Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
シェル官能化イオン交換樹脂
説明

シェル官能化イオン交換樹脂

【課題】コア/シェル型イオン交換樹脂のコアを選択的に架橋させ、これによりその後のスルホン化等の変換がシェルに限定的となるシェル官能化イオン交換樹脂を製造する方法を提供する。
【解決手段】高度に架橋されたコアを有するコア/シェルコポリマーから、改良されたシェル官能化イオン交換樹脂を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高度に架橋されたコアを有するコア/シェルコポリマーから、改良されたシェル官能化イオン交換樹脂を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シェル官能性イオン交換樹脂の製造において、完了の手前で反応を停止させるために反応はクエンチされなければならない。適切な程度の変換で反応(スルホン化、クロロメチル化、アミノ化)を停止させるのは多くの場合困難である。さらに、反応境界は滑らかであることができず、または明確すぎてビーズのクラック形成およびフラグメント化をもたらす場合がある。
【0003】
当該技術分野においてイオン交換樹脂を製造するために、コア/シェルビーズが官能化されることが知られている。米国特許第5278193号はこのようなコア/シェル官能化ビーズの1種を開示している。しかし、米国特許第5278193号においては、コアの架橋レベルはコア/シェルビーズ中で8%のジビニルベンゼン(DVB)である。このレベルのDVBまたは架橋剤はクロロメチル化反応を当然に停止させないであろうし、かつ望ましくない反応物質または溶媒でのコアの有意な膨潤を妨げないであろう。コアの残留クロロメチル基は使用中は安定でなく、ヒドロキシのようなより安定な基に変換するであろう。それはその特定の樹脂の有用性に影響しうるのでこのことは望ましくない。より高い架橋レベルはクロロメチル化を停止させるであろうし、かつ反応物質または溶媒をかなり少ししか吸収しないであろう。この高度に架橋されたコアは使用中は本質的に不活性であろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5278193号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明においては、高度に架橋したコア(本明細書においては、「高架橋または高度に架橋した」の用語はクロロメチル化については10%以上の多エチレン性不飽和モノマーおよびスルホン化については16%以上の多エチレン性不飽和モノマーを意味する)と高度より低く架橋したシェルとを有するコポリマーが当然にコア/シェル界面で反応を停止させるであろうことが見いだされた。さらに、樹脂強度を増大させるために、この界面で架橋のわずかな勾配が存在しうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の方法は、官能化のために低い程度に架橋されたシェルと、「通常の」反応条件下で官能化しない、高度に架橋されたコアとを有するスチレン/ジビニルベンゼンコポリマービーズを有利に生じさせる。この方法は、特定の改良された(シェル官能化)イオン交換樹脂を本来的に生じさせる。これら特定のイオン交換樹脂は、粒子の拡散制御用途、例えば、クロマトグラフィー、触媒、超純水(すすぎ落し)などにおける改良された性能を有する。
【0007】
本発明においては、
(a)架橋されたもしくは架橋されていないポリマーの粒子の、連続水性相中での懸濁物を形成し、次いで、
(b)前記ポリマー粒子を第1のモノマー混合物で膨潤させ、前記第1のモノマー混合物は20〜90重量部のモノエチレン性不飽和モノマーと、10〜80重量部の多エチレン性不飽和モノマーと、前記第1のモノマー混合物および第2のモノマー混合物の重合を触媒するのに充分な量の実質的に水不溶性のフリーラジカル開始剤とを含んでおり、次いで、
(c)前記ポリマー粒子内で、前記第1のモノマー混合物を、前記モノマーの40から95重量パーセント以上がポリマーに変換されるまで重合させて、次いで、
(d)前記懸濁物への第2のモノマー混合物の添加を続けて、前記第2のモノマー混合物はモノエチレン性不飽和モノマーを含むが本質的にフリーラジカル開始剤を含まず、前記第2のモノマー混合物の前記添加は、前記モノマー混合物が前記ポリマー粒子によって吸収され、かつ前記ポリマー粒子内での前記第2のモノマー混合物の重合が、前記第1のモノマー混合物中に含まれるフリーラジカル開始剤によって触媒されるように、前記第2モノマー混合物中のモノマーのフリーラジカル重合を開始させるのに充分な温度をはじめとする条件下で行われ、並びに前記第2モノマー混合物の前記モノマーは重合される場合に、生成物コポリマービーズの40〜90重量パーセントを構成している;
