説明

サーバから記録媒体へのコンテンツダウンロード方法及びこれに適した記録媒体

【課題】よりトランスペアレント性が高く、不慣れなユーザにも取り扱いやすい、コンテンツのダウンロード方法を提供する。
【解決手段】通信ネットワーク4を介してアクセス可能なサーバ2から記録媒体14にコンテンツを転送するコンテンツ転送方法は、(a)記録媒体14をネットワーク対応機器3に接続するステップと、(b)通信ネットワーク4を介して、ネットワーク対応機器3とサーバ2の間で接続を確立するステップと、(c)ネットワーク対応機器3を介して、サーバ2から記録媒体14にコンテンツを転送するステップとを有し、ステップ(b)及びステップ(c)の少なくとも1つは、記録媒体14上に提供され、記録媒体14がネットワーク対応機器3に接続された後に起動され又は起動可能であるアプリケーションにより管理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバのデータベースに保存されているコンテンツの記録媒体へのダウンロード方法及びこのダウンロード方法に適した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットメディアのダウンロード、例えば、音楽データのダウンロード又はビデオデータのダウンロードが一般的に行われるようになった。しかしながら、現在のダウンロード手続は、まだ非常に複雑である。第1に、ユーザは、ユーザがダウンロードしようとする音楽データ又はビデオデータを提供するインターネットダウンロードプラットホームを見つけ出す必要がある。第2に、通常、ユーザは、ダウンロード手続を実行するために必要なソフトウェアプログラムを自らのダウンロード機器、例えば、パーソナルコンピュータ又はハンドヘルドコンピュータにダウンロードし、そのダウンロード機器にソフトウェアプログラムをインストールする必要がある。第3に、ユーザは、登録手続を行わなくてはならない。登録手続では、通常、インターネットを介して、登録機器にクレジットカード番号等の機密事項の詳細を送信する必要がある。第4に、ユーザは、以前にインストールしたソフトウェアプログラムを起動して、音楽データ又はビデオデータのダウンロードを開始する。最後に、ダウンロードされたコンテンツをCD(コンパクトディスク)又は携帯型MP3プレーヤ等のターゲット記録媒体に保存する必要があり、このために、通常、ディスク書込処理又はデータ転送処理が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、通信ネットワークを介して、特に、インターネットを介して、コンテンツをダウンロードするダウンロード方法であって、上述したダウンロード方法に比べて、よりトランスペアレント性が高く、不慣れなユーザにも扱いやすいダウンロード方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するために、本発明は、請求項1に基づくコンテンツ転送方法を提供する。更に、本発明は、請求項24に基づく記録媒体及び請求項31に基づくサーバを提供する。更に、本発明は、請求項34に基づくバックアップ方法を提供する。更に、本発明は、請求項35に基づくコンピュータプログラム製品を提供する。
【0005】
本発明に係るコンテンツ転送方法は、通信ネットワークを介してアクセス可能なサーバから記録媒体にコンテンツを転送するコンテンツ転送方法において、(a)記録媒体をネットワーク対応機器に接続するステップと、(b)通信ネットワークを介して、ネットワーク対応機器とサーバの間で接続を確立するステップと、(c)ネットワーク対応機器を介して、サーバから記録媒体にコンテンツを転送するステップとを有し、ステップ(b)及びステップ(c)の少なくとも1つは、記録媒体上に提供され、記録媒体がネットワーク対応機器に接続された後に起動され又は起動可能であるアプリケーションにより管理される。
【0006】
ネットワーク対応機器は、例えば、インターネット又はイントラネットを介して又は同時に複数の種類のネットワークを介して通信する機能を有する機器であってもよい。本発明は、包括的に、例えば、イントラネット、IEEE1394ネットワーク又はこの他のネットワークを含む如何なる種類のネットワークにも適用することができる。ネットワーク対応機器は、例えば、それぞれインターネットアクセス機能を有するパーソナルコンピュータ、携帯電話機又はハンドヘルド型機器であってもよい。
【0007】
記録媒体は、例えば、コンパクトディスク(compact disk:CD)、デジタル多用途ディスク(digital versatile disk:DVD)、ハイブリッドCD、ブルーレイディスク、ハードディスク、メモリスティック、メモリカード又は消去可能なプログラム可能読取専用メモリ(erasable programmable read-only memory:EPROM)等の「純粋な(pure)」メモリ装置であってもよい。ここでは、適切な如何なるCDフォーマット、ブルーレイディスクフォーマット、ハイブリッドCDフォーマット及びDVDフォーマットを用いてもよい。具体的には、CD−ROM又はDVD−ROMフォーマットを用いてもよい。「ライトワンス(write once)」(CD−R、DVD−R)フォーマット又は「書換可能(write many)」(CDRW、DVDRW)フォーマットを用いてもよい。更に、記録媒体は、ハンドヘルド型コンピュータ、MP2/3/4プレーヤ等の(例えば、光学媒体ベース、集積回路ベース、光磁気ベースの)携帯型メディアプレーヤ、携帯電話機又はこれに類する機器等、「純粋ではない(non-pure)」メモリ装置の一部であってもよい。本明細書においては、用語「MP2/3/4プレーヤ」は、特に、読出−書込メモリ領域(例えば、半導体メモリ又はハードディスク(HDD)メモリ)を有し、及びデータファイルを再生するための少なくとも1つのソフトウェア及び/又はハードウェアコーデック(コーダ−デコーダ)を有する携帯用のコンピューティング装置を意味する。このような機器は、一般に、MP3プレーヤと呼ばれている。データファイルは、オーディオ及び/又はビデオ、又は、他のメディアを表すことができ、例えば、MPEG1、MPEG2、MPEG4、MP3、ATRAC(商標)、WMA、WAV、JPEG、TIFF、AVI又はPCMファイル等のフォーマットを有することができる。
【0008】
ネットワーク対応機器とサーバの間の接続の確立及びサーバからコンテンツをダウンロードする処理を管理するアプリケーションは、好ましくは、ソフトウェアプログラムとして実現される。ソフトウェアプログラムは、記録媒体自体に保存される。記録媒体が「純粋な」メモリ装置である場合、アプリケーションは、記録媒体から読み出され、ネットワーク対応機器上で実行される。一方、記録媒体が「純粋ではない」メモリ装置(例えば、ハンドヘルド型コンピュータ又はMP2/3/4プレーヤ)の一部である場合、機器自体がアプリケーションを記録媒体から読み出し、実行してもよい(もちろん、この機器がアプリケーションを実行するために必要な演算機能を有している場合のみこれが可能である)。この場合、アプリケーションは、例えば、デジタルシグナルプロセッサ、すなわち「DSP」の形式(この場合、アプリケーションは、必ずしもメモリ装置から読み出す必要はなく、アプリケーションは、DSP内で実行してもよい。)、若しくは機器に着脱可能に取り付けられたEPROMユニット、又はこれに類する手法、すなわち、機器の「ハードウェア拡張」の形式で実現してもよい。
