説明

シート搬送装置

【課題】電磁クラッチ等の電気的駆動遮断機構を介さず、給送手段及び搬送手段を、モータの正逆回転と機械的駆動遮断機構のみで駆動し、また、搬送手段の駆動列をモータ正転時、逆転時各々同一の減速比とする。
【解決手段】シートを1枚ずつ送り出す給送手段14、その下流に設けた搬送手段15、転写手段へシートを送り出すタイミングを可変させるレジスト手段、及び給送手段14、搬送手段15、及びレジスト手段を駆動する駆動源21を有し、給送手段と搬送手段は同一の駆動源21から駆動を伝達され、駆動源21は正逆回転可能なモータであり、給送手段14の駆動列24中に機械的駆動遮断機構22を有し、搬送手段15は2系統の駆動列を有し、かつ駆動源21の回転方向によらず1方向のみに駆動されるように駆動列25、26中に機械的駆動遮断機構23、23’を有し、搬送手段15の各々の駆動列の減速比は同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置に装備される給紙装置は、給紙トレイから給紙を行なう給紙ローラと、この給紙ローラの下流にあり、かつシートをレジストローラへと搬送する搬送ローラと、で構成されるものが一般的である。駆動手段としては1つのモータにて給紙ローラ、搬送ローラ等の複数のローラを駆動させていた。
この際に、従来技術では、シート間の制御や重送、ジャムの防止等のシート搬送性能を維持するために電磁クラッチのオフ・オンによって各々のローラに対して異なる動作をさせる手法が一般に提案されている(特許文献1及び2参照)。
特許文献1では、給紙ローラと搬送ローラが同一のモータから駆動力を受けて、各々電磁クラッチのオフ・オンのタイミングを制御することでシート搬送性能を確保している。
しかし、耐久性の低下によって電磁クラッチが滑りを起こしてジャムになる不具合も多く、定期交換部品を除いた場合に、市場において最も交換される頻度の高い部品は電磁クラッチである。その結果、電磁クラッチのオン・オフに依存したシート搬送は信頼性に欠ける構成となっていた。
上記問題を解消するために、特許文献2においては、モータの正逆回転とワンウェイ・クラッチを組み合わせることで電磁クラッチを介さずにシート搬送を行うFRR(摩擦分離)方式の給紙装置を提案している。
具体的には、給紙段毎に給紙ローラと搬送ローラ、及びそれらを駆動する1つのモータを備えた給紙装置において、モータ正回転時には給紙ローラと搬送ローラがシートを送り出す方向へ駆動し、モータ逆回転時には搬送ローラがシートを送り出す方向へ駆動する構成となっている。その際、リバースローラは搬送ローラと同期した駆動を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献2の技術では、搬送ローラの正回転時と逆回転時の駆動列の減速比が異なるため、同じ搬送速度であっても正転時と逆転時において異なる駆動パルスで駆動せねばならず、制御テーブルの複雑化を招く構成となっていた。また、異なる駆動パルスで駆動した場合、正転時と逆転時に微小な速度差が生じてしまうため、シート搬送性能の悪化を招く構成となっていた。
そこで、本発明の目的は、電磁クラッチ等の電気的駆動遮断機構を介さず、給送手段及び搬送手段を、モータの正逆回転と機械的駆動遮断機構のみで駆動し、また、搬送手段の駆動列をモータ正転時、逆転時各々同一の減速比とすることで制御の簡潔化をはかり、速度誤差無くシート搬送を行う画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、感光体上にトナー像を形成する画像形成手段と、トナー像を搬送されてきたシートに転写する転写する転写手段と、前記シート上のトナー像を永久像とするために前記トナー像を定着する定着手段を有する画像形成装置において、積載されたシートを1枚ずつ送り出す給送手段、その下流に設けた搬送手段、この搬送手段の下流に設けられた前記転写手段へ前記シートを送り出すタイミングを可変させるレジスト手段、及び前記給送手段、前記搬送手段、及び前記レジスト手段を駆動する駆動手段を有し、前記給送手段と前記搬送手段を駆動する駆動手段は同一の駆動源から駆動を伝達され、前記駆動源は正逆回転可能なモータであり、前記給送手段の駆動列中に機械的駆動遮断機構を有し、前記搬送手段は2系統の駆動列を有し、かつ前記動源の回転方向によらず1方向のみに駆動されるように前記駆動列中に機械的駆動遮断機構を有し、前記搬送手段の各々の駆動列の減速比は同一である画像形成装置を特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記駆動源の出力部が前記機械的駆動遮断機構を有する前記駆動列の少なくとも1つと噛み合っている請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記給送手段及び搬送手段の前記駆動源の出力部が前記機械的駆動遮断機構を有する前記駆動列の少なくとも1つと噛み合っており、かつ前記給送手段の最終段にさらに機械的駆動遮断機構を有する請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記駆動源の出力部と噛み合う前記駆動列が全て前記機械的駆動遮断機構を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
【0005】
