説明

システムキッチン

【課題】誘導加熱すべき調理用容器をユーザの要望に応じた天板上の任意の箇所に配置することができ、かつ天板下部の冷熱処理を効果的に行う。
【解決手段】天板13と、IHヒーターコイル3a〜3dと、該IHヒーターコイルを一水平方向に移動させる水平方向移動手段と、天板13の下部において少なくとも水平方向移動手段によりIHヒーターコイル3a〜3dが移動可能な領域に応じて形成された空間121a〜121dと、該空間121におけるIHヒーターコイル3a〜3dの移動方向に対応した長手方向に沿って冷却媒体を介して冷却する送風機122a〜122dを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンに関し、特に天板上において調理用容器を載置してコイルユニットを介して誘導加熱調理する際に好適なシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
台所に設置されるシステムキッチン50は、図9に示すように、流し台キャビネット51と、これに互いに隣接して設置されるコンロ用キャビネット52と、それらを被覆する1枚の天板53とを備えている。このシステムキッチン50においては、天板53のうち流し台キャビネット51を被覆する流し台領域Aにはシンク54が形成されており、このシンク54に対して水栓61から湯水が供給されることになる。コンロ用キャビネット52を被覆するコンロ領域Bの前面部寄りには長方形の開口部56が切り抜かれて、その開口部56から1台のコンロ55がコンロ用キャビネット52上に落とし込まれている。また、この流し台領域Aと、コンロ領域Bの中間には、調理台ユニット領域Cが形成され、ユーザは、かかる調理台ユニット領域Cの上面に貼り渡されている天板53上において食物を調理し、或いは調理に必要な器具や食器等を載置する。
【0003】
ここで一般的にシステムキッチンとは、収納用の各種フロアキャビネットを併設し、該フロアキャビネット上にはワークトップを有し、必要によってシンクあるいは加熱調理機器を配した、モジュール化されコーディネートされた組み合わせ型キッチンであり、広義には、間仕切り収納キャビネットやダイニングカウンターを含む。これらワークトップ又はカウンターを総称して、以下天板という。
【0004】
図10は、かかるコンロ領域B並びに調理台ユニット領域Cにおける使用例を示している。
【0005】
この図10に示す例において、先ずコンロ領域Bでは、コンロ55本体を構成する本体ケース81が天板上から落とし込み状態に固定装着されている。このコンロ55本体には、複数のガスバーナ84が配設されており、上面に設けられたカバー83には、該各ガスバーナ84が臨むバーナ用開口部85が開設されている。さらに、前記バーナ用開口部85上方には五徳86が配設され、バーナの炎や、炎により生じた熱気が五徳86の爪部に載置された調理鍋74等の底面に沿って五徳86の外側に放出されるようになっている。即ち、ガスバーナ84を燃焼させることにより、前記五徳86に載置した調理鍋74内の食材等を加熱調理することが可能となる。
【0006】
また、調理台ユニット領域Cでは、実際に食物を切り刻み、加工するためのまな板91や、洗浄した食器類を乾燥させるためのステンレス製の食器篭92等が載置される。さらには、トースター65,ジューサー69,炊飯器71等のような実際の調理に必要な調理用機器等が所狭しと配置されることになる。これら各調理用機器は、コンセント61やプラグ67を介して電源が供給される。
【0007】
これらトースター65やジューサー69、炊飯器71等の各種調理用機器の代替として、例えば泡立て器や食器洗い機等の各種調理用機器をこの調理台ユニット領域Cに配置する場合もあり、同じくコンセント61からの電源を供給することになる。
【0008】
ところで、数多くのレシピが研究されつつある中、和洋東西多彩を極めた多岐にわたる調理が家庭においても実現可能となった昨今において、多くの調理用機器を同時に動作させる必要性も高まっている。
【0009】
しかしながら、上述の如き従来のシステムキッチンにおいて多くの調理用機器を同時に動作させるためには、面積が限定された調理台ユニット領域Cにおいて、多くの調理用機器を配置しなければならない。このため、食器籠92を含め他の食器を置くスペースや、まな板91を使用して食物を加工するためのスペースが必然的に小さくなる。また、調理台ユニット領域Cに隣接するコンロ領域Bにおいてもガスコンロを利用して調理鍋に入れた食物等を同時に煮たりする場合もあるが、かかるガスコンロからの熱が調理台ユニット領域C上に置いてある調理用機器に伝熱することもあるため、かかる調理用機器の配置箇所において更なる制約がかかる。
【0010】
一方、多くのガスコンロを用いて一度に多くの食物等を同時に煮炊きする場合には、ガスコンロを増設する必要があるところ、上述のガスコンロ領域Bにおける天板上の占有率を高く設定するとともに調理台ユニット領域Cの占有率を低く設定したい場合もある。また、図10に示す既存のシステムキッチンにおいては、本体ケースが天板上から落とし込み状態に固定装着されるものであり、ガスコンロを増設し、ガスコンロ領域を大幅に移動させることはできなかった。
【0011】
従って、調理台ユニット領域Cやコンロ領域Bの天板上における占有比率をユーザの意思に応じて可変とすることにより、かかる調理をより効率的に実現ことが望まれている。
【0012】
特にこのような要請に応えるためには、ガスコンロの配置の自由度をいかにして向上させるかが最重要課題となる。かかる課題を解決すべく、電磁誘導を利用して加熱調理する誘導加熱機器を上記ガスコンロの代替として用いる手法が従来において提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0013】
