説明

サイド保護装置

本発明は、車両の側面衝突時に乗員を保護する少なくとも一つのサイドエアバッグ(10)を有する車両用乗員保護装置に関する。保護すべき乗員を最大限に保護するべく、本発明に係るサイドエアバッグは、ガスが外部に流出可能な流出開口部(50)ないしエアバッグ内の越流開口部(130)を有する。保護装置の起動後、流出開口部ないし越流開口部は、乗員のサイズに応じて閉鎖され、ガスの通過流に対して絞り込まれるか、あるいは開口状態とされた状態で、サイドエアバッグが膨張して前記乗員(30)に隣接した外側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載された特徴を有する、特に自動車用の乗員サイド保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの乗員サイド保護装置は、例えば米国特許6,695,340B2号により公知である。この公知の乗員サイド保護装置は、乗員保護のため、事故の際に乗員サイド保護装置のサイドエアバッグを膨張させるガス発生装置を有する。サイドエアバッグは、展開状態で車両の側壁部をカバーして、車両乗員、特に車両乗員の頭部が側壁部に衝突しないようにする。エアバッグは、側壁部をカバーする主チャンバ又は動作チャンバの他に、主チャンバが曲がって側壁部から離れないようにするための指状の突起を有する。
【特許文献1】米国特許6,695,340B2号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、保護対象の乗員に対し特に高い安全性をもたらすサイド保護装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題は、冒頭に記載したタイプのサイド保護装置を端緒として、本発明に係る請求項1に記載された特徴によって解決される。本発明の有利な展開例は、従属項に記載されている。
【0005】
本発明によれば、サイドエアバッグには、ガスがサイドエアバッグから外部に流出することのできる流出開口部、及び/又は、エアバッグ内に配置された越流開口部を有する。本発明によれば、乗員サイド保護装置の起動後、サイドエアバッグは、膨張して乗員に隣接した外側に位置し、流出開口部及び/又は越流開口部が、乗員のボディサイズ、すなわち、乗員の大きさあるいは乗員の所定の人体部の大きさに応じて、閉鎖されるか、ガスの通過流に対して絞り込まれるか、または、開口したままの状態となるように構成されている。
【0006】
本発明による乗員サイド保護装置の重要な利点は、サイドエアバッグの膨張動作が乗員個々に設定されるということである。この結果、サイドエアバッグの最適な位置取りができ、サイドエアバッグの最高の保護効果が得られる。
【0007】
サイドエアバッグは、乗員と車両の進入側壁部との間に配置され、進入側壁部及び/又は進入側壁部に連接した車体部位から乗員を直接保護できるようになされていることが望ましい。更に、サイドエアバッグは、他の危険、例えば、車両に内蔵された他の物、車両に外付けされた物、特に事故に巻き込まれた別の車両の部分、また、当該車両の他の乗員や事故に巻き込まれた別の車両の乗員などから保護することも可能である。
【0008】
所定の最低サイズを上回るボディサイズの乗員の場合は、事故の際に、流出開口部あるいは越流開口部が、完全にあるいは部分的に閉鎖あるいは絞込みされることが望ましく、所定の最低サイズに満たないボディサイズの乗員の場合は、事故の際に、流出開口部あるいは越流開口部が、開口したままの状態になることが望ましい。
【0009】
例えば、乗員が所定の最低サイズより大きいか小さいかは、乗員の肩の高さを基準に決められる。流出開口部又は越流開口部の閉鎖あるいは絞込みは、乗員の肩部あるいは上腕部によって行われることが望ましい。流出開口部又は越流開口部は、乗員の肩部あるいは上腕部と進入側壁部とで挟み潰され、あるいはカバーされることによって閉鎖あるいは絞込みされるように配置されることが望ましい。
【0010】
乗員のサイズに応じてサイドエアバッグのガス圧を多段階式に設定するために、サイドエアバッグ内に複数の流出開口部を設けることが可能である。
【0011】
流出路は、流出開口部に接続され、流出開口部から流出するガスを乗員からそらせることが望ましい。エアバッグから流出する高温ガスによる怪我を当該流出路によって防止することが可能である。流出路は、例えば乗員と流出開口部との間に被覆部材を設けることによって形成可能である。
【0012】
流出するガスの全てを安全に導出するために、流出路がサイドエアバッグの全ての流出開口部に割り当てられていることが望ましい。あるいは、サイドエアバッグの全ての流出開口部それぞれに、各当該流出開口部から流出するガスを乗員からそらせる流出路を個々に割り当てることも可能である。
【0013】
保護対象の乗員の上体を保護するために、サイドエアバッグは胸部チャンバを有していることが望ましく、上述の流出開口部は、例えば胸部チャンバの上部に設けられている。
