説明

シリコンインゴット面取り装置

【課題】シリコンインゴットの角部の面取りの幅を従来のシリコンインゴット面取り装置に比較して能率良く一定にできるシリコンインゴット面取り装置を提供する。
【解決手段】一対のガイドローラ装置18,20をそれぞれ一対の側面22a,22b上に当接させた状態で一対のガイドローラ装置18,20をその一対の側面22a,22bに沿ってシリコンインゴット22の長手方向に移動させると、研削布紙12はシリコンインゴット22の角部22cの断面において研削布紙12の下面12aの位置と角部22cの先端の位置とが位置決めされながら研削布紙12の下面12aによって略一定の研削高さHで角部22cを研削してシリコンインゴット22の長手方向に案内されるので、シリコンインゴット22の角部22cを研削高さHだけ研削しその研削により形成された角部22cの面取りの幅Mが従来のシリコンインゴット面取り装置に比較して能率良く一定にされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネルの電池セルの基板などに用いられるシリコンウエハーの製造に関し、特に四角柱状のシリコンインゴットからシリコンウエハーを成形する際に行われるそのシリコンインゴットの面取りおいてその面取り精度を向上させるシリコンインゴット面取り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池パネルの電池セルの基板などとして使用されるシリコンウエハーは、四角柱状に製造されたシリコンインゴットを例えばワイヤソー等で薄板状に切断されることで製造される。このように、四角柱状に製造されたシリコンインゴットをそのままの状態から薄板状に切断すると、切断中にシリコンインゴットの角部が欠けてしまうため、従来そのシリコンインゴットの角部の欠けを防ぐためにシリコンインゴットを薄板状に切断する前にそのシリコンインゴットの角部に面取りが施されるようにシリコンインゴット面取り装置が使用される。例えば、特許文献1に示すようなシリコンインゴット面取り装置がそれである。
【0003】
このようなシリコンインゴット面取り装置は、四角柱状に製造されたシリコンインゴットの角部に所定回転軸心回りに回転する円板状切削工具と、シリコンインゴットを機械的に保持する保持装置とを備え、その円板状切削工具が長手状のシリコンインゴットの一端におけるそのシリコンインゴットの角部に当接した状態でそのシリコンインゴットの長手方向の他端側へ一直線に沿って自動的に移動させることによりシリコンインゴットの角部に面取りを施す研削を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−233794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記四角柱状のシリコンインゴットはその残留歪みにより反りや曲がりを有して製造されることがあった。そのため、前述のようなシリコンインゴット面取り装置によってその反りや曲がりを有するシリコンインゴットの角部に面取りが施されると、前記研削工具がシリコンインゴットの長手方向に一直線に沿って移動させられる際、そのシリコンインゴットの角部において研削される面取りにばらつきが発生したり、場合によっては過度に面取りされたり、面取りが施されない部分ができてしまう問題があった。
【0006】
また、シリコンインゴットの角部に研削された研削面の幅にばらつきが発生するとその後そのシリコンインゴットが薄板状に複数枚に切削されて複数枚のシリコンウエハーになるとそれぞれのシリコンウエハーの形状が異なるものになってしまうので、作業者が砥石を使用して手作業によってシリコンインゴットの面取りを修正するという面倒な作業を要していた。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、シリコンインゴットの角部の面取りの幅を従来のシリコンインゴット面取り装置に比較して能率良く一定にできるシリコンインゴット面取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための請求項1に係る発明の要旨とするところは、(a) 四角柱状に製造されたシリコンインゴットの角部に所定回転軸心回りに回転する円板状研削工具の下面が当接させることによりそのシリコンインゴッドの角部に面取りを施す研削をするシリコンインゴット面取り装置であって、(b) 前記研削工具を前記回転軸心回りに駆動する工具駆動装置が装着された工具支持部とその工具支持部の両端からその工具駆動装置とは反対側へ突き出す一対の脚部とを有するフレームと、(c) 前記回転軸心に対して対称且つ前記シリコンインゴットの所定の角部に隣接する一対の側面に当接するように前記フレームの脚部に設けられた一対のガイドローラ装置とを備え、(d) 前記一対のガイドローラ装置は、前記シリコンインゴットの一対の側面上に沿って前記研削工具をそのシリコンインゴットの長手方向に案内することにある。
【0009】
また、請求項2に係る発明の要旨とするところは、請求項1に係る発明において、前記一対のガイドローラ装置には、前記シリコンインゴットの長手方向において前記研削工具の進行方向前方側に配設される一対の前輪ガイドローラと、その一対の前輪ガイドローラに対して前記研削工具の進行方向後方側に配置される一対の後輪ガイドローラと、その一対の前輪ガイドローラとその一対の後輪ガイドローラとの間に配置された一対の中間ガイドローラとを備えることにある。
【0010】
また、請求項3に係る発明の要旨とするところは、請求項2に係る発明において、前記一対の中間ガイドローラは、前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラに比較して前記研削工具側に接近して配置されていることにある。
