説明

サイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット

【課題】サイドブラシが壁面等の障害物に接触してもサイドブラシ装置等の破損を招くことなく円滑な床面清掃が得られるサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットを提供する。
【解決手段】走行装置を備えたロボット本体2に設けられるサイドブラシ装置30L、30Rが、基端が揺動自在にロボット本体2の下面に支持されて前方に延在すると共に先端部にサイドブラシモータによって回転駆動されるサイドブラシ47L、47Rを支持するサイドブラシ支持装置31L、31Rを備え、サイドブラシ47L、47Rと同軸上の環状の回転バンパ62を設ける。清掃作業中に回転バンパ62が障害物に接触した際に、回転バンパ62が障害物に押圧付与されて回転バンパ62がサイドブラシ装置30L、30Rを障害物から離反する方向に誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式清掃ロボットに関し、特に床面等を清掃するサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自律走行機能と床面清掃機能とを有する自走式清掃ロボットが開発されている。
【0003】
この種の床面等を清掃する自走式清掃ロボットに関しては、例えば特許文献1がある。この特許文献1の清掃ロボットは、自律走行が可能なようにロボット本体の下面にモータによって駆動される左右の駆動輪およびキャスタと、壁面等の障害物および方位等を検知する各種のセンサを有し、各センサの出力に基いてモータの動作を制御する制御部を備える。ロボット本体の下面には床面清掃が可能なようにパワーブラシモータによって回転駆動する円筒状のパワーブラシおよび塵埃を吸引収容するダストボックスの吸込口を設け、更にロボット本体の前部左右にやや拡開しながら延出する2本のサイドブラシ支持装置の先端部にサイドブラシモータによって回転駆動する円錐台形状のサイドブラシを備えたサイドブラシ装置を設ける。
【0004】
そして、予め設定されたプログラムに従って回転駆動される駆動輪によって走行しつつ、回転するサイドブラシにより左右の塵埃を内側へ掃き寄せると共に、回転するパワーブラシによって掃き出された塵埃を吸込口からダストボックス内に吸引する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−342496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の清掃ロボットにあっては、例えば壁際に沿って清掃する際には、センサの検知に基づいて壁面と清掃ロボットとの離間距離を保持しつつ壁面に沿って走行してサイドブラシによって床面を清掃する。しかし、ロボット本体から延出するサイドブラシ支持装置の先端部にサイドブラシを備えることから、清掃作業中に清掃ロボットが壁際に寄りすぎてサイドブラシ支持装置やサイドブラシが壁面に接触することがある。
【0007】
特に、例えば、図18の平面図を示すように、壁面101に、壁面101から段部102a、102bおよび壁部102cによって矩形に突出してドア105を取り付ける引き込み部102が形成される場合には、壁面101に沿って予め設定された離間距離Lを保持して清掃ロボット110が走行しつつ、ロボット本体111から突出するサイドブラシ支持装置112の先端に支持されたサイドブラシ113によって床面Gを清掃するが、引き込み部102においては引き込み部102の壁部102c側に蛇行してサイドブラシ113が引き込み部102の段部102bに接触することが懸念される。
【0008】
このようにサイドブラシが、壁面の段部等の障害物に接触するとサイドブラシ或いはサイドブラシを支持するサイドブラシ支持装置が破損することが懸念される。また、円滑な清掃ロボットによる床面清掃が妨げられるおそれがある。とは言え壁際からある程度余裕を持った状態で床面清掃を行うと、清掃残し等を招くことになる。
【0009】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、サイドブラシ装置が障害物に接触してもサイドブラシ装置等の破損を招くことがなく、円滑な床面清掃が得られるサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための請求項1に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットは、走行装置を備えたロボット本体及び、該ロボット本体の下面に支持されてロボット本体から幅方向外方でかつ前方に突出したサイドブラシ支持装置の先端部に支持されると共に、回転駆動されて床面の塵埃をロボット本体の幅方向内方に掃き寄せるサイドブラシを有するサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて、前記サイドブラシ支持装置は、基部が上下方向及び幅方向に揺動自在にロボット本体の下部に支持されて前方に延在すると共に該先端部にサイドブラシモータによって回転駆動されるサイドブラシを支持する揺動支持部材を備え、前記揺動支持部材と前記サイドブラシとの間に、前記サイドブラシのブラシ材先端外径より小径でかつ揺動支持部材の前記先端部外径より大径でロボット走行面と略平行に回転可能な回転バンパを有する回転バンパ装置を備えたことを特徴とする。
【0011】
これによると、清掃ロボットが清掃作業中に、ロボット本体から突出する揺動支持部材の先端部に設けた回転バンパが障害物に接触した際には、回転バンパが障害物に押圧付与され、回転バンパによってサイドブラシ装置を障害物から離反する方向に誘導する。これにより、サイドブラシ装置と障害物との接触が回避されて清掃作業を円滑に続行することができる。更に、回転バンパをサイドブラシのブラシ材先端外径より小径でかつ揺動支持部材の先端部の外径より大径にすることで、サイドブラシによる障害物に接近した床面の清掃作業を確保しつつ、揺動部材と障害物との接触が回避されて揺動支持部材及び揺動支持部材の先端部に支持されるサイドブラシモータやサイドブラシ等のサイドブラシ装置の損傷が防止できる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて、前記回転バンパは、前記サイドブラシ回転中心軸線と同軸上に回転可能に配設されたことを特徴とする。
【0013】
これによると、回転バンパをサイドブラシ回転中心軸線と同軸上で回転可能に配置することで、請求項1の作用及び効果が効率的に実行できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて、前記回転バンパは、前記サイドブラシの回転中心軸線と同軸上に回転可能に配設され、外周面には障害物との接触を検知する接触センサを備え、該接触センサが前記回転バンパと障害物との接触を検知した場合、前記走行装置を制御することを特徴とする。
【0015】
これによると、回転バンパの外周面に障害物との接触を検知する接触センサを備え、接触センサが回転バンパと障害物との接触を検知した場合に走行装置を制御することで、サイドブラシ装置を障害物から離反する方向への誘導が可能になり、サイドブラシ装置と障害物との接触がより確実に回避できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項3のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて、前記接触センサによって、前記回転バンパと障害物との接触を検知した場合、前記走行装置による走行を停止させる走行制御手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
