説明

シールド機

【課題】テールプレートのひずみ及びテールエンドクリアランスを測定可能なシールド機及びクリアランス測定方法を提供する。
【解決手段】油圧ジャッキ17の押圧部13にはクリアランス計15が設置される。クリアランス計15は、スキンプレート3内周面とセグメント9の外周面の隙間であるテールクリアランス25を測定する。テールプレート11にはひずみ計21とストローク計23が設置される。ひずみ計21は、テールプレート11のひずみを測定するためのものであり、テールプレート11のスキンプレート3側と、テールプレート11後端部に2箇所設置される。ストローク計23は、テールプレート11後端の内周面とセグメント9外周面の隙間であるテールエンドクリアランス27を測定する為のもので、テールプレート11の後端部内面に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テールプレートの変形及びテールプレートとセグメントのクリアランスが測定可能なシールド機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地山を掘削しトンネルを施工するために、シールド機が使われている。図10は、シールド機80の概略を示す図である。図10(a)は、シールド機80がセグメント89に対して直進する際の概略図である。
【0003】
シールド機80は、筒状のスキンプレート83と、スキンプレート83の前方に掘削部81を具備し、掘削部81にて地山を掘削する。シールド機80の後方は、スキンプレート83に接続された筒状のテールプレート85が設けられる。シールド機80は、テールプレート85内で、図示しないセグメント組み立て装置によりセグメント89を組み立てながら掘進する。図10(a)に示す状態においては、セグメント89とスキンプレート83との隙間であるテールクリアランス91が一定に保たれていれば、テールプレート85後端部であるテールエンド87とセグメント89との隙間であるテールエンドクリアランス93は一定に保たれ、テールエンド87がセグメント89に接触することはない。
【0004】
図10(b)は、シールド機80の姿勢が変化し、施工したセグメント89軸方向に対してシールド機80の進行方向が角度θを有する状態を示す図である。シールド機80がセグメント89に対して角度θの姿勢変化をきたすと、テールエンドクリアランス93の一部が0となり、テールエンド87とセグメント89とが接触し、セグメント89が損傷を受ける恐れがある。しかし、テールエンド87とセグメント89のクリアランスは、非常に狭小であるため、従来は、シールド機80とセグメント89のなす角度θ及びテールクリアランス91を測定し、テールエンドクリアランス93を予測し、テールエンド87とセグメント89の接触を防止している。
【0005】
テールエンドクリアランス93を予測するために、テールクリアランス91を測定する方法としては、前後方向に可動で回転可能な測定子を具備した測定装置を用い、測定子をセグメントとスキンプレート内で回転させ、測定子がセグメント及びテールプレートと接触する際の角度を検出し、テールクリアランスを測定する方法がある(特許文献1)。
【0006】
また、伸縮動作可能な測針を具備した測定装置を用い、セグメントとスキンプレートの隙間で測針を伸縮動作させ、測針のストロークをフォトセンサーにて測定し、テールクリアランスを測定する方法がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−30888号公報
【特許文献2】特開2000−352298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このようにしてテールクリアランス91を正確に測定し、シールド機80の姿勢を水平計等で厳重に管理していても、テールエンドクリアランス93を正確に予測できない場合がある。
【0009】
図10(c)は、テールプレート85が変形し、ひずみが生じた状態を示す図である。テールプレート85は、スキンプレーと83と比べて厚さが薄く、掘削時の土砂等の影響でひずみを生じやすい。しかし、従来の方法では、テールプレート85のひずみを知るための方法が存在しないという問題がある。また、テールプレート85にひずみを生じた場合、前述したテールクリアランス91と角度θのみの管理では、正確なテールクリアランス93を予測することができないという問題がある。
【0010】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、テールプレートのひずみ及びテールエンドクリアランスを測定可能なシールド機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明は、スキンプレート内に設けられたジャッキでセグメントを押圧して推進するシールド機であって、前記スキンプレートの後端部のテールプレートに設けられ、前記テールプレートと前記セグメントの間の第1のクリアランスを測定する第1の測定手段と、前記テールプレートに前記テールプレートのひずみを測定するひずみ計と、を具備することを特徴とするシールド機である。
