説明

シンクライアントシステム、管理サーバ、シンクライアント端末およびシンクライアントサーバ

【課題】シンクライアント端末とシンクライアントサーバとの接続を管理するシンクライアントシステムを得ること。
【解決手段】管理サーバ1は、シンクライアント端末(端末)2から受信したユーザの認証情報に基づいて、利用可能なシンクライアントサーバ(サーバ)3の種別情報およびサーバ3と接続するための接続情報を取得して端末2へ送信する認証管理部10と、要求された接続モジュールのファイルを端末2へ送信する接続モジュール管理部18を備え、端末2は、ユーザの認証情報を管理サーバ1へ送信し、種別情報および接続情報を受信する認証情報入力部20と、使用するサーバ3を選択するサーバ選択部22と、選択されたサーバ3との接続に必要な接続モジュールを管理サーバ1へ要求し、取得した接続モジュールのファイルを起動してサーバ3と接続する接続モジュール呼び出し部23を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンクライアント端末とシンクライアントサーバの接続管理を行うシンクライアントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、セキュリティの強化やPC(パーソナルコンピュータ)端末の運用・管理の効率化を目的として、シンクライアントシステムの活用が広がっている。シンクライアントシステムは、ユーザアプリケーションを動作させてシンクライアント端末と表示・入力情報のやり取りを行うシンクライアントサーバと、シンクライアントサーバと表示・入力情報をやり取りするハードディスク等の記憶装置を持たないシンクライアント端末から構成される。シンクライアント端末は、あらかじめシンクライアントサーバとの接続情報(シンクライアントサーバのIPアドレス等)や、接続用のソフトウェアを導入しておき、ユーザは、それらを元にシンクライアントサーバとの接続を行う。また、シンクライアントサーバとの接続認証は、ユーザIDやパスワード、または指紋認証装置を用いて行う。
【0003】
シンクライアントシステムでは、シンクライアント端末は、複数のシンクライアントサーバとの接続が可能である。複数のシンクライアントサーバが接続するシンクライアントシステムの場合において、管理サーバを用いて、管理サーバが各シンクライアントサーバの負荷状態を把握し、シンクライアント端末が接続するシンクライアントサーバを振り分けて負荷分散を行う技術が下記特許文献1において開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−209609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、シンクライアント端末は、あらかじめシンクライアントサーバ接続時の設定情報や接続ソフトウェアを導入しておく必要がある。そのため、設定変更が必要になった場合に、各シンクライアント端末で設定を変更する必要があり手間がかかる、という問題があった。また、接続ソフトウェアのインストールやバージョンアップの作業に手間がかかる、という問題があった。また、シンクライアント端末が行うシンクライアントサーバとの接続認証は、ユーザ情報のみである。そのため、接続するシンクライアント端末に応じたシンクライアントサーバとの接続管理が出来ない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、接続認証、接続モジュールを一元的に管理し、シンクライアント端末とシンクライアントサーバとの接続管理が可能なシンクライアントシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、シンクライアント端末と、シンクライアントサーバと、当該シンクライアント端末と当該シンクライアントサーバの接続を管理する管理サーバと、を備えたシンクライアントシステムであって、前記管理サーバは、前記シンクライアント端末からユーザの認証情報を受け取り、当該認証情報に基づいて、ユーザが利用可能なシンクライアントサーバの種別情報および当該シンクライアントサーバと接続するための情報である接続情報を取得し、それらの情報を前記シンクライアント端末へ送信する認証管理手段と、前記シンクライアント端末から要求された接続モジュールのファイルを、当該シンクライアント端末へ送信する接続モジュール管理手段と、を備え、前記シンクライアント端末は、ユーザの認証情報を前記管理サーバへ送信し、また、前記種別情報および前記接続情報を受信するサーバ情報取得手段と、前記サーバ情報取得手段が受信した種別情報に基づいて、使用するシンクライアントサーバを選択するサーバ選択手段と、前記サーバ情報取得手段が受信した接続情報に基づいて、前記サーバ選択手段により選択されたシンクライアントサーバとの接続に必要な接続モジュールを前記管理サーバへ要求し、当該管理サーバから取得した接続モジュールのファイルを起動して当該シンクライアントサーバと接続する接続モジュール呼び出し手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シンクライアント端末とシンクライアントサーバとの接続管理ができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、シンクライアントシステムの概略図を示す図である。
【図2】図2は、シンクライアントシステムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、端末情報の構成例を示す図である。
【図4】図4は、認証DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【図5】図5は、ユーザ認可DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【図6】図6は、端末認可DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【図7】図7は、サーバ情報DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【図8】図8は、サーバ状態管理DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【図9】図9は、接続モジュール管理DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【図10】図10は、利用履歴DBの管理テーブルの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかるシンクライアントシステムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態.
