説明

シェービング組成物

【課題】起泡性、洗浄力、泡質が良好で、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れ、かつシェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れたシェービング組成物を提供する。
【解決手段】(A)高級脂肪酸塩、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合及び/またはアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、(C)噴射剤を含有するシェービング組成物において、成分(D)として、リシノール酸エステル、リシノール酸トリグリセライド、及び、これらの一種又は二種以上を50質量%以上含有する油剤から選ばれる常温で液状の油剤を含有することを特徴とするシェービング組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は髭や体毛用のシェービング組成物に関し、さらに詳しくは起泡性、洗浄力、泡質が良好で、シェービング時の剃りやすさや肌の保護効果に優れ、かつシェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れたシェービング組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シェービング時には、石鹸水などにより、髭や体毛を湿潤、柔軟化させ、カミソリの抵抗を軽減し剃る方法が取られてきた。また、より深剃りできるように、シェービング前に、蒸しタオルなどを用い髭や体毛を湿潤、柔軟化させてから剃る方法も取られてきた。
しかしながら、石鹸水は皮膚上での保持性に欠け、髭や体毛を充分に湿潤、柔軟化させることは難しく、蒸しタオル等を用いる方法は手間がかかるものであった。
このために、より簡便で確実に髭や体毛を湿潤、柔軟化でき、抵抗を軽減させる方法として、フォーム状、ゲル状、クリーム状等の種々のシェービング化粧料が開発されている。
このような例として、多価アルコールを多量に配合し、使用時の水和熱により髭を柔軟化させる方法(例えば、特許文献1参照)や、α−ヒドロキシ酸またはその誘導体を含有させ、髭や体毛の柔軟性を向上させる方法(例えば、特許文献2参照)等がある。また、髭に段階的に1)還元剤、2)湿潤剤を接触させ、その後3)乾燥させてから、4)水による水和を行うことによるシェービング方法も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、更に、摩擦係数低減維持性を高めるための技術として、アルキル変性されていてもよいカルボキシビニルポリマーとポリクオタニウム類とを含有するシェービング化粧料(例えば、特許文献4参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平9−48713号公報
【特許文献2】特開2003−12481号公報
【特許文献3】特表平10−500683号公報
【特許文献4】特開2005−298350号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、多価アルコールを多量に配合したシェービング組成物は、柔軟化による抵抗の軽減が十分でなく、刃滑りに課題を残し、α−ヒドロキシ酸またはその誘導体を配合したシェービング組成物は柔軟化効果はあるものの、使用後の肌効果に劣っていた。また段階的に還元剤等を用いる方法は、手間がかかり簡便性に欠け、アルキル変性されていてもよいカルボキシビニルポリマーとポリクオタニウム類の組み合わせは、摩擦係数低減維持性を向上させるものの、カルボキシビニルポリマーの皮膜が肌に残り、シェービング後につっぱり感、ごわつき等を感じる場合があった。
従って、簡便に使用でき、シェービング組成物としての基本的な機能である起泡性、洗浄力、泡質の良さを有し、柔軟化効果が良好で、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れつつ、更に、シェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れたシェービング組成物の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる実情において、本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、高級脂肪酸塩と、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合及び/またはアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体と噴射剤を含有するシェービング組成物において、更に、特定のリシノール酸誘導体を配合することにより、簡便に使用でき、良好な起泡性、洗浄力、泡質を有し、柔軟化効果、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れ、かつ、シェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れたシェービング組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、成分(A)〜(C);(A)高級脂肪酸塩、(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合及び/またはアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(C)噴射剤を含有するシェービング組成物において、成分(D)として、リシノール酸エステル、リシノール酸トリグリセライド、及び、これらの一種又は二種以上を50質量%以上含有する油剤から選ばれる常温で液状の油剤を含有することを特徴とするシェービング組成物を提供するものである。