これによると、回転バンパの外周面に障害物との接触を検知する接触センサを備え、接触センサが回転バンパと障害物との接触を検知した場合に走行装置による走行を停止することで、サイドブラシ等のサイドブラシ装置の損傷及び破損が抑制できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項3のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて、前記走行装置は、進行方向に対して左右に設けた左右の駆動用モータによって駆動される左右の駆動輪を備え、サイドブラシ装置を進行方向に対して左右の少なくとも一方に備え、該一方のサイドブラシ装置の接触センサが接触を検知した場合、前記一方側の駆動用モータの回転数を他方の駆動用モータの回転数よりも大きくすることを特徴とする。
【0019】
これによると、回転バンパの外周面が障害物と接触した際に、回転バンパが障害物から離反する方向に清掃ロボットが旋回し、回転バンパが障害物から離反する方向に誘導されて、サイドブラシ装置と障害物との接触が回避され、清掃作業を続行することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1または2のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて前記回転バンパ装置は、サイドブラシ回転中心軸線と同軸を中心として揺動支持部材に固定された円板状の基部と、前記サイドブラシ回転中心軸線を中心に回転可能に前記基部の外周に軸方向で摺動可能に支持された環状で前記サイドブラシのブラシ材先端外径より小径でかつ揺動支持部材の前記先端部外径より大径の外周面を備えた回転バンパを備えたことを特徴とする。
【0021】
これによると、サイドブラシ回転中心軸線と同軸を中心として揺動支持部材に固定された円板状の基部の外周に、サイドブラシ回転中心軸線を中心に回転可能に回転するように回転バンパを軸方向で摺動可能に支持することから、摺接する基部の外周と回転バンパとの間の隙間に粉塵等が侵入することがなく、或いは粉塵等の侵入が大幅に抑制されて、粉塵等により回転バンパに回転作動が阻害されることなく、清掃作業を円滑に続行することができる。なお、例えば基部の外周と回転バンパとの間にボールベアリング等の軸受け部材を介在して基部に回転バンパを支持した場合には、ボールベアリング等の軸受け部材に粉塵等が侵入して回転バンパの回転が阻害されることがあり、そのメンテナンスの頻度が多くなることが懸念される。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項6のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて前記基部は、外周に沿って延在する環状に突出する支持部を備え、前記回転バンパは、内周面に沿って前記支持部を間隙を有して軸方向に挟持する挟持部を備えたことを特徴とする。
【0023】
これによると、基部の外周に沿って環状に連続するように形成された支持部が、回転バンパの挟持部によって覆われ、かつ回転バンパに形成された挟持部が摺接可能に嵌合して回転バンパが回転することから、基部に形成した支持部と回転バンパの挟持部との間の隙間に粉塵等が侵入することがなく、或いは粉塵等の侵入が大幅に抑制されて、粉塵等により回転バンパに回転作動が阻害されることなく清掃作業を円滑に続行することができる。
【0024】
請求項8に記載の発明は、請求項7のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて前記回転バンパは、前記挟持部が前記基部の支持部から着脱可能に分解組立て可能なバンパ本体及び保持部材を備えたことを特徴とする。
【0025】
これによると、回転バンパが、挟持部が基部の支持部から着脱可能に分解組立て可能なバンパ本体及び保持部材によって構成され、分解することでバンパ本体と保持部材に分解することで、回転バンパが基部から取り外し可能で、かつバンパ本体と保持部材とを組立てることで挟持部によって支持部72が軸方向から間隙を有して挟持されて容易に回転バンパを基部に装着できる。これにより、回転バンパの粉塵除去及び交換等のメンテナンスが容易に行える。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、清掃ロボットが清掃作業中に、ロボット本体から突出する揺動支持部材の先端部に設けた回転バンパが障害物に接触した際には、回転バンパによってサイドブラシ装置を障害物から離反する方向に誘導してサイドブラシ装置と障害物との接触が回避され、円滑に清掃作業を続行することができる。更に、回転バンパによって揺動支持部材及び揺動支持部材の先端部に支持されるサイドブラシモータやサイドブラシ等のサイドブラシ装置の損傷が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】第1実施の形態におけるサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットの概略を示す正面図である。
【図2】サイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットの概略を示す側面図である。
【図3】サイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットの概略を示す平面図である。
【図4】清掃部の回路構成を示すブロック図である。
【図5】サイドブラシ支持装置及びサイドブラシの概要を示す清掃ロボットの要部正面図である。
【図6】サイドブラシ支持装置及びサイドブラシの概要を示す要部側面図である。
【図7】図6のVII部拡大図である。
【図8】図7の要部平面図である。
【図9】清掃ロボットの作動を模式的に示す概略説明図である。
【図10】サイドブラシ装置を模式的に示す作動説明図である。
【図11】清掃ロボットの作動を模式的に示す作動説明図である。
【図12】清掃ロボットの作動を模式的に示す作動説明図である。
【図13】接触回避動作のフローチャートである。
【図14】清掃ロボットの作動を模式的に示す作動説明図である。
【図15】第2実施の形態のサイドブラシ支持装置の概要を示す一部断面側面図である。
【図16】図15のXVI部拡大図である。
【図17】図15におけるサイドブラシの要部分解斜視図である。
【図18】従来のサイドブラス装置を備えた自走式清掃ロボットの作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットの実施の形態を図を参照して説明する。
【0029】
(第1実施の形態)
第1実施の形態を図1乃至14を参照して説明する。
【0030】
図1、図2、図3、図4は本発明のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットの構成を示す概略正面図、側面図、平面図、回路構成を示すブロック図である。
【0031】
清掃ロボット1は、ロボット本体2の下部前面に沿って弾性部材からなるバンパ3を備えると共に、ロボット本体2の下面に配設された走行装置10及び清掃装置20を有する。
【0032】