【0012】
前記スキンプレートと前記セグメントの間の第2のクリアランスを測定する第2の測定手段をさらに具備してもよい。
【0013】
前記第1の測定手段は、前記テールプレートと前記セグメントの第1のクリアランス分だけ移動可能な可動部を有する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキの油流量を測定する手段と、を具備してもよい。
【0014】
前記第1の測定手段は、前記テールプレートと前記セグメントの第1のクリアランス分だけ移動可能な可動部を有する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキの可動部の移動量を測定するセンサーと、を具備してもよい。
【0015】
前記第1の測定手段は、前記テールプレートと前記セグメントの第1のクリアランス分だけ移動可能な可動部を有する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキの可動部に接続されたワイヤの移動量を測定する手段と、を具備してもよい。
【0016】
本発明によれば、ひずみ計によりテールプレートのひずみを測定でき、また、第1の測定手段にてテールエンドクリアランスを直接測定する為、テールプレートのひずみ及びテールエンドクリアランスを測定可能なシールド機を提供することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、テールプレートのひずみ及びテールエンドクリアランスを測定可能なシールド機及びクリアランス測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係るシールド機1の構成を示す図。
【図2】シールド機1の断面図で、(a)はクリアランス計15の配置を示す図、(b)はひずみ計21とストローク計23の配置を示す図。
【図3】クリアランス計15の説明図で、(a)は、クリアランス計15の構成図、(b)はクリアランス計15の動作を示す図。
【図4】ひずみ計21の構成を示す図。
【図5】ストローク計23の構成を示す図。
【図6】ストローク計23の動作を示す図で、(a)は可動部45先端が矩形断面形状の場合、(b)は可動部45先端が半球形状の場合を示す図。
【図7】シールド機1の動作を示すフローチャート。
【図8】第2の実施の形態に係るストローク計60の構成を示す図。
【図9】第3の実施の形態に係るストローク計70の構成を示す図。
【図10】従来のシールド機80の姿勢とクリアランスの関係を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1(a)は本実施の形態に係るシールド機1を示す図である。シールド機1は、筒状のスキンプレート3と、スキンプレート3前方に設けられた掘削部5と、スキンプレート3後方に接続された筒状のテールプレート11とから構成される。前記掘削部5はシールド機前方の地山を掘削する。テールプレート11内では、図示しないセグメント組み立て装置によってセグメント9を組み立てる。
【0020】
スキンプレート3内には、セグメント9を押圧する油圧ジャッキ7が設けられる。油圧ジャッキ7は、油圧ジャッキ本体8と、可動部10と押圧部13とから構成される。油圧ジャッキ本体8には、油圧ジャッキ本体8の軸方向に往復動作可能な可動部10が設けられ、可動部10の先端には押圧部13が設けられる。シールド機1は、押圧部13にてセグメント9を押圧し、セグメント9からの反力にて前方に推進する。
【0021】
図1(b)は、図1(a)のA部拡大図である。押圧部13にはクリアランス計15が設置される。クリアランス計15は、スキンプレート3内周面とセグメント9の外周面の隙間であるテールクリアランス25を測定する。クリアランス計15の詳細は後述する。
【0022】
テールプレート11にはシールド機1内部へ土砂等の侵入を防ぐパッキン17とテールシール19が複数設置される。また、テールプレート11にはひずみ計21とストローク計23が設置される。ひずみ計21は、テールプレート11のひずみを測定するためのものであり、テールプレート11のスキンプレート3側と、テールプレート11後端部の2箇所設置される。ストローク計23は、テールプレート11後端の内周面とセグメント9外周面の隙間であるテールエンドクリアランス27を測定する為のもので、テールプレート11の後端部内面に設置される。ひずみ計21及びストローク計23の詳細は後述する。
【0023】
図2(a)は、図1(a)におけるB断面をシールド機1前方から見た図であり、クリアランス計15の配置を示した図である。筒状のスキンプレート3内に、セグメント9が設けられ、スキンプレート3とセグメント9との間にテールクリアランス25が確保される。クリアランス計15は、セグメント9の同一円周上に4箇所、図示を省略した押圧部13に設置され、各設置位置のテールクリアランス25を測定する。測定したデータは、図示しない制御部へ送信される。この制御部は、種々の信号が入力され、これらの信号に基づき、シールド機1の掘進制御等を行う。