図1は、本発明にかかるシンクライアントシステムの概略図を示す図である。シンクライアント端末2とシンクライアントサーバ3は、ネットワーク4を介して接続する。管理サーバ1は、本シンクライアントシステムにおいて、各シンクライアント端末2と各シンクライアントサーバ3の接続を管理するサーバである。
【0012】
図2は、本発明にかかるシンクライアントシステムの構成例を示す図である。シンクライアントシステムは、管理サーバ1と、シンクライアント端末(以下、端末とする)2と、シンクライアントサーバ(以下、サーバとする)3から構成される。説明の便宜上、端末2の接続数を1つにしているが、複数の端末2を接続することが可能である。また、ネットワーク4にかかる部分については、従来と同様であるため図示せず、説明を省略する。
【0013】
管理サーバ1は、端末2とサーバ3との接続管理を行う。具体的には、端末2からサーバ3へ接続を行う場合、管理サーバ1は、端末2から通知された認証情報および端末情報に基づいて、ユーザの認証確認を行い、その後、ユーザが使用する端末2から利用できるサーバ3の情報を端末2へ送信する。また、端末2から接続モジュールの要求があった場合に、要求された接続モジュールのモジュールファイルを端末2へダウンロードする。端末2とサーバ3が接続すると、サーバ3から、接続を開始した時間と終了した時間を取得する。また、サーバ3から負荷状態を定期的に取得する。
【0014】
管理サーバ1は、認証管理部10と、認証データベース(DB)11と、ユーザ認可データベース(DB)12と、端末認可データベース(DB)13と、サーバ情報データベース(DB)14と、サーバ状態管理部15と、利用履歴データベース(DB)16と、サーバ状態管理データベース(DB)17と、接続モジュール管理部18と、接続モジュール管理データベース(DB)19と、を備える。
【0015】
認証管理部10は、端末2から認証情報および端末情報を受け取り、認証DB11、ユーザ認可DB12および端末認可DB13を参照し、認可(該当ユーザが、該当端末からシンクライアントシステムを使用できるかどうか)を制御する。認証DB11は、ユーザID、パスワード、指紋情報等のユーザの認証に必要な情報を保持する。ユーザ認可DB12は、該当ユーザが利用可能なサーバ3のリストを保持する。端末認可DB13は、該当する端末2の端末情報から、利用可能なサーバ3のリストを保持する。サーバ情報DB14は、サーバ3の接続情報(IPアドレス、サーバ名、プロトコル等)のリストを保持する。サーバ状態管理部15は、サーバ3の状態(負荷の大きさ、利用ユーザの有無等)を管理する。また、ユーザがサーバ3を利用した履歴を管理する。利用履歴DB16は、ユーザがサーバ3に接続を開始した時間および接続を終了した時間の利用履歴を保持する。サーバ状態管理DB17は、サーバ3から送られてきたサーバ状態を保持する。接続モジュール管理部18は、接続モジュールを管理し、端末2からの要求に応じて接続モジュールを提供する。接続モジュール管理DB19は、接続モジュール(モジュールファイル)を保持し、サーバ3に応じたバージョン管理を行う。
【0016】
端末2は、サーバ3と接続し、サーバ3が備えるアプリケーションを用いて作業等を行い、作業記録をサーバ3に保存する。端末2は、サーバ3と接続する際、ユーザが認証情報を入力すると、管理サーバ1へ認証情報と端末情報を送信する。管理サーバ1から利用可能なサーバ3の情報を取得し、選択したサーバ3との接続に必要な接続モジュールを管理サーバ1へ要求し取得する。その後、接続モジュールを用いてサーバ3と接続する。
【0017】
端末2は、認証情報入力部20と、端末情報21と、サーバ選択部22と、接続モジュール呼び出し部23と、接続モジュール24と、を備える。
【0018】