【0011】
また、請求項4に係る発明の要旨とするところは、請求項2または3に係る発明において、(a) 前記一対の中間ガイドローラが、前記シリコンインゴットの角部に隣接する一対の側面に接触された状態において、(b) 前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラは、前記シリコンインゴットの角部に隣接する一対の側面から所定距離だけ離間するように配設されることにある。
【0012】
また、請求項5に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1に係る発明において、前記フレームの脚部には、前記一対のガイドローラ装置と前記研削工具との間隔を調節するための高さ調節装置が備えられていることにある。
【0013】
また、請求項6に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至5のいずれか1に係る発明において、前記フレームは、前記研削工具の下面における前記一対のガイドローラ装置によるその研削工具の進行方向の後方側が前記シリコンインゴットの角部と当接しその研削工具の下面におけるその研削工具の進行方向の前方側がその角部から離間するように傾斜するように、前記工具駆動装置を支持することにある。
【0014】
また、請求項7に係る発明の要旨とするところは、請求項1乃至6のいずれか1に係る発明において、(a) 前記工具駆動装置は、前記円板状研削工具を前記回転軸心回りに回転させる回転軸を備え、(b) 前記回転軸の先端面には、布地の表面が起毛状の第1布と布地の表面が鉤状の第2布とのいずれか一方の布が固着され、前記円板状研削工具の上面には、その他方の布が固着されるものであって、(c) 前記円板状研削工具は、前記第1布および第2布によって前記回転軸の先端面に脱着可能に取り付けられることにある。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、(b) 前記研削工具を前記回転軸心回りに駆動する工具駆動装置が装着された工具支持部とその工具支持部の両端からその工具駆動装置とは反対側へ突き出す一対の脚部とを有するフレームと、(c) 前記回転軸心に対して対称且つ前記シリコンインゴットの所定の角部に隣接する一対の側面に当接するように前記フレームの脚部に設けられた一対のガイドローラ装置とを備え、(d) 前記一対のガイドローラ装置は、前記シリコンインゴットの一対の側面上に沿って前記研削工具をそのシリコンインゴットの長手方向に案内するものであり、前記一対のガイドローラ装置をそれぞれ前記シリコンインゴットの一対の側面上に当接させると、前記シリコンインゴットの角部の断面においてその角部の先端が前記円板状研削工具の前記回転軸心上に配置され且つその角部の先端の位置とその円板状研削工具の下面の位置とが位置決めさせられる。そのため、前記一対のガイドローラ装置をそれぞれ前記シリコンインゴットの一対の側面上に当接させた状態でその一対のガイドローラ装置をその一対の側面に沿って前記シリコンインゴットの長手方向に移動させると、前記円板状研削工具は前記シリコンインゴットの角部の断面においてその円板状研削工具の下面の位置と前記角部の先端の位置とが位置決めされながらその円板状研削工具の下面で前記角部を研削して前記シリコンインゴット長手方向に案内されるので、シリコンインゴットの角部を所定量だけ研削しその研削により形成された前記角部の面取りの幅が従来のシリコンインゴット面取り装置に比較して能率良く一定にされる。
【0016】
請求項2に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、前記一対のガイドローラ装置には、前記シリコンインゴットの長手方向において前記研削工具の進行方向前方側に配設される一対の前輪ガイドローラと、その一対の前輪ガイドローラに対して前記研削工具の進行方向後方側に配置される一対の後輪ガイドローラと、その一対の前輪ガイドローラとその一対の後輪ガイドローラとの間に配置される一対の中間ガイドローラとを備えるものである。そのため、前記シリコンインゴットの一端部の角部およびその他端部の角部を前記研削工具で研削する際、例えば前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラの一方が前記シリコンインゴットの一対の側面から外れても、前記シリコンインゴットの角部における前記研削工具の位置が前記一対の中間ガイドローラと前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラの他方とが前記シリコンインゴットの一対の側面上に当接されていることによってずれ難くなるので、前記シリコンインゴットの一端部の角部およびその他端部の角部に一層高精度の面取りが施される。
【0017】
請求項3に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、前記一対の中間ガイドローラは、前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラに比較して前記研削工具側に接近して配置されているため、前記一対のガイドローラ装置の複数のガイドローラがそれぞれ前記シリコンインゴットの一対の側面に当接された際、前記シリコンインゴットの角部の断面におけるその複数のガイドローラがそのシリコンインゴットの一対の側面に当接する当接幅が長くなり、前記フレームが前記シリコンインゴットの軸心回りにずれ難くなって一層高精度の面取りが施される。
【0018】