また、請求項5に記載の発明は、前記給送手段から送り出されたシート先端が前記レジスト手段に達するまでの前記給送手段及び搬送手段のシート搬送速度が、前記レジスト手段に達した後のシート搬送速度よりも高速である請求項1乃至4の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、さらに、積載されたシートを1枚ずつ送り出す手差し給送手段、及び前記手差し給送手段を駆動する独立した駆動源からなる駆動手段を有し、前記手差し給送手段から送り出されたシートの下流には前記搬送手段が配置されている請求項1記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記給送手段と前記搬送手段を駆動する駆動手段は同一の駆動源で、前記機械的駆動遮断機構を有する駆動列の少なくとも1つと噛み合っており、前記機械的駆動遮断機構は前記前記給送手段の最終段に配置される請求項6記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記給送手段と前記搬送手段の前記駆動源の出力部と噛み合う駆動列は、すべて前記機械的駆動遮断機構を有する請求項6記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記手差し給送手段から送り出されたシート先端がレジスト手段に達するまでの前記手差し給送手段及び搬送手段のシート搬送速度は前記レジスト手段に達した後の搬送速度よりも高速である請求項6記載の画像形成装置を特徴とする。
【0006】
また、請求項10に記載の発明は、前記機械的駆動遮断機構がワンウェイ・クラッチである請求項1乃至9の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、前記分離手段はフリクションパッドである請求項10記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、前記機械的駆動遮断機構はワンウェイ・クラッチである請求項1乃至9の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、前記給送手段、前記搬送手段、前記手差し給送手段の駆動源がパーマネントマグネット型のステッピングモータである請求項1乃至9の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、4連タンデム型フルカラー画像形成装置として構成される請求項1乃至13の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、前記給送手段を複数段有し、下段の搬送手段と上段の搬送手段の間に配置された中継搬送手段を有し、前記中継搬送手段は上段の給送手段の駆動源によって駆動される請求項1乃至14の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、前記中継搬送手段は駆動列中に機械的駆動遮断機構を有する請求項15記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、前記搬送手段と中継搬送手段の外径が同一で、さらに駆動列の減速比が同一である請求項15又は16記載の画像形成装置を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、駆動源は給送手段、搬送手段、レジスト手段の駆動列に電磁クラッチ等の電気的駆動遮断手段を配置しない。それゆえ、電磁クラッチの滑りや連れ周りといった不具合が解消され、常時安定したシート搬送性能を保つことが可能となる。また、搬送手段の2系統ある駆動列の減速比を同一とすることで、駆動源(モータ)の安定したトルク維持、制御テーブルの簡潔化、搬送速度の均一化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明による画像形成装置の実施の形態に係るレーザプリンタを示す概略構成図である。
【図2】図1のレーザプリンタに用いる給紙装置を示す概略構成図である。
【図3】給紙装置を駆動する給紙駆動部を示す概略正面図である。
【図4】給紙装置を駆動する給紙駆動部を示す概略平面図である。
【図5】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ正回転の場合を示す概略図である。
【図6】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ逆回転の場合を示す概略図である。
【図7】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ正回転の場合を示す概略図である。
【図8】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ逆回転の場合を示す概略図である。
【図9】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ正回転の場合を示す概略図である。
【図10】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ逆回転の場合を示す概略図である。
【図11】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ正回転の場合を示す概略図である。