認証情報入力部20は、認証情報(ユーザIDおよびパスワード、または指紋情報等)を入力し、端末情報21と認証情報を管理サーバ1へ送付する。また、管理サーバ1から利用可能なサーバ3の情報を取得する。端末情報21は、端末の機種、端末を特定するID、ネットワーク情報(IPアドレス等)、接続方法(LAN、モデム、無線通信等)を示す端末を識別する情報である。サーバ選択部22は、ユーザが使用するサーバ3を選択する機能を提供する。接続モジュール呼び出し部23は、選択したサーバ3への接続に必要な接続モジュールを呼び出す機能を提供する。接続モジュールが自装置に無い場合、管理サーバ1の接続モジュール管理部18と通信して、接続モジュール(モジュールファイル)をダウンロードして起動する。接続モジュール24は、ダウンロードしたモジュールファイルを起動したものである。
【0019】
サーバ3は、端末2と接続し、ユーザが端末2を使用して作業する際に、アプリケーションを提供し、また、ユーザの作業記録等を保存する。サーバ3は、端末2と接続を開始すると、接続を開始した時間および接続を終了し時間を管理サーバ1へ通知する。また、自装置の負荷状態を定期的に管理サーバ1へ通知する。
【0020】
サーバ3は、シンクライアントサーバ用インタフェース(I/F)30と、状態送信エージェント31と、を備える。
【0021】
シンクライアントサーバ用I/F30は、端末2とのインタフェースである。状態送信エージェント31は、自装置の負荷状態を管理サーバ1へ通知する。また、ユーザが、自装置と接続を開始した時間および接続を終了した時間の情報(利用履歴)を管理サーバ1へ通知する。
【0022】
つづいて、端末2からサーバ3へ接続するまでの動作について説明する。ユーザが、端末2をサーバ3へ接続する場合、端末2の認証情報入力部20に認証情報を入力する。認証情報としては、ユーザの指紋情報等があるが、ここでは、ユーザIDとパスワードとする。認証情報入力部20は、入力された認証情報およびあらかじめ備えられた端末情報21を、管理サーバ1へ送信する。図3は、端末情報21の構成例を示す図である。端末情報21は、端末ごとに割り当てられている情報であり、ここでは、一例として、機種、端末ID、IPアドレス、接続方法に関する情報を端末情報21とする。
【0023】
管理サーバ1の認証管理部10は、端末2からユーザの認証情報(ユーザIDとパスワード)および端末情報21を受信すると、まず、認証DB11を参照し、送信されたユーザIDとパスワードの組み合わせが、登録されたユーザのものであるかどうかを確認する。図4は、認証DB11が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。ユーザIDに対応するパスワードが登録されている。
【0024】
ユーザIDとパスワードの組み合わせが登録されたユーザのものであると確認できた場合、認証管理部10は、ユーザ認可DB12を参照し、ユーザが利用可能なサーバ3の情報を取得する。図5は、ユーザ認可DB12が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。ユーザIDごとに、利用可能なサーバ3の種類が登録されている。
【0025】
また、認証管理部10は、端末認可DB13を参照し、ユーザが使用している端末2から利用可能なサーバ3の情報を、サーバ3との接続方法ごとに取得する。図6は、端末認可DB13が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。端末(端末ID)の接続方法ごとに、利用可能なサーバ3が登録されている。
【0026】
つぎに、認証管理部10は、サーバ情報DB14を参照し、ユーザが利用可能なサーバ3について、サーバ3へ接続するときに必要なIPアドレス、接続ソフトウェアおよび接続ソフトウェアのバージョン情報を取得する。図7は、サーバ情報DB14が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。サーバ3ごとに、接続に必要なIPアドレス、接続ソフトウェアおよびソフトウェアのバージョン情報が登録されている。
【0027】