【0014】
特に広範囲にわたる乗員保護のためには、サイドエアバッグは、頭部チャンバと胸部チャンバを有していることが望ましく、上述の流出開口部は、例えば頭部チャンバと胸部チャンバとの間に設けられている。サイドエアバッグは、側壁部がサイドエアバッグの胸部チャンバに貫入した場合、越流開口部が開いている限り、ガスが胸部チャンバから頭部チャンバへ流されるように構成されていることが望ましい。
【0015】
乗員の保護機能を更に向上させるために、サイドエアバッグが、頭部チャンバ及び胸部チャンバのほかに、更にもう一つまたはそれ以上のチャンバを有することも可能である。
【0016】
サイドエアバッグは、例えば車両のドア部あるいは車両シート部に配置することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1では、事故によって既に膨張した乗員保護装置20(詳細は、別途図示されていない)のサイドエアバッグ10が示されている。乗員保護装置20は、事故の際に、サイドエアバッグ10を膨張させるためのガス発生装置(図1では図示されていない)を点火させる制御装置(同様に図示されていない)を有している。
【0018】
サイドエアバッグ10は、一例として、乗員30と車体壁部40(例えば、側壁部あるいは車両ドア)との間に配置されている。あるいは、サイドエアバッグ10は、別の場所に設けることもできる。
【0019】
図1は、二つの異なったボディサイズ(大きさ)の乗員30をそれぞれ図示している。「小さい」乗員は実線で示され、参照番号30’が付けられている。「大きい」乗員は参照番号30”が付され、破線で示されている。
【0020】
「大きい」乗員30”は、所定の最小サイズを上回るボディサイズすなわち乗員サイズを有する。実線で図示された「小さい」乗員30’は、所定の最小サイズよりも小さいボディサイズすなわち乗員サイズを有している。
【0021】
図1に示されているように、サイドエアバッグ10は、ガス発生装置によってサイドエアバッグ10内に吹き込まれたガスがサイドエアバッグ10から流出することのできる流出開口部50を有している。図1に示した状態では、乗員30がまだ十分車体壁部40から離れているため、流出開口部50は乗員30によって未だカバーされていない。そのため、ガスは流出開口部50を通ってサイドエアバッグ10から流出する。
【0022】
図2は、事故のその後の経過を示しており、乗員30と車体壁部40とが互いに接近している。サイドエアバッグ10は、乗員30と車体壁部40とに挟み込まれた状態になっている。
【0023】
次に、「小さい」乗員30’あるいは「大きい」乗員30”のどちらが関与しているのかが区別される。すなわち図2に示されているように、「大きい」乗員30”は、サイドエアバッグ10の流出開口部50を肩55で完全にカバーするため、ガスは、もはや流出開口部50を通ってサイドエアバッグ10から流出することができない。従って、サイドエアバッグ10がほぼその内圧を維持するため、比較的大きな反発力(押し離し力)あるいは緩衝力(拘束力)が「大きい」乗員30”に加わる。
【0024】
「大きい」乗員30”の肩55の高さh”が、流出開口部50の配置によって予め設定された限界高さhgよりも高いために、「大きい」乗員30”によって流出開口部50が完全にカバーされる。従って、「大きい」乗員30”の場合、h”>hgである。
【0025】
これとは反対に、「小さい」乗員30’は、肩55が流出開口部50に届かないので、サイドエアバッグ10の流出開口部50をカバーしない。このため、図2に示された事故時でさえも、流出開口部50は開口したままとなる。従って、ガスは流出開口部50を通ってサイドエアバッグ10から流出し続けることができるので、「大きい」乗員30”に比べて、低減した反発力(押し離し力)あるいは緩衝力(拘束力)しか乗員30’に作用しない。従って、「小さい」乗員30’の肩の高さh’に関しては、h’<hgである。
【0026】
要するに、図1及び図2に係る乗員保護装置の場合、サイドエアバッグ10が、乗員のサイズに応じた反発力あるいは緩衝力(拘束力)を加えることができることは明らかである。すなわち、「小さい」乗員30’よりも「大きい」乗員30”により大きな反発力あるいは緩衝力(拘束力)が加わる。
【0027】
最初に述べた「所定の最小サイズ」は、流出開口部50の配置によって定められる。例えば、流出開口部が車両のZ方向(高さ方向)において高い位置に配置されているほど、流出開口部50を閉鎖してサイドエアバッグの内圧を増加させるために上回らなければならない乗員の最小サイズ、例えば乗員の肩の高さも、これに応じて高くなる。
【0028】
図3は、図1及び図2に係るサイドエアバッグ10の側面図である。ガスがサイドエアバッグ10から流出することのできる流出開口部50が示されている。更に、「大きい」乗員30”の肩部55が破線で図示され、「小さい」乗員30’の肩部55が実線で図示されている。流出開口部50は、「大きい」乗員30”の肩部55でカバーされているが、「小さい」乗員30’の場合は、開放されたままの状態となっていることが分かる。これは、乗員30’の肩の高さh’が流出開口部50を閉じるのに十分な高さではないからである。
