説明

システインプロテアーゼ阻害剤としてのアミジノ化合物

本発明は、システインプロテアーゼ、特にカテプシンB、K、L、F、およびSの阻害剤でありかつしたがってこれらのプロテアーゼによって仲介される疾患の処置において有用である化合物を目的とする。本発明は、これらの化合物を含む薬学的組成物およびそれらの調製法を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、システインプロテアーゼ、特にカテプシンB、K、L、F、およびSの阻害剤でありかつしたがってこれらのプロテアーゼによって仲介される疾患の処置において有用である化合物を目的とする。本発明は、これらの化合物を含む薬学的組成物およびそれらの調製法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
当技術分野の現状
システインプロテアーゼは、酵素の触媒部位にシステイン残基があることにより特徴付けられるペプチダーゼ群である。システインプロテアーゼはタンパク質の正常な分解およびプロセシングに関与している。しかし、例えば、発現増大または活性亢進の結果としてのシステインプロテアーゼの異常な活性は、病的な結末を迎えることがある。これに関して、特定のシステインプロテアーゼは、関節炎、筋ジストロフィー、炎症、腫瘍侵襲、糸球体腎炎、マラリア、歯周病、異染色性脳白質ジストロフィーなどを含む、いくつかの疾患状態に関与している。例えば、カテプシンBレベルの上昇および酵素の再分布が腫瘍で見いだされており、したがって腫瘍の侵襲および転移における酵素の役割を示唆している。加えて、異常なカテプシンB活性は、慢性関節リウマチ、骨関節炎、ニューモシスティス・カリニ、急性膵炎、炎症性気道疾患ならびに骨および関節障害などの疾患状態に関係するとされている。
【0003】
破骨細胞および破骨細胞関連多核細胞におけるカテプシンKの顕著な発現およびその高いコラーゲン分解活性は、酵素が破骨細胞仲介性の骨吸収に関与しており、したがって骨粗鬆症で見られるような骨異常に関与していることが示唆される。加えて、肺におけるカテプシンKの発現およびそのエラスチン分解活性は、酵素が肺障害においても役割を果たしていることを示唆している。
【0004】
カテプシンLは、正常なリソソームタンパク分解、ならびに黒色腫の転移を含むが、これに限定されることはない疾患状態に関係するとされている。カテプシンSは、アルツハイマー病、ならびに若年性糖尿病、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、グレーブス病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチおよび橋本甲状腺炎を含むが、これらに限定されることはない、特定の自己免疫障害に関係するとされている。加えて、カテプシンSは、喘息を含むが、これに限定されることはない、アレルギー性障害;および臓器移植片または組織移植片拒絶を含むが、これらに限定されることはない、同種免疫応答に関係するとされている。
【0005】
もう一つのシステインプロテアーゼ、カテプシンFは、マクロファージ中で見いだされており、抗原プロセシングに関与する。カテプシンFは、刺激された肺マクロファージおよびおそらくは他の抗原提示細胞において、気道炎症において役割を果たしうると考えられている(G. P. Shiら、J. Exp. Med. 191, 1177, 2000を参照されたい)。
【0006】
いくつかの疾患でシステインプロテアーゼ活性の増大が疾患の病理および総体症状に寄与していると認められていることを考慮して、この酵素群の活性を阻害する分子、特にカテプシンB、K、L、F、および/またはSの阻害剤である分子は、処置薬として有用であると考えられる。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
1つの局面において、本発明は、式(Ia)または(Ib)の化合物、または薬学的に許容されるその塩に関する:

[式中、
Eは、下記(i)、(ii)または(iii):
(i) -C(R5)(R6)X1(ここで、X1は、-CHO、-C(R7)(R8)CF3、-C(R7)(R8)CF2CF2R9、-C(R7)(R8)R10、-CH=CHS(O)2R10、-C(R7)(R8)C(R7)(R8)OR10、-C(R7)(R8)CH2OR10、-C(R7)(R8)C(R7)(R8)R10、-C(R7)(R8)CH2N(R11)SO2R10、-C(R7)(R8)CF2C(O)NR10R11、-C(R7)(R8)C(O)NR10R11、-C(R7)(R8)C(O)N(R11)(CH2)2OR11、または-C(R7)(R8)C(O)N(R11)(CH2)2NR10R11である);
(ii) -C(R5a)(R6a)CN(ここで、
R5およびR5aは、独立に、水素またはアルキルであり;かつ
R6およびR6aは、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シアノ、-アルキレン-X-R12(ここで、Xは、-O-、-NR13-、-CONR13-、-S(O)n1-、-NHCO-、-CO-、または-C(O)O-(ここで、n1は、0-2である)であり、R12およびR13は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである)からなる群より独立に選択され、ここで、R6およびR6a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アシル、またはアリールスルホニルから独立に選択される1個、2個、または3個のRaで置換されてもよく、ここで、Ra中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルからなる群より選択される1個または2個の置換基で置換されてもよく; または
R5およびR6およびR5aおよびR6aは、R5およびR6およびR5aおよびR6aが全て結合している炭素原子と共に、(i) シクロアルキレン(アルキル、ハロ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、またはアリールオキシカルボニルから独立に選択される1個または2個のRbで置換されてもよい)、または(ii) ヘテロシクロアルキレン(アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、-S(O)n2R14、-アルキレン-S(O)n2-R15、-COOR16、-アルキレン-COOR17、-CONHR18R19、または-アルキレン-CONHR20R21(ここで、n2は、0-2であり、R14-R17、R18およびR20は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクリルであり、R19およびR21は、独立に、水素またはアルキルである)から独立に選択される1〜4個のRcで置換されてもよい)を形成し、ここで、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンに結合している基中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;
R7は、水素もしくはアルキルであり;
R8は、ヒドロキシであるか; または
R7およびR8は、共にオキソを形成し;
R9は、水素、ハロ、アルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R10は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ここで、R10中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のRdで置換されてもよく、ここで、Rd中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;かつ
R11は、水素またはアルキルである); または
(iii) 式 (a):

(式中、
nは、0、1、または2であり;
X4は、-NR22-、-S-、または-O-(ここで、R22は、水素、アルキル、またはアルコキシである)から選択され;かつ
X5は、-O-、-S-、-SO2-、または-NR23-(ここで、R23は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、-S(O)2R24、-アルキレン-S(O)n3-R25、-COOR26、-アルキレン-COOR27、-CONR28R29、または-アルキレン-CONR30R31(ここで、n3は、0-2であり、R24-R27、R28およびR30は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであり、R29およびR31は、独立に、水素またはアルキルである)から選択される)であり、ここで、X5中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;
R5は、上記と同義である)で示される基
であり;
R1は、水素またはアルキルであり;
R1aは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、または-アルキレン-X2-R32[ここで、X2は、-NR33-、-O-、-S(O)n4-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NR33CO-、-CONR33-、-NR33SO2-、-SO2NR33-、-NR33COO-、-OCONR33-、-NR33CONR34、または-NR33SO2NR34-(ここで、R33およびR34は、独立に、水素、アルキル、またはアシルであり、n4は、0-2である)であり、R32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルアルキルである]であり、ここで、-アルキレン-X2-R32中の該アルキレン鎖は、1〜6個のハロで置換されてもよく、ここで、R1a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のReで置換されてもよく、または
R1およびR1aは、これらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレン環(ここで、該シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンは、アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ケト、または-SO2R39(ここで、R39は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルである)から独立に選択される1個または2個のRfで置換されてもよく、ここで、Rf中の芳香環または脂環は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよい)を形成し;
R2は、水素またはアルキルであり;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アミノ、単置換もしくは二置換アミノ、または-アルキレン-X3-R35 [ここで、Xは、-NR36-、-O-、-S(O)n5-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NR36CO-、-CONR36-、-NR36SO2-、-SO2NR36-、-NR36COO-、-OCONR36-、-NR36CONR37-、または-NR36SO2NR37-(ここで、R36およびR37は、独立に、水素、アルキル、またはアシルであり、n5は、0-2である)であり、R35は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである]であり、ここで、R3中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アミノ、単置換または二置換アミノから独立に選択される1個、2個、または3個のRgで置換されてもよく、更にここで、Rg中の芳香環および脂環は、1個、2個、または3個のRh(ここでRhは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、カルボキシ、カルボキサミド、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される)で置換されてもよく;
R4は、-S(O)2R38(ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、-NHSO2Rj(ここで、Rjは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、-SO2NRkRl(ここで、Rkは、水素またはアルキルであり、Rlは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアミノアルキルである)、-NHCOORm(ここで、Rmは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、または-NHCONRnRo(ここで、RnおよびRoは、独立に、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである)から独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり;ここで、Riに含まれる基中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい)であり;
R4aは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アラルキル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアロイル、-C(O)OR40(ここで、R40は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、またはアラルキルである)、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、またはシクロアルキルであり、ここで、R4a中の芳香環は、1個、2個または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、ニトリル、ニトロ、または-CONH2で置換されてもよい]。
【0008】
上記化合物の群の中で、更に好ましい化合物の群は、R38が、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり;ここで、Riに含まれる基中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい。
【0009】
本発明の第二の局面は、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物、その個々の異性体もしくは異性体の混合物、または薬学的に許容されるその塩を、1つまたは複数の適切な賦形剤との混合物として含む、薬学的組成物である。
【0010】
本発明の第三の局面は、システインプロテアーゼ、特にカテプシンKまたはSが介在する動物の疾患を処置するための方法であって、この動物に治療的有効量の式(Ia)もしくは(Ib)の化合物、その個々の異性体もしくは異性体の混合物; または薬学的に許容されるその塩を投与する工程を含む方法である。
【0011】
第四の局面において、本発明は、医薬の製造における、式(Ia)もしくは(Ib)の化合物、その個々の異性体もしくは異性体の混合物; または薬学的に許容されるその塩の使用に関する。好ましくは、この医薬は、カテプシンSが介在する疾患の処置において使用されるためのものである。好ましくは、この疾患は、乾癬または重症筋無力症である。
【0012】
発明の詳細な説明
定義:
特に断りない限り、本明細書および請求項に使用される以下の用語は、本出願の目的のために定義され、そして以下の意味を有する。
【0013】
「脂環式」とは、脂肪族の性質に類似した性質を有する、閉じた非芳香環構造中の炭素原子の配置を特徴とする残基、例えば、本明細書において定義されるシクロアルキルおよびヘテロシクリル環を意味する。
【0014】
単独で表される「アルキル」は、特に断りない限り、1〜6個の炭素原子を含む、直鎖または分岐の飽和脂肪族ラジカルを意味する(例えば、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどを含む)。(例えば、アリールアルキル中のように)別のラジカルを伴って表されるアルキルは、指示される数の原子を有する、直鎖または分岐の飽和脂肪族二価ラジカルを意味する(例えば、アラルキルは、ベンジル、フェネチル、1-フェニルエチル、3-フェニルプロピルなどを含む)。当然のことながら、「アルク(alk)」または「アルキル」という接頭語を用いた任意の組合せ用語は、「アルキル」の上記定義による類似体のことをいう。例えば、「アルコキシ」「アルキルチオ」のような用語は、酸素または硫黄原子を介して第二の基に結合しているアルキル基のことをいう。
【0015】
「アルキレン」は、特に断りない限り、1〜6個の数の炭素原子を有する、直鎖または分岐の飽和脂肪族二価ラジカル、例えば、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、トリメチレン(-CH2CH2CH2-)、テトラメチレン(-CH2CH2CH2CH2-)、2-メチルテトラメチレン(-CH2CH(CH3)CH2CH2-)、ペンタメチレン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)などを意味する。
【0016】
「アルキリデン」は、指示される数の炭素原子を有する、直鎖または分岐の飽和または不飽和の脂肪族二価ラジカルを意味する(例えば、(C1-6)アルキリデンは、メチレン(=CH2)、エチリデン(=CHCH3)、イソプロピリデン(=C(CH3)2)、プロピリデン(=CHCH2CH3)、アリリデン(=CH-CH=CH2)などを含む)。
【0017】
「アルキルカルバモイルオキシ」は、-OCONHRラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシなどのことをいう。
【0018】
「アルキルスルホニルアミノ」は、-NHSO2Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなどのことをいう。
【0019】
「アミノ」は、-NH2ラジカルを意味する。特に断りない限り、アミノ残基を含有する本発明の化合物は、その保護誘導体を含む。アミノ残基に適切な保護基は、アセチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。
【0020】
「アミノスルホニル」は、-SO2NH2ラジカルのことをいう。
【0021】
「アルキルアミノスルホニル」または「ジアルキルアミノスルホニル」は、それぞれ-SO2NHRおよび-SO2NRR'ラジカル(ここで、RおよびR'は、独立に、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルアミノスルホニルなどのことをいう。
【0022】
「アルキルアミノ」または「ジアルキルアミノ」は、それぞれ-NHRおよび-NRR'ラジカル(ここで、RおよびR'は、独立に、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノなどのことをいう。
【0023】
「アルコキシ」は、-ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メトキシ、エトキシなどのことをいう。
【0024】
「アルコキシカルボニル」は、-C(O)ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどのことをいう。
【0025】
「アルコキシカルボニルアルキル」は、-(アルキレン)-C(O)ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メトキシカルボニルアルキル、2-、または3-エトキシカルボニルメチルなどを意味する。
【0026】
「アルコキシカルボニルアミノ」は、-NHC(O)ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどのことをいう。
【0027】
「アルコキシアルキル」は、上記と同義の、少なくとも1個のアルコキシ基、好ましくは1個または2個のアルコキシ基で置換される、1〜6個の炭素原子の直鎖の一価炭化水素ラジカル、または3〜6個の炭素の分岐の一価炭化水素ラジカル、例えば、2-メトキシエチル、1-、2-、または3-メトキシプロピル、2-エトキシエチルなどを意味する。
【0028】
「アルコキシアルキルオキシアルキル」は、-(アルキレン)-O-(アルキレン)-ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、2-メトキシエチルオキシメチル、3-メトキシプロピルオキシエチルなどのことをいう。
【0029】
「アミノアルキル」は、少なくとも1個、好ましくは1個または2個の-NRR'(ここで、Rは、水素、アルキル、または-CORa(ここで、Raは、アルキルである)であり、R'は、水素または上記と同義のアルキルである)で置換される、1〜6個の炭素原子の直鎖の一価炭化水素ラジカル、または3〜6個の炭素の分岐の一価炭化水素ラジカル、例えば、アミノメチル、メチルアミノエチル、ジメチルアミノエチル、1,3-ジアミノプロピル、アセチルアミノプロピルなどを意味する。
【0030】
「アルキルチオ」は、-SRラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルチオ、エチルチオなどのことをいう。
【0031】
「アルキルスルフィニル」は、-S(O)Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどのことをいう。
【0032】
「アルキルスルホニル」は、-SO2Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアルキル基である)、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどのことをいう。
【0033】
「アシル」は、-CORラジカル(ここで、Rは、本明細書において定義される、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルである)、例えば、ホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイル、ピペラジン-1-イルカルボニルなどを意味する。
【0034】
「アシルオキシ」は、-OCORラジカル(ここで、Rは、本明細書において定義される、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルである)、例えば、アセチルオキシ、トリフルオロアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、ピペラジン-1-イルカルボニルオキシなどを意味する。
【0035】
「動物」は、ヒト、非ヒト哺乳動物(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカなど)および非哺乳動物(例えば、鳥類など)を含む。
【0036】
「芳香族」は、構成原子が不飽和環系を形成し、環系中の全ての原子がsp2混成軌道を作り、そしてpi電子の総数が4n+2に等しい残基を意味する。
【0037】
「アリール」は、特に断りない限り、6〜10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式の環集合(ここで、各環は、芳香族である)、例えば、フェニルまたはアントリルを意味する。
【0038】
「アラルキル」は、-(アルキレン)-Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)、例えば、ベンジル、フェネチルなどを意味する。
【0039】
「アリールオキシ」は、-ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)を意味する。
【0040】
「アリールオキシアルキル」は、-(アルキレン)-ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)、例えば、フェノキシメチル、2-、または3-フェノキシメチルなどを意味する。
【0041】
「アリールオキシカルボニル」は、-C(O)ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)、例えば、フェニルオキシカルボニルなどを意味する。
【0042】
「アリールカルバモイルオキシ」は、-OC(O)NHRラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)、例えば、フェニルカルバモイルオキシなどを意味する。
【0043】
「アロイル」は、-CORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)、例えば、ベンゾイルを意味する。
【0044】
「アリールチオ」は、-SRラジカル(ここで、Rは、アリール基である)、例えば、フェニルチオなどのことをいう。
【0045】
「アリールスルフィニル」は、-SORラジカル(ここで、Rは、アリール基である)、例えば、フェニルスルフィニルなどのことをいう。
【0046】
「アリールスルホニル」は、-SO2Rラジカル(ここで、Rは、アリール基である)、例えば、フェニルスルホニルなどのことをいう。
【0047】
「アリールオキシカルボニルアミノ」は、-NHC(O)ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリール基である)、例えば、フェノキシカルボニルアミノなどのことをいう。
【0048】
「アリールスルホニルアミノ」は、-NHSO2Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリール基である)、例えば、フェニルスルホニルアミノなどのことをいう。
【0049】
「アリールアミノスルホニル」は、-SO2NHRラジカル(ここで、Rは、上記と同義のアリールである)、例えば、フェニルアミノスルホニルなどを意味する。
【0050】
「カルボキサミド」は、-C(O)NH2ラジカルを意味する。
【0051】
「カルバモイル」は、-C(O)NRR'ラジカル(ここで、RおよびR'は、本明細書において定義される、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルから独立に選択されるが、ただし、RおよびR'の一方は、水素ではない)を意味する。
【0052】
「炭素環式ケトン誘導体」は、-C(O)-残基を含む誘導体を意味する。
【0053】
「カルボキシ」は、-C(O)OHラジカルを意味する。
【0054】
「カルボキシアルキル」は、-(アルキレン)-C(O)OHラジカル、例えば、カルボキシメチル、カルボキシエチルなどを意味する。
【0055】
「シクロアルキル」は、3〜8個の環炭素原子を含む、一価の飽和または部分不飽和の単環式、縮合二環式または架橋多環式の環集合、およびその任意のアルキリデンまたは炭素環式ケトン(1個または2個のオキソ基)誘導体、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、2,5-シクロヘキサジエニル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンタン-1-イル、オキソシクロヘキシル、ジオキソシクロヘキシルなどを意味する。
【0056】
「シクロアルキルアルキル」は、-(アルキレン)-Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のシクロアルキルである)、例えば、シクロプロピルメチル、シクロブチルエチル、シクロブチルメチルなどを意味する。
【0057】
「シクロアルキレン」は、3〜8個の環炭素原子を含む、二価の飽和または部分不飽和の単環式または架橋多環式の環集合、およびその任意の炭素環式ケトン(1個または2個のケト基)誘導体を意味する。例えば、「R1およびR1aは、R1およびR1aの両方が結合している炭素原子と共に、シクロアルキレンを形成する」実例は、下記式:

で示されるものを含むが、それに限定されるわけではない。
【0058】
「二置換アミノ」は、-NRR'ラジカル(ここで、Rは、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、またはヘテロシクリルであり、R'は、本明細書において定義される、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアシルである)を意味する。代表例は、ジメチルアミノ、メチルフェニルアミノ、ベンジルメチルアミノ、アセチルメチルアミノなどを含むが、それに限定されるわけではない。
【0059】
「疾患」は、具体的には、動物またはその一部分の任意の不健康な状態を含み、そしてその動物に適用される医学的または獣医学的処置により引き起こされるか、またはそれらに伴う不健康な状態、即ち、このような処置の「副作用」を含む。
【0060】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0061】
「ハロアルキル」は、1個または複数、好ましくは1〜5個の「ハロ」原子により置換されるアルキルを意味し、そしてこのような用語は、本出願において定義される。ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ペルハロアルキルなど、例えば、クロロメチル、ジクロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペルフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジクロロエチルなどを含む。
【0062】
「ハロアルコキシ」は、-ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のハロアルキル基である)、例えば、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、ジフルオロメトキシなどのことをいう。
【0063】
「ヘテロシクリル」は、本出願に定義される、シクロアルキル(ただし、1個または複数、好ましくは1個、2個、または3個の指示される環炭素原子が、-N=、-N-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、または-S(O)2-から選択されるヘテロ原子残基により置換されている)を意味する。代表例は、イミダゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリノ-1-オキシド、チオモルホリノ-1,1-ジオキシド、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1-オキソ-テトラヒドロチオピラニル、1,1-ジオキソテトラチオピラニル、インドリニル、ピペラジニル、ピペリジル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニルなどを含むが、それに限定されるわけではない。
【0064】
「ヘテロシクリルアルキル」は、本出願に定義される、-(アルキレン)-ヘテロシクリルを意味する。代表例は、イミダゾリジン-1-イルメチル、モルホリン-4-イルメチル、チオモルホリン-4-イルメチル、チオモルホリン-4-イルメチル-1-オキシド、インドリニルエチル、ピペラジニルメチルまたはエチル、ピペリジルメチルまたはエチル、ピロリジニルメチルまたはエチルなどを含むが、それに限定されるわけではない。
【0065】
「ヘテロシクロアルキレン」は、本出願に定義される、シクロアルキレン(ただし、1個または複数、好ましくは1個または2個の指示される環員炭素原子が、-N=、-N-、-O-、-S-または-S(O)2-から選択されるヘテロ原子残基により置換されている)を意味する。例えば、「R1およびR2が、R1およびR1aの両方が結合している炭素原子と共に、ヘテロシクロアルキレンを形成する」実例は、下記式:

[式中、Rは、発明の要約と同義の置換基である]で示されるものを含むが、それに限定されるわけではない。
【0066】
基または基の一部としての「ヘテロアリール」は、1個または複数、好ましくは1個、2個、または3個の環員が、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素または硫黄)である、約5〜約10個の環員の芳香族の単環式または多環式残基を意味する。代表的ヘテロアリール環は、ピロリル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ピラゾリルなどを含むが、それに限定されるわけではない。
【0067】
「ヘテロアリールオキシ」は、-O-Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のヘテロアリールである)を意味する。
【0068】
「ヘテロアリールオキシカルボニル」は、-C(O)O-Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のヘテロアリールである)を意味する。
【0069】
「ヘテロアロイル」は、-C(O)-Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のヘテロアリールである)を意味する。
【0070】
「ヘテロアラルキル」は、-(アルキレン)-Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のヘテロアリールである)、例えば、ピリジニルメチル、1-または2-フラニルエチル、イミダゾリルメチルなどを意味する。
【0071】
「ヘテロアリールオキシアルキル」は、-(アルキレン)-ORラジカル(ここで、Rは、上記と同義のヘテロアリールである)、例えば、フラニルオキシメチル、2-または3-インドリルオキシエチルなどを意味する。
【0072】
「ヘテロアリールスルホニル」は、-SO2Rラジカル(ここで、Rは、上記と同義のヘテロアリール基である)、例えば、ピリジニルスルホニルなどのことをいう。
【0073】
「ヒドロキシ」は、-OHラジカルを意味する。特に断りない限り、ヒドロキシラジカルを含有する本発明の化合物は、その保護誘導体を含む。ヒドロキシ残基の適切な保護基は、ベンジルなどを含む。
【0074】
「ヒドロキシアルキル」は、1個または2個のヒドロキシ基で置換される、1〜6個の炭素原子の直鎖の一価炭化水素ラジカル、または3〜6個の炭素の分岐の一価炭化水素ラジカルを意味する(ただし、2個のヒドロキシ基が存在するならば、これらは両方が同じ炭素原子上にはない)。代表例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-メチルプロピル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、1-(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシブチル、3,4-ジヒドロキシブチルおよび2-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシプロピル、好ましくは2-ヒドロキシエチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、および1-(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチルを含むが、それに限定されるわけではない。
【0075】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、その原子の結合の性質若しくは配列において、または空間におけるその原子の配置において異なる、式(Ia)または(Ib)の化合物を意味する。空間における原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。相互に鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と呼ばれ、そして重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」または時に「光学異性体」と呼ばれる。4個の同一でない置換基に結合した炭素原子は、「キラル中心」と呼ばれる。1個のキラル中心がある化合物は、反対のキラリティーの2個のエナンチオマー型を持ち、そして「ラセミ混合物」と呼ばれる。2個以上のキラル中心を持つ化合物は、2n-1個のエナンチオマー対を持つ(ここで、nは、キラル中心の数である)。2個以上のキラル中心がある化合物は、個々のジアステレオマーとして1個のキラル中心が存在するとき、立体異性体は、このキラル中心の絶対配置により特性決定することができる。絶対配置とは、キラル中心に結合している置換基の空間における配置のことをいう。エナンチオマーは、そのキラル中心の絶対配置により特性決定されて、Cahn、IngoldおよびPrelogのR-およびS-順位則により記述される。立体化学命名法のための規則、立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当技術分野において周知である(例えば、"Advanced Organic Chemistry", 4th edition, March, Jerry, John Wiley & Sons, New York, 1992を参照のこと)。式(Ia)または(Ib)の化合物を記述するために本出願において使用される名称および説明図が、全てのありうる立体異性体を包含するものであることは言うまでもない。
【0076】
更に、式(Ia)および(Ib)の化合物は、互変異性体として存在することができる。このような互変異性体型(個々の互変異性体またはその混合物)は、本発明の範囲内である。例えば、以下に示されるように、R2が水素である式(Ia)の化合物は、互変異性化させることにより、R4aが水素である式(Ib)の化合物を与えることができ、そして逆も同様である。

【0077】
当業者ならば、互変異性体の量が、立体相互作用、置換基の電子的効果、溶媒の極性、水素結合能力、温度、pHなどのような一定の条件に基づいて変化することを認めるであろう。
【0078】
「ケトまたはオキソ」は、(=O)ラジカルを意味する。
【0079】
「単置換アミノ」は、-NHRラジカル(ここで、Rは、本明細書において定義される、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアシルである)を意味する。代表例は、メチルアミノ、フェニルアミノ、ベンジルアミノ、シクロアルキルメチルアミノ、アセチルアミノ、トリフルオロアセチルなどを含むが、それに限定されるわけではない。
【0080】
「ニトロ」は、-NO2ラジカルを意味する。
【0081】
「任意の」または「任意で」または「〜であってもよい」とは、続いて記述される事象または状況が、起こっても起こらなくてもよいこと、そしてその記述が、その事象または状況が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味する。例えば、「ここで、芳香環Raは、アルキルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい」という句は、その芳香環が、本発明の範囲内に収まるためには、アルキルで置換されても、またはされなくてもよいことを意味する。
【0082】
本発明はまた、式(Ia)または(Ib)の化合物のN-オキシド誘導体を含む。N-オキシド誘導体は、窒素が酸化状態(即ち、N→O)にあり(例えば、ピリジンN-オキシド)、そして所望の薬理学的活性を有する、式(Ia)または(Ib)の化合物の誘導体を意味する。
【0083】
疾患の「病理」とは、その疾患の本質的な性質、原因および進行、ならびにその疾患の過程から生じる構造的および機能的変化を意味する。
【0084】
「薬学的に許容される」とは、一般に安全で非毒性であり、生物学的にも他の意味でも有害でない、薬学的組成物を調製するのに有用であるものを意味し、そしてヒトの薬学的使用と同様に獣医学的使用にも許容されるものを含む。
【0085】
「薬学的に許容される塩」は、上記と同義に薬学的に許容され、そして所望の薬理学的活性を有する、式(Ia)または(Ib)の化合物の塩を意味する。このような塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸と; または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o-(4-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2-エタンジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-クロロベンゼンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4-メチルビシクロ[2.2.2]オクタ-2-エン-1-カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4'-メチレンビス(3-ヒドロキシ-2-エン-1-カルボン酸)、3-フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などのような有機酸と形成される酸付加塩を含む。
【0086】
薬学的に許容される塩はまた、存在する酸性プロトンが、無機または有機塩基と反応することができるときに形成されてもよい、塩基付加塩を含む。許容される無機塩基は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウムおよび水酸化カルシウムを含む。許容される有機塩基は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルカミンなどを含む。
【0087】
本発明はまた、式(Ia)または(Ib)の化合物のプロドラッグを含む。プロドラッグとは、代謝的手段により(例えば、加水分解により)、インビボで式(Ia)または(Ib)の化合物に変換可能な化合物を意味する。例えば、ヒドロキシ基を含む式(Ia)または(Ib)の化合物のエステルは、加水分解により、インビボで親分子に変換可能であるかもしれない。または、カルボキシ基を含む式(Ia)または(Ib)の化合物のエステルは、加水分解により、インビボで親分子に変換可能であるかもしれない。ヒドロキシ基を含む式(Ia)または(Ib)の化合物の適切なエステルは、例えば、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、マロン酸、シュウ酸、サリチル酸、プロピオン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、メチレン-ビス-b-ヒドロキシナフトエ酸、ゲンチシン酸、イセチオン酸、ジ-p-トルイル酒石酸、メチルスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキシルスルファミン酸およびキナ酸エステルである。カルボキシ基を含む式(Ia)または(Ib)の化合物の適切なエステルは、例えば、F.J. Leinweber, Drug Metab. Res., 1987, 18, page 379に記載されるものである。ヒドロキシ基を含む式(Ia)または(Ib)の化合物の特に有用なエステルの分類は、Bundgaardら、J. Med. Chem., 1989, 32, page 2503-2507により記載されるものから選択される酸残基から形成することができ、そして置換(アミノメチル)-安息香酸エステル、例えば、2個のアルキル基が共に結合しているか、かつ/または酸素原子もしくは置換されてもよい窒素原子(例えば、アルキル化窒素原子)により中断されている、ジアルキルアミノ-メチル安息香酸エステル、特に (モルホリノ-メチル)安息香酸エステル、例えば、3-または4-(モルホリノメチル)-安息香酸エステル、および(4-アルキルピペラジン-1-イル)安息香酸エステル、例えば、3-または4-(4-アルキルピペラジン-1-イル)安息香酸エステルを含む。
【0088】
「保護誘導体」は、反応性部位が保護基でブロックされている、式(Ia)または(Ib)の化合物の誘導体を意味する。式(Ia)または(Ib)の化合物の保護誘導体は、式(Ia)または(Ib)の化合物の調製に有用であるか、またはそれ自体で活性なカテプシンS阻害剤であってもよい。適切な保護基の包括的リストは、T.W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc. 1999に見い出すことができる。
【0089】
「治療的有効量」は、疾患を処置するために動物に投与されるとき、このような疾患の処置が奏効するのに充分な量を意味する。
【0090】
「処置」または「処置すること」とは、本発明の化合物の任意の投与を意味し、そして以下を含む:
(1) 疾患の素因があるかもしれないが、疾患の病理または症候を、未だ経験していないか、または表していない動物において、疾患が出現するのを予防すること、
(2) 疾患の病理または症候を、経験しているか、または表している動物において、疾患を阻害すること(即ち、病理および/または症候の更なる進展を阻止すること)、または
(3) 疾患の病理または症候を、経験しているか、または表している動物において、疾患を改善すること(即ち、病理および/または症候を好転させること)。
【0091】
R1、R2、およびR5が水素であり、R4がフェニルスルホニルであり、他の基が下記表1に示されるものである、本発明の代表化合物は以下である。
【0092】
【表1】

【0093】
R1およびR2が水素であり、R4がフェニルスルホニルであり、他の基が下記表2に示されるものである、本発明の代表化合物は以下である。
【0094】
【表2】

【0095】
好ましい態様
(I) 本発明の最も広い範囲は、発明の要約に述べられるが、その中に含まれる、および発明の要約に述べられる好ましい態様内に含まれる(即ち、R38の範囲に関して)、式(Ia)および(Ib)の一定の化合物が好ましい。例えば、以下である:
【0096】
A. 1つの好ましい化合物の群は、Eが-C(R5)(R6)X1(ここで、
R5は、水素またはアルキルであり;かつ
R6は、水素、アルキル、-(アルキレン)-OR12(ここで、R12は、水素、アルキル、またはハロアルキルである)、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルであり、ここで、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキル中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のRaで置換されてもよい)である。
【0097】
好ましくは、R5は水素であり;
R6は、アルキル、好ましくはエチルであり;かつ
X1は、-CHO、-C(O)R10、-C(O)CF3、-C(O)CF2CF2R9-CH=CHS(O)2R10、-C(O)CF2C(O)NR10R11、-C(O)C(O)NR10R11、-C(O)CH2OR10、-C(O)CH2N(R11)SO2R10、-C(O)C(O)N(R11)(CH2)2OR11、-C(O)C(O)N(R11)(CH2)2NHR11または-C(O)C(O)R10(ここで、R10は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ここで、R10中の芳香環は、ヘテロアリール、アリール、またはアルキルから選択される、Rdで置換されてもよく、R11は、水素またはアルキルであり、R9は、ハロである)である。
【0098】
好ましくは、Eは-CHR6C(O)R10(ここで、R6は、アルキル、好ましくはエチル、プロピル、ブチル、更に好ましくはエチルであり、R10は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個または2個のRdで置換されてもよいヘテロアリールであり、ここで、Rd中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく、更に好ましくはR10は、ベンゾオキサゾール-2-イル、4-アザベンゾオキサゾール-2-イル、2-ピリジン-3-イル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-ピリジン-4-イル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-エチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-イソプロピル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-tert-ブチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-フェニル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-メトキシメチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-フラン-2-イル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-チエン-2-イル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(4-メトキシフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(2-メトキシフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(3-メトキシフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(2-トリフルオロメトキシフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(3-トリフルオロメトキシフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(4-トリフルオロメトキシフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、2-(4-ジメチルアミノフェニル)-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、ピリダジン-3-イル、ピリミジン-2-イル、3-フェニル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イル、3-エチル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イル、3-シクロプロピル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イル、3-チエン-3-イル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イル、3-ピリジン-4-イル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イル、3-ピリジン-2-イル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イル、5-エチル-[1.2.4]-オキサジアゾール-3-イル、5-フェニル-[1.2.4]-オキサジアゾール-3-イル、5-チエン-3-イル-[1.2.4]-オキサジアゾール-3-イル、5-トリフルオロメチル-[1.2.4]-オキサジアゾール-3-イル、5-ピリジン-4-イル-[1.2.4]-オキサジアゾール-3-イル、または5-フェニルオキサゾール-2-イル、最も好ましくはベンゾオキサゾール-2-イル、2-エチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-5-イル、および3-フェニル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イルである)である。
【0099】
B. 別の好ましい化合物の群は、Eが-C(R5)(R6)X1(ここで、R5およびR6は、R5およびR6の両方が結合している炭素原子と共に、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレン、好ましくはシクロプロピレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、チオモルホリニル-1-ジオキシド、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、テトラヒドロピラン-4-イル-1-オキシド、テトラヒドロピラン-4-イル-1,1-ジオキシド、またはピペリジン-4-イル(ここで、窒素原子は、アルキルまたはヒドロキシで置換されてもよい)、好ましくはテトラヒドロチオピラン-4-イル-1,1-ジオキシドを形成し、そしてX1は、-CHO、-C(O)R10、-C(O)CF3、-C(O)CF2CF2R9-CH=CHS(O)2R10、-C(O)CF2C(O)NR10R11、-C(O)C(O)NR10R11、-C(O)CH2OR10、-C(O)CH2N(R11)SO2R10、-C(O)C(O)N(R11)(CH2)2OR11、-C(O)C(O)N(R11)(CH2)2NR1または-C(O)C(O)R10である)である。更に好ましくは、-C(O)C(O)NR10R11(ここで、R11は水素であり、R10はベンジルである)。
【0100】
C. 更に別の好ましい化合物の群は、Eが-CH2CNである。
【0101】
D. 更に別の好ましい化合物の群は、Eが-CR5aR6aCN(ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、アルキル、ハロ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、またはアリールオキシカルボニルから独立に選択される1個または2個のRbで置換されてもよいシクロアルキレンを形成する)である。好ましくは、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、直前に記載された基で置換されてもよいシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、またはシクロヘキシレンを形成する。更に好ましくは、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘプチレン、2-メチルシクロプロピレン、3-ベンジルシクロペンチレン、3-シクロヘキシルメチルシクロペンチレン、3-シクロペンチルメチルシクロペンチレン、3-フェニルシクロペンチレン、3-シクロヘキシルシクロペンチレン、3-シクロペンチルシクロペンチレン、3-ピリジン-2-イルメチルシクロペンチレン、3-ピリジン-3-イルメチルシクロペンチレン、3-ピリジン-4-イルメチルシクロペンチレン、2-メチルシクロプロピレン、2,3-ジメチルシクロプロピレン、3-ベンジルシクロブチレン、3-メチルシクロペンチレン、3,4-ジメチルシクロペンチレン、3-エチルシクロペンチレン、3-(1,1-ジメチルプロピル)シクロペンチレン、3-n-ブチルシクロペンチレン、3-エトキシカルボニルシクロペンチレン、3,4-ジエトキシカルボニル-シクロペンチレン、または3-ベンジル-4-ジメチルアミノシクロペンチレンを形成する。最も好ましくは、シクロプロピレン。
【0102】
E. 更に別の好ましい化合物の群は、Eが-CR5aR6aCN(ここで、R5aは、水素またはアルキルであり、R6aは、アルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シアノ、-アルキレン-X-R12(ここで、Xは、-O-、-NR13-、-CONR13-、-S(O)n1-、-NHCO-、-CO-、または-C(O)O-(ここで、n1は、0-2である)であり、R12およびR13は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである)からなる群より独立に選択され、ここで、R6a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アシル、またはアルキルで置換されてもよいアリールスルホニルから独立に選択される1個、2個、または3個のRaで置換されてもよい)である。
【0103】
好ましくは、R5aは、水素であり、R6aは、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、または-アルキレン-X-R12(ここで、Xは、-O-、-NR13-、-CONR13-、-S(O)n1-、-NHCO-、-CO-、または-C(O)O-(ここで、n1は、0-2である)であり、R12およびR13は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである)であり、ここで、R6a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のRaで置換されてもよく、ここで、アルキレンS-R12中のアルキレン鎖は、1〜3個の炭素原子である。更になお好ましくは、R6aは、2-フェネチル、ベンジルオキシメチル、フェニルメタンスルファニルメチル、3-フェニルプロピル、ベンジル、2-クロロベンジルオキシメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、3-メトキシベンジルオキシメチル、4-メトキシフェニルメタンスルファニルメチル、4-メチルフェニルメタンスルファニルメチル、4-クロロベンジルオキシメチル、2-メチルベンジルオキシメチル、3-メチルベンジルオキシメチル、3-メトキシカルボニルベンジルオキシメチル、4-メトキシカルボニル-ベンジルオキシメチル、2-tert-ブトキシカルボニルエチル、2-クロロベンジル、4-クロロベンジル、3,4-ジクロロベンジル、フェニル、ピリジン-4-イル、ピリジン-3-イル、メトキシメチル、ピリジン-3-イルメチル、ピリジン-4-イルメチル、チアゾール-4-イルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-シクロヘキシルプロピル、ピペリジン-1-イルメチル、2-ピペリジン-1-イルエチル、3-ピペリジン-1-イルプロピル、1-メチルピペリジン-4-イルメチル、2-(4-メチルピペリジン-4-イル)エチル、ピロリジン-1-イルメチル、2-ピロリジン-1-イルエチル、3-ピロリジン-1-イルプロピル、2-テトラヒドロチオピラン-4-イルエチル、2-テトラヒドロピラン-4-イルエチル、テトラヒドロピラン-2-イルメチル、テトラヒドロピラン-4-メチル、3-テトラヒドロピラン-4-イルプロピル、3-テトラヒドロチオピラン-4-イルプロピル、4-シクロヘキシルブチル、N-ベンジル-N-メチルアミノメチル、N-シクロヘキシルメチル-N-メチルアミノメチル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、チエン-2-イル、4-フェニルカルボニルアミノブチル、シクロヘキシルオキシメチル、シクロヘキシルメチルオキシメチル、N-シクロヘキシル-N-メチルアミノメチル、ピリジン-4-イルメトキシメチル、2-メチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、3,3-ジメチルブチル、3-メチルブチル、モルホリン-4-イルメチル、チオモルホリン-4-イルメチル、3-モルホリン-4-イルプロピル、3-チオモルホリン-4-イルプロピル、3-(4-メチルピペリジン-1-イル)プロピル、n-プロピル、エトキシメチル、エチルチオメチル、2-メチルチオエチル、エチルスルフィニルメチル、2-エチルスルホニルエチル、2-メチルスルフィニルエチル、4-ジメチルアミノブチル、2-N,N-ジメチルアミノ-カルボニルエチル、N,N-ジメチルアミノカルボニルメチル、メトキシカルボニルメチル、インドール-3-イルメチル、1-メチルインドール-3-イルメチル、1-エチルインドール-3-イルメチル、1-(4-メチルフェニルスルホニル)インドール-3-イルメチル、1-ベンジルオキシエチル、2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル、ベンジルオキシカルボニルメチル、2-(ベンジルオキシカルボニル)エチル、4-ニトロベンジル、4-ベンジルオキシベンジル、3-クロロベンジル、4-ベンゾイルベンジル、2-メチルスルホニルエチル、ナフタ-1-イルメチル、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、チエン-2-イルメチル、ナフタ-2-イルメチル、4-ヒドロキシ-3-ヨードベンジル、4-ヒドロキシベンジル、インドール-1-イルメチル、2-インドール-1-イルエチル、3-インドール-1-イルプロピル、シクロヘプチルメチル、または3-シクロヘプチルプロピルである。
【0104】
F. 更に別の好ましい化合物の群は、Eが-CR5aR6aCN(ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、-S(O)n2R14、-アルキレン-S(O)n2-R15、-COOR16、-アルキレン-COOR17、-CONHR18R19、または-アルキレン-CONHR20R21(ここで、n2は、0-2であり、R14-R17、R18およびR20は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクリルであり、R19およびR21は、独立に、水素またはアルキルである)から独立に選択される1〜4個のRcで置換されてもよいヘテロシクロアルキレンを形成し、ここで、ヘテロシクロアルキレンに結合している基中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよい)である。好ましくは、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、上述のように置換されてもよいピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオピラン-4-イル-1-オキシド、テトラヒドロチオピラン-4-イル-1,1-ジオキシド、ヘキサヒドロピリミジニル、またはヘキサヒドロピリダジニルを形成する。更に好ましくは、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、1個または2個のアルキル、ハロアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、-アルキレン-CONHR20R21、またはシクロアルキルで置換されている、ピペリジン-4-イルを形成する。最も好ましくは、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、1位で、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、3-ジメチルアミノプロピル、4-ジメチルアミノブチル、3-モルホリン-4-イルプロピル、3-ピペリジン-1-イルプロピル、3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル、3-(1-メチルピペリジン-4-イル)プロピル、4-モルホリン-4-イルブチル、2-(2-メトキシエチルオキシ)エチル、4-メトキシブチル、4-アミノカルボニルブチル、3-アミノカルボニルプロピル、モルホリン-4-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、1-エトキシカルボニルピペリジン-4-イル、1,1-ジオキソテトラヒドロチオピラン-4-イル、ヒドロキシ、2,2,2-トリフルオロエチル、もしくはtert-ブチルで置換されてもよい、ピペリジン-4-イル; 1,2-ジメチルピペリジン-4-イル、1,2,6-トリメチルピペリジン-4-イル、1,2,2-トリメチルピペリジン-4-イル、1-メチル-2-オキソピペリジン-4-イル、1-メチルピペリジン-3-イル、1-tert-ブトキシカルボニルピペリジン-4-イル、1-シクロヘキシルピペリジン-4-イル、1-シクロプロピルメチルピロリジン-3-イル、1-ベンジルピロリジン-3-イル、1-ベンジルカルボニルピロリジン-3-イル、ピロリジン-3-イル、1-ヒドロキシピロリジン-3-イル、1-メチルピロリジン-3-イル、1-エチルピロリジン-3-イル、1-n-プロピルもしくはn-ブチルピロリジン-3-イル、1-シクロヘキシルピロリジン-3-イル、1-エチル-2,2-ジメチルピロリジン-4-イル、1-プロピル-2-メトキシカルボニルピペリジン-4-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、1-エチル-2-オキソピロリジン-3-イル、モルホリン-4-イル、1-(1-メチルピペリジン-4-イルカルボニル)ピペリジン-4-イル、1-エトキシカルボニルピペリジン-4-イル、1-ベンジルアゼチジン-3-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル-1-オキシド、またはテトラヒドロチオピラン-4-イル-1,1-ジオキシドを形成する。特に好ましくは、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、1位でメチル、エチル、2-プロピル、もしくはシクロプロピルで置換されてもよいピペリジン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル-1-オキシド、またはテトラヒドロチオピラン-4-イル-1,1-ジオキシドを形成する。
【0105】
G. 更に別の好ましい化合物の群は、Eが式(a):