この特許文献1に示される誘導加熱機器100は、例えば図11に示すように、調理鍋等に代表される負荷部98とこの負荷部98を誘導加熱する磁気発生部99とを備え、この磁気発生部99は、上記負荷部98を載置するためのトッププレート103と、トッププレート103の下部に設けられ、上記誘導加熱を実行するための高周波磁界を発生する一次コイル104とこの一次コイル104を駆動するインバータ107とを備え、このインバータ107には電源コード109を介して電源が供給されることになる。
【0014】
ユーザは、この磁気発生部99を天板上の任意の位置に配置することができるため、調理台ユニット領域Cとコンロ領域Bとを区別することなく、誘導加熱機器100と調理用機器との間で自由な配置のバリエーションを楽しむことが可能となる。
【特許文献1】特開平5−184471号公報
【特許文献2】特開2006−230516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、この従来の誘導加熱機器100を上述したガスコンロの代替として用いる場合には、負荷部98のみならず、磁気発生部99本体をも天板上に載置しなければならない。磁気発生部99は、一次コイル104やインバータ107を始めとした各種デバイスを実装する関係上、幅や奥行きが広くなり、しかも厚みが増してしまう。このため、天板上に載置された磁気発生部99自体が広大なスペースを占有してしまうことにもなり、他の調理用機器における配置の自由度が確保できなくなり、ひいては天板上のスペースを有効に活用することができなくなるという問題点が生じる。
【0016】
また、この誘導加熱機器100では、インバータ107に接続された電源コード109が天板上に置かれることになるため、その煩わしさを解消することができない。特に多くの調理用機器を同時に使用する場合には、コンセント61に加えプラグ67を用いていわゆるタコ足配線により電源コード109を接続しなければならず、流せる電流自体に制限がかかるとともに、制限を越えた電流を流してしまうと電源コード自体が加熱し火災の原因ともなり得る。また、誘導加熱機器100の天板上における配置位置は、あくまで電源コード109の長さやシステムキッチンに配設されているコンセントの位置等により支配されるところ、かかる配置の自由度につき一定の制約もかかることになる。
【0017】
このため、例えば特許文献2においては、調理用容器が載置される天板の下部において少なくとも調理用容器が載置可能な位置に応じた空間を形成し、かかる空間内にコイルユニットを移動自在に配置し、天板上における調理用容器の載置位置を識別するとともに、その識別した調理用容器の載置位置へコイルユニットを移動させる技術が開示されている。
【0018】
これにより、調理用容器が天板上の任意の位置に載置された場合であっても、その載置位置を自動的に識別し、かかる載置位置へコイルユニットを移動させることができ、さらには、そのコイルユニットにより発生される高周波磁界により調理用容器を誘導加熱することが可能となる。即ち、ユーザは、天板上の好みの箇所に調理用容器を載置するだけでよく、残りのコイルユニットの位置調整は、全てシステムキッチンが自動的に実行してくれることになり、配置のバリエーションを僅かに改変する場合においても、労力の負担を軽減することが可能となる。
【0019】
しかしながら、上述した特許文献2の開示技術では、天板の下部において誘導加熱機器に加えてこれを可動させるための機器を配設しなければならず、これら機器から発生される熱が天板の下部に蓄積してしまう。この蓄積された熱は誘導加熱機器や、その可動機器に対して悪影響を及ぼす場合もあることから、冷熱処理を行う必要もあった。
【0020】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、誘導加熱すべき調理用容器をユーザの要望に応じた天板上の任意の箇所に配置することができ、かつ天板上のスペースをより有効的に活用することができ、さらには天板下部の冷熱処理を効果的に行うことが可能なシステムキッチンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明を適用したシステムキッチンは、上述した課題を解決するために、少なくとも調理用領域として利用可能な天板と、高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有するとともに上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、上記ベースプレートを一水平方向に移動させる水平方向移動手段と、上記天板の下部において少なくとも上記水平方向移動手段により上記ベースプレートが移動可能な領域に応じて形成された空間と、上記空間における上記ベースプレートの移動方向に対応した長手方向に沿って送風することにより冷却する冷却手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
本発明を適用したシステムキッチンは、上述した課題を解決するために、少なくとも調理用領域として利用可能な天板と、高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有するとともに上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、上記ベースプレートを一水平方向に移動させる水平方向移動手段と、上記天板の下部において少なくとも上記水平方向移動手段により上記ベースプレートが移動可能な領域に応じて形成された空間と、上記天板の裏面に冷却媒体を接触させて上記長手方向に向けて往復させる冷却手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明では、天板の下部において少なくともベースプレートが移動可能な領域に応じて空間を形成し、かかる空間におけるベースプレートの移動方向に対応した長手方向に沿って冷却媒体を介して冷却する。