走行装置10は、ロボット本体2の下面の前後方向中央位置の左右に設けられた一対の駆動輪11L、11Rと、ロボット本体2の下面の前後にそれぞれ設けられて清掃ロボット1の走行に応じて揺動自在な前キャスタ12と後キャスタ13とを具備している。左右の駆動輪11L、11Rは、それぞれ減速機(図示せず)を介して駆動用モータ14L、14Rに連結され、各駆動用モータ14L、14Rにそれぞれ対応してモータドライバを設ける。このモータドライバは走行制御手段を兼備する清掃部コントローラ21からの指令信号に基づいて駆動用モータ14L、14Rの動作をそれぞれ制御する。この清掃ロボット1の走行操舵は、左右の駆動輪11L、11Rの回転数差により行われ、方向転換は左右の駆動輪11L、11Rを互いに逆回転することで行われる。
【0033】
また、ロボット本体2の前部位置には、前方方向および左右方向の障害物の検知を行う障害物センサ15a、15bを設けると共に、方位センサおよび各駆動用モータ14L、14Rの回転軸に自走式清掃ロボット1の走行距離を測定する距離センサを設ける。これら距離センサ、障害物センサ15a、15b、距離センサ、方位センサとからの各検出信号を清掃部コントローラ21に送る。
【0034】
清掃部コントローラ21は、障害物センサ15a、15bが検知した障害物の有無、距離センサからの検知信号に基づいて算出された走行距離、および方位センサが検知した方位等に基づいて駆動用モータに関する指令信号と清掃装置20の制御に関する指令信号を生成する。駆動モータに関する指令信号は、左右の各モータドライバに与えられ、モータドライバが各駆動用モータ14L、14Rの駆動を制御する。
【0035】
清掃装置20は、図4に示すように上記清掃部コントローラ21と、清掃ロボット1の下部に配設されてパワーブラシモータ22によって回転駆動される円筒状のパワーブラシ23、パワーブラシ23の後方に吸込口24が開口する図示しないダストボックス、ロボット本体2の下面前部左右にそれぞれ配設されたサイドブラシ支持装置31L、31Rおよび各サイドブラシ支持装置31L、31Rの先端部にそれぞれ支持されて左右のサイドブラシモータ46L、46Rによって回転駆動されるサイドブラシ47L、47Rを有するサイドブラシ装置30L、30Rを備え、ダストボックスはブロアモータ25によって回転駆動されるブロアによって吸込口24から塵埃等を吸引し、吸込口24から吸い込まれた塵埃等をダストボックス内に貯留する。
【0036】
そして、予め設定されたプログラムに従って回転駆動される駆動輪11L、11Rによって床面上走行しつつ、回転するパワーブラシ23で床面上の塵埃を掃き上げると共に、必要に応じてサイドブラシ47L、47Rによりパワーブラシ23の清掃領域外の塵埃を内側、即ちパワーブラシ47L、47Rの清掃領域内へ掃き寄せる。これらパワーブラシ23で掃き上げられた塵埃及びサイドブラシ47L、47Rによって掃き寄せられた塵埃を吸込口24からダストボックス内に吸引する。
【0037】
次に、サイドブラシ装置30L、30Rについて図5乃至図8を参照して説明する。なお、左右のサイドブラシ装置30L、30Rは同様の構成であり左側のサイドブラシ装置30Lを主に説明する。
【0038】
図5はサイドブラシ装置30Lの概要を示す清掃ロボット1の要部正面図、図6は同要部側面図、図7は図6のVII部拡大図、図8は図7の要部平面図である。
【0039】
図5乃至図8に示すように、ロボット本体2の下部にフレーム5が配置される。フレーム5は、前後方向に延在する複数の縦フレーム6及び幅方向に延在する複数の横フレーム7によって略格子状に形成し、このフレーム5に左右の駆動輪11L、11R、前後のキャスタ12、13等の走行装置10を搭載乃至支持する。また、清掃部コントローラ21、パワーブラシ23、ダストボックス、及びサイドブラシ装置30L、30R等の清掃装置20を搭載乃至支持する。
【0040】
サイドブラシ装置30Lは、サイドブラシ支持装置31L及びサイドブラシ支持装置31Lの先端に支持されたサイドブラシモータ46Lによって回転駆動される円錐台形のサイドブラシ47Lを有する。
【0041】
サイドブラシ支持装置31Lは、ロボット本体2の前部においてフレーム5の横フレーム7の端部に取り付けられた取付ブラケット8に、幅方向に延在する第1揺動軸32によって基端部を上下方向に揺動自在に支持して前方向に延在する軸状の昇降揺動部材33、昇降揺動部材33に第2揺動軸35を介して幅方向に揺動自在に支持された第1揺動部材36及び該第1揺動部材36に第3揺動軸40を介して幅方向に揺動自在に支持された第2揺動部材41を有する揺動支持部材を備える。
【0042】
第1揺動軸32によって基端部を上下方向に揺動自在に支持して前方向に延在する軸状の昇降揺動部材33は、横フレーム7に支持された下方揺動端規制手段であるストッパボルト34が昇降揺動部材33に当接することによって下方の移動端を調整する。
【0043】
第1揺動部材36は、上端部が第2揺動軸35を介して幅方向に揺動自在に昇降揺動部材33に支持されて下方に延在する基部37と、基部37の下端部に基端が結合されて前方に移行するに従って漸次幅方向外方に移行するように斜め前方に延在する矩形断面形状のアーム部38を有する。更に、基部37から幅方向内方に突出する揺動規制ブラケット39aを設け、この揺動規制ブラケット39aの先端にストッパボルト39bを設ける。
【0044】
このストッパボルト39bがフレーム5に設けられた幅方向内方ストッパ39c或いは幅方向外方ストッパ39dに当接して第1揺動部材36の幅方向の揺動端を格納位置或いは使用位置に規制する第1揺動部材揺動端規制手段39を形成する。
【0045】
第1揺動部材36のアーム部38の先端部に上下方向に延在する第3揺動軸40を介して第2揺動部材41を幅方向に揺動自在に支持する。第2揺動部材41は先端部となる取付部41Cの上端及び下端に基端部となる上面部41A及び下面部41Bが第1揺動部材36のアーム部38における上面部38Aの下面及び下面部38Bの上面に沿って延在する断面略コ字状であって、第3揺動軸40によって回動自在に連結する。
【0046】
更に、第2揺動部材41の上面部41A及び下面部41Bにそれぞれ第3揺動軸40を中心とする円孔状に開口するストッパ溝42Aと、ストッパ溝42A内を移動可能に貫通して両端部がアーム部38の上面部38Aと下面部38Bとの間に掛け渡したストッパ軸42Bによって構成される第2揺動部材揺動端規制手段42を備える。第2揺動部材41が第3揺動軸40を中心に第1揺動部材36のアーム部38に対して幅方向外方に揺動した際にストッパ溝42Aの外方端がストッパ軸42Bに当接することにより第2揺動部材41の外方への揺動端となる使用位置に規制し、第2揺動部材41を幅方向内方に揺動した際にストッパ溝42Aの内方端がストッパ軸42Bに当接して第1揺動部材36に対する第2揺動部材41の内方への揺動端となる格納位置に規制する。
【0047】
第2揺動部41の取付部41Cに取り付けるサイドブラシモータカバー45は、矩形の頂面45A、頂面45Aの各周縁から下方に折曲形成された取付面壁45B、取付面壁45Bと対峙する前面壁を有する周壁45Cを備えた下方が開放する箱状であって、取付面壁45Bを第2揺動部41の取付部41Cに取り付ける。
【0048】
サイドブラシモータカバー45内に回転軸46aがほぼ上下方向に延在するサイドブラシモータ46Lを保持し、サイドブラシモータ46Lの回転軸46aの先端にサイドブラシ47Lを取り付ける。サイドブラシ47Lは回転軸46aの先端に取り付けられる円板状の基部47A及び基部47Aの下面に円錐台形に植毛された線状のブラシ材47Bを備える。このサイドブラシ47Lは図7に示すように接地状態で清掃ロボット1の走行方向前方に所定角度で傾斜し、サイドブラシ47Lの前部が接地するように設ける。このサイドブラシ47Lはサイドブラシモータ46Lによって図8に矢印Rで示すように接地する走行方向前方側が幅方向外方側から内方側へ移動する方向、即ち、塵埃等を幅方向外方側から内方側に掃き寄せる方向に回転する。