【0029】
さらに図3では、流出開口部50が、乗員30’または30”の真向かいに位置していることがわかる。このため、サイドエアバッグ10から流出するガスは、乗員30’または30”に直接向けられる。高温ガスを発生させてサイドエアバッグ10を膨張させる「高温ガス」発生装置の場合には、高温ガスが乗員30’または30”の方向に直接導出されるため、負傷する恐れがある。
【0030】
そうした負傷を避けるため、図4から図7に示す乗員保護装置の第2の実施形態では、サイドエアバッグ10は、流出開口部50をカバーするとともに、流出開口部50から流出するガス流がサイドエアバッグ10に対して接線方向に流れ出て乗員に直接当たらないようにガス流を偏向する被覆部材60を有している。
【0031】
この流出開口部50から流出するガス流の導出の様子が、図6及び図7に参照番号70が付された3本の矢印で示されている。
【0032】
図7は、図6に詳細に示されたサイドエアバッグ10の構成の詳細部Eを拡大して示している。サイドエアバッグ10の表面に対して接線方向に流出路80を形成する被覆部材60が、図7にも詳細に示されている。
【0033】
図4及び5は、サイドエアバッグ10と乗員30との相互作用を示している。大きい乗員30”が、肩55で被覆部材60を流出開口部50に押し付けるため、流出開口部50が閉鎖され、更なるガスの流出が妨げられる。従って、大きい乗員に関しては反発力(押し離し力)あるいは緩衝力(拘束力)が「増大」する。
【0034】
小さい乗員30’の場合は、被覆部材60が作動しないままであり、ガスが流出開口部50から流出し続け、低減した反発力(押し離し力)あるいは緩衝力(拘束力)しか発生しない。
【0035】
図1〜図7に係る2つの乗員保護装置については、流出開口部50のカバーリングは、一例として、乗員30の肩部55を基準にして、「大きい」乗員と「小さい」乗員とをそれぞれの肩の高さh’,h”によって区別して説明した。もちろん、乗員が「大きい」か「小さい」かを区別するのに、他の体の部位、体型、寸法を用いることもできる。例えば、体の幅あるいは胴体の幅を目安として用い、「幅広の」乗員は「大きい」と、「細身の」乗員は「小さい」と見なして扱うことができる。
【0036】
図8〜図11は、本発明の第3の実施形態を示している。図8には、二つのチャンバ100,110を有するサイドエアバッグ10が示されている。上部チャンバ100は、事故時に乗員の頭部を保護する頭部チャンバである。下部チャンバ110は、乗員の上体部及び下体部に関して保護効果を奏する胸部チャンバである。
【0037】
さらに、二つのチャンバ100,110間をガスが流れるように構成された越流開口部130が示されている。越流開口部の断面積または直径は、参照番号140が付されたタックの大きさ及び位置によって決まる。
【0038】
事故時に、サイドエアバッグ10は、ガス発生装置150によって膨張する。その過程で、ガス発生装置150は、頭部チャンバ100及び胸部チャンバ110の両方にガスを充填する。この状態が図8に矢印160で示されている。
【0039】
図9〜図11は、事故の経過に伴うサイドエアバッグ10の動作を示している。図9では、側面衝突事故の際に乗員30の方向に押される側壁部40が示されている。サイドエアバッグ10は、図9に示された時点で既に膨張しており、膨張した頭部チャンバ100及び胸部チャンバ110が図示されている。
【0040】
図10は、その後の事故の状況を示している。図から分かるように、側壁部40が乗員30により接近しているため、胸部チャンバ110が圧縮されている。この圧縮によって胸部チャンバ内のガス圧が高くなり、ガスが胸部チャンバ110から頭部チャンバ100内へ流入する。ガス流は矢印170で示されている。この結果、頭部チャンバ100の容積が増大し、乗員の頭部に対する保護効果が高まる。
【0041】
事故が更に進行し、側壁部40は、乗員30に接近し続ける。これが、図11に示されている。進入した側壁部40と乗員30の肩部55によって、越流開口部130が圧縮されているので、頭部チャンバ100方向へのガス通過流が絞られている。場合によっては、肩部55と側壁部40との間の距離が近くなりすぎると、越流開口部130が完全に覆われる。
【0042】
図11に示されているように、乗員30の肩の高さhが十分高い場合にのみ越流開口部130が挟み潰される。肩部55が越流開口部130より下に位置する場合は、越流開口部130によるガス通過流の絞込み又は遮断は起こらない。これは、図11に小さい乗員の肩の高さhを示す破線で示されている。従って、図8〜図11に係る乗員サイド保護装置は、ボディサイズに応じて越流開口部130が絞り込まれ、あるいは閉鎖され、あるいは開口した状態となって作動する。
