説明

シート後処理装置及びそれを用いた画像形成装置

【課題】シート高さに応じた昇降機能を有さないプルーフトレイにおいてもシートの積載高さを検知することができるシート後処理装置及びそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置から排出されたシートを積載する固定式のプルーフトレイのエンドフェンスに設けられ、エンドフェンスからプルーフトレイの先端ストッパに向かって光を照射する照射部、先端ストッパに設けられ照射部から照射された照射光を受光する受光部、照射部から照射される光の俯仰角を変化させる俯仰手段、照射部から照射された光を受光するため俯仰手段に連動して受光部を昇降させる受光側昇降手段、照射部から照射される光の俯仰角からプルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別するシート積載高さ検知手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート後処理装置及びそれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に用いられるシート積載装置としてのシート後処理装置が知られている。
このシート後処理装置は、1つの排紙トレイを装置側面に有しており、画像形成装置から受け取った画像形成済みのシート(用紙、転写紙、記録紙の概念を含む。以下、同じ)を装置内のトレイに一旦スタックし、整合した後綴じ処理をし、排紙トレイに排出したり、あるいは綴じ処理をせずに直接上記排紙トレイに1枚ずつ排出したりする機能を有する。
【0003】
また、排紙トレイを昇降可能にして大量排紙できるようにしたものも知られている。昇降可能なトレイでは排紙されたシートの高さを検出する手段が既に知られている。
【0004】
さらに、近年においては、複写機等の画像形成装置のデジタル化が進み、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等、複数の機能を持ち合わせた複合型の画像形成装置が増えてきている。
こうした背景のなか、ファンクション毎に仕分けを行いたいというニーズが高まり、シート後処理装置等において複数トレイ化が進んでいる。
例えば、シート後処理装置の上部に昇降機能を持たないプルーフトレイを増設したものが既に知られている。
【0005】
しかし、今までの昇降機能を持たないプルーフトレイにおいて、図23で示すような分離型フォトセンサを用いて、センサの送受波によりシートの満杯検知を行うことは可能だが、センサが固定配置のため、ある一点のシートの積載状態しか検知できないのでシート高さまで検知できないという問題があった。
【0006】
また昇降機能を有する排紙トレイでは、昇降自在のトレイ移動台にシートを積載するためのシート載置台であるトレイが配置される一方、上部の揺動ガイドにはトレイに排出されたシート高さが一定値に達したことを検知するためのシートレベル検知センサを設けることでシート高さを検知することが可能である。
しかしながら、トレイを昇降させて照射部から照射された光の反射波を受光する事でシートの積載高さを判別しており、昇降機能を持たないプルーフトレイにおいては、シートが積載されていくことに伴い、照射部から照射された光の反射角度にズレが生じ、良好に受光できず、シート高さの判別が良好にできないという問題があった。
【0007】
ここで、特許文献1には、シート載置台上のシートの有無を検出することのできるシート積載装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする発明が記載されている。この特許文献1に記載の発明は、シート載置台を上下方向に移動する駆動装置と、シート載置台の上方に設けられると共に、シート載置台に向かって光を照射する照射部と、照射部から照射された光の反射光を受光する受光部とを有する距離センサと、シート載置台の高さ位置を検知する載置台位置検知手段と、反射光が受光される受光部上の位置から距離センサとシート載置台に積載されたシートとの距離を求めると共に、この求められた距離と載置台位置検知手段によって求められたシート載置台との高さ位置とによりシート載置台のシート積載高さを判別する発明である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図23は、従来のプルーフトレイ上へのシートの積載を説明するための概略図である。
従来のフィニッシャ(シート後処理装置)では、プルーフモードのときは搬送されるシートが排出ローラ27まで搬送され、プルーフトレイ24上に順次積載していた。
順次積載されたシートPは排出ローラ27近傍まで積載されるとトレイ上にシート満杯となる。
このままシートPを排出し続けると排出ローラ27から排出されるシートPがジャムになってしまう。
その為、シートPの満杯を検知する為に透過型センサの照射部29aと受光部29bとを用いてシートPの満杯を検知する方法が既に知られている。照射部29aより照射された照射光が受光部29bで受光することによりシートPが満杯では無いと判断する。照射部29aより照射された照射光がシートPに遮られ受光部29bで受光できない場合、シートPが満杯と判断する。シートPが満杯になった場合は画像形成装置Aに満杯情報の通知を行う。
透過型センサ29a、29bは満杯検知レベルに固定配置されているため、シートの満杯有無の検知は行えるがシートの高さを検知することは行えなかった。
【0009】
すなわち、特許文献1に記載の技術では、昇降機能を持たない積載トレイでは、シート高さの判別が行えないという問題は解消できていない。
【0010】
図24は、従来のプルーフトレイ上への用紙の積載を説明するための概略図である。
透過型センサ29a、29bは満杯検知レベルに固定配置されているため、実際の用紙積載の満杯ではなく、図25のように、折り用紙の膨らみなどにより満杯検知レベルに用紙膨らみ部が達した場合、用紙積載による満杯なのか用紙膨らみによる満杯なのかの検知(判断)が行えなかった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、シート高さに応じた昇降機能を有さないプルーフトレイにおいてもシートの積載高さを検知することができるシート後処理装置及びそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、画像形成装置から排出されたシートを積載する固定式のプルーフトレイのエンドフェンスに設けられ、前記エンドフェンスから前記プルーフトレイの先端ストッパに向かって光を照射する照射部と、前記先端ストッパに設けられ前記照射部から照射された照射光を受光する受光部と、前記照射部から照射される光の俯仰角を変化させる俯仰手段と、前記照射部から照射された光を受光するため前記俯仰手段に連動して前記受光部を昇降させる受光側昇降手段と、前記照射部から照