説明

シールドマシン

【課題】 多数のジャッキを要しないシールドマシンを提供する。
【解決手段】 シールドマシン200は、カッターヘッド1、カッターヘッド駆動機構2、筒状のシールド10D、周回推進体20C、及び推進体駆動機構30を備えている。周回推進体20Cは、トンネルの壁面に敷設された六角形のセグメント5Cの前方端面上を周方向に滑動するように回転することにより、掘削方向前方Fへの推進力を生成する。推進体駆動機構30は、周回推進体20を回転駆動する。新たなセグメント5Cを設置し得る空隙が、周回推進体20Cと既に設置されたセグメント5Cとの間に存在するので、コレクタ50は新たなセグメント5Cをつかみ取り、空隙に配置する。その間、周回推進体20Cは停止する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド工法によるトンネルの形成に用いるシールドマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法とは、トンネルの先端にシールドと呼ばれる茶筒の様な鋼鉄製の外筒を設けて、崩壊しようとする土を押さえつつ掘削を行い、内部でゼグメントと呼ばれるブロックをリング状に組み立てていく工法として知られている(非特許文献1)。シールドを有して、当該工法に用いられる機械がシールドマシンである。
【0003】
従来のシールドマシンの代表的なものとして、例えば非特許文献2に開示される技術が知られている。このシールドマシンは、トンネルの壁面に敷設されたセグメントの掘削方向前方端面を、多数のシールドジャッキにより押圧し、その反作用により掘削方向前方への推進力を生成するように構成されている。そして、シールドの掘削方向前端部に設けられたカッターヘッドに推進力が伝えられ、推進力を得た当該カッターヘッドを回転させることにより、前方の地山を掘削する(非特許文献2の図−1.1.1)。また、掘削方向を調整するためには、シールドを前後に分割し、多数の中折れジャッキを用いて、それらの間の相対的な傾斜角を調整する機構が採用される(非特許文献2の図−1.2.5)。このように、代表的な従来のシールドマシンでは、多数のジャッキをシールド内に設置することが必要とされていた。
【0004】
一方、特許文献1には、セグメントをらせん状に組み立ててゆく技術が開示されている。この技術は、らせん状に組み立てられたセグメントの最先端部に、扇状のカッターを配置し、当該カッターをセグメントに沿ってらせん状に回転させることにより、地山の掘削を進めるものとなっている。それにより、この従来技術は、シールドジャッキを要することなく、掘削を進めることが可能となっている。しかしこの従来技術では、カッターは、セグメントの掘削方向軸を含む面を掘削面とするものであり、そもそも前方へ向かう推進力を要しないものである。さらにこの従来技術によるシールドマシンは、掘削の方向を転換することは想定されていない。
【0005】
以上のように、掘削方向前面の地山を掘削する代表的なタイプのシールドマシンでは、前方へ向かう推進力を得るために多数のシールドジャッキを必要とするという問題点があった。さらに、非特許文献2が開示するように、掘削方向の転換を可能とするシールドマシンでは、多数の中折れジャッキを必要とする、という問題点があった。このため、シールドマシンの構造が複雑となり、前後の全長も大きいものとならざるを得ないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−0059796号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】鹿島建設株式会社のウェブサイト「テクノ・ライブラリ(2002年)」(http://www.kajima.co.jp/news/digest/apr_2002/techno/index-j.htm)
【非特許文献2】シールド工法技術協会「泥土加圧シールド工法技術資料」(平成19年6月発行第11版:http://www.shield-method.gr.jp/gijyutsu/dk.pdfにより入手可能)図−1.1.1「泥土加圧シールド工法原理図」、図−1.2.5「玉石・巨礫用外周支持タイプシールド」参照
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、多数のジャッキを要しないシールドマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、地山を掘削してトンネルを形成するとともに、セグメントを、その掘削方向前方端面が周方向に沿って掘削方向へ傾斜する傾斜面を有するように、前記トンネルの壁面に敷設するシールドマシンである。そして、当該シールドマシンは、筒状のシールドと、周回推進体と、推進体駆動機構と、カッターヘッドと、カッターヘッド駆動機構と、を備えている。周回推進体は、前記シールド内に設置され、前記トンネルの壁面に敷設された前記セグメントの前記前方端面上を周方向に滑動するように周回することにより、掘削方向前方への推進力を生成するものである。推進体駆動機構は、前記シールド内に設置され、前記周回推進体を周回駆動するものである。カッターヘッドは、前記シールドの掘削方向前端部に設けられ、前方の地山を掘削するものである。そして、カッターヘッド駆動機構は、前記シールド内に設置され、前記前面の地山を掘削するように前記カッターヘッドを駆動するものである。
【0010】
この構成によれば、推進体駆動機構により周回駆動されることにより、周回推進体が、トンネルの壁面に敷設されたセグメントの前方端面上を周方向に滑動する。セグメントの前方端面が傾斜面を有するために、周回推進体は、セグメントからの反作用により掘削方向前方へ向かう推進力を得る。この推進力は、推進体駆動機構あるいはシールドに伝えられ、さらにシールドあるいはカッターヘッド駆動機構を通じて、シールドの掘削方向前端部に設けられたカッターヘッドに伝えられる。カッターヘッドは、それにより推進力を得て、さらにカッターヘッド駆動機構により駆動されることにより、掘削方向前方の地山の掘削を進めることができる。推進力を得るのに周回推進体が用いられるので、従来の技術に必要とされた多数の推進ジャッキを要しない。なお本発明において、セグメントの前方端面が傾斜面を有する、とは、必ずしもセグメントの前方端面の全てが傾斜面をなすことを要するものではない。また、「トンネル」とは、道路、鉄道用のみを指すのではなく、下水用、配管用、ケーブル配設用を含み、さらに縦坑をも含むものであり、地山を掘削して形成される孔を広く意味する。
【0011】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るシールドマシンであって、前記周回推進体は、前記推進体駆動機構により周回駆動される環状体と、当該環状体の掘削方向後端面に設けられ前記セグメントの前記前方端面上を転動する転動体とを有するものである。
【0012】
この構成によれば、周回推進体が環状体の掘削方向後端面に、セグメントの前方端面上を転動する転動体を有するので、環状体を周回駆動することにより、セグメントの前方端面上に転動体を転動させることが可能となる。それにより、周回推進体とセグメントとの間の摩擦を減じることができ、その結果、推進体駆動機構から周回推進体に付与される周回駆動力が、効率よく推進力に変換される。環状体の内側には空間が確保されるので、他の機材、例えばエレクタ、泥土搬出用スクリューコンベヤーなどを、シールド内に設置することが容易となる。