ことを含む、改良されたシェル官能化イオン交換樹脂の製造方法が提供される。他に特定されない限りは、本明細書における全てのパーセンテージは組成物の全重量を基準にした重量パーセンテージである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明においては、コア/シェルコポリマービーズは官能化されて、強酸、弱酸、強塩基、弱塩基またはキレート型イオン交換樹脂を形成する。本発明の目的のために、用語「イオン交換樹脂」はキレート樹脂、並びに強および弱塩基アニオン交換樹脂、並びに強および弱酸カチオン交換樹脂を含む。典型的なアニオン性、カチオン性またはキレート化基は以下に説明される。この樹脂は、ゲル型樹脂の他の望まれる特性、すなわち、高い容量および良好なイオン選択性を保持する。
【0009】
用語「コア/シェル形態」または「コア/シェル」は、本明細書において使用される場合、本発明のコポリマービーズのポリマー構造が、このビーズの内側から外側に向かって変化することを意味する。ポリマー構造のこの変化は、ビーズの内側から外側に向かって幾分漸次的であってよく、その任意の半径に沿ってポリマー構造の勾配を有するビーズを生じさせることができる。好ましくは、ポリマー構造におけるこの変化は中央から外側にビーズの半径に沿って移動する場合に比較的突然であってよく、あるポリマー構造を有する比較的明確に区別できるコアと、別のポリマー構造を有する比較的明確に区別できるシェルとを有するビーズを生じさせることができる。よって、本明細書において使用される場合、用語「コア」および「シェル」は、それぞれビーズの内側および外側のポリマー構造をいい、そしてこれら用語の使用は、本発明のビーズが、このビーズの内側および外側のポリマーの間で区別できる界面を示すであろうことを意味するものとして解釈されるべきではない。
【0010】
「コアポリマー」および「シェルポリマー」の記述において、通常は、常にそうではないが、このコポリマービーズのコアおよびシェルに存在するこれらポリマーの有意な量の相互侵入があると理解される。よって、「コアポリマー」はビーズのシェル中に幾分か広がっているであろうし、逆もまた同様であろう。用語「コアポリマー」および「シェルポリマー」並びに同様の用語は、何らかの特定のポリマーを「シェル」または「コア」ポリマーと特定することを試みることなく、一般的にビーズの名付けられた部分におけるポリマー材料を説明するために本明細書において使用される。
【0011】
本発明のコポリマービーズの上述のコア/シェル形態は、ポリマー材料の構造を決定するための様々な既知の技術を用いて検出可能である。一般的には、本発明のコポリマービーズのコア/シェル形態を決定するために、特に、以下の分析技術の1以上が適切に使用されうる:核磁気共鳴NMR(P.J.O’Connor、S.S.Cutie、P.B.Smith、S.J.Martin、R.L.Sammler、W.I.Harris、M.J.Marks、およびL.Wilson「架橋ポリマーシステムにおける膨潤のH NMR特徴付け(H NMR Characterization of Swelling in Cross−Linked Polymer Systems)」Macromolecules第29巻、第24号、7872〜7884ページ、1996;オギノケンジおよびサトウヒサヤ「スチレン−ジビニルベンゼンゲルビーズと低分子との間の相互作用のNMR分析(NMR Analysis of Interaction Between Styrene−Divinylbenzene Gel Beads and Small Molecules)」Journal of Polymer Science第33巻、189〜195、1995)または時間に対する膨潤特性の分析(欧州特許出願公開第0098130号)。さらに、本発明のビーズは多くの場合、偏光の下でのビーズの検査により検出可能な対称ストレイン(symmetrical strain)パターンを示す。ある場合には、本発明のコポリマービーズのコア/シェル形態は、単に、コアがシェルとは異なる色の領域としてまたはシェルより暗いもしくはより明るい領域として認められるように、拡大なしでもしくは低倍率の拡大でのビーズの目視検査から識別可能である。
【0012】
本発明のコポリマービーズは任意の適切なサイズで製造されることができるが、有利なことには50〜7000ミクロン、好ましくは200〜2000ミクロンの範囲の平均粒子直径を有する。このビーズはいわゆる「ゲル」または「マイクロ多孔質」型のものである。重合中には、重合調節剤、例えば、連鎖移動剤またはフリーラジカル禁止剤が有利なことに使用されうる。例として、安定化されたモノマー中に含まれるこの禁止剤、例えば、tertブチルカテコールは、重合および粒子の二次発生を妨げるために、モノマーフィード中に有利に使用される。本明細書において使用される全ての範囲の境界は包括的でありかつ組み合わせ可能である。