【0024】
その結果、細長い形状とされた空間に、当該長手方向に沿って空気を送風することにより、空気を略一直線上に通過させることができ、空気が部分的に循環したり停滞したりすることも無くなることから冷却効率を向上させることができる。しかもこの当該空間は小容積で構成可能であることから、少ない動力で大きな冷却効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態として、少なくともワークトップ又はカウンター(以下、これらを総称して天板という。)を備え、壁面から離して配置されるアイランドタイプ(Island Type:島型)のシステムキッチンを例にして、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
先ず、本発明の第1の実施形態に係るシステムキッチンについて説明する。図1は本実施形態のシステムキッチンを示す斜視図である。図2(a)及び(b)は図1に示すシステムキッチンの動作を示す平面図であり、図3は誘電加熱部の移動機構を示す平面図である。なお、図2(a)及び(b)においては、図を見やすくするために天板の図示を省略している。図1に示すように、本実施形態のシステムキッチン1は、キャビネット11の上部に、誘電加熱部を構成する4つのIHヒーターコイル3a〜3dが配設されており、これらの覆うように天板13が配置されている。また、キャビネット11の上部の天板13に隣接する領域は、シンク14と、このシンク14に対して湯水を供給するための水栓15が設けられた流し台領域Aとなっている。
【0027】
本実施形態のシステムキッチン1におけるキャビネット11には、例えば前面側に片開き可能に軸着されている図示しない扉及び収納用引出等が設けられている。そして、各扉及び/又は収納用引出内には、主として台所用具及び食器等を収納可能な棚及びケース等を配置することができる。
【0028】
また、シンク14には、周縁部に水切り用の凹み部等が形成されており、底面には排水口が設けられている。このシンク14における凹み部及び排水口は、プレス成形、注型成形及びインジェクション成形等の方法により一体成形されている。このシンク14の材質は、特に限定されるものではないが、耐熱性のある樹脂又はステンレス鋼板等の金属材料を使用することができる。
【0029】
更に、本実施形態のシステムキッチン1においては、IHヒーターコイル3a〜3dが、天板13の幅方向(以下、縦方向Yという)の中央部に配置されており、天板の長手方向(以下、横方向Xという)に略等間隔で配列されている。そして、各IHヒーターコイル3a〜3dは、夫々縦方向Yに移動可能となっている。
【0030】
本実施形態のシステムキッチン1の天板13は、表面が平滑で耐熱性があるガラス板で構成されており、食材等を加熱調理するための調理鍋、食器篭、炊飯器及びジューサー等の各種調理用機器、及び食材を切り刻み、加工するためのまな板等が載置可能な構成となっている。なお、この天板13は、全ての領域が同素材で構成される場合に限定されるものではなく、少なくともIHヒーターコイル3a〜3dが移動する範囲の直上域がガラスで構成されていればよい。また、天板13には、IHヒーターコイル3a〜3dが移動する範囲以外の領域に、図柄等の印刷が施された裏面印刷部13aが設けられていてもよい。
【0031】
また、本実施形態のシステムキッチン1においては、天板13に複数個の操作部357が配設されており、各操作部357は、キャビネット11内に配設された中央制御ユニット358に接続されている。そして、ユーザが操作部357を操作すると、その情報が中央制御ユニット358に伝達され、この中央ユニット358からIHヒーターコイル3a〜3dに対して制御信号が送信される。
【0032】
このように本実施形態のシステムキッチン1においては、IHヒーターコイル3a〜3dを縦方向Yに移動させることができるため、天板13上の略全ての領域で、鍋等の調理用容器を誘電加熱することができる。即ち、本実施形態のシステムキッチン1は、流し台領域A以外の領域が、従来のコンロ領域及び調理台ユニット領域の両方の機能を兼ね備えた加熱調理台領域Dとなる。このため、ユーザは、天板13上の任意の位置で加熱調理を行うことができると共に、天板13上の任意の位置でまな板等を載置して調理を行うことができ、更には天板13上の任意の位置に各種調理用機器を載置することができる。
【0033】
以下、加熱調理台領域Dの具体的な構成について説明する。図2(a)及び(b)並びに図3に示すように、本実施形態のシステムキッチン1におけるIHヒーターコイル3a〜3dは、夫々縦方向Yに伸びるレール256に係合するレール係合部材257上に載置されている。このレール係合部材257は、駆動モータ260及びギアボックス258等からなる移動制御部によってレール256上を移動する。また、各IHヒーターコイル3a〜3dには、例えば縦方向Yの両端部に夫々鍋等の調理用容器を検知するためのセンサ261が取り付けられている。このセンサ261は、調理用容器が載置されているか否かを判別するためのものであり、例えば赤外線センサ、レーザーセンサ、超音波センサ、近接センサ及び変位センサ等を使用することができ、これらを組み合わせて使用することもできる。
【0034】