また、前記成分(B)(D)の配合質量比(D)/(B)が、50/1〜3/1であることを特徴とするシェービング組成物を提供するものであり、さらには、成分(D)が、リシノール酸オクチルドデシル、リシノール酸セチル、リシノール酸グリセリル、トリリシノール酸グリセリル、リシノール酸プロピレングリコール、リシノール酸ヘキサグリセリル、リシノール酸ポリオキシプロピレンソルビット、リシノール酸メチル、リシノール酸イソプロピル、及びヒマシ油から選ばれる一種又は二種以上であるシェービング組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のシェービング組成物は、簡便に使用でき、良好な起泡性、洗浄力、泡質を有し、柔軟化効果、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れ、かつ、シェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れたものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のシェービング組成物に用いられる成分(A)である高級脂肪酸塩は、洗浄剤において汎用されるアニオン性界面活性剤である。起泡性、洗浄力、泡質に優れるものであるが、一方で硬水に弱い、過度の脱脂から使用後に肌がつっぱるなどの面を有する。本発明においては、高い起泡性、洗浄力、優れた泡質を付与する処方の骨格成分として必須であるが、本発明の構成とすることにより、この高級脂肪酸塩のマイナス面が改善される。
本発明のシェービング組成物に用いられる成分(A)における高級脂肪酸塩を構成する高級脂肪酸としては特に限定はされず、具体的には牛脂等に代表される動物油脂や、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油、サフラワー油、大豆油、綿実油等に代表される植物油脂をケン化して得られる天然油脂脂肪酸、あるいはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和直鎖脂肪酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸等の飽和分岐脂肪酸、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸等を例示することができる。これらのうち、高い起泡力、洗浄力、優れた泡質を得る上で、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸がより好ましい。
また、塩を形成するための対塩基としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、トリエタノールアミン、アルギニン、アミノメチルプロパノール等の有機塩基が挙げられる。
本発明において、高級脂肪酸塩として、具体的には、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪酸カリウム塩、ヤシ油脂肪酸ナトリウム塩、パーム核油脂肪酸トリエタノールアミン塩、パーム核油脂肪酸カリウム塩、パーム核油脂肪酸ナトリウム塩、ラウリン酸トリエタノールアミン塩、ラウリン酸カリウム塩、ラウリン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸トリエタノールアミン塩、ミリスチン酸カリウム塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、パルミチン酸トリエタノールアミン塩、パルミチン酸カリウム塩、ステアリン酸トリエタノールアミン塩、ステアリン酸カリウム塩が挙げられ、特にヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン塩、ヤシ油脂肪酸カリウム塩、ミリスチン酸トリエタノールアミン塩、ミリスチン酸カリウム塩、パルミチン酸トリエタノールアミン塩、パルミチン酸カリウム塩、ステアリン酸トリエタノールアミン塩、ステアリン酸カリウム塩が好ましい。これらを用いることで、起泡性、洗浄力、優れた泡質を付与する処方の骨格成分として働き、また、他の必須成分との併用により、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果、後肌のしっとり感、やわらかさの付与などでより効果の高いものが得られる。
【0009】
なお、高級脂肪酸塩は、処方中に高級脂肪酸カリウム塩、高級脂肪酸トリエタノールアミン塩等として配合するのみならず、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等の塩基性物質と、高級脂肪酸とを別々に配合し、本発明のシェービング組成物の製造工程の中で反応により生成させることもできる。本発明においては、この方法により生成する高級脂肪酸塩も(A)成分に含まれるものとする。
【0010】
本発明のシェービング組成物における成分(A)の高級脂肪酸塩の配合量は、特に制限はないが、高級脂肪酸塩として、成分(C)の噴射剤以外の組成物原液中に0.5〜15質量%(以下、特に記載のあるもの以外は、質量%を単に「%」で示す)の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10%の範囲である。この範囲であれば、良好な起泡性、洗浄力、泡質を付与する処方の骨格成分として良好に作用し、他の必須成分との併用により、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果、後肌のしっとり感の付与に優れたシェービング組成物が得られる。
【0011】
本発明に用いられる成分(B)の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合及び/またはアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体は、シェービング組成物の起泡性、泡質を優れたものにするだけでなく、使用中はその皮膜特性から皮膚を保護し、さらには皮膚への親和性の高さから、洗い流し後に肌へ吸着し、しっとり感を付与する目的で配合される。成分(B)は、化粧料に使用可能なものであれば特に限定されるものではないが、溶媒を含む形態として、具体的には、マーコート550、マーコートS、マーコートプラス3330、マーコート3331、マーコート3333(いずれもカルゴン社製)等の市販品を挙げることができる。これらは一種又は二種以上を適宜選択、又は組み合わせて使用することができる。
【0012】
本発明のシェービング組成物における成分(B)の配合量は特に限定されないが、好ましくは、純分として成分(C)の噴射剤以外の組成物原液中に0.01〜3%であり、より好ましくは0.05〜1%である。この範囲であれば起泡性、泡質を優れたものにするだけでなく、好適にシェービングの剃りやすさ、肌の保護効果を向上し、洗い流し後の肌にしっとり感を付与する効果に優れたものが得られる。
【0013】
本発明に用いられる成分(C)の噴射剤は、本発明のシェービング組成物を使用する上でフォーム状にして用いることが望ましいことから、エアゾールとする為に用いられるものであり、通常化粧料に使用される噴射剤であれば、特に制限はなく、例えば、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン及びその混合物(以下、LPGと略す)、ジメチルエーテル(以下、DMEと略す)、炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられ、これらを一種又は二種以上混合して用いることができる。