【0013】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係るシールドマシンであって、前記周回推進体は、前記環状体の内壁面に形成された内歯歯車をさらに有している。また、前記推進体駆動機構は、前記内歯歯車に噛み合う駆動歯車を有しており、当該駆動歯車を介して前記周回推進体を周回駆動するものである。
【0014】
この構成によれば、周回推進体の環状体の内壁面に形成された内歯歯車と、推進体駆動機構が有する駆動歯車とが噛み合っており、それにより駆動歯車を介して周回駆動力が推進体駆動機構から周回推進体に付与される。すなわち、簡素な構造により周回推進体を周回駆動することが可能となる。
【0015】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1ないし第3のいずれかの態様に係るシールドマシンであって、前記周回推進体は、環状に連結された一連の連結片を有し、当該一連の連結片の各々は、隣り合う連結片と、前記掘削方向に沿った軸の周りに相対的に回動可能に連結されており、前記推進体駆動機構は、前記周回推進体を所定の軌道に沿うように案内するガイドを有するものである。
【0016】
この構成によれば、環状に連結された一連の連結片の各々が、隣り合う連結片と掘削方向に沿った軸の周りに相対的に回動可能で、かつ所定の軌道に沿うように案内されるので、周回推進体が周回する軌道の形状が円形に限定されない。したがって断面が円形のシールドマシンである円形マシンだけでなく、矩形マシン、2連マシン、3連マシンなどにも、周回推進体を適用することが可能となる。また円形マシンに適用した場合においても、岩盤圧等によるシールドの変形に対して、周回推進体が容易に追随することができる。
【0017】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1ないし第4のいずれかの態様に係るシールドマシンであって、前記筒状のシールドは、互いに分割されたシールド頭部とシールド胴部とを有している。また、前記カッターヘッドは、前記シールド頭部に設けられており、前記周回推進体と前記推進体駆動機構とは、前記シールド胴部内に設けられている。さらに前記シールドマシンは、前記シールド頭部と前記シールド胴部との傾斜角を調整する傾斜角調整機構をさらに備えるものである。
【0018】
この構成によれば、シールドが、カッターヘッドが設けられるシールド頭部と、周回推進体が設けられるシールド胴部とを有しており、それらは互いに分割されており、それらの間の傾斜角が傾斜角調整機構によって調整されるので、掘削の方向を変えることができる。それにより、直進するトンネルだけでなく、進路が湾曲するトンネルも容易に形成することが可能となる。また、周回推進体を周回駆動する推進体駆動機構が、周回推進体と同じくシールド胴部内に設けられるので、推進体駆動機構による周回推進体の周回駆動が容易であり、推進体駆動機構を簡素な構造とすることができる。
【0019】
本発明のうち第6の態様に係るものは、第5の態様に係るシールドマシンであって、前記シールド頭部と前記シールド胴部とを相対的に傾斜可能に連結する連結機構を、さらに備えている。そして、前記傾斜角調整機構は、前方筒状体と、後方筒状体と、前方筒状体駆動機構と、後方筒状体駆動機構と、を有している。前方筒状体及び後方筒状体は、筒状体を斜めに輪切りにしてなる一方と他方とに対応し、輪切りにされた面で互いに当接し合うものである。前方筒状体駆動機構は、前記シールド頭部内に設置され、前記前方筒状体を回転駆動するものである。後方筒状体駆動機構は、前記シールド胴部内に設置され、前記後方筒状体を回転駆動するものである。
【0020】
この構成によれば、前方筒状体と後方筒状体とは、前方筒状体駆動機構と後方筒状体駆動機構とによってそれぞれ回転駆動されるので、これらの駆動機構によりそれぞれの中心軸の周りの回転位置を変えることができる。前方筒状体と後方筒状体とは、筒状体を斜めに輪切りにしてなる一方と他方とに対応し、輪切りにされた面で互いに当接し合うので、互いの相対的な回転位置を変えることにより、それぞれの中心軸の相対的な方向を変えることができる。前方筒状体と後方筒状体とを回転駆動する前方筒状体駆動機構と後方筒状体駆動機構とは、相対的に傾斜可能に連結されたシールド頭部とシールド胴部とにそれぞれ設置されているので、前方筒状体と後方筒状体との間の中心軸の相対的な方向が変わることにより、シールド頭部とシールド胴部との間の中心軸の相対的な方向が変わることとなる。すなわち、前方筒状体と後方筒状体とを回転駆動することにより、従来技術が必要とした傾斜角調整用の多数のジャッキを用いることなく、シールド頭部とシールド胴部との間の傾斜角を調整することが可能となる。前方筒状体と後方筒状体とは、それぞれ筒状であるため、それらの内側には空間が確保される。このため他の機材、例えば泥土搬出用スクリューコンベヤーなどを、シールド内に設置することが容易となる。
【0021】
本発明のうち第7の態様に係るものは、地山を掘削してトンネルを形成するとともに、前記トンネルの壁面にセグメントを敷設するシールドマシンであって、筒状のシールドと、推進力生成機構と、カッターヘッドと、カッターヘッド駆動機構と、を備えている。推進力生成機構は、前記シールド内に設置され、前記トンネルの壁面に敷設された前記セグメントの掘削方向前方端面を押圧し、その反作用により掘削方向前方への推進力を生成するものである。カッターヘッドは、前記シールドの掘削方向前端部に設けられ、前面の地山を掘削するものである。カッターヘッド駆動機構は、前記シールド内に設置され、前記前面の地山を掘削するように前記カッターヘッドを駆動するものである。また、前記筒状のシールドは、互いに分割されたシールド頭部とシールド胴部とを有している。そして、前記カッターヘッドは、前記シールド頭部に設けられており、前記推進力生成機構は、前記シールド胴部に設けられている。さらに前記シールドマシンは、連結機構と、傾斜角調整機構と、を備えている。連結機構は、前記シールド頭部と前記シールド胴部とを相対的に傾斜可能に連結するものである。傾斜角調整機構は、前記シールド頭部と前記シールド胴部との傾斜角を調整するものである。そして前記傾斜角調整機構は、前方筒状体と、後方筒状体と、前方筒状体駆動機構と、後方筒状体駆動機構と、を有している。前方筒状体及び後方筒状体は、筒状体を斜めに輪切りにして分けられた形状をなし、輪切りにされた面で互いに当接し合うものである。前方筒状体駆動機構は、前記シールド頭部内に設置され、前記前方筒状体を回転駆動するものである。そして、後方筒状体駆動機構は、前記シールド胴部内に設置され、前記後方筒状体を回転駆動するものである。
【0022】