更に、IHヒーターコイル3a〜3d、これらに取り付けられたセンサ261及び移動制御部は、中央制御ユニット358を介して、加熱調理台領域Dの縦方向Yにおける端部に設けられた各操作部357に接続されている。図4は、中央制御ユニット358やIHヒーターコイル3a〜3dの駆動部を示すブロック図であり、図5はIHヒーターコイル3a〜3dの構造を示す断面図である。
【0035】
中央制御ユニット358は、CPU等で構成される制御部401と、液晶パネル等を介してユーザに対して所定の情報を表示する表示部363とを備え、この制御部401から、後述する冷却ファン122にON/OFF信号を送信可能としているとともに、操作部357を介したユーザからの入力信号を制御部401を介して受け付ける。さらに、この中央制御ユニット358における制御部401からモーター260に対して制御が行われることになる。
【0036】
IHヒーターコイル3a〜3dの駆動部は、インバータブロック331と、制御ブロック332に大別されて構成されている。このインバータブロック331は、実際に誘導加熱する高周波磁界を制御するためのブロックであり、制御ブロック332は、IHヒーターコイル3全体を制御するためのブロックである。
【0037】
インバータブロック331は、家庭用のAC200V(50/60Hz)の電源を電源プラグ329から電源コード330を介して受給する整流回路333と、この電源コード330と整流回路333との間に配設された電流検知コイル344と、この整流回路333に接続されてなり、鉄心にコイルを巻回すことにより構成されるチョークコイル334と、このチョークコイル334との間で直列LC回路を構成するコンデンサ335と、整流回路333の出力端子間を直列に接続するようにして配設される第1のスイッチング素子336並びに第2のスイッチング素子337と、これらスイッチング素子336,337に対して並列に接続される2つの共振コンデンサ338,339と、これら共振コンデンサ338,339の接続点に短絡されるカーレントトランス340と、インバータブロック331の内部の何れかに実装される回路保護サーモ341とを備えている。このインバータブロック331におけるカーレントトランス340の一端側と、上記スイッチング素子336,337の接続点には、さらに誘導加熱コイル342が接続され、この誘導加熱コイル342の略中心付近には鍋温度検知サーミスタ350が設けられている。
【0038】
制御ブロック332は、インバータブロック331における電流検知コイル344に接続される一次電流検知回路345と、整流回路333へ供給される電流を検知するための電源電圧検知回路346と、少なくとも一次電流検知回路345並びに電源電圧検知回路346に接続されてなり、この制御ブロック332全体を制御するための中央演算ユニットとしての役割を担う制御回路347と、この制御回路347と上記スイッチング素子336,337とに接続されるインバータ駆動回路348と、接続された回路保護サーモ341からの検知情報を制御回路347へ送信するための温度検知回路349と、カーレントトランス340並びに制御回路347に夫々接続されるコイル電流検知回路351と、温度検知サーミスタ350並びに制御回路347に夫々接続される鍋温度検知回路352とを少なくとも備えている。また、この制御ブロック332は、制御回路347に対して更に冷却ファン354と、アラーム362と、表示部363と、操作部357とを接続して構成されている。
【0039】
図5に示すように、上述した各構成要素は、筐体305内部に実装されている。特に、インバータブロック331及び制御ブロック332は、載置台306上に載置されて取り付けられることになる。また、この筐体305には、冷却用ファン354の配設位置近傍の底面に吸気口358が形成されており、さらに一の側面には排気口359が形成されている。
【0040】
次に、インバータブロック331の各構成要素について詳細に説明する。整流回路333は、接続された電源プラグ329からの電源用電流を整流するために配設されたものであって、供給された交流としての電源用電流を直流に変換する。チョークコイル334とコンデンサ335とにより構成されるLC直列回路は、いわゆる平滑回路を構成する。スイッチング素子336,337は、例えばトランジスタ等で構成され、各スイッチング素子336,337のエミッタとコレクタには逆導通用のダイオード362,363がそれぞれ並列接続される。スイッチング素子336のベースにはインバータ駆動回路348からの駆動信号QAが供給され、スイッチング素子337のベースにはインバータ駆動回路348からの駆動信号QBが供給される。即ち、インバータ駆動回路348は、この駆動信号QAと駆動信号QBとを交互に供給することにより、共振コンデンサ338,339と誘導加熱コイル342に共振電流を流すことが可能となる。
【0041】
誘導加熱コイル342は、図5に示すように、筐体305の上面305aに対向させて配設されている。この誘導加熱コイル342における巻き数は、上記調理用容器20を加熱する際における電力を支配するものであり、調理用容器20における底板の表皮抵抗や共振電流の大きさとの関係において最適に調整されている必要がある。この誘導加熱コイル342は、上記供給される共振電流に基づいて共振されることになり、その結果、高周波磁界を発生させることが可能となる。
【0042】
回路保護サーモ341は、温度の変化に応じて抵抗値が変化するサーミスタ等で構成されており、主としてインバータブロック331や制御ブロック332を構成する空間の温度を測定するものである。
【0043】
