説明

シート積載装置および画像形成装置

【課題】画像形成装置から送られてきたシートを積載して昇降可能な積載手段(スタックトレイ等)が過積載か故障しているのかを自動的に判別することにより、ユーザの利便性が向上するシート積載装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】CPU201は、スタックトレイ上昇完了判断手段202により上昇異常と判断された後のスタックトレイ102の下降時に、スタックトレイ下降完了判断手段203により下降正常と判断されたときには過積載、下降異常と判断されたときにはスタックトレイ102、エレベータ103およびトレイ昇降モータ107を含むトレイ昇降機構のうちの少なくとも一つの故障(以下、単に「故障」ともいう)と判断する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、画像形成装置から送られてきたシートを処理しスティプル、スタックなどの後処理を行う後処理装置におけるシート積載装置およびこれを装着可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置本体で印刷されて排出される印刷用紙を積載する排紙トレイを備えた印刷装置において、排紙トレイの最大積載枚数超えによって発生する問題点、すなわち印刷用紙の落下やそれによる汚れ、印刷用紙の詰まりを防止して、良好な排紙状態を得られることを目的とした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の技術では、用紙が1枚給紙されると、印刷枚数Dが入力枚数から1枚カウントダウンされるとともに、積載カウンタKが用紙厚さ情報に基づき補正変更され、予め設定された基準積載枚数Fと積載カウンタKとを比較し積載カウンタKが基準積載枚数Fに達すると印刷動作を停止させるようになっている。
【0003】
また、画像形成装置としての複写機から排出された用紙(シート)を積載し昇降可能に構成されたシフトトレイを備えたシート排出装置および画像形成装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1を含む従来技術では、用紙の枚数に紙厚による補正を加味して過積載になる前に、印刷動作を停止させていた。しかしながら、コート紙などの特殊紙では同じ紙厚の普通紙と比べて重量があり、従来技術ではコート紙などの特殊紙の印刷では過積載となることがあった。
一方、特許文献2を含む従来技術において、昇降可能なシフトトレイ(以下、「排紙スタックトレイ」または「スタックトレイ」ともいう)を用いたシート積載装置では、過積載になると、排紙スタックトレイは下降できるが、積載されている用紙の重量で上昇ができなくなり、シート積載装置はスタックトレイが故障しているのか過積載なのか判断できないことから、故障と判断していた。そのため、ユーザの利便性が低下していた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて上記課題を解決すべくなされたものであり、画像形成装置から送られてきたシートを積載して昇降可能な積載手段(スタックトレイ等)が過積載か故障しているのかを自律的に判別することにより、ユーザの利便性が向上するシート積載装置および画像形成装置を実現し提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、本発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
本発明は、画像形成装置より順次排出されるシートを積載し、上限位置と下限位置との間で昇降可能な積載手段と、画像形成装置より順次排出されるシートに対し指示された処理を自律的に行う制御手段とを有するシート積載装置において、前記積載手段を載置する載置手段を備え、該載置手段を介して、前記積載手段を前記上限位置と前記下限位置との間に昇降する昇降手段と、前記積載手段上に積載されたシートの最上のシート面位置を検知するシート面検知手段と、前記積載手段の前記下限位置を検知する下限位置検知手段と、を有し、前記制御手段は、前記昇降手段を作動させることによって、前記積載手段が上昇を開始してから一定時間内に、前記シート面検知手段が前記シート面位置を検知しなかったときには上昇異常と、前記シート面位置を検知したときには上昇正常と判断した後、前記上昇異常の場合には前記昇降手段をして前記積載手段を下降させる上昇状態判断手段と、前記昇降手段を作動させることによって、前記積載手段が下降を開始してから一定時間内に、前記下限検知手段が前記下限位置を検知しなかったときには下降異常と、前記下限位置を検知したときには下降正常と判断する下降状態判断手段とを備え、前記制御手段は、前記上昇状態判断手段により前記上昇異常と判断された後の前記積載手段の下降時に、前記下降状態判断手段により前記下降正常と判断されたときには過積載、前記下降異常と判断されたときには前記積載手段、前記載置手段および前記昇降手段のうちの少なくとも一つの故障と判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、上記課題を解決して新規なシート積載装置およびこれが装着される画像形成装置を実現し提供することができる。すなわち、本発明によれば、上記構成により、排出されたシートが積載手段に過積載されている場合は、積載手段は上昇することができないが下降することができ、積載手段、載置手段および昇降手段のうちの少なくとも一つが故障している場合は上昇も下降もできなくなるため、制御手段は上昇状態判断手段と下降状態判断手段との組合せにより正常、過積載、故障が判別できるので、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスタッカー周りの全体構成図である。