【0013】
本発明のコポリマービーズは、架橋されたフリーラジカル含有マトリックス(以下「フリーラジカルマトリックス」)を形成し、そして少なくとも1種のモノマーを含むモノマーフィードと、このフリーラジカルマトリックスとを、フリーラジカルがこのモノマーの重合を触媒してコア/シェル形態を有するコポリマービーズを形成するような条件下で接触させることにより有利に製造される。この重合は懸濁重合として実施され、この懸濁重合においては、ポリマーマトリックスと重合されるべきモノマーとが適切な懸濁媒体中で懸濁され、この懸濁媒体は一般的には懸濁安定化剤を含む水溶液である。フリーラジカルマトリックスは、本明細書において以下に説明されるような、インサイチュー(in situ)型、一段階型、または二段階型であり得る。
【0014】
フリーラジカルマトリックスの製造は、当業者に知られた任意の簡単な手順によって達成されうる。例えば、フリーラジカルマトリックスは、連続水性相中での架橋されたまたは架橋されていないポリマーの粒子の懸濁物を形成することにより形成される。
【0015】
「インサイチュー」型フリーラジカルマトリックスは、架橋マトリックスを形成するための、モノエチレン性不飽和モノマーおよび多エチレン性不飽和モノマーの懸濁重合によって有利に製造される。使用される多エチレン性不飽和モノマーの量は、モノマーフィード中でシード粒子を不溶性にするのに充分にシード粒子が架橋されるが、シードがモノマーフィードのモノマーを吸収することができなくする量より少ないように選択される。一般的には、シード粒子は、10〜80、好ましくは12〜80、好ましくは14〜80、好ましくは16〜80、さらに好ましくは18〜80重量パーセントの架橋性モノマーを用いて製造される。本明細書において使用される場合、「架橋性モノマー」は1種以上の多エチレン性不飽和モノマーを意味する。本明細書において使用される場合、全ての範囲の境界は包括的でありかつ組み合わせ可能である。
【0016】
複数の架橋ポリマー粒子が製造されるような条件下でフリーラジカル開始剤を用いて重合が行われる。モノマーのポリマーへの変換が少なくとも20、好ましくは少なくとも50、好ましくは少なくとも70、さらに好ましくは約50〜95パーセント以上になるまで重合が続けられる。このプロセスによって、架橋されたポリマー粒子が製造され、このポリマー粒子は未反応モノマーを含むことができかつ複数のフリーラジカルを含む。本明細書において使用される場合、全ての範囲の境界は包括的でありかつ組み合わせ可能である。
【0017】
「一段階」型フリーラジカルマトリックスは、複数のシード粒子を連続相中で懸濁し、シード粒子をフリーラジカル開始剤で膨潤させることにより有利に製造される。
【0018】
「一段階」型フリーラジカルマトリックスの製造においては、連続相中にポリマーシード粒子を懸濁することを含むことにより懸濁物が形成される。シード粒子は、有利には、架橋された付加ポリマーを含むが、フェノール/ホルムアルデヒドポリマーのような架橋された縮合ポリマーであってよい。このプロセスのより後の段階において使用される種類および量のモノマー中でこのシード粒子を不溶性にするが、そのシード粒子がフリーラジカル開始剤およびモノマーを吸収できなくする量より少ない量で、シード粒子は架橋される。一般的に、シード粒子は10〜20、好ましくは12〜20、より好ましくは14〜20、またはさらにより好ましくは16〜20重量パーセントの架橋性モノマーを用いて製造される。架橋されたシード粒子を含む懸濁物にフリーラジカル開始剤が添加され、このフリーラジカル開始剤は連続相に本質的に不溶性であってかつシード粒子によって吸収される。フリーラジカルマトリックスがこの方法で形成される場合には、本発明においてこの用語が使用される通りに、このフリーラジカル開始剤を吸収したシード粒子はフリーラジカルマトリックスを含む。
【0019】
さらに、「二段階」型フリーラジカルマトリックスが使用されることができ、これは適切な懸濁媒体中に複数のポリマーシード粒子を懸濁し、フリーラジカル含有当初モノマーチャージをこの粒子に吸収させ、そして当初モノマーチャージにおけるモノマーを、ポリマーへのその変換が少なくとも20〜95パーセント、好ましくは少なくとも40パーセント、好ましくは少なくとも60パーセント、好ましくは少なくとも70パーセントになるまで重合することにより有利に製造される。その結果、この二段階フリーラジカルマトリックスは、2つのポリマーネットワークを含むであろう。このプロセスにおいては、シードは有利には付加ポリマーであるが、フェノール/ホルムアルデヒドポリマーのような縮合ポリマーであっても良い。シードポリマーは架橋されていても、架橋されていなくても良いが、ただし、シード粒子は当初モノマーチャージに使用される種類および量のモノマーに不溶性である。