【0024】
図2(b)は、図1(a)におけるC断面をシールド機1前方から見た図であり、ひずみ計21、ストローク計23の配置を示す図である。筒状のテールプレート11内に、セグメント9が設けられ、テールプレート11とセグメント9との間にテールエンドクリアランス27が確保される。
【0025】
ひずみ計21は、テールプレート11の同一円周上に12箇所設置される。すなわち、ひずみ計21は、テールプレート11の前後方向に2箇所、円周方向に12箇所、計24箇所設置され、各設置位置におけるテールプレート11のひずみを測定する。ストローク計23は、テールプレート11内面の同一円周上に8箇所設置され、各設置位置におけるテールエンドクリアランス27を測定する。ひずみ計21及びストローク計23の測定値は図示しない制御部へ送信される。
【0026】
図3(a)は、クリアランス計15の構造を示した図である。クリアランス計15は、クリアランス計本体29と、回転軸31と、プレート33と、測定子35から構成される。クリアランス計本体29は、直方体の筐体で、内部には図示しない動作機構等を有する。プレート33は、直方形の1の短辺に更に頂点を追加した5角形の板形状である。測定子35は細い棒状である。
【0027】
円柱形状の回転軸31は、クリアランス計本体29に設置され、クリアランス計本体29内の図示しない動作機構により、図中a方向の前後動作と、図中b方向の回転動作を行うことができる。クリアランス計本体29には、前記動作機構を駆動するためのエアーチューブ39が接続され、図示しない外部からのエアー源よりエアーが送られ、前記動作機構を駆動する。また、クリアランス計本体29内には、回転軸の角度を検出する検出器が設置されており、検出した角度情報をケーブル37により制御部へ送信する。
【0028】
回転軸31の端部は、プレート33の中心から、5角形の追加した頂点位置とは反対側にやや偏芯した位置で、プレート33と接合される。プレート33の5角形の追加した頂点位置には、測定子35が接合される。測定子35は、プレート33の回転軸31とは反対面方向に、回転軸31と同一軸方向で設置される。クリアランス計本体29内部の動作機構により回転軸31がa方向へ前後移動すると、測定子35はそれに応じて、軸方向に移動する。回転軸31がb方向へ回転すると、測定子35は、回転軸31を中心として、回転移動する。
【0029】
図3(b)は、クリアランス計15の動作を示した図である。なお、クリアランス計本体29は図示を省略する。クリアランス計15は、測定子35を前後方向へ移動して、測定子35をセグメント9とスキンプレート3の隙間に挿入する。測定子35は、セグメント9とスキンプレート3の隙間内で回転移動し、スキンプレート3と接触した際の回転角度θ1を検出する。次に、測定子35は逆回転をし、セグメント9に接触した際のθ2を検出する。制御部は、これら角度から、テールクリアランス25を算出する。
【0030】
ここで、クリアランス計15は、エアーにより駆動したが、動作機構は特に規定しない。例えば、その他の流体により駆動させてもよく、電気モータ等を使用しても構わない。
【0031】
図4は、ひずみ計21の概略を示す図である。ひずみ計21は、X軸ひずみ計41とY軸ひずみ計43とからなる。すなわち、テールプレート11のひずみを直交する2軸のひずみ計で検出するため、より正確にテールプレート11のひずみを測定することができる。測定データは、図示しない制御部へ送信される。
【0032】
図5は、ストローク計23の構成を示した図である。ストローク計23は、ストローク計本体47と、可動部45からなる。ストローク計本体47には、油配管49が接続され、図示しないポンプや弁によりストローク計本体47に油を供給する。可動部45は、先端形状が半球形状であり、油圧を駆動源としてストローク計本体47の軸方向に上下動作が可能である。油配管49には、流量計、圧力計が設置され、油配管49内を流れた油量および圧力を測定し、測定値は図示しない制御部へ送信される。
【0033】
非測定時においては、可動部45は図中の下方に移動した状態にあり、ストローク計本体47内に収まっている。測定を開始すると、可動部45は一定圧力で上方へ動作を開始し、可動部45がセグメント9に接するまで上昇を続け、セグメント9に接触した段階で停止する。ストローク計23は、測定開始から終了までに油配管49内を流れた油量を測定する。制御部は、油配管49内を流れた油量から、可動部45のストローク量を算出することでテールエンドクリアランス27を測定することができる。
【0034】
図6は、ストローク計23の動作を示す図である。図6(a)は、可動部45端部の軸方向断面が矩形である場合を示した図である。通常、セグメント9とテールプレート11の間の隙間には、グリス51や土砂などの異物53が存在する。従って、ストローク計23の可動部45の押圧は、グリス51や異物53に打ち勝つだけの力が必要である。しかし、可動部45端部の軸方向断面が矩形である場合は、測定時に可動部45端部とセグメント9との間で異物53を挟みこむ恐れがある。この場合は、正確な測定ができない。