この構成によれば、推進力生成機構が、トンネルの壁面に敷設されたセグメントからの反作用により掘削方向前方への推進力を生成する。推進力生成機構は、例えば、従来技術に用いられる推進ジャッキであってもよく、本願発明に係る周回推進体を用いたものであっても良い。この推進力は、シールドを通じてシールドの掘削方向前端部に設けられたカッターヘッドに伝えられる。カッターヘッドは、それにより推進力を得て、さらにカッターヘッド駆動機構により駆動されることにより、掘削方向前方の地山の掘削を進めることができる。さらに、前方筒状体と後方筒状体とは、前方筒状体駆動機構と後方筒状体駆動機構とによってそれぞれ回転駆動されるので、これらの駆動機構によりそれぞれの中心軸の周りの回転位置を変えることができる。前方筒状体と後方筒状体とは、筒状体を斜めに輪切りにしてなる一方と他方とに対応し、輪切りにされた面で互いに当接し合うので、互いの相対的な回転位置を変えることにより、それぞれの中心軸の相対的な方向を変えることができる。前方筒状体と後方筒状体とを回転駆動する前方筒状体駆動機構と後方筒状体駆動機構とは、相対的に傾斜可能に連結されたシールド頭部とシールド胴部とにそれぞれ設置されているので、前方筒状体と後方筒状体との間の中心軸の相対的な方向が変わることにより、シールド頭部とシールド胴部との間の中心軸の相対的な方向が変わることとなる。すなわち、前方筒状体と後方筒状体とをそれぞれ回転駆動することにより、従来技術が必要とした傾斜角調整用の多数のジャッキを用いることなく、シールド頭部とシールド胴部との間の傾斜角を調整することが可能となる。前方筒状体と後方筒状体とは、それぞれ筒状であるため、それらの内側には空間が確保される。このため他の機材、例えば泥土搬出用スクリューコンベヤーなどを、シールド内に設置することが容易となる。
【0023】
本発明のうち第8の態様に係るものは、第6又は第7の態様に係るシールドマシンであって、前記連結機構は、環状の連結部材と、第1の支持部材と、第2の支持部材と、を有している。環状の連結部材は、前記前方筒状体及び前記後方筒状体の周囲に配置されている。第1の支持部材は、前記連結部材の一対の対角位置に回動自在に前記シールド頭部を支持するものである。第2の支持部材は、前記連結部材の他の一対の対角位置に回動自在に前記シールド胴部を支持するものである。
【0024】
この構成によれば、連結機構が環状の連結部材を有する自在継手を成している。シールド頭部とシールド胴部とが、自在継手で連結されるので、360°の全方位にわたって、それらを相対的に傾斜させることが可能となる。それにより、進行方向が左右に湾曲したり、上下に湾曲したり、斜めに湾曲したトンネルを容易に形成することが可能となる。さらに自在継手は、環状の連結部材を介してシールド頭部とシールド胴部とを連結しており、当該連結部材は、前方筒状体及び後方筒状体の周囲に配置されている。このため、前方筒状体と後方筒状体がそれらの内側に空間を確保するのを妨げないように、自在継手が構成される。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、従来の技術で必要とされた多数のジャッキを要しないので、簡素な構造を有するシールドマシンが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1によるシールドマシンの構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のシールドマシンに用いられる周回推進体の外観斜視図である。
【図3】図1のシールドマシンに用いられる周回推進体の背面図である。
【図4】図1のシールドマシンに用いられる周回推進体の別の例を示す斜視図である。
【図5】図4の周回推進体の使用例を示す説明図である。
【図6】図1のシールドマシンに用いられる周回推進体のさらに別の例を示す斜視図である。
【図7】図6の周回推進体の使用例を示す説明図である。
【図8】図6の周回推進体の別の使用例を示す説明図である。
【図9】図1のシールドマシンに用いられる周回推進体のさらに別の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態2によるシールドマシンの構成を示す縦断面図である。
【図11】図10のシールドマシンに用いられる連結機構の構造を示す斜視図である。
【図12】図10のシールドマシンに用いられる筒状摺動体の構成を示す斜視図である。
【図13】図12の筒状摺動体の動作を示す上面図である。
【図14】周回推進体のさらに別の例を示す斜視図であり、(a)は全体斜視図であり、(b)は1つの連結片の斜視図である。
【図15】周回推進体のさらに別の例を示す斜視図である。
【図16】周回推進体のさらに別の例を示す斜視図である。
【図17】図14〜図16の周回推進体を用いたシールドマシンの一例を示す概略断面図である。
【図18】図14〜図16の周回推進体を用いたシールドマシンの別の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるシールドマシンの構成を示す縦断面図である。このシールドマシン100は、地山を掘削してトンネルを形成するとともに、セグメント5をトンネルの壁面にらせん状に敷設するものである。そのためにシールドマシン100は、主要な構成要素として、カッターヘッド1、カッターヘッド駆動機構2、筒状のシールド10、周回推進体20、推進体駆動機構30、傾斜角調整機構40、及びエレクタ50を備えている。
【0028】
カッターヘッド1は、トンネルの掘削方向前方Fの地山を掘削するものであり、シールド10の掘削方向前端部に設けられ、シールド10内に設けられたカッターヘッド駆動機構2によって回転駆動される。シールド10は、前方に位置するシールド頭部11と、後方に位置するシールド胴部12とに分割されている。図1の例では、カッターヘッド駆動機構2はシールド頭部11に取り付けられており、カッターヘッド1は、直接にはカッターヘッド駆動機構2に支持されることにより、シールド頭部11に設けられている。
【0029】
周回推進体20は、シールド胴部12内に設けられ、トンネルの壁面にらせん状に敷設されたセグメント5の掘削方向前方Fの端面上を、周方向に滑動するように周回することにより、掘削方向前方Fへの推進力を生成するものである。推進体駆動機構30は、周回推進体20を周回駆動するものであり、シールド胴部12に取り付けられている。図1の例では、周回推進体20は全体が剛体として形成されているため、推進体駆動機構30による周回駆動は、より具体的には回転駆動に該当する。また図1の例では周回推進体20は、直接には推進体駆動機構30に支持されることにより、シールド胴部12内に設けられている。
【0030】
周回推進体20は、環状体21と、この環状体21の内壁面に形成された内歯歯車22とを有している。一方、推進体駆動機構30は、環状のフレーム31と、動力部32と、駆動歯車33とを有している。環状のフレーム31は、シールド胴部12の内壁に取り付けられ、周回推進体20の環状体21を回転可能に支持するものである。動力部32はフレーム31に取り付けられ、周回推進体20を回転駆動する動力を発生するものであり、例えば電気モータあるいは油圧アクチュエータである。駆動歯車33は、動力部32の駆動軸に取り付けられ、かつ周回推進体20の内歯歯車22に噛み合っており、それにより動力部32の回転力を周回推進体20に伝える。
【0031】
傾斜角調整機構40は、シールド頭部11とシールド胴部12との傾斜角を調整するものであり、シールド頭部11とシールド胴部12とのつなぎ目部分に設けられている。図1の例では、傾斜角調整機構40はいわゆる「中折れジャッキ」に該当するもので、油圧ジャッキとして構成されており、そのシリンダ部がシールド胴部12に取り付けられ、ピストンに連結するアーム部がカッターヘッド駆動機構2を通じてシールド頭部11に接続されている。
【0032】