つぎに、認証管理部10は、サーバ3の負荷状態の情報を取得する。管理サーバ1では、サーバ状態管理部15が各サーバ3の負荷状態の情報を受信すると、サーバ3の負荷情報をサーバ状態管理DB17へ転送し、サーバ状態管理DB17が各サーバ3の負荷状態を保持する。そのため、認証管理部10は、サーバ状態管理部15を経由して、サーバ状態管理DB17が保持する負荷情報からユーザが利用可能なサーバ3の負荷情報を取得する。図8は、サーバ状態管理DB17が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。各サーバ3から通知された負荷状態が登録されている。負荷状態は、サーバ3からの情報に基づいて、具体的に数値で表してもよいし、負荷状態を所定の数に区分して「負荷大」や「負荷小」のように表してもよい。
【0028】
認証管理部10は、以上の処理により取得した情報(接続方法ごとに利用可能なサーバ3の種類、サーバ3に接続するための情報、サーバ3の負荷状態)を、端末2の認証情報入力部20へ送信する。
【0029】
端末2は、認証情報入力部20が受信した管理サーバ1からの情報を図示しない表示部に表示し、必要に応じてサーバ3の負荷状態を参照し、利用可能なサーバ3の中から、ユーザがサーバ選択部22を用いて使用するサーバ3を選択する。
【0030】
つぎに、端末2は、選択したサーバ3との通信に必要な接続モジュールを、管理サーバ1から取得する。具体的には、端末2の接続モジュール呼び出し部23が、管理サーバ1の接続モジュール管理部18に対して、管理サーバ1から受信したサーバ3に接続するための情報に基づいて、使用するサーバ3との接続に必要な接続モジュールのソフトウェアの種類とバージョン情報を送信する。接続モジュール管理部18は、接続モジュール管理DB19が保持するモジュールファイルから、要求されたバージョンの接続モジュールのモジュールファイルを抽出し、当該モジュールファイルを端末2の接続モジュール呼び出し部23へダウンロードする。図9は、接続モジュール管理DB19が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。接続ソフトウェア(接続モジュール)のモジュールファイルのバージョンごとに、該当するモジュールファイル名が登録されている。
【0031】
端末2では、接続モジュール呼び出し部23が取得した接続モジュールのモジュールファイルを実行して接続モジュール24を起動し、サーバ3のシンクライアントサーバ用I/F30と接続可能な状態にしてサーバ3との接続を行う。以降、接続後のサーバ3と端末2との間で行われる動作については従来のシンクライアントシステムと同様である。
【0032】
なお、サーバ3は、状態送信エージェント31から、自装置の負荷状態を、管理サーバ1のサーバ状態管理部15へ定期的に通知する。サーバ状態管理部15は、受信したサーバ状態をサーバ状態管理DB17へ転送し、サーバ状態管理DB17がサーバ状態を保持する。
【0033】
このように、ユーザが端末2からサーバ3へ接続する場合に、管理サーバ1は、ユーザの認証確認を行い、ユーザが利用可能なサーバ3、ユーザが使用している端末2から利用可能なサーバ3、およびサーバ3との接続に必要な接続情報を、接続の都度、端末2へ送信する。端末2では、ユーザが利用可能なサーバ3の中から利用するサーバ3を選択し、その後、サーバ3との接続に必要なモジュールを取得する。
【0034】
シンクライアントシステムの管理者は、サーバ3との接続に必要な情報が変更になった場合でも、管理サーバ1が備えるデータベースの内容だけを変更すればよく、各端末2で設定を変更する必要が無い。また、サーバ3との接続時に必要なモジュールファイルも接続の都度、管理サーバ1からダウンロードして使用するため、モジュールファイルを更新する場合でも、管理サーバ1が備えるデータベースの内容だけを更新すればよく、各端末2での更新作業は不要である。管理サーバ1の内容だけを更新するだけで、サーバ3と端末2との接続を最新の状態で行うことが可能となり、シンクライアントシステムにおける接続管理が容易となる。