温度検知サーミスタ350は、回路保護サーモ341と同様にサーミスタで構成されている。この鍋温度検知サーミスタ350は、天板13を介して調理用容器20の温度を検知するためのものであり、上述の如く誘導加熱コイル342の中心付近に配設される。更にまた、カーレントトランス340は、誘導加熱コイルに流れる共振電流の電流値を検知するためのコイル等である。
【0044】
次に、制御ブロック332の各構成要素について詳細に説明する。一次電流検知回路345は、接続された電流検知コイル344を介して、電源プラグ329を介して供給される電源用電流の電流値を検知する。そして、一次電流検知回路345は、検知した電流値を制御回路347へと通知する。
【0045】
電源電圧検知回路346は、電源プラグ329からの電源用電流に基づく電圧を検知し、この検知した電圧を制御回路347へ通知するものである。
【0046】
制御回路347は、例えばCPU等で構成される中央制御ユニット358内に設けられている。そして、制御回路347には、上述した一次検知回路345により検知された電流値が通知され、電源電圧検知回路346により検知された電圧が通知された場合には、これらを参照しつつ、設定された電力となるようにインバータ駆動回路348を制御する。また、制御回路347は、操作部357を介したユーザからの命令を解釈し、これに基づいてインバータ駆動回路348、冷却ファン354及びアラーム362を制御すると共に、表示部363を介して所定の情報を表示する。
【0047】
インバータ駆動回路348は、正弦波信号を発振させるための発振回路であり、制御回路347による制御に基づいて、上記駆動信号QA又は駆動信号QBを生成するものである。
【0048】
温度検知回路349は、回路保護サーモ341における抵抗値の変化を検出するものである。この温度検知回路349は、検出した回路保護サーモ341の抵抗値の変化に基づき、筐体305の内部の温度を検知する。この温度検知回路349は、検知した筐体305内部の温度を制御回路347へ通知する。制御回路347は、温度検知回路349からの通知を介して筐体305内部の温度を随時認識することが可能となる。これにより、例えば運転中において冷却ファン等が停止した場合、及び吸気口358又は排気口359が詰まった場合等のように冷却性能が低下し、筐体305の内部の温度が急激に上昇した場合には、制御回路347は、温度検知回路349を介してこれを認識し、IHヒーターコイル3a〜3dの動作を停止させることも可能となる。
【0049】
コイル電流検知回路351は、カーレントトランス340により検知された共振電流の電流値を読み取り、これを制御回路347へ通知するものである。この制御回路347は、コイル電流検知回路351を介して共振電流の電流値を随時認識することができる。これにより、制御回路347は、例えば、調理用容器20の材質や形状に応じて決定される誘導加熱に必要な電力に対して、必要以上の共振電流が流れるのを抑制することが可能となり、更には、誘導加熱中において調理用容器20が外された場合において、IHヒーターコイル3a〜3dの動作を停止させるとともに、アラーム362を介してこれをユーザに通知することも可能となる。
【0050】
鍋温度検知回路352は、鍋温度検知サーミスタ350における抵抗値の変化を検出し、この検出した鍋温度検知サーミスタ350の抵抗値の変化に基づき、調理用容器20の温度を検知するものである。そして、鍋温度検知回路352は、検知した調理用容器20の温度を制御回路347へ通知する。これにより、制御回路347は、温度検知回路349からの通知を介して調理用容器20の温度を随時認識することが可能となり、例えば調理用容器20の底部の温度が規定値以上に上昇した場合には、IHヒーターコイル3a〜3dの動作を停止させることも可能となる。
【0051】
冷却ファン354は、制御回路347による制御に基づいて回転し、この冷却ファン354の回転に応じて、吸気口358から冷却風が吸い込まれる。そして、この吸い込まれた冷却風は、インバータブロック331や制御ブロック332上を通過することによりこれらを冷却し、排出口359から外部へと排出される。
【0052】
アラーム362は、制御回路347による制御に基づいて所定の音を発生させる音声発振器で構成される。
【0053】
操作部357には、ユーザが実際にIHヒーターコイル3a〜3dを操作するためのキー及びボタン等が設けられている。この操作部357においてユーザから入力された内容は、制御部401へ通知され、制御部401は、接続された制御回路347へこれを通知し、制御回路347はかかる入力された内容に基づいてIHヒーターコイル3a〜3dの各構成要素を制御していくことになる。なお、この操作部357は、液晶のタッチパネル等を想定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、無線通信でユーザからの入力内容を送信するためのリモートコントローラで構成されていてもよい。
【0054】
次に、IHヒーターコイル3a〜3dの動作、即ち、上述の如く構成されたIHヒーターコイル3a〜3dにより、調理用容器20を誘導加熱する方法について説明する。
【0055】
先ず、天板13上の任意の位置に鍋等の調理用容器20を載置し、この調理用容器20の直下域にIHヒーターコイルを移動させる。具体的には、ユーザが操作部357を操作すると、その情報が中央制御ユニット358に伝達され、この中央制御ユニット358の指示により対応するモータ260が駆動し、IHヒーターコイル3a〜3dの全て、又はこれらのうち横方向Xにおいて調理用容器20に最も近いIHヒーターコイルが縦方向Yに移動する。
【0056】