【0049】
サイドブラシモータカバー45の周壁45Cの前部及び側部外周を覆う発泡ウレタン等の弾性材によってコ字状に形成されたサイドブラシバンパ48を設ける。サイドブラシモータカバー45とサイドブラシバンパ48との間に、予め設定された外力、即ち衝撃荷重がサイドブラシバンパ48に作用した際にその衝撃を検知する圧電素子等からなる図示しない衝撃検知センサを設ける。この衝撃センサが所定値以上の衝撃を検知した際には走行装置10及び清掃装置20の動作を停止する。
【0050】
サイドブラシ47Lを床面Gに接地した使用位置と床面Gから上昇して格納位置に移動せしめるサイドブラシ移動手段50を備える。
【0051】
サイドブラシ移動手段50は、フレーム5に搭載されて第1牽引ケーブル52を牽引及び繰り出す昇降用牽引アクチュエータと第2牽引ケーブル55を牽引及び繰り出す格納用牽引アクチュエータを兼備する牽引アクチュエータであるシリンダモータ51を有し、シリンダモータ51の軸部51aの伸長及び収縮によって第1牽引ケーブル52及び第2牽引ケーブル55を使用位置と格納位置との間で牽引及び繰り出す。
【0052】
第1牽引ケーブル52は、可撓性を有し基端がシリンダモータ51の軸部51aに連結し、先端がフレーム5の下部に前後方向に延在して配設されたケーブルガイド及びサイドブラシ支持装置31より幅方向内方でかつ上方においてフレーム5に上下方向に延在して配設されたケーブルガイドに誘導されて幅方向内方でかつ上方から傾斜して垂下すると共に第1揺動部材36のアーム部38の基端近傍を吊下する。
【0053】
シリンダモータ51により第1牽引ケーブル52を格納位置に牽引した際に第1揺動軸32を中心にサイドブラシ支持装置31Lが上方に揺動し、かつ昇降揺動部材33がストッパボルト34に当接してサイドブラシ支持装置31の上昇揺動が規制されると共に、第2揺動軸35を中心に第1揺動部材36が幅方向内方に揺動して揺動規制ブラケット39aのストッパボルト39bが幅方向ストッパ39cに当接して第1揺動部材36の幅方向内方揺動端となる格納位置に規制する。
【0054】
一方、シリンダモータ51により第1牽引ケーブル52を使用位置に繰り出した際に、第1牽引ケーブル52によって吊り下げられたサイドブラシ支持装置31Lが第1揺動軸32を中心に下方に揺動し、かつ昇降揺動部材33がストッパボルト34に当接してサイドブラシ支持装置31Lを使用位置に規制する。また、第1牽引ケーブル52を使用位置に繰り出した際にサイドブラシ47Lが床面Gに接地したときには、昇降揺動部材33がストッパボルト34に当接することなく牽引ケーブル52が若干撓み、サイドブラシ47Lの接地状態が維持できる。
【0055】
図5乃至図8に示すように、サイドブラシモータカバー45とサイドブラシ47Lとの間に、回転バンパ装置60が設けられる。回転バンパ装置60は、図示しないブラケット等を介してサイドブラシモータカバー45の下面等に固定されて清掃面およびロボット走行面となる床面と対向するほぼ水平な円板状の基部61、この基部61の外周に図示しないベアリングを介在してサイドブラシモータ46Lの回転軸46aを中心、即ちサイドブラシ47Lの回転中心軸線と同軸上に環状の回転バンパ62が略水平に回転自在に設けられる。
【0056】
このサイドブラシモータ46Lの回転軸46aと同軸上に回転自在に支持される回転バンパ62は、その外周面62aが揺動支持部材の先端部となるサイドブラシバンパ48の外径及びサイドブラシ47Lの基部47Aの外径より大径でかつサイドブラシ47Lのブラシ材47Bの先端外径より小径に形成され、平面視状態において回転バンパ62の前部および側部範囲がサイドブラシバンパ48より前方及び側方に突出して配置される。また、サイドブラシバンパ48と回転バンパ62との間に回転バンパ62を通常位置に付勢する回転バンパ位置付勢手段となるスプリング63が張設される。
【0057】
このように、回転バンパ62をサイドブラシ47Lのブラシ材47Bの先端外径より小径でかつサイドブラシバンパ48の外径より大径にすることで、回転バンパ62の外周面62aよりサイドブラシ47Lのブラシ材47Bの先端が外方に突出し、回転バンパ62に影響されることなく障害物に接近した床面Gの範囲を清掃することができる。
【0058】
回転バンパ62の外周面62aの前部に内側接触センサ64Laと外側接触センサ64Lbとからなる左側接触センサ64Lを備える。内側接触センサ64Laは通常位置における回転バンパ62の幅方向中央より若干外側位置から幅方向中央をへて内方に連続するテープ状の圧電素子等によって構成され、外側接触センサ64Lbは回転バンパ62の外周面62aにおいて内側接触センサ64Laの外側端と若干の隙間を隔てる位置から幅方向外方に連続するテープ状の圧電素子等によって構成される。
【0059】
この内側接触センサ64Laが障害物等と接触して接触を検知すると、その検知信号が清掃部コントローラ21に送られ、清掃部コントローラ21により右側の駆動用モータ14Rの回転数より左側の駆動用モータ14Lの回転数が大きくなるように制御する、即ち右旋回走行状態に切り換える。清掃ロボット1の旋回に伴って内側接触センサ64Laの障害物等との接触が回避され、その接触検知完了に続いて外側接触センサ64Lbが障害物等に接触すると、その検知信号が清掃部コントローラ21に送られ左側の駆動用モータ14Lと右側の駆動用モータ14Rの回転数が同じくなる通常の清掃状態に制御する。
【0060】
一方、内側接触センサ64Laによる接触検知が予め設定された所定時間に達すると、左右の駆動用モータ14L、14Rを停止すると共にパワーブラシモータ22、ブロアモータ25及びサイドブラシモータ46L、46R等の過負荷を回避してこれらモータを保護する。
【0061】
同様に、右側のサイドブラシ装置30Rにおいても、回転バンパ装置60が設けられる。この回転バンパ装置60も同様にブラケット等を介してサイドブラシモータカバー45の下面に固定された円板状の基部61、基部61にベアリングを介在してサイドブラシモータ46Rの回転軸と同軸上に回転バンパ62が回転自在に設けられる。また、サイドブラシバンパ48と回転バンパ62との間に回転バンパ62の回転を通常位置に付勢する回転バンパ位置付勢手段となるスプリング63が張設される。
【0062】
回転バンパ62の外周面62aの前部に内側接触センサ64Raと外側接触センサ64Rbからなる右側接触センサ64Rが配置される。この内側接触センサ64Raは回転バンパ62の幅方向中央より若干外側位置から幅方向中央をへて内方に連続して配置され、外側接触センサ64Rbは回転バンパ62の外周面62aにおいて内側接触センサ64Raの外側端と若干の隙間を隔てる位置から幅方向外方に連続して配置される。
【0063】
この内側接触センサ64Raが障害物等と接触して接触を検知すると、その検知信号が清掃部コントローラ21に送られ、清掃部コントローラ21により制御装置により左側の駆動用モータ14Lの回転数より右側の駆動用モータ14Rの回転数を大きく制御する、即ち左旋回走行状態に切り換える。清掃ロボット1の旋回に伴って内側接触センサ46Raの障害物等の接触が回避され、その接触検知終了に続いて外側接触センサ64Rbが障害物等を接触すると、その検知信号が清掃部コントローラ21に送られ左右の駆動用モータ14L、14Rの回転数が同じくなる通常の清掃状態に制御する。