【0035】
また、本実施の形態のシンクライアントシステムでは、ユーザの利用履歴を一元管理することも可能である。
【0036】
たとえば、サーバ3の状態送信エージェント31は、負荷状態の情報と共に、ユーザが接続を開始した時間および接続を終了した時間を示す利用履歴を、管理サーバ1のサーバ状態管理部15へ通知する。サーバ状態管理部15は、サーバ3からのユーザの利用履歴を利用履歴DB16へ転送する。図10は、利用履歴DB16が保持する管理テーブルの構成例を示す図である。利用履歴DB16は、どのユーザが、どのサーバ3に、いつ接続を開始し、またいつ接続を終了したのかの利用履歴を保持する。
【0037】
サーバ状態管理部15は、たとえば、利用履歴DB16をユーザIDで検索することにより、各サーバ3への接続開始時間および接続終了時間から、本シンクライアントシステムにおける利用時間を求めることが出来る。従来、サーバ3ごとにしか利用時間を求めることが出来なかったが、管理サーバ1は、システムに接続する全てのサーバ3についての利用状況が把握できる。これにより、システムとして、利用時間に応じたサービス課金等の実現が容易にできる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態では、ユーザが端末2からサーバ3へ接続する場合に、管理サーバ1は、ユーザの認証情報と端末情報21を確認し、ユーザが利用可能なサーバ3、ユーザが使用している端末2から利用可能なサーバ3、およびサーバ3との接続に必要な接続情報を、接続の都度、端末2へ送信する。端末2では、ユーザが利用可能なサーバ3の中から利用するサーバ3を選択し、その後、サーバ3との接続に必要な接続モジュールを取得することとした。
【0039】
これにより、サーバ3との接続に必要な情報が変更になった場合でも、管理サーバ1が備えるデータベースの内容だけを変更すればよく、各端末2で設定を変更する必要が無い。また、サーバ3との接続時に必要なモジュールファイルも接続の都度、管理サーバ1からダウンロードして使用するため、モジュールファイルを更新する場合でも、管理サーバ1が備えるデータベースの内容だけを更新すればよく、各端末2での更新作業は不要である。そのため、管理サーバ1の内容だけを更新するだけで、サーバ3と端末2との接続を最新の状態で行うことが可能となり、シンクライアントシステムにおける接続管理が容易となる。
【0040】
また、本実施の形態では、ユーザがサーバ3へ接続を開始した時間と終了した時間を、管理サーバ1が一元管理することとした。これにより、シンクライアントシステムにおいて、ユーザの利用時間が容易に把握でき、システム全体としての利用料等を容易にまとめることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明にかかるシンクライアントシステムは、複数のシンクライアントサーバが接続するシンクライアントシステムに有用であり、特に、シンクライアント端末とシンクライアントサーバの接続管理を行う場合に適している。
【符号の説明】
【0042】
1 管理サーバ
2 シンクライアント端末(端末)
3 シンクライアントサーバ(サーバ)
4 ネットワーク
10 認証管理部
11 認証DB
12 ユーザ認可DB
13 端末認可DB
14 サーバ情報DB
15 サーバ状態管理部
16 利用履歴DB
17 サーバ状態管理DB
18 接続モジュール管理部
19 接続モジュール管理DB
20 認証情報入力部
21 端末情報
22 サーバ選択部
23 接続モジュール呼び出し部
24 接続モジュール
30 シンクライアントサーバ用I/F
31 状態送信エージェント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンクライアント端末と、シンクライアントサーバと、当該シンクライアント端末と当該シンクライアントサーバの接続を管理する管理サーバと、を備えたシンクライアントシステムであって、