【図12】給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ逆回転の場合を示す概略図である。
【図13】図1のレーザプリンタにおける搬送パスの実施の形態をレジスト到達前の状態で説明する概略図である。
【図14】図1のレーザプリンタにおける搬送パスの実施の形態をレジスト到達後の状態で説明する概略図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態における画像形成装置を示す概略図である。
【図16】図15の第2の実施の形態において、増設トレイを搭載した場合の画像形成装置を示す概略図である。
【図17】図15の第2の実施の形態における給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ正回転の場合を示す概略平面図である。
【図18】図15の第2の実施の形態における給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ逆回転の場合を示す概略平面図である。
【図19】図15の第2の実施の形態における搬送パスでのモータ駆動時の給紙駆動部における各ローラの回転方向を模式的に示す概略図である。
【図20】駆動列中に機械的駆動遮断機構を有する中継搬送手段を備えた給紙装置を駆動する給紙駆動部をモータ正回転の場合で示す概略平面図である。
【図21】図20の中継搬送手段を備えた給紙装置を駆動する給紙駆動部をモータ逆回転の場合で示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は本発明による画像形成装置の実施の形態に係るレーザプリンタを示す概略構成図である。図2は図1のレーザプリンタに用いる給紙装置を示す概略構成図である。
本発明を、画像形成装置である電子写真方式の直接転写方式によるカラーレーザプリンタ(以下「レーザプリンタ」と言う)に適用した1つの実施の形態について図1及び図2を用いて説明する。
図1において、このレーザプリンタAは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成する。このために4組のトナー像形成部1Y、1C、1M、1K(以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示す)が、配置されている。
このトナー像形成部1Y、1C、1M、1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム11Y、11C、11M、11Kと、現像ユニットとを備えている。トナー像形成部1Y、1C、1M、1Kの上方には、形成されたトナー像を重ね合わせ搬送する中間転写ユニット6が備えられている。
【0010】
本レーザプリンタAは、上記画像形成部1Y、1C、1M、1Kのほか、光書き込みユニット2、給紙カセット3、4、レジストローラ対5を備えている。また、転写ユニット6を構成する中間転写ベルト12の駆動ローラ6a、これに対向した位置にある2次転写部の2次転写ローラ6b、ベルト定着方式の定着ユニット7等を備えている。また、手差しトレイMFを備えている。
光書き込みユニット2は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11Y、11C、11M、11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
図1中の矢印は、転写紙(シート)13の搬送経路を示している。転写紙13は、給紙カセット3、4あるいは手差しトレイMFから給紙ローラ14によって給送される。次いで、転写紙13は、図示しない搬送ガイドにガイドされながら搬送ローラ15で搬送され、レジストローラ対5が設けられている一時停止位置に送られる。
【0011】
転写紙13は搬送ローラ15−レジストローラ5間にてたるみを持った状態で一時停止した後、所定のタイミングでレジストローラ5によって送出される。送出された転写紙13表面には、中間転写ベルト12上に形成されたトナー像が2次転写ローラ6bの転写電界やニップ圧の作用を受けてフルカラートナー像として形成される。
フルカラートナー像が形成された転写紙13は、定着ユニット7でこのフルカラートナー像が定着された後、排紙ローラ対8を抜けた後、画像形成装置であるレーザプリンタAの機外へ排出される。
このように、画像形成装置であるレーザプリンタAは、4連タンデム型フルカラー画像形成装置として構成される。かかる4連タンデム型フルカラーの構成であれば、生産性が高く、かつ安定した画質の画像形成装置を提供することが可能となる。
【0012】
次に、給紙装置20の実施の形態の特徴について説明する。給紙装置20は、図2に示すように、積載されたシート13(図1)を送り出す給紙ローラ14、シート13の重送を防止するために設けられたフリクションパッド16で構成されている。
積載されたシート13を送り出す給送手段である給紙ローラ14に分離手段を設け、この分離手段がフリクションパッド方式であれば、最も安価に重送といった不具合が解消され、分離性能向上が図れ、安定したシート搬送品質を提供することが可能となる。
また、給紙装置20は、給紙ローラ14の下流に設けられた搬送ローラ15及びシート13の搬送位置を検出するセンサ(縦搬送センサ17)類で構成されている。図2には、さらに、レジストローラ対5、2次転写ローラ6b、レジストセンサ18、及び給紙センサ19を示している。