次に、調理用容器20の直下域に配置されたIHヒーターコイルにより、調理用容器20を誘電加熱する。具体的には、先ず、電源プラグ329から電源コード330を介して電源用電流を受給する。この受給した電源用電流は、整流回路333において整流されることになる。このとき、インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御の下で、スイッチング素子336,337に供給する駆動信号QA、QBを調整する。
【0057】
図6(a)は誘導加熱コイル342に流れる共振電流を示す図であり、図6(b)スイッチング素子336に対して供給される駆動信号QAを示す図であり、図6(c)は、スイッチング素子337に対して供給される駆動信号QBを示す図である。図6(a)〜(c)に示すように、インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御下で、時点tから時点tに至るまで駆動時間がT1である駆動信号QAをON出力する。この駆動時間T1の間では、スイッチング素子336及びダイオード362と、誘導加熱コイル342と、共振コンデンサ338とで形成される閉回路で共振することになる。そして、インバータ駆動回路348は、時点tとなったときに駆動信号QAをOFFにする。
【0058】
次に、インバータ駆動回路348は、制御回路347による制御下で、時点tから駆動時間がT2である駆動信号QBをON出力する。この駆動時間T2の間では、スイッチング素子337及びダイオード363と、誘導加熱コイル342と、共振コンデンサ339とで形成される閉回路で共振することになる。なお、この駆動時間T2は、上記駆動時間T1と同一である。
【0059】
このように閉回路を変えて誘導加熱コイル342を共振させることにより、誘導加熱コイル342において高周波磁界を発生させることができる。この発生させられた高周波磁界は、天板13を介して調理用容器20の底板を通過していくことになる。この調理用容器20の底板は、金属製であるため、この高周波磁界を金属製の底板に通すことにより、渦電流が発生することになる。この渦電流と調理用容器20の持つ電気抵抗によりジュール熱が生じ、調理用容器20自体が発熱することになる。その結果、調理用容器20内にある食物を加熱調理することが可能となる。
【0060】
本実施形態のシステムキッチン1においては、加熱調理台領域Dの横方向Xに複数個のIHヒーターコイルを配列し、これらのIHヒーターコイルを加熱調理台領域Dの縦方向Yに移動可能としているため、IHヒーターコイルを移動させることにより、ユーザは、天板13上の任意の位置に加熱調理容器20を配置することができ、調理内容によって、適宜都合のよい場所で加熱調理することができる。また、加熱調理を行っていない領域は、全て調理台として使用可能であるため、調理台スペースの位置が限定されず、従来のシステムキッチンに比べて、調理台スペースを広くとることができる。更に、このシステムキッチン1においては、加熱調理台領域Dにおける略全ての領域が、誘電加熱領域でありかつ調理台領域であるため、調理台スペース及び加熱スペースの広さを適宜、フレキシブルに変更させることが可能となり、限られた天板13上のスペースを効率的に利用することが可能となる。
【0061】
これにより、例えば、最もシンク14寄りに配設されているIHヒーターコイル3dをユーザの手前の領域に移動させることによって、シンク14及びユーザの近傍に誘電加熱部(IHヒーターコイル3d)を配置することができるため、流し台領域Aにおいて水を満たして重くなった調理用容器20を、誘電加熱領域(IHヒーターコイル3dの直上域)に容易に配置することができる。その結果、従来のように、調理台領域を越えて誘導加熱領域まで運ぶ必要がなくなり、ユーザの労力の負担を軽減し、作業効率を改善することができる。
【0062】
また、本実施形態のシステムキッチン1は、センサ261により調理用容器20の位置を検知し、その直下域でIHヒーターコイルが自動的に停止するようにしてもよく、ユーザがIHヒーターコイルの位置を調節する必要がない。また、このセンサ261の構成を省略する場合には、操作部357を介してマニュアルコントロールで制御するようにしてもよい。
【0063】
更に、本実施形態のシステムキッチン1においては、天板13がIHヒーターコイルにおける調理用容器20の載置面を兼ねているため、ワークトップ面(天板13)に段差が無く、調理作業をスムーズに行うことができると共に、清掃性を向上させることができる。
【0064】
更にまた、このシステムキッチン1においては、操作部357を加熱調理台領域Dの縦方向Yにおける両端部に配置しているため、複数のユーザが向かい合って作業する際に、どちらからでも操作することができ、作業性が向上するする。更にまた、初期状態でのIHヒーターコイルの位置を縦方向Yの中央部としているため、複数のユーザが向かい合って作業しても、ユーザ近傍の領域を調理台スペースとして確保することができる。
【0065】
なお、本実施形態のシステムキッチン1においては、加熱部となるIHヒーターコイルを4台配設しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、横方向Xに複数個のIHヒーターコイルが配列されていればよく、その数はキャビネット11の横方向Xにおける長さに応じて変えることができる。また、本実施形態のシステムキッチン1においては、Y方向に複数個のIHヒーターコイルを配列させる構成としてもよい。
【0066】
更に、本実施形態はアイランドタイプのシステムキッチンを例に説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の構成は、流し台領域Aが設けられた作業台と加熱調理部Dが設けられた作業台とを1列に並べたいわゆる1列型キッチン、及び流し台領域Aが設けられた作業台と加熱調理部Dが設けられた作業台とをL字型に並べたいわゆるL型キッチンにも適用することができる。更にまた、IHヒーターコイルの初期状態の位置も、縦方向Yにおける中央部に限定されるものではなく、用途に応じて適宜設定することができ、例えば、1列型キッチンに適用する場合は、IHヒーターコイルを壁面側に寄せた状態を初期状態をとすることもできる。