【0020】
「二段階」型フリーラジカルマトリックスの製造に使用される当初モノマーチャージは、重合されると架橋されたポリマーを形成するモノエチレン性不飽和モノマーおよび多エチレン性不飽和モノマーの双方を含む。ここで使用される架橋性モノマーの量は、概して、スルホン化、ハロメチル化またはアミノ化のような官能化へのビーズの反応を妨げるのに充分である。一般的に、当初モノマーチャージは、ハロメチル化を妨げるためには少なくとも10、好ましくは少なくとも12、好ましくは少なくとも14重量パーセントの架橋性モノマーを含むであろうし、スルホン化を妨げるためには少なくとも16、好ましくは少なくとも18、好ましくは少なくとも20重量パーセントの架橋性モノマーを含むであろう。さらに、当初モノマーチャージは、有利には、0.005〜2重量パーセントのフリーラジカル開始剤を含むであろう。
【0021】
サイズ外の粒子、すなわち「微粒子」の形成量を低減させるために、シード粒子と当初モノマーチャージとの相対的比率は、当初モノマーチャージの少なくとも75重量パーセント、好ましくは本質的に全てがシード粒子に吸収されるように選択される。この比率は、もちろん、シード粒子のサイズおよびシード粒子中の架橋の程度に応じて変動するであろう。例えば、相対的に小さなサイズのシード粒子は一般的に、同様の架橋密度のより大きな粒子よりも比例して少ないモノマーを吸収するであろう。同様に、シード粒子における高い架橋密度は、モノマーを吸収するその粒子の能力を制限する。概して、シード粒子は、一般的に、その重量の0.3〜19、好ましくは0.5〜5倍の当初モノマーチャージを吸収するであろう。フリーラジカルマトリックスは有利には、生成物コポリマービーズの重量の5〜90、好ましくは10〜70、さらに好ましくは25〜50重量パーセントを構成する。
【0022】
製造されたフリーラジカルマトリックスは適切な懸濁媒体中に懸濁される。一段階または二段階フリーラジカルマトリックスが使用される場合には、マトリックスの製造、並びにその後のモノマーフィードの添加および重合は有利にかつ好ましくは単一反応容器中で行われる。一般に、懸濁媒体は液体であり、その液体中ではフリーラジカルマトリックス、およびそれと接触させられるモノマーの双方が不溶性である。懸濁媒体は典型的には0.1〜1.5重量パーセントの懸濁安定化剤を含む水溶液であるが、水溶性モノマーの重合のためには、懸濁媒体は有機化合物であり得る。適する懸濁安定化剤には、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリラートナトリウム、カルボキシメチルメチルセルロース、並びに界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホン化ポリスチレンなどが挙げられる。さらに、懸濁物は重合禁止剤、分散剤およびエチレン性不飽和モノマーの懸濁重合に有利に使用されることが知られている他の物質を適切に含むことができる。
【0023】
次いで、懸濁物は、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを含むモノマーフィードと、フリーラジカルマトリックスに含まれるフリーラジカルがモノマーフィードの重合を触媒するような条件下で接触させられる。この方法で製造されるコポリマービーズは、通常、コア/シェル形態を示す。一般的に、フリーラジカルマトリックスは主としてこの方法により製造されるポリマービーズのコア中に存在するであろうし、一方で、このモノマーフィードから形成されるポリマーは概してコポリマービーズのシェル中に存在するであろう。しかし、フリーラジカルマトリックスのポリマーとモノマーフィードから生じるポリマーとの間で相互侵入が起こると考えられる。よって、コアとシェルとの間の界面ははっきりしているよりもむしろ漸次的でありうる。
【0024】
有利なことに、懸濁物は、エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル重合を開始するのに充分な温度に加熱される。次いで、この加熱された懸濁物にモノマーフィードが、ポリマーマトリックスに含まれるフリーラジカルによってこのモノマーの本質的に全ての重合が開始されるような条件下で添加される。好ましくは、モノマーフィードの添加中の任意の時点で存在するポリマーとモノマーの合計重量に対するポリマーの重量の割合(瞬間的な変換率)は少なくとも20、さらに好ましくは少なくとも50パーセントである。
【0025】
ポリマーマトリックスに含まれるフリーラジカルによって、モノマーフィード中のモノマーの重合が本質的に完全に触媒されるのを確実にするために、モノマーフィードは有利には本質的には開始剤を含まない。さらに、連続相も本質的に開始剤を含まない。連続相におけるフリーラジカルの形成を抑制するために、連続相に可溶性である1種以上のフリーラジカル禁止剤が有利には使用される。