[式中、
nは、0、1、または2であり、X4は、-NR22、-O-または-S-(ここで、R22は、水素、アルキル、またはアルコキシである)であり; X5は、-O-、-S(O)2-、-S-または-NR23-(ここで、R23は、水素、アルキル、-S(O)2R24、-C(O)OR26、またはアシル(ここで、R24は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、R26は、水素またはアルキルである)から選択される)である]で示される基である。好ましくは、X4は-O-であり、nは0または1であり、X5は-O-である。
【0106】
(a) (A-G)に含まれる、上の好ましい群および更に好ましい群内で、更に好ましい化合物の群は、
R1aが、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、または-アルキレン-X2-R32 [ここで、X2は、-NR33-、-O-、-S(O)n4-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NR33CO-、-CONR33-、-NR33SO2-、-SO2NR33-、-NR33COO-、-OCONR33-、-NR33CONR34、または-NR33SO2NR34-(ここで、R33およびR34は、独立に、水素、アルキル、またはアシルであり、n4は、0-2である)であり、R32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルである]であり、ここで、該アルキレン鎖は、1〜6個のハロで置換されてもよく、ここで、R1a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のReで置換されてもよい。
【0107】
好ましくは、R1aは、2-メチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、4,4-ジメチルシクロヘキシルメチル、4-エチル-4-メチルシクロヘキシルメチル、4,4-ジエチルシクロヘキシルメチル、3,3-ジメチルシクロヘキシルメチル、3,5-ジメチルシクロヘキシルメチル、1-エトキシカルボニルピペリジン-4-イルメチル、1-メチルピペリジン-4-イルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、3,3-ジメチルブチル、3-メチルブチル、2-シクロヘキシルエチル、2,2,3-トリメチルブチル、2-シクロヘキシル-2-メチルプロピル、3,3-ジメチルペンチル、3-エチル-3-メチルペンチル、2-(1-メチルシクロヘキシル)エチル、テトラヒドロナフチルメチル、2-テトラヒドロピラン-4-イルエチル、2-(1-メチルシクロプロピル)エチル、2-(1-メチルシクロプロピル)-2-メチルプロピル、2-シクロペンチルエチル、2-シクロペンチル-2-メチルプロピル、4-イソプロピル-4-メチルシクロヘキシルメチル、フェニルメタンチオメチル、フェニルメタンスルフィニルメチル、ジメチルアミノメチル、ピロリジン-1-イルメチル、ピペリジン-1-イルメチル、モルホリン-4-イルメチル、チオモルホリン-4-イルメチル、1-オキソ-チオモルホリン-4-イルメチル、1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル、テトラヒドロチオピラン-4-イルメチル、1-オキソテトラヒドロチオピラン-4-イルメチル、1,1-ジオキソテトラヒドロチオピラン-4-イルメチル、1-メチルピペラジン-4-イルメチル、ベンジルオキシメチル、n-ブチル、エトキシメチル、エチルチオメチル、エチルスルフィニルメチル、エチルスルホニルメチル、イソプロピルチオメチル、イソプロピルオキシメチル、2-ジメチルアミノエチル、2-ピペリジン-1-イルエチル、2-ピロリジン-1-イルエチル、2-メチルチオエチル、2-メチルスルフィニルエチル、2-メチルスルホニルエチル、tert-ブチルチオメチル、tert-ブチルオキシメチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、イミダゾール-4-イルメチル、4-ジメチルアミノブチル、インドール-3-イルメチル、2-ジメチルアミノカルボニルエチル、2-ピロリジン-1-イルカルボニルエチル、ジメチルアミノカルボニルメチル、ピロリジン-1-イルカルボニルメチル、メトキシカルボニルメチル、2-フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2-クロロフェニルメタンスルホニルメチル、2-ニトロフェニルメタンスルホニルメチル、2-シアノフェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン-3-イルメタンスルホニルメチル、ピリジン-2-イルメタンスルホニルメチル、ピリジン-4-イルメタンスルホニルメチル、2-フルオロフェニルメタン-チオメチル、2-クロロフェニルメタンチオメチル、2-シアノフェニルメタンチオメチル、2-ニトロフェニルメタンチオメチル、シクロヘキシルメタンチオメチル、シクロヘキシルスルフィニルチオメチル、シクロヘキシルメタンスルホニルメチル、3,4-ジクロロベンジル、2-クロロベンジル、4-エトキシベンジル、4-ニトロベンジル、ビフェン-4-イルメチル、ナフタ-1-イルメチル、2-メチルブチル、1-メチルプロピル、ナフタ-2-イルメチル、4-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-フルオロベンジル、インドール-2-イルメチル、1-ベンジルイミダゾール-4-イルメチル、2-フェネチル、4-ヒドロキシベンジル、2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル、4-エチル-4-メチルピペリジン-1-イルメチル、2-メチルシクロヘキシルメチル、4-メトキシシクロヘキシルメチル、インドール-1-イルメチル、1-メチルピペリジン-2-イルメチル、2-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-3-イルエチル8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イルメチル、ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イルメチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-イルメチル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-イルメチル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-4-イルメチル、2-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1-イルエチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエチル、チオフェン-2-スルホニルメチル、3-クロロ-2-フルオロフェニルメタン-スルホニルメチル、ベンゼンスルホニルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、2-ベンゼンスルホニルエチル、2-(ピリジン-2-イルスルホニル)エチル、2-(ピリジン-4-イルスルホニル)エチル、2-フェニルメタンスルホニル-エチル、オキシピリジン-2-イルメタンスルホニルメチル、4-メトキシフェニル-メタンスルホニルメチル、p-トリルメタンスルホニルメチル、4-クロロフェニルメタンスルホニルメチル、o-トリルメタンスルホニルメチル、3,5-ジメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2-ブロモフェニルメタンスルホニルメチル、ナフタ-2-イルメタンスルホニルメチル、3-メチルフェニルメタンスルホニルメチル、3-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、3-トリフルオロメトキシフェニルメタン-スルホニルメチル、4-フルオロ-2-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-6-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2,6-ジフルオロベンジル、1-メチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシル、ピリジン-4-イルメチル、3-クロロフェニルメタンスルホニルメチル、2-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4-tert-ブチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-3-メチルフェニルメタンスルホニル-メチル、3-フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、4-フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,6-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5-ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、3,4-ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、2-(1,1-ジフルオロメトキシ)フェニルメタンスルホニルメチル、3-シアノフェニルメタン-スルホニルメチル、2-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2,3-ジフルオロフェニルメタン-スルホニルメチル、2,5-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、ビフェニル-2-イルメタン-スルホニルメチル、シクロヘキシルメチル、3-フルオロフェニル-メタンスルホニルメチル、2-ピリジン-2-イルスルホニルエチル、2-フェニルスルホニルエチル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、2,2-ジクロロ-3-フェニルプロピル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2-ジクロロエチル、1,4-ジメチルシクロペンチルメチル、3,4-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4,6-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4,5-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,4-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,5-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5,6-トリフルオロフェニルメタンスルホニル-メチル、2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-メチルプロパン-1-スルホニルメチル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチル-フェニルメタンスルホニルメチル、4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニルメタンスルホニルメチル、2-メトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル-メタンスルホニルメチル、4-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2,6-ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、ビフェニル-4-イルメタンスルホニルメチル、3,5-ジメチル-イソオキサゾール-4-イルメタンスルホニルメチル、5-クロロチエン-2-イルメタン-スルホニルメチル、2-[4-(1,1-ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニル]エチル、2-[2-(1,1-ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニル]エチル、2-[3-(1,1-ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニル]エチル、2-(4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2-(3-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)-エチル、2-(2-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)-エチル、(シアノメチルメチルカルバモイル)メチル、ビフェニル-3-イルメチル、2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエチル、2-ベンゼンスルホニルエチル、イソブチルスルファニルメチル、2-フェニルスルファニルエチル、シクロヘキシルメタンスルホニルメチル、2-シクロヘキシルエタンスルホニル、ベンジル、ナフタ-2-イル、フェニルメタンスルファニルメチル、2-トリフルオロメチルフェニルメタンスルファニルメチル、フェニルスルファニルエチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、2-メチルプロピルスルホニルメチル、5-ブロモチエン-2-イルメチル、3-フェニルプロピル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、3,4,5-トリメトキシ-フェニルメタンスルホニル-メチル、2,2-ジフルオロ-3-チエン-2-イルプロピル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、tert-ブチルメチル、1-メチルシクロヘキシルメチル、1-メチルシクロペンチルメチル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、2,2-ジメチル-3-フェニルプロピル、1-ベンジルシクロプロピルメチル、またはベンジルオキシメチルである。
【0108】
更に好ましくは、R1aは、シクロヘキシル、2-シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、tert-ブチルメチル、1-メチルシクロヘキシルメチル、1-メチルシクロペンチルメチル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、2,2-ジクロロ-3-フェニルプロピル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2-ジクロロエチル、1,4-ジメチルシクロペンチルメチル、2,2-ジメチル-3-フェニルプロピル、1-ベンジルシクロプロピルメチル、2-(1,1-ジフルオロメトキシ)フェニル-メタンスルホニルメチル、2-(1,1-ジフルオロメトキシ)フェニルメタンオキシメチル、ピリジン-4-イルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン-2-イルメタンスルホニルメチル、ピリジン-4-イルメタン-スルホニルメチル、2-メチルプロピルスルホニルメチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、ピリジン-3-イルメタンスルホニルメチル、2,6-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2-ピリジン-2-イルスルホニルエチル、2-フェニルスルホニルエチル、ベンジルオキシメチル、2,2-ジメチルプロピル、シクロペンチルメチル、モルホリン-4-イルメチル、5-ブロモチエン-2-イルメチル、ピリジン-4-イルメチル、2-クロロベンジル、または4-フルオロベンジルであり;そして
R1は、水素である。
【0109】
(b) (A-F)群内の更に別のより好ましい化合物の群は、R1およびR1aが、これらが結合している炭素原子と共に、シクロヘキシレンまたはヘテロシクロアルキレン、好ましくは3,3-ジメチルシクロブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロオクチル、テトラヒドロチオピラン-1,1-ジオキシド、またはピペリジン-4-イル(ここで、ピペリジニル環の1位の窒素原子は、Rf(ここで、Rfは、アルキルまたは-SO2R(ここで、Rf中の環は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、またはカルボキシから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよい)で置換されてもよい)を形成する。
【0110】
(l) 上記の好ましい群、更に好ましい群、および一層好ましい群の中で、特に好ましい化合物の群は、
R3が、水素、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル、アルキルSO2アルキル、シクロアルキルSO2アルキル、アリールSO2アルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリルまたはアミノであり、ここで、R3中の芳香環または脂環は、1個、2個、または3個のRgにより置換されてもよく;
各Rgが、独立に、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、カルボキサミド、シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、アルコキシ、-COR(ここで、Rはアルキルである)、-OC(O)R(ここで、Rは、アルコキシまたはアリールである)、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル(ここで、窒素原子は、アルキル、アリール、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニルまたはキノキサリニルにより、単置換または独立に二置換されてもよい)、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アミノ(ここで、窒素原子は、アルキル、アリール、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニルまたはキノキサリニルにより、単置換または独立に二置換されてもよい)であり、ここで、Rg中の芳香環または脂環は、更に、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキサミド、シアノ、ニトロ、アリールまたはシクロアルキルから独立に選択される1個、2個または3個のRhにより置換されてもよく;
R2が、水素またはメチルであり;
R4が、発明の要約と同義であり;そして
R4aが、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、またはヒドロキシである。
【0111】
好ましくは、R3は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、またはアミノであり、ここで、R3中の芳香環または脂環は、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、カルボキサミド、シクロプロピル、フェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チエニル、イミダゾリル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、カルバモイル(ここで、窒素原子は、メチル、エチルまたはフェニルで、単置換または独立に二置換される)、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、メチルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、アミノ(ここで、窒素原子は、メチルまたはフェニルで、単置換または独立に二置換される)から独立に選択される1個、2個、または3個のRgで置換されてもよく、ここで、Rg中の芳香環または脂環は、更に、メチル、シクロプロピル、フェニル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、またはカルボキサミドから独立にされる、1個、2個、または3個のRhで置換されてもよい。
【0112】
更になお好ましくは、R3は、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニルまたはアミノであり、ここで、R3中の芳香環または脂環は、メチル、フルオロ、クロロ、フェニル、チエニル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、カルバモイル(ここで、窒素原子は、メチルまたはフェニルで、単置換または独立に二置換される)、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、アミノ(ここで、窒素原子は、メチルまたはフェニルで、単置換または独立に二置換される)から独立に選択される1個、2個、または3個のRgで置換されてもよく、ここで、Rg中の芳香環または脂環は、メチル、シクロプロピル、フェニル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシ、またはカルボキサミドから独立に選択される1個、2個、または3個のRhで置換されてもよい。最も好ましくは、R3は、水素、イソプロピル、ベンジルオキシ、シクロヘキシル、フェニル、4-メトキシフェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、2-フルオロフェニル、2-フルオロ-4-クロロフェニル、ナフチル、メチル、ピペリジニル、モルホリニル、フラニル、チエニル、ピリジン-4-イル、ピラジニル、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノまたはジエチルアミノである。特に好ましくは、R3は、水素またはメチルであり;
R4aは、水素、アルキルまたはアルコキシ;好ましくは、水素であり;そして
R4は、-S(O)2R38(ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり;ここで、Ri中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい)である。好ましくは、R4はフェニルスルホニルである。
【0113】
H. 式(Ia)または(Ib)の別の好ましい化合物の群は、R4が-S(O)2R38(ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり、ここで、Ri中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい)である。好ましくは、R4はフェニルスルホニルである。この群の中で、更に好ましい群は、R1、R1a、R2-R4およびR4aが、上の好ましい態様に記載されるものである。好ましい群および更に好ましい群の中で、化合物の更になお好ましい群は、Eが上の(A-G)群と同義である。
【0114】
I. 式(Ia)または(Ib)の別の好ましい化合物の群は、
R1、R2、およびR4aが、水素であり;
R1aが、シクロアルキルアルキル(ここで、脂環は、アルキル、ヘテロアラルキル、または-アルキレン-S(O)n4-R32(ここで、n4は、0〜2であり、R32は、アラルキル(ここで、芳香環は、ハロアルコキシで置換されてもよい)である)で置換されてもよい)であり;
R3が、水素、アルキル、ヘテロシクリル、またはアルキルチオであり;
R4が、フェニルスルホニルであり;
Eが、-CHR6COR10(ここで、R6は、アルキルであり、R10は、ヘテロアリール(アルキルまたはアリールで置換されてもよい)、-CH2CN、または-CR5aR6a(ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンを形成する)である)であるもの; または薬学的に許容されるその塩である。
【0115】
当業者ならば、この群の化合物が互変異性化することにより、式(Ib) (式中、R4aは水素である)の化合物が得られることは認識できる。存在する各互変異性体の量は、立体障害、pH、温度などのような種々の条件に依存する。したがって、この群は、式(Ia)の化合物の個々の互変異性体型、並びにその混合物を包含する。
【0116】
上述の好ましい態様への参照は、特に断りない限り、特定の群および好ましい群の全ての組合せを含む。
【0117】
一般合成スキーム
本発明の化合物は、下記の反応スキームに示す方法によって製造することができる。
【0118】
これらの化合物を調製する際に用いる出発原料および試薬は、Aldrich Chemical Co.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、Bachem(カリフォルニア州トランス)もしくはSigma(St. Louis, Mo.)などの商業的供給元から入手可能であるか、またはFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis、第1巻〜第17巻(John Wiley and Sons、1991);Rodd's Chemistry of Carbon Compounds、第1巻〜第5巻および付録(Elsevier Science Publishers、1989);Organic Reactions、第1巻〜第40巻(John Wiley and Sons、1991)、March's Advanced Organic Chemistry、(John Wiley and Sons、第4版)ならびにLarock's Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.、1989)などの参考文献に示されている手順に従い、当業者には公知の方法で調製する。これらのスキームは、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法の単なる例示であり、これらのスキームに様々な改変を加えることが可能で、そのことは本開示を読んだ当業者に示唆される。
【0119】
反応の出発原料および中間体は、望ましいならば、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィなどを含むが、これらに限定されることはない、通常の技術を用いて単離および精製することができる。そのような材料は、物理定数およびスペクトルデータを含む通常の手段を用いて特徴付けることができる。
【0120】
特記されない限り、本明細書に記載の反応は、大気圧下、約-78℃から約150℃、より好ましくは約0℃から約125℃、最も好ましくはほぼ室温(または周囲温度)、例えば約20℃の温度範囲で行う。
【0121】
本明細書に以降記載される反応では、好ましくない反応への関与を回避するために、反応性官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基(これらは、最終生成物においては所望される)を保護する必要があるかもしれない。従来の保護基を、標準実施法により使用することができる(例えば、T.W. Greene and P.G.M. Wuts in "Protective Groups in Organic Chemistry" John Wiley and Sons, 1999を参照のこと)。
【0122】
Eが、-C(R5)(R6)X1または-C(R5a)(R6a)CNであり、R1、R1a、R2、R3、R4、R5、R5a、R6およびR6aが、発明の要約と同義である、式(Ia)の化合物は、以下の反応スキーム1と同様に処理することにより調製することができる。
【0123】
スキーム1