【0035】
図6(b)は、可動部45端部が半球形状である場合を示した図である。この場合は、前述のように測定時に可動部45とセグメント9との間に異物53を挟んだ場合でも、可動部45からの面圧が大きい為、異物53を粉砕することが可能である。このため、正確な測定が可能である。したがって、可動部45先端形状は半球形状が望ましい。
【0036】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図7は、セグメント設置後から掘進を開始するまでのフローチャートである。まず、制御部は、ひずみ計21の測定値を確認する(ステップ101)。ひずみ計21による測定は、シールド機1が掘進中であっても連続的に行うことができる。また、測定値は、シールド機内部又は外部に設置された表示部等に表示することもできる。
【0037】
次に、制御部は、ひずみ計21の測定値が規定値内であるかを確認する(ステップ102)。測定値が規定値内にない場合は、作業を中断し、原因を調査する(ステップ110)。
【0038】
次に、制御部は、クリアランス計15の測定値を確認する(ステップ103)。クリアランス計15による測定は、シールド機1が掘進中であっても連続的に行うことができる。また、測定値は、シールド機内部又は外部に設置された表示部等に表示することもできる。
【0039】
次に、制御部はクリアランス計15の測定値が規定値内であるかを確認する(ステップ104)。測定値が規定値内である場合は、ステップ109に進み、掘進を開始する。測定値が規定値内でない場合は、ステップ105へ進む。
【0040】
クリアランス計15の測定値が規定値内でない場合は、制御部は、ストローク計23により、テールエンドクリアランス27の測定を開始する(ステップ105)。ストローク計23は、掘進中は測定を行うことができないため、セグメント9設置後に測定を行う。
【0041】
次に、制御部は、ストローク計23の測定値を確認する(ステップ106)。測定値は、シールド機内部又は外部に設置された表示部等に表示することもできる。
【0042】
次に、制御部は、ストローク計23の測定値が規定値内であるかを確認する(ステップ107)。測定値が規定値内にない場合は、作業を中断し、原因を調査する(ステップ110)。
【0043】
次に、制御部は、ストローク計23の測定を終了する(ステップ108)。すなわち、ストローク計23の可動部45が縮まり、ストローク計本体47内へ収まる。可動部45が伸長した状態で掘進すると、可動部45が破損する恐れがあるためである。
【0044】
制御部は、ストローク計23の測定値が規定値内であれば、掘進を開始する(ステップ109)。シールド機1は、セグメント9の幅だけ掘進した後、再度セグメント9を設置し、ステップ101からの動作を繰り返す。
【0045】
このように、本実施の形態によれば、ひずみ計21によりテールプレート11のひずみを測定できるので、テールプレート11の変形を確認することができる。また、ストローク計23により、テールエンドクリアランス27を直接測定できるため、セグメント9とテールプレート11との接触を未然に防ぐことができる。
【0046】
図8は、第2の実施の形態に係るストローク計60を示す図である。以下の実施の形態において、図5に示すストローク計23と同一の機能を果たす構成要素には、図5と同一の番号を付し、重複した説明を避ける。
【0047】
ストローク計60は、ストローク計本体47と、可動部45と、センサー63から構成される。ストローク計本体47には、油配管49とケーブル61が接続される。可動部45は、先端形状が半球形状であり、油圧を駆動源としてストローク計本体47の軸方向に上下動作が可能である。センサー63は、ストローク計本体47に接続されており、可動部45のストローク量を測定可能である。すなわち、ストローク計60は、測定開始から終了までの可動部45のストローク量をセンサー63にて測定することで、テールエンドクリアランス27を測定し、測定値をケーブル61により、図示しない制御部へ送信する。
【0048】
センサー63としては特に規定しないが、例えばリニアパルスエンコーダなどが使用できる。
【0049】
第2の実施の形態によれば、油配管49等からの油漏れなどの影響を受けず、正確なテールエンドクリアランスを測定可能である。
【0050】
図9は、第3の実施の形態に係るストローク計70を示す図である。ストローク計70は、ストローク計本体47と、可動部45と、連結部71と、ピン73と、ガイド75から構成される。ストローク計本体47には、油配管49が接続される。可動部45は、先端形状が半球形状であり、油圧を駆動源としてストローク計本体47の軸方向に上下動作が可能である。
【0051】