請求項4に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、(a) 前記一対の中間ガイドローラが、前記シリコンインゴットの角部に隣接する一対の側面に接触された状態において、(b) 前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラは、前記シリコンインゴットの角部に隣接する一対の側面から所定距離だけ離間するように配設されるため、例えば前記一対の前輪ガイドローラ、前記一対の中間ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラをそれぞれ前記シリコンインゴットの一対の側面に当接させなくても、前記一対の中間ガイドローラを前記シリコンインゴットの一対の側面に当接させるだけで前記円板状研削工具を前記シリコンインゴットの角部に容易に位置決めされる。
【0019】
請求項5に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、前記フレームの脚部には、前記一対のガイドローラ装置と前記研削工具との間隔を調節するための高さ調節装置が備えられているため、その高さ調節装置を調節することによって前記円板状研削工具が前記シリコンインゴットの角部を研削して面取りする面取りの幅の大きさを自由に設定することができる。
【0020】
請求項6に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、前記フレームは、前記研削工具の下面における前記一対のガイドローラ装置によるその研削工具の進行方向の後方側が前記シリコンインゴットの角部と当接しその研削工具の下面におけるその研削工具の進行方向の前方側がその角部から離間するように傾斜するように、前記工具駆動装置を支持するため、前記円板状研削工具の下面が前記シリコンインゴットの角部に当接して研削されるにおいてその研削工具の進行方向の前方から後方にむかうに連れて前記研削工具が前記シリコンインゴットの角部の研削する深さが徐々に深くなるのでそのシリコンインゴットの角部が能率良く高い面精度で研削される。
【0021】
請求項7に係る発明のシリコンインゴット面取り装置によれば、(a) 前記工具駆動装置は、前記円板状研削工具を前記回転軸心回りに回転させる回転軸を備え、(b) 前記回転軸の先端面には、布地の表面が起毛状の第1布と布地の表面が鉤状の第2布とのいずれか一方の布が固着され、前記円板状研削工具の上面には、その他方の布が固着されるものであって、(c) 前記円板状研削工具は、前記第1布および第2布によって前記回転軸の先端面に脱着可能に取り付けられるため、前記円板状研削工具を前記シリコンインゴット面取り装置から容易に取り外し且つ取り付けられると共に、前記円板状研削工具の下面が前記シリコンインゴットの角部に当接し研削される際の衝撃が前記第1布および第2布によって緩衝されるので研削中の前記シリコンインゴットの角部の欠けが好適に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明が適用されたシリコンインゴット面取り装置を説明する斜視図である。
【図2】図1のII-II視断面図である。
【図3】図2のIII-III視面図である。
【図4】図3のIV-IV視面図である。
【図5】螺子部材を緩めて一対のガイドローラ装置が先端部に取り付けられた可動板部材をシリコンインゴットの一対の側面側へ移動させた状態を示す図である。
【図6】回転軸の先端に固定された工具取付部材の先端平面部と研削布紙の上面との間に配設された第1布及び第2布を説明する図である。
【図7】研削布紙の下面を部分的に拡大した部分拡大図である。
【図8】図7の研削布紙の一部を切断して拡大した拡大断面図である。
【図9】研削布紙がシリコンインゴットの一端部の角部を研削する際の状態を示す図である。
【図10】研削布紙がシリコンインゴットの他端部の角部を研削した際の状態を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例のシリコンインゴット装置を説明する図であって、図3に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例1】
【0024】
図1は、本発明の一実施例であるシリコンインゴット面取り装置10を説明する全体図である。シリコンインゴット面取り装置10は、円板状の研削布紙(円板状研削工具)12を回転軸心A回りに回転させる空気式の工具駆動装置14と、その工具駆動装置14が装着されるフレーム16と、そのフレーム16に取り付けられる一対のガイドローラ装置18,20と備え、一対のガイドローラ装置18,20が四角柱状のシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに沿ってシリコンインゴット22の長手方向に移動させられ、研削布紙12がそのシリコンインゴット22の角部22cに当接されて研削されることによって面取りが施される。また、図1に示される二点鎖線は、四角柱状のシリコンインゴット22の角部22cの断面を示し、角部22cとはシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bが交わる角を示す。
【0025】
図1に示すように、工具駆動装置14は、圧縮空気を供給するホース24から供給される圧縮空気によって研削布紙12を回転軸心A回りに回転駆動させるものであり、その工具駆動装置14には、その工具駆動装置14によって回転する研削布紙12の回転速度を図示されていない調節レバーにより調節する回転速度調節部14aが一体的に備えられ、作業者が回転速度調節部14aの前記調節レバーを操作する操作量によって研削布紙12の回転速度が決定する。
【0026】