【0009】
アプリケーションは、好ましくは、記録媒体がネットワーク対応機器に接続されると、自動的に起動される。例えば、記録媒体が書込可能CDであり、ネットワーク対応機器がインターネットアクセス機能及びCDプレーヤ/CDレコーダを有するパーソナルコンピュータである場合、CDに保存されているアプリケーションは、CDがCDプレーヤ/CDレコーダに挿入された後に、CDから読み出され、PC上で自動的に実行される。
【0010】
「記録媒体をネットワーク対応機器に接続する」とは、包括的に、ネットワーク対応機器が記録媒体にデータを書き込み、記録媒体からデータ(例えば、アプリケーションデータ)を読み出せるようにすることを意味する。例えば、「記録媒体をネットワーク対応機器に接続する」とは、CDにデータを書き込み、CDからデータを読み出すことができるように、CDをCDレコーダ/CDプレーヤに挿入することを意味する。「ネットワーク対応」ハンドヘルド機器内のEPROM集積回路のように、記録媒体が既にネットワーク対応機器の一部である場合、「記録媒体をネットワーク対応機器に接続する」とは、記録媒体とネットワーク対応機器の演算機能の間の既に存在するデータ接続を物理的に有効にすることを意味する。
【0011】
アプリケーションは、好ましくは、記録媒体に保存されている、サーバから記録媒体に転送するコンテンツにアクセスするために必要なアクセス情報を読み出す。アクセス情報は、例えば、インターネットアドレス情報、認証情報(パスワード、シリアル番号(識別子))又はこれに類する情報であってもよい。アクセス情報は、サーバから記録媒体に転送するコンテンツの量及び/又は種類を特定するために用いることができる。
【0012】
ここで、「転送する」とは、包括的に、例えば、「通常の」ダウンロード処理又は「直接」のダウンロード(ストリーミング)処理を意味する。サーバから記録媒体へのコンテンツの転送処理が、直接ダウンロード処理(ストリーミング)として実現される場合、サーバからネットワーク対応機器に既に転送されたコンテンツアイテムの一部は、コンテンツアイテムの残りの部分全てがサーバからネットワーク対応機器に転送される前に、記録媒体に書き込まれる。通常のダウンロード処理の場合、データを記録媒体に転送する前に、完全にダウンロードされたデータが、一旦、ネットワーク対応機器(バッファ内)に全体的に保存される。直接ダウンロード処理は、ダウンロードされたデータが、ネットワーク対応機器のメモリに部分的にバッファリングされるのみであるため、海賊行為を防ぐことができるという利点がある。すなわち、この場合、ネットワーク対応機器に、データが全体としては保存されないため、PCのユーザは、ダウンロードされたデータの全体から無許可のコピーを作成することができない。
【0013】
ネットワーク対応機器がインターネット対応機器である場合、ブラウザ又はファイル転送プロトコル(file transfer protocol:FTP)ソフトウェア等のネットワークソフトウェアをネットワーク対応機器にインストールしてもよい。ブラウザを用いて、アクセス情報内に含まれているインターネットアドレス情報に基づいて、インターネット対応機器とサーバの間でインターネット接続を確立することできる。ネットワークソフトウェアは、アクセス情報に含まれている認証情報をサーバに送ることができる。サーバは、認証情報を受け取り、サーバ側で実行される認証手続を開始する。認証手続は、サーバに送信された認証情報が、サーバ内で保存され又は生成される所定の認証パターンに一致しない場合、少なくとも幾つかのダウンロード可能なコンテンツへのアクセスを拒否する。
【0014】
これに代えて、インターネット対応機器内で認証手続を実行してもよい。この場合、認証手続は、上記ネットワーク対応機器(3)にユーザが入力した認証情報が、上記アクセス情報内に含まれている認証情報に一致しない場合、少なくとも幾つかのダウンロード可能なコンテンツへのアクセスを拒否する。この場合、ユーザが小売業者から記録媒体を購入したときに、ユーザに認証情報を与えるようにしてもよい。
【0015】
一般に、アクセス情報、特に認証情報を用いることにより、ユーザが予め代価を支払って、インターネットを介してコンテンツをダウンロードできるようにすることができる。ユーザは、記録媒体自体のための代価及び、記録媒体を購入する際は、すぐにダウンロードするコンテンツのための代価を支払う。そして、記録媒体の小売業者は、特定の認証情報(記録媒体に保存されており、後にアプリケーションによってサーバに送信される)を用いて、ユーザがコンテンツをサーバからダウンロードしようとしていることを、ダウンロードするコンテンツを提供するサーバに通知でき、これに基づいてコンテンツのダウンロードを許可することができる。記録媒体がCDである場合、認証情報は、例えば、CD内に埋め込まれている個々のシリアル番号であってもよい。これから販売されるCDの全てのシリアル番号をサーバが既に「知っている」場合、特定のCDが販売されたことをサーバに通知するステップは不要である。CDが盗難された場合、このCD(シリアル番号)をサーバ側でディスエーブルにし、この記録媒体によるコンテンツのダウンロードを禁止することもできる。また、この目的は、購入が成立した時点のみにアクセス情報を記録媒体に保存することによっても達成できる。
【0016】
アクセス情報(認証情報、アドレス情報)は、ユーザの個々の要求に適応化することができ、記録媒体の購入時に、記録媒体に保存することができる。例えば、ユーザがモーツアルト作曲の8曲のクラシックの楽曲を含むCDの購入を希望した場合、記録媒体の小売業者は、ユーザがモーツアルトのクラシックの楽曲のみを含むダウンロードプラットホーム又はダウンロードプラットホームの一部に自動的に案内されるように、アクセス情報(認証情報、アドレス情報)を適応化することができる。更に、ユーザがモーツアルトによる8曲の楽曲のみをダウンロードできるように、アクセス情報(認証情報、アドレス情報)を適応化してもよい。このように、記録媒体を購入する時点で、記録媒体の購入時に作成される個々のアクセス情報(認証情報、アドレス情報)に、顧客の個々の要求を反映させることができる。また、CDの作成時に個々の認証情報を保存してもよい。この場合、小売業者は、ユーザの要求に基づいて、「正しい」CDを販売する。
【0017】
上述のように、認証情報は、データ(好ましくは、暗号化されたデータ)として記録媒体に保存してもよい。これに代えて又はこれに加えて、認証情報の少なくとも一部は、ユーザが入力してもよい。ユーザが入力する情報は、例えば、記録媒体又はそのパッケージに設けられたスクラッチ箔パネル(scratch-off panel)からの情報を含んでいてもよい。認証情報又はその一部は、例えば、近距離無線通信装置(例えば、フェリカ(Felica:商標))等の独立したデータ担体に保存してもよい。