【0064】
一方、内側接触センサ64Raによる接触検知が予め設定された所定時間に達すると左右の駆動用モータ14L、14Rを停止すると共にパワーブラシモータ22、サイドブラシモータ46L、46R及びブロアモータ等を停止する。
【0065】
次に、このように構成された左右のサイドブラシ装置30L、30Rを備えた清掃ロボット1の作用について説明する。
【0066】
図9は清掃ロボット1の作動を模式的に示す概略説明図、図10はサイドブラシ装置30Lを模式的に示す作動説明図である。
【0067】
通常清掃において、清掃ロボット1は、予め設定されたプログラムに従って左右の駆動用モータ14L、14Rにより回転駆動される駆動輪11R、11Lによって清掃領域内の所定系路を走行しつつ、回転するパワーブラシ23で床面G上の塵埃を掃き上げると共に、必要に応じてサイドブラシ47L、47Rによりパワーブラシ23の清掃領域外の塵埃を内側、即ちパワーブラシ23の清掃領域内へ掃き寄せ、これらパワーブラシ23で掃き上げられた塵埃及びサイドブラシ47L、47Rによって掃き寄せられた塵埃を吸込口24からダストボックス内に吸引して収容するサイドブラシ47L、47Rを必要としないときには、サイドブラシモータ46L、46Rによるサイドブラシ47L、47Rの回転駆動を停止した状態で、各サイドブラシ47L、47Rを格納位置に移動する。
【0068】
サイドブラシ装置30Lのサイドブラシ47Lの格納位置への移動作動は、シリンダモータ51により第1牽引ケーブル52及び第2牽引ケーブル55を使用位置から格納位置に牽引し、サイドブラシ支持装置31Lの第1揺動部材36が第1揺動軸32を中心に上方に揺動して引き上げられると共に第2揺動軸35を中心に揺動して幅方向内方に牽引される。これにより第1揺動軸32を中心にサイドブラシ支持装置31Lが上方に揺動してサイドブラシ47Lが接地位置、即ち床面Gから離れ、昇降揺動部材33がストッパボルト34に当接して上昇揺動が規制される。また、第1牽引ケーブル52による幅方向内方への牽引により第2揺動軸35を中心に第1揺動部材36が幅方向内方に揺動して揺動規制ブラケット39aに設けられたストッパボルト39bが幅方向内方ストッパ39cに当接して第1揺動部材36の幅方向内方へ格納位置に規制される。
【0069】
一方、第2牽引ケーブル55の格納位置への牽引に伴って、サイドブラシモータカバー45の車幅方向内方端が牽引されて第3揺動軸40を中心に第2揺動部材41が、その上面部41A及び下面部41Bに形成されたストッパ溝42Aの内方端がストッパ軸42Bに当接する揺動端まで揺動して格納位置に停止する。
【0070】
これによりサイドブラシ支持装置31Lに保持されたサイドブラシ47Lは接地位置から離れると共にサイドブラシモータカバー45のほぼ全範囲がロボット本体2の下面に格納される。
【0071】
サイドブラシ装置30Rにおいても、同様の作動によりサイドブラシ47Rが接地位置から離れると共にサイドブラシモータカバー45がほぼ全範囲がロボット本体2の下面に格納される。
【0072】
一方、サイドブラシ47L、47Rを使用する床面Gの清掃にあたっては、サイドブラシ装置30Lのサイドブラシ移動手段50のシリンダモータ51により第1牽引ケーブル52及び第2牽引ケーブル55を使用位置に繰り出す。この第1牽引ケーブル52の繰り出しに伴って、第1揺動軸32を中心にサイドブラシ支持装置31L、サイドブラシモータ46Lおよびサイドブラシ47L等の自重により下方に揺動してサイドブラシ47Lの前方部分が床面G上に接触すると共に、第1揺動部材36の第2揺動軸35を中心とした揺動が許容される。一方、第2牽引ケーブル55の伸長に伴って第2揺動部材41の第3揺動軸40を中心とする揺動が許容される。サイドブラシ装置30Rにおいても、同様の作動によりサイドブラシ47Rの前方部分が床面G上に接触する使用位置に移動する。
【0073】
このようにサイドブラシ47Lの前方部分がサイドブラシ支持装置31Lおよびサイドブラシ47Lの自重による予め設定された接地荷重で床面Gに接触した状態でサイドブラシ47Lを回転駆動すると、回転するサイドブラシ47Lに作用する床面Gからの反力に伴ってサイドブラシモータ46Lを支持する各サイドブラシモータカバー45が幅方向外方に付勢され、第2揺動部材41が第3揺動軸40を中心として幅方向外方に揺動してその上面部41A及び上面部41Bに形成されたストッパ溝42Aの外方端がストッパ軸42Bに当接して第1揺動部材36に対する第2揺動部材41の相対揺動が規制される。更なるサイドブラシ47Lに作用する床面Gからの反力に伴うサイドブラシモータカバー45の幅方向外方への付勢によって第2揺動部材41と第1揺動部材36が一体的に第2揺動軸35を中心として幅方向外方に揺動し、第1揺動部材36に結合されて揺動する揺動規制ブラケット39aに設けられたストッパボルト39bが幅方向外方ストッパ39dに当接して第1揺動部材36の揺動が規制される。これにより第1揺動部材36及び第2揺動部材41の幅方向外方への揺動が規制されてサイドブラシ47Lが通常使用位置に保持される。
【0074】
同様に、サイドブラシ装置30Rにおいても、サイドブラシ47Rの前方部分が床面Gに接触した状態でサイドブラシ47Rを回転駆動することで、回転するサイドブラシ47Rに作用する床面Gからの反力に伴って、サイドブラシ47Rが通常使用位置に保持される。
【0075】
この通常使用位置にサイドブラシ47が通常使用位置に保持された状態で、予め設定されたプログラムに従って回転駆動される駆動輪11L、11Rによって自律走行しつつ、回転するパワーブラシ23で床面G上の塵埃を掃き上げると共に、サイドブラシ47L、47Rによりパワーブラシ23の清掃領域外の塵埃を内側、即ちパワーブラシ23の清掃領域内に掃き寄せ、これらパワーブラシ23で掃き上げられた塵埃及びサイドブラシ47L、47Rによって掃き寄せられた塵埃を吸込口24からダストボックス内に吸引する。
【0076】
ここで、直線状の障害物である壁面に沿って、壁際の清掃を行う際には、走行ロボット1は障害物センサ15a、15b等による壁面等の検知に基づいて壁面から予め設定された距離Lだけ隔てて壁面101に沿って走行する。そして、サイドブラシ47Lの回転により壁際にある塵埃がパワーブラシ23の清掃領域内に掃き寄せられる。
【0077】
また、清掃ロボット1が壁際に寄りすぎてサイドブラシ47L或いは回転バンパ62が壁面や障害物に接触して、サイドブラシ47L或いは回転バンパ62に対して回転するサイドブラシ47Lに作用する床面Gから反力による幅方向外方側への付勢力以上の外力が加わると、サイドブラシ47L及び回転バンパ62はサイドブラシモータカバー45や第2揺動部材41と共に第3揺動軸40を中心に清掃ロボット1の幅方向内方に回動する。
【0078】
サイドブラシ47L或いは回転バンパ62に加わる力、即ち外力が、回転するサイドブラシ47に作用する床面Gから反力による幅方向外方側への付勢力より小さくなると、回転するサイドブラシ47Lに作用する床面Gから反力によってサイドブラシモータカバー45及び第2揺動部材41と共に第3揺動軸40を中心にストッパ溝42Aの外方端がストッパ軸42Bに当接するまで揺動して通常使用位置に復帰する。
【0079】
従って、サイドブラシ47L或いは回転バンパ62が壁面や他の障害物に接触しても、サイドブラシ47L或いは回転バンパ62に過剰な力が加わるのが防止され、サイドブラシ47Lや回転バンパ62を支持するサイドブラシ支持装置31Lの破損が確実に回避される。また、サイドブラシ47Lやサイドブラシバンパ48の接触により発生する壁面や障害物の損傷が防止できる。