図1に示すように、フレーム16には、工具駆動装置14を装着し且つ支持する長手状の平板部(工具支持部)16aと、その平板部16aの両端からそれぞれその工具駆動装置14とは反対側すなわちシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b側へ突き出す一対の脚部16b,16cとが一体に回転軸心Aに対して略対称に備えられる。
【0027】
図1、図2に示すように、一対のガイドローラ装置18,20は、一対の脚部16b,16cの先端部に回転軸心Aに対して略対称に配設されており、その一対のガイドローラ装置18,20には、シリコンインゴット22の長手方向において研削布紙12の進行方向I前方側に配設される一対の前輪ガイドローラ26,28と、その一対の前輪ガイドローラ26,28に対して研削布紙12の進行方向I後方側に配置される一対の後輪ガイドローラ30,20と、その一対の前輪ガイドローラ26,28と一対の後輪ガイドローラ30,32との間に配置された一対の中間ガイドローラ34,36とがそれそれ同形状に円筒形状で備えられている。また、それらガイドローラ26,28,30,32,34,36は、弾性変形可能な例えばゴムで構成されており、そのゴム製のガイドローラにより一対のガイドローラ装置18,20をシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接させた際の衝撃が緩和される。
【0028】
また、図1、図2に示すように、一対の前輪ガイドローラ26,28は一対の脚部16b,16cの先端部に一対的に固設された一対の軸部材26a,28aによってそれら軸部材26a,28aの軸心B,C回りに相対回転可能に配設され、一対の中間ガイドローラ34,36は一対の脚部16b,16cの先端部に一対的に固設された一対の軸部材34a,36aによってそれら軸部材34a,36aの軸心D,E回りに相対回転可能に配設され、一対の後輪ガイドローラ30,32は一対の脚部16b,16cの先端部に一対的に固設された一対の軸部材30a,32aによってそれら軸部材30a,32aの軸心F,G回りに相対回転可能に配設されている。
【0029】
図3は、シリコンインゴット面取り装置10をシリコンインゴット22の長手方向から見たすなわち図2のIII-III視面図である。その図3によれば、前輪ガイドローラ26、後輪ガイドローラ30、中間ガイドローラ34の軸部材26a,30a,34aは、それら軸心B,D,Fがそれぞれ略平行になるようにそれらの軸部材26a,30a,34aが脚部16bの先端部に配設され、前輪ガイドローラ28、後輪ガイドローラ32、中間ガイドローラ36の軸部材28a,34a,36aは、それら軸心C,E,Gがそれぞれ略平行になるようにそれらの軸部材28a,32a,36aが脚部16cの先端部に配設される。
【0030】
また、図3に示すように、一対の脚部16b,16cの先端部は、その先端部に固定された前輪ガイドローラ26、後輪ガイドローラ30、中間ガイドローラ34の軸部材26a,30a,34aの軸心B,D,Fと前輪ガイドローラ28、後輪ガイドローラ32、中間ガイドローラ36の軸部材28a,32a,36aの軸心C,E,Gとの交わる角度θ1が、シリコンインゴット22の一対の側面22a,22bが交わる角度θ2と略同じになるように折り曲げられた形状とされている。図3に示すシリコンインゴット22の断面は一対の中間ガイドローラ34,36の軸心D,Eを通る平面で切断させた断面図すなわち図2のシリコンインゴット22のJ−J視断面図である。また、本実施例では、前記交わる角度θ1は90度、シリコンインゴット22の一対の側面22a,22bが交わる角度θ2は90度である。また、本実施例では、一対のガイドローラ装置18,20は回転軸心Aに対して略対称に配置されており、図3に示すように回転軸心Aの延長線はそれら軸部材が交わる角度θ1を二等分にする二等分線である。
【0031】
そのため、図3に示すように、一対の前輪ガイドローラ26,28、一対の中間ガイドローラ34,36、一対の後輪ガイドローラ30,32をそれぞれシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b上に当接させると、シリコンインゴット22の角部22cの断面においてその角部22cの先端が研削布紙12の回転軸心A上に配置され且つその角部22cの先端の位置とその研削布紙12の下面12aの位置とが位置決めされ、研削布紙12によりシリコンインゴット22の角部22cを研削する研削高さHが決定される。また、研削高さHでシリコンインゴット22の角部22cを研削すると、その角部22cに面取りの幅Mの面取りが施される。
【0032】
図3,図4に示すように、フレーム16の一対の脚部16b,16cは、そのフレーム16の平板部16aの両端に固定されシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b側に突き出す平板状の一対の固定板部材38と、その一対の固定板部材38に螺合する略円柱状の雄ねじ部40aとその雄ねじ部40aの一端に固設されるその雄ねじ部40aの径より大きい六角形状の頭部40bとを有し一対の固定板部材38のそれぞれに配設される四本の螺子部材(高さ調節装置)40と、それら螺子部材40のうちそれぞれ二本の螺子部材40の雄ねじ部40aを挿通させ且つその幅寸法Kが雄ねじ部40aの径より大きく頭部40bの径より小さい幅寸法に穿設された長手状の一対のガイド穴42aを有する一対の可動板部材42とから構成される。そのため、螺子部材40を締め付けることで可動板部材42が固定板部材38に固定される。また、螺子部材40が締結方向とは反対側に回動させられると、可動板部材42はその先端部に配設された一対のガイドローラ装置18,20をシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b側に接近離間する移動が可能となる。すなわち、一対のガイドローラ装置18,20と研削布紙12との間隔が調節させられる。