【0013】
図3は給紙装置を駆動する給紙駆動部を示す概略正面図である。図4は給紙装置を駆動する給紙駆動部を示す概略平面図である。説明をし易くするために、必ずしも対応してないが、図3及び図4において、駆動源である1つのモータ21がそのモータギヤ(駆動源の出力部)27を介して給紙ローラ14と搬送ローラ15を回転駆動するように設けられている。なお、符号14、15は、厳密には給紙ローラ、搬送ローラ15と直結する軸を示しているが、便宜上夫々給紙ローラ、搬送ローラを示すものとして説明を行う。
この場合、給送手段である給紙ローラ14、及び搬送手段である搬送ローラ15を駆動する駆動手段としての駆動源であるモータ(給紙・搬送モータ)21がPM(パーマネントマグネット)型ステッピングモータであれば、低コスト化が可能となる。
また、給紙ローラ14を駆動するための駆動列(ギヤ、ワンウェイ・クラッチ)には、第1ギヤ24、及びギヤz1及びギヤz2を含んでいる給紙ワンウェイ・クラッチ22が配置されている。
【0014】
搬送ローラ15を駆動する2系統の駆動列(ギヤ、ワンウェイ・クラッチ)には、搬送ローラ15軸上に2つの搬送ワンウェイ・クラッチ(第1及び第2搬送ワンウェイ・クラッチ23、23’)が配置されている。つまり、同軸状に配置された第1及び第2搬送ワンウェイ・クラッチ23、23’は、搬送ローラ15軸により軸心を支持されている。また、搬送ローラ15側には第2ギヤ25、及び第3ギヤ26が配置されている。
給紙ワンウェイ・クラッチ22、23、23’の機構はスプリングによって規制する方式である。ここで、この方式自体は広く一般的であるので詳細説明は省略する。また、ワンウェイ・クラッチが機械的駆動遮断機構であれば最も安価にかつ確実に駆動切り換えが可能となる。
モータ軸のモータギヤ27と噛み合う給紙ワンウェイ・クラッチ22のギヤをz1、第1ギヤ24と噛み合うギヤをz2とすると、内蔵されたスプリング(図示せず)はモータ正回転時には巻き付き方向となり、ギヤz1かギヤz2へ駆動を伝達する。
また、モータ逆回転時にはスプリングが緩み方向となりギヤz1のみ空転した状態となる。給紙ワンウェイ・クラッチ22の歯数と第2ギヤ25の歯数を同じ歯数としておくことで、搬送ローラ15の2系統のギヤ列のギヤ比は等しくなっている。図3には第3ギヤ26も示してある。
【0015】
図5は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ正回転の場合を示す概略図である。図6は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的にモータ逆回転の場合を示す概略図である。
図5及び図6には、給紙ローラ(軸)14、搬送ローラ(軸)15、駆動源であるモータ21、給紙ワンウェイ・クラッチ22、第1及び第2搬送ワンウェイ・クラッチ23、23’、第1ギヤ24、第2ギヤ25、第3ギヤ26、第4ギヤ25’が示してある。さらに、これらの図には、モータ21に取り付けたモータギヤ(出力部)27及び給紙ワンウェイ・クラッチ22のギヤz1、z2が示してある。
図5において、駆動源であるモータ(給紙・搬送モータ)21の正回転時には、給紙ワンウェイ・クラッチ22はロック方向となり、給紙ローラ14へ駆動を伝える。また、給紙ワンウェイ・クラッチ22のギヤz1の中心部に下方に突設した小ギヤ部であるギヤz2と噛み合う搬送ローラ15の第1搬送ワンウェイ・クラッチ23はロック方向となり、搬送ローラ15が駆動される。この時、搬送ローラ15の軸により支持された第2搬送ワンウェイ・クラッチ23’は空転している。
【0016】
図6において、モータ21の逆転時には、給紙ワンウェイ・クラッチ22、及び第1搬送ワンウェイ・クラッチ23は空転する。その場合、第2ギヤ25及び第3ギヤ26により第2搬送ワンウェイ・クラッチ23’がロック方向となり、搬送ローラ15のみが駆動伝達される。
実際の画像形成装置における給送装置の動作では、印刷開始と同時にモータ21を正転駆動させ、シート先端がレジストニップへ到達することをセンサで検出したらモータ21を停止する。そして所定の時間停止した後、レジストローラ5(図2)が駆動されるのと同期して次のシートを送り出さないようにするためにモータ21を逆回転駆動して搬送ローラ15のみを駆動させる(図6)。
【0017】
次に、ワンウェイ・クラッチを配置する位置について説明する。図5及び図6に示したように、モータギヤ27と噛み合うようにワンウェイ・クラッチ22が配置してあると、それ以降の下流の第2ギヤ25はワンウェイ・クラッチ22の空転時には停止状態を保つことが可能となる。このため、モータ21の必要トルクの低減、電流値の低減が可能となるほか、ギヤの寿命に対しても有利である。
ところで、シート(用紙)サイズが長い場合には、シート先端がレジストニップに到達した後でもシート後端が給紙ローラ14に挟持されている場合がある。その時、モータ21を逆転して搬送ローラ15を回転させると、シートと給紙ローラ14表面の摩擦によって給紙ローラ14(図3)が回転する。これによって、第1ギヤ24が正転し、搬送ローラ15へ2系統から駆動を伝えてしまう恐れがある。
そのため、シートサイズが長いために、シート先端がレジストニップに到達した後でも、シート後端が給紙ローラ14に挟持されるような場合においては、この給紙ローラ14の最終段(回転する軸の端部)にワンウェイ・クラッチを配置すると良い。
【0018】