エレクタ50は、自動でトンネルの壁面にセグメント5を敷設するものである。このエレクタ50は、シールド胴部12内に設けられた環状軌道51と、この環状軌道51上を自在に周回し、セグメントを掴んだり、移送したりするアーム付きロボット52とを有している。図示を略するが、シールドマシン100には、カッターヘッド駆動機構2、推進体駆動機構30、傾斜角調整機構40、及びエレクタ50を制御する制御装置がさらに設けられている。制御装置は、例えばプログラムに従って動作するコンピュータを含むものである。また図示を略するが、シールドマシン100には、カッターヘッド1が掘削することにより生成する掘削土から泥土を形成する作泥機構や、当該泥土を掘削方向後方Rへ搬出するスクリューコンベアなどを、適宜設置することができる。周回推進体20及び推進体駆動機構30は、概略環状に形成され、その内側には広い空間が確保されるので、エレクタ50やスクリューコンベヤーなどを、シールド10の内部に設置することが容易である。
【0033】
図2は、周回推進体20の外観斜視図である。周回推進体20の環状体21の掘削方向後方Rの端面は、らせん状に形成されている。このらせん状の後方端面に沿って、セグメント5(図1)がらせん状に配置されることとなる。環状体21の後端面は、中心角360°の全円周にわたって単一のらせん面をなしている。一回転に伴うらせん面のピッチPを、セグメント5の掘削方向幅W(図1)に一致させることにより、周回推進体20が1回転する毎に、1層のセグメント5を1周にわたってらせん状に敷設することができる。また、ピッチPをセグメント5の掘削方向幅Wの例えば2倍に設定することも可能であり、この場合には、周回推進体20が1回転する毎に、2層のセグメント5を1周にわたってらせん状に敷設することができる。
【0034】
環状体21のらせん状の後方端面には、周方向に沿ってローラ23の列が配置されている。これらのローラ23は、周回推進体20が回転するときに、らせん状に配置されたセグメント5の前方端面上を転動する。それにより、周回推進体20とセグメント5との間の摩擦を減じることができる。したがって、推進体駆動機構30から周回推進体20に付与される回転駆動力が、推進力に効率よく変換される。
【0035】
図3は、周回推進体20の背面図である。図3は、内歯歯車22と駆動歯車33の位置関係を明瞭に示している。すなわち、周回推進体20の本体部である環状体21の内周に沿って内歯歯車22が形成されている。そしてこの内歯歯車22に噛み合うように、推進体駆動機構30の動力部32(図1)の駆動軸に設けられた駆動歯車33が配置されている。特に、駆動歯車33及びこれを駆動する動力部32は、シールド10の天井部に設けられている。このことも、エレクタ50やスクリューコンベヤーなどの機材を、シールド10の内部に設置することを容易なものにしている。また、シールド10内に立ち入る作業者の安全上も好ましいものとなっている。
【0036】
図1に戻って、シールドマシン100は以上のように構成されるので、以下のように動作する。推進体駆動機構30により回転駆動されることにより、周回推進体20が、トンネルの壁面にらせん状に敷設されたセグメント5の前方端面上を周方向に滑動する。セグメント5の前方端面がらせん面を形成するので、周回推進体20は、セグメント5からの反作用により掘削方向前方Fへ向かう推進力を得る。この推進力は、周回推進体20を支持する推進体駆動機構30に伝えられ、さらにシールド胴部12、傾斜角調整機構40、及びカッターヘッド駆動機構2を通じて、カッターヘッド1に伝えられる。カッターヘッド1は掘削方向前方Fへ向かう推進力を得るとともに、さらにカッターヘッド駆動機構2により回転駆動されることにより、掘削方向前方Fの地山の掘削を進めることができる。推進力を得るのに周回推進体20が用いられるので、従来の技術に必要とされた多数の推進ジャッキを要しない。
【0037】
最終のセグメント5がコレクタ50によりトンネル内壁に設置された後、周回推進体20の回転がセグメント5の周に沿った長さ(周長)Lを超えると、新たなセグメント5を設置し得る空隙が、周回推進体20の環状体21と、既に設置されたセグメント5との間に生まれる。このとき、コレクタ50は新たなセグメント5をつかみ取り、空隙に配置する。その間、周回推進体20は停止する必要がない。すなわち、シールドマシン100は、カッターヘッド1への推進力の付与を休止することなく、前方の地山の掘削を連続的に進めつつ、セグメント5をトンネル内壁に敷設することが可能である。すなわちシールドマシン100は、高い作業効率を実現する。
【0038】
なお、周回推進体20の環状体21の後端面のらせん面のピッチPが、セグメント5の掘削方向幅Wに一致する場合には、周回推進体20の回転に伴って形成される空隙に、セグメント5が1層ずつ敷設される。これに対して、ピッチPがセグメント5の掘削方向幅Wの例えば2倍に設定される場合には、周回推進体20の回転に伴って形成される空隙に、セグメント5が2層ずつ敷設される。
【0039】
また、シールド10が、カッターヘッド1が設けられるシールド頭部11と、周回推進体20が設けられるシールド胴部12とに分割されており、これらの間の傾斜角が傾斜角調整機構40によって調整されるので、掘削の方向を変えることができる。このため、直進するトンネルだけでなく、カーブを有するトンネルも容易に形成することができる。また、周回推進体20を回転駆動する推進体駆動機構30が、周回推進体20と同じくシールド胴部12内に設けられるので、互いに噛み合う駆動歯車33と内歯歯車22という簡素な伝達構造を通じて、周回推進体20を推進体駆動機構30により回転駆動することができる。
【0040】
図4は、シールドマシン100に用いられる周回推進体の別の例を示す斜視図である。図1及び図2に示した周回推進体20では、中心角360°の全円周にわたって単一のらせん面が、環状体21の後端面に形成されていた。これに対して、図4に例示する周回推進体20Aの環状体21Aの後端面には、全円周を4分割してなる中心角90°の円弧毎に単一のらせん面が形成されており、らせん面は中心角90°毎に掘削方向への凹凸を反復している。このように形成された周回推進体20Aを用いることにより、図5に例示するように、周回推進体20Aが一回転する毎に、4層から成るらせん状の帯A1〜A4に沿って、セグメント5を配置することができる。周回推進体20Aが、セグメント5の周長L(図1)に相当する円弧長だけ回転する毎に、周方向に沿った4箇所に、新たなセグメント5を配設し得る空隙が生まれる。したがって、周回推進体20Aが、セグメント5の周長Lに相当する円弧長だけ回転する毎に、4箇所に新たなセグメント5を敷設することができる。
【0041】
なお、図5の例は、中心角90°毎のらせん面のピッチP(図4)が、セグメント5の掘削方向の幅Wに一致する場合である。これに対して、当該ピッチPが幅Wの例えば2倍に設定される場合には、らせん状の帯A1〜A4の各々、例えば帯A1の中に、2層のセグメント5が敷設されることとなる。
【0042】
図6は、シールドマシン100に用いられる周回推進体のさらに別の例を示す斜視図である。この周回推進体20Bは、既に述べた周回推進体20、20Aとは異なり、環状体21Bの後端面にらせん面が形成されておらず、この後端面から掘削方向後方Rに相当な高さに突起したローラ23Bの列を有している。ローラ23Bの列は、周方向に沿って配置されており、周回推進体20Bの回転に伴い、らせん状に配置されたセグメント5の前方端面上を転動する。