【0124】
式(Ia)の化合物は、式3(式中、R'はアルキルである)のアミノ酸を、式1のチオンと反応させることにより、式4の化合物を得ることによって調製することができる。この反応は、ヨウ化2-クロロ-1-メチルピリジニウム(Yong, Y.F. et al., J. Org. Chem. 1997, 62, 1540)、ホスゲンまたはトリホスゲン(Barton, D.H. et al., J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 1982, 2085)、ハロゲン化アルキル(Brand, E and Brand, F.C., Org. Synth., 1955, 3, 440)、またはカルボジイミド(Poss, M.A. et al., Tet. Lett., 1992, 40, 5933)のような、適切なカップリング剤の存在下で行われる。
【0125】
または、式4の化合物を、式2の化合物を式3のアミノ酸と反応させることにより、調製する。この反応は、トリエチルアミンのような塩基の存在下で行われてもよい。適切な反応条件は、当業者には公知であり、このようなアミン付加の例は、例えば、Haake, M.ら、Synthesis, 1991, 9, 753; Dauwe, C.ら, Synthesis, 1995, 2, 171, Reidら、Justus Liebigs Ann. Chem., 1966, 97, 696;およびDean N.D.とPapadopoulos, E.P. J. Het. Chem., 1982, 19, 1117に見い出すことができる。
【0126】
化合物1、2および3は、市販されているか、またはこれらは、当該分野において周知の方法により調製することができる。例えば、R3が、フェニル、4-メトキシフェニル、または4-フルオロフェニルであり、R4が発明の要約と同義である、式1の化合物は、それぞれ、市販のチオベンズアミド、4-フルオロチオベンズアミドおよび4-メトキシチオベンズアミドを、R38SO2L(ここで、Lは、ハロのような適切な脱離基である)と、当該分野において周知の条件下(例えば、米国特許第6,136,844号(これの開示は、全体として参照により本明細書に組み入れられる)を参照のこと)で反応させることにより、容易に調製することができる。例えば、R3がフェニルであり、R4が-SO2R38である、式1の化合物は、チオベンズアミドを、R38SO2Clと、トリエチルアミン、ピリジンなどのような塩基の存在下で、かつテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタンなどのような適切な有機溶媒中で反応させることにより調製することができる。
【0127】
式2の化合物は、市販されているか、または当該分野において公知の方法により調製することができる。幾つかのこのような方法は、Francesconi, I.ら、J. Med. Chem., 1999, 42, 2260; Kurzer, F.ら、Org. Synth. 1963, 645;およびFutman, A.D., 米国特許第3,984,410号に記載されている。例えば、エチル=ベンゼンスルホニル=ホルムイミダートは、H. Stetter, D.H. Theisen, Chem Ber., 1969, 102, 1641-42およびOrtiz, J.A., Arzneim.-Forsch./Drug Res, 1977, 47, 431-434に記載される方法により調製することができる。
【0128】
アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、ヒスチジン、およびリシンのエステル類のような、式3のアミノ酸は、市販されている。他のものは、当該分野において周知の方法により調製することができる。幾つかのこのような方法は、PCT出願公開番号WO 00/55144、WO 01/19816、WO 02/20485、WO 03/029200、米国仮出願第60/422,337号、米国特許第6,353,017B1号、6,492,662B1号、353,017B1号および6,525,036B1号に記載されており、これらの開示は、全体として参照により本明細書に組み入れられる。
【0129】
4中のエステル基の加水分解、およびこれに続く生じた酸と式5(ここで、Eは発明の要約と同義である)のアミンとの反応により、式(Ia)の化合物が得られる。この反応は、適切なカップリング剤(例えば、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリスピロリジノホスホニウム(PyBOP(登録商標))、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ヘキサフルオロリン酸 O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム(HATU)、ヘキサフルオロリン酸O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチル-ウロニウム(HBTU)、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など)ならびに任意で適切な触媒(例えば、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)など)および非求核性塩基(例えば、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンなど、または任意の適切なその組合せ)により、周囲温度で達成することができ、そして終了には5〜10時間を要する。適切な反応溶媒は、ジメチルホルムアミド、塩化メチレンなどを含むが、それに限定されるわけではない。
【0130】
または、化合物4の遊離酸は、酸ハロゲン化物に変換し、次に5と反応させることにより、式(Ia)の化合物を得ることができる。この反応は、トリエチルアミン、ピリジンなどのような塩基の存在下で、そしてテトラヒドロフラン、ジオキサンなどのような適切な有機溶媒中で行われる。
【0131】
Eが-CR5R6X1である、式5の化合物は、米国特許出願第60/373,176号、09/525,507号、および10/035,783号(これらの開示は、全体として参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている方法により調製することができる。Eが-CR5aR6aCNである、式5の化合物は、市販されているか、または当該分野において周知の方法により調製することができる。例えば、アミノアセトニトリルは市販されている。他のニトリル類は、米国特許出願第60/431,354号; PCT出願公開番号WO 01/19816、WO 02/20485、WO 03/029200、米国特許第6,420,364B1号、6,353,017B1号、6,492,662B1号、および6,525,036B1号(これらの開示は、全体として参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている方法により調製することができる。
【0132】
式(Ia)の化合物は、式(Ia)の他の化合物に変換することができる。例えば、Eが-C(R7)(R8)R10(ここで、R7は水素であり、R8はヒドロキシである)である、式(Ia)の化合物は、ヒドロキシ基の酸化により、Eが-COR10である、式(Ia)の他の化合物に変換することができる。この酸化反応は、酸化剤(例えば、Dess-Martinのペルヨージナン(Periodinane)(登録商標)、TEMPO/漂白剤など)により、適切な溶媒(例えば、メタノール、水など、または任意の適切なその組合せ)中で周囲温度にて行われ、そして終了には16〜24時間を要する。更に、前述のように、R2が水素である、式(Ia)の化合物は、互変異性化させることにより、R4aが水素である、式(Ib)の対応する化合物を得ることができる。
【0133】
反応スキーム1中のプロセスによる、式(Ia)の化合物の合成のための詳細な説明は、以下実施例1に述べられる。
【0134】
または、Eが、-C(R5)(R6)X1または-C(R5a)(R6a)CNであり、R1、R1a、R2、R3、R4、R5、R5a、R6およびR6aが、発明の要約と同義である、式(Ia)は、以下の反応スキーム2のように処理することにより調製することができる。
【0135】
スキーム2

【0136】
LGがハロのような脱離基である、式6の化合物と、式3のアミノ化合物との反応により、式4の化合物を得て、次にこれを、上述のように式(Ia)の化合物に変換する。この反応は、当該分野において周知の方法により行われる。幾つかのこのような方法は、Dunn, A.D., Org. Prep. Proceed. Int., 1998, 30, 709; Lindstroem, S.ら、Heterocycles, 1994, 38, 529; Katrizky, A.R.ら、Synthesis, 1990, 561; Hontz, A.C.ら、Org. Synth., 1963, IV, 383;およびStephen, H., J. Chem. Soc., 1957, 490に記載されている。
【0137】
または、Eが、-C(R5)(R6)X1または-C(R5a)(R6a)CNであり、R3、R4、R1、R1a、R5、R5a、R6およびR6aが、発明の要約と同義である、式(Ia)の化合物は、以下の反応スキーム3のように処理することにより調製することができる。
【0138】
スキーム3

【0139】
式1、2または6の化合物と式7のアミノ化合物との反応により、式(Ia)の化合物が得られる。この反応は、上のスキーム1に記載された反応条件下で行われる。式7の化合物は、式3 (R'=H)のアミノ酸を式5のアミノ保護化合物と、上述のカップリング反応条件下で反応させ、続いてアミノ保護基を脱離することにより、調製することができる。適切なアミノ保護基は、tert-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含むが、それに限定されるわけではない。または、Eが-CR5aR6aCNである、式7の化合物は、5を式: CR5aR6a(CONH2)(NH2)のアミノアミドと反応させ、続いて生じたアミドを、ジメチルホルムアミド中の塩化シアヌルのような適切な脱水剤で脱水することにより、調製することができる。
【0140】
式(Ia)および(Ib)の化合物を調製するために利用することができる他の方法は、PCT出願公開番号WO 02/20485およびWO 03/029200、ならびに米国特許第6,420,364号(これらの開示は、全体として参照により本明細書に組み入れられる)に記載されている。
【0141】
式(Ia)または(Ib)の化合物を調製するための追加の方法:
式(Ia)または(Ib)の化合物は、遊離塩基型の化合物を薬学的に許容される無機または有機酸と反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として調製することができる。または、式(Ia)または(Ib)の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、遊離酸型の化合物を薬学的に許容される無機または有機塩基と反応させることにより、調製することができる。式(Ia)または(Ib)の化合物の薬学的に許容される塩の調製に適している無機および有機の酸および塩基は、本出願の定義の項に説明される。または、塩の型の式(Ia)または(Ib)の化合物は、出発物質または中間体の塩を用いて調製することができる。
【0142】
式(Ia)または(Ib)の化合物の遊離酸または遊離塩基型は、対応する塩基付加塩または酸付加塩型から調製することができる。例えば、酸付加塩型としての式(Ia)または(Ib)の化合物は、適切な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩型としての式(Ia)または(Ib)の化合物は、適切な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより、対応する遊離酸に変換することができる。
【0143】
式(Ia)または(Ib)の化合物のN-オキシドは、当業者には公知の方法により調製することができる。例えば、N-オキシドは、非酸化型の式(Ia)または(Ib)の化合物を酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、過マレイン酸、過安息香酸、過酢酸、メタ-クロロペルオキシ安息香酸など)で適切な不活性有機溶媒(例えば、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素)中で約0℃で処理することにより、調製することができる。または、式(Ia)または(Ib)の化合物のN-オキシドは、適切な出発物質のN-オキシドから調製することができる。
【0144】
非酸化型の式(Ia)または(Ib)の化合物は、式(Ia)または(Ib)の化合物のN-オキシドから、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン、三臭化リンなど)で適切な不活性有機溶液(例えば、アセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中で0〜80℃にて処理することにより、調製することができる。
【0145】
式(Ia)または(Ib)の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者には公知の方法により調製することができる(例えば、更に詳細に関しては、Saulnierら(1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照のこと)。例えば、適切なプロドラッグは、式(Ia)または(Ib)の非誘導体化化合物を適切なカルバミル化剤(例えば、1,1-アシルオキシアルキルカルボノクロリダート、パラ-ニトロフェニル炭酸エステルなど)と反応させることにより、調製することができる。
【0146】
式(Ia)または(Ib)の化合物の保護誘導体は、当業者には公知の手段により製造することができる。保護基の作成およびその脱離に適用できる技術の詳細な説明は、T.W. Greene, Protecting Groups in Organic Synthesis, 3rd edition, John Wiley & Sons, Inc. 1999に見い出すことができる。
【0147】
本発明の化合物は、便利には、溶媒和物(例えば、水和物)として、調製されるか、または本発明の過程で形成されてもよい。本発明の化合物の水和物は、便利には、ジオキサン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を用いる、水性/有機溶媒混合物からの再結晶により調製することができる。
【0148】
式(Ia)または(Ib)の化合物は、化合物のラセミ混合物を、光学活性分割剤と反応させることにより、一対のジアステレオ異性体化合物を形成し、このジアステレオマーを分離し、そして光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより、その個々の立体異性体として調製することができる。エナンチオマーの分割は、式(Ia)または(Ib)の化合物の共有結合ジアステレオマー誘導体を用いて行うことができるが、解離性複合体が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオ異性体塩)。ジアステレオマーは、相異なる物性(例えば、融点、沸点、溶解度、反応性など)を持ち、これらの非類似性を活用して容易に分離することができる。ジアステレオマーは、クロマトグラフィーにより、または好ましくは、溶解度の差に基づく分離/分割法により、分離することができる。次に光学的に純粋なエナンチオマーは、ラセミ化が起こらないであろう任意の実用的手段により、分割剤と一緒に回収される。ラセミ混合物からの化合物の立体異性体の分割に適用できる方法の更に詳細な説明は、Jean Jacques Andre Collet, Samuel H. Wilen, Enantiomers, Racemates and Resolutions, John Wiley & Sons, Inc. (1981)に見い出すことができる。
【0149】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、システインプロテアーゼ、特にカテプシンS、K、B、および/またはFの選択的阻害剤であり、よって、システインプロテアーゼ活性が疾患の病理および/または症候を導く疾患を処置するのに有用である。例えば、本発明の化合物は、自己免疫疾患(若年型糖尿病、乾癬、多発性硬化症、尋常性天疱瘡、Graves'病、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチおよび橋本甲状腺炎を含むが、それに限定されるわけではない)、アレルギー疾患(喘息を含むが、それに限定されるわけではない)、同種免疫反応(臓器移植または組織移植を含むが、それに限定されるわけではない)および子宮内膜症を処置するのに有用である。
【0150】
カテプシンSはまた、過度の弾力線維分解を伴う疾患(慢性閉塞性肺疾患(例えば、肺気腫)、細気管支炎、喘息における過度の気道弾力線維分解および気管支炎など)、肺炎および心血管疾患(粥腫崩壊およびアテロームなど)にも関わっている。カテプシンSは、フィブリル形成に関わっているため、カテプシンSの阻害剤は、全身性アミロイドーシスの処置に役立つ。
【0151】
本発明の化合物のシステインプロテアーゼ阻害活性は、当業者には公知の方法によって評価することができる。プロテアーゼ活性および試験化合物によるその阻害を測定するための適当なインビトロアッセイは公知である。典型的には、アッセイはプロテアーゼによるペプチド性基質の加水分解を測定する。プロテアーゼ阻害活性を測定するためのアッセイの詳細は、下記の生物学試験例1〜5に示している。
【0152】
投与および薬学的組成物
一般に、式(Ia)および(Ib)の化合物は、当技術分野において公知の通常の許容される任意の様式を介し、単独または一つもしくは複数の処置薬との組み合わせのいずれかにより、治療的有効量で投与することになる。治療的有効量は、疾患の重症度、被験者の年齢および相対的健康、用いる化合物の効力、ならびに他の因子に応じて大きく変動することがある。例えば、式(Ia)および(Ib)の化合物の治療的有効量は、一日に体重1キログラムあたり約10マイクログラム(μg/kg)から一日に体重1キログラムあたり約20ミリグラム(mg/kg)、典型的には約100μg/kg/日から約10mg/kg/日の範囲でありうる。したがって、80kgのヒト患者に対する治療的有効量は、約1mg/日から約1.6g/日、典型的には約1μg/日から約100mg/日の範囲でありうる。一般に、当業者が個人の知識と本明細書の開示を頼りに行動すれば、所与の疾患を処置するための式(Ia)および(Ib)の化合物の治療的有効量を確認することができると思われる。
【0153】
式(Ia)および(Ib)の化合物は、下記の経路の一つにより、薬学的組成物として投与することができる:経口、全身(例えば、経皮、鼻腔内または坐剤により)または非経口(例えば、筋肉内、静脈内または皮下)。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体、散剤、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル、エアロゾル、またはいかなる他の適当な組成物の形を取ることもでき、一般には、式(Ia)および(Ib)の化合物と少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤との組み合わせで構成される。許容される賦形剤は、非毒性で、投与を助け、活性成分の処置上の利益に有害な影響を与えない。そのような賦形剤は、当業者には一般に利用可能な、いかなる固体、液体、半固体、またはエアロゾル組成物の場合には気体の賦形剤であってもよい。
【0154】
固体薬学的賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、穀粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳などが含まれる。液体および半固体賦形剤は、水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコールおよび石油、動物性、植物性または合成のもの(例えば、落花生油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など)を含む様々な油から選択することができる。好ましい液体担体、特に注射用液剤のためのものには、水、生理食塩水、水性デキストロースおよびグリコールが含まれる。
【0155】
組成物中の式(Ia)および(Ib)の化合物の量は、製剤の種類、単位用量のサイズ、賦形剤の種類、および薬学分野の技術者には公知の他の因子に応じて大きく変動することがある。一般に、所与の疾患を処置するための、式(Ia)および(Ib)の化合物の組成物は、0.01重量%から10重量%、好ましくは0.3重量%から1重量%の活性成分を含み、残りは一つまたは複数の賦形剤である。好ましくは、薬学的組成物は継続処置のための一回用量剤形で、または症状の軽減が特に必要とされる場合には、適宜、一回用量剤形で投与する。式(Ia)および(Ib)の化合物を含む代表的な薬学的製剤を以下に記載する。
【0156】
実施例
本発明は、本発明の式(Ia)または(Ib)の化合物(実施例)および中間体(参考例)の調製法を説明する、以下の実施例により更に例証されるが、それに限定されるわけではない。
【0157】
基本手順
実施例A
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2-メトキシフェニル)ペンタン酸の合成

d,l-2-メトキシ-α-メチルベンジルアルコール(0.5g、3.29mmol)に、48%HBr水溶液(2mL)を加え、反応混合物を1.5時間急速撹拌した。反応混合物をヘキサン(30mL)で希釈し、水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させた。未精製の臭化d,l-2-メトキシ-α-メチルベンジルを、水素化トリブチルスズ(0.67mL、2.49mmol)、Z-デヒドロアラニンメチルエステル(0.25g、1.06mmol)、および2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(15mg、0.09mmol)のベンゼン溶液(5mL)に加えた。反応混合物を窒素雰囲気下、80℃で5時間加熱した。ベンゼンを減圧下で除去し、残渣をメタノール(20mL)に溶解した。2N KOH(5mL)を加え、混合物を室温で一晩急速撹拌した。メタノールを減圧下で除去し、残渣を水(20mL)で希釈した。水溶液をエーテルで洗浄してスズ副産物を除去した。水層を6N HCl水溶液で酸性化し、生成物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で蒸発させて、2-ベンジルオキシ-カルボニルアミノ-4-(2-メトキシフェニル)ペンタン酸(190mg、0.53mmol)を、それ以上の精製なしで用いるのに十分純粋な形のジアステレオマーの混合物で得た。MS: (M++H) 358, (M+-H) 356.
【0158】
上述の手順により、および適切な出発物質を利用して、以下のアミノ酸を調製した:
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2-メトキシフェニル)ヘキサン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(4-フルオロフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(4-クロロフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(4-メトキシフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2-トリフルオロメチルフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(3-トリフルオロメチルフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(ナフタ-1-イル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2,6-ジメチルフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2,4-ジフルオロフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2,4-ジメチルフェニル)ペンタン酸;
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2,5-ジメチルフェニル)ペンタン酸; および
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4(RS)-(2,4-ジクロロフェニル)ペンタン酸。
【0159】
ベンジルオキシカルボニル基は、以下の実施例Cに記載されるように脱離することにより、対応する遊離アミノ酸を得ることができる。
【0160】
実施例B
2(S)-2,6-ジフルオロフェニルアラニンの合成