【0026】
全てのモノマーフィードが反応混合物に添加された後で、この反応混合物は重合反応が本質的に完了するまで重合温度に維持される。有利なことに、重合温度は、典型的には、重合反応の最終段階中にこの反応を「終える」ように、20℃〜30℃の量で上げられる。得られるポリマービーズは、ろ過のような従来の手段によって回収され、そして有利には脱水され、乾燥させられる。
【0027】
フリーラジカルマトリックスの製造において使用されるモノマー(すなわち、シード粒子の形成におよび当初モノマーチャージ(もしあれば)に使用されるもの)、並びにモノマーフィードは有利なことには、懸濁重合可能なエチレン性不飽和モノマーである。この懸濁重合可能なモノマーは当該技術分野において周知であり、例示の目的のために1956年にインターサイエンスパブリッシャーズインコーポレーティド、ニューヨークによって出版されたポリマープロセス(Polymer Processes)Calvin E.Schildknechtによる編集のチャプターIII「懸濁物中での重合(Polymerization in Suspension)」E.TrommsdoffおよびC.E.Schildknecht、69〜109ページが参照される。Schildknechtの78〜81ページの表IIにおいては、本発明の実施に使用されうる様々な種類のモノマーが列挙されている。このような懸濁重合可能なモノマーのうちでここで特に興味のあるものは、水不溶性モノマー、例えば、モノビニリデン芳香族、例えば、スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換スチレン(特に、モノアルキル置換スチレン、例えば、ビニルトルエンおよびエチルビニルベンゼン)およびハロ置換スチレン、例えば、ブロモスチレンまたはクロロスチレン、ポリビニリデン芳香族、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼン、ジビニルジフェニルエーテル、ジビニルジフェニルスルホンなど;アルファ,ベータ−エチレン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸またはメタクリル酸のエステル、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、様々なアルキレンジアクリラートおよびアルキレンジメタクリラート、およびこれらモノマーの1種以上の混合物である。これらモノマーの中では、モノビニリデン芳香族、特にスチレンまたはスチレンとモノアルキル置換スチレンとの混合物;ポリビニリデン芳香族、特にジビニルベンゼン;アルファ,ベータ−エチレン性不飽和カルボン酸のエステル、特にメタクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを含む混合物、特に、スチレンとジビニルベンゼン、またはスチレンと、ジビニルベンゼンとメタクリル酸メチルとの混合物がここでは好ましくは使用される。
【0028】
液体、一般的には水との溶液を形成するこれらモノマーも本発明において有用な重合性モノマーに含まれ、得られる溶液は1種以上の他の液体、概して、水混和性油などに、当該他の液体中でのその分散の際にそのモノマー溶液が液滴を形成するように充分不溶性である。このようなモノマーの代表的なものは、米国特許第2,982,749号によって説明されているような従来の油中水懸濁(すなわち、逆懸濁)重合技術を用いて重合されうる水溶性モノマー、例えば、エチレン性不飽和カルボキサミド、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド;不飽和カルボン酸および無水物のアミノアルキルエステル;エチレン性不飽和カルボン酸、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸などである。本発明において使用するのに好ましいこのモノマーは、エチレン性不飽和カルボキサミド、特にアクリルアミド、およびエチレン性不飽和カルボン酸、特にアクリル酸またはメタクリル酸である。
【0029】
上記エチレン性不飽和モノマーに加えて、一段階および二段階フリーラジカルマトリックスの製造に使用されるシード粒子もフェノール/ホルムアルデヒド樹脂のような架橋された縮合ポリマーを含むこともできる。概して、この縮合ポリマーはフリーラジカル開始剤および当初モノマーチャージのモノマー(もしあれば)、並びにモノマーフィードを吸収できなければならない。
【0030】