【0043】
この周回推進体20Bは、ローラ23Bが等間隔に6本配置されているため、図4の周回推進体20Aについて、全円周を6分割してなる中心角60°の円弧毎に単一のらせん面を形成するように変形したものと同様に、使用することが可能である。すなわち、図5の例を拡張したらせん状の帯A1〜A6に沿って、セグメント5を配置することが可能となる。また図6の周回推進体20Bにおいて、4本に代えて6本のローラ23Bが等間隔に配置されておれば、図4の周回推進体20Aと同様に使用することが可能となる。
【0044】
図7は、図6の周回推進体20Bを用いたシールドマシン100によって、セグメントを敷設する別の例を示す説明図である。図7の例では、六角形のセグメント5Bが敷設される。セグメント5Bは、掘削方向前方Fの端面が周方向に沿って掘削方向へ傾斜する傾斜面を有している。周回推進体20Bの環状体21Bの回転に伴い、ローラ23Bがこの傾斜面上を転動する。その結果、周回推進体20Bは、セグメント5Bからの反作用により掘削方向前方Fへ向かう推進力を得る。ローラ23Bが、セグメント5Bの前方端面のうちの非傾斜面に達すると、隣り合うローラ23Bの間に、新たなセグメント5B(図7に二点鎖線で表現)を配置する空隙が生まれる。それゆえ、ローラ23Bが非傾斜面にある期間中に、新たなセグメント5Bがコレクタ50により敷設される。その後、ローラ23Bが、新たに敷設されたセグメント5Bの前方端面のうちの傾斜面を転動することにより、周回推進体20Bは再び推進力を得る。このようにして、周回推進体20Bを用いたシールドマシン100は、前方地山の掘削とセグメント5Bの敷設とを進めることができる。
【0045】
なお、六角形状のセグメント5Bは、らせん状に敷設されるもの、と見ることも可能である。この見方によれば、ローラ23Bは、らせん状に敷設されるセグメント5Bの前方端面上を転動する(図7にローラ23Bの軌跡を矢印で示している)。このように、セグメントが「らせん状に敷設される」場合であっても、セグメントの形状によっては、周回推進体20Bの回転に伴って絶えず掘削方向前方Fに向かうように推進力が得られることを必ずしも要しない。推進力に休止期間があってもよく、或いはさらに、周回推進体20Bが掘削方向後方Rに後退する期間があってもよい。全体として、周回推進体20Bが掘削方向前方Fに前進するものであればよい。
【0046】
図8は、周回推進体20Bを用いたシールドマシン100によって、セグメントを敷設するさらに別の例を示す説明図である。図7の例では、隣り合うローラ23Bの間におおよそ1枚の六角形のセグメント5Bが配設されたが、図8の例では、おおよそ2枚の六角形のセグメント5Cが敷設される。すなわち隣り合うローラ23Bの間隔は、図7のセグメント5Bの周方向の配設ピッチに一致するのに対し、図8のセグメント5Cの配設ピッチの2倍に一致している。図8の例では、ローラ23Bがセグメント5Cの前方端面のうちの傾斜面上を転動している間にも、新たなセグメント5Cを敷設することができる。このため、作業能率が向上する。
【0047】
ローラ23Bがセグメント5Cの前方端面のうちの傾斜面上にある間に、新たなセグメント5Cを敷設することが可能であるために、セグメント5Cの前方端面に非傾斜面がなくとも、セグメント5Cを敷設することが可能となる。すなわち、六角形状のセグメント5Cに代えて、菱形のセグメントを敷設することも可能となる。それにより、推進力の休止期間を無くして、絶えず掘削を進めつつ、セグメントを敷設することが可能となる。すなわち、作業能率がさらに向上する。なお、当該菱形のセグメント、或いは図8に示す六角形状のセグメント5Cについても、らせん状に敷設されるもの、と見ることが可能である。
【0048】
図6に例示した周回推進体20Bでは、環状体21Bの後端面から棒状に突起した軸受けがローラ23Bを支持していた。これに対して、図9に例示する周回推進体20Cのように、環状体21Cの後端面から三角形状に突起した軸受けが、ローラ23Cを支持するものであっても良い。周回推進体20Cは、軸受けがより頑強な構造となっており、耐久性に優れるという利点がある。
【0049】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2によるシールドマシンの構成を示す縦断面図である。このシールドマシン200は、主として、シールド10Dが分割されて成るシールド頭部11Dとシールド胴部12Dとの相対的な傾斜角を調整する機構において、実施の形態1によるシールドマシン100(図1)とは異なっている。さらに、周回推進体20に代えて、図9に例示した周回推進体20Cが用いられている。より詳細には、シールドマシン200は、主要な構成要素として、シールドマシン100と同様に、カッターヘッド1、カッターヘッド駆動機構2、筒状のシールド10D、周回推進体20C、推進体駆動機構30、及びエレクタ50を備えている。シールドマシン200はさらに、主要な構成要素として、シールドマシン100の傾斜角調整機構40に代えて、別の傾斜角調整機構としての筒状摺動体80、前方筒状体駆動機構60、及び後方筒状体駆動機構70を備えるとともに、連結機構90を備えている。図示を略するが、シールドマシン200には、カッターヘッド駆動機構2、推進体駆動機構30、傾斜角調整機構40、エレクタ50、前方筒状体駆動機構60、及び後方筒状体駆動機構70を制御する制御装置がさらに設けられている。
【0050】
図11は、連結機構90の構造を示す斜視図である。連結機構90は、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとを連結するものであり、より特定的には、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとが全方位にわたって相対的に傾斜可能に連結する自在継手として構成されている。すなわち連結機構90は、環状の連結部材91、第1支持部材92、及び第2支持部材93を有している。環状の連結部材91は、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとのつなぎ目付近に配置され、かつこれらのシールド頭部11D及び胴部12Dの内側にあって、筒状摺動体80(図10)に干渉しないようにその周囲に配置される。環状の連結部材91の一対の対角位置に、第1の支持部材92が設けられ、別の一対の対角位置に、第2の支持部材93が設けられている。図11の例では、第1の支持部材92が設けられる一対の対角位置を結ぶ軸線と、第2の支持部材93が設けられる一対の対角位置を結ぶ軸線とは、互いに直交している。第1の支持部材92は、シールド頭部11Dを回動自在に支持するものであり、図11の例ではピンとして構成されている。第2の支持部材93は、シールド胴部12Dを回動自在に支持するものであり、図11の例では第1の支持部材92と同様にピンとして構成されている。シールド胴部12Dには、自身と第1支持部材92との干渉を回避するために、切り欠き94が形成されている。
【0051】
図12は、筒状摺動体80の構成を示す斜視図である。筒状摺動体80は、前方筒状体81と後方筒状体82とを有している。これらの前方筒状体81と後方筒状体82とは、一つの筒状体を斜めに輪切りにしてなる一方と他方とに対応しており、輪切りにされた面で互いに当接し合っている。互いに当接し合う面とは反対側に位置する端部付近の内周面には、前方筒状体81については内歯歯車83が形成されており、後方筒状体82については内歯歯車84が形成されている。内歯歯車83は、前方筒状体81を回転駆動する動力を受けるための歯車であり、内歯歯車84は、後方筒状体82を回転駆動する動力を受けるための歯車である。