【図2】第1の実施形態の制御構成を説明するブロック図である。
【図3】第1の実施形態の動作順序を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態の制御構成を説明するブロック図である。
【図5】第2の実施形態の動作順序を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態の変形例を示すスタッカー周りの全体構成図である。
【図7】変形例の動作順序を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り同一符号を付すこととする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素をそのまま引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0010】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態(請求項1、4)として、画像形成装置1に装着されたシート積載装置の一例としてのスタッカー100の全体構成を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示す画像形成装置1に装着されたスタッカー100の全体構成図である。
画像形成装置1としては、複写機、プリンタ、インクジェット記録装置、孔版印刷機を含む印刷機等およびこれら少なくとも2つの機能を備えた複合機が挙げられるが、本願発明の主な構成の特徴が後処理装置とも呼ばれるシート積載装置としてのスタッカー100側にあるため、画像形成装置1側の詳細な構成および動作を省略する。画像形成装置1の一例としては、特開2011−057313号公報(特許文献2)の図6等に示されている複写機(1)が挙げられる。
本実施形態ではシート状の記録媒体(以下、単に「シート」ともいう)の一例として用紙を用いた場合で説明する。
【0011】
図1において、50は画像形成装置1の装置本体を、150はスタッカー100の装置本体であるスタッカー本体を、2は画像形成装置1に配設されたシート排出手段としての排紙ローラを、それぞれ示す。
スタッカー100は、図1に示す画像形成装置1の装置本体50から排出された画像形成済みの用紙(以下、単に「用紙」ともいう)を矢印A方向から共通のシート搬送路L0を介して導入する。スタッカー100が画像形成装置1の装置本体50のシート排出口に装着・連結される場合には、装置本体50の外側に配置される図示しない排紙トレイが取り外されることにより、スタッカー100の装着・連結に支障が出ないようになっている。画像形成装置1とスタッカー100とは、上記したように機械的に連結されているとともに、図示しないケーブルによって送受信可能に電気的に接続されている。
【0012】
スタッカー100は、画像形成装置1に配設されている図示しない操作部の各種キー操作を行うことにより、プルーフ排紙モード、ストレート排紙モードおよびシフト排紙モードの何れかの動作モードを選択して、選択した動作モードを実行することが可能に構成されている。
【0013】
プルーフ排紙モードは、共通のシート搬送路L0、シート搬送路L1を通して、プルーフトレイ101上に用紙を導いてスタックする動作モードである。
ストレート排紙モードは、共通のシート搬送路L0、シート搬送路L2を通して、本スタッカー100の後段に備えられた別のスタッカー等の装置に用紙を導く動作モードである。
シフト排紙モードは、共通のシート搬送路L0、シート搬送路L3を通して、シートを積載する積載手段の一例としてのスタックトレイ102上に用紙を排出してスタック・積載する動作モードである。シフト排紙モードにおいては、スタックトレイ102上の異なるシフト位置に用紙をスタックすることが可能に構成されている。
【0014】
図1において、S1は入口センサを、111は一対のシフトローラを、114は一対の入口ローラを、それぞれ示す。入口センサS1は、スタッカー100側のシート搬入口に配設されていて、画像形成装置1から排出・搬送されてきた用紙の通過を検出する。入口ローラ114は、入口センサS1が配置されているシート搬送路L0の下流近傍に配設されている。
シフトローラ111は、下側の排紙駆動ローラに対して図示しないばねによって付勢された従動ローラが圧接されて構成されている。これらのローラ間に形成されたニップ部にシートがニップ・挟持され、駆動ローラが回転駆動することによって従動ローラが従動回転しシートを搬送・排出する。
【0015】
図1において、S2はシフトローラ111によりシフト排紙される用紙の通過を検出するための、換言すればシフトローラ111により排出される用紙の先端を検出するシート検知手段としてのシフト排紙センサを示す。スタックトレイ102に排出される用紙は、入口ローラ114を通過した後、シート分岐部材115により、シート搬送路L0からシート搬送路L3に振り分け・切り換えられ、シフトローラ111にニップされる。シフトローラ111は、図示しないシフト機構および制御構成によって、図1の紙面における手前から奥行き方向に用紙を1枚毎にシフトしながらスタックトレイ102に排出することが可能に構成されている。