図7は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ正回転の場合を示す概略図である。図8は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ逆回転の場合を示す概略図である。
図7及び図8には、給紙ローラ14、搬送ローラ15、駆動源であるモータ21、第1及び第2給紙ワンウェイ・クラッチ28、29、第1及び第2搬送ワンウェイ・クラッチ23、23’、第2ギヤ25、第3ギヤ26、第4ギヤ25’が示してある。さらに、これらの図には、モータ21に取り付けたモータギヤ(出力部)27及び第1給紙ワンウェイ・クラッチ28のギヤz1、z2が示してある。
給紙ローラ14の駆動列初段には第1の給紙ワンウェイ・クラッチ28が、給紙ローラ14の駆動列最終段には第2の給紙ワンウェイ・クラッチ29が配置されている。また、搬送ローラ15を駆動する2系統の駆動列には搬送ローラ15軸上に第1搬送ワンウェイ・クラッチ23及び第2搬送ワンウェイ・クラッチ23’が配置されている。
【0019】
図7及び図8に示すように、給紙ローラ14用の駆動列初段と最終段に各々ワンウェイ・クラッチ28及び29を配置すれば、シートによって駆動が伝わることが無く、また、逆転中のギヤの寿命に対しても有利となる。
モータ21の出力軸に直結したギヤ27と機械的駆動遮断機構(ワンウェイ・クラッチ)を持った駆動列が噛み合うことで、負荷トルクを低減することができる。また、給送手段(給紙ローラ)14の最終段を、機械的駆動遮断機構を持った駆動列とすることでシートを介した駆動の伝達が行われることを防止することができる。
給送手段14及び搬送手段15の駆動列において少なくとも1つの機械的駆動遮断機構(ワンウェイ・クラッチ)28、29、23、23’を駆動源(モータ)21のギヤ27と直結した位置に配置する。これによって、その機械的駆動遮断機構(ワンウェイ・クラッチ)に関連する駆動列以外の駆動列は停止状態にあるため、モータ21に掛かる不要な負荷の低減、電流値の低減が安価に可能となる。
また、長尺シートを給紙する給送装置においては、給送手段(給紙ローラ)14の最終段に機械的駆動遮断機構29を配置することでシートからの駆動の伝達を防止することが可能となる。
【0020】
図9は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ正回転の場合を示す概略図である。図10は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ逆回転の場合を示す概略図である。
図9及び図10には、給紙ローラ14、搬送ローラ15、駆動源であるモータ21、第1及び第2給紙ワンウェイ・クラッチ28、29、第1、第2及び第3搬送ワンウェイ・クラッチ23、23’、30が示してある。
さらに、これらの図には、モータ21に取り付けたモータギヤ27、第1給紙ワンウェイ・クラッチ28のギヤz1、z2、第3ギヤ26、第3搬送ワンウェイ・クラッチ30の第2ギヤ25及び第4ギヤ25’示してある。
【0021】
給紙ローラ14の駆動列初段には第1の給紙ワンウェイ・クラッチ28が、給紙ローラ14の駆動列最終段には第2の給紙ワンウェイ・クラッチ29が配置されている。
また、搬送ローラ15を駆動する2系統の駆動列には搬送ローラ15軸上に第1の搬送ワンウェイ・クラッチ23、第2の搬送ワンウェイ・クラッチ23’が、そして搬送ローラ15の駆動列初段にも第3の搬送ワンウェイ・クラッチ30が配置されている。
このように、モータ21と噛み合う駆動列全てを、機械的駆動遮断機構(ワンウェイ・クラッチ)を持った駆動列とすることで、駆動源(モータ)の最も必要なトルクである負荷トルクを低減することが可能となる。
図9及び図10に示すように、搬送ローラ15の初段にもワンウェイ・クラッチ30を配置すれば、さらにモータの必要トルクの低減、電流値の低減、下流のギヤ列の寿命に対しても有利となる。
【0022】
図11は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ正回転の場合を示す概略図である。図12は給紙装置を駆動する給紙駆動部を、説明を簡明化するために図4中のギヤの重なりを見やすくするために模式的に、モータ逆回転の場合を示す概略図である。
図11及び図12には、給紙ワンウェイ・クラッチ22と同軸上にギヤ31を配置した構成を示している。図11及び図12には、給紙ローラ14、搬送ローラ15、駆動源であるモータ21、第給紙ワンウェイ・クラッチ22、第1及び第2搬送ワンウェイ・クラッチ23、23’が示してある。さらに、これらの図には、モータ21に取り付けたモータギヤ27、第2ギヤ25、第4ギヤ25’及び第3ギヤ26が示してある。
機械的駆動遮断機構としてはスプリング式のワンウェイ・クラッチでも、ニードル式のワンウェイ・クラッチでも良い。ニードル式のワンウェイ・クラッチとした場合には、図11及び図12に示すように、給紙ワンウェイ・クラッチ22と同軸上にドライビングシャフトで連結されたギヤ31が配置されている。
【0023】
次に、手差し給送装置(図1のMF)からの給紙について説明する。上述したように手差し給紙装置(トレイ)MFの給紙ローラ14は図示してない単独のモータにて駆動する。
下流に配置している後述する図13及び図14中の搬送1において、図6に示したと同様に、搬送ローラ15はモータ(給紙・搬送モータ)21によって駆動されている。