工程1
N-(ベンジルオキシカルボニル)-α-ホスホノグリシントリメチルエステル(Aldrich No. 37,635-3;6.7g、20mmol)および1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン(Aldrich No.13,900-9;3.3mL、22mmol)を塩化メチレン(11mL)に溶解し、室温で15分間撹拌し、次いで<-30℃に冷却した。塩化メチレン(25mL)中の2,6-ジフルオロベンズアルデヒド(1.9mL、20mmol)の溶液を反応混合物に、20分かけて滴加した。反応混合物をさらに20分間撹拌し、次いで室温に戻して30分間撹拌した。次いで、反応混合物をエチルエーテル(300mL)に注ぎ、1N HCl、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥した。ロータリーエバポレーターで蒸発させて、2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(2,6-ジフルオロフェニル)アクリル酸メチルエステルを得た。この粗生成物を中圧液体カラムのクロマトグラフィ(MPLC)で、20%酢酸エチル/80%ヘキサンで溶出して精製し、純粋な生成物を得た(5g、収率72%、液体)。
【0161】
工程2
2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(2,6-ジフルオロフェニル)アクリル酸メチルエステル(14.4mmol)、および触媒、(+)-1,2-ビス-[(2S,5S)2,5-ジエチルホスホラノ]ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(Strem. Chemical No. 45-0151;104mg、0.14mmol)の混合物をエタノール(150mL)に溶解した。水素添加を50psiのH2、室温で2日かけて実施した。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去して、2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(2,6-ジフルオロフェニル)プロピオン酸メチルエステルを得た。
【0162】
工程3
2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(2,6-ジフルオロフェニル)プロピオン酸メチルエステル(5g、14.4mmol)をメタノール(60mL)に溶解し、氷上で冷却した。1N NaOH(22mL、22mmol)を15分かけて滴加した。反応混合物を冷却から取り出し、室温で4時間撹拌を続けた。次いで、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去した。残渣を水(100mL)で処理し、次いで1N HClでpH4に調節した。生成物を酢酸エチル(300mL、200mL)で抽出した。溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレン/ヘキサンから結晶化させて、2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(2,6-ジフルオロフェニル)プロピオン酸(4.6g、13.7mmol、収率94%)を得た。
【0163】
工程4
2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(2,6-ジフルオロフェニル)プロピオン酸をエタノール(25mL)中、5%パラジウム/活性炭(600mg)存在下、50psiで24時間水素添加した。触媒をセライトを通してろ過することにより除去し、溶媒を蒸発させて残渣を得、これをエチルエーテルから結晶化させて、2(S)-2,6-ジフルオロフェニルアラニン(2.2g、11mmol、収率80%)を得た。

【0164】
実施例C
2(RS)-アミノ-4(RS)-6,6-トリメチルヘプタン酸の合成

工程1
3,5,5-トリメチルヘキサナール(17.4mL、0.10mol)、塩化アンモニウム(53.5g、0.205mol)およびジエチルエーテル(113mL)の混合物に、水(38mL)中のシアン化ナトリウム(7.35g、0.15mol)を加えた。反応混合物を16時間激しく撹拌した。層を分離した。水層をジエチルエーテルで抽出した。合わせた有機層を次いで1N HClで抽出した。次いで、飽和炭酸水素ナトリウムを1-シアノ-3,5,5-トリメチル-ヘキシルアミンが完全に沈殿するまで加えた。減圧ろ過し、5mLの氷冷水で洗浄した後、凍結乾燥して、1-シアノ-3,5,5-トリメチルヘキシルアミン(5.805g、0.034mol、34.5%)を白色固体で得た。
【0165】
工程2
1-シアノ-3,5,5-トリメチルヘキシルアミン(1.02g、5.0mmol)を6N HCl(10mL)で処理し、30時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した。水(50mL)を加え、混合物をジエチルエーテルで洗浄した。水層を2M KOHでpH8.5まで塩基性化した。生成した白色沈殿を減圧ろ過により回収して、2(RS)-アミノ-4(RS)-6,6-トリメチル-ヘプタン酸(364mg)を得た。
【0166】
実施例D
2(RS)-アミノ-4-メチル-4-フェニルペンタン酸の合成

工程1
4-メチル-4-フェニル-1-ペンテンを、2-フェニル-2-プロパノールと3-(トリメチルシリル)プロペンをCella, J. Org. Chem., 1982, 47, 2125-2130の方法により反応させて調製した。
【0167】
工程2
4-メチル-4-フェニル-1-ペンテンをジクロロメタン中、-78℃でオゾン分解した後、二硫化ジメチルで反応停止して粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィで精製して、3-メチル-3-フェニルブタナールを得、これを前述の実施例Dに記載のとおりに進めて、表題化合物に変換した。
【0168】
参考例E
2(R)-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-シクロプロピルメタンスルホニルプロピオン酸の合成

工程1
水酸化ナトリウム(2.16 g、54 mmol)を水(27 mL)に溶解して、この溶液を、メタノール(54 mL)中の(R)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メルカプトプロピオン酸(8.2 g、37 mmol)の懸濁液に加えた。清澄な溶液が生成した後、ブロモメチル-シクロプロパン(5 g、37 mmol)を加え、生じた反応混合物を3日間撹拌した。メタノールを減圧下で除去した。残渣を1M塩酸(200 mL)で処理し、次にジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-シクロプロピルメチルスルファニル-プロピオン酸(7.94 g)を得た。
【0169】
工程2
水酸化ナトリウム(2.32 g、58 mmol)を水(27mL)に溶解した。2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-シクロプロピルメチルスルファニル-プロピオン酸(7.94 g、29 mmol)を加えた。水(100 mL)中の Oxone(登録商標)の溶液をゆっくり加えた。重炭酸ナトリウムの添加によりpHを3に調整し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去することにより、2(R)-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-シクロプロピルメタンスルホニル-プロピオン酸(4.64 g、15 mmol、31%)を得た。
【0170】
実施例F
2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4-エチルヘキサン酸の合成

工程1
N-メチルピロリドン(8mL)中の2-ベンジルオキシカルボニルアミノマロン酸ジエチルエステル(Bladon, C. M. J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1990, 1, 1151-1158)(1.237g)、ヨード-2-エチルブタン(1.272g)および水酸化リチウム(0.287g)の混合物を室温で2日間撹拌し、次いで氷水で希釈した。水溶液をエーテルで抽出し、生成物をシリカヘルクロマトグラフィで精製して、2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(2-エチルブチル)マロン酸ジエチルエステル(0.520g)を得た。
【0171】
工程2
エタノール(5mL)中の2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(2-エチルブチル)マロン酸ジエチルエステル(0.520g)の溶液を水酸化ナトリウム(2.91mL、1N)で処理し、次いで室温で8時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、HClで酸性化し、次いで生成物を酢酸エチルで抽出して、2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(2-エチルブチル)マロン酸モノエチルエステル(0.461g)を得た。
【0172】
工程3
2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-2-(2-エチルブチル)マロン酸モノエチルエステルをエタノール(5mL)中、水酸化ナトリウム(5mL、1N)と共に、75℃で3時間加熱し、酸性化した反応混合物を抽出して、2-ベンジルオキシカルボニル-アミノ-2-(2-エチルブチル)マロン酸を単離した。2-ベンジルオキシカルボニル-アミノ-2-(2-エチルブチル)マロン酸を103℃で1時間加熱し、得られた残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィで精製して、2(RS)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-4-エチルヘキサン酸(0.220g)を得た。
【0173】
実施例G
2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-ピラゾール-1-イルプロピオン酸の合成

標題化合物は、S-ベンジルオキシカルボニルセリン-β-ラクトンをアセトニトリル中のピラゾールで60℃にて16時間処理することにより調製した(J. Am. Chem. Soc., 1985, 107, 7105-7109を参照のこと)。
【0174】
ピラゾールを1,2,4-トリアゾールおよび1,2,3-トリアゾールで置換することを除いて、上述の手順により、それぞれ2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-[1,2,4]-トリアゾール-1-イルプロピオン酸および2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-[1,2,3]-トリアゾール-1-イルプロピオン酸を得た。
【0175】
参考例H
2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオン酸の合成

工程1
1-メチルシクロペンタノール(20 g、0.2 mol)を臭化水素酸(40 mL)に室温で加えた。1時間撹拌後、この溶液をヘキサンで抽出し、そしてブラインでヘキサンを洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。有機層の濃縮後、20.5 gの臭化1-メチルシクロペンチルを得た。
【0176】
工程2
水素化トリブチルスズ(37.8 g、130 mmol)を、ベンゼン(200 mL)を充填した500 mlのフラスコに還流させながら加え、Z-デヒドロ-Ala-OH(15 g、64 mmol)、臭化1-メチルシクロペンタニル(20.5 g)およびAIBN(1.9 g)を加えた。2時間後、溶媒を除去して、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、7.9 gの2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオン酸メチルエステルを得た。
【0177】
工程3
2-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオン酸メチルエステル(7.6 g、23.8 mmol)を、アセトニトリル(82 mL)および0.2MのNaHCO3水溶液(158 mL)の混合物に溶解して、Alcalase 2.4L(1.1 mL)を加えて、この反応混合物を8時間激しく撹拌した。次にアセトニトリルを除去するために反応混合物を30℃で蒸発させて、水性残渣をエーテルで洗浄した。エーテル層を濃縮することにより、1.9 gの2(R)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオン酸メチルエステルを得た。水相をCeliteで濾過し、6N HClでpHを3に調整して、この溶液を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を乾燥させ、蒸発させて、1.4 gの2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオン酸を得た。
【0178】
実施例I
2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-1-(オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)ブタン-1-オールの合成

工程1
2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン(11g、100mmol)、オルトギ酸トリエチル(80mL)およびp-トルエンスルホン酸(61mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。過剰のオルトギ酸トリエチルを減圧下で除去し、オキサゾロ[4,5-b]ピリジンを酢酸エチルから結晶化した(9g)。
【0179】
工程2
撹拌子を備えた丸底フラスコに、THF(30mL)中のオキサゾロ[4,5-b]ピリジン(600mg、5mmol)を加え、反応混合物を窒素雰囲気下で0℃まで冷却した。塩化イソプロピルマグネシウム(THF中で2M、2.5mL、5mmol)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、THF(20mL)中の(S)-2-(tert-ブトキシカルボニル)アミノブチルアルデヒド(573mg、3mmol)を加えた。氷浴を取り除き、反応混合物を室温まで戻した。2時間後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止し、濃縮乾固した。残渣をEtOAcで抽出し、次いで食塩水で洗浄し、無水MgSO4で乾燥し、ろ過して濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィで精製し、所望の化合物(383mg)を得た。

【0180】
実施例J
2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-3-チアゾル-2-イルプロピオン酸の合成

アセトニトリル(6mL)および0.2M NaHCO3水溶液(12mL)の混合物中の2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-チアゾル-2-イル-プロピオン酸メチルエステル(500mg、1.75mmol)に、アルカラーゼ(Alcalase)(2.4L、0.08mL)を加え、溶液を室温で約2.5時間激しく撹拌した。次いで、反応混合物を30℃で蒸発させてアセトニトリルを除去し、水性残渣をエーテルで洗浄した。水相を6N HClでpH3まで酸性化し、溶液を酢酸エチルで抽出した。次いで、合わせた有機層を乾燥し、蒸発させて、2(S)-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-チアゾル-2-イル-プロピオン酸(204mg)を得た。
【0181】
参考例K
4(S)-アミノ-2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシヘキサン酸ジメチルアミドの合成

活性亜鉛粉(2.16 g、33 mmol)を無水THF(2 mL)に懸濁した。THF(10 mL)中のブロモジフルオロ酢酸エチル(6.5 g、32 mmol)および(1S)-(1-ホルミルプロピル)カルバミン酸tert-ブチルエステル(2 g、10.7 mmol)の混合物を、反応混合物を超音波処理しながら20分間かけて加えた。添加終了後、超音波処理を更に30分間続けた。次にこの反応混合物を酢酸エチル(200 mL)で希釈して、1NのKHSO4水溶液、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をエタノール(15 mL)に溶解して、ジメチルアミンの溶液(水中40%; 2 mL)を加えた。周囲温度で16時間撹拌後、溶媒を蒸発させ、生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(3:1のヘキサン/酢酸エチル比)により精製することによって、200 mgの無色の油状物の4(S)-Boc-アミノ-2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシ-ヘキサン酸ジメチルアミドを得たが、これをTFA/ジクロロメタンの混合物(1:1; 6 mL)に溶解し、1時間撹拌し、蒸発乾固した。生成物の4(S)-アミノ-2,2-ジフルオロ-3-ヒドロキシヘキサン酸ジメチルアミドをTFA塩として得て、これを更に精製することなく使用した。
【0182】
参考例L
3(S)-アミノ-2-ヒドロキシペンタン酸ベンジルアミドの合成

工程1
(1S)-(2-シアノ-1-エチル-2-ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert-ブチルエステル(10 g、46.7 mmol)を1,4-ジオキサン(100 mL)に溶解した。アニソール(5 mL)を加えて、次に濃HCl(100 mL)を加えた。この反応混合物を24時間加熱還流した。この反応混合物を真空下で蒸発乾固して、水100 mLに再溶解した。この溶液をエーテルで洗浄し、次にNaHCO3飽和水溶液で中和した。二炭酸ジ-tert-ブチル(10 g、46 mmol)を1,4-ジオキサン(200 mL)と一緒に加えて、この反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。真空下でジオキサンを除去して、残りの水溶液をエーテルで洗浄した。この溶液を1N HClで酸性にして、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させ、帯黄色の油状物として3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ヒドロキシペンタン酸(4.5 g)を得た。
【0183】
工程2
3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ヒドロキシペンタン酸(300 mg、1.29 mmol)をEDC(400 mg、2.1 mmol)およびHOBt(400 mg、2.6 mmol)と合わせた。ジクロロメタン(4 mL)中のベンジルアミン(0.22 mL)および4-メチルモルホリン(0.5 mL)の溶液を一度に加えた。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。酢酸エチル(150 mL)で希釈後、この溶液を1N HCl水溶液、水、NaHCO3飽和水溶液およびブラインで洗浄した。生じた混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させて、真空下で蒸発させて、白色の固体として3(S)-アミノ-2-ヒドロキシペンタン酸ベンジルアミド(380 mg)を得た。
【0184】
工程3
3(S)-アミノ-2-ヒドロキシペンタン酸ベンジルアミドをTFA/ジクロロメタンの混合物(1:1; 6 mL)に溶解し、1時間撹拌して、蒸発乾固することにより、3(S)-アミノ-2-ヒドロキシペンタン酸ベンジルアミドをTFA塩として得て、これを更に精製することなく使用した。
【0185】
参考例M
2(S)-アミノ-1-(3-フェニル-[1.2.4]オキサジアゾール-5-イル)ブタン-1-オールの合成

3-tert-ブトキシカルボニルアミノ-2-ヒドロキシ-ペンタン酸(500 mg、2.14 mmol)をEDC(600 mg、3.14 mmol)、HOBt(600 mg、3.92 mmol)、およびN-ヒドロキシ-ベンズアミジン(292 mg、2.14 mmol)と合わせた。ジクロロメタン(10 mL)を加え、次に4-メチルモルホリン(1 mL)を加えた。この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。酢酸エチル(200 mL)で希釈後、溶液を水(30 mL)、NaHCO3飽和水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、真空下で蒸発させた。粗生成物をピリジン(10 mL)に溶解して、80℃で15時間加熱した。真空下でピリジンを蒸発させて、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)により精製することによって、2(S)-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-(3-フェニル-[1.2.4]オキサジアゾール-5-イル)ブタン-1-オール(290 mg、0.83 mmol)を得た。2(S)-tert-ブトキシカルボニルアミノ-1-(3-フェニル-[1.2.4]オキサジアゾール-5-イル)ブタン-1-オール(145 mg、0.41 mmol)をCH2Cl2(4 mL)に溶解して、TFA(4 mL)を加えた。1時間撹拌後、反応混合物を蒸発乾固することにより、2(S)-アミノ-1-(3-フェニル-[1.2.4]オキサジアゾール-5-イル)-ブタン-1-オールを得た。
【0186】
参考例N
2(S)-アミノ-1-(2-フェニル-[1,3]ジチアン-2-イル)ヘキサン-1-オールの合成

工程1
2-フェニル-1,3-ジチアン(Aldrich)(3.79 g; 19.3 mmol)を乾燥蒸留THF(20 mL)と窒素雰囲気下で混合した。この溶液を-60℃に冷却して、n-ブチルリチウム(ペンタン中1.6M、1.56 mmol、9.74 mL)をシリンジによりゆっくり加えた。この反応混合物を-20℃に温め、この温度で30分間保持し、次に-10℃で15分間保持した。この黄色の溶液を-78℃に冷却して、(1-ホルミルペンチル)カルバミン酸tert-ブチルエステル(1.6 g、1.4 mmol、THF 5 mL中)を急速に加え(20秒間で)、60秒後、酢酸2 mLおよびTHF 5 mLの混合物を急速に加えた。23℃に温めた後、この溶液を減圧下で濃縮した。ヘキサン中の最少量の酢酸エチルを用いて、所望の生成物から、結晶化により過剰の2-フェニル-1,3-ジチアンを除去した。母液を濃縮して、ヘキサン-酢酸エチル勾配を用いてクロマトグラフィーに付すことにより、{1-[ヒドロキシ-(2-フェニル-[1,3]ジチアン-2-イル)メチル]ペンチル}カルバミン酸tert-ブチルエステルを得た。(1.7 g、収率56%)。
【0187】
工程2
ジオキサン(2.7 mL)中の{1-[ヒドロキシ-(2-フェニル-[1,3]ジチアン-2-イル)メチル]ペンチル}カルバミン酸tert-ブチルエステル(608 mg、1.47 mmol)に10℃で塩酸(2.7 mL、ジオキサン中4M)を加えた。この溶液を23℃に温めた。3時間後、この溶液をトルエン(5 ml)で希釈して、減圧下で濃縮した。このゴム状の固体をジエチルエーテルで洗浄すると、過剰のエーテルを減圧下で除去後に自由流動性固体として2(S)-アミノ-1-(2-フェニル-[1,3]ジチアン-2-イル)ヘキサン-1-オールの塩酸塩(414 mg、82%)が生じた。
【0188】
参考例O
3-アミノ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルの合成

6-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸tert-ブチルエステル(12.1 g、65.3 mmol)を8:1のメタノール/水の混合物(108 mL)に溶解した。塩化アンモニウム(15 g)およびアジ化ナトリウム(21.4 g、329 mmol)を加えて、この反応混合物を60℃で一晩加熱した。エーテル(500 mL)で希釈後、反応混合物をNaHCO3飽和水溶液(200 mL)およびブライン(200 mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させて、真空下で蒸発させた。粗生成物をメタノール(200 mL)に溶解した。10%パラジウム担持活性炭(1.5 g)を加えて、反応混合物を周囲温度で水素雰囲気下、TLC分析により出発物質の消失が示されるまで撹拌した。この反応混合物をCeliteのパッドにより濾過して、真空下で蒸発乾固した。生成物は、酢酸エチル中5%メタノールから酢酸エチル中20%メタノール、3%トリエチルアミンを用いる、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、4.3 gの3-アミノ-4-ヒドロキシピロリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステルを帯黄色の固体として得た。
【0189】
参考例P
2-アミノ-2-メチル-1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル-プロパン-1-オールの合成