【0033】
これにより、一対の可動板部材42の先端部をシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b側に移動させると、図5に示すように研削布紙12によりシリコンインゴット22の角部22cを研削する研削高さHが変更させられシリコンインゴット22の角部22cに面取りされる面取り幅Mも変更させられる。
【0034】
図3、図5に示すように一対のガイドローラ装置18,20において、一対の中間ガイドローラ34,36は、一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32に比較して研削布紙12側に接近して配設されており、一対のガイドローラ装置18,20のそれぞれのガイドローラ26,28,30,32,34,36がシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接された際それらガイドローラ26,28,30,32,34,36がシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接する当接幅Lが一対の中間ガイドローラ34,36が研削布紙12側に接近した分だけ長くなる。
【0035】
図2、図3に示すように、工具駆動装置14には小径円筒状の固定部14bが備えられ、フレーム16の平板部16aには、その固定部14bを嵌め入れた状態でそれを締め付けて固定する工具固定装置16bが設けられている。
【0036】
図2に示すように、フレーム16の平板部16aは、円板状の研削布紙12の下面12aにおける一対のガイドローラ装置18,20によるその研削布紙12の進行方向Iの後方側がシリコンインゴット22の角部22cと当接しその研削布紙12の下面12aにおけるその研削布紙12の進行方向Iの前方側がその角部22cから離間するように中間ガイドローラ36の軸心Eの延長線に対して所定角度θ3例えば5度程度傾斜するように、工具駆動装置14を支持する。
【0037】
図3、図6に示すように、工具駆動装置14には研削布紙12を回転軸心A回りに回転させる略円柱形状の回転軸14cが備えられ、その回転軸14cの先端部にはその研削布紙12を取り付ける工具取付部材44が備えられる。また、工具取付部材44には、その先端が平面状の先端平面部44aと、その先端平面部44aに固着された表面が起毛状の第1布46とが備えられ、研削布紙12にはその研削布紙12の上面12bに固着された表面が鉤状の第2布48が貼り付けられる。第1布46、第2布48は、相互で着脱可能なファスナを構成し、研削布紙12がその第1布46と第2布48とを介して着脱可能に工具取付部材44に取り付けられる。また、図1に示すように、工具駆動装置14には、研削布紙12がシリコンインゴット22の角部22cを研削する際、シリコンインゴット22の角部22cおよび研削布紙12に水を供給する配水管50が備えられる。
【0038】
図7は、研削布紙12の下面12aを部分的に拡大した部分拡大図である。図7に示すように、研削布紙12には、基材層52の上にシリコンインゴット22の角部22cと接触する側の表面すなわち下面12aに硬化後のダイヤモンドペースト54から成るダイヤモンド層56が形成される。ダイヤモンドペースト54は、例えばスクリーン印刷などによって後述する研磨層58上に規則的に塗布される。なお、ダイヤモンドペースト54は、図7において菱形状あるいはストライプ形状で所定の間隔を隔てて規則的に塗布されているが、ダイヤモンドペースト54の塗布形状は、必要な研磨特性に合わせて適宜変更される。
【0039】
図8は、図7の研削布紙12切断して拡大した拡大断面図である。その図8によれば、研削布紙12は、基材層52と、研磨層58と、ダイヤモンド層56との三層構造で構成されており、基材層52は例えば可撓性を有するポリエステル布や綿の混合物等の耐水布、耐水紙で構成され、その基材層52の上面52aに研磨層58が形成される。また、研磨層58は例えばポリイミドやエポキシなどの液状樹脂から成る接着剤60を塗布した上に砥粒、ガラス粒、鉱物などからなる研磨材62を塗布して熱硬化させることで形成される。研磨層58が形成されることで研削布紙12の強度が増し、その上面58aに塗布されるダイヤモンドペースト54が強く保持される。また、ダイヤモンドペースト54は、ダイヤモンド砥粒64が混合されているポリイミドやエポキシなどの液状樹脂66からなり、研磨層58への塗布後に熱硬化させることでダイヤモンド層56が形成される。
【0040】
以上のように構成されたシリコンインゴット面取り装置10おいて、作業者が一対のガイドローラ装置18,20の一対の前輪ガイドローラ26,28をシリコンインゴット22の一端部のおける一対の側面22a,22b上にそれぞれ当接させた状態で、前記調節レバーを操作して研削布紙12を回転させると共に配水管50から水を供給させて、一対のガイドローラ装置18,20を進行方向Iに移動させる。それによって、研削布紙12の下面12aがシリコンインゴット22の中間部の角部22cを研削高さHで研削してシリコンインゴット22の中間部の角部22cに面取りが施される。
【0041】
図9に示すように研削布紙12の下面12aがシリコンインゴット22の一端部上に配置され一対の後輪ガイドローラ30,32が一対の側面22a,22bから外れる状態では、一対の前輪ガイドローラ26,28と一対の中間ローラ34,36とをシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接させた状態でその一対の側面22a,22b上に沿って一対のガイドローラ装置18,20を進行方向Iへ移動させることができるので、研削布紙12の下面12aがシリコンインゴット22の一端部の角部22cを研削高さHで研削してシリコンインゴット22の一端部の角部22cに面取りが施される。