【0067】
なお本発明では、天板13の下部において、IHヒーターコイル3により加熱された領域を空冷するための空冷システムを実装する。
【0068】
IHヒーターコイル3が移動可能な領域は、上述したように、移動方向に沿って細長い領域となる。このIHヒーターコイル3の移動可能な領域を図2、7に示すように、側板120a〜120dにより囲い込む。その結果、側板120a〜120dにより囲まれ、更に底面23と天板13により包囲された、IHヒーターコイル3の移動可能領域に応じた細長い空間121が、IHヒーターコイル3a〜3d毎に形成されることになる。ちなみに、この空間121は、閉空間であることに限定されるものではなく、隣接するIHヒーターコイル3a〜3d間を仕切る側板120dにおいて隙間が形成されることにより、開空間として構成されていてもよい。以下の説明では、このIHヒーターコイル3の移動方向yをこの空間121における長手方向yとする。
【0069】
空間121において、一の側板120aには、内部へ向けて送風する送風機122が設けられている。また、この側板120aに相対する側板120cには排気口123が設けられている。即ち、IHヒーターコイル3aに対応する空間121a〜121dについて、それぞれ送風機122a〜122dが、また排気口123a〜123dが互いに独立して設けられることになる。
【0070】
送風機122を作動させると、この空間121内に外部からの空気が取り込まれることになる。この空間121内部へ送風された空気は、IHヒーターコイル3の移動方向y、即ち、空間121における長手方向yに沿ってそのまま直進し、或いは側壁120b、dを反射しつつ、排気口123を介して外部へと排出されることになる。その結果、この空間121内に蓄積されている熱を送風により外部へ排出することができ、ひいてはこの空間121内の空気を冷熱させることが可能となる。
【0071】
特に、この送風機122と排気口123とを互いに相対するように設けることにより、内部に取り込まれた冷却気体はそのまま直進して排気口123を介して外部へと排出されていくことになり、冷却効率を向上させることが可能となる。
【0072】
また空間121は、IHヒーターコイル3a〜3d毎に設けられている。その分において、側壁120により隔てられた各空間121は、その容積を小さくすることができる。また、空間121は、IHヒーターコイル3の移動方向に対応した長手方向yに向けて細長い形状とすることができる。
【0073】
このような細長い形状とされた空間121に、長手方向yに沿って空気を送風することにより、空気を略一直線上に通過させることができ、空気が部分的に循環したり停滞したりすることも無くなることから冷却効率を向上させることができる。しかもこの空間121は小容積で構成可能であることから、少ない動力で大きな冷却効果を得ることができる。
【0074】
さらに、空間121a〜121dについて設けられる送風機122a〜122dは、互いに独立して制御可能とされている。このため、仮にIHヒーターコイル3bのみを使用して加熱調理を行った場合には、送風機122bのみ動作させて、空間121bのみを冷却すればよく、加熱箇所のみに焦点をあてて冷却をすればよい。このため、一度の送風冷却動作において、全ての送風機122を動作させる必要もなくなることから、省電力化にも寄与することになる。
【0075】
ちなみに、送風機122a〜122dは、中央制御ユニット358により制御されることになる。中央制御ユニット358により送風機122a〜122dに対してON/OFF動作が行われる際には、ユーザによるON/OFF操作に基づくようにしてもよいし、IHヒーターコイル3による加熱動作終了後において、中央制御ユニット358がこれを識別して自動的にON/OFF動作を行うようにしてもよい。これにより、ユーザのマニュアル操作で送風機122をコントロールする労力を軽減させることができる。このとき、いかなるIHヒーターコイル3a〜3dの加熱動作が終了したかを中央制御ユニット358が識別を行い、次に実際に加熱動作が終了した箇所の送風機122a〜122dの何れか1以上に対してのみ焦点を当てて冷却動作を行うようにしてもよい。
【0076】
図8は、空冷システムの他の形態を示している。この空冷システムでは、天板13の裏面に冷却媒体を接触させて長手方向yに向けて拭取り動作を行うシステムである。IHヒーターコイル3の移動方向yに沿って、布体131が天板13の裏面に接触するようにして、ロール体133、134間に亘って架け渡されている。布体131の一端は、ロール体133を介して下方に向けて引っ張られ、巻取り機135により巻き取られる。また布体131の他端は、ロール体134を介して下方に向けて引っ張られ、巻取り機136により巻き取られる。
【0077】
巻取り機135、136は、それぞれ中央制御ユニット358により制御されることになる。実際に中央制御ユニット358は、巻取り機135、136に対して、それぞれ互いにタイミングをずらして交互に回転するように制御する。その結果、これら巻取り機135、136に巻き取られている布体131は、移動方向yに沿って往復することになる。布体131は上述の如く天板13の裏面において接触している状態にあることから、かかる状態で布体131を移動方向yに沿って往復させると、いわば天板13の裏面を布体131により拭取ったものと同等の効果を得ることが可能となる。これにより、天板13を冷却することが可能となる。