【0043】
乗員のボディサイズに応じた新規の「エアバッグ展開制御」につき、図1〜図11と併せて、サイドエアバッグの例のみを用いて説明したが、もちろん他のあらゆるタイプのエアバッグ、例えば前部エアバッグ、運転席エアバッグ、助手席エアバッグ、ドアの内蔵エアバッグシステム、頭部−胸部エアバッグ、頭部サイドエアバッグ、膝バッグ、骨盤バッグ、後部衝突エアバッグ等に用いられるエアバッグの膨張動作の制御も、乗員のボディサイズ、例えば肩の高さに応じて制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】被覆部材の付いていない流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第1実施形態を示している。
【図2】同じく、被覆部材の付いていない流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第1実施形態を示している。
【図3】同じく、被覆部材の付いていない流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第1実施形態を示している。
【図4】被覆部材の付いた流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第2実施形態を示している。
【図5】同じく、被覆部材の付いた流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第2実施形態を示している。
【図6】同じく、被覆部材の付いた流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第2実施形態を示している。
【図7】同じく、被覆部材の付いた流出開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第2実施形態を示している。
【図8】サイドエアバッグの2つのチャンバ間に越流開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第3実施形態を示している。
【図9】同じく、サイドエアバッグの2つのチャンバ間に越流開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第3実施形態を示している。
【図10】同じく、サイドエアバッグの2つのチャンバ間に越流開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第3実施形態を示している。
【図11】同じく、サイドエアバッグの2つのチャンバ間に越流開口部を有する本発明に係る乗員保護装置の第3実施形態を示している。
【符号の説明】
【0045】
10 サイドエアバッグ
20 乗員保護装置
30 乗員
30’ 小さい乗員
30” 大きい乗員
40 車体壁部
50 流出開口部
55 肩部
60 被覆部材
70 ガス流
80 流出路
100 頭部チャンバ
110 胸部チャンバ
130 越流開口部
140 タック
150 ガス発生装置
160 ガス流
170 ガス流
H,h 肩の高さ
h’,h” 肩の高さ
hg 所定最小サイズ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側面衝突時に乗員(30)を保護する少なくとも一つのサイドエアバッグ(10)を有する車両用乗員保護装置であって、
前記サイドエアバッグ(10)は、ガスが前記サイドエアバッグ(10)から外部に流出可能な流出開口部(50)、及び/又は、前記エアバッグ内に配置された越流開口部(130)を有し、
前記保護装置の起動後、前記流出開口部(50)及び/又は越流開口部(130)が、当該乗員のサイズに応じて、閉鎖されるか、ガスの通過流に対して絞り込まれるか、あるいは開口したままの状態となるように、サイドエアバッグ(10)が膨張して前記乗員(30)に隣接した外側に位置することを特徴とする乗員保護装置。
【請求項2】
前記サイドエアバッグ(10)が、前記車両の内蔵物、前記車両に外付けされた物、特に当該事故に巻き込まれた別の車両の部位、あるいは当該事故に巻き込まれた別の車両の乗員から保護できるように、乗員(30)と車両の進入側壁部(40)との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
【請求項3】
前記サイドエアバッグ(10)が、前記進入側壁部(40)及び/又は進入側壁部(40)に連接した車体部位から乗員を直接保護できるように、乗員(30)と自動車の進入側壁部(40)との間に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載された乗員保護装置。
【請求項4】
ボディサイズ(h”)が所定の最小サイズ(hg)を超える乗員(30)の場合には、前記流出開口部(50)又は越流開口部(130)が事故時に絞り込まれるか、あるいは閉鎖され、