【0018】
また、アクセス情報は、暗号化してもよく、すなわち、暗号化されたインターネットアドレス情報及び/又は暗号化された認証情報を含んでいてもよい。例えば、ネットワーク対応機器にインストールされるブラウザには、ユーザが解読することはできないが、ブラウザ自体が復号することができる、記録媒体に組み込まれている暗号化されたリンクを含むアプリケーションを提供してもよい。この場合、ユーザは、どのインターネットアドレスに案内されるかを知ることはできない。したがって、認証情報は、絶対に必要であるわけではない。
【0019】
サーバは、サーバから記録媒体にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際に、アプリケーション固有の状態情報を作成又は変更することができ、この状態情報により、サーバは、特定のアプリケーションにより、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツをサーバから記録媒体に転送することが許可されているかを判定することができる。
【0020】
好ましくは、状態情報は、サーバから記録媒体に転送することが許可されるコンテンツの量又は種類を特定する所定量のクレジット又はクレジットポイントを含む。データ担体を国境を越えて配布する場合、ポイントシステムは、為替の変動による影響を受けない名目上のポイントシステム(nominal points system)として実現してもよい。これに代えて、ポイントシステムは、実際の金銭的価値に対応するポイントシステムとして実現してもよい。例えば、クレジットポイントは、40.00ユーロを表していてもよい。コンテンツアイテムには、異なるレベルで価格を設定してもよい。例えば、オーディオデータファイルの場合、一回のセッションで10曲を超えるトラックをダウンロードすると、ボーナストラックを無料で提供するようにしてもよい。また、「アルバム」全体のダウンロードが個々のトラックのダウンロードの合計より安くなるように価格を設定してもよい。
【0021】
状態情報の変更は、送信されたコンテンツの量及び種類に基づいて、サーバに保存されているクレジットの量又はクレジットポイントを変更するステップを含んでいてもよい。
【0022】
アプリケーション固有の初期の状態情報は、サーバに予め保存してもよく、又は対応するアプリケーションがサーバに最初にアクセスした際に、アクセス情報に基づいて生成してもよい。例えば、アクセス情報がシリアル番号を含むが、如何なる「直接の」クレジットポイント情報も含んでいないとする。この場合、シリアル番号とクレジット割当の対応関係を示す、サーバに予め保存されたルックアップテーブルに基づいて、各シリアル番号を特定の量のクレジットポイントに割り当てることができる。特定のアプリケーションがサーバにアクセスすると、サーバは、シリアル番号とクレジット割当の対応関係を示す、サーバに予め保存されたルックアップテーブルに基づいて、受け取ったシリアル番号に所定の量のクレジットポイントを割り当てる。この割当は、アプリケーション固有の初期の状態情報とみなすことができる。この割当により、シリアル番号のグループを作成し、1つのグループ内の各シリアル番号に同じクレジットポイント値を割り当てることができる。ルックアップテーブルは、記録媒体の製造業者が作成し、サーバ及び記録媒体の小売業者の両方に供給してもよい。そして、小売業者は、ユーザが望むクレジットポイント値に対応するシリアル番号を含む記録媒体をユーザに販売する。
【0023】
これに代えて、サーバは、サーバから記録媒体にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際にアクセス情報を更新してもよく、このアクセス情報の更新により、アプリケーション及び/又はサーバは、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツをサーバから記録媒体に転送することが未だ許可されているかを判定することができる。アクセス情報の更新は、記録媒体に保存されているアクセス情報を変更することにより、すなわち記録媒体のコンテンツを変更することにより実行してもよい。
【0024】
アクセス情報の更新は、サーバから記録媒体にコンテンツを転送する都度、アプリケーションに通知するサーバによって開始してもよい。アクセス情報は、所定量のクレジット及び/又はクレジットポイントを含んでいてもよく、この所定量のクレジット又はクレジットポイントの数は、サーバから記録媒体に転送が許可されるコンテンツの量及び種類を特定する。
【0025】
アクセス情報の更新は、送信されたコンテンツの量及び種類に基づいて、サーバに保存されているクレジットの量又はクレジットポイントを変更するステップを含んでいてもよい。
【0026】
好ましい実施形態では、通信ネットワークの少なくとも一部は、インターネットである。なお、本発明は、如何なる種類のネットワーク又はネットワークの組合せにも適用できる。
【0027】
ダウンロードするコンテンツは、記録媒体に保存されているアクセス情報によって正確に特定できる。例えば、ユーザが1つの特定のコンテンツアイテムのみをダウンロードできるようにアクセス情報を適応化してもよい。これに代えて、ユーザは、ダウンロード可能なコンテンツの量又はダウンロード可能なコンテンツの種類に関してのみ制約を受けてもよい。この場合、ユーザは、ユーザがダウンロードする特定のコンテンツアイテムを選択するためのコンテンツ選択ユーザインタフェースを必要とする。
【0028】
コンテンツ選択ユーザインタフェースは、例えば、サーバ側又はネットワーク対応機器内で実行されるアプリケーションであってもよい。更に、コンテンツ選択ユーザインタフェースは、機器が、例えば、ディスプレイ等の適切なマンマシンインタフェースを有している場合、記録媒体を含む機器、例えば、MP2/3/4プレーヤ上で実行されるアプリケーションであってもよい。コンテンツ選択ユーザインタフェースを用いることにより、ユーザによって選択されたコンテンツをダウンロードすることができる。
【0029】
また、サーバは、特定のアプリケーションに関連して(すなわち、シリアル番号等の特定の認証情報に関連して)ダウンロードしたコンテンツの種類を記憶する機能を有していてもよい。特定のアプリケーションが再びサーバにアクセスする都度、サーバは、同じ種類のコンテンツをダウンロードするようにユーザに提案する。例えば、ユーザは、これまでモーツアルトの楽曲だけしかダウンロードしていない場合、サーバは、最も新しく提供可能になったモーツアルトの楽曲のダウンロードを提案してもよい。このために、サーバは、各特定のアプリケーションについてユーザプロファイルを作成してもよい。この結果、コンテンツのダウンロードをより頻繁に行う程、このユーザプロファイルがより詳細になる。
【0030】