従って、手差し給紙中においては、搬送1の搬送ローラ15を駆動するモータ21は、常時、逆転駆動を行なう。これにより手差し給紙されたシートはレジスト部5に送られる。手差し給送装置の駆動源であるモータがPM型ステッピングモータであれば低コスト化が可能となる。
手差し給紙装置において、本体トレイからの給紙と比較した場合に、シート対応能力を要求される。具体的には、厚紙給紙可能でなければならない。厚紙給紙時には、給紙ローラ、搬送ローラの負荷トルクは増大してしまう。このため、同一の駆動源から駆動した場合、駆動源としてのモータは高トルクのモータが要求され、コストアップとなってしまう。
【0024】
本発明によれば、図1のレーザプリンタAの1段目の給紙装置3からの給紙である給紙1の給紙ワンウェイ・クラッチを含むモータの逆転駆動によって搬送ローラ15を駆動し、図示してない手差し給紙モータは手差し給紙ローラのみを駆動することによって負荷トルク、すなわち、駆動負荷の分散が可能となる。
また、上述した給送装置に分離手段としてフリクションパッド(図1の符号16)を利用すると、分離性能の向上が図れる。また、FRRのようにローラ追加によるモータ負荷の増加の恐れも発生しない。
このように、分離手段をフリクションパッドとすることで、安価で安定したシート搬送品質を保つことができ、最も安価に重送といった不具合が解消されることが可能となる。
図13は図1のレーザプリンタにおける搬送パスの実施の形態をレジスト到達前の状態で説明する概略図である。図14は図1のレーザプリンタにおける搬送パスの実施の形態をレジスト到達後の状態で説明する概略図である。
【0025】
次に、図1のレーザプリンタAの2段目の給紙装置(図1の給紙カセット4)からの給紙について説明する。駆動構成は図3乃至図6で説明した構成とまったく同じである。図13及び図14では給紙1段目(図1の上側の給紙カセット3)を給紙1としてその駆動モータをモータ1、給紙2段目(図1の下側の給紙カセット4)を給紙2としてその駆動モータをモータ2として説明する。
図13及び図14には、給紙1段目(図1の上側の給紙カセット3)を給紙1とし、この給紙1には図示してないワンウェイ・クラッチ、モータ1、給紙ローラ14及び搬送ローラ15を含んでいる。給紙2段目(図1の下側の給紙カセット4)を給紙2とし、この給紙2にも図示してないワンウェイ・クラッチ、モータ2、給紙ローラ14及び搬送ローラ15を含んでいる。
【0026】
図13及び図14には、さらに、手差し給紙装置(トレイ)MFの給紙ローラ14、レジスト部5、転写ユニットを構成している中間転写ベルトの駆動ローラ6a、これに対向した位置にある2次転写部6’の2次転写ローラ6b、定着ユニット7、排紙部8を示している。
シートがレジストニップへ到達するまではモータ1は逆回転、モータ2は正回転で駆動する(図13)。レジスト到達後2次転写部6の2次転写ニップへシートが送り出される時、モータ1、2はともに逆回転駆動する(図14)。
なお、サイズの小さいシートの場合に、シート先端がレジストニップへ到達する前にシート後端が給紙ローラニップを抜けてしまう場合においてはシートが連送り(2枚続けて送られてしまう)不具合が発生してしまう。その場合には、モータ2は正回転駆動した後、シート先端が搬送ローラ15とレジストローラ5の間にある時にいったん停止し、逆回転で駆動する。
この時に、搬送1及び2の搬送ローラの2系統の減速比が同一であるため、いずれのタイミングにおいてもモータ1、2の駆動PPS(パルス/秒)は等しい値となる。減速比が異なっている場合には、搬送1、2はともに同じ搬送速度であるのに、各々のモータ1、2は異なる駆動パルスとせねばならず制御の複雑化を招く。
【0027】
また、減速比が異なっている場合には、駆動パルスと減速比が異なるため、全く同一の駆動速度となることはできず、搬送品質にも悪影響を及ぼしてしまう。本発明によれば、上記の問題は解消され、同一の駆動パルス、同一の搬送速度で駆動することが可能となる。
この場合に、レジストにシートが到達するまでの搬送速度を高速化することで生産性を増加させ、画像形成装置の生産性の向上が図れる。
上述した実施の形態においては、各モータが駆動するローラ数が低減されるため、モータに掛かる負荷トルクが低くなる。そのため、小型で安価なPM型ステッピングモータの利用が有効である。
上述した本発明の実施の形態を4連タンデム型フルカラー画像形成装置に適用すれば、生産性が高く、かつ安定した画質の画像形成装置を提供することができる。
【0028】
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。図15は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置を示す概略図である。基本的な構成そのものは図1に示した画像形成装置と同一であるので、同一部分には同一符号を付してここで必要以外の説明は省略する。図15の第2の実施形態における画像形成装置では、給紙トレイが大容量であるため、搬送パスが長くなっている。
そこで各給紙段の給紙ローラ14a、14b又は手差しトレイMFの給紙ローラ14dから給送されたシートをレジストローラ5まで搬送する搬送ローラ15a、15bに加えて、これらの搬送ローラ15a、15b間を中継する中継搬送ローラ32が配置されている。また、中継搬送ローラ32は上段の駆動源によって駆動されている。