射される光の俯仰角から前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別するシート積載高さ検知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光可能な場合は、前記照射部の俯仰角をマイナスにし、前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光不可能な場合は、前記照射の俯仰角をプラスにすることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記照射部から照射される光の俯仰角から前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別し、前記シート積載高さが満杯検知レベルに達したか否かを判定し、満杯と判定した場合は、前回のシート積載高さを基準に、今回の照射部からの照射光の俯仰角が一定角度を超えてシートを検知しても満杯ではないと判定するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、前記制御手段は、前記照射部から照射される光の俯仰角から前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別し、前記シート積載高さが満杯検知レベルに達したか否かを判定し、満杯と判定した場合は、前記満杯検知レベルを基準に、今回の照射部からの照射光の俯仰角が一定角度を超えてシートを検知しても満杯ではないと判定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項2または3記載の発明において、更にシート押さえ機構を有し、前記制御手段は、満杯と判定した場合は、前記シート押さえ機構を駆動させて前記シートの上面をシート押さえ手段で押さえさせ、前記シートを押さえた状態で、再度満杯検知レベル位置でシート有無の検知を行うようにしたことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項3から5の何れか一項記載の発明において、前記制御手段は、満杯と判定した場合は、前記画像形成装置に対して動作停止指令を行うようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、画像形成装置から排出されたシートを積載する固定式のプルーフトレイのエンドフェンスに設けられ、前記エンドフェンスから前記プルーフトレイの先端ストッパに向かって光を照射する照射部と、前記先端ストッパに設けられ前記照射部から照射された照射光を受光する受光部と、前記照射部の高さを変化させる照射側昇降手段と、前記照射部からの光を受光するため前記照射側昇降手段に連動して前記受光部を昇降させる受光側昇降手段と、前記照射部から照射される光の高さから前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別するシート積載高さ検知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光可能な場合は、前記照射部を降下させ、前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光不可能な場合は、前記照射部を上昇させる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項1から8の何れか一項記載のシート後処理装置を用いた画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シート高さに応じた昇降機能を有さないプルーフトレイにおいてもシートの積載高さを検知することができるシート後処理装置及びそれを用いた画像形成装置の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は、図2(a)に示したシート後処理装置に用いられる俯仰部及び受光側昇降部の近傍を説明するための説明図であり、(b)は、(a)に示した受光側昇降部108の一例を示す原理図であり、(c)は、(a)に示した俯仰部の一例を示す原理図である。
【図2】(a)は、本発明に係るシート後処理装置の概念図であり、(b)は、(a)に示したシート後処理装置の電気的なブロック図の一例である。
【図3】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置のトレイの底面が水平な場合の概念図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、トレイ24に積載されたシートが取り除かれた場合の照射部の回動によるシート高さ検知方法について説明するための説明図である
【図5】(a)は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、照射部の移動によるシート高さ検知方法について説明するための説明図であり、(b)は、(a)に示したシート後処理装置に用いられる受光部の概念図であり、(b)は、(a)に示した画像形成装置に用いられる照射部の概念図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、トレイに積載されたシートが取り除かれた場合の照射部の移動によるシート高さ検知方法について説明するための説明図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さ検知方法の制御について説明するためのフローチャートの一例である。
【図8】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、照射部、及び受光部のホームポジション位置について説明するための説明図である。
【図9】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、照射部、及び受光部のホームポジション位置について説明するための説明図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さの算出について説明するための説明図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さの算出について説明するための説明図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、前回のシート積載の受光部の位置を基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
【図13】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、前回のシート積載の受光部の位置を基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