更に、アプリケーション及びサーバは、ダウンロードが検討されているコンテンツを「プレビュー」できる機能を提供してもよい。例えば、ユーザは、ダウンロードを検討している楽曲の一部を聴くことができ、又はダウンロードを検討しているビデオクリップの一部を見ることができる。プレビューの種類及び量は、アクセス情報内に含まれているプレビュー情報によって決定してもよい。例えば、ユーザが記録媒体に対してより高い金額を支払うと、(より長い)プレビューを享受できるようにしてもよい。上述の場合と同様に、プレビュー情報は、シリアル番号内に「含ませる」ことができ、すなわち、各シリアル番号は、特定のクレジットポイント情報及び特定のプレビュー情報を含意できる。プレビューコンテンツは、ユーザプロファイル(又はユーザ推薦のプール)から決定してもよい。これにより、ユーザの選択に関連するコンテンツをプロモート又は宣伝できる。プレビューコンテンツの品質は、知覚できる程度に劣化させてもよい。ユーザが所定の料金を支払うことにより、プレビューコンテンツを再びダウンロードする必要なく、知覚できる劣化を取り除くことができるようにしてもよい。好ましいシステムの具体例は、欧州特許第1215907号、国際特許公開公報WO03/067886号、国際特許公開公報WO04/023471号及び欧州特許第1465157号に開示されている。
【0031】
ダウンロードされたコンテンツの各アイテムは、更なるコピーを防止するアルゴリズムによって保護してもよい。更なるコピーの数を限定するアルゴリズムを用いてもよい。コンテンツの各ピース又はデータ担体自体に(知覚できない識別データをコンテンツに埋め込むことにより)一意のフィンガプリントを付してもよい。これにより、データ担体にダウンロードされ、例えば、インターネットを介して入手可能にされた、不正に配布されたコンテンツのコピーの追跡及び/又は取締りを行うことができる。
【0032】
本発明に基づくコンテンツのダウンロード方法には、以下のような利点がある。記録媒体に保存されたアクセス情報が、ユーザが望むコンテンツをダウンロードするのに適当な特定のダウンロードプラットホームにユーザを自動的に誘導するため、特定のダウンロードプラットホームをユーザが選択する必要がない。更に、記録媒体が提供し又は記録媒体に保存され、記録媒体をネットワーク対応機器に接続することによって自動的に実行されるアプリケーションによって、所望のコンテンツがダウンロードされるため、ユーザは、自らのダウンロード機器にダウンロードのためのソフトウェアをインストールする必要がない。更に、記録媒体の購入時に料金の支払いが完了するため、登録を行う必要がなく、すなわち、インターネットを介して機密性が高い決済情報を送信する必要がない。ここでは、サーバに認証情報を送信するだけでよく、これは、コンテンツのダウンロードを望むユーザにとって安全である。
【0033】
更に、本発明は、使用可能なデータ記録容量を有するデータ記録領域を含む記録媒体であって、記録媒体がネットワーク対応機器に接続されると、ネットワーク対応機器と、通信ネットワークにより、ネットワーク対応機器に接続可能なサーバとの間でネットワーク接続を確立し、サーバからデータ記録領域にコンテンツを転送するアプリケーションを備える記録媒体を提供する。
【0034】
アプリケーションは、データ記録領域に予め保存され、データ記録領域から読み出すことができ、ネットワーク対応機器上で実行されるソフトウェアプログラムであってもよい。
【0035】
アプリケーションは、記録媒体がネットワーク対応機器に接続されると自動的に起動される。
【0036】
アプリケーションにより読出可能であり、サーバ内に保存されているダウンロード可能なコンテンツにアクセスするために必要なアクセス情報を、データ記録領域に予め保存してもよい。
【0037】
このアクセス情報は、転送処理の間、サーバから転送できるコンテンツの量及び/又は種類を特定してもよい。
【0038】
記録媒体は、書込可能CD、書込可能DVD、書込可能ブルーレイディスク、ハイブリッドCD、ハードディスク、メモリスティック、メモリカード、MP2/3/4プレーヤのメモリ部分等であってもよい。
【0039】
アプリケーションは、ネットワーク対応機器又は記録媒体上で実行されると、ユーザがアプリケーションを視覚的に制御することができるグラフィカルユーザインタフェースソフトウェアを含んでいてもよい。
【0040】
ネットワーク対応機器にユーザが入力した認証情報が、アクセス情報内に含まれている認証情報に一致しない場合、サーバから記録媒体に転送されるコンテンツの少なくとも一部へのアクセスを拒否する認証手続をネットワーク対応機器上で実行してもよい。
【0041】
アクセス情報は、暗号化インターネットアドレス情報及び/又は暗号化認証情報を含んでいてもよい。
【0042】
アプリケーションは、サーバから記録媒体に転送する特定のコンテンツアイテムをユーザが選択するためのコンテンツ選択ユーザインタフェースを起動してもよく、コンテンツアイテムの種類及び/又は量は、アクセス情報に含まれる認証情報及び/又はインターネットアドレス情報により特定してもよい。
【0043】
アプリケーションは、サーバから記録媒体にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際にアクセス情報を更新してもよく、このアクセス情報の更新により、アプリケーション及び/又はサーバは、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツをサーバから記録媒体に転送することが未だ許可されているかを判定する。
【0044】
アプリケーションは、記録媒体に保存されているアクセス情報を更新するように構成してもよい。
【0045】
また、アプリケーションは、アクセス情報を更新するようにアプリケーションに指示する通知をサーバから受け取ってもよい。
【0046】
アクセス情報は、所定量のクレジット及び/又はクレジットポイントを含んでいてもよく、この所定量のクレジット又はクレジットポイントの数は、サーバから記録媒体に転送が許可されるコンテンツの量及び種類を特定する。
【0047】
アプリケーションは、送信されたコンテンツの量及び種類に基づいて、サーバに保存されているクレジットの量又はクレジットポイントを変更することによりアクセス情報を更新してもよい。
【0048】
更に、本発明に係るサーバは、通信ネットワークを介してアクセス可能なサーバにおいて、ネットワーク対応機器が通信ネットワークを介してサーバからダウンロード可能なコンテンツを保存する保存手段と、サーバから記録媒体にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際に、サーバが、特定の機器により、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツをサーバから記録媒体に転送することが許可されているかを判定する機器固有の状態情報を作成及び/又は変更する状態情報作成/変更手段とを備える。
【0049】
このサーバは、既に転送された又は現在ネットワーク対応機器に転送されているコンテンツの量及び/又は種類をネットワーク対応機器に知らせる通知を送信する通知手段を更に備えていてもよい。