【0042】
また、図10に示すように研削布紙12の下面12aがシリコンインゴット22の他端部上に配置され一対の前輪ガイドローラ26,28が一対の側面22a,22bから外れる状態では、一対の中間ローラ34,36と一対の後輪ガイドローラ30,32とを一対の側面22a,22bに当接させた状態でその一対の側面22a,22b上に沿って進行方向Iへ移動させることができるので、研削布紙12の下面12aはシリコンインゴット22の他端部の角部22cを研削高さHで角部22cを研削してシリコンインゴット22の他端部の角部22cに面取りが施される。
【0043】
本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、一対のガイドローラ装置18,20をそれぞれシリコンインゴット18,20の一対の側面22a,22b上に当接させた状態でその一対のガイドローラ装置18,20をその一対の側面22a,22bに沿ってシリコンインゴット22の長手方向に移動させると、円板状の研削布紙(円板状研削工具)12はシリコンインゴット22の角部の断面においてその円板状の研削布紙12の下面12aの位置と角部22cの先端の位置とが位置決めされながらその円板状の研削布紙12の下面12aによって略一定の研削高さHで角部22cを研削してシリコンインゴット22の長手方向に案内されるので、シリコンインゴット22の角部22cを研削高さHだけ研削しその研削により形成された角部22cの面取りの幅Mが従来のシリコンインゴット面取り装置に比較して能率良く一定にされる。
【0044】
また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、一対のガイドローラ装置18,20には、シリコンインゴット22の長手方向において研削布紙12の進行方向I前方側に配設される一対の前輪ガイドローラ26,28と、その一対の前輪ガイドローラ26,28に対して研削布紙12の進行方向I後方側に配置される一対の後輪ガイドローラ30,32と、その一対の前輪ガイドローラ26,28とその一対の後輪ガイドローラ30,32との間に配置される一対の中間ガイドローラ34,36とを備えるものである。そのため、シリコンインゴット22の一端部の角部22cおよびその他端部の角部22cを研削布紙12で研削する際、例えば一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32の一方がシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bから外れても、シリコンインゴット22の角部22cにおける研削布紙12の位置が一対の中間ガイドローラ34,36と一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32の他方とがシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b上に当接されていることによってずれ難くなるので、シリコンインゴット22の一端部の角部22cおよびその他端部の角部22cに一層高精度の面取りが施される。
【0045】
また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、一対の中間ガイドローラ34,36は、一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32に比較して研削布紙12側に接近して配置されているため、一対のガイドローラ装置18,20の複数のガイドローラ26,28,30,32,34,36がそれぞれシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接された際、シリコンインゴット22の角部22cの断面におけるその複数のガイドローラ26,28,30,32,34,36がそのシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接する当接幅Lが長くなり、フレーム16がシリコンインゴット22の軸心回りにずれ難くなって一層高精度の面取りが施される。
【0046】
また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、フレーム16の脚部16b,16cには、一対のガイドローラ装置18,20と研削布紙12との間隔を調節するための四本の螺子部材(高さ調節装置)40が備えられているため、その四本の螺子部材40を調節することによって先端部に一対のガイドローラ装置18,20が配設された可動板部材42をシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b側に接近離間移動可能となり研削高さHを自由に設定でき、円板状の研削布紙12がシリコンインゴット22の角部22cを研削する面取りの幅Mの大きさを自由に設定できる。
【0047】
また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、フレーム16は、研削布紙12の下面12aにおける一対のガイドローラ装置18,20によるその研削布紙12の進行方向Iの後方側がシリコンインゴット22の角部22cと当接しその研削布紙12の下面12aにおけるその研削布紙12の進行方向Iの前方側がその角部22cから離間するように傾斜するように、工具駆動装置14を支持するため、研削布紙12の下面12aがシリコンインゴット22の角部22cに当接して研削されるにおいてその研削布紙12の進行方向の前方から後方にむかうに連れて研削布紙12がシリコンインゴット22の角部22cの研削する研削高さHが徐々に高くなるのでそのシリコンインゴット22の角部22cが能率良く高い面精度で研削される。また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、研削布紙12の下面12aには、ダイヤモンド砥粒64を有するダイヤモンド層56が備えられているので、その研削布紙12の下面12aによってシリコンインゴット22の角部22cが能率良く高い面精度で研削される。