工程1
2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(17.8 g、200 mmol)を水とジオキサンとの混合物(100 mL)に溶解して、0℃に冷却した。NaOH(8 g、200 mmol)および二炭酸ジ-t-ブチル(52.4g、240 mmol)を加え、撹拌しながら2時間この反応物が室温まで温まるのを待った。ジオキサンの除去後、残渣をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、無水MgSO4で乾燥させ、濾過して濃縮することにより、35 gの2-Boc-アミノ-2-メチル-1-プロパノールを得た。
【0190】
工程2
200 mLのMeCl2中の塩化オキサリル(15.24 g、120 mmol)の溶液を撹拌して-60℃に冷却し、続いて60 mLのMeCl2中のジメチルスルホキシド(19.7 g、252 mmol)を滴下により加えた。10分後、MeCl2(60 mL)中の2-Boc-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(18.9g、100 mmol)の溶液を-70℃で滴下により加えた。この反応混合物が-40℃に温まるまで10分間待ち、続いて-70℃に冷却し、次にMeCl2(60 mL)中のトリエチルアミン(28.28 g、280 mmol)の溶液を加えた。この反応混合物が室温に温まるまで2時間待ち、リン酸二水素ナトリウム飽和溶液40mLを加えた。有機層をブラインで洗浄して、MgSO4で乾燥させた。溶媒を除去することにより、17.3 gの2-Boc-アミノ-2-メチルプロピオンアルデヒドを得た。
【0191】
工程3
2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン(11g、100 mmol)、オルトギ酸トリエチル(80 mL)およびp-トルエンスルホン酸(61 mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。過剰のオルトギ酸トリエチルを真空下で除去した。この生成物を酢酸エチルから結晶化することにより、9 gの1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジンを得た。
【0192】
工程4
THF(100 mL)中の1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン(2.4 g、20 mmol)の撹拌溶液に、n-BuLi(12.5 mLのヘキサン中の1.6M溶液)をN2下で-78℃にて滴下により加えた。1時間後、MgBr.Et2O(5.16 g、20 mmol)を加え、この反応混合物が-45℃に温まるまで1時間待ち、次にTHF(20 mL)中の2-Boc-アミノ-2-メチルプロピオンアルデヒド(2.24 g、12 mmol)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2-Boc-アミノ-2-メチル-1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル-1-プロパノール(1.18g)を得た。
【0193】
工程5
2-Boc-アミノ-2-メチル-1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル-1-プロパノール(156 mg、0.508 mmol)およびMeCl2(5 mL)を混合して、TFA(0.5 mL)を室温で加えた。1時間撹拌後、溶媒および過剰のTFAを真空下で除去することにより、2-アミノ-2-メチル-1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル-プロパン-1-オール.TFA塩(165 mg)を製造した。
【0194】
参考例Q
2(S)-アミノ-1-(5-メトキシメチル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オールの合成

工程1
水とジオキサンとの混合物(200 mL:200 mL)中の(S)-(+)-2-アミノ-1-ブタノール(50 g、561 mmol)を0℃に冷却して、NaOH(26.9 g、673 mmol)および二炭酸ジ-tert-ブチル(146.96 g、673 mmol)と混合した。添加後、反応物が室温に温まるまで待った。反応混合物を2時間撹拌した。ジオキサンの除去後、残渣をEtOAcで抽出し、次にブラインで洗浄して、無水MgSO4で乾燥させ、濾過して濃縮した。更に精製することなく、粗2(S)-Boc-アミノ-1-ブタノール(120g)を次の工程の反応に使用した。
【0195】
工程2
MeCl2(700 mL)中の塩化オキサリル(40.39 g、265 mmol)の溶液を撹拌して-60℃に冷却した。MeCl2(100 mL)中のジメチルスルホキシド(51.7 g、663 mmol)を滴下により加えた。10分後、MeCl2(100 mL)中の2(S)-Boc-アミノ-1-ブタノール(50 g、265 mmol)の溶液を-70℃で滴下により加えた。この反応混合が-40℃に温まるまで10分間待ち、次に再度-70℃に冷却した。MeCl2(100 mL)中のトリエチルアミン(74.9 g、742 mmol)の溶液を加えた。反応混合物が室温に温まるまで2時間待った。リン酸二水素ナトリウム飽和溶液(100 mL)を加え、次に有機層をブラインで洗浄して、MgSO4で乾燥させた。溶媒を除去することにより、45 gの2(S)-Boc-アミノブチルアルデヒドを得た。
【0196】
工程3
メトキシ酢酸メチル(52 g、500 mmol)、ヒドラジン水和物(30 mL)の混合物を8時間加熱還流した。過剰のヒドラジンおよび水を真空下で除去した。残渣をn-ブタノールで抽出し、Na2SO4で乾燥させた。過剰のn-ブタノールを除去することにより、45 gのヒドラジドを得た。
【0197】
工程4
上記ヒドラジド(45 g)、オルトギ酸トリエチル(146 mL)およびp-トルエンスルホン酸(61 mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。過剰のオルトギ酸トリエチルを真空下で除去した。この生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、4.6 gの2-メトキシメチル-1,3,4-オキサジアゾールを得た。
【0198】
工程5
THF(100 mL)中の2-メトキシメチル-1,3,4-オキサジアゾール(4.6 g、40 mmol)の撹拌溶液に、n-BuLi(25.2 mLのヘキサン中の1.6M溶液)をN2下で-78℃にて滴下により加えた。1時間後、MgBr.Et2O(10.4 g、40.3 mmol)を加えて、この反応混合物が-45℃に温まるまで1時間待ち、次にTHF(20 mL)中の2(S)-Boc-アミノブチルアルデヒド(5.28 g、28.25 mmol)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて、濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2(S)-Boc-アミノ-1-(5-メトキシメチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-2-イル)-1-ブタノール(500 mg)を得た。
【0199】
工程6
2(S)-Boc-アミノ-1-(5-メトキシメチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-2-イル)-1-ブタノール(500 mg、1.66 mmol)、およびCH2Cl2(5 mL)を混合して、TFA(0.5 mL)を室温で加えた。1時間撹拌後、溶媒および過剰のTFAを真空下で除去することにより、2(S)-アミノ-1-(5-メトキシメチル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オール.TFA塩(340 mg)を製造した。
【0200】
参考例R
2(S)-アミノ-1-(5-フェニル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)ブタン-1-オールの合成

工程1
安息香酸ヒドラジド(22.5 g、165 mmol)、オルトギ酸トリエチル(150 mL)およびp-トルエンスルホン酸(300 mg)の混合物を120℃で12時間加熱した。過剰のオルトギ酸トリエチルを真空下で除去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2-フェニル-[1.3.4]-オキサジアゾール(14.5 g)を製造した。
【0201】
工程2
THF(100 mL)中の2-フェニル-[1.3.4]-オキサジアゾール(10g、68.5 mmol)の撹拌溶液に、n-BuLi(42.8 mLのヘキサン中の1.6M溶液)をN2下で-78℃にて滴下により加えた。1時間後、MgBr.Et2O(17.69 g、68.5 mmol)を加えて、この反応混合物が-45℃に温まるまで1時間待ち、次にTHF(20 mL)中の(S)-2-Boc-アミノブチルアルデヒド(7.8 g、41 mmol)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2-(2(S)-Boc-アミノ-1-ヒドロキシブチル)-5-フェニル-[1.3.4]-オキサジアゾール(9.7 g)を得た。
【0202】
工程3
2-(2(S)-Boc-アミノ-1-ヒドロキシブチル)-5-フェニル-[1.3.4]-オキサジアゾール(505 mg、1.5 mmol)およびCH2Cl2(5 mL)を混合して、TFA(1 mL)を室温で加えた。1時間撹拌後、溶媒および過剰のTFAを真空下で除去することにより、530 mgの2(S)-アミノ-1-(5-フェニル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-1-ブタノールTFA塩を製造した。
【0203】
参考例S
2(S)-アミノ-1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル-ブタン-1-オールの合成

工程1
2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン(25g、227 mmol)、オルトギ酸トリエチル(75 mL)およびp-トルエンスルホン酸(61 mg)の混合物を140℃で8時間加熱した。過剰のオルトギ酸トリエチルを真空下で除去した。この生成物を酢酸エチルから結晶化することにより、22.5 gのオキサゾロ[4,5-b]ピリジンを得た。
【0204】
工程2
THF(300 mL)中のオキサゾロ[4,5-b]ピリジン(12 g、100 mmol)の撹拌溶液に、n-BuLi(62.5 mLのヘキサン中の1.6M溶液)をN2下で-78℃にて滴下により加えた。1時間後、MgBr.Et2O(25.8 g、100 mmol)を加えて、この反応混合物が-45℃に温まるまで1時間待ち、次にTHF(50 mL)中の(S)-2-Boc-アミノブチルアルデヒド(11.46 g、60 mmol)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2(S)-Boc-アミノ-1-(オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)-1-ブタノール(14.1 g)を得た。
【0205】
工程3
2-Boc(S)-アミノ-1-(オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル)-1-ブタノール(311 mg、1 mmol)および塩化メチレン(5 mL)を混合して、TFA(1 mL)を室温で加えた。1時間撹拌後、溶媒および過剰のTFAを真空下で除去することにより、355 mgの2(S)-アミノ-1-オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル-ブタン-1-オールTFA塩を製造した。
【0206】
参考例T
2(S)-アミノ-1-(5-ピリジン-4-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オールの合成

工程1
イソニコチン酸ヒドラジド(13.7 g、100 mmol)、オルトギ酸トリエチル(60 mL)およびp-トルエンスルホン酸(30 mg)の混合物を130℃で12時間加熱した。過剰のオルトギ酸トリエチルを真空下で除去した。粗生成物を酢酸エチルから結晶化することにより、14.8 gの5-ピリジン-4-イル-[1.3.4]オキサジアゾールを得た。
【0207】
工程2
THF(300 mL)中の5-ピリジン-4-イル-[1.3.4]オキサジアゾール(11.5 g、78.2 mmol)の撹拌溶液に、HMPA(5 mL)およびn-BuLi(48.9 mLのヘキサン中の1.6M溶液)をN2下で-78℃にて滴下により加えた。1時間後、MgBr.Et2O(20.2 g、78.2 mmol)を加えて、この反応混合物が-45℃に温まるまで1時間待ち、次にTHF(50 mL)中の2-Boc-アミノブチルアルデヒド(9.7 g、50.8 mmol)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2(S)-Boc-アミノ-1-(5-ピリジン-4-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オール(3.5 g)を得た。
【0208】
工程3
2(S)-Boc-アミノ-1-(5-ピリジン-4-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オール(334 mg、1 mmol)およびMeCl2(5 mL)を混合して、TFA(0.5 mL)を室温で加えた。1時間撹拌後、溶媒および過剰のTFAを真空下で除去することにより、350 mgの2(S)-アミノ-1-(5-ピリジン-4-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オールTFA塩を製造した。
【0209】
参考例U
2(S)-アミノ-1-(5-ピリジン-3-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オールの合成

工程1
THF(100 mL)中の3-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル-ピリジン(5 g、34 mmol)の撹拌溶液に、HMPA(5 mL)およびn-BuLi(ヘキサン中の1.6M溶液、21.25 mL)をN2下で-78℃で滴下により加えた。1時間後、MgBr.Et2O(8.77 g、34 mmol)を加えて、この反応混合物が-45℃に温まるまで1時間待ち、次にTHF(20 mL)中の2(S)-Boc-アミノブチルアルデヒド(4.22 g、22.1 mmol)で処理した。この反応混合物を1時間撹拌し、NH4Cl飽和溶液でクエンチして、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、2(S)-Boc-アミノ-1-(5-ピリジン-3-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オール(1.5 g)を得た。
【0210】
工程2
2(S)-Boc-アミノ-1-(5-ピリジン-3-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オール(167 mg、0.5 mmol)およびMeCl2(5 mL)を混合して、TFA(0.5 mL)を室温で加えた。1時間撹拌後、溶媒および過剰のTFAを真空下で除去することにより、180 mgの2(S)-アミノ-1-(5-ピリジン-3-イル-[1.3.4]オキサジアゾール-2-イル)-ブタン-1-オールTFA塩を製造した。
【0211】
参考例V
2(S)-アミノ-1-ベンゾオキサゾール-2-イルブタン-1-オール塩酸塩の合成

工程1
トルエン(150 mL)中のベンゾオキサゾール(28.6 g、240 mmol)の溶液に、約-4℃にて約20分間で、THF中の塩化イソプロピル-マグネシウムの2M溶液(120 mL、240 mmol)を加えた。この赤褐色の混合物を約-4℃で貯蔵して、必要に応じて使用した。
【0212】
工程2
ジクロロメタン(500 mL)および水(350 mL)中の2(S)-Boc-アミノブタノール(50 g; 264 mmol)の溶液に、20℃でTEMPO(0.01当量)、臭化ナトリウム(1当量)および炭酸水素ナトリウム(3当量)を加えた。この反応混合物を0℃で撹拌して、希釈した漂白剤(1.3当量、450 mL)を40分間かけて加えた。この反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次にチオ硫酸水溶液でクエンチした。デカンテーションおよび抽出(ジクロロメタン)後に、有機相をブラインで洗浄し、乾燥させて、乾燥状態まで真空下で濃縮して、2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)アミノブチルアルデヒドを低融点固体として得た(38.1 g; 収率: 77%)。
【0213】
工程3
トルエン(150 mL)中の2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)アミノブチルアルデヒド(30 g、160 mmol)の溶液を、-5℃で30分間かけてベンゾオキサゾールのGrignard試薬の溶液(上の工程1に記載されるように調製)に加えた。この反応混合物を0℃で0.5時間、次に室温で2.5時間撹拌した。5%酢酸水溶液でクエンチし、5%炭酸ナトリウム水溶液、次にブラインで洗浄し、乾燥するまで濃縮することにより、粗2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)-アミノ-1-ベンゾオキサゾール-2-イル-プロパン-1-オールを得た。この残渣をトルエンで希釈して、シリカゲルを加えた。このスラリーを濾過した。トルエンによる溶出で、非極性不純物を除去した。次にトルエンと酢酸エチルとの8/2混合物で2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)-アミノ-1-ベンゾオキサゾール-2-イルプロパン-1-オールを脱着した。
【0214】
工程4
イソプロパノール(118 mL)中の2(S)-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ-1-ベンゾオキサゾール-2-イルプロパン-1-オール(26.3 g、86 mmol)の溶液に、20〜25℃でトリメチルクロロシラン(1.4当量)を加えた。この溶液を50℃で5時間撹拌した。この反応混合物を52 mLまで濃縮し、続いてイソプロピルエーテル(210 mL)を加え、濾過および真空下での乾燥により、2(S)-アミノ-1-ベンゾオキサゾール-2-イル-ブタン-1-オール塩酸塩を灰色の固体として得た(16.4 g; 収率 = 79%; ジアステレオマーの混合物)。
【0215】
参考例W
4-アミノ-4-シアノ-1-エチルピペリジンの合成

1-エチル-4-ピペリドン(13.2 ml、100 mmol)、塩化アンモニウム(21.4 g、400 mmol)、シアン化ナトリウム(19.6 g、400 mmol)および水(550 ml)の混合物を室温で48時間撹拌した。反応混合物のpHを10.1に調整して、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出液をブラインで洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒のロータリーエバポレーションにより、4-アミノ-4-シアノ-1-エチルピペラジンおよび4-ヒドロキシ-4-シアノ-1-エチルピペラジンの混合物(7.67 g)を得た。この生成物の混合物をメタノール(20 ml)中の7Mアンモニアで処理して、室温で24時間静置しておいた。メタノールおよび過剰のアンモニアを真空下で除去して、残渣を冷却することにより、4-アミノ-4-シアノ-1-エチルピペリジンを結晶性固体として得た(7.762 g)。
【0216】
実施例1
N-シアノメチル-2S-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド(表2、化合物1)の合成

工程1
アセトニトリル(25 mL)中のシクロヘキシルアラニンメチルエステル塩酸塩(1.06 g、5 mmol)の混合物を0℃に冷却して、N-メチルモルホリン(0.55 mL)を加えた。アセトニトリル(1.5 mL)中のエチル=ベンゼンスルホニル=ホルムイミダート(1.06 g、5 mmol)(Stetter, H.とTheisen, D. Chem Ber., 1969, 102, 1641-42;およびOrtiz, J.A. Arzneim.-Forsch./Drug Res, 1997, 47, 431-434に記載されているように調製した)の溶液を、反応混合物に加えた。室温で20時間撹拌後、減圧下でのロータリーエバポレーションによりアセトニトリルを除去して、次に生じた残渣をメタノール/塩化メチレンで溶出する、フラッシュシリカゲル(250 mL)のクロマトグラフィーに付すことにより、2-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-シクロヘキシル-プロピオン酸メチルエステル(1.227 g、70%)を得た。
【0217】
工程2
メタノール(100 mL)中の2-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-シクロヘキシル-プロピオン酸メチルエステルの溶液を氷浴中で冷却し、次に水酸化カリウム水溶液(0.989 M、3.5 mL)で35分かけて処理した。この反応混合物を0℃で75分間撹拌し、次に室温でのロータリーエバポレーションによりメタノールを除去した。水(20 mL)を残渣に加え、pHを5.4に調整して、生成物を酢酸エチルで抽出することにより、乾燥後に2-[(ベンゼンスルホニルイミノ-メチル)アミノ]-3-シクロヘキシル-プロピオン酸(0.862 g、73%)を得た。
【0218】
工程3
塩化メチレン(2.5 mL)中のエチル=ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(0.270 g、1.14 mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.184 g、1.2 mmol)およびアミノアセトニトリル塩酸塩(0.130 g、1.4 mmol)の混合物を氷浴中で冷却して、次に塩化メチレン(3 mL)中の2-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-シクロヘキシル-プロピオン酸(0.386 g、1.14 mmol)で処理した。N-メチルモルホリン(0.155 g、1.55 mmol)を反応混合物に加え、次に室温で2時間撹拌した。この反応混合物を氷水で希釈して、生成物を酢酸エチルで抽出した。この抽出液を重炭酸ナトリウム水溶液、次にブラインで洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥させて、蒸発させた。生じた油状物を塩化メチレンから結晶化することにより、N-シアノメチル-2S-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)-アミノ]-3-シクロヘキシル-プロピオンアミド(0.218 g、51%)を得た。

正確な質量376.16。実測値: M+H=376.8、M+Na=399.2、M-H=375.0。
【0219】
上の実施例1の手順により、適切な出発物質を利用して、本発明の以下の化合物を調製した:
N-シアノメチル-2S-[(1-ベンゼンスルホニルイミノエチル)アミノ]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド。MS: 391.3 MH+。(表2、化合物2)
N-(1-シアノシクロプロピル)-2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-シクロヘキシルプロピオンアミド。MS: 417.3 MH+。(表2、化合物3)
N-(4-シアノテトラヒドロチオピラン-4-イル)-2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-シクロヘキシルプロピオンアミド。MS: 477.2 MH+。(表2、化合物8)
N-(4-シアノ-1,1-ジオキソヘキサヒドロ-1-λ6-チオピラン-4-イル)-2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-シクロヘキシルプロピオンアミド。MS: 509.2 MH+。(表2、化合物9)
N-シアノメチル-2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)プロピオンアミド。MS: 497.2 MH+。(表2、化合物10)
N-シアノメチル-2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)プロピオンアミド。MS: 529.4 MH+。(表2、化合物11)
N-(4-シアノ-1,1-ジオキソヘキサヒドロ-1-λ6-チオピラン-4-イル)-2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-(ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)プロピオンアミド。

(表2、化合物13)
N-シアノメチル-2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-フェニルメタンスルファニル-プロピオンアミド。MS: 431.1 MH+。(表2、化合物15)
N-シアノメチル-2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-フェニルメタンスルホニル-プロピオンアミド。MS: 463.1 MH+。(表2、化合物16)
2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-{1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルカルボニル)プロピル}-3-(チアゾール-2-イル)プロピオンアミド。MS: 391.3 MH+。(表1、化合物6)
2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-{1S-(5-エチル-[1.3.4]-オキサジアゾール-2-イルカルボニル)プロピル}-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)プロピオンアミド。

(表1、化合物9)
2RS-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-{1RS-(3-フェニル-[1.2.4]-オキサジアゾール-5-イルカルボニル)プロピル}-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)プロピオンアミド。MS: 704.4 (MH+)。(表1、化合物10)
【0220】
実施例2
N-(1-シアノシクロプロピル)-2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-(1-メチル-シクロヘキシル)プロピオンアミド(表2、化合物19)の合成