【0014】
本発明のシェービング組成物において、成分(C)の噴射剤の配合量は特に制限されないが、成分(C)以外の原液に対し、原液/噴射剤の配合質量比が50/50〜99/1であることが好ましく、80/20〜97/3がより好ましい。この範囲であれば、原液との相溶性に優れ、噴射時の泡の飛び散りや、泡の形成不良等の問題がなく、泡質、使用性に十分満足のいくものが得られる。
【0015】
本発明に用いられる成分(D)の油剤は、リシノール酸骨格を有することに由来する親和性から湿潤性、柔軟性付与の目的で用いられ、後肌のつっぱり感を解消し、使用後の肌にしっとり感や柔らかさを与えるとともに、肌を滑らかに整え、良好な感触を付与することを目的として配合される。成分(D)の油剤は、リシノール酸エステル、リシノール酸トリグリセライド、これらの一種又は二種以上を50質量%以上含有する油剤から選ばれる常温で液状の油剤で、通常化粧料に使用可能なものであれば特に限定されるものではないが、具体的にはリシノール酸オクチルドデシル、リシノール酸セチル、リシノール酸グリセリル、トリリシノール酸グリセリル、リシノール酸プロピレングリコール、リシノール酸ヘキサグリセリル、リシノール酸ポリオキシプロピレンソルビット、リシノール酸メチル、リシノール酸イソプロピル、ヒマシ油等が挙げられる。これらのうち、本発明においては、リシノール酸オクチルドデシル、トリリシノール酸グリセリル、リシノール酸プロピレングリコール、リシノール酸イソプロピル、及びヒマシ油がより好ましい。
【0016】
本発明のシェービング組成物における成分(D)の含有量は、特に限定されないが、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果、後肌にしっとり感や柔らかさを与える効果の点から組成物原液中0.5〜10%が好ましく、1〜7%がより好ましい。
【0017】
本発明のシェービング組成物には、上記必須成分の他、通常化粧料で使用される原料を本発明の効果を損なわない質的量的範囲において適宜配合することができる。例えば、界面活性剤、油性成分、保湿剤、多価アルコ−ル、低級アルコール、水溶性高分子、酸化防止剤、pH調整剤、塩類、防腐剤、殺菌剤、香料、色素、顔料、粉体、紫外線吸収剤、ビタミン類、アミノ酸類、美容成分等が挙げられる。
【0018】
界面活性剤としては、成分(A)以外のものであれば、特に限定されず、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を配合することができるが、アニオン性界面活性剤または両性界面活性剤が良好な起泡性、洗浄力、泡質を得る上でより好ましい。
アニオン性界面活性剤としては 、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシルイセチオン酸塩、N−アシルアルキルタウリン塩、N−アシルポリペプチド塩、ヒドロキシエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等を例示することができる。これらの対塩基としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属や、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、オキシリジン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール等の有機アルカリ剤、アンモニア等を挙げることができる。
更に、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸アンモニウム、N−ラウロイル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸アンモニウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸カリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、N−ラウロイルサルコシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸サルコシンカリウム、N−ラウロイルグリシンナトリウム、N−ラウロイルグリシンカリウム、N−ラウロイルグリシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルグリシントリエタノールアミン、N−ラウロイルアラニンナトリウム、N−ラウロイルアラニントリエタノールアミン、N−ラウロイルアラニンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸アラニンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アラニントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アラニンカリウム、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン、N−ラウロイル−N−メチル−β−アラニンカリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチル−β−アラニンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチル−β−アラニントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸−N−メチル−β−アラニンカリウム、N−ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、N−ラウロイルイセチオン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルイセチオン酸カリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ステアロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンカリウム、N−ラウロイルメチルタウリンカリウム、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンカリウム、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲンナトリウム、ヤシ油脂肪酸加水分解コラーゲントリエタノールアミン、ラウロイル加水分解コラーゲンカリウム、ラウロイル加水分解コラーゲンナトリウム、ラウロイル加水分解コラーゲントリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸加水分解シルクカリウム、ヤシ油脂肪酸加水分解シルクナトリウム、ヤシ油脂肪酸加水分解シルクトリエタノールアミン、ラウロイル加水分解シルクカリウム、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、ラウロイル加水分解シルクトリエタノールアミン、ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム、スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウム、スルホコハク酸ステアリン酸モノエタノールアミド二ナトリウム等が挙げられる。