【0078】
ちなみに、この布体131を湿らせることにより冷却効果を増強させるためには、例えば図示しない噴霧部を設け、実際に冷却動作を行う前に、かかる噴霧部を介して噴霧し、布体131を湿らすようにしてもよい。また、この布体131の代替としてジェル等を用いるようにしてもよい。また、布体131の一部に冷却用ジェルを設け、これを利用して天板13を冷却するようにしてもよい。
【0079】
なお、中央制御ユニット358により巻取り機135、136に対してON/OFF動作が行われる際には、ユーザによるON/OFF操作に基づくようにしてもよいし、IHヒーターコイル3による加熱動作終了後において、中央制御ユニット358がこれを識別して自動的にON/OFF動作を行うようにしてもよい。このとき、いかなるIHヒーターコイル3a〜3dの加熱動作が終了したかを中央制御ユニット358が識別を行い、次に実際に加熱動作が終了した箇所の巻取り機135、136の何れか1以上に対してのみ焦点を当てて冷却動作を行うようにしてもよい。
【0080】
上述した実施形態では、この冷却媒体として、送風機122による送気と、布体131による拭き取り動作の2つを例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、Hヒーターコイル3を搭載したベースプレート4の移動方向に対応した長手方向に沿って冷却媒体を介して冷却する構成であれば、いかなるものであってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態のシステムキッチンを示す斜視図である。
【図2】(a)及び(b)は図1に示すシステムキッチンの動作を示す平面図である。
【図3】誘電加熱部の移動機構を示す平面図である。
【図4】IHヒーターコイル3a〜3dの駆動部を示すブロック図である。
【図5】IHヒーターコイル3a〜3dの構造を示す断面図である。
【図6】(a)は誘導加熱コイル342に流れる共振電流を示す図であり、(b)スイッチング素子336に対して供給される駆動信号QAを示す図であり、(c)は、スイッチング素子337に対して供給される駆動信号QBを示す図である。
【図7】本発明の構成を適用したIHヒーターユニットを示す分解斜視図である。
【図8】空冷システムの他の形態について説明するための図である。
【図9】従来におけるシステムキッチンを示す図である。
【図10】従来のシステムキッチンにおける問題点につき説明するための図である。
【図11】従来におけるコードレス機器の例につき説明するための図である。
【符号の説明】
【0082】
1 システムキッチン
3a〜3d IHヒーターコイル
11,51 キャビネット
13,53 天板
13a 裏面印刷部
14,54 シンク
15,61 水栓
18 IHヒーターユニット
19 筐体
20 調理用容器
120 側板
121 空間
122 送風機
123 排気口
256 レール
257 レール係合部材
258 ギアボックス
260 モータ
261 センサ
357 操作部
358 中央制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも調理用領域として利用可能な天板と、
高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有するとともに上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、
上記ベースプレートを一水平方向に移動させる水平方向移動手段と、
上記天板の下部において少なくとも上記水平方向移動手段により上記ベースプレートが移動可能な領域に応じて形成された空間と、
上記空間における上記ベースプレートの移動方向に対応した長手方向に沿って送風することにより冷却する冷却手段とを備えること
を特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
上記空間は、上記一水平方向へ移動させるべきベースプレート数に応じて複数列に亘って形成されてなり、
上記冷却手段は、上記空間毎に設けられ、互いに独立して制御可能とされていること
を特徴とする請求項1記載のシステムキッチン。
【請求項3】
上記冷却手段は、上記空間の長手方向一端側から当該空間へ向けて送風する送風手段と、上記送風手段による送風を上記空間の長手方向他端側から排気するための排気手段とを有すること
を特徴とする請求項1又は2記載のシステムキッチン。
【請求項4】
少なくとも調理用領域として利用可能な天板と、
高周波磁界を発生するための誘導加熱コイルと上記誘導加熱コイルを駆動するインバータ回路とを有するとともに上記誘導加熱コイルからの磁界により調理用容器を誘導加熱可能なコイルユニットが搭載された平板状のベースプレートと、
上記ベースプレートを一水平方向に移動させる水平方向移動手段と、
上記天板の下部において少なくとも上記水平方向移動手段により上記ベースプレートが移動可能な領域に応じて形成された空間と、
上記天板の裏面に冷却媒体を接触させて上記長手方向に向けて往復させる冷却手段とを備えること
を特徴とするシステムキッチン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−11400(P2009−11400A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173601(P2007−173601)
【出願日】平成19年6月30日(2007.6.30)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】