【0016】
次に、スタックトレイ102を上限位置と下限位置としての最下限位置との間に昇降するスタックトレイ102の昇降機構を説明する。スタックトレイ102の昇降機構は、スタックトレイ102を載置する載置手段としてのエレベータ103を備え、該エレベータ103を介して、スタックトレイ102を上限位置と最下限位置との間に昇降する駆動源としてのトレイ昇降モータ107等を備えた昇降手段と、スタックトレイ102上に積載された用紙の最上の用紙(シート)面位置を検知するシート面検知手段の一例としての紙面センサS3と、スタックトレイ102の最下限位置を検知する下限位置検知手段の一例としての最下限センサS8等とを有している。
ここで、スタックトレイ102の上限位置とは、スタックトレイ102が図1に存在する位置をいい、最下限位置とは、スタックトレイ102が最下限センサS8により検知される位置をいう。
【0017】
スタックトレイ102は、上下・鉛直方向Zに昇降可能なエレベータ103上に載置されている。エレベータ103の四隅(紙面手前の左右に現れている二隅の他に紙面奥側の左右に二隅がある)は、計4本(紙面手前の左右に現れている2本の他に紙面奥側の左右に2本がある)のタイミングベルト104によって吊られており、それぞれのタイミングベルト104は対応する計4つのタイミングプーリ105に巻き付けられている。それらのタイミングプーリ105は、ウォームギヤ106と、これと噛み合うウォームホイールを含む複数のギヤから構成されるギヤ列109によって連結されており、トレイ昇降モータ107の駆動力によって同期的に回転されることによって、スタックトレイ102と共にエレベータ103を昇降させる。トレイ昇降モータ107は、正逆転可能なDCモータやステッピングモータであり、スタッカー本体150に固着した状態で設置(以下、「固設」という)されており、スタッカー本体150に時計回りおよび反時計回りに回転可能(以下、「回動」という)に支持されたウォームギヤ106に、プーリに巻き掛けられたベルトからなる駆動力伝達手段を介して駆動力を伝達するようになっている。
このように、動力伝達系統がウォームギヤ106を介しているため、スタックトレイ102を一定位置に保つことができる。エレベータ103が最下限センサS8が検知する位置まで下降したときに、最下限センサS8が検知する直前にスタックトレイ102を台車108上に載せることにより、そのスタックトレイ102と共に、その上に積載された用紙を台車108によって搬出することができるように構成されている。
【0018】
図1において、110は、シート搬送路L3中に配設されている一対のシフト排紙ローラ111に連動して同シフト排紙ローラ111の下側の駆動ローラと同方向に回転するパドルであり、スタックトレイ102上に排出される用紙の後端部を叩いて下方に押し付ける。シフト排紙ローラ111は、図示しないシフト搬送機構部により、紙面に直交するシート幅方向に所定量移動されることによって、スタックトレイ102上における用紙の排出位置を紙面手前側または紙面奥側にシフトする構成となっている。なお、上記図示しないシフト搬送機構部は、例えば特許文献2の図5に示されていると同様の機構を採用している。
【0019】
図1において、117は、スタックトレイ102上に排出される用紙の先端を揃えるための先端揃え機構(図示せず)を構成するストッパを示し、このストッパ117は上記図示しない先端揃え機構によって同図の左右方向に位置調整可能になっている。
120は、シート幅方向に独立して移動可能で、スタックトレイ102上に排出される用紙のシート幅方向の各側端面を揃えるためのメインジョガー機構(図示せず)を構成する一対のメインジョガーを示す。
121は、シート幅方向に移動可能で、スタックトレイ102上に排出される主として大サイズ用紙のシート幅方向の各側端面を揃えるためのサブジョガー機構(図示せず)を構成する一対のサブジョガーを示す。
【0020】
また、スタックトレイ102上に積載された用紙は、揺動可能に支持されているフィラー112を押し上げるように構成されている。フィラー112の近傍には、フィラー112の動きに基づいて、スタックトレイ102上における用紙のスタック高さを検出する光学式の紙面センサS3が配設されている。
【0021】
スタックトレイ102のイニシャル・初期動作として、紙面センサS3がオン(以下、「ON」とも記述する)となっているときは、トレイ昇降モータ107によってスタックトレイ102を所定距離だけ下降させ、紙面センサS3がオフ(以下、「OFF」とも記述する)となってから、トレイ昇降モータ107を停止させる。
また、紙面センサS3がOFFとなっているときは、トレイ昇降モータ107によってスタックトレイ102を上昇させ、紙面センサS3がONとなってから、スタックトレイ102を下降に切替え、紙面センサS3がOFFとなってからトレイ昇降モータ107停止させる。
従って、スタックトレイ102上にスタックされた用紙(図示せず)によって、紙面センサS3がオンとなる毎に、スタックトレイ102が所定距離ずつ下降することになる。
【0022】