ボディサイズ(h’)が前記所定の最小サイズ(hg)に満たない乗員の場合には、前記流出開口部(50)又は越流開口部(130)が事故時に開口したままの状態となることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の乗員保護装置。
【請求項5】
乗員(30)が前記所定の最小サイズ(hg)よりも大きいか小さいかが、乗員の肩の高さ(h’,h”)を基準に決められることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の乗員保護装置。
【請求項6】
前記流出開口部(50)又は越流開口部(130)の閉鎖あるいは絞込みが、前記乗員(30)の肩部(55)又は上腕部によって行われることを特徴とする請求項5に記載の乗員保護装置。
【請求項7】
前記流出開口部(50)又は越流開口部(130)が、前記乗員の肩部(55)又は上腕部と進入側壁部(40)とで潰されることによって閉鎖あるいは絞込みされるように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の乗員保護装置。
【請求項8】
前記乗員のサイズに応じて反発力ないし拘束力が多段に変化するように、複数の流出開口部(50)がサイドエアバック(10)内に配置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の乗員保護装置。
【請求項9】
流出路(80)が、少なくとも一つの流出開口部(50)に接続され、前記流出開口部(50)から流出するガスを乗員(30)から偏向させることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記流出路(80)が、前記乗員(30)と前記流出開口部(50)との間に被覆部材(60)を設けることによって形成されていることを特徴とする請求項9に記載された乗員保護装置。
【請求項11】
前記流出路が、前記サイドエアバックの少なくとも二つの流出開口部、好ましくは全ての流出開口部に割り当てられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の乗員保護装置。
【請求項12】
前記サイドエアバック(10)の全ての流出開口部(50)それぞれに、各流出開口部から流出するガスを乗員(30’)から偏向する流出路(80)が個々に割り当てられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の乗員保護装置。
【請求項13】
前記サイドエアバック(10)が、胸部チャンバ(50)を有し、前記流出開口部(50)が当該胸部チャンバ(50)の上部に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の乗員保護装置。
【請求項14】
前記サイドエアバック(10)が、頭部チャンバ(100)と胸部チャンバ(110)を有し、前記越流開口部(130)が前記頭部チャンバ(100)と前記胸部チャンバ(110)との間に配置されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の乗員保護装置。
【請求項15】
前記側壁部(40)が前記サイドエアバック(10)の前記胸部チャンバ(110)に侵入した際、前記越流開口部(130)が開いている場合には、ガスが前記胸部チャンバ(110)から前記頭部チャンバ(100)へ流通するように前記サイドエアバック(10)が構成されていることを特徴とする請求項14に記載の乗員保護装置。
【請求項16】
前記サイドエアバック(10)が、前記頭部チャンバ(100)及び前記胸部チャンバ(110)のほかに、少なくとも更にもう一つチャンバを有することを特徴とする請求項14または15に記載の乗員保護装置。
【請求項17】
前記サイドエアバック(10)が、車両のドア部あるいは車両シート部に配置されていることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載の乗員保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−518622(P2007−518622A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549857(P2006−549857)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【国際出願番号】PCT/DE2005/000086
【国際公開番号】WO2005/070729
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(503038443)タカターペトリ(ウルム)ゲーエムベーハー (9)
【氏名又は名称原語表記】TAKATA−PETRI(Ulm)GmbH
【Fターム(参考)】