工程1
DMF(5 mL)中の2S-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロヘキシル)プロピオン酸(283 mg、1.0 mmol)(1-メチルシクロペンタノールの代わりに1-メチルシクロヘキサノールを利用することを除いて、参考例Hに記載されたように調製した)および1-アミノシクロプロパンカルボニトリルHCl塩(178 mg、1.5 mmol)の撹拌溶液に室温でHATU(418 mg、1.1 mmol)、続いてジイソプロピルエチルアミン(0.87 mL、5 mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、反応混合物を減圧下で濃縮し、次に酢酸エチルとブラインとに分液した。合わせた有機抽出液を乾燥(MgSO4)させ、減圧下で濃縮して、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(1:2のEtOAc/ヘキサンで溶出)により精製することによって、[1-(1-シアノシクロプロピルカルバモイル)-2S-(1-メチルシクロヘキシル)エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステルを得た(315 mg、90%)。
【0221】
工程2
乾燥THF(2 mL)中の[1-(1-シアノシクロプロピルカルバモイル)-2S-(1-メチルシクロヘキシル)エチル]-カルバミン酸tert-ブチルエステル(300 mg、0.86 mmol)の撹拌溶液に室温でメタンスルホン酸(248 mg、2.58 mmol)をゆっくり加えた。3時間後、反応混合物を酢酸エチルで希釈して、次に重炭酸ナトリウム飽和溶液でpH=8-9まで中和した。水層を分離して、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出液を乾燥(MgSO4)させ、減圧下で濃縮することにより、2S-アミノ-N-(1-シアノ-シクロプロピル)-3-(1-メチルシクロヘキシル)プロピオンアミドを得て、これを更に精製することなく次の工程に使用した。
【0222】
工程3
N-(1-エトキシエチリデン)ベンゼンスルホンアミド(183 mg、0.86 mmol)および2S-アミノ-N-(1-シアノシクロプロピル)-3-(1-メチルシクロヘキシル)プロピオンアミド(214 mg、0.86 mmol)を乾燥DMF(3 mL)に溶解した。炭酸セシウム(839 mg、2.58 mmol)を室温で加えて、反応混合物を室温で2時間撹拌した。減圧下で溶媒の除去後、得られた残渣を酢酸エチルとブラインとに分液した。合わせた有機抽出液を乾燥(MgSO4)させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(2:1のEtOAc/ヘキサンで溶出)により精製することによって、標題化合物を得た(205 mg、55%)。

【0223】
2S-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロヘキシル)-プロピオン酸を2S-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルペンチル)-プロピオン酸で置換することを除いて、上の実施例2に記載された同じ手順により、N-(1-シアノメチル)-2S-(1-ベンゼンスルホニル-イミノエチルアミノ)-3-(1-メチルシクロペンチル)プロピオンアミドを得た。(表2、化合物14)

【0224】
1-アミノシクロプロパンカルボニトリルを4-アミノテトラヒドロチオピラン-4-イルカルボニトリルで、そして2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロヘキシル)-プロピオン酸を2(S)-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオン酸で置換することを除いて、上述の同じ手順により、N-(4-シアノテトラヒドロチオピラン-4-イル)-2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-(1-メチルシクロペンチル)プロピオンアミドを得た。(表2、化合物17)

2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-{1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルカルボニル)プロピル}-3-(1-メチルシクロペンチル)プロピオンアミド。MS: 539.2 MH+。(表1、化合物7)
【0225】
実施例3
N-(4-シアノ-1,1-ジオキソヘキサヒドロ-λ6-チオピラン-4-イル)-2S-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-3-(1-メチルシクロペンチル)-プロピオンアミド(表2、化合物18)の合成

水(1.5 mL)中の Oxone(登録商標)(290 mg、0.47 mmol)の溶液をメタノール(3 mL)中の2-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-(4-シアノテトラヒドロチオピラン-4-イル)-3-(1-メチルシクロペンチル)プロピオンアミド(172 mg、0.36 mmol)の溶液に加えた。この反応混合物を室温で4時間撹拌し、次に減圧下で溶媒を除去した。得られた残渣を酢酸エチルとブラインとに分液した。合わせた有機抽出液を乾燥(MgSO4)させて減圧下で濃縮した。粗生成物を、セライトの短いパッドを通して精製することにより、標題化合物を得た(165 mg、収率90%)。

【0226】
実施例4
2R-(ベンゼンスルホニルイミノメチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルカルボニル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)プロピオンアミド(表1、化合物4)の合成

工程1
エチル=ベンゼンスルホニル=ホルムイミダート(100 mg、0.47 mmol)、2R-アミノ-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)-プロピオンアミド(136 mg、0.29 mmol)、1,8-ジアザビシクロ[4.5.0]ウンデカ-7-エン(58 mg、0.58 mmol)およびアセトニトリル(1 mL)の混合物を室温で4時間撹拌した。この反応混合物を氷水で希釈して、1N HClで混合物のpHを6.3に調整した。生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄させ、乾燥させて、ロータリーエバポレーションにより溶媒を除去することによって、フラッシュクロマトグラフィーによる精製後、2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノメチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)プロピオンアミド(53 mg)を得た。
【0227】
工程2
メタノール(5 mL)中の2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノメチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)プロピオンアミド(53 mg、0.0837 mmol)を、氷上で冷却して、Oxone(登録商標)の溶液(2 mL水中に77 mg)で処理した。45分後、更に21 mgの Oxone(登録商標)を加えて、45分後、メタノールを真空下で除去して、反応混合物を水で希釈し、そして生成物を酢酸エチルで抽出した。乾燥および溶媒の蒸発後、2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノメチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)-プロピオンアミド(37 mg)を得た。
【0228】
工程3
塩化メチレン(2 mL)中の2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノメチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)プロピオンアミド(37 mg、0.0585 mmol)をDess-Martinペルヨージナン(35 mg、0.082 mmol)で処理した。50分後、更に11 mgの Dess-Martin ペルヨージナンを加えた。更に25分後反応液をチオ硫酸ナトリウムでクエンチして、生成物を塩化メチレンで抽出した。次にフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物(16mg)を得た。正確な質量662.13。実測値: M+H=663.5、M+Na=685.3、M-H=661.5。

【0229】
上の実施例4に記載されたように処理して、以下の化合物を調製した。
2R-(1-ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルカルボニル)プロピル]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)プロピオンアミド。MS: 677.3 MH+。(表1、化合物5)
2S-(ベンゼンスルホニルイミノエチルアミノ)-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルカルボニル)プロピル]-3-(シクロヘキシル)プロピオンアミド。正確な質量524.1。実測値: M+H=525.4、M+Na=547.5、M-H=523.4。(表1、化合物1)
【0230】
実施例5
N-シアノメチル-2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニル)-プロピオンアミド(表2、化合物7)の合成

工程1
エチル=ベンゼンスルホニル=ホルムイミダート(0.852 g、4.00 mmol)、R-(2-ジフルオロメトキシベンジル)システイン(1.108 g、4.00 mmol)、4-メチルモルホリン(1.32 mL、12 mmol)およびアセトニトリル(20 mL)の混合物を室温で4時間撹拌した。4-メチルモルホリンおよび溶媒をロータリーエバポレーションにより除去することによって、2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)-プロピオン酸を得た。
【0231】
工程2
塩化メチレン(10 mL)中の2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-(2-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルファニル)-プロピオン酸(0.888 g、2 mmol)を氷上で冷却して、HOBT(0.306 g、2 mmol)、EDCI(0.392 g、2.5 mmol)、およびアミノアセトニトリル塩酸塩(0.275 g、3.00 mmol)で処理した。4-メチルモルホリン(2.73 mL、5.00 mmol)を反応混合物に加え、次にこれを室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水およびHClで希釈後、生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥させ、次に酢酸エチル/ヘキサン混合物で溶出する、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-N-シアノメチル-3-(2-ジフルオロメトキシ-フェニルメタンスルファニル)-プロピオンアミド)プロピル]プロピオンアミド(0.340 g)を得た。
【0232】
工程3
メタノール(15 mL)中の2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-N-シアノメチル-3-(2-ジフルオロメトキシ-フェニルメタンスルファニル)-プロピオンアミド)プロピル]-プロピオンアミド(0.241 g、0.5 mmol)の溶液を氷上で冷却して、水(5 mL)中のOxone(登録商標)(0.430 g、0.72 mmol)で処理した。10分後、冷却浴を取り外して、反応混合物を室温で2時間撹拌した。メタノールをロータリーエバポレーターで除去して、この反応混合物を水で希釈し、次に酢酸エチルで抽出した。抽出液を乾燥および濃縮することにより、標題化合物(0.316 g)を得た。正確な質量514.08。実測値: M+H=515.1、M+Na=537.1、M-H=513.2。
【0233】
上の実施例5に記載されたように処理して、以下の化合物を調製した。
N-シアノメチル-2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-(フェニルメタンスルホニル)-プロピオンアミド。正確な質量448.09。実測値: M+H=449.3、M+Na=471.2、M-H=447.2。(表2、化合物12)
N-(1-シアノシクロプロピル)-2RS-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-(シクロヘキシル)-プロピオンアミド。正確な質量402.17。実測値: M+H=403.3、M+Na=425.3、M-H=401.0。(表2、化合物4)
N-シアノメチル-2R-[(ベンゼンスルホニルイミノメチル)アミノ]-3-(2-ジフルオロメトキシ-フェニルメタンスルファニル)プロピオンアミド。正確な質量482.09。実測値: M+H=483.0、M+Na=505.1、M-H=481.0。(表2、化合物6)
【0234】
実施例6
2S-[(ベンゼンスルホニルイミノモルホリン-4-イルメチル)アミノ]-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルカルボニル)プロピル]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド(表1、化合物8)の合成

工程1
N-(ビス-メチルスルファニルメチレン)ベンゼンスルホンアミド(261 mg)、シクロヘキシルアラニン塩酸塩(171 mg)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.45 mL)およびアセトニトリル(3 mL)の混合物をマイクロ波装置中で110℃にて15分間加熱した。この反応混合物を室温に冷却して、1N水酸化ナトリウムを用いてpHを10まで上昇させた。この混合物をエーテルで洗浄して、1N塩酸で水層をpH 4まで酸性にした。次にこの生成物を酢酸エチルでの抽出により単離した。この一連の操作を2回繰り返し、合わせた生成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチルメタノール)により精製することによって、2S-[(ベンゼンスルホニルイミノメチルチオメチル)アミノ]-3-シクロヘキシルプロピオン酸(386 mg)を得た。
【0235】
工程2
2S-[(ベンゼンスルホニルイミノメチルチオメチル)アミノ]-3-シクロヘキシルプロピオン酸(100 mg)、2S-アミノ-1-ベンゾオキサゾール-2-イルブタン-1-オール塩酸塩(54 mg)、HATU(119 mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.09 mL)およびDMF(3 mL)の混合物をマイクロ波装置中で50℃にて10分間加熱した。水性酢酸エチル処理およびフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)による精製によって、2S-[(ベンゼンスルホニルイミノメチルスルファニルメチル)アミノ]-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド(190 mg)を得た。
【0236】
工程3
2S-[(ベンゼンスルホニルイミノメチルスルファニルメチル)アミノ]-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド(190 mg)およびモルホリン(0.29 mL)の溶液をマイクロ波装置中で90-100℃で60分間加熱した。この反応混合物を塩酸で洗浄することにより、過剰のモルホリンを除去した。次にフラッシュクロマトグラフィーにより、2S-[(ベンゼンスルホニルイミノモルホリン-4-イルメチル)アミノ]-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)-プロピル]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド(22 mg)を得た。
【0237】
工程4
塩化メチレン中の2S-[(ベンゼンスルホニルイミノモルホリン-4-イルメチル)アミノ]-N-[1S-(ベンゾオキサゾール-2-イルヒドロキシメチル)プロピル]-3-シクロヘキシルプロピオンアミド(22 mg)を、Dess-Martin ペルヨージナン(19 mg)で25分間処理した。この反応液を重炭酸ナトリウム/チオ硫酸ナトリウム水溶液でクエンチした。次に抽出とそれに続くフラッシュクロマトグラフィーにより、標題化合物(20 mg)を得た。
【0238】
生物学的実施例
実施例1
カテプシンBアッセイ
様々な濃度の試験化合物溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)10μL中で調製し、次いでアッセイ緩衝液(40μL、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、50mM(pH6);モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、0.05%;およびジチオスレイトール(DTT)、2.5mMを含む)中で希釈した。ヒトカテプシンB(アッセイ緩衝液25μL中0.025pmol)を希釈液に加えた。アッセイ溶液を振盪機上で5〜10秒間混合し、ふたをし、室温で30分間インキュベートした。Z-FR-AMC(アッセイ緩衝液25μL中20nmol)をアッセイ溶液に加え、加水分解を分光測光法(λ460nm)により5分間追跡した。見かけの阻害定数(Ki)を標準の数学的モデルを用いて酵素進行曲線から計算した。
【0239】
本発明の化合物を前述のアッセイにより試験し、カテプシンB阻害活性を示すことが認められた。
【0240】
実施例2
カテプシンKアッセイ
様々な濃度の試験化合物溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)10μL中で調製し、次いでアッセイ緩衝液(40μL(MES、50mM(pH5.5);EDTA、2.5mM;およびDTT、2.5mMを含む))中で希釈した。ヒトカテプシンK(アッセイ緩衝液25μL中0.0906pmol)を希釈液に加えた。アッセイ溶液を振盪機上で5〜10秒間混合し、ふたをし、室温で30分間インキュベートした。Z-Phe-Arg-AMC(アッセイ緩衝液25μL中4nmol)をアッセイ溶液に加え、加水分解を分光測光法(λ460nm)により5分間追跡した。見かけの阻害定数(Ki)を標準の数学的モデルを用いて酵素進行曲線から計算した。
【0241】
本発明の化合物を前述のアッセイにより試験し、カテプシンK阻害活性を示すことが認められた。
【0242】
実施例3
カテプシンLアッセイ
様々な濃度の試験化合物溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)10μL中で調製し、次いでアッセイ緩衝液(40μL(MES、50mM(pH5.5);EDTA、2.5mM;およびDTT、2.5mMを含む))中で希釈した。ヒトカテプシンL(アッセイ緩衝液25μL中0.05pmol)を希釈液に加えた。アッセイ溶液を振盪機上で5〜10秒間混合し、ふたをし、室温で30分間インキュベートした。Z-Phe-Arg-AMC(アッセイ緩衝液25μL中1nmol)をアッセイ溶液に加え、加水分解を分光測光法(λ460nm)により5分間追跡した。見かけの阻害定数(Ki)を標準の数学的モデルを用いて酵素進行曲線から計算した。
【0243】
本発明の化合物を前述のアッセイにより試験し、カテプシンL阻害活性を示すことが認められた。
【0244】
実施例4
カテプシンSアッセイ
様々な濃度の試験化合物溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)10μL中で調製し、次いでアッセイ緩衝液(40μL(MES、50mM(pH6.5);EDTA、2.5mM;およびNaCl、100mMを含む));β-メルカプトエタノール、2.5mM;およびBSA、0.00%中で希釈した。ヒトカテプシンS(アッセイ緩衝液25μL中0.05pmol)を希釈液に加えた。アッセイ溶液を振盪機上で5〜10秒間混合し、ふたをし、室温で30分間インキュベートした。Z-Val-Val-Arg-AMC(10%DMSOを含むアッセイ緩衝液25μL中4nmol)をアッセイ溶液に加え、加水分解を分光測光法(λ460nm)により5分間追跡した。見かけの阻害定数(Ki)を標準の数学的モデルを用いて酵素進行曲線から計算した。
【0245】
本発明の化合物を前述のアッセイにより試験し、カテプシンS阻害活性を示すことが認められた。
【0246】
実施例5
カテプシンFアッセイ
様々な濃度の試験化合物溶液をジメチルスルホキシド(DMSO)10μL中で調製し、次いでアッセイ緩衝液(40μL(MES、50mM(pH6.5);EDTA、2.5mM;およびNaCl、100mMを含む));DTT、2.5mM;およびBSA、0.01%中で希釈した。ヒトカテプシンF(アッセイ緩衝液25μL中0.1pmol)を希釈液に加えた。アッセイ溶液を振盪機上で5〜10秒間混合し、ふたをし、室温で30分間インキュベートした。Z-Phe-Arg-AMC(10%DMSOを含むアッセイ緩衝液25μL中2nmol)をアッセイ溶液に加え、加水分解を分光測光法(λ460nm)により5分間追跡した。見かけの阻害定数(Ki)を標準の数学的モデルを用いて酵素進行曲線から計算した。
【0247】
本発明の化合物を前述のアッセイにより試験し、カテプシンF阻害活性を示すことが認められた。
【0248】
実施例1
式(Ia)または(Ib)の化合物を含む代表的な薬学的処方
【0249】
経口処方
式(Ia)または(Ib)の化合物 10-100 mg
クエン酸一水和物 105 mg
水酸化ナトリウム 18 mg
香料
水 100 mLまで適量
【0250】
静脈内投与処方
式(Ia)または(Ib)の化合物 0.1-10 mg
デキストロース一水和物 等張性になるまで適量
クエン酸一水和物 1.05 mg
水酸化ナトリウム 0.18 mg
注射用水 1.0 mLまで適量
【0251】
錠剤処方
式(Ia)または(Ib)の化合物 1%
微結晶性セルロース 73%
ステアリン酸 25%
コロイドシリカ 1%
【0252】
前述の発明を明確にし、理解を助けるため、図表および実施例により詳細に説明してきた。当業者には、特許請求の範囲内で変更および改変を行いうることが明らかであると思われる。したがって、前述の説明は例示を意図するものであって、制限的ではないことが理解されるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によって決められるべきではなく、添付の特許請求の範囲、ならびにそのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲によって決められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)または(Ib):

式中、Eは、
(i) -C(R5)(R6)X1であり、ここで、X1は、-CHO、-C(R7)(R8)CF3、-C(R7)(R8)CF2CF2R9、-C(R7)(R8)R10、-CH=CHS(O)2R10、-C(R7)(R8)C(R7)(R8)OR10、-C(R7)(R8)CH2OR10、-C(R7)(R8)C(R7)(R8)R10、-C(R7)(R8)CH2N(R11)SO2R10、-C(R7)(R8)CF2C(O)NR10R11、-C(R7)(R8)C(O)NR10R11、-C(R7)(R8)C(O)N(R11)(CH2)2OR11、-C(R7)(R8)C(O)N(R11)(CH2)2NR10R11である;または
(ii) -C(R5a)(R6a)CNであり、ここで、
R5およびR5aは、独立に、水素またはアルキルであり;
R6およびR6aは、水素、アルキル、ハロアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シアノ、-アルキレン-X-R12からなる群より独立に選択され、ここで、Xは、-O-、-NR13-、-CONR13-、-S(O)n1-、-NHCO-、-CO-、または-C(O)O-(ここで、n1は、0-2である)であり、R12およびR13は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、ここで、R6およびR6a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ニトロ、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アシル、またはアリールスルホニルから独立に選択される1個、2個、または3個のRaで置換されてもよく、ここで、Ra中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルからなる群より独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよく;または
R5およびR6およびR5aおよびR6aは、R5およびR6およびR5aおよびR6aが全て結合している炭素原子と共に、(i) アルキル、ハロ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、またはアリールオキシカルボニルから独立に選択される1個または2個のRbで置換されてもよいシクロアルキレン、または(ii) アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシアルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、-S(O)n2R14、-アルキレン-S(O)n2-R15、-COOR16、-アルキレン-COOR17、-CONHR18R19、または-アルキレン-CONHR20R21から独立に選択される1〜4個のRcで置換されてもよいヘテロシクロアルキレンを形成し、ここで、n2は、0-2であり、R14-R17、R18およびR20は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクリルであり、R19およびR21は、独立に、水素またはアルキルであり、ここで、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンに結合している基中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;
R7は、水素もしくはアルキルであり;
R8は、ヒドロキシであるか; または
R7およびR8は、共にオキソを形成し;
R9は、水素、ハロ、アルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;かつ
R10は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ここで、R10中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のRdで置換されてもよく、ここで、Rd中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;かつ
R11は、水素またはアルキルである;または
(iii) 式 (a)の基であり、