図2を参照して、本実施形態の主な制御構成について説明する。図2において、200は、スタッカー100の動作を制御する制御装置を示す。制御装置200は、制御手段としてのCPU201、図示しないI/O(入出力)ポートおよびROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)、計時手段としての内部タイマ等を備え、信号バスによって接続されたマイクロコンピュータを具備している。
CPU201は、各種センサS3、S8から送られてくるオン/オフ信号等、画像形成装置1の図示しない制御部を介して操作部(図示せず)から送られてくる各種指令信号やデータ信号等に基づいて、後述するようにトレイ昇降モータ107の動作(起動・停止等)を制御する機能を有する。
【0023】
また、CPU201は、上昇状態判断手段としてのスタックトレイ上昇完了判断手段202と、下降状態判断手段としてのスタックトレイ下降完了判断手段203との機能を備えている。ここで、スタックトレイ上昇完了判断手段202は、トレイ昇降モータ107を作動させることによって、スタックトレイ102が上昇を開始してから一定時間内に、紙面センサS3が用紙(シート)面位置を検知しなかったときには上昇異常と、用紙(シート)面位置を検知したときには上昇正常と判断した後、上昇異常の場合にはトレイ昇降モータ107をしてスタックトレイ102を下降させる機能を有する。
【0024】
スタックトレイ下降完了判断手段203は、トレイ昇降モータ107を作動させることによって、スタックトレイ102が下降を開始してから一定時間内に、最下限センサS8が最下限位置を検知しなかったときには下降異常と、最下限位置を検知したときには下降正常と判断する機能を有する。
CPU201は、スタックトレイ上昇完了判断手段202により上昇異常と判断された後のスタックトレイ102の下降時に、スタックトレイ下降完了判断手段203により下降正常と判断されたときには過積載、下降異常と判断されたときにはスタックトレイ102、エレベータ103およびトレイ昇降モータ107を含むトレイ昇降機構のうちの少なくとも一つの故障(以下、単に「故障」ともいう)と判断する機能を有する。
【0025】
制御装置200の上記図示しないROMには、後述するフローチャートに示す動作を行うためのプログラムや各種関係データが予め記憶されている。上記図示しないRAMは、CPU201での計算結果を一時記憶したり、各種センサS3、S8等からの出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。制御装置200の上記図示しない内部タイマは、スタックトレイ102の上昇または下降時間を計時する計時手段として機能する。
【0026】
図3を参照して、スタックトレイ上昇完了判断手段202およびスタックトレイ下降完了判断手段203を備えたCPU201の指令制御の下に実行される本実施形態特有の動作を説明する。図3において、トレイ昇降モータ107が例えば正転駆動開始されることにより、上記トレイ昇降機構を介してスタックトレイ102が上昇開始すると同時に、上記図示しない内部タイマによって時間カウントを開始する(ステップS1)。スタックトレイ102の上昇開始後、一定時間経過しても(一定時間内に)紙面センサS3がONしない場合、スタックトレイ上昇完了判断手段202は上昇異常(もしくは上昇失敗)と判断し、スタックトレイ102を最下限センサS8がONするまで下降させる(ステップS2〜ステップS4)。
【0027】
この際、トレイ昇降モータ107が例えば逆転駆動開始されることにより、上記トレイ昇降機構を介してスタックトレイ102が下降開始すると同時に、上記図示しない内部タイマによって時間カウントを開始する。以下、上述したようなトレイ昇降モータ107の正逆転駆動および内部タイマによる時間カウント等の細部動作の説明を省略し、簡明に説明する。スタックトレイ102の下降開始後、一定時間経過しても(一定時間内に)最下限センサS8がONしない場合、すなわち一定時間内にスタックトレイ102が最下限位置まで下降しなかった場合(ステップS5でノーの場合)、スタックトレイ下降完了判断手段203は下降異常(もしくは下降失敗)と判断する。そして、CPU201は、スタックトレイ上昇完了判断手段202およびスタックトレイ下降完了判断手段203の上記判断結果の組合せにより、「故障」と判断し、画像形成装置1の上記図示しない操作部等に配設されている例えば液晶表示部に「故障」であることの異常通知をして、ユーザに知らせる。その後、スタックトレイ102が停止する(ステップS5〜ステップS8)。
【0028】
一方、ステップS1でのスタックトレイ102の上昇開始後、ステップS2において、紙面センサS3が一定時間内にONした場合、スタックトレイ上昇完了判断手段202は上昇正常(もしくは上昇成功)と判断し、ステップS8に進んでスタックトレイ102を停止する。
【0029】
また、スタックトレイ102の下降開始後、最下限センサS8が一定時間内にONした場合、すなわち一定時間内にスタックトレイ102が最下限位置まで下降した場合(ステップS5でイエスの場合)、スタックトレイ下降完了判断手段203は下降正常(もしくは下降成功)と判断するので、CPU201は、スタックトレイ上昇完了判断手段202およびスタックトレイ下降完了判断手段203の上記判断結果の組合せにより、「過積載(もしくは満杯)」と判断し、画像形成装置1の上記図示しない操作部等に配設されている例えば液晶表示部に「過積載」であることの異常通知をして、ユーザに知らせる。その後、スタックトレイ102が停止する(ステップS5、ステップS9、ステップS8)。