【0080】
その結果、サイドブラシ47L及びサイドブラシ支持装置31等の破損を考慮することなく、清掃ロボット1を壁際近傍に寄せた状態で清掃作業を行うことができ、良好な清掃状態を確保できる。
【0081】
一方、例えば図11に模式的に示すように、壁面101に、ドア105の引き込み部102が壁面101とほぼ直交するように折曲して形成された段部102a、102bおよび壁部102cによって矩形に形成された場合には、障害物センサ15a、15b等による壁面101等の検知に基づいて壁面101と予め設定された離間距離Lを保持して走行する清掃ロボット1が、引き込み部102において引き込み部102の壁部102c側に蛇行してロボット本体2から突出するサイドブラシ装置30Lが段部102bに接触することが懸念される。
【0082】
ここで、サイドブラシ装置30Lの回転バンパ62の幅方向中央より外方範囲が引き込み部102の段部102bと壁面101の角部aに接触した際には、走行する清掃ロボット1により回転バンパ62が角部aに押圧付与され、回転バンパ62がサイドブラシ支持装置31Lの先端に設けられた基部61の外周に沿って回転しつつサイドブラシ装置30Lを壁面101から離反する方向に誘導し、サイドブラシ装置30Lと壁面101との接触が回避される。しかる後、清掃ロボット1は再び障害物センサ15a、15b等による壁面101等の検知に基づいて壁面101と予め設定された離間距離Lを保持して走行する通常の清掃に制御する。
【0083】
また、清掃ロボット1が引き込み部102において引き込み部102の壁部102c側に大きく蛇行して、ロボット本体2から突出するサイドブラシ装置30Lの回転バンパ62の前部に設けた左側接触センサ64Lが引き込み部102の段部102bに接触すると、その左側接触センサ64Lの接触検知に基づいてサイドブラシ装置30Lと引き込み部102の段部102との接触を回避すべく清掃ロボット1を旋回する接触回避処理を実行する。
【0084】
この接触回避処理について、図4に示す回路構成を示すブロック図、図12に示す作動説明図、図13に示す接触回避動作のフローチャートを参照して説明する。
【0085】
清掃ロボット1が、予め設定されたプログラムに従って回転駆動される駆動輪11L、11Rによって壁面101に沿って走行しつつ、床面Gを清掃し、引き込み部102の壁部102c側に蛇行して図12(a)に示すようにロボット本体2から突出するサイドブラシ支持装置31Lの先端に設けた回転バンパ62が段部102bに接近し、図12(b)のようにサイドブラシ47Lが段部12bに接触し、更に回転バンパ62に付された内側センサ64Laが段部102bに接触すると、清掃コントローラ21は左側接触センサ64L或いは右側接触センサ64Rによる検知の有無を判定する(ステップS201)。検知があれば(Yの場合)、その検知が左側接触センサ64Lによる検知か否か判定する(ステップS202)。
【0086】
ステップS202で検知があれば(Yの場合)清掃コントローラ21は左側の駆動用モータ14Lの回転数を右側の駆動用モータ14Rの回転数より大きく設定する(ステップS203)。これにより左側の駆動輪11Lの回転数が右側の駆動輪11Rの回転数より大きくなり清掃ロボット1は右旋回状態、即ち回転バンパ62が段部102bから抜け出す方向に付勢される。
【0087】
左側接触センサ64Lの内側接触センサ64Laおよび右側接触センサ64Rの内側接触センサ64Raによる検知の有無の判定を開始する(ステップS204)。ステップS204で検知があれば(Yの場合)清掃コントローラ21においてカウンタを起動させて経過時間Tをカウントする(ステップS205)し、経過時間Tが予め設定された所定時間T1を超えるか判断する(ステップS206)。
【0088】
ステップS206で経過時間Tが所定時間T1内と判定(Nの場合)では、ステップS204で左側接触センサ64Lの内側接触センサ64Laおよび右側接触センサ64Rの内側接触センサ64Raによる検知か判定する。
【0089】
一方、左側のサイドブラシ支持装置31Lに支持された回転バンパ62が段部102bに接触した清掃ロボット1は、ステップS203において左側の駆動輪11Lの回転数に対し右側の駆動輪11Rの回転数が大きな右旋回状態に制御されて、清掃ロボット1の右旋回に伴って左側のサイドブラシ支持装置31Lが壁面101側に揺動し、図12(c)に示すように回転バンパ62が段部102b上を壁面101側、即ち段部102bから抜け出し方向に徐々に移動する。回転バンパ62が段部102b上を移動し、その前端が段部102aと壁面101との角部aを超えると、内側接触センサ64Laが段部102aから離れてステップS204で検知がなくなり(Nの場合)、回転バンパ62の前端が角部aを抜け出したことになる。
【0090】
ステップS204での判定がNの場合、清掃コントローラ61が左側接触センサ64Lの外側接触センサ64Lbおよび右側接触センサ64Rの外側接触センサ64Raによる検知の有無の判定を開始する(ステップS207)。ステップS207で検知があれば(Yの場合)、清掃ロボット1の旋回に伴って段部102bに沿って回転バンパ62が移動して外側接触センサ64Lbが角部aに接したことになる。ステップS207で検知したら(Yの場合)清掃コントローラ21においてカウンタを起動させて経過時間Tをカウントし(ステップS208)、この経過時間Tが予め設定された所定時間T1を超えるか判断する(ステップS209)。
【0091】
ステップS209で経過時間Tが所定時間T1内と判定した場合(Nの場合)では、ステップS207で左側接触センサ64Lの外側接触センサ64Lbおよび右側接触センサ64Rの外側接触センサ64Rbによる検知の有無を判定する。
【0092】
清掃ロボット1の右旋回に伴って左側のサイドブラシ支持装置31Lが揺動して図12(d)に示すように回転バンパ62が段部102bと壁面101の角部aから離れる、即ち回転ブラシ47Lが角部aを抜け出すと、外側接触センサ64Lbが角部aから離れてステップS207での検知がなくなる(Nとなる)。このステップ207での検知がない場合(Nの場合)には通常清掃制御に復帰し(ステップS210)、図12(e)に示すように段部102bからサイドブラシ47Lが脱出して通常の清掃を実行する。
【0093】
一方、ステップS206で経過時間Tが予め設定された所定時間T1を超えると判断するとき(Yの場合)は、回転バンパ62が段部102bに接触してサイドブラシ装置30Lが段部102bから抜け出せない状態が続いていることとなり、清掃コントロール21において左右の駆動用モータ14L、14Rを停止すると共に、パワーブラシモータ22、ブロアモータ25、サイドブラシモータ46L、46Rを停止して(ステップS211)清掃作業を中止する。これにより、パワーブラシモータ22、ブロアモータ25,サイドブラシモータ46L、46Rの過負荷による損耗を防止する。
【0094】
同様に、ステップS209で経過時間Tが予め設定された所定時間T1を超えると判断するとき(Yの場合)は、回転バンパ62が段部102bに接触してサイドブラシ装置30Lが段部102bから抜け出せない状態が続いていることとなり、左右の駆動用モータ14L、14Rを停止すると共に、パワーブラシモータ22、ブロアモータ25、サイドブラシモータ46L、46Rを停止して(ステップS211)清掃作業を中止する。これにより、パワーブラシモータ22、ブロアモータ25,サイドブラシモータ46L、46Rの過負荷による損耗を防止する。
【0095】