【0029】
図16は図15の第2の実施の形態において、増設トレイを搭載した場合の画像形成装置を示す概略図である。基本的な構成そのものは図1に示した画像形成装置と同一であるので、同一部分には同一符号を付してここで必要以外の説明は省略する。
図16に示すように、増設トレイ4’が取り付けられた場合においても、この増設トレイ4’の搬送ローラ15cと第2給紙段の搬送ローラ15bとの間に第2給紙段の駆動源であるモータ(図示せず)から駆動力を受けた中継搬送ローラ32bが配置されている。
図16において、各段の給紙ローラは符号14a、14b、14cで示し、手差しトレイMFの給紙ローラは14dで示し、各段の搬送ローラは15a、15b、15cで示し、そして中継搬送ローラは32a、32bで示している。
【0030】
図17は図15の第2の実施の形態における給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ正回転の場合を示す概略平面図である。図18は図15の第2の実施の形態における給紙装置を駆動する給紙駆動部のモータ逆回転の場合を示す概略平面図である。
図17及び図18の給紙駆動部において、給紙ローラ14上のギヤ29及び搬送ローラ15上のギヤ23、23’にはワンウェイ・クラッチが内蔵されている。このワンウェイ・クラッチを配置する位置は第1の実施形態で示した駆動列構成のどれであっても良い。
図19は図15の第2の実施の形態における搬送パスでのモータ駆動時の給紙駆動部における各ローラの回転方向を模式的に示す概略図である。この図にはワンウェイ・クラッチを示していないが、各ローラの配列は図16の画像形成装置における配列と同じである。従って、同一部分に同一符号を付し、必要のない構成、動作についての説明は省略する。
【0031】
図17乃至図19において、搬送ローラ15の駆動列中に、さらに搬送中継ローラ32へ駆動伝達するギヤ33、34があり、図17及び図19のモータ正転時には、給紙ローラ14(14a、14b)、搬送ローラ15(15a、15b)がシート搬送方向へ駆動する。
この時、中継搬送ローラ32(32a、32b)はシート搬送方向に対して逆方向へ駆動する。一方、図18及び図19のモータ逆転時には、搬送ローラ15(15a、15b)と中継搬送ローラ32(32a、32b)がシート搬送方向へ駆動する。
図17に示すように、モータ正転時に中継搬送ローラ32がシート搬送方向とは逆方向に駆動される。しかし、その時に下段の給紙段からシートを搬送することは無いので、シート搬送上の問題とはならない。
【0032】
図20は駆動列中に機械的駆動遮断機構を有する中継搬送手段を備えた給紙装置を駆動する給紙駆動部をモータ正回転の場合で示す概略平面図である。図21は図20の中継搬送手段を備えた給紙装置を駆動する給紙駆動部をモータ逆回転の場合で示す概略平面図である。
図20及び図21の構成は図17及び図18の構成と同じである。従って、同一部分に同一符号を付して、ここで必要とされない構成、動作の説明は省略する。この構成において、モータ正転時に3本のローラ14、15、32を駆動するトルク余裕度が無い場合においては、図20及び図21に示すように、ギヤ34をワンウェイ・クラッチとする。
モータ正転時には、給紙ローラ14、搬送ローラ15が駆動され、モータ逆転時には、搬送ローラ15、中継搬送ローラ32が駆動され、常時、2本のローラ駆動とすることが可能となり、モータに掛かる負荷トルクが低減できる。
また、搬送ローラ15と中継搬送ローラ32のローラ外径を同一にし、さらに減速比を同一にすることによって搬送速度の安定化や部品の共通化によるコストダウンが可能となる。
【符号の説明】
【0033】
A 画像形成装置(レーザプリンタ)
MF 手差し給紙装置(手差しトレイ)
1Y 画像形成手段(トナー像形成部)
3 給紙トレイ(給紙カセット)
4 給紙トレイ(給紙カセット)
4’ 増設トレイ(給紙カセット)
5 レジスト手段(レジスト部、レジストローラ対)
6 転写手段(転写ユニット)
6’ 2次転写部
6a 駆動ローラ
6b 2次転写ローラ
7 定着手段(定着ユニット)
11Y 感光体(感光体ドラム)
12 中間転写ベルト
13 シート(用紙、転写紙)
14 給送手段(給紙ローラ)
15 搬送手段(搬送ローラ)
16 分離手段(フリクションパッド)
17 検出手段(縦搬送センサ)
18 検出手段(レジストセンサ)
20 給紙装置
21 駆動手段(駆動源、給紙モータ)
22 機械的駆動遮断機構(給紙ワンウェイ・クラッチ)
23 機械的駆動遮断機構(第1搬送ワンウェイ・クラッチ)
23’ 機械的駆動遮断機構(第2搬送ワンウェイ・クラッチ)
24 第1ギヤ
25 第2ギヤ
26 第3ギヤ
27 モータギヤ
28 機械的駆動遮断機構(第1給紙ワンウェイ・クラッチ)
29 機械的駆動遮断機構(第2給紙ワンウェイ・クラッチ)
30 機械的駆動遮断機構(第3搬送ワンウェイ・クラッチ)
31 ギヤ
32 中継搬送手段(中継搬送ローラ)
34 ギヤ(ワンウェイ・クラッチ)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0034】
【特許文献1】特開2003−176045公報
【特許文献2】特許第3782721号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体上にトナー像を形成する画像形成手段、トナー像を搬送されてきたシートに転写する転写手段、及び前記シート上のトナー像を定着する定着手段を有する画像形成装置において、