モノマーフィードはフリーラジカルマトリックスを製造するのに使用されるのとは異なるモノマーを含むことができる。例えば、モノマーフィードはスチレン、ジビニルベンゼンおよびメタクリル酸メチルを含むことができ、かつフリーラジカルマトリックスは主としてスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーを含むことができる。当初モノマーチャージを含む触媒をシード粒子に吸収させることによりフリーラジカルマトリックスが製造される場合には、シード粒子は当初モノマーチャージとは異なるモノマーを含むことができる。同様に、ポリマーシェルのポリマーの組成は、その重合の過程においてモノマーフィードの組成を変えることによって、シェルの内側から外側に向かって変化させられることができる。本発明のポリマービーズに含まれるポリマーは広範囲に変えられうるので、本発明のビーズは特定の最終用途のために容易に調節されうる。
【0031】
モノマーフィードが、官能性であるか、または、例えば、イオン交換基のような官能基に容易に変換されうるモノマーである場合には、コアモノマーの架橋密度はより低くてもよい。適する架橋密度は0〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量%、および最も好ましくは1〜10重量%であろう。特定の弱酸樹脂のためには、フィードモノマーは、例えば、ジビニルベンゼンとアクリロニトリル、またはアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステルとであることができる。適するフリーラジカルマトリックスはスチレン/ジビニルベンゼンポリマーを含むことができる。加水分解および塩基もしくは酸反応は、シェルモノマーを弱酸基に変換するであろうが、フリーラジカルマトリックスポリマーには影響を有しないであろう。特定のアニオン交換樹脂またはキレート樹脂については、フィードモノマーはジビニルベンゼンおよびビニルベンジルクロリドであることができ、一方でフリーラジカルマトリックスはスチレン/ジビニルベンゼンポリマーを含むことができる。アミンもしくはキレート基との反応はシェルポリマーを官能性樹脂に変換するであろうが、コアポリマーには影響を及ぼさないであろう。
【0032】
均一なサイズのシード粒子を使用することによって、本発明の方法に従って、相対的に均一なサイズを有するコポリマービーズが製造される。均一なサイズのシード粒子は、シード粒子をふるいにかけることによって、または、例えば、欧州特許出願公開第0005619号および第0051210号において教示されるもののような、均一なサイズのポリマー粒子を生じさせる方法を使用してシード粒子を製造することによって製造される。有利なことに、本発明のコポリマービーズを製造するのに使用されるシード粒子の少なくとも80パーセントが、シード粒子の重量平均粒子サイズの0.5倍より大きくかつ1.5倍以下である。
【0033】
本発明のコポリマービーズの平均粒子直径は、有利なことには、50〜2000ミクロン(μm)、好ましくは200〜1200μmの範囲である。ビーズのサイズの制御は主として、使用されるシード粒子におけるサイズおよび架橋(もしあれば)、並びにモノマーフィードに使用されるモノマーの量を制御することにより達成される。シード粒子は非常に小さな粒子、すなわち、約10μmから750μm以上の平均粒子直径を有する大きな粒子までのサイズの範囲であり得る。好ましくは、シード粒子のサイズは直径が約100〜750μmの範囲である。
【0034】
概して、ハロアルキル基のハロゲンと反応性の化合物をハロアルキル化ビーズに接触させまたは結合させることによりハロアルキル化ビーズからシェル官能性イオン交換ビーズが製造され、このハロアルキル基は反応の際に活性イオン交換基を形成する。この化合物およびこの化合物からイオン交換樹脂、すなわち、弱塩基樹脂および強塩基樹脂を製造する方法は当該技術分野において、例えば、米国特許第2,632,000号、第2,616,877号、第2,642,417号、第2,632,001号、第2,992,544号およびF.Helfferichにおけるように周知である。典型的には、弱塩基樹脂は、ハロアルキル化コポリマーをアンモニア、第一級アミンまたは第二級アミンと接触させることにより製造される。代表的な第一級および第二級アミンには、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミンなどが挙げられる。強塩基イオン交換樹脂は、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、エチルメチルプロピルアミンなどをアミノ化試薬として使用して製造される。
【0035】