【図14】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、前回のシート積載の受光部の位置を基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、満杯検知レベルを基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
【図16】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、満杯検知レベルを基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
【図17】(a)は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、押さえ機構の制御について説明するための説明図であり、(b)は、(a)に示した回動機構の一例を示す概念図である。
【図18】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、押さえ機構の制御について説明するための説明図である。
【図19】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、押さえ機構の制御について説明するための説明図である。
【図20】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート満杯検知方法の制御について説明するためのフローチャートの一部である。
【図21】図20に示したフローチャートの残りである。
【図22】本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さの算出について説明するための説明図である。
【図23】従来のプルーフトレイ上へのシートの積載を説明するための概略図である。
【図24】従来のプルーフトレイ上への用紙の積載を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
<実施形態1>
[構 成]
図2(a)は、本発明に係るシート後処理装置の概念図であり、図2(b)は、図2(a)に示したシート後処理装置の電気的なブロック図の一例である。
図2(a)において、シート後処理装置Bは、画像形成装置Aから排出されてきた画像形成済みのシートPを受け入れる導入経路1と、この導入経路1から分岐する3つの経路、即ち排紙トレイ4へ向かう下搬送経路2と、プルーフトレイ(以下、トレイ)24へ向かう上搬送経路26と、スティプル処理を行う搬送経路3とを有する。
【0024】
画像形成動作の開始時に搬送されるシートPのサイズや搬送方向により、排紙トレイ4の満杯時のシートPの積層時の高さ(厚さ)を識別し、この排紙トレイ4内のシートPの厚さが規定の高さまで達した場合には、図示しない制御部によりシステムの画像形成動作を停止する。符合27は排紙ローラを示している。
【0025】
導入経路1には、導入ローラ6、及び入口センサ7が配置され、導入経路1の終端部の分岐部に位置する分岐爪8は回動することにより上搬送経路26と、下搬送経路2と、搬送経路3とへシートPの搬送方向を仕分ける機能を有する。
【0026】
下搬送経路2には、搬送ローラ9、排紙センサ10、排紙ローラ11、寄せローラ12が配置され、上搬送経路26、搬送経路3に搬送されなかったシートPは下搬送経路2を経て排紙トレイ4に排出され、排紙されたシートPは順次排紙トレイ4にスタックされていく。
排紙口上方付近には、フィラー21が設けられており、スタックされたときのシートPの中央付近位置に回動自由に配置される。
フィラー21の先端はシートPの上面に接している。
フィラー21の根元付近には、フィラー21の先端の高さ位置を検知する上面検知センサ22、23があり、これらによりスタックされたシートPの紙面の高さ(積層時の厚さ)を検知している。
【0027】
2つの上面検知センサ22、23はフィラー21の根元付近部を上下に挟む状態で配置され、フィラー21の根元付近部が2つの上面検知センサ22、23の真中になる状態(2つの上面検知センサ22、23がともにオフ)で、下側の上面検知センサ22に近い位置、即ち、下側の上面検知センサ22がオンからオフになった位置をホーム位置としている。
【0028】
排紙トレイ4上の堆積枚数の増大に伴ってシートPの積層時の厚さ(高さ)が上昇するにしたがい、上面検知センサ23がオンすると、図示しない制御部は排紙トレイ4を上下動させる図示しない駆動手段を制御して排紙トレイ4を下降させる。
排紙トレイ4が下降して上面検知センサ23がオフすると、排紙トレイ4の下降を停止する。
この動作を繰り返し、排紙トレイ4がシートの積層による規定のトレイ満杯高さまで達すると、シート後処理装置Bから画像形成装置Aに停止信号を出し、システムの画像形成動作を停止させる。
【0029】
搬送経路3には、下搬送ローラ13、排紙センサ14、排出ローラ15が配置され、搬送経路3の終端位置にはスティプルユニット5が配置されている。
このスティプルユニット5は、紙面と直交する方向へ進退するスティプル装置17と、スティプルトレイ16と、紙面と直交する方向に進退してスティプルトレイ16上のシートの整合を行うジョガーフェンス18と、戻しローラ19と、放出ベルト20と、爪20aなどを有する。
【0030】
搬送経路3を経て搬送されてきたシートはブラシローラ(排出ローラ)15などの作用によりスティプルトレイ16上に排出され、ジョガーフェンス18によって幅方向位置を揃えられる。
また、戻しローラ19は、振り子運動を行ってシートPの上面を叩くことによりシート束の縦方向位置を揃える。
【0031】
このようにして揃えられたシート束は、スティプル装置17が紙面と直交する方向に移動してシート束の下縁部の適所をスティプルすることにより綴じられる。
スティプルを受けたシート束は、爪20aにより下縁部を支持された状態で放出ベルト20を反時計廻り方向へ走行させることにより、上方に移動し、排紙トレイ4上に排紙される。
【0032】
スティプルモード時には、フィラー21の根元付近部が2つの上面検知センサ22、23の真中になる状態(2つの上面検知センサ22、23がともにオフ)で、上側の上面検知センサ23に近い位置、即ち、上側の上面検知センサ23がオフからオンになった位置をホーム位置としている。
【0033】
排紙トレイ4上のシート束数の増大に伴ってシートPの最上面の高さが上昇するにしたがって、上面検知センサ22がオフすると、図示しない制御部は、排紙トレイ4を上下動させる図示しない駆動手段を制御して、排紙トレイ4を下降させる。
【0034】
排紙トレイ4が下降し、上面検知センサ22がオンすると、排紙トレイ4の下降を停止する。
【0035】