【0050】
状態情報及び/又は通知は、クレジット及び/又はクレジットポイント情報を含み、クレジットの量又はクレジットポイントの数は、サーバからネットワーク対応機器に既に転送された及び/又は現在転送されているコンテンツの量又は種類を特定してもよい。
【0051】
更に、本発明に係るサーバは、転送方法及び記録媒体に関連して先に説明した全ての特徴を有することができる。
【0052】
より包括的に言えば、本発明は、更に、演算機器から記録媒体にコンテンツを転送するバックアップを提供するバックアップ方法を提供する。バックアップ方法は、(a)記録媒体を演算装置に接続するステップと、(b)演算機器から記録媒体にコンテンツを転送するステップとを有し、ステップ(b)は、記録媒体上に提供され、記録媒体がネットワーク対応機器に接続された後に起動され又は起動可能であるアプリケーションにより管理される。
【0053】
このバックアップ方法の利点は、アプリケーションが完全なバックアップ処理を(自動的に又はインタラクティブに)管理するため、バックアップ処理のための付加的なソフトウェアが不要である点である。
【0054】
更に、本発明は、コンピュータ又はデジタルシグナルプロセッサ上で実行されて、上述したアプリケーションのタスクを実行するコンピュータプログラム手段を備えるコンピュータプログラム製品を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
本発明をより明瞭にするために、以下では、図面を参照して本発明を説明する。
【0056】
図1は、本発明に基づくコンテンツ転送方法を実現するシステム1の好ましい実施形態を示している。システム1は、サーバ2と、ネットワーク対応機器3と、ネットワーク対応機器3をサーバ2に接続する通信ネットワーク4(インターネット)とを備える。
【0057】
サーバ2は、ネットワーク接続部5と、コンテンツ選択部6と、認証部7と、データベース8とを備える。データベース8は、3つの異なるコンテンツ部分A、B、Cを含む。ネットワーク接続部5は、サーバ2をインターネット4及びコンテンツ選択部6に接続する。コンテンツ選択部6は、認証部7及びデータベース8の各コンテンツ部分A、B、Cに接続されている。
【0058】
ネットワーク対応機器3は、ネットワーク接続部9、ブラウザ部10、処理部11、インタフェース部12及び記録媒体14をネットワーク対応機器3に接続する接続部13を備える。ネットワーク接続部9は、ネットワーク対応機器3をインターネット4に接続し、及びそれ自体が処理部11に接続されているブラウザ部10に接続されている。処理部11は、インタフェース部12に接続されており、インタフェース部12は、接続部13を介して、ネットワーク対応機器3と記録媒体14の間で接続を確立する。
【0059】
以下では、本発明に基づくコンテンツ転送方法の好ましい実施形態について説明する。
【0060】
まず、ユーザは、販売店で記録媒体14を購入する。記録媒体14は、アプリケーションが保存されているアプリケーションセクション15を含む。更に、アプリケーションセクション15には、インターネットアドレス情報及び認証情報を含むアクセス情報が保存されている。記録媒体14は、更に、ダウンロードされるコンテンツを保存できる記録セクション16を有する。
【0061】
記録媒体14を購入した後に、ユーザは、記録媒体14をネットワーク対応機器3に挿入する。インタフェース部12は、アプリケーションセクション15内に保存されているアプリケーションを自動的に読み出し、このアプリケーションを処理部11に供給する。処理部11は、アプリケーションを起動する。アプリケーションは、記録媒体14のアプリケーションセクション15に保存されているアクセス情報を読み出し、ブラウザ部10を起動する。ブラウザ部10には、アクセス情報に含まれているインターネットアドレス情報が自動的に供給され、ブラウザ部10は、ネットワーク接続部9及びインターネット4を介して、サーバ2のネットワーク接続部5へのインターネット接続を確立する。ユーザは、ブラウザ部10を用いてコンテンツ選択部6と通信し、データベース8から記録媒体14にダウンロードする所望のコンテンツを選択する。例えば、コンテンツ選択部6は、コンテンツ選択アプリケーションを起動し、ユーザは、例えば、ブラウザ部のウィンドウ内に表示された、ダウンロードする所望のコンテンツを選択することができる。コンテンツ選択部6は、ブラウザ部10からコンテンツ選択部6に供給されたアクセス情報内に含まれている認証情報を認証部7に供給する。認証部7は、ユーザが望んでいるコンテンツの種類及び/又は量をユーザがダウンロードすることが許可されているか否かを確認する。例えば、認証情報がサーバ2内に保存されている所定の認証パターンに一致すれば、ユーザは、コンテンツ部分A内に保存されているコンテンツをダウンロードできる。認証情報がサーバ2に保存されている異なる認証パターンに一致する場合、ユーザは、コンテンツ部分B内に保存されているコンテンツをダウンロードできる。認証情報がサーバ2に保存されている更なる認証パターンに一致する場合、ユーザは、コンテンツ部分A及びBに保存されているコンテンツをダウンロードできる。処理部11内で実行されるアプリケーションは、コンテンツのダウンロード処理を制御するとともに、記録媒体14にダウンロードされたコンテンツの保存処理を制御する。
【0062】
上述した手法により、ユーザは、「前払いした」記録媒体14をネットワーク対応機器3に挿入し、所望のコンテンツを選択するだけで、そのコンテンツを入手できる。インターネット接続の確立、ダウンロード処理、及びダウンロードするコンテンツの選択処理は、アプリケーション自体によって完全に管理される。したがって、ユーザは、最小限の労力でサーバからコンテンツをダウンロードできる。
【0063】
図2は、より大きなコンテキストで本発明を示している。まず、第1のステップS1において、記録媒体を製造する。第2のステップS2において、記録媒体を小売業者の店舗20に配送する。ユーザは、小売業者の店舗20で、幾らのどのような種類のコンテンツをダウンロードするかを決定する。この決定に基づき、第3のステップS3において、対応する記録媒体にアクセス情報を保存する。このアクセス情報(又はその一部)は、第4のステップS4において、ダウンロードサーバ21に供給される。そして、第5のステップS5において、ユーザは、ユーザの自宅22において、記録媒体をネットワーク対応機器に接続し、これにより、第6のステップS6において、アクセス情報(又はその一部)がサーバ21に自動的に供給される。サーバ21は、ユーザが提供したアクセス情報と、小売業者から提供されたアクセス情報とを比較し、これによりユーザは、対応するコンテンツをダウンロードすることができる(ステップS7)。
【0064】
以下では、本発明の更なる側面を説明する。
【0065】
以下のような、複数の既知のダウンロードメカニズムがある。
【0066】
オンデマンドによるCD購入:
オンラインサービス又は小売サービスにより、ユーザは、販売店又はウェブインタフェースを介して、コンテンツが記録されたディスクを選択し、ユーザは、パッケージされたCDを小売店で直接入手し、又はユーザが製品を購入した後にCDがユーザに出荷される。
【0067】
n−CD:
n−CDは、各ディスクにシリアル番号(PID)を付すことによって、ディスクを個別化する技術である。PC上のソフトウェアアプリケーションがこのシリアル番号を読み出すことにより、前払いのモデルを含む様々なダウンロード処理/アプリケーションを実行できる。ディスクは、読取専用である。
【0068】
インターネット上のダウンロードプラットホーム:
ユーザがインターネットダウンロードプラットホーム(アイチューン(iTunes:商標)、コネクト(Connect:商標)、ナップスター(Napster:商標)、・・・)を決定すると、ユーザは、通常、クライアントをダウンロードし、インストールし、ユーザデータを登録し、機密性が高い決済情報を入力する必要がある。これにより、ユーザは、コンテンツをダウンロードし、PCのハードディスクに保存することができる。そして、コンテンツは、CD−Rに記録され、又は携帯型オーディオプレーヤに転送される。
【0069】
このダウンロードソリューションの短所は、以下の通りである。
(1)作業が非常に複雑である。
・まず、ユーザは、フォーマット、DRM、ジュークボックスクライアント及びサポートされるハードウェア等を考慮して、プラットホームを決める必要がある。
・次のステップとして、ユーザは、専用のジュークボックスソフトウェア(20〜60MB)をダウンロードし、このソフトウェアをインストールする必要がある。
・楽曲のダウンロードを開始するためには、ユーザは、更に登録手続を行う必要がある。
・ユーザは、クレジットカード番号等、機密性が高い決済情報を入力する必要がある。
(2)多くのダウンロードプラットホームは、何十万もの曲を提供しているが、ユーザを所望の曲に導く案内は限定されている。
(3)ダウンロードされたコンテンツは、ハードディスクにしか保存されない。
【0070】
一方、本発明の好ましい実施形態では、記録可能なディスクがCD/DVD/ブルーレイ/HDドライブに挿入されると、記録可能なディスクに保存された、小さい、個別化されたソフトウェアクライアントが自動的に起動され、ユーザは、容易に様々なコンテンツアイテムを選択し、ダウンロードし、その記録可能なディスクに(コピープロテクトありで又はなしで)安全に保存できる。そして、この同じディスクは、様々な民生用電子機器(例えば、CD又はDVDプレーヤ)で使用することができる。この手法により、ユーザに技術的な負担を与えることなく、ユーザに更なる選択肢を与えることができる。また、登録手続、オンライン決済及びソフトウェアのインストールは不要である。これに比べて、インターネットを介してコンテンツをダウンロードする周知の手法は、多くのユーザにとって複雑過ぎる。また、従来のCD/DVDは、コンテンツが予め固定されているので、十分な選択肢を提供しない。すなわち、通常のオーディオのディスクは、ユーザのためのデータの個々の編集に関して、十分な選択肢を提供していない。
【0071】
本発明では、複雑な検索及び決済処理を用いることなく、コンテンツをダウンロードすることができる。更に、周知の、広く普及している主要なデータ担体を利用することができる。
【0072】
上述のように、本発明の利点は、操作が簡単であり、標準的な決済を行うことができ、ハードディスクに永久的な記録を行わず、ユーザの選択肢が広がり、匿名性が高く、海賊行為を防止でき、個別のウォータマーキングが可能であり、及びデータ担体に任意にコピープロテクトをかけることができるという点である。
【0073】
本発明の好ましい実施形態では、小さい、個々のソフトウェアクライアントは、記録可能なディスク(CD−R、CD−RW、ハイブリッドCD、DVD−R、DVD−RW等)に保存される。ソフトウェアは、ディスクがPCのCDドライブに挿入されると、自動的に起動され、ユーザが選択し、ディスクに記録できる幾つかのコンテンツアイテムを示す簡単なユーザインタフェースをユーザに表示する。このユーザインタフェースを用いて、ユーザがコンテンツアイテムを選択した後に、ユーザは、将来の使用のためにこのディスクにコンテンツを書き込むことができる。(理想的には、広帯域の)インターネット接続が確立され、CDに埋め込まれている一意のCDコードが確認され、要求されたコンテンツアイテムが安全にダウンロードされ、同じディスクに書き込まれる。そして、PC又は他の民生用電子機器(例えば、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、プレイステーション等)にディスクを挿入し、コンテンツを再生することができる。ディスクは、ユーザが幾つのコンテンツアイテムをディスクに記録するかに応じて、複数の異なる価格で小売される。例えば、ディスクの価格が高い程、より多くのコンテンツをダウンロードし、ディスクに保存でき、又はより高品質のコンテンツをダウンロードできる。異なるコンテンツアイテムには、異なる価格付けを行ってもよい(例えば、ヒットチャート:10点、クラシック音楽:5点)。本発明は、特定のターゲットグループセグメントを取り扱う更なる選択肢及び可能性を実現する(例えば、月刊MTV、「あなたが選ぶ」モーツアルトベスト曲集)。
【0074】
本発明により、ユーザは、個々のコンテンツを含むディスクを非常に簡単にコンパイルすることができる。すなわち、好ましい実施形態では、ユーザは、以下のステップだけを行えばよい。
1.バリューディスク(ValueDisk)を小売で購入する。
2.ディスクをディスクドライブに挿入する。
3.コンテンツを選択する。
4.PC及び民生用電子(Consumer Electronic:CE)機器でディスクを使用する。
【0075】
また、既にダウンロードされたコンテンツ又はダウンロードするように選択されたコンテンツ(ユーザの嗜好)を分析することによって、ユーザがダウンロードするための新たなコンテンツを提案することもできる。このために、サーバは、ユーザが最初にコンテンツをダウンロードする際に、ユーザに対し、アドレス情報又は電子メールデータ等の個人データを特定するように促してもよい。本発明は、コンテンツを管理する(ウォータマーキング)より多くの可能性を提供し、好ましくは、1ディスクあたり1回のダウンロードだけを実行する。
【0076】
本発明の適用例を以下に示す。
【0077】
(a)ラジオ放送局が音楽CDを発行し、ユーザは、様々なヒットチャートタイトル、クラシックロックタイトル、コメディ又はトーク番組からアイテムを個別に選択してコンテンツを構築できる。
【0078】
(b)音楽レーベルがアーチストのベストアルバムを発行し、ユーザは、アーチストによってこれまでに制作された全てのアルバムに含まれる全ての曲から所望の曲を選択し、自らの個人的なCDを編集することができる。
【0079】
(c)映画のコレクションがDVDブックレットに示されているバリューDVDを小売で販売する。ユーザは、自宅で映画を選択し、購入したDVDに映画のコンテンツを記録する。