【0048】
また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10によれば、工具駆動装置14は、円板状の研削布紙12を回転軸心A回りに回転させる回転軸14cと、その回転軸14cの先端部に研削布紙12を取り付ける工具取付部材44とを備え、その工具取付部材44の先端平面部44aには、表面が起毛状の第1布46が固着され、円板状の研削布紙12の上面12bには、表面が鉤状の第2布48が固着されるものであって、円板状の研削布紙12は、第1布46および第2布48によって工具取付部材44の先端平面44aに脱着可能に取り付けられるため、円板状の研削布紙12をシリコンインゴット面取り装置10から容易に取り外し且つ取り付けられると共に、円板状の研削布紙12の下面12aがシリコンインゴット22の角部22cに当接し研削される際の衝撃が第1布46および第2布48によって緩衝されるので研削中のシリコンインゴット22の角部22cの欠けが好適に抑えられる。
【実施例2】
【0049】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の他の実施例において実施例相互間で共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施例のシリコンインゴット面取り装置は、前述の一対のガイドローラ装置18,20おいて一対の中間ガイドローラ34,36の配置位置が異なる一対の中間ガイドローラ68,70を備える以外は実施例1のシリコンインゴット面取り装置10と略同様であって、図11はその一対の中間ガイドローラ68,70を説明する図であり、前述の実施例1の図3に略対応するものである。
【0051】
図11に示すように、一対の中間ガイドローラ68,70は、一対の前輪ガイドローラ26,28と一対の後輪ガイドローラ30,32との間にそれらガイドローラ26,28,30,32と同形状に一対の脚部16b,16cの先端部に回転軸心Aに略対称に配設される。また、図11に示すように、一対の中間ガイドローラ68,70は、その一対の脚部16b,16cの先端部に一対的に固設された一対の軸部材68a,70aによってそれら軸部材68a,70aの軸心N,O回りに相対回転可能に配設される。
【0052】
また、図11に示すように、中間ガイドローラ68の軸部材68aの軸心Nは、前輪ガイドローラ26、後輪ガイドローラ30の軸部材26a,30aの軸心B,Fとそれぞれ略平行になるように脚部16bの先端部に固設され、中間ガイドローラ70の軸部材70aの軸心Oは、前輪ガイドローラ28、後輪ガイドローラ32の軸部材28a,32aの軸心C,Gとそれぞれ略平行になるように脚部16cの先端部に固設される。また、図11に示すように、一対の中間ガイドローラ68,70は、一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32に比較してそれら軸部材26a,28a,30a,32aの軸心B,C,F,G,Eに対してそれぞれ平行にシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b側に接近して配設される。すなわち、一対の中間ガイドローラ68,70が、シリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに接触された状態において、一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32は、シリコンインゴット22の角部22cに隣接する一対の側面22a,22bから所定距離Pだけ離間するように配設される。
【0053】
また、図11に示すように、中間ガイドローラ68の軸部材68aの軸心Nと中間ガイドローラ70の軸部材70aの軸心Oとの交わる角度θ4はシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bが交わる角度θ2と略同じになっている。そのため、一対の中間ガイドローラ68,70をそれぞれシリコンインゴット22の一対の側面22a,22b上に当接させると、シリコンインゴット22の角部22cの断面においてその角部22cの先端が研削布紙12の回転軸心A上に配置され且つその角部22cの先端の位置とその研削布紙12の下面12aの位置とが位置決めさせられ研削布紙12によりシリコンインゴット22の角部22cを研削する研削高さHが決定する。
【0054】
本実施例のシリコンインゴット面取り装置によれば、一対の中間ガイドローラ68,70が、シリコンインゴット22の角部22cに隣接する一対の側面22a,22bに接触された状態において、一対の前輪ガイドローラ26,28および一対の後輪ガイドローラ30,32は、シリコンインゴット22の角部22cに隣接する一対の側面22a,22bから所定距離Pだけ離間するように配設されるため、例えば一対の前輪ガイドローラ26,28、一対の中間ガイドローラ68,70および一対の後輪ガイドローラ30,32をそれぞれシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接させなくても、一対の中間ガイドローラ68,70をシリコンインゴット22の一対の側面22a,22bに当接させるだけで円板状の研削布紙12をシリコンインゴット22の角部22cに容易に位置決めされる。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適応される。