アミノ化は一般的には、ハロアルキル化コポリマービーズと少なくとも化学量論量のアミン化剤、すなわち、アンモニアまたはアミンとの混合物を還流で、ポリマーの芳香核に対してアルファの炭素原子に結合したハロゲン原子をアミノ化剤と反応させるのに充分な温度まで加熱することを含む。水、エタノール、メタノールまたはこれらの混合物のようなスラリー剤が有利に使用される。好ましさはより低いが、膨潤剤、例えば、塩化メチレン、エチレンジクロリド、ジメトキシメチレン、またはこれらの組み合わせが、場合によっては、しかし有利に使用される。従来、アミノ化は、アニオン交換部位がビーズのシェル全体にわたって分布するような条件で行われる。このアミン化は概して、25℃〜150℃の反応温度で2〜24時間以内に得られる。
【0036】
ポリ(ビニル芳香族)ビーズ以外のコポリマービーズをアニオン交換樹脂に変換するための方法は、Helfferich、上記、48〜58ページに示されている。さらに、他の種類のアニオン交換基、例えば、ホスホニウム基をコポリマービーズに結合させる方法がそこに記載されている。
【0037】
概して、シェル官能性キレート樹脂ビーズはハロアルキル化ポリマーから、それにキレート活性基、例えば、カルボキシル基を結合させることにより製造される。キレート樹脂を製造するための周知の方法の例は、米国特許第2,888,441号であり、この文献ではハロアルキル化ポリマーが上述の技術によってアミン化され、そしてその後、アミン化されたコポリマーが適切なカルボキシル含有化合物、例えば、クロロ酢酸と反応させられる。好ましくは、ハロアルキル化ポリマーは(1)適切なアミノ酸、例えば、ジアミノ酢酸もしくはグリシン、または(2)アミノピリジン、例えば、2−ピコリルアミンおよびN−メチル−2−ピコリルアミンと直接反応させられることができ、キレート樹脂を形成することができる。
【0038】
シェル官能化カチオン交換樹脂ビーズはモノエチレン性不飽和モノマーおよび多エチレン性不飽和モノマーの架橋された付加コポリマーをカチオン交換樹脂に変換するための、当該技術分野において周知の技術を用いて製造されうる。カチオン交換樹脂を製造するこのような方法の例は、米国特許第3,266,007号、第2,500,149号、第2,631,127号、第2,664,801号、第2,764,564号および上述のF.Helfferichである。一般的に、本発明において有用なカチオン交換樹脂は強酸樹脂であり、これはコポリマービーズをスルホン化することにより製造される。好ましくは、スルホン化はニートで行われる。ビーズは適切な膨潤剤を用いて膨潤させられることができ、そして、膨潤したビーズはスルホン化剤と反応させられうる。適切なスルホン化剤は硫酸またはクロロスルホン酸または三酸化硫黄である。好ましくは、過剰な量、例えば、コポリマービーズの重量の2〜7倍のスルホン化剤が使用される。スルホン化は0℃〜150℃の温度で行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)インサイチュー型フリーラジカルマトリックスを製造し;
(b)少なくとも1種のモノマーを含むモノマーフィードと、前記インサイチュー型フリーラジカルマトリックスとを、前記インサイチュー型フリーラジカルマトリックスが前記モノマーの重合を触媒してコア/シェル形態を有するコポリマービーズを形成するような条件下で接触させる;
ことを含む、改良されたシェル官能化イオン交換樹脂の製造方法。
【請求項2】
前記インサイチュー型フリーラジカルマトリックスが、モノビニル芳香族またはアクリル酸のアルキルエステルもしくはメタクリル酸のアルキルエステルを含むモノエチレン性不飽和モノマーと、ジビニルベンゼン、アルキレンジアクリラートまたはアルキレンジメタクリラートを含む多エチレン性不飽和モノマーとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コポリマービーズが50〜2000ミクロンの平均粒子直径を有する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コポリマービースに活性イオン交換基を結合させて、シェル官能性イオン交換樹脂を形成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コポリマービースに活性キレート基を結合させて、キレート樹脂を形成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
官能性であるか、または容易に官能基に変換されうるモノマーを前記モノマーフィードが含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1の方法によって製造された架橋されたコポリマービーズ。

【公開番号】特開2013−53301(P2013−53301A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−160286(P2012−160286)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】