これにより、例えば図14(a)や同図(b)に示すように、左側の駆動用モータ14Lの回転数を右側の駆動用モータ14Rの回転数を大きく設定して清掃ロボット1を右旋回状態、即ち回転バンパ62が段部102bから抜け出す方向に付勢しても段部102bから抜け出せないときでもサイドブラシ47Lやサイドブラシ支持装置31L等が破損することなく、安全に走行清掃ロボット1を停止することができる。
【0096】
また、清掃ロボット1による床面Gを清掃中にロボット本体2から突出する右側のサイドブラシ支持装置31Rの先端に設けた回転バンパ装置60の回転バンパ62が段部等に接触したときも上記同様に、ステップ202において左側接触センサの検知でない(Nの場合)と判定し、ステップS204において清掃コントローラ21は右側の駆動用モータ14Rの回転数を左側の駆動用モータ14Rの回転数を大きく設定し、以降は詳細な説明を省略するが上記と同様に各ステップを実行する。
【0097】
従って、自走式清掃装置1により清掃作業中に、サイドブラシ47L、47R或いは各サイドブラシ支持装置31L、31Rの先端部に配置した回転バンパ62が壁面や他の障害物に接触ときには、その接触の際に走行ロボット1を旋回して壁面や障害物からサイドブラシ47L、47R及びサイドブラシ支持装置31L、31R等のサイドブラシ装置30L、30Rを障害物から離反させて通常制御による清掃作業を継続することができる。
【0098】
また、サイドブラシ装置30L、30Rに障害物等から過剰な力が加わるのが防止され、サイドブラシ装置30L、30Rの破損が確実に回避できる。
【0099】
なお、上記説明では壁面101に形成された段部102bにサイドブラシ等が接触した場合を例に説明したが他の障害物に接触した際にも同様の作動によりサイドブラシ装置等の破損を防止することができる。
【0100】
本実施の形態によると、サイドブラシが障害物や壁面に衝突してもサイドブラシ装置等の破損を招くことがなく円滑な床面清掃が得られる。
【0101】
(第2実施の形態)
次ぎに、第2実施の形態を図15乃至図17を参照して説明する。本実施の形態は回転バンパ装置が第1実施の形態と異なり、他の構成は第1実施の形態と同様であり、回転バンパ装置を主に説明する。なお、サイドブラシ装置30Rにおいても、同様の回転バンパ装置が配設されるが、説明の簡素化のためサイドブラシ装置30Lについてのみ説明する。また、図15乃至図17において図1乃至図14と対応する構成部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明は省略する。
【0102】
図15は本実施の形態の概要を示すサイドブラシ支持装置の一部断面側面図、図16は図15のXVI部拡大図、図17は回転バンパ装置70の概要を示す分解斜視図である。
【0103】
本実施の形態の回転バンパ装置70は、図示しないブラケット等を介してサイドブラシモータカバー45の下面等に固定されて清掃面及びロボット走行面となる床面と対向するほぼ水平でサイドブラシ47Lの回転中心軸線と同軸を中心とする上面71a及び下面71bを有する円板状の基部71及びこの基部71の外周に沿ってサイドブラシ47の回転中心軸と同軸上で略水平に回転自在に支持される環状の回転バンパ75を備える。
【0104】
円板状の基部71の外周には、図16及び図17に示すように、基部71の上面71aから下方に延在する回転中心軸線と同軸で円柱周面状の内側支持面72a、内側支持面72aの下端縁から回転中心軸線と直交する外方に延在する環状平面状の上側支持面72b、上側支持面72bの外周縁から下方に延在する回転中心軸線と同軸で円柱周面状の外側支持面72c、外側支持面72cの下端縁から回転軸中心線と直交して内方に延在して基部71の下面71bに連続する環状平面状の下側支持面72dを有する断面矩形状で突出する環状の支持部72を形成する。
【0105】
回転バンパ75は、自己潤滑性に優れた樹脂、例えばMCナイロン製のバンパ本体76及び保持部材78によって構成される。
【0106】
バンパ本体76は、基部71と同様の板厚を有する上面76a、下面76b、外周面76c及び内周面76dを備えた環状である。内周面76dには、上面76aの内周縁から下方に延在して基部71の内側支持面72aに間隙を有して嵌合可能な回転中心軸線と同軸の円筒内面状の内側摺接面80aと、内側摺接面80aの下端縁から回転中心軸線と直交する外方に延在する外径が外側支持面72cの外径より若干大きな環状平面状で上側支持面72bに軸方向で摺接可能な上側摺接面80bと、上側摺接面80bの外周縁から下方に延在して外側支持面72cに間隙を有して嵌合可能な回転中心軸線と同軸で円筒内面状で下面76bの内周縁に達する外側摺接面80cを有する。更に、上面76aから下面76bに達する貫通孔77が外周面76cに沿って周方向に等間隔で複数穿孔する。
【0107】
保持部材78は、回転バンパ本体76の下面76bに当接可能な上面78a、下面78b、バンパ本体76の外周面76c及び内側摺接面80aとそれぞれ同径の外周面78c及び内周面78dを有する環状であって、上面78aにバンパ本体76の外側摺接面80cと同径で環状の外側摺接面80d及び外側摺接面80dの下端縁から回転中心軸線と直交する内方に延在して内周面78dの上端縁に達する環状平面状で下側支持面72dに軸方向で摺接可能な下側摺接面80eを形成する。更に、回転バンパ本体76に穿設された貫通孔77に対応して上面78aから下面78bに達するネジ孔79が外周面78cに沿って周方向に等間隔で複数穿孔する。
【0108】
このように構成されたバンパ本体76を、基部71の外周に基部71の上面71a側から基部71の内側支持面72a、上側支持面72b、外側支持面72cにそれぞれ内側摺接面80a、上側摺接面80b、外側摺接面80cが対向した状態に嵌合させる一方、基部71の下面76b側から保持部材78の上面78aをバンパ本体76の下面76bに当接すると共に互い各貫通孔77とネジ孔79を相対位置決めする。
【0109】
この状態で、バンパ本体76の各貫通孔77からボルト81を挿入して保持部材78のネジ孔79に螺合して図15及び図16に示すようにバンパ本体76と保持部材78を締結して回転バンパ75を形成する。
【0110】
このように構成された回転バンパ75は、基部71の外周に突出形成された環状の支持部72に上側摺接面80b、外側摺接面80c及び下側摺接面80eによって形成され断面コ字状で環状の挟持部80が形成され、この挟持部80によって基部71の外周に沿って形成された支持部72を上方及び下方から挟み、かつこの挟持部80の上側摺接面80bと支持部72の上側支持面72bが軸方向で摺接可能に間隙aを有して対向し、下側摺接面80eと下側支持面72dが軸方向に摺接可能に間隙bを有して対向する。また、内側摺接面80aと内側支持面72aが間隙cを有して対向し、外側摺接面80及び80dと外側支持面72cが間隙dを有して対向する。
【0111】
これにより、挟持部80の上側摺接面80bと支持部72の上側支持面72bの軸方向での摺接及び下側摺接面80eと下側支持面72dとの軸方向での摺接によって回転バンパ75の基部71に対する軸方向に移動範囲が規制されて回転バンパ75が基部71の外周に沿ってサイドブラシ47の回転中心軸と同軸上で略水平に回転自在に保持される。
【0112】
また、バンパ本体76及び保持部材78の外周面76c及び78cが障害物との接触面となり、その外周面76c及び78cが揺動支持部材の先端部となるサイドブラシバンパ48の外径及びサイドブラシ47Lの基部47Aの外径より大径でかつサイドブラシ47Lのブラシ材47Bの先端外径より小径に形成され、平面視状態において回転バンパ62の前部および側部範囲がサイドブラシバンパ48より前方及び側方に突出して配置される。