式中、
nは、0、1、または2であり;
X4は、-NR22-、-S-、または-O-から選択され、ここで、R22は、水素、アルキル、またはアルコキシであり;かつ
X5は、-O-、-S-、-SO2-、または-NR23-であり、ここで、R23は、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、-S(O)2R24、-アルキレン-S(O)n3-R25、-COOR26、-アルキレン-COOR27、-CONR28R29、または-アルキレン-CONR30R31から選択され、ここで、n3は、0-2であり、R24-R27、R28およびR30は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであり、R29およびR31は、独立に、水素またはアルキルであり、ここで、X5中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;
R5は、上記と同義である;

R1は、水素またはアルキルであり;
R1aは、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルアルキル、または-アルキレン-X-R32であり、ここで、Xは、-NR33-、-O-、-S(O)n4-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NR33CO-、-CONR33-、-NR33SO2-、-SO2NR33-、-NR33COO-、-OCONR33-、-NR33CONR34、または-NR33SO2NR34-(であり、ここで、R33およびR34は、独立に、水素、アルキル、またはアシルであり、n4は、0-2であり、R32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ここで、該アルキレン鎖は、1〜6個のハロで置換されてもよく、ここで、R1a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のReで置換されてもよく、または
R1およびR1aは、これらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレン環を形成し、ここで、該シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンは、アルキル、ハロ、ヒドロキシアルキル、ケト、または-SO2R39から独立に選択される1個または2個のRfで置換されてもよく、ここで、R39は、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり、ここで、Rf中の芳香環または脂環は、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよく;
R2は、水素またはアルキルであり;
R3は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アミノ、単置換もしくは二置換アミノ、または-アルキレン-X3-R35であり、ここで、Xは、-NR36-、-O-、-S(O)n5-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NR36CO-、-CONR36-、-NR36SO2-、-SO2NR36-、-NR36COO-、-OCONR36-、-NR36CONR37-、または-NR36SO2NR37-であり、ここで、R36およびR37は、独立に、水素、アルキル、またはアシルであり、n5は、0-2であり、R35は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、ここで、R3中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アシル、アシルオキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールオキシ、ベンジルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アリールスルホニル、アリールスルフィニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アミノ、単置換または二置換アミノから独立に選択される1個、2個、または3個のRgで置換されてもよく、更にここで、Rg中の芳香環および脂環は、1個、2個、または3個のRhで置換されてもよく、ここでRhは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、カルボキシ、カルボキサミド、またはアルコキシカルボニルから独立に選択され;
R4は、-S(O)2R38であり、ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、-NHSO2Rj(ここで、Rjは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、-SO2NRkRl(ここで、Rkは、水素またはアルキルであり、Rlは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、またはアミノアルキルである)、-NHCOORm(ここで、Rmは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)、または-NHCONRnRo(ここで、RnおよびRoは、独立に、水素、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルである)から独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり; ここで、Ri中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよく;
R4aは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アリール、アラルキル、アロイル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアロイル、-C(O)OR40(ここで、R40は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アリール、またはアラルキルである)、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、またはシクロアルキルであり、ここで、R4a中の芳香環は、1個、2個または3個のハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、ニトリル、ニトロ、または-CONH2で置換されてもよい
で示される化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
R4が-S(O)2R38であり、ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり、ここで、Ri中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Eが-C(R5)(R6)X1であり、ここで、
R5は、水素またはアルキルであり;かつ
R6は、水素、アルキル、-(アルキレン)-OR12(ここで、R12は、水素、アルキルまたはハロアルキルである)、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキルであり、ここで、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキル中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のRaで置換されてもよい、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
R5が水素であり;
R6がエチルであり;かつ
X1が、-CHO、-C(O)R10、-C(O)CF3、-C(O)CF2CF2R9-CH=CHS(O)2R10、-C(O)CF2C(O)NR10R11、-C(O)C(O)NR10R11、-C(O)CH2OR10、-C(O)CH2N(R11)SO2R10、-C(O)C(O)N(R11)(CH2)2OR11、-C(O)C(O)N(R11)(CH2)2NHR11または-C(O)C(O)R10であり、ここで、R10は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキルまたはヘテロシクリルアルキルであり、ここで、芳香環は、ヘテロアリール、アリール、またはアルキルから選択される、Rdで置換されてもよく、R11は、水素またはアルキルであり、R9は、ハロである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項5】
Eが-CHR6C(O)R10であり、ここで、R6は、エチル、プロピル、またはブチルであり、R10は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個または2個のRdで置換されてもよいヘテロアリールであり、ここで、Rd中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1または2記載の化合物。
【請求項6】
Eが-CH2CNである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項7】
Eが-CR5aR6aCNであり、ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、アルキル、ハロ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、またはアリールオキシカルボニルから独立に選択される1個または2個のRbで置換されてもよいシクロアルキレンを形成する、請求項1または2記載の化合物。
【請求項8】
Eが-CR5aR6aCNであり、ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、アルキル、ハロ、ジアルキルアミノ、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、アルコキシカルボニル、またはアリールオキシカルボニルから独立に選択される1個または2個のRbで置換されてもよいシクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、またはシクロヘキシレンを形成する、請求項1または2記載の化合物。
【請求項9】
Eが-CR5aR6aCNであり、ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、ヘテロアリールオキシアルキル、アミノアルキル、アシル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、-S(O)n2R14、-アルキレン-S(O)n2-R15、-COOR16、-アルキレン-COOR17、-CONHR18R19、または-アルキレン-CONHR20R21から独立に選択される1個または2個のRcで置換されてもよいヘテロシクロアルキレンを形成し、ここで、n2は、0-2であり、R14-R17、R18およびR20は、独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクリルであり、R19およびR21は、独立に、水素またはアルキルであり、ここで、ヘテロシクロアルキレンに結合している基中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1または2記載の化合物。
【請求項10】
Eが下記式

であり、式中、
nは、0、1、または2であり、X4は、-NR22-、-O-または-S-であり、ここで、R22は、水素、アルキル、またはアルコキシであり; X5は、-O-、-S(O)2-、-S-または-NR23-であり、ここで、R23は、水素、アルキル、-S(O)2R24、-C(O)OR26、またはアシルから選択され、ここで、R24は、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアラルキルであり、R26は、水素またはアルキルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項11】
R1が水素であり;かつ
R1aが、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、または-アルキレン-X-R32であり、ここで、Xは、-NR33-、-O-、-S(O)n4-、-CO-、-COO-、-OCO-、-NR33CO-、-CONR33-、-NR33SO2-、-SO2NR33-、-NR33COO-、-OCONR33-、-NR33CONR34、または-NR33SO2NR34-であり、ここで、R33およびR34は、独立に、水素、アルキル、またはアシルであり、n4は、0-2であり、R32は、水素、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキルであり、ここで該アルキレン鎖は、1〜6個のハロで置換されてもよく、ここでR1a中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、またはアシルから独立に選択される1個、2個、または3個のReで置換されてもよい、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
R1aが、2-メチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、4,4-ジメチルシクロヘキシルメチル、4-エチル-4-メチルシクロヘキシルメチル、4,4-ジエチルシクロヘキシルメチル、3,3-ジメチルシクロヘキシルメチル、3,5-ジメチルシクロヘキシルメチル、1-エトキシカルボニルピペリジン-4-イルメチル、1-メチルピペリジン-4-イルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、3,3-ジメチルブチル、3-メチルブチル、2-シクロヘキシルエチル、2,2,3-トリメチルブチル、2-シクロヘキシル-2-メチルプロピル、3,3-ジメチルペンチル、3-エチル-3-メチルペンチル、2-(1-メチルシクロヘキシル)エチル、テトラヒドロナフチルメチル、2-テトラヒドロピラン-4-イルエチル、2-(1-メチルシクロプロピル)エチル、2-(1-メチルシクロプロピル)-2-メチルプロピル、2-シクロペンチルエチル、2-シクロペンチル-2-メチルプロピル、4-イソプロピル-4-メチルシクロヘキシルメチル、フェニルメタンチオメチル、フェニルメタンスルフィニルメチル、ジメチルアミノメチル、ピロリジン-1-イルメチル、ピペリジン-1-イルメチル、モルホリン-4-イルメチル、チオモルホリン-4-イルメチル、1-オキソ-チオモルホリン-4-イルメチル、1,1-ジオキソチオモルホリン-4-イルメチル、テトラヒドロチオピラン-4-イルメチル、1-オキソテトラヒドロチオピラン-4-イルメチル、1,1-ジオキソテトラヒドロチオピラン-4-イルメチル、1-メチルピペラジン-4-イルメチル、ベンジルオキシメチル、n-ブチル、エトキシメチル、エチルチオメチル、エチルスルフィニルメチル、エチルスルホニルメチル、イソプロピルチオメチル、イソプロピルオキシメチル、2-ジメチルアミノエチル、2-ピペリジン-1-イルエチル、2-ピロリジン-1-イルエチル、2-メチルチオエチル、2-メチルスルフィニルエチル、2-メチルスルホニルエチル、tert-ブチルチオメチル、tert-ブチルオキシメチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、イミダゾール-4-イルメチル、4-ジメチルアミノブチル、インドール-3-イルメチル、2-ジメチルアミノカルボニルエチル、2-ピロリジン-1-イルカルボニルエチル、ジメチルアミノカルボニルメチル、ピロリジン-1-イルカルボニルメチル、メトキシカルボニルメチル、2-フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2-クロロフェニルメタンスルホニルメチル、2-ニトロフェニルメタンスルホニルメチル、2-シアノフェニルメタンスルホニルメチル、ピリジン-3-イルメタンスルホニルメチル、ピリジン-2-イルメタンスルホニルメチル、ピリジン-4-イルメタンスルホニルメチル、2-フルオロフェニルメタン-チオメチル、2-クロロフェニル-メタンチオメチル、2-シアノフェニルメタンチオメチル、2-ニトロフェニルメタンチオメチル、シクロヘキシルメタンチオメチル、シクロヘキシルスルフィニルチオメチル、シクロヘキシルメタンスルホニルメチル、3,4-ジクロロベンジル、2-クロロベンジル、4-エトキシベンジル、4-ニトロベンジル、ビフェン-4-イルメチル、ナフタ-1-イルメチル、2-メチルブチル、1-メチルプロピル、ナフタ-2-イルメチル、4-クロロベンジル、3-クロロベンジル、4-フルオロベンジル、インドール-2-イルメチル、1-ベンジルイミダゾール-4-イルメチル、2-フェネチル、4-ヒドロキシベンジル、2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル、4-エチル-4-メチルピペリジン-1-イルメチル、2-メチルシクロヘキシルメチル、4-メトキシシクロヘキシルメチル、インドール-1-イルメチル、1-メチルピペリジン-2-イルメチル、2-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-3-イルエチル、8-メチル-8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イルメチル、ビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イルメチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-イルメチル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-3-イルメチル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタ-4-イルメチル、2-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-1-イルエチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イルエチル、チオフェン-2-スルホニルメチル、3-クロロ-2-フルオロフェニルメタン-スルホニルメチル、ベンゼンスルホニルメチル、フェニルメタンスルホニルメチル、2-ベンゼンスルホニルエチル、2-(ピリジン-2-イルスルホニル)エチル、2-(ピリジン-4-イルスルホニル)エチル、2-フェニルメタンスルホニル-エチル、オキシピリジン-2-イルメタンスルホニルメチル、4-メトキシフェニル-メタンスルホニルメチル、p-トリルメタンスルホニルメチル、4-クロロフェニルメタンスルホニルメチル、o-トリルメタンスルホニルメチル、3,5-ジメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2-ブロモフェニルメタンスルホニルメチル、ナフタ-2-イルメタンスルホニルメチル、3-メチルフェニルメタンスルホニルメチル、3-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、3-トリフルオロメトキシフェニルメタン-スルホニルメチル、4-フルオロ-2-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-6-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2,6-ジフルオロベンジル、1-メチルシクロペンチルメチル、シクロヘキシル、ピリジン-4-イルメチル、3-クロロフェニルメタンスルホニルメチル、2-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、4-tert-ブチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-3-メチルフェニルメタンスルホニルメチル、3-フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、4-フルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,6-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5-ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、3,4-ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、2-(1,1-ジフルオロメトキシ)フェニルメタンスルホニルメチル、3-シアノフェニルメタン-スルホニルメチル、2-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3-トリフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2,3-ジフルオロフェニルメタン-スルホニルメチル、2,5-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、ビフェニル-2-イルメタン-スルホニルメチル、シクロヘキシルメチル、3-フルオロフェニル-メタンスルホニルメチル、2-ピリジン-2-イルスルホニルエチル、2-フェニルスルホニルエチル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、2,2-ジクロロ-3-フェニルプロピル、2,2,2-トリクロロエチル、2,2-ジクロロエチル、1,4-ジメチルシクロペンチルメチル、3,4-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4-ジフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4,6-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,4,5-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,4-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,3,5-トリフルオロフェニルメタンスルホニルメチル、2,5,6-トリフルオロフェニルメタンスルホニル-メチル、2-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-メチルプロパン-1-スルホニルメチル、2-フルオロ-3-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-4-トリフルオロメチルフェニルメタンスルホニルメチル、2-フルオロ-5-トリフルオロメチル-フェニルメタンスルホニルメチル、4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェニルメタンスルホニルメチル、2-メトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3,5-ビス-トリフルオロメチルフェニル-メタンスルホニルメチル、4-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、3-ジフルオロメトキシフェニルメタンスルホニルメチル、2,6-ジクロロフェニルメタンスルホニルメチル、ビフェニル-4-イルメタンスルホニルメチル、3,5-ジメチル-イソオキサゾール-4-イルメタンスルホニルメチル、5-クロロチエン-2-イルメタン-スルホニルメチル、2-[4-(1,1-ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニル]エチル、2-[2-(1,1-ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニル]エチル、2-[3-(1,1-ジフルオロメトキシ)ベンゼンスルホニル]エチル、2-(4-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)エチル、2-(3-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)-エチル、2-(2-トリフルオロメトキシベンゼンスルホニル)-エチル、(シアノメチルメチルカルバモイル)メチル、ビフェニル-3-イルメチル、2-オキソ-2-ピロリジン-1-イルエチル、2-ベンゼンスルホニルエチル、イソブチルスルファニルメチル、2-フェニルスルファニルエチル、シクロヘキシルメタンスルホニルメチル、2-シクロヘキシルエタンスルホニル、ベンジル、ナフタ-2-イル、フェニルメタンスルファニルメチル、2-トリフルオロメチルフェニルメタンスルファニルメチル、フェニルスルファニルエチル、シクロプロピルメタンスルホニルメチル、2-メチルプロピルスルホニルメチル、5-ブロモチエン-2-イルメチル、3-フェニルプロピル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、3,4,5-トリメトキシ-フェニルメタンスルホニル-メチル、2,2-ジフルオロ-3-チエン-2-イルプロピル、シクロヘキシルエチル、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、tert-ブチルメチル、1-メチルシクロヘキシルメチル、1-メチルシクロペンチルメチル、2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロピル、2,2-ジメチル-3-フェニルプロピル、1-ベンジルシクロプロピルメチル、またはベンジルオキシメチルであり;かつ
R1が水素である、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項13】
R3が、水素、アルキル、シクロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル、アルキルSO2アルキル、シクロアルキルSO2アルキル、アリールSO2アルキル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、インドリニル、ピラニル、チオピラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、イソオキサゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリルまたはアミノであり; ここで、R3中の芳香環または脂環は、1個、2個、または3個のRgにより置換されてもよく;
各Rgが、独立に、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、カルボキサミド、シクロアルキル、フェニル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、アルコキシ、-COR(ここで、Rはアルキルである)、-OC(O)R(ここで、Rは、アルコキシまたはアリールである)、アリールオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル(ここで、窒素原子は、アルキル、アリール、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニルまたはキノキサリニルにより独立に単置換または二置換されてもよい)、-NHCOR(ここで、Rは、アルキルまたはアリールである)、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルカルバモイルオキシ、アリールカルバモイルオキシ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、アミノ(ここで、窒素原子は、アルキル、アリール、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニルまたはキノキサリニルにより独立に単置換または二置換されてもよい)であり、ここで、Rg中の芳香環または脂環は、アルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキサミド、シアノ、またはニトロから独立に選択される1個、2個または3個のRhにより更に置換されてもよく;
R2が、水素またはメチルであり;かつ
R4aが、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、またはヒドロキシである、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
R3が、水素、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニル、またはアミノであり、ここで、窒素原子は、アルキルで単置換または二置換され、ここで、R3中の芳香環または脂環は、メチル、エチル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、カルボキサミド、シクロプロピル、フェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、チエニル、イミダゾリル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンゾイルオキシ、カルバモイル(ここで、窒素原子は、メチル、エチルまたはフェニルで単置換または独立に二置換される)、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、メチルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、アミノ(ここで、窒素原子は、メチルまたはフェニルで単置換または独立に二置換される)から独立に選択される1個、2個、または3個のRgで置換されてもよく; ここで、Rg中の芳香環または脂環は、メチル、シクロプロピル、フェニル、メトキシ、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、カルボキシまたはカルボキサミドから独立に選択される1個、2個、または3個のRhで更に置換されてもよい、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
R3が、水素、メチル、カルボキシ、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、フラニル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピラジニルまたはアミノ(ここで、窒素原子は、アルキルで置換されてもよい)であり、ここで、R3中の芳香環または脂環は、メチル、クロロ、フルオロ、フェニル、チエニル、メトキシ、アセチル、アセトキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、メトキシカルボニル、カルバモイル(ここで、窒素原子は、メチルまたはフェニルで単置換または独立に二置換される)、アセチルアミノ、メチルチオ、フェニルチオ、フェニルスルホニル、メチルスルホニル、メトキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、アミノ(ここで、窒素原子は、メチルまたはフェニルで単置換または独立に二置換される)から独立に選択される1個、2個、または3個のRgで置換されてもよく;
R4aが、水素、アルキルまたはアルコキシであり;かつ
R4が-S(O)2R38であり、ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルまたはナフチルであり、ここで、Ri中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい、請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物。
【請求項16】
R4が-S(O)2R38であり、ここで、R38は、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アシル、アミノ、単置換アミノ、二置換アミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルから独立に選択される1個、2個、または3個のRiで置換されてもよいフェニルであり、ここで、Ri中の芳香環または脂環は、アルキル、ハロ、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルから独立に選択される1個または2個の置換基で置換されてもよい、請求項1〜15のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
式(Ia)または(Ib):

式中、
R1、R2、およびR4aは、水素であり;
R1aは、シクロアルキルアルキルであり、ここで、脂環は、アルキル、ヘテロアラルキル、または-アルキレン-S(O)n4-R32で置換されてもよく、ここで、n4は、0〜2であり、R32は、アラルキルであり、ここで、芳香環は、ハロアルコキシで置換されてもよく;
R3は、水素、アルキル、ヘテロシクリル、またはアルキルチオであり;
R4は、フェニルスルホニルであり;
Eは、-CHR6COR10であり、ここで、R6は、アルキルであり、R10は、アルキルもしくはアリールで置換されてもよいヘテロアリール、-CH2CN、または-CR5aR6aであり、ここで、R5aおよびR6aは、これらが結合している炭素原子と共に、シクロアルキレンまたはヘテロシクロアルキレンを形成する
である化合物、または薬学的に許容されるその塩。
【請求項18】
1つまたは複数の適切な賦形剤と混合された請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項19】
システインプロテアーゼが介在する動物の疾患を処置するための方法であって、動物に請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物を治療的有効量投与する工程を含む方法。
【請求項20】
疾患が乾癬である、請求項19記載の方法。

【公表番号】特表2006−526657(P2006−526657A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515175(P2006−515175)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/017654
【国際公開番号】WO2004/108661
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(505448752)アクシス ファーマシューティカルズ (1)
【出願人】(306022199)
【Fターム(参考)】