【0080】
(d)クライアントは、バックアッププログラムであり、ユーザデータをDVDに直接書き込む。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に基づくコンテンツ転送方法の実現に適したシステムの好ましい実施形態のブロック図である。
【図2】より大きなコンテキストで本発明を説明する図である。
【符号の説明】
【0082】
1 システム、2 サーバ、3 ネットワーク対応機器、4 通信ネットワーク、5 ネットワーク接続部、6 コンテンツ選択部、7 認証部、8 データベース、9 ネットワーク接続部、10 ブラウザ部、11 処理部、12 インタフェース部、13 接続部、14 記録媒体、15 アプリケーションセクション、16 記録セクション、A、B、C コンテンツ部分、20 小売店、21 サーバ、22 ユーザの自宅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク(4)を介してアクセス可能なサーバ(2)から記録媒体(14)にコンテンツを転送するコンテンツ転送方法において、
(a)上記記録媒体(14)をネットワーク対応機器(3)に接続するステップと、
(b)上記通信ネットワーク(4)を介して、上記ネットワーク対応機器(3)と上記サーバ(2)の間で接続を確立するステップと、
(c)上記ネットワーク対応機器(3)を介して、上記サーバ(2)から上記記録媒体(14)にコンテンツを転送するステップとを有し、
上記ステップ(b)及びステップ(c)の少なくとも1つは、上記記録媒体(14)上に提供され、該記録媒体(14)が上記ネットワーク対応機器(3)に接続された後に起動され又は起動可能であるアプリケーションにより管理されることを特徴とするコンテンツ転送方法。
【請求項2】
上記アプリケーションは、上記記録媒体(14)が上記ネットワーク対応機器(3)に接続されると、自動的に起動されることを特徴とする請求項1記載のコンテンツ転送方法。
【請求項3】
上記アプリケーションは、上記サーバ(2)に保存されているダウンロード可能なコンテンツにアクセスするために必要な、上記記録媒体(14)に保存されているアクセス情報を読み出すことを特徴とする請求項1又は2記載のコンテンツ転送方法。
【請求項4】
上記アクセス情報は、上記転送処理の間、上記サーバ(2)から上記記録媒体(14)に転送するコンテンツの量及び/又は種類を特定することを特徴とする請求項3記載のコンテンツ転送方法。
【請求項5】
上記ネットワーク対応機器(3)と上記サーバ(2)の間の接続を確立するために、上記ネットワーク対応機器内又は上記アプリケーション内に含まれているネットワークソフトウェア(10)を起動し、該ネットワークソフトウェア(10)は、上記アクセス情報内に含まれている通信ネットワークアドレス情報に基づいて、上記ネットワーク対応機器(3)を上記サーバ(2)に接続することを特徴とする請求項3又は4記載のコンテンツ転送方法。
【請求項6】
上記ネットワークソフトウェア(10)は、上記アクセス情報内に含まれている認証情報を上記サーバ(2)に送信することを特徴とする請求項5記載のコンテンツ転送方法。
【請求項7】
上記サーバ(2)に送信した上記認証情報が、該サーバ(2)内で保存され又は生成される所定の認証パターンに一致しない場合、該サーバ(2)から上記記録媒体(14)に転送される上記コンテンツの少なくとも一部(A、B、C)へのアクセスを拒否する認証手続を上記サーバ(2)上で実行することを特徴とする請求項6記載のコンテンツ転送方法。
【請求項8】
上記ネットワーク対応機器(3)にユーザが入力した認証情報が、上記アクセス情報内に含まれている認証情報に一致しない場合、上記サーバから上記記録媒体(14)に転送される上記コンテンツの少なくとも一部(A、B、C)へのアクセスを拒否する認証手続をネットワーク対応機器(3)上で実行することを特徴とする請求項3乃至7いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項9】
上記アクセス情報は、暗号化インターネットアドレス情報及び/又は暗号化認証情報を含むことを特徴とする請求項3乃至8いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項10】
上記サーバ(2)及び/又はアプリケーションは、上記サーバ(2)から上記記録媒体(14)に転送する特定のコンテンツアイテムをユーザが選択するためのコンテンツ選択ユーザインタフェースを起動し、上記コンテンツアイテムの種類及び/又は量は、上記認証情報及び/又はインターネットアドレス情報により特定されることを特徴とする請求項3乃至9いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項11】
上記アプリケーションは、上記記録媒体(14)から読み出され、上記ネットワーク対応機器(3)上で実行されるソフトウェアプログラムであることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項12】
上記記録媒体(14)は、書込可能CD、書込可能DVD、書込可能ブルーレイディスク、ハイブリッドCD、ハードディスク、メモリスティック、メモリカード、MP2/3/4プレーヤのメモリ部分を含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項13】
上記サーバ(2)は、該サーバ(2)から上記記録媒体(14)にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際に、アプリケーションの特定の状態情報を作成及び/又は変更し、該状態情報により、該サーバ(2)は、特定のアプリケーションにより、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツを該サーバ(2)から記録媒体(14)に転送することが許可されているかを判定することを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項14】
上記状態情報は、上記サーバ(2)から記録媒体(14)に転送することが許可されるコンテンツの量又は種類を特定する所定量のクレジット又はクレジットポイントを含むことを特徴とする請求項13記載のコンテンツ転送方法。
【請求項15】
上記状態情報の変更は、転送したコンテンツの量及び種類に基づいて、上記サーバ(2)に保存されているクレジットの量又はクレジットポイントを変更するステップを含むことを特徴とする請求項14記載のコンテンツ転送方法。
【請求項16】
アプリケーション固有の初期の状態情報を、上記サーバ(2)に予め保存し、又は対応するアプリケーションが該サーバに最初にアクセスした際に上記アクセス情報に基づいて生成することを特徴とする請求項13乃至15いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項17】