前記管理サーバは、
前記シンクライアント端末からユーザの認証情報を受け取り、当該認証情報に基づいて、ユーザが利用可能なシンクライアントサーバの種別情報および当該シンクライアントサーバと接続するための情報である接続情報を取得し、それらの情報を前記シンクライアント端末へ送信する認証管理手段と、
前記シンクライアント端末から要求された接続モジュールのファイルを、当該シンクライアント端末へ送信する接続モジュール管理手段と、
を備え、
前記シンクライアント端末は、
ユーザの認証情報を前記管理サーバへ送信し、また、前記種別情報および前記接続情報を受信するサーバ情報取得手段と、
前記サーバ情報取得手段が受信した種別情報に基づいて、使用するシンクライアントサーバを選択するサーバ選択手段と、
前記サーバ情報取得手段が受信した接続情報に基づいて、前記サーバ選択手段により選択されたシンクライアントサーバとの接続に必要な接続モジュールを前記管理サーバへ要求し、当該管理サーバから取得した接続モジュールのファイルを起動して当該シンクライアントサーバと接続する接続モジュール呼び出し手段と、
を備えることを特徴とするシンクライアントシステム。
【請求項2】
前記シンクライアント端末のサーバ情報取得手段は、さらに、自端末を識別するための端末情報を前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバの認証管理手段は、さらに、前記シンクライアント端末から端末情報を受信し、前記認証情報および当該端末情報に基づいて前記種別情報および前記接続情報を取得し、これらの情報を前記シンクライアント端末へ送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシンクライアントシステム。
【請求項3】
前記シンクライアントサーバは、
自サーバの負荷状態の情報を前記管理サーバへ送信する状態送信エージェント手段、
を備え、
前記管理サーバは、さらに、
前記シンクライアントサーバから受信した負荷状態の情報を管理するサーバ状態管理手段、
を備え、
前記管理サーバの認証管理手段は、前記種別情報および前記接続情報を前記シンクライアント端末へ送信する際、前記サーバ状態管理手段から、ユーザが利用可能なシンクライアントサーバの負荷状態の情報を取得し、当該負荷状態の情報もあわせて前記シンクライアント端末へ送信し、
前記シンクライアント端末のサーバ選択手段は、さらに、前記管理サーバから受信した負荷状態の情報に基づいて、使用するシンクライアントサーバを選択する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシンクライアントシステム。
【請求項4】
前記シンクライアントサーバは、さらに、
ユーザが前記シンクライアント端末を利用して自サーバへ接続を開始した時間および接続を終了した時間を示す利用履歴を前記管理サーバへ送信する利用履歴送信手段、
を備え、
前記管理サーバは、さらに、
前記シンクライアントサーバから受信したユーザの利用履歴を保持するための利用履歴データベース手段、
を備え、
ユーザの認証情報に基づいて前記利用履歴データベース手段を検索することによって、当該ユーザの利用履歴を抽出する、
ことを特徴とする請求項1、2または3のいずれか1つに記載のシンクライアントシステム。
【請求項5】
シンクライアント端末と、シンクライアントサーバと、当該シンクライアント端末と当該シンクライアントサーバの接続を管理する管理サーバと、を備えたシンクライアントシステムにおける前記管理サーバであって、
前記シンクライアント端末からユーザの認証情報を受け取り、当該認証情報に基づいて、ユーザが利用可能なシンクライアントサーバの種別情報および当該シンクライアントサーバと接続するための情報である接続情報を取得し、それらの情報を前記シンクライアント端末へ送信する認証管理手段と、
前記シンクライアント端末から要求された接続モジュールのファイルを、当該シンクライアント端末へ送信する接続モジュール管理手段と、