【0052】
図12は、前方筒状体81と後方筒状体82とが、単一の筒状体からあたかも斜めに輪切りにすることにより形成されたままで、回転位置を変えない状態を表している。便宜上、この回転位置を基準として、前方筒状体81の回転角θ1及び後方筒状体82の回転角θ2を定める。回転角θ1、θ2は、図12に例示するように、各筒状体81、82の当接面の反対側から見た右回りの角度を正(>0)とする。図12に例示される各筒状体81、82の回転角θ1、θ2は“0”である。このとき、筒状体81、82の中心軸は同一となり、筒状体81、82は相対的に傾斜しない。図12の例では、回転角θ1、θ2が“0”であるときの筒状体81、82同士の当接面は、左右には傾いておらず、その法線は鉛直軸と中心軸とが規定する平面内に位置するものとしている。
【0053】
図13は、筒状摺動体80の動作を示す上面図である。図13(a)に示すように、筒状体81、82の回転角θ1、θ2が“0”であるときには、筒状体81の中心軸85と筒状体82の中心軸86とは、互いに一致する。すなわち、筒状体81、82の間の相対的な傾斜角は“0”となる。一方、図13(b)に示すように、各筒状体81、82の回転角θ1、θ2が“+90°”であるときには、筒状体81の中心軸85と筒状体82の中心軸86とは、最大の角度をもって交差する。すなわち、筒状体81、82は、最大の角度をもって相対的に左右に傾斜する。各筒状体81、82の回転角θ1、θ2が“0”から“+90°”へ近づくほど、筒状体81、82は互いに左右に大きく傾斜する。さらに、各筒状体81、82の回転角θ1、θ2が“+90°”から“+180°”へ近づくほど、筒状体81、82の左右の傾斜は小さくなり、回転角θ1、θ2が“180°”であるときには、図13(a)と同様に傾斜角は“0”となる。また、各筒状体81、82の回転角θ1、θ2が負であるときには、筒状体81、82は、回転角θ1、θ2が正であるときとは逆方向に傾斜する。
【0054】
以上のように、筒状体81、82を、互いに等しい回転角θ1、θ2だけ回転させることにより、相対的に左右に傾斜させることができる。これに対して、回転角θ1、θ2を互いに異ならせることにより、筒状体81、82を様々な方向に傾斜させることが可能となる。例えば、前方筒状体81の回転角θ1を“180°”とし、後方筒状体82の回転角θ2を“0”に設定することにより、筒状体81、82を最大の角度をもって相対的に上下方向に傾斜させることができる。
【0055】
筒状体81、82の当接面の形状は円環であることが望ましい。その場合には、中心軸85、86に垂直な切断面上の筒状体81、82の断面形状は楕円環となる。筒状体81、82の当接面の形状が円環であれば、筒状体81、82がどのような回転角θ1、θ2をもって回転しても、当接面の間に径方向内方及び外方へのはみ出し部分を生じない。
【0056】
図10に戻って、前方筒状体駆動機構60は、シールド頭部11D内に配置され、前方筒状体81を回転駆動するものである。また、後方筒状体駆動機構70は、シールド胴部12D内に配置され、後方筒状体82を回転駆動するものである。より特定的には、前方筒状体駆動機構60は、環状のフレーム61、動力部62、及び駆動歯車63を有している。環状のフレーム61は、シールド頭部11Dの内壁及び/又はカッターヘッド駆動機構2に取り付けられ、前方筒状体81を回転可能に支持するものである。動力部62はフレーム61に取り付けられ、前方筒状体81を回転駆動する動力を発生するものであり、例えば電気モータあるいは油圧アクチュエータである。駆動歯車63は、動力部62の駆動軸に取り付けられ、かつ前方筒状体81の内歯歯車83に噛み合っており、それにより動力部62の回転力を前方筒状体81に伝える。
【0057】
同様に、後方筒状体駆動機構70は、環状のフレーム71、動力部72、及び駆動歯車73を有している。環状のフレーム71は、シールド胴部12Dの内壁及び/又は推進体駆動機構30のフレーム31に取り付けられ、後方筒状体82を回転可能に支持するものである。動力部72はフレーム71に取り付けられ、後方筒状体82を回転駆動する動力を発生するものであり、例えば電気モータあるいは油圧アクチュエータである。駆動歯車73は、動力部72の駆動軸に取り付けられ、かつ後方筒状体82の内歯歯車84に噛み合っており、それにより動力部72の回転力を後方筒状体82に伝える。
【0058】
前方筒状体81と後方筒状体82とを、それぞれ回転駆動する前方筒状体駆動機構60と後方筒状体駆動機構70とは、相対的に傾斜可能に連結されたシールド頭部11Dとシールド胴部12Dとにそれぞれ設置されているので、前方筒状体81と後方筒状体82との間の中心軸の相対的な方向が変わることにより、シールド胴部11Dとシールド胴部12Dとの間の中心軸の相対的な方向が変わることとなる。すなわち、前方筒状体81と後方筒状体82とを回転駆動することにより、従来技術が必要とした傾斜角調整用の多数のジャッキ(すなわち中折れジャッキ)を用いることなく、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとの間の傾斜角を調整することが可能となる。
【0059】
前方筒状体11Dと後方筒状体12Dとは、それぞれ筒状であるため、それらの内側には空間が確保される。このため他の機材、例えば泥土搬出用スクリューコンベヤーなどを、シールド10D内に設置することが容易である。また、駆動歯車63、73及びこれらを駆動する動力部62、72は、シールド10Dの天井部に設けられており、このことも、スクリューコンベヤーなどの機材を、シールド10の内部に設置することを容易なものにしている。また、シールド10内に立ち入る作業者の安全上も好ましい。
【0060】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2による周回推進体20、20A〜20Cは、全体として剛性の環状体21、21A〜21Cをそれぞれ有しており、推進体駆動機構30により回転駆動された。これに対して周回推進体を、柔軟に変形し得るように構成することも可能である。図14はその一例を示す周回推進体の斜視図である。この周回推進体20Eは、周回推進体20B(図6)の環状体21Bを変形可能な構成としたものである。図14(a)に全体斜視図を示すように、この周回推進体20Eが有する環状体21Eは、一連の連結片25を有している。図14(b)に示すように各連結片25は、回動軸となるピン27によって隣り合う連結片25と連結されている。すなわち、連結片25の本体部26の周方向端部は蝶番構造となっており、それにより隣接する連結片25とは、掘削方向(F又はR)に沿った軸の周りに相対的に回動可能となっている。一例として、ピン27は割ピン28により係止される。また各連結片25の内周には、1連結片分の内歯歯車22が形成されている。さらに連結片25のうちの幾つかには、その後方端面にローラ23Eが設けられている。
【0061】