連結部71は、板状であり、可動部45とピン73を連結する。連結部71の端部は棒状のピン73の端部に固定される。連結部71のもう一方の端部は可動部45と連結され、ピン73と可動部45は同一軸方向に連結される。また、ガイド75はストローク計本体47に設置され、ピン73の径よりもやや大きな穴を有する。ピン73は、ガイド75の穴に挿貫される。すなわち、ピン73は、可動部45の上下動作に追随して、ガイド75の穴内を上下動する。
【0052】
ピン73のもう一方の端部にはワイヤ79が接合される。ワイヤ79は、滑車77を介して、シールド機内へ導入され、トルクリール78にて巻き取られる。トルクリール78は、ワイヤ79の巻取り量を測定できる。
【0053】
したがって、ストローク計70は、測定開始から終了までの可動部45のストローク量に応じたピン73の上下移動量を、ワイヤ79を介して、トルクリール78にて測定することで、テールエンドクリアランス27を測定できる。測定データは、図示しない制御部へ送信される。
【0054】
第3の実施の形態によれば、測定部に電気部品であるセンサー等を有しないため、グリスや水分の影響でも故障することが無く、正確なテールエンドクリアランスを測定可能である。
【0055】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0056】
1………シールド機
3………スキンプレート
5………掘削部
7………油圧ジャッキ
8………油圧ジャッキ本体
9………セグメント
10………可動部
11………テールプレート
13………押圧部
15………クリアランス計
17………パッキン
19………テールシール
21………ひずみ計
23………ストローク計
25………テールクリアランス
27………テールエンドクリアランス
29………クリアランス計本体
31………回転軸
33………プレート
35………測定子
37………ケーブル
39………エアーチューブ
41………X軸ひずみ計
43………Y軸ひずみ計
45………可動部
47………ストローク計本体
49………油配管
51………グリス
53………異物
60………ストローク計
61………ケーブル
63………センサー
70………ストローク計
71………連結部
73………ピン
75………ガイド
77………滑車
78………トルクリール
79………ワイヤ
80………シールド機
81………掘削部
83………スキンプレート
85………テールプレート
87………テールエンド
89………セグメント
91………テールクリアランス
93………テールエンドクリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンプレート内に設けられたジャッキでセグメントを押圧して推進するシールド機であって、
前記スキンプレートの後端部のテールプレートに設けられ、前記テールプレートと前記セグメントの間の第1のクリアランスを測定する第1の測定手段と、
前記テールプレートに設けられ、前記テールプレートのひずみを測定するひずみ計と、
を具備することを特徴とするシールド機。
【請求項2】
前記スキンプレートと前記セグメントの間の第2のクリアランスを測定する第2の測定手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のシールド機。
【請求項3】
前記第1の測定手段は、
前記テールプレートと前記セグメントの第1のクリアランス分だけ移動可能な可動部を有する油圧ジャッキと、
前記油圧ジャッキの油流量を測定する手段と、
を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールド機。
【請求項4】
前記第1の測定手段は、
前記テールプレートと前記セグメントの第1のクリアランス分だけ移動可能な可動部を有する油圧ジャッキと、
前記油圧ジャッキの可動部の移動量を測定するセンサーと、
を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールド機。
【請求項5】
前記第1の測定手段は、
前記テールプレートと前記セグメントの第1のクリアランス分だけ移動可能な可動部を有する油圧ジャッキと、
前記油圧ジャッキの可動部に接続されたワイヤの移動量を測定する手段と、
を具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールド機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−97556(P2012−97556A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280837(P2011−280837)
【出願日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【分割の表示】特願2007−40250(P2007−40250)の分割
【原出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】