この動作を繰り返し、排紙トレイ4内のシートPが規定のトレイ満杯高さまで達すると、シート後処理装置Bから画像形成装置Aに停止信号を出し、システムの画像形成動作を停止させる。
【0036】
ここで、図2(b)において、シート後処理装置は、制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)101、スティプル装置17、各種センサ102、搬送用モータ群103、I/O(Input/Output)104、ROM(Read Only Memory)105、及びRAM(Random Access Memory)106を共通要素とし、俯仰部107及び受光側昇降部108、又は照射側昇降部109及び受光側昇降部110がバスライン111に接続されている。
【0037】
CPU101は、シート後処理装置Bを統括制御する回路であり、例えばマイクロプロセッサが用いられる。また、CPU101は、シート積載高さを判別するシート積載高さ検知手段としても機能する。
各種センサ102は、入口センサ7、排紙センサ10、14、上面検知センサ22、23等を含むものであり、例えば透過型センサが用いられる。
搬送用モータ群103は、導入ローラ6、搬送ローラ9、排紙ローラ11、15、27、寄せローラ12、下搬送ローラ13、戻しローラ19を回転駆動するためのモータを含むものである。
I/O104は、シート後処理装置Bと画像形成装置Aとの間で信号を授受するための入出力ポートである。
ROM105は、制御プログラムが格納されており、例えば、マスクROMが用いられる。
RAM106は、画像形成装置Aからの命令や動作状態、満杯状態等のデータを格納するものであり、例えば、フラッシュメモリが用いられる。
【0038】
俯仰部104は、後述する光照射部と、光照射部から受光部への光の俯仰角を変化させる回動機構とを有する。
受光側昇降部108は、後述する、俯仰部104からの照射光を受光するための受光部と、受光部を昇降させる昇降機構とを有する。
【0039】
照射側昇降部109は、後述する光照射部と、光照射部を昇降させる昇降機構とを有する。
受光側昇降部110は、後述する、光照射部からの光を受光するための受光部と、受光部を昇降させる昇降機構とを有する。
【0040】
図1(a)は、図2(a)に示したシート後処理装置に用いられる俯仰部及び受光側昇降部の近傍を説明するための説明図であり、図1(b)は、図1(a)に示した受光側昇降部108の一例を示す原理図であり、図1(c)は、図1(a)に示した俯仰部の一例を示す原理図である。
【0041】
シート後処理装置Bのエンドフェンス25の排出ローラ27の直下に照射部29aが光の照射方向が回動自在に配置され、エンドフェンス25に対向するシート後処理装置Bの先端ストッパ28に受光部29bが上下移動(昇降)自在に配置されている。
【0042】
図1(b)において、受光部29bは、回転軸が鉛直で出力軸が下向きになるように配置されたモータ50と、モータ50の出力軸に連結された送りネジ51と、送りネジに螺合するナット52と、送りネジ51と平行に配置された案内ロッド55と、案内ロッド55に摺動自在に設けられ連結部材53によりナット52に連結されたスライダー54と、スライダー54に固定された支持部材56と、支持部材56に固定された受光素子(例えば、フォトトランジスタ)29bbとで構成されている。
受光素子29bbは、モータ50の出力軸の回転により、送りネジ51が矢印方向に回転し、ナット52が上昇もしくは降下することにより、矢印方向に上昇もしくは降下するようになっている。これらモータ50、送りネジ51、ナット52、連結部材53、スライダー54、及び案内ロッド55で受光側の昇降機構が構成されている。
【0043】
図1(c)において、俯仰部29aは、回転軸が水平となるように配置されたモータ61と、モータ60の出力軸60aに連結されたピニオンギヤ61と、中心軸64が出力軸60aと平行でピニオンギヤ61に歯合するように配置され、同軸に重なるように接合された大小二つの平ギヤ62、63と、中心軸67が出力軸60aと平行で平ギヤ63と平ギヤ66が歯合するように配置され、同軸に重なるように接合された大小二つの平ギヤ65、66と、中心軸70が出力軸60aと平行で平ギヤ65と歯合するように配置された半円状の平ギヤ68と、平ギヤ68と垂直に固定された支持部材69と、支持部材69に固定された発光素子(例えば、LD(Laser Diode))29aaとで構成されている(平ギヤのピッチや枚数は限定されるものではなく、平ギヤの代わりにウォームギヤ、クラウンギヤ、ハス歯ギヤ等を用いてもよい。)。
【0044】
発光素子29aaは、モータ60の出力軸60aの回転により、ピニオンギヤ61、平ギヤ62、63、65、66が回転し、半円状の平ギヤ68が回動することにより、矢印方向に仰ぐか、または俯くようになっている。これら、モータ60、ピニオンギヤ62、平ギヤ62、63、65、66、68、支持部材69で回動機構が構成されている。
【0045】
透過型センサの照射部29aから受光部29bの位置29b−1に照射された照射光30aは、シートPに遮られて受光部29bは位置29b−1で受光することができない。この場合、照射部29aはシートPに遮られない位置まで上方向に回動させて(俯角を減少させて)照射する。受光部29bは、位置29b−1から照射部29aの回動(俯仰)に連動して上方向に移動する。照射部29aは上方向への回動と照射を続けて、いずれシートPに遮られない位置の照射光30bが受光部29b−2で受光される。この時の照射部29aの回動角度(俯仰角)よりシートPの積層時の高さ(厚さ)を後述する方法で算出する。
【0046】
排出ローラ27より順次シートPが排出されトレイ24にシートPが積載された場合、シートPの排出毎に前術した動作(照射部29aの回動及び受光部29b−1の移動)を行いつつシートPの高さを検知する。
【0047】
シート後処理装置Bは、算出されたシートPの積層高さが満杯検知レベル近傍に達した場合、シートPの積層高さ情報を画像形成装置Aに通知する。
画像形成装置Aでは、シート後処理装置Bから通知されたシートPの積層高さ情報に基づき、満杯になる前にユーザーに対してトレイ24に積載されたシートPを取り除くなどの旨の通知を図示しない表示部で文字表示したり、図示しない警告音発生手段(例えば、音声合成LSI、ブザー等)で発音したり、あるいは発光手段(例えば、パトライト)で発光したり等を行う。
【0048】
ここで、上述した説明では、シートPの排出毎に照射部29aの回動及び受光部29b−2の移動を行うようにしているが、所定時間間隔毎に行ってもよい。
【0049】
また、図1(a)に示すように、トレイ24の底面が、ある一定角度(例えば、20度)を有しており、排出されたシートPが自重によりエンドフェンス25にてシート後端側で揃えられる機構の場合と、図3に示すように、トレイ24の底面が、ある一定角度を有していない水平な場合においてシート高さの検出が行える。