図15は、周回推進体20C(図9)の環状体21Cを変形可能な構成としたものである。この周回推進体20Fは図14に示した周回推進体20Eと同様に、その環状体21Fが一連の連結片29を有している。各連結片29は、隣接する連結片29とは、蝶番構造により掘削方向(F又はR)に沿った軸の周りに相対的に回動可能となっている。また一連の連結片29には交互に、後方端面にローラ23Fが設けられている。
【0062】
周回推進体20E(図14)、20F(図15)において、各連結片25、29の周方向の幅を狭くして、連結片25、29の個数を多くするほど、変形の度合い、すなわち柔軟さの度合いは増大する。さらに図16に例示するように、チェーン状の環状体21Gを有するように周回推進体20Gを構成することも可能である。環状体21Gは、連結片121及び122が相対的に回動可能に、交互に連結することにより環状をなしている。そして、連結片121の一部には、その後方端面にローラ23Gが設けられている。環状体21Gは、全体がチェーン構造を有しているので、推進体駆動機構30による周回駆動を受けるために、内歯歯車22を別途設ける必要はない。すなわち、推進体駆動機構30の駆動歯車33は、チェーン構造をなす環状体21Gと噛み合うことにより、周回推進体20Gを周回駆動することができる。
【0063】
周回推進体20E(図14)又は20F(図15)において、内歯歯車22の代わりに、チェーンを配置しても良い。そのように構成された周回推進体(図示略)も、周回推進体20Gと同様に、推進体駆動機構30によって周回駆動することが可能である。この場合に、各連結片は連結片21E又は21Fと同様に、蝶番構造により連結されていても良いが、隣り合う連結片同士がチェーンで連結されていても良い。この場合に、隣り合う連結片の間には空隙があっても良い。なお、周回推進体20B、20Cだけでなく、周回推進体20(図2)、20A(図4)についても、周回推進体20E(図14)又は20F(図15)と同様に、蝶番構造により連結された一連の連結片、あるいは、チェーンで連結された一連の連結片を有するように構成することも可能である。チェーンで連結されていても、一連の連結片の各々は、隣り合う連結片と、掘削方向に沿った軸の周りに相対的に回動可能なように連結されていることに変わりはない。
【0064】
図17は、柔軟な周回推進体20Pを用いたシールドマシンの概略構造を示す断面図である。図14〜図16に示した周回推進体20E〜20Gは、周回推進体20Pの一例に該当する。このシールドマシン300では、シールド胴部12Pの内壁に取り付けられた環状のフレーム31Pの内周に、周回推進体20Pが摺動可能に支持されている。フレーム31Pは、フレーム31(図1)と同様に、推進体駆動機構(図示略)の構成要素である。周回推進体20Pは柔軟に変形し得るので、周回推進体20Pが所定の周回軌道に沿うように、その周回方向に沿ってガイド35が適度な間隔をもって配置されている。ガイド35は、例えば駆動歯車33(図1、図3)と同様の歯車を有し、例えば周回推進体20Pに設けられた内歯歯車22に噛み合うことにより、周回推進体20Pを案内する。ガイド35の一部、例えば1つあるいは複数は、周回推進体20Pを駆動するものであり、例えば駆動歯車33である。周回推進体20Pが柔軟に変形し得るので、図17に例示するように周回推進体20Pを用いることにより、シールド胴部12Pを含むシールドの断面形状が円形以外の形状とすることが可能となる。図17の例では、シールドの断面形状は略矩形である。
【0065】
図18は、柔軟な周回推進体20Rを用いたシールドマシンの概略構造を示す断面図である。周回推進体20Pと同様に、図14〜図16に示した周回推進体20E〜20Gは、周回推進体20Rの一例に該当する。このシールドマシン400では、周回推進体20Rが、シールド胴部12Rの内壁に取り付けられた環状のフレーム31Rの内周に、摺動可能に支持されている。フレーム31Rは、フレーム31P(図17)と同様に、推進体駆動機構(図示略)の構成要素である。周回推進体20Pと同様に、周回推進体20Rの周回方向に沿ってガイド35が適度な間隔をもって配置されている。ガイド35の一部は、周回推進体20Rを駆動するものであり、例えば駆動歯車33である。シールドマシン400は、いわゆる3連マシンとして構成されたものである。このように断面形状が円形から著しく離れた異形をなすシールドマシン400においても、敷設されるセグメント5、5B、5Cに沿って、言い換えるとシールドの内周に沿って、周回推進体20Rを周回させることにより、掘削方向前方Fへ向かう推進力を得ることが可能となる。なお、図17及び図18の例が示すように、本発明のシールドマシンが有する「筒状のシールド」とは、円筒状のシールドに限られるものではない。筒状のシールドの断面形状として、楕円やアーチを採ることも、当然可能である。
【0066】
柔軟に変形可能な周回推進体20E、F、G、P、Rは、シールドマシン100(図1)又は200(図10)のように、円形断面のシールド10を有するシールドマシンに対しても、ガイド35と共に使用することが可能である。それにより、地山の圧力によりシールド10が変形することがあっても、周回推進体20E等が、変形に柔軟に追随することが可能となる。
【0067】
(その他の実施の形態)
(A) 実施の形態1によるシールドマシン100として、シールド10がシールド頭部11及びシールド頭部12とに2分割されている例を示した。実施の形態2によるシールドマシン200についても同様であった。これに対して、シールド10が3以上の部分に分割されたシールドマシンを実施することも可能である。カッターヘッド1が設けられたシールド頭部11と、周回推進体20及び推進体駆動機構30が設けられたシールド胴部12とを含んでおれば良い。さらには、シールド10が分割されておらず、それゆえ傾斜角調整機構40を備えず、周回推進体20及び推進体駆動機構30がシールド10内に設けられたシールドマシンを実施することも可能である。これらも全て、本発明の一態様をなす。また、実施の形態2によるシールドマシン200の変形形態として、周回推進体20C及び推進体駆動機構30を備えず、その代わりに、例えば従来の推進ジャッキを用いた形態を実施することも可能である。当該形態においても多数の中折れジャッキの使用を不要とすることができる。この形態もまた、本発明の別の一態様をなす。
【0068】
(B) 図10及び図11に示した連結機構90では、連結部材91がシールド頭部11D及びシールド胴部12Dの内側に配置された例を示した。これに対し、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとの間に配置されても良い。この場合には、図11に示した切り欠き94は無用である。
【0069】
(C) 実施の形態2によるシールドマシン200では、連結機構90が自在継手として構成されているので、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとを、360°の全方位にわたって相対的に傾斜させることが可能である。それにより、進行方向が左右や上下、あるいは斜めにカーブしたトンネルを容易に形成することが可能となる。これに対して、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dが傾斜する方位を制限するように連結機構90を構成することも可能である。例えば、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとが、左右方向にのみ相対的に傾斜するように、それらを連結しても良い。図13に例示したように、前方筒状体81の回転角θ1と後方筒状体82の回転角θ2とを、互いに同一となるように制御するのであれば、シールド頭部11Dとシールド胴部12Dとは、左右方向にのみ相対的に傾斜するように連結されておれば足りる。