上記アプリケーションは、上記サーバ(2)から上記記録媒体(14)にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際に、上記アクセス情報を更新し、該アクセス情報の更新により、上記アプリケーション及び/又は上記サーバ(2)は、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツをサーバ(2)から記録媒体(14)に転送することが未だ許可されているかを判定することを特徴とする請求項1乃至16いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項18】
上記アクセス情報の更新は、上記記録媒体(14)に保存されているアクセス情報を変更することにより実行されることを特徴とする請求項17記載のコンテンツ転送方法。
【請求項19】
上記アクセス情報の更新は、上記サーバから上記記録媒体にコンテンツを転送する都度、上記アプリケーションに通知する上記サーバによって開始されることを特徴とする請求項17又は18記載のコンテンツ転送方法。
【請求項20】
上記アクセス情報は、所定量のクレジット及び/又はクレジットポイントを含み、該所定量のクレジット又はクレジットポイントの数は、上記サーバ(2)から上記記録媒体(14)に転送が許可されるコンテンツの量及び種類を特定することを特徴とする請求項17乃至19いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項21】
上記アクセス情報の更新は、転送されたコンテンツの量及び種類に基づいて、上記サーバ(2)に保存されているクレジットの量又はクレジットポイントを変更するステップを含むことを特徴とする請求項20記載のコンテンツ転送方法。
【請求項22】
上記サーバ(2)から上記記録媒体(14)への上記コンテンツの転送処理は、該サーバから上記ネットワーク対応機器に既に転送されたコンテンツアイテムの一部が、コンテンツアイテムの残りの部分全てがサーバからネットワーク対応機器に転送される前に、記録媒体に書き込まれる直接ダウンロード処理として実現されることを特徴とする請求項1乃至21いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項23】
上記通信ネットワークの少なくとも一部は、インターネットであることを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載のコンテンツ転送方法。
【請求項24】
使用可能なデータ記録容量を有するデータ記録領域を含む記録媒体(14)であって、当該記録媒体(14)がネットワーク対応機器(3)に接続されると、該ネットワーク対応機器(3)と、通信ネットワーク(4)により、上記ネットワーク対応機器(3)に接続可能なサーバ(2)との間でネットワーク接続を確立し、該サーバ(2)から該データ記録領域にコンテンツを転送するアプリケーションを備える記録媒体(14)。
【請求項25】
上記アプリケーションは、上記データ記録領域に予め保存され、該データ記録領域から読み出すことができ、上記ネットワーク対応機器(3)上で実行されるソフトウェアプログラムであることを特徴とする請求項24記載の記録媒体(14)。
【請求項26】
上記アプリケーションは、当該記録媒体(14)が上記ネットワーク対応機器(3)に接続されると自動的に起動されることを特徴とする請求項24又は25記載の記録媒体(14)。
【請求項27】
上記アプリケーションにより読出可能であり、上記サーバ(2)内に保存されているダウンロード可能なコンテンツにアクセスするために必要なアクセス情報を、上記データ記録領域に予め保存することを特徴とする請求項24乃至26いずれか1項記載の記録媒体(14)。
【請求項28】
上記アクセス情報は、上記転送処理の間、上記サーバ(2)から転送できるコンテンツの量及び/又は種類を特定することを特徴とする請求項27記載の記録媒体(14)。
【請求項29】
書込可能CD、書込可能DVD、書込可能ブルーレイディスク、ハイブリッドCD、ハードディスク、メモリスティック、メモリカード、MP2/3/4プレーヤのメモリ部分を含むことを特徴とする請求項24乃至28いずれか1項記載の記録媒体(14)。
【請求項30】
上記アプリケーションは、上記ネットワーク対応機器又は当該記録媒体上で実行されると、ユーザが該アプリケーションを視覚的に制御することができるグラフィカルユーザインタフェースソフトウェアを含むことを特徴とする請求項24乃至29いずれか1項記載の記録媒体(14)。
【請求項31】
通信ネットワークを介してアクセス可能なサーバにおいて、
ネットワーク対応機器が上記通信ネットワークを介して当該サーバからダウンロード可能なコンテンツを保存する保存手段と、
当該サーバ(2)から上記記録媒体(14)にコンテンツを転送する都度、又はコンテンツが転送された際に、特定の機器により、どれくらいの量のコンテンツ又はどの種類のコンテンツをサーバ(2)から記録媒体(14)に転送することが許可されているかを判定する機器固有の状態情報を作成及び/又は変更する状態情報作成/変更手段とを備えるサーバ。
【請求項32】
既に転送された又は現在上記ネットワーク対応機器に転送されているコンテンツの量及び/又は種類を上記ネットワーク対応機器に知らせる通知を送信する通知手段を更に備える請求項31記載のサーバ。
【請求項33】
上記状態情報及び/又は上記通知は、クレジット及び/又はクレジットポイント情報を含み、該クレジットの量又はクレジットポイントの数は、当該サーバから上記ネットワーク対応機器に既に転送された及び/又は現在転送されているコンテンツの量又は種類を特定することを特徴とする請求項31又は32記載のサーバ。
【請求項34】
演算機器から記録媒体にコンテンツを転送するバックアップを提供するバックアップ方法において、
(a)上記記録媒体を上記演算装置に接続するステップと、
(b)上記演算機器から上記記録媒体にコンテンツを転送するステップとを有し、
上記ステップ(b)は、上記記録媒体上に提供され、該記録媒体が上記ネットワーク対応機器に接続された後に起動され又は起動可能であるアプリケーションにより管理されるバックアップ方法。
【請求項35】
コンピュータ又はデジタルシグナルプロセッサ上で実行されて、請求項1乃至34いずれか1項記載の上記アプリケーションのタスクを実行するコンピュータプログラム手段を備えるコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−331410(P2006−331410A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−119721(P2006−119721)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(595044111)ソニー デーアーデーツェー オーストリア アクチェンゲゼルシャフト (21)
【氏名又は名称原語表記】Sony DADC Austria AG
【Fターム(参考)】