【0030】
本実施形態によれば、上述したとおり、排出された用紙がスタックトレイ102に過積載されている場合は、スタックトレイ102は上昇できないが下降でき、スタックトレイ102、エレベータ103およびトレイ昇降モータ107を含む上記トレイ昇降機構のうちの少なくとも一つが故障している場合は上昇も下降もできなくなるため、CPU201はスタックトレイ上昇完了判断手段202とスタックトレイ下降完了判断手段203との上記判断結果の組合せにより、正常、過積載、故障が判別できるので、ユーザの利便性が向上するシート積載装置としてのスタッカー200および画像形成装置1を実現し提供することができる。
【0031】
本実施形態において、「故障」や「過積載」等の異常通知をしてユーザに知らせる報知手段は、上記図示しない操作部等に配設されている液晶表示部に限らず、例えばLED(発光ダイオード)表示部への点灯・点滅表示、あるいはブザー吹鳴を付加したものであってもよい(後述の実施形態や変形例でも同じ)。
【0032】
(第2の実施形態)
図4および図5を参照して、第2の実施形態を説明する(請求項2、4)。図4は、第2の実施形態の主な制御構成を示すブロック図、図5は、第2の実施形態の主な動作順序を示すフローチャートである。
第2の実施形態は、図2に示した第1の実施形態の制御構成と比較して、図5に示すように、トレイ昇降モータ107にエンコーダ122が内臓されている点、制御装置200に代えて、制御装置200Aを用いる点が主に相違する。この相違点以外の第2の実施形態の構成は、図1〜図3に示した第1の実施形態と同様である。
【0033】
エンコーダ122は、具体的には例えばトレイ昇降モータ107の出力軸に固定され、外周部に多数のスリットを備えた円盤状のものである。エンコーダ122近傍のスタッカー本体150には、エンコーダ122の外周部を挟む状態で透過型の光学センサ(以下、「エンコーダセンサ」という)が固設されている。トレイ昇降モータ107と同時にエンコーダ122が回転することにより、トレイ昇降モータ107の回転量を上記エンコーダセンサで検出することができるが、以下説明の簡明化のため、上記エンコーダセンサでの検出を省略して「エンコーダ122からの出力信号」という。
【0034】
図4に示すように、本実施形態の制御装置200Aは、制御手段としてのCPU201A、図示しないI/OポートおよびROM、RAM、計時手段としての内部タイマ等を備え、信号バスによって接続されたマイクロコンピュータを具備している。
CPU201Aは、各種センサS3、S8から送られてくるオン/オフ信号、エンコーダ122からの出力信号に係るデータ信号等、画像形成装置1の上記図示しない制御部を介して上記図示しない操作部から送られてくる各種指令信号やデータ信号等に基づいて、後述するようにトレイ昇降モータ107の動作(起動・停止等)を制御する機能を有する。
【0035】
また、CPU201Aは、上昇状態判断手段としてのスタックトレイ上昇完了判断手段202Aと、下降状態判断手段としてのスタックトレイ下降完了判断手段203Aとの機能を備えている。ここで、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aは、トレイ昇降モータ107を作動させることによって、スタックトレイ102が上昇を開始してから紙面センサS3が用紙(シート)面位置を検知するまでの間、一定時間内にエンコーダ122からの出力信号に変化がないときには上昇異常と、エンコーダ122からの出力信号に変化があるときには上昇正常と判断した後、上昇異常の場合にはトレイ昇降モータ107をしてスタックトレイ102を下降させる機能を有する。
【0036】
スタックトレイ下降完了判断手段203Aは、トレイ昇降モータ107を作動させることによって、スタックトレイ102が下降を開始してから最下限センサS8が最下限位置を検知するまでの間、一定時間内にエンコーダ122からの出力信号に変化がないときには下降異常と、エンコーダ122からの出力信号に変化があるときには下降正常と判断する機能を有する。
CPU201Aは、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aにより上昇異常と判断された後のスタックトレイ102の下降時に、スタックトレイ下降完了判断手段203Aにより下降正常と判断されたときには過積載、下降異常と判断されたときには「故障」と判断する機能を有する。
【0037】
制御装置200Aの上記図示しないROMには、後述するフローチャートに示す動作を行うためのプログラムや各種関係データが予め記憶されている。上記図示しないRAMは、CPU201Aでの計算結果を一時記憶したり、各種センサS3、S8等、エンコーダ122からの出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。制御装置200Aの上記図示しない内部タイマは、エンコーダ122からの出力信号に変化に関しての一定時間を計時する計時手段として機能する。
【0038】
