シール材
【課題】 自動車のドアとボディとの間等をシールする自動車用ウエザーストリップや住宅用ガスケットの軽量化を図る。
【解決手段】 真密度0.10〜0.80で、粒径3〜150μmの微小中空硝子球群よりなるガラス粉体6であり、ゴム様弾性体に混合して混練機で混練りしたときにも殆ど破壊しない強度を有するガラス粉体を、ゴム様弾性体内に無数散在させた自動車用ウエザーストリップや住宅用ガスケット等のシール材である。発泡剤を用いていないので肌表面も滑らかで良好である。
【解決手段】 真密度0.10〜0.80で、粒径3〜150μmの微小中空硝子球群よりなるガラス粉体6であり、ゴム様弾性体に混合して混練機で混練りしたときにも殆ど破壊しない強度を有するガラス粉体を、ゴム様弾性体内に無数散在させた自動車用ウエザーストリップや住宅用ガスケット等のシール材である。発泡剤を用いていないので肌表面も滑らかで良好である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車のドアとボディとの間等をシールするために使用されるウエザーストリップや住宅用ガスケットとして使用されるシール材の軽量化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のための低燃費化を求めるため、自動車の各部品の軽量化が求められている。シール材の一種である自動車用ウエザーストリップの軽量化テーマも昨今の状況から最優先に進められている。軽量化のためには化学発泡剤や膨張系バルーンなどを使用しソリッド部をわずかに発泡させる技術が行われている。しかしながら製品表面付近に気泡があると表面肌に凹凸が発生し、表面肌を重要視する部位では不良率の悪化になり得る。
【0003】
また、一方で、シール材の一種である住宅用ガスケットにおいても、外観向上と軽量化の要求が高まってきている。
【特許文献1】特開平6−183305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面肌に凹凸を生じることなく且つ、軽量化したシール材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明に係るシール材は、真密度0.10〜0.80で、粒径3〜150μmの微小中空硝子球群よりなるガラス粉体を、ゴム様弾性体100重量部に対して5〜80重量部の割合で、ゴム様弾性体内に無数散在させたシール材である。
【0006】
請求項2の発明に係るシール材は、請求項1の発明において、ガラス粉体の粒径範囲が25〜50μmで、かつ、ガラス粉体がタルクと混合したガラス粉体試料を乾燥窒素ガスにて、12400×104N/m2に加圧した際の微小中空硝子球群の非破壊残存率が90%であることを特徴とするシール材である。
【0007】
請求項3の発明に係るシール材は、請求項1の発明において、ガラス粉体の平均粒径が40μm,粒径範囲が3〜110μmであり、かつ、ガラス粉体が静水圧力700kg/cm2で6%の破壊率であることを特徴とするシール材である。
【0008】
請求項4の発明に係るシール材は、請求項1〜3のいずれかの発明において、硝子がソーダ石灰硼酸ガラスであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の発明に係るシール材は、請求項1〜4のいずれかの発明において、シール材が自動車用ウエザーストリップであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6の発明に係るシール材