図3は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置のトレイの底面が水平な場合の概念図である。
【0050】
<実施形態2>
図4は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、トレイ24に積載されたシートが取り除かれた場合の照射部の回動によるシート高さ検知方法について説明するための説明図である。
【0051】
図4において、検知当初、シートPの高さ(積層厚さ)は照射部29aからの照射により受光部29bは、位置29b−1で受光できる高さにあり、ユーザーによりトレイ24に積載されたシートPが取り除かれた場合、排出ローラ27より順次シートPが排出されても照射部29aからの照射光30aが遮られずに受光部29bは、位置29b−1で受光できる。
【0052】
シート後処理装置BのCPU101は、シートPが受光部29bの位置29b−1より下方にあると判断し、照射部29aは下方向に回動して照射を行う。すなわち、照射光の俯角を変化させる。照射部29aは下方向に回動と照射とを継続すると、照射部29aから照射された照射光30bにおいてシートPに遮られ、受光部29bは、位置29b−2で受光できなくなる。
【0053】
照射部29aは、受光部29bが位置29b−2で受光できない場合には上方向への回動に動作を切り替えて照射を行う。すなわち、照射光の仰角を変化させる。
照射部29aは、上方向に回動と照射とを継続して、照射部29aから照射された照射光30cにおいてシートPに遮られることなく受光部29bが位置29b−3で受光できると、CPU101は、このときの照射部29aの回動角度よりシートPの高さを算出する。
シート後処理装置Bは、算出されたシートPの積層高さが満杯検知レベル近傍に達した場合、シート高さ情報を画像形成装置Aに通知する。
画像形成装置Aでは通知されたシートPの積層高さ情報に基づき、トレイ24が満杯になる前にユーザーに対してトレイ24に積載されたシートPを取り除くなどの通知を行う。
【0054】
<実施形態3>
図5(a)は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、照射部の移動によるシート高さ検知方法について説明するための説明図であり、図5(b)は、図5(a)に示したシート後処理装置に用いられる受光部の概念図であり、図5(b)は、図5(a)に示した画像形成装置に用いられる照射部の概念図である。
【0055】
まず、図5(b)に示す受光部29bは、モータ71、送りネジ72、ナット73、案内ロッド76、連結部材74、スライダー75、支持部材77、及び受光素子29bbで構成されている。図5(c)に示す発光部29aは、モータ81、送りネジ82、ナット83、案内ロッド86、連結部材84、スライダー85、支持部材87、及び発光素子29aaで構成されている。
発光部29a及び受光部29bの昇降機構については、図1(b)に示した受光部29と同様のため説明を省略する。
【0056】
図5(a)において、透過型センサの照射部29aは、位置29a−1から受光部29bの位置29b−1に照射された照射光30aはシートPに遮られ、受光部29bは位置29b−1で受光できない。この場合、照射部29aは、位置29a−1でシートPに遮られない位置まで上方向に移動(上昇)して照射する。受光部29bは、位置29b−1から、位置29a−1に位置する照射部29aの移動に連動して上方向に移動する。照射部29aは、位置29a−1から上方向への移動と照射とを継続して、いずれシートPに遮られない位置(29a−2の位置)に達し、照射光30bが位置29b−2に位置する受光部29bで受光される。CPU101は、この時の位置29b−2の受光部29bの高さからシートPの高さを算出する。
【0057】
排出ローラ27より順次シートが排出されトレイ24にシートPが積載されていった場合、排出毎に前記動作(照射部の移動及び受光部の移動)を行いシートPの高さを検知する。
算出されたシートPの高さが満杯検知レベル近傍に達した場合、シート高さ情報を画像形成装置Aに通知する。
画像形成装置Aでは通知されたシートPの積層高さ情報に基づき、トレイ24がシートPで満杯になる前にユーザーに対してトレイ24に積載されたシートPを取り除くなどの通知を行う。
【0058】
本実施形態では受光部29bの位置29b−2(高さ)よりシートPの高さを算出しているが、照射部の高さより算出してもよい。
【0059】
<実施形態4>
図6は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、トレイに積載されたシートが取り除かれた場合の照射部の移動によるシート高さ検知方法について説明するための説明図である。
【0060】
図6において、検知当初シートPの高さは位置29a−1の照射部29aからの照射により位置29b−1の受光部29bで受光できる高さにあり、ユーザーによりトレイ24に積載されたシートPが取り除かれた場合、排出ローラ27より順次シートPが排出されても位置29a−1の照射部29aからの照射光30aが遮られずに位置29b−1の受光部29bで受光できる。
【0061】
シート後処理装置BのCPU101は、シートPが受光部29bの位置29b−1より下方に有ると判断すると、照射部29aは、位置29a−1から下方向に移動(降下)して照射を行う。照射部29aは、位置29a−1から下方向に移動と照射とを継続し、照射部29aが位置29a−2から照射された照射光30bがシートPに遮られて位置29b−2の受光部29bで受光できなくなる。受光部29bは、位置29b−2で受光できない場合、照射部29aは、位置29a−2から上方向への移動(上昇)に動作を切り替えて照射を行う。
【0062】
照射部29aは、位置29a−2から上方向に移動と照射とを継続して、照射部29aが位置29a−3から照射した照射光30cがシートPに遮られることなく位置29b−3で受光部29bに受光される。CPU101は、この時の受光部29bの位置29b−3の高さからシートPの高さを算出する。
【0063】
シート後処理装置BのCPU101は、算出された高さが満杯検知レベル近傍に達した場合、シートPの高さ情報を画像形成装置Aに通知する。
画像形成装置Aでは通知されたシートPの高さ情報に基づき、満杯になる前にユーザーに対してトレイ24に積載されたシートPを取り除く旨の通知を行う。
【0064】
<実施形態5>
図7は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さ検知方法の制御について説明するためのフローチャートの一例である。
図7において、動作の主体は、制御手段としてのCPU101(図2(b)参照。)である。
CPU101は、電源がON(S1)されたら、照射部29aの照射角度がホームポジション位置(電源ON時のイニシャル位置)となるように回動する(S2)。