図5を参照して、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aおよびスタックトレイ下降完了判断手段203Aを備えたCPU201Aの指令制御の下に実行される本実施形態特有の動作を説明する。図5において、スタックトレイ102が上昇開始する(ステップS10)。スタックトレイ102が上昇開始してから紙面センサS3がONするまでの間、一定時間内に、エンコーダ122からの出力に変化がなかった場合、換言すればCPU201Aに入力されるエンコーダ122からのデータ信号に変化がなかった場合、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aは上昇異常(もしくは上昇失敗)と判断し、スタックトレイ102を最下限センサS8がONするまで下降させる(ステップS11〜ステップS13)。
【0039】
スタックトレイ102の下降開始後、最下限センサS8がONするまでの間、一定時間内に、エンコーダ122からの出力に変化がなかった場合、すなわち一定時間内にスタックトレイ102が最下限位置まで下降しなかった場合(ステップS14でノーの場合)、スタックトレイ下降完了判断手段203Aは下降異常(もしくは下降失敗)と判断する。そして、CPU201Aは、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aおよびスタックトレイ下降完了判断手段203Aの上記判断結果の組合せにより、「故障」と判断し、画像形成装置1の上記図示しない操作部の液晶表示部に「故障」であることの異常通知をして、ユーザに知らせる。その後、スタックトレイ102が停止する(ステップS14〜ステップS17)。
【0040】
一方、ステップS10でのスタックトレイ102の上昇開始後、ステップS11において、一定時間内に、エンコーダ122からの出力に変化があり、紙面センサS3がONした場合、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aは上昇正常(もしくは上昇成功)と判断し、ステップS17に進んでスタックトレイ102を停止する。
【0041】
また、ステップS13でのスタックトレイ102の下降開始後、一定時間内に、エンコーダ122からの出力に変化があり、最下限センサS8がONした場合(ステップS14でイエスの場合)、スタックトレイ下降完了判断手段203Aは下降正常(もしくは下降成功)と判断するので、CPU201Aは、スタックトレイ上昇完了判断手段202Aおよびスタックトレイ下降完了判断手段203Aの上記判断結果の組合せにより、「過積載(もしくは満杯)」と判断し、画像形成装置1の上記図示しない操作部の液晶表示部に「過積載」であることの異常通知をして、ユーザに知らせる。その後、スタックトレイ102が停止する(ステップS14、ステップS18、ステップS17)。
【0042】
本実施形態によれば、上述したとおり、排出された用紙がスタックトレイ102に過積載されている場合は、スタックトレイ102は上昇できないが下降でき、スタックトレイ102、エレベータ103およびトレイ昇降モータ107を含む上記トレイ昇降機構のうちの少なくとも一つが故障している場合は上昇も下降もできなくなるため、CPU201Aはスタックトレイ上昇完了判断手段202Aとスタックトレイ下降完了判断手段203Aとの上記判断結果の組合せにより、正常、過積載、故障が判別できるので、ユーザの利便性が向上するシート積載装置としてのスタッカー200および画像形成装置1を実現し提供することができる。
【0043】
図6および図7を参照して、第1の実施形態の変形例を説明する(請求項3、4)。図6は、第1の実施形態の変形例(以下、単に「変形例」ともいう)のスタッカー100Aの全体構成図、図7は、変形例の主な動作順序を示すフローチャートである。
図6および図7に示す変形例は、図1〜図3に示した第1の実施形態と比較して、スタッカー100に代えて、スタッカー100Aを用いる点、図2に示した第1の実施形態の制御装置200に対して、図7のフローチャートに係る動作を実行させる機能を付加した点が主に相違する。この相違点以外の変形例の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0044】
スタッカー100Aは、スタッカー100と比較して、図6に示すように、スタックトレイ102が下限位置近傍に下降したとき、スタックトレイ102およびエレベータ103は、スタックトレイ102を載置するエレベータ103の載置面103aより高い、スタックトレイ102を載せる台車面108aを備えた台車108上に載ることにより、載置面103aと台車面108aとの間に上下方向Zの隙間B(段差)が形成されるように構成されている点のみ相違する。
エレベータ103がBまで上昇(最下限センサS8がOFF)するまで、スタックトレイ102の荷重がエレベータ103には掛からないため、最下限センサS8がONの状態でスタックトレイ102(エレベータ103)が上昇しない場合は、過積載が原因であることはない。この場合、スタックトレイ102は故障しているため、直ちに異常・「故障」を画像形成装置1に通知する。
【0045】
変形例の制御構成は、図2に示した制御構成において、CPU201に下記する機能を付加したものである。すなわち、本変形例のCPU201は、図7に示す動作を実行すべく、スタックトレイ上昇完了判断手段202の判断によって、スタックトレイ102が上昇を開始してから一定時間内に、紙面センサS3がシート面位置を検知せず、かつ、最下限センサS8が下限位置を検知しているとき、スタックトレイ102の下降によって過積載か故障かの判断を行わずに、直ちに故障と判断する機能を有する。