を備えることを特徴とする管理サーバ。
【請求項6】
前記認証管理手段は、さらに、前記シンクライアント端末から、当該シンクライアント端末を識別するための端末情報を受信し、前記認証情報および当該端末情報に基づいて前記種別情報および前記接続情報を取得し、これらの情報を前記シンクライアント端末へ送信することを特徴とする請求項5に記載の管理サーバ。
【請求項7】
さらに、
前記シンクライアントサーバの負荷状態の情報を管理するサーバ状態管理手段、
を備え、
前記認証管理手段は、前記種別情報および前記接続情報を前記シンクライアント端末へ送信する際、前記サーバ状態管理手段から、ユーザが利用可能なシンクライアントサーバの負荷状態の情報を取得し、当該負荷状態の情報もあわせて前記シンクライアント端末へ送信することを特徴とする請求項5または6に記載の管理サーバ。
【請求項8】
さらに、
ユーザが前記シンクライアント端末を利用して前記シンクライアントサーバへ接続を開始した時間および接続を終了した時間を示す利用履歴を保持するための利用履歴データベース手段、
を備え、
ユーザの認証情報に基づいて前記利用履歴データベース手段を検索することによって、当該ユーザの利用履歴を抽出することを特徴とする請求項5、6または7に記載の管理サーバ。
【請求項9】
シンクライアント端末と、シンクライアントサーバと、当該シンクライアント端末と当該シンクライアントサーバの接続を管理する管理サーバと、を備えたシンクライアントシステムにおける前記シンクライアント端末であって、
ユーザの認証情報を前記管理サーバへ送信し、また、前記管理サーバから、利用可能なシンクライアントサーバの種別情報および当該シンクライアントサーバと接続するための情報である接続情報を受信するサーバ情報取得手段と、
前記サーバ情報取得手段が受信した種別情報に基づいて、使用するシンクライアントサーバを選択するサーバ選択手段と、
前記サーバ情報取得手段が受信した接続情報に基づいて、前記サーバ選択手段により選択されたシンクライアントサーバとの接続に必要な接続モジュールを前記管理サーバへ要求し、当該管理サーバから取得した接続モジュールのファイルを起動して当該シンクライアントサーバと接続する接続モジュール呼び出し手段と、
を備えることを特徴とするシンクライアント端末。
【請求項10】
前記サーバ情報取得手段は、さらに、自端末を識別するための端末情報を前記管理サーバへ送信することを特徴とする請求項9に記載のシンクライアント端末。
【請求項11】
前記サーバ情報取得手段が、前記管理サーバから、ユーザが利用可能なシンクライアントサーバの負荷状態の情報を受信した場合、
前記サーバ選択手段は、さらに、前記サーバ情報取得手段が受信した負荷状態の情報に基づいて、使用するシンクライアントサーバを選択することを特徴とする請求項9または10に記載のシンクライアント端末。
【請求項12】
シンクライアント端末と、シンクライアントサーバと、当該シンクライアント端末と当該シンクライアントサーバの接続を管理する管理サーバと、を備えたシンクライアントシステムにおけるシンクライアントサーバであって、
自サーバの負荷状態の情報を前記管理サーバへ送信する状態送信エージェント手段、
を備えることを特徴とするシンクライアントサーバ。
【請求項13】
さらに、
ユーザが前記シンクライアント端末を利用して自サーバへ接続を開始した時間および接続を終了した時間を示す利用履歴を前記管理サーバへ送信する利用履歴送信手段、
を備えることを特徴とする請求項12に記載のシンクライアントサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−182260(P2010−182260A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27665(P2009−27665)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】