【0019】
両性界面活性剤としては、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、セチルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等のカルボベタイン型両性界面活性剤、ヤシ油アルキルスルホベタイン、ラウリルスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム等のアミドアミン型両性界面活性剤、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム等のイミノジカルボン酸塩型両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0020】
油性成分は、エモリエント感の付与、感触調整等の目的で配合される。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類等の油剤が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、セレシン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類、オリーブ油、ヤシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油、グレープシード油、アボガド油、卵黄油、硬化油等の油脂類、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス等のロウ類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ステアリン酸ブチル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロール脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール等のアルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等を使用することができる。
特にステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、セタノール、ベヘニルアルコールの配合は、製剤の安定性の向上に有効に作用する。
【0021】
保湿剤は、みずみずしさやしっとり感を付与し、保湿効果を高めるために配合される。保湿剤として、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール、アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等のNMF成分、ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質等を配合することができる。
また、清涼感の付与、感触調整等の目的で、例えばエタノール、イソプロパノール等の低級アルコールを使用することができる。
さらに、系に粘性を付与し、使用性や安定性の改善、感触調整等のために、増粘剤として、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガカントガム、デンプン等の天然高分子物質、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン、カオチン化セルロース等の半合成高分子物質、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の合成高分子物質等を使用することができる。
【0022】
本発明のシェービング組成物においては、その他に着色剤、隠蔽剤、紫外線遮断剤、感触調整剤等の目的で、通常の化粧料に使用される粉体を配合することができる。
【0023】
また、系の品質安定性保持等の目的で、酸化防止剤として、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE並びにその誘導体、没食子酸プロピル等を、また、キレート剤として、例えば、エデト酸、エタンヒドロキシジホスフェート、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、クエン酸、酒石酸、グルコン酸並びにこれらの塩類等を使用することができる。
さらに、pH調整剤として、例えば水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、乳酸、乳酸ナトリウム、リンゴ酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、ホウ酸、ホウ砂、リン酸二水素ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム等を、防腐剤として、例えばパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、デヒドロ酢酸、サリチル酸、安息香酸、ソルビン酸、塩化ベンザルコニウム等を、紫外線吸収剤として、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、メトキシケイ皮酸オクチル、オクチルトリアゾン等を使用することができる。
【0024】
さらには、保湿効果等の肌効果改良や感触調整等の目的で、各種の美容成分を配合することができる。ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン及びその誘導体等が、アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びこれらの誘導体等が挙げられる。
【0025】
本発明のシェービング組成物は、常法に従って製造することができる。また、本発明のシェービング組成物は、後肌のしっとり感や柔らかさを与える効果が高いことから、顔面の髭剃り用としてだけでなく、腕や足等のムダ毛等の剃毛用シェービング料として好適に用いることができる。