CPU101は、照射部29aの俯仰に連動して、受光部29bがホームポジション位置(電源ON時のイニシャル位置)に移動するように制御する(S3)。
次にCPU101は、シートPが排紙されたか否かを判断し(S4)、シートPが排紙されなかったら何もせずシート排紙待ち状態となる。シートPが排紙されたら照射部29aより光を照射して受光部29bで受光できたか否かを確認する(S5)。
CPU101は、S5で受光できた場合は、排紙されたシートPは受光部29bより下方にあると判断し、照射部29aの照射角度をある一定角度だけ下方に回動(S6)し、S6に連動して受光部29bがある一定距離だけ下方に移動(S7)する。
CPU101は、照射部29aの下方への回動、受光部29bの移動を行わせ、再度照射部29aより光を照射して受光部29bで受光できたか否かを確認する(S8)。
受光部29bがS8で受光できた場合は、CPU101は、シートPの高さは更に下方に有ると判断してS6、S7、S8を繰り返し行う。
受光部29bがS5、S8で受光できなかった場合、照射部29aより照射された光は排紙されたシートPに遮られて受光部29bで受光できない。すなわちCPU101は、受光部29bの高さ位置より積載されたシートPの高さの方が高いと判断し、照射部29aの照射角度をある一定角度だけ上方に切り替えて回動(S9)し、S9に連動して受光部29bがある一定距離だけ上方に切り替えて移動(S10)する用に制御する。
【0065】
CPU101は、再度、照射部29aより光を照射して受光部29bで受光できたか否かを確認する(S11)。
受光部29bがS11で受光できなかった場合は、CPU101は、シートPの高さは更に上方に有ると判断してS9、S10、S11を繰り返し行う。
受光部29bがS11で受光できた場合、CPU101は、そのタイミングでのシートPの高さの算出(S12)を行う。
CPU101は、電源がOFF(S13)されない場合は、次のシートPが排紙されたか否かの確認(S4)を行い、以降S4からS13の処理を繰り返し行う。電源がOFFされた場合は、CPU101は一連の処理を終了する。
【0066】
図7における説明は、照射部29aの照射角度が回動する場合の一例を示しているが、照射部29aが上下方向に移動する場合は、S2が図9に示す動作を行い、S6、S9が回動ではなく移動動作を行い、S12が図11に示す動作を行うことで実現する。
【0067】
図8、図9は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、照射部、及び受光部のホームポジション位置について説明するための説明図である。
図8は、照射部29aの照射角度が回動する場合の例を示す。
電源がONされると、照射部29aの照射角度は受光部29bが先端ストッパ28の最下位置(図の受光部29bの位置)に向けて下方に回動する。受光部29bは、照射部29aの照射角度に連動して先端ストッパ28の最下位置に移動する。
【0068】
図9は、照射部29aが上下方向に移動する場合の例を示す。
電源がONされると、照射部29aの位置は受光部29bが先端ストッパ28の最下位置(図の受光部29bの位置)に移動する。受光部29bは、照射部29aの移動に連動して先端ストッパ28の最下位置に移動する。
【0069】
図10、図11は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さの算出について説明するための説明図である。
図10は、照射部29aの照射角度が回動する場合の例を示す。
シートPの高さを算出する方法は、満杯検知レベル高さをHとし、満杯検知レベルを基準としたシートPの積層時の高さの検出角度をθとし、エンドフェンス25と先端ストッパ28との間の距離をWとした場合、以下の数式(1)で算出することができる。
シート高さh=H−Wtanθ ・・・(1)
【0070】
図11は、照射部29aが上下方向に移動する場合の例を示す。
シートPの高さを検出する方法は、先端ストッパ28の最下位置からの受光部29bまでの距離hから算出する。
【0071】
<実施形態6>
図12、図13、図14は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、前回のシート積載の受光部の位置を基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
図12において、照射部29aから照射された光は、スタックされたシートPに遮られた場合、受光部29bで受光できない。受光部29bが受光できない場合、CPU101は、照射部29aから照射される光を上方向に受光可能な位置まで回動させる。
CPU101は、照射部29aを回動させると受光部29bを同時に上もしくは下に移動させる。
シートPに遮られない位置で照射光30が受光部29bに受光される。CPU101は、この時の照射部29aの回動角度よりシートPの積層高さを算出する。
【0072】
図13において、排出ローラ27より順次シートPが排出されトレイ24にシートPが積載され、照射部29aから照射された光30bが満杯検知レベルにおいてもシートPに遮られて、受光部29bが位置29b−2で受光できない場合、前回のシートPを積載したときの受光部29bの位置29b−1を基準に、満杯検知レベルまでの角度θが一定角度を超えていたらシートPを折り畳んだときの高さ(折り高さ)による満杯であると判断する。
CPU101は、シートPの折り高さによる満杯と判断した場合は、画像形成装置Aの満杯通知および動作休止指令は行わない。
ここでは満杯検知レベルを水平レベルとしているが、図14に示すように、トレイ24の傾けに等しい角度を満杯検知レベルであるとしてもシートPの折り高さによる満杯の判断が可能である。
【0073】
<実施形態7>
図15、図16は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、満杯検知レベルを基準にしたシート満杯検知方法について説明するための説明図である。
図15において、照射部29aから照射された光は、スタックされたシートPに遮られた場合、受光部29bで受光できない。受光部29bが受光できない場合、照射部29aから照射される光を、受光部29bが受光可能となるまで上方向に回動させる。
シートPに遮られない位置の照射光30が受光部29bで受光される。この時の照射部29aの回動角度よりCPU101は、シートPの積層高さを算出する。
【0074】
図16において、前回のシートPの積載時の受光部29bの位置29b−1が満杯検知レベルではなく、排出ローラ27より順次シートPが排出されトレイ24にシートPが積載され、照射部29aから照射された光30bが満杯検知レベルを基準に角度θが一定角度を超えてもシートPに遮られ受光部29bが位置29b−2で受光できない場合、CPU101はシートPの折り高さによる満杯と判断する。