【0113】
このような回転バンパ装置70を備えることにより、第1実施の形態と同様にサイドブラシ47L或いは回転バンパ75が壁面や他の障害物に接触した際には、回転バンパ75が障害物に押付与され、回転バンパ57によってサイドブラシ装置30Lを障害物から離反する方向に誘導する。これにより、サイドブラシ装置30Lと障害物との接触が回避されて清掃作業を円滑に続行できる。更に、回転バンパ75を、サイドブラシバンパ48の外径及びサイドブラシ47Lの基部47Aの外径より大径でかつサイドブラシ47Lのブラシ材47Bの先端外径より小径に形成することで、サイドブラシ47Lによる障害物に接近した床面の清掃作業を確保しつつ、サイドブラシモータ46Lやサイドブラシ装置30の損傷が防止できる。
【0114】
また、回転ダンパ装置70が基部71の外周に沿って環状に連続するように形成され支持部72が、回転バンパ75の挟持部80によって覆われ、かつ回転バンパ75に形成された挟持部80が摺接可能に嵌合して回転バンパ75が支持部72上に接触状態で回転することから、基部71に形成した支持部72と回転バンパ75の挟持部80との間の間隙に粉塵等が侵入することがなく、或いは粉塵等の侵入が大幅に抑制されて、塵等により回転バンパ75に回転作動が阻害されることなく、清掃作業を円滑に続行することができる。なお、例えば基部の外周にボールベアリング等の軸受け部材を介在して回転バンパを支持した場合には、ボールベアリングのアウタレース、インナレース、ボール等の間隙に粉塵等が侵入して回転バンパの回転が阻害されることがあり、そのメンテナンスの頻度が多くなることが懸念される。
【0115】
また、回転バンパ75が、バンパ本体76と保持部材78をボルト81によって分解可能に組立てられ、分解することで挟持部80を形成するバンパ本体76の側の上側摺接面80bと保持部材78側の下側摺接面80eが分離して容易に基部71から取り外し可能で、かつ組立てることで挟持部80を形成するバンパ本体76の側の上側摺接面80bと保持部材78側の下側摺接面80eによって支持部72が軸方向から間隙を有して挟持されて容易に基部71に装着でき、回転バンパ75の粉塵除去及び交換等のメンテナンスが容易に行える。更に、ベアリング等が不要で構成が簡単なことと相俟って製造及びメンテナンスコストの抑制が期待できる。
【符号の説明】
【0116】
1 清掃ロボット
2 ロボット本体
10 走行装置
11R、11L 駆動輪
14R、14L 駆動用モータ
20 清掃装置
21 清掃部コントローラ
22 パワーブラシモータ
23 パワーブラシ
25 ブロアモータ
30R、30L サイドブラシ装置
31R、31L サイドブラシ支持装置
36 第1揺動部材
37 基部
41 第2揺動部材
41C 取付部
45 サイドブラシモータカバー
46R、46L サイドブラシモータ
46a 回転軸
47R、47L サイドブラシ
47A 基部
47B ブラシ材
48 サイドブラシバンパ(サイドブラシ支持装置の先端部)
60 回転バンパ装置
61 基部
62 回転バンパ
62a 外周面
63 スプリング(回転バンパ位置付勢手段)
64L 左側接触センサ
64La 内側接触センサ
64Lb 外側接触センサ
64R 右側接触センサ
64Ra 内側接触センサ
64Rb 外側接触センサ
70 回転バンパ装置
71 基部
72 支持部
73 回転バンパ
75 回転バンパ
76 バンパ本体
78 保持部材
80 挟持部
81 ボルト
101 壁面(障害物)
102 引き込み部
102a、102b 段部(障害物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置を備えたロボット本体及び、該ロボット本体の下面に支持されてロボット本体から幅方向外方でかつ前方に突出したサイドブラシ支持装置の先端部に支持されると共に、回転駆動されて床面の塵埃をロボット本体の幅方向内方に掃き寄せるサイドブラシを有するサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボットにおいて、
前記サイドブラシ支持装置は、基部が上下方向及び幅方向に揺動自在にロボット本体の下部に支持されて前方に延在すると共に該先端部にサイドブラシモータによって回転駆動されるサイドブラシを支持する揺動支持部材を備え、
前記揺動支持部材と前記サイドブラシとの間に、前記サイドブラシのブラシ材先端外径より小径でかつ揺動支持部材の前記先端部外径より大径でロボット走行面と略平行に回転可能な回転バンパを有する回転バンパ装置を備えたことを特徴とするサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項2】
前記回転バンパは、前記サイドブラシ回転中心軸線と同軸上に回転可能に配設されたことを特徴とする請求項1に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項3】
前記回転バンパは、前記サイドブラシの回転中心軸線と同軸上に回転可能に配設され、外周面には障害物との接触を検知する接触センサを備え、該接触センサが前記回転バンパと障害物との接触を検知した場合、前記走行装置を制御することを特徴とする請求項1に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項4】
前記接触センサによって、前記回転バンパと障害物との接触を検知した場合、前記走行装置による走行を停止させる走行制御手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項5】
前記走行装置は、進行方向に対して左右に設けた左右の駆動用モータによって駆動される左右の駆動輪を備え、
サイドブラシ装置を進行方向に対して左右の少なくとも一方に備え、該一方のサイドブラシ装置の接触センサが接触を検知した場合、前記一方側の駆動用モータの回転数を他方の駆動用モータの回転数よりも大きくすることを特徴とする請求項3に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項6】
前記回転バンパ装置は、サイドブラシ回転中心軸線と同軸を中心として揺動支持部材に固定された円板状の基部と、
前記サイドブラシ回転中心軸線を中心に回転可能に前記基部の外周に軸方向で摺動可能に支持された環状で前記サイドブラシのブラシ材先端外径より小径でかつ揺動支持部材の前記先端部外径より大径の外周面を備えた回転バンパを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項7】
前記基部は、外周に沿って延在する環状に突出する支持部を備え、
前記回転バンパは、内周面に沿って前記支持部を間隙を有して軸方向に挟持する挟持部を備えたことを特徴とする請求項6に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。
【請求項8】
前記回転バンパは、前記挟持部が前記基部の支持部から着脱可能に分解組立て可能なバンパ本体及び保持部材を備えたことを特徴とする請求項7に記載のサイドブラシ装置を備えた自走式清掃ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−45694(P2011−45694A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−244107(P2009−244107)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】