【0026】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0027】
実施例1〜5及び比較例1〜3 シェービングフォーム
下記表1に示す組成のシェービングフォームを下記製法により製造し、本発明の特徴である<1>シェービング時の剃りやすさ<2>シェービング時の肌の保護効果<3>シェービング後のしっとり感、<4>シェービング後の肌の柔らかさの4項目について下記評価方法にて評価した。結果を併せて表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】
(製法)
A:成分1〜3、15を80℃で加熱溶解する
B:成分4〜6、9〜14を80℃に加熱混合する。
C:AにBを加え、混合する。
D:Cに成分7、8を添加して攪拌し、冷却し、原液とする。
E:Dの原液90質量部に対し、噴射剤としてLPGを10質量部を充填しシェービングフォームを得た。
【0030】
(評価方法)
専門評価パネル16名により、表1のサンプルを適量塗布し、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果、シェービング後のしっとり感及び柔らかさを与える効果を下記評価基準にて5段階評価し、さらにその平均点を下記判定基準にて判定した。
[評価基準]
5点:非常に良好。
4点:良好。
3点:普通。
2点:やや不良。
1点:不良。
[判定基準]
◎:平均点4.5点以上
○:平均点3.5点以上4.5点未満
△:平均点2.5点以上3.5点未満
×:平均点2.5点未満
【0031】
表1の結果から明らかなように、本発明に係る実施例1〜5のシェービングフォームは、いずれもシェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れ、かつシェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れたシェービングフォームであった。それに対し、比較例1〜3においては、全ての項目を満足するものは得られなかった。
【0032】
実施例6 手足用シェービングフォーム
(組成)
<原液>
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 5.0
(2)プロピレングリコール 10.0
(3)セタノール 0.5
(4)トリリシノール酸グリセリル 3.5
(5)トリエタノールアミン 3.0
(6)ミリスチン酸カリウム 2.0
(7)精製水 残量
(8)アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・
アクリルアミド共重合体(*3) 0.5
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
*3 MERQUAT 3331(カルゴン社製)(純分量として記載)
<噴射剤>
DME
【0033】
(製法)
(1)〜(4)を加熱混合したものに、混合した(5)〜(7)を添加し、冷却後さらに(8)〜(10)を攪拌混合し原液とする。
できた原液80質量部に対し、噴射剤としてDMEを20質量部充填し手足用シェービングフォームを得た。
【0034】
実施例6は、起泡性、洗浄力、泡質が良好で、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れ、かつシェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れた手足用シェービングクリームであった。
【0035】
実施例7 腕用シェービングフォーム
(成分) (%)
(1)精製水 残量
(2)ポリエチレングリコール300 10.0
(3)1,3−ブチレングリコール 5.0
(4)水酸化カリウム 0.1
(5)ステアリン酸 1.0
(6)ポリオキシエチレン(60)ソルビットモノステアレート 5.0
(7)セタノール 2.0
(8)固形パラフィン 1.0
(9)リシノール酸イソプロピル 10.0
(10)メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(11)香料 0.5
(12)アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・
アクリルアミド共重合体(*4) 5.0
(13)メントール 0.05
*4 MERQUAT 3333(カルゴン社製)(純分量として記載)
<噴射剤>
LPG
【0036】
(製法)
(1)〜(4)を混合したものに、加熱混合した(5)〜(10)を攪拌混合し、その後(11)〜(13)を加え、攪拌後原液とする。
できた原液95質量部に対し、噴射剤としてLPGを5質量部充填しシェービングフォームを得た。
【0037】
実施例7は起泡性、洗浄力、泡質が良好で、シェービング時の剃りやすさ、肌の保護効果に優れ、かつシェービング後の肌が突っ張ることなく、しっとり感や柔らかさを与える効果に優れた腕用シェービングクリームであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(C);
(A)高級脂肪酸塩
(B)塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合及び/またはアクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体
(C)噴射剤
を含有するシェービング組成物において、成分(D)として、
(D)リシノール酸エステル、リシノール酸トリグリセライド、及び、これらの一種又は二種以上を50質量%以上含有する油剤から選ばれる常温で液状の油剤を含有することを特徴とするシェービング組成物。
【請求項2】
前記成分(B)、(D)の配合質量比(D)/(B)が、50/1〜3/1であることを特徴とする請求項1記載のシェービング組成物。
【請求項3】
成分(D)の油剤がリシノール酸オクチルドデシル、リシノール酸セチル、リシノール酸グリセリル、トリリシノール酸グリセリル、リシノール酸プロピレングリコール、リシノール酸ヘキサグリセリル、リシノール酸ポリオキシプロピレンソルビット、リシノール酸メチル、リシノール酸イソプロピル、及びヒマシ油から選ばれる一種又は二種以上である請求項1または2記載のシェービング組成物。

【公開番号】特開2007−217346(P2007−217346A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39847(P2006−39847)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】