【0056】
例えば、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10において、一対のガイドローラ装置18,20には、一対の前輪ガイドローラ26,28、一対の後輪ガイドローラ30,32、一対の中間ガイドローラ34,36の計6輪のガイドローラが使用されたが、一対のガイドローラ装置18,20には必ずしも6輪のガイドローラが使用される必要はなく2輪以上であれば一対のガイドローラ装置18,20の機能を有する。さらに、ガイドローラが6輪以上であっても良い。
【0057】
また、本実施例のシリコンインゴット面取り装置10において、工具取付部材44の先端平面部44aには、表面が起毛状の第1布46が固着され、円板状の研削布紙12の上面12bには、表面が鉤状の第2布48が固着されていたが、研削布紙12の上面12bに第1布46が固着され工具取付部材44の先端平面部44aに第2布48が固着されても良い。
【0058】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
10:シリコンインゴット面取り装置
12:研削布紙(円板状研削工具)
12a:下面
14:工具駆動装置
14c:回転軸
16:フレーム
16a:平板部(工具支持部)
16b,16c:一対の脚部
18,20:一対のガイドローラ装置
22:シリコンインゴット
22a,22b:一対の側面
22c:角部
26,28:一対の前輪ガイドローラ
30,32:一対の後輪ガイドローラ
34,36、68,70:一対の中間ガイドローラ
40:螺子部材(高さ調節装置)
46:第1布
48:第2布
A:回転軸心
I:進行方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角柱状に製造されたシリコンインゴットの角部に所定回転軸心回りに回転する円板状研削工具の下面が当接させることにより該シリコンインゴッドの角部に面取りを施す研削をするシリコンインゴット面取り装置であって、
前記研削工具を前記回転軸心回りに駆動する工具駆動装置が装着された工具支持部と該工具支持部の両端から該工具駆動装置とは反対側へ突き出す一対の脚部とを有するフレームと、
前記回転軸心に対して対称且つ前記シリコンインゴットの所定の角部に隣接する一対の側面に当接するように前記フレームの脚部に設けられた一対のガイドローラ装置とを備え、
前記一対のガイドローラ装置は、前記シリコンインゴットの一対の側面上に沿って前記研削工具を該シリコンインゴットの長手方向に案内することを特徴とするシリコンインゴット面取り装置。
【請求項2】
前記一対のガイドローラ装置には、前記シリコンインゴットの長手方向において前記研削工具の進行方向前方側に配設される一対の前輪ガイドローラと、該一対の前輪ガイドローラに対して前記研削工具の進行方向後方側に配置される一対の後輪ガイドローラと、該一対の前輪ガイドローラと該一対の後輪ガイドローラとの間に配置された一対の中間ガイドローラとを備えることを特徴とする請求項1のシリコンインゴット面取り装置。
【請求項3】
前記一対の中間ガイドローラは、前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラに比較して前記研削工具側に接近して配置されていることを特徴とする請求項2のシリコンインゴット面取り装置。
【請求項4】
前記一対の中間ガイドローラが、前記シリコンインゴットの角部に隣接する一対の側面に接触された状態において、
前記一対の前輪ガイドローラおよび前記一対の後輪ガイドローラは、前記シリコンインゴットの角部に隣接する一対の側面から所定距離だけ離間するように配設されることを特徴とする請求項2または3のシリコンインゴット面取り装置。
【請求項5】
前記フレームの脚部には、前記一対のガイドローラ装置と前記研削工具との間隔を調節するための高さ調節装置が備えられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1のシリコンインゴット面取り装置。
【請求項6】
前記フレームは、前記研削工具の下面における前記一対のガイドローラ装置による該研削工具の進行方向の後方側が前記シリコンインゴットの角部と当接しその研削工具の下面における該研削工具の進行方向の前方側が該角部から離間するように傾斜するように、前記工具駆動装置を支持することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1のシリコンインゴット面取り装置。
【請求項7】
前記工具駆動装置は、前記円板状研削工具を前記回転軸心回りに回転させる回転軸を備え、
前記回転軸の先端面には、布地の表面が起毛状の第1布と布地の表面が鉤状の第2布とのいずれか一方の布が固着され、前記円板状研削工具の上面には、その他方の布が固着されるものであって、
前記円板状研削工具は、前記第1布および第2布によって前記回転軸の先端面に脱着可能に取り付けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1のシリコンインゴット面取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−235408(P2011−235408A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−109714(P2010−109714)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【出願人】(000004293)株式会社ノリタケカンパニーリミテド (449)
【出願人】(390017318)株式会社ノリタケコーテッドアブレーシブ (4)
【Fターム(参考)】