【0046】
図7のフローチャートを参照して、本変形例特有の動作を説明する。図7のフローチャートは、ステップS20から始まる。スタックトレイ102の上昇開始時に時間カウントを開始し、一定時間経過しても紙面センサS3がONしない場合(ステップS21において、スタックトレイ上昇完了判断手段202によって上昇異常もしくは上昇失敗と判断されたイエスの場合)であって、かつ、最下限センサS8がONの場合(ステップS22においてイエスの場合)には、スタックトレイ102の下降によって過積載か故障かの判断を行わずに、直ちに、第1の実施形態で説明したと同様に画像形成装置(本変形例では図示せず)に異常・「故障」を通知して、ユーザに知らせる。その後、スタックトレイ102が停止する(ステップS24)。
【0047】
一方、ステップS22においてノーの場合、すなわち最下限センサS8がOFFの場合には、スタックトレイ102を最下限センサS8がONするまで下降させる(ステップS25)。スタックトレイ102の下降開始後、一定時間経過しても(一定時間内に)最下限センサS8がONしない場合、すなわち一定時間内にスタックトレイ102が最下限位置まで下降しなかった場合(ステップS26でノーの場合)、スタックトレイ下降完了判断手段203は下降異常(もしくは下降失敗)と判断する。そして、CPU201は、スタックトレイ上昇完了判断手段202およびスタックトレイ下降完了判断手段203の上記判断結果の組合せにより、「故障」と判断し、上記したと同様の画像形成装置(本変形例では図示せず)に「故障」であることの異常通知をして、ユーザに知らせる。その後、ステップS24に進んでスタックトレイ102が停止する。
【0048】
一方、ステップS21でのスタックトレイ102の上昇開始後、ステップS21において、紙面センサS3が一定時間内にONした場合、すなわちスタックトレイ上昇完了判断手段202が上昇正常(もしくは上昇成功)と判断した場合には、ステップS24に進んでスタックトレイ102を停止する。
【0049】
また、ステップS25において、スタックトレイ102の下降開始後、最下限センサS8が一定時間内にONした場合、すなわち一定時間内にスタックトレイ102が最下限位置まで下降した場合(ステップS26でノーの場合)、スタックトレイ下降完了判断手段203は下降正常(もしくは下降成功)と判断するので、CPU201は、スタックトレイ上昇完了判断手段202およびスタックトレイ下降完了判断手段203の上記判断結果の組合せにより、「過積載(もしくは満杯)」と判断し、上記したと同様の画像形成装置(本変形例では図示せず)に「過積載」であることの異常通知をして、ユーザに知らせる。その後、スタックトレイ102が停止する(ステップS26、ステップS28、ステップS24)。
【0050】
本変形例によれば、上述したとおり、スタックトレイ102が最下限位置で検知されている状態ではエレベータ103にスタックトレイ102の荷重が掛かっていないため、スタックトレイ上昇完了判断手段202だけで故障の判断ができ、過積載の判断は不要となる。
【0051】
上記変形例は、第2の実施形態に適用して、第1の実施形態の変形例と同様の効果を奏することも無論可能である。このとき、第2の実施形態の変形例の制御構成は、第1の実施形態の変形例で説明した「スタックトレイ上昇完了判断手段202の判断によって、スタックトレイ102が上昇を開始してから一定時間内に、紙面センサS3がシート面位置を検知せず、かつ、最下限センサS8が下限位置を検知しているときには」に代えて、「スタックトレイ上昇完了判断手段202Aの判断によって、スタックトレイ102が上昇を開始してから一定時間内にエンコーダ122からの出力に変化がなく、紙面センサS3がシート面位置を検知せず、かつ、最下限センサS8が下限位置を検知しているときには」と読み替えればよい。
【0052】
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術内容は、上述した実施形態や変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組合せて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および目的・用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明は、例えば、特開2000−177911号公報に記載されているシート積載装置にも適用できることは無論である。
【符号の説明】
【0053】
1 画像形成装置
50 画像形成装置の装置本体
100、100A スタッカー(シート積載装置)
102 スタックトレイ(積載手段)
103 エレベータ(載置手段)
103a 載置面
104 タイミングベルト(昇降手段)
105 タイミングプーリ(昇降手段)
ウォームギヤ (昇降手段)
107 トレイ昇降モータ(昇降手段の駆動手段・駆動源)
108 台車
108a 台車面
109 ギヤ列(昇降手段)
122 エンコーダ
150 スタッカー本体(シート積載装置の装置本体)
200、200A 制御装置
201、201A CPU(制御手段)
202、202A スタックトレイ上昇完了判断手段(上昇状態判断手段)