シートを1枚ずつ送り出す給送手段と、該給送手段の下流に設けた搬送手段と、該搬送手段の下流に設けられ前記転写手段へ前記シートを送り出すタイミングを可変させるレジスト手段と、前記給送手段、前記搬送手段、及び前記レジスト手段を駆動する駆動手段と、を有し、
前記給送手段と前記搬送手段を駆動する前記駆動手段は同一の駆動源から駆動を伝達され、前記駆動源は正逆回転可能なモータであり、前記給送手段の駆動列中に機械的駆動遮断機構を有し、前記搬送手段は2系統の駆動列を有し、かつ前記駆動源の回転方向によらず1方向のみに駆動されるように前記駆動列中に機械的駆動遮断機構を有し、前記搬送手段の各々の駆動列の減速比は同一であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記駆動源の出力部は、前記機械的駆動遮断機構を有する前記駆動列の少なくとも1つと噛み合っていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記給送手段及び搬送手段の前記駆動源の出力部は、前記機械的駆動遮断機構を有する前記駆動列の少なくとも1つと噛み合っており、かつ前記給送手段の最終段にさらに機械的駆動遮断機構を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記駆動源の出力部と噛み合う前記駆動列は全て前記機械的駆動遮断機構を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記給送手段から送り出されたシート先端が前記レジスト手段に達するまでの前記給送手段及び搬送手段のシート搬送速度は、前記レジスト手段に達した後のシート搬送速度よりも高速であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
積載されたシートを1枚ずつ送り出す手差し給送手段、及び前記手差し給送手段を駆動する独立した駆動源からなる駆動手段を有し、前記手差し給送手段から送り出されたシートの下流には前記搬送手段が配置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記給送手段と前記搬送手段を駆動する駆動手段は同一の駆動源で、前記機械的駆動遮断機構を有する駆動列の少なくとも1つと噛み合っており、前記機械的駆動遮断機構は前記前記給送手段の最終段に配置されることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記給送手段と前記搬送手段の前記駆動源の出力部と噛み合う駆動列は、すべて前記機械的駆動遮断機構を有することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記手差し給送手段から送り出されたシート先端がレジスト手段に達するまでの前記手差し給送手段及び搬送手段のシート搬送速度は前記レジスト手段に達した後の搬送速度よりも高速であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記給送手段及び前記手差し給送手段は分離手段を有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記分離手段はフリクションパッドであることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記機械的駆動遮断機構はワンウェイ・クラッチであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記給送手段、前記搬送手段、前記手差し給送手段の駆動源はパーマネントマグネット型のステッピングモータであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項14】
4連タンデム型フルカラー画像形成装置として構成されることを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記給送手段を複数段有し、下段の搬送手段と上段の搬送手段との間に配置された中継搬送手段を有し、前記中継搬送手段は上段の給送手段の駆動源によって駆動されることを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記中継搬送手段は前記駆動列中に機械的駆動遮断機構を有することを特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記搬送手段と中継搬送手段の外径が同一で、さらに前記駆動列の減速比が同一であることを特徴とする請求項15又は16記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−133385(P2012−133385A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−25855(P2012−25855)
【出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【分割の表示】特願2007−173185(P2007−173185)の分割
【原出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】