CPU101は、シートPの折り高さによる満杯であると判断した場合は、画像形成装置Aへの満杯通知および動作休止指令は行わない。
【0075】
<実施形態8>
図17(a)、図18、図19は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、押さえ機構の制御について説明するための説明図であり、図17(b)は、図17(a)に示した回動機構の一例を示す概念図である。
図17(a)において、照射部29aから照射された光は、スタックされたシートPに遮られた場合、受光部29bで受光できない。受光部29bが受光できない場合、CPU101は、押さえ機構31aのアーム31をシートP方向に回動させてシートP上面を押さえる。
【0076】
ここで、押さえ機構31aは、例えば図17(b)に示すようなモータ60、ギヤ群、及びアーム31で構成されている。ギヤ群については図1(c)と同様のため説明を省略するが、ギヤ構成については限定されるものではない。
【0077】
図18において、押さえ機構のアーム31でシートPの上面を押さえた状態で、再度照射部29aより光30を照射する。
照射された光30がスタックされたシートPに遮られることなく受光部29bで受光できた場合、CPU101は、シートPの折り高さによる満杯だったと判定し、画像形成装置Aに対して満杯通知、及び動作休止指令を行わない。
【0078】
図19において、押さえ機構のアーム31でシートPの上面を押さえた状態で、再度照射部29aより光30を照射する。
照射された光30がスタックされたシートPに遮られて受光部29bで受光できない場合、CPU101は、シートPの折り高さによる検知ではなく、シートPが満杯検知レベルまで正常にスタックされたと判定し、画像形成装置Aに対して満杯通知、及び動作休止指令を行う。
【0079】
図20は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート満杯検知方法の制御について説明するためのフローチャートの一部であり、図21は、図20に示したフローチャートの残りである。
動作の主体はCPU101である。
図20、21において、電源がON(S1)されると、CPU101は、照射部29aの照射角度がホームポジション位置(電源ON時のイニシャル位置)になるように回動させる(S2)。
またCPU101は、S1の動きに連動して、受光部29bがホームポジション位置(電源ON時のイニシャル位置)に移動するように制御する(S3)。
【0080】
次にCPU101は、シートPが排紙されたか否かを判断し(S4)、シートPが排紙されなかった場合には何もせずシート排紙待ち状態となる。CPU101は、シートPが排紙されると、照射部29aより光を照射して受光部29bで受光できたか否かを確認する(S5)。
【0081】
S5で受光部29bが受光できた場合は、CPU101は、排紙されたシートPは受光部29bより下方にあると判断し、照射部29aの照射角度をある一定角度だけ下方に回動(S6)し、S6に連動して受光部29bがS6の角度に相当する距離だけ下方に移動(S7)させる。
CPU101は、受光部29bの下方への回動、移動を行わせ、再度照射部29aより光を照射して受光部29bで受光できたか否かを確認する(S8)。
S8で受光部29bが受光できた場合は、CPU101は、シートPの高さは更に下方に有ると判断してS6、S7、S8を繰り返し行う。
【0082】
S5、S8で受光部29bが受光できなかった場合、照射部29aより照射された光は排紙されたシートPに遮られて受光部29bで受光できない。すなわちCPU101は、受光部29bの高さ位置より積載されたシートPの高さの方が高いと判断し、照射部29aの照射角度をある一定角度だけ上方に切り替えて回動(S9)させ、S9に連動して受光部29bがS9の角度に相当する距離だけ上方に切り替えて移動(S10)する。
【0083】
再度、CPU101は、照射部29aより光を照射させて受光部29bで受光できたか否かを確認する(S11)。
S11で受光部29bが受光できなかった場合は、CPU101は、シートPの高さは更に上方に有ると判断してS9、S10、S11を繰り返し行う。
【0084】
S11で受光部29bが受光できた場合、CPU101は、そのタイミングでのシートPの高さの算出(S12)を行う。
【0085】
次にCPU101は、シートPの積載高さが満杯検知レベルに達したか否かを判断し(S13)、満杯検知レベルに達していたら前回のシートPの積層高さを基準に照射部29aの回動角度が上方向に一定角度を越えて検知したか否かを判断し(S14)、一定角度を超えていた場合は、押さえ機構を駆動(S15)してシートPの最上面を押さえる。
【0086】
次にCPU101は、照射部29aの照射角度を満杯検知レベル(水平レベル)に回動させ(S16)、受光部29bを満杯検知レベルまで移動(S17)させる。
CPU101は、満杯検知レベルにおいて照射部29aより光を照射して受光部29bで受光できたか否かを確認する(S18)。
受光部29bで受光できなかった場合は、CPU101は折りシートの膨らみによる満杯検知ではなかったため、満杯検知と判定(S19)する。CPU101はS14で一定角度を超えていなかった場合も同様に折りシートの膨らみによる満杯検知ではなかったため、満杯検知と判定する(S19)。
CPU101が満杯検知と判定した場合、シート後処理装置BのCPU101は、画像形成装置Aに対して満杯通知(S20)と動作休止指令(S21)とを行う。
S18で受光部29bが受光できた場合は、CPU101は折りシートの膨らみによる満杯検知、すなわち満杯誤検知(S22)だったため画像形成装置Aに対する満杯通知と動作休止指令とを行わない。
【0087】
CPU101は、S4からS21またはS22までの動作を電源がOFFされるまで(S23)繰り返し行い、電源がOFFされた場合は一連の処理を終了する。
【0088】
図20、21における説明は、前回のシートPの高さを基準に照射部29aの回動角度が上方向に一定角度を越えて検知したか否かを判断(S14)している場合の例を示しているが、満杯検知レベルを基準に照射部29aの回動角度が上方向に一定角度超えて検知したか否かで判断しても同様な満杯検知、又は満杯誤検知の判定を行うことができる。
【0089】
図22は、本発明に係る画像形成装置のシート後処理装置における、シート高さの算出について説明するための説明図である。
同図は、満杯検知レベルが照射部29aより上方にある場合の一例を示す。
シートPの積層高さを算出する方法は、満杯検知レベル高さをHとし、照射部29aの水平レベルを基準としたシート高さ検出角度をθとし、照射部29aの水平レベルを基準とした満杯検出レベルの角度をθ'とし、エンドフェンス25と先端ストッパ28の距離をWとした場合、数式(2)で算出できる。
シート高さh=H−W(tanθ+tanθ') ・・・(2)
【0090】
<作用効果>