【0070】
(D) 実施の形態2によるシールドマシン200において、筒状摺動体80は、前方筒状体81と後方筒状体82との間に介在するローラ等の転動体を有していても良い。例えば、前方筒状体81と後方筒状体82の一方の当接面に、図2の環状体21の後端面と同様に、ローラが周方向に沿って配置されていても良い。あるいは、双方の当接面の周方向に沿って環状の溝が形成され、当該溝内を転動するボールベアリングが配設されていても良い。それによって、前方筒状体81と後方筒状体82の回転に伴う当接面同士の摩擦を低減することができる。
【0071】
(E) 実施の形態1及び2によるシールドマシン100及び200では、カッターヘッド駆動機構2は、カッターヘッド1を回転駆動することにより、カッターヘッド1が前方の地山を掘削することを可能にした。しかし一般に、カッターヘッド駆動機構2は、前方の治山を掘削するようにカッターヘッド1を駆動するものであれば良く、例えば、左右、上下、もしくは斜め方向にカッターヘッド1を揺動させたり、環状に揺動させたりするものであっても良い。
【符号の説明】
【0072】
1 カッターヘッド
2 カッターヘッド駆動機構
5、5B、5C セグメント
10、10D シールド
11、11D シールド頭部
12、12D シールド胴部
20、20A、20B、20C、20E、20F、20G、20P、20R 周回推進体
21、21A、21B、21C、21E、21F、21G 環状体
22 内歯歯車
23、23B、23C、23E、23F、23G ローラ(転動体)
25、29 連結片
30 推進体駆動機構
31、31P、31R フレーム
32 動力部
33 駆動歯車
35 ガイド
40 傾斜角調整機構
60 前方筒状体駆動機構
70 後方筒状体駆動機構
61、71 フレーム
62、72 動力部
63、73 駆動歯車
80 筒状摺動体
81 前方筒状体
82 後方筒状体
83、84 内歯歯車
90 連結機構
91 連結部材
92 第1支持部材
93 第2支持部材
F 掘削方向前方
R 掘削方向後方
100、200 シールドマシン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地山を掘削してトンネルを形成するとともに、セグメントを、その掘削方向前方端面が周方向に沿って掘削方向へ傾斜する傾斜面を有するように、前記トンネルの壁面に敷設するシールドマシンであって、
筒状のシールドと、
前記シールド内に設置され、前記トンネルの壁面に敷設された前記セグメントの前記前方端面上を周方向に滑動するように周回することにより、掘削方向前方への推進力を生成する周回推進体と、
前記シールド内に設置され、前記周回推進体を周回駆動する推進体駆動機構と、
前記シールドの掘削方向前端部に設けられ、前方の地山を掘削するカッターヘッドと、
前記シールド内に設置され、前記前面の地山を掘削するように前記カッターヘッドを駆動するカッターヘッド駆動機構と、
を備えるシールドマシン。
【請求項2】
前記周回推進体は、前記推進体駆動機構により周回駆動される環状体と、当該環状体の掘削方向後端面に設けられ前記セグメントの前記前方端面上を転動する転動体とを有する、請求項1に記載のシールドマシン。
【請求項3】
前記周回推進体は、前記環状体の内壁面に形成された内歯歯車をさらに有しており、
前記推進体駆動機構は、前記内歯歯車に噛み合う駆動歯車を有しており、当該駆動歯車を介して前記周回推進体を周回駆動する、請求項2に記載のシールドマシン。
【請求項4】
前記周回推進体は、環状に連結された一連の連結片を有し、当該一連の連結片の各々は、隣り合う連結片と、前記掘削方向に沿った軸の周りに相対的に回動可能に連結されており、
前記推進体駆動機構は、前記周回推進体を所定の軌道に沿うように案内するガイドを有する請求項1ないし3のいずれかに記載のシールドマシン。
【請求項5】
前記筒状のシールドは、互いに分割されたシールド頭部とシールド胴部とを有しており、
前記カッターヘッドは、前記シールド頭部に設けられており、
前記周回推進体と前記推進体駆動機構とは、前記シールド胴部内に設けられており、
前記シールドマシンは、
前記シールド頭部と前記シールド胴部との傾斜角を調整する傾斜角調整機構をさらに備える請求項1ないし4のいずれかに記載のシールドマシン。
【請求項6】
前記シールド頭部と前記シールド胴部とを相対的に傾斜可能に連結する連結機構を、さらに備え、
前記傾斜角調整機構は、
筒状体を斜めに輪切りにしてなる一方と他方とに対応し、輪切りにされた面で互いに当接し合う前方筒状体及び後方筒状体と、
前記シールド頭部内に設置され、前記前方筒状体を回転駆動する前方筒状体駆動機構と、
前記シールド胴部内に設置され、前記後方筒状体を回転駆動する後方筒状体駆動機構と、を有する請求項5に記載のシールドマシン。
【請求項7】
地山を掘削してトンネルを形成するとともに、前記トンネルの壁面にセグメントを敷設するシールドマシンであって、
筒状のシールドと、
前記シールド内に設置され、前記トンネルの壁面に敷設された前記セグメントの掘削方向前方端面を押圧し、その反作用により掘削方向前方への推進力を生成する推進力生成機構と、
前記シールドの掘削方向前端部に設けられ、前面の地山を掘削するカッターヘッドと、
前記シールド内に設置され、前記前面の地山を掘削するように前記カッターヘッドを駆動するカッターヘッド駆動機構と、
を備え、
前記筒状のシールドは、互いに分割されたシールド頭部とシールド胴部とを有しており、
前記カッターヘッドは、前記シールド頭部に設けられており、
前記推進力生成機構は、前記シールド胴部に設けられており、
前記シールドマシンは、
前記シールド頭部と前記シールド胴部とを相対的に傾斜可能に連結する連結機構と、
前記シールド頭部と前記シールド胴部との傾斜角を調整する傾斜角調整機構と、をさらに備え、
前記傾斜角調整機構は、
筒状体を斜めに輪切りにして分けられた形状をなし、輪切りにされた面で互いに当接し合う前方筒状体及び後方筒状体と、
前記シールド頭部内に設置され、前記前方筒状体を回転駆動する前方筒状体駆動機構と、
前記シールド胴部内に設置され、前記後方筒状体を回転駆動する後方筒状体駆動機構と、を有するシールドマシン。
【請求項8】
前記連結機構は、
前記前方筒状体及び前記後方筒状体の周囲に配置された環状の連結部材と、
前記連結部材の一対の対角位置に回動自在に前記シールド頭部を支持する第1の支持部材と、
前記連結部材の他の一対の対角位置に回動自在に前記シールド胴部を支持する第2の支持部材と、を有する請求項6又は7に記載のシールドマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−265684(P2010−265684A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118540(P2009−118540)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(308026931)株式会社Eat・It (1)
【Fターム(参考)】