手段は、搬送方向に沿って一列に並ぶ複数のアキュムレータ部に分割され、
しかも各アキュムレータ部は、横の固定枠に回転自在に取り付く複数個の上の案内ローラからなる固定ローラ群と、前記横の固定枠の下方で昇降自在に支持される横の昇降枠に回転自在に取り付く複数個の下の案内ローラからなる昇降ローラ群とを具え、かつ前記無端搬送テープが、上下で向き合う前記上の案内ローラと下の案内ローラとの間を交互に折り返しながらジグザグ状に巻装されるとともに、
前記アキュムレータ手段に、前記搬送方向に隣り合うアキュムレータ部の間で前記無端搬送テープを巻回する駆動ローラ、及び隣り合う一方のアキュムレータ部の横の昇降枠と、他方のアキュムレータ部の横の昇降枠との高さの差を検知する検知具を有し、該検知具による検知信号により前記駆動ローラの駆動制御することにより前記高さの差を調整する昇降枠高さ調整手段を設けたことを特徴とするゴムストリップ搬送装置。
【請求項2】
前記アキュムレータ手段は、各アキュムレータ部の巾を2000mm以下としたことを特徴とする請求項1記載のゴムストリップ搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−184760(P2009−184760A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24191(P2008−24191)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000183233)住友ゴム工業株式会社 (3,458)
【Fターム(参考)】