本実施形態によれば、シート高さに応じた昇降機能を有さないプルーフトレイにおいてもシートの積載高さを検知することができる。
本実施形態によれば、ユーザーにより積載されたシートを取り除かれた場合でもシートの積載高さを再検知することができる。
本実施形態によれば、折りシートの折り高さによる満杯誤検知を防ぐことができる。
本実施形態によれば、満杯誤検知の場合はシステムの動作を停止することなく、満杯検知時のみシステムを停止することができる。
【0091】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 導入経路
2 下搬送経路
3 搬送経路
4 排紙トレイ
5 スティプルユニット
6 導入ローラ
7 入り口センサ
8 分岐爪
9 搬送ローラ
10、14 排紙センサ
11、27 排紙ローラ
12 寄せローラ
13 下搬送ローラ
15 排出ローラ
16 スティプルトレイ
17 スティプル装置
18 ジョガーフェンス
19 戻しローラ
20 放出ベルト
20a 爪
21 フィラー
22、23 上面検知センサ
24 トレイ
25 エンドフェンス
26 上搬送経路
28 先端ストッパ
29a 照射部
29aa 発光素子
29b 受光部
29bb 受光素子
30a、30b、30c 照射光
31 アーム
31a 押さえ機構
50、60 モータ
51、72、82、 送りネジ
52、73、83 ナット
53、74、84 連結部材
54、75、85 スライダー
55、76、86 案内ロッド
56 支持部材
60、71、81 モータ
60a 出力軸
61 ピニオンギヤ
62、63、65、66 平ギヤ
101 制御手段(CPU)
102 各種センサ
103 搬送用モータ群
104 I/O
105 ROM
106 RAM
107 俯仰部
108、110 受光側昇降部
109 照射側昇降部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開平9−48549号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から排出されたシートを積載する固定式のプルーフトレイのエンドフェンスに設けられ、前記エンドフェンスから前記プルーフトレイの先端ストッパに向かって光を照射する照射部と、
前記先端ストッパに設けられ前記照射部から照射された照射光を受光する受光部と、
前記照射部から照射される光の俯仰角を変化させる俯仰手段と、
前記照射部から照射された光を受光するため前記俯仰手段に連動して前記受光部を昇降させる受光側昇降手段と、
前記照射部から照射される光の俯仰角から前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別するシート積載高さ検知手段と、
を備えたことを特徴とするシート後処理装置。
【請求項2】
前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光可能な場合は、前記照射部の俯仰角をマイナスにし、前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光不可能な場合は、前記照射の俯仰角をプラスにする制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置のシート後処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記照射部から照射される光の俯仰角から前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別し、前記シート積載高さが満杯検知レベルに達したか否かを判定し、満杯と判定した場合は、前回のシート積載高さを基準に、今回の照射部からの照射光の俯仰角が一定角度を超えてシートを検知しても満杯ではないと判定するようにしたことを特徴とする請求項2記載の画像形成装置のシート後処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記照射部から照射される光の俯仰角から前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別し、前記シート積載高さが満杯検知レベルに達したか否かを判定し、満杯と判定した場合は、前記満杯検知レベルを基準に、今回の照射部からの照射光の俯仰角が一定角度を超えてシートを検知しても満杯ではないと判定するようにしたことを特徴とする請求項2または3記載の画像形成装置のシート後処理装置。
【請求項5】
更にシート押さえ機構を有し、
前記制御手段は、満杯と判定した場合は、前記シート押さえ機構を駆動させて前記シートの上面をシート押さえ手段で押さえさせ、前記シートを押さえた状態で、再度満杯検知レベル位置でシート有無の検知を行うようにしたことを特徴とする請求項2または3記載の画像形成装置のシート後処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、満杯と判定した場合は、前記画像形成装置に対して動作停止指令を行うようにしたことを特徴とする請求項3から5の何れか一項記載の画像形成装置のシート後処理装置。
【請求項7】
画像形成装置から排出されたシートを積載する固定式のプルーフトレイのエンドフェンスに設けられ、前記エンドフェンスから前記プルーフトレイの先端ストッパに向かって光を照射する照射部と、
前記先端ストッパに設けられ前記照射部から照射された照射光を受光する受光部と、
前記照射部の高さを変化させる照射側昇降手段と、
前記照射部からの光を受光するため前記照射側昇降手段に連動して前記受光部を昇降させる受光側昇降手段と、
前記照射部から照射される光の高さから前記プルーフトレイに積載されたシートのシート積載高さを判別するシート積載高さ検知手段と、
を備えたことを特徴とするシート後処理装置。
【請求項8】
前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光可能な場合は、前記照射部を降下させ、前記照射部より照射された照射光が前記受光部で受光不可能な場合は、前記照射部を上昇させる制御手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置のシート後処理装置。
【請求項9】
請求項1から8の何れか一項記載のシート後処理装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−1339(P2012−1339A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139624(P2010−139624)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パトライト
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】