203、203A スタックトレイ下降完了判断手段(下降状態判断手段)
S1 入口センサ
S2 シフト排紙センサ(シート検知手段)
S3 紙面センサ(シート面検知手段)
S8 最下限センサ(下限検知手段)
P 用紙(シート状の記録媒体)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0054】
【特許文献1】特開2000−118859号公報
【特許文献2】特開2011−057313号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置より順次排出されるシートを積載し、上限位置と下限位置との間で昇降可能な積載手段と、前記画像形成装置より順次排出されるシートに対し指示された処理を自律的に行う制御手段とを有するシート積載装置において、
前記積載手段を載置する載置手段を備え、該載置手段を介して、前記積載手段を前記上限位置と前記下限位置との間に昇降する昇降手段と、
前記積載手段上に積載されたシートの最上のシート面位置を検知するシート面検知手段と、
前記積載手段の前記下限位置を検知する下限位置検知手段とを有し、
前記制御手段は、
前記昇降手段を作動させることによって、前記積載手段が上昇を開始してから一定時間内に、前記シート面検知手段が前記シート面位置を検知しなかったときには上昇異常と、前記シート面位置を検知したときには上昇正常と判断した後、前記上昇異常の場合には前記昇降手段をして前記積載手段を下降させる上昇状態判断手段と、
前記昇降手段を作動させることによって、前記積載手段が下降を開始してから一定時間内に、前記下限検知手段が前記下限位置を検知しなかったときには下降異常と、前記下限位置を検知したときには下降正常と判断する下降状態判断手段とを備え、
前記制御手段は、前記上昇状態判断手段により前記上昇異常と判断された後の前記積載手段の下降時に、前記下降状態判断手段により前記下降正常と判断されたときには過積載、前記下降異常と判断されたときには前記積載手段、前記載置手段および前記昇降手段のうちの少なくとも一つの故障と判断することを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
画像形成装置より順次排出されるシートを積載し、昇降可能な積載手段と、前記画像形成装置より順次排出されるシートに対し指示された処理を自律的に行う制御手段とを有するシート積載装置において、
前記積載手段を載置する載置手段を備え、該載置手段を介して、前記積載手段を前記上限位置と前記下限位置との間に昇降する昇降手段と、
前記積載手段上に積載されたシートの最上のシート面位置を検知するシート面検知手段と、
前記積載手段の前記下限位置を検知する下限位置検知手段とを有し、
前記昇降手段は、エンコーダを有し、
前記制御手段は、
前記昇降手段を作動させることによって、前記積載手段が上昇を開始してから前記シート面検知手段が前記シート面位置を検知するまでの間、一定時間内に前記エンコーダからの出力に変化がないときには上昇異常と、前記出力に変化があるときには上昇正常と判断した後、前記上昇異常の場合には前記昇降手段をして前記積載手段を下降させる上昇状態判断手段と、
前記昇降手段を作動させることによって、前記積載手段が下降を開始してから前記下限検知手段が前記下限位置を検知するまでの間、一定時間内に前記エンコーダからの出力に変化がないときには下降異常と、前記出力に変化があるときには下降正常と判断する下降状態判断手段とを備え、
前記制御手段は、前記上昇状態判断手段により前記上昇異常と判断された後の前記積載手段の下降時に、前記下降状態判断手段により前記下降正常と判断されたときには前記過積載、前記下降異常と判断されたときには前記積載手段、前記載置手段および前記昇降手段のうちの少なくとも一つの故障と判断することを特徴とするシート積載装置。
【請求項3】
前記積載手段が前記下限位置近傍に下降したとき、前記積載手段および前記載置手段は、前記積載手段を載置する前記載置手段の載置面より高い、前記積載手段を載せる台車面を備えた台車上に載ることにより、前記載置面と前記台車面との間に上下方向の隙間が形成されるように構成されており、
前記制御手段は、前記上昇状態判断手段によって、前記積載手段が上昇を開始してから一定時間内に、前記シート面検知手段が前記シート面位置を検知せず、かつ、前記下限検知手段が前記下限位置を検知しているときには、または前記積載手段が上昇を開始してから前記一定時間内に前記エンコーダからの出力に変化がなく、前記シート面検知手段が前記シート面位置を検知せず、かつ、前記下限検知手段が前記下限位置を検知しているときには、前記積載手段の下降によって前記過積載か前記故障かの判断を行わずに、直ちに前記故障と判断することを特徴とする請求項1または2記載のシート積載装置。
【請求項4】
シートに画像形成を行う画像形成手段を備えた画像形成装置において、
請求項1ないし3の何れか一つに記載のシート積載装置が、前記画像形成装置に装着されることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−91556(P2013−91556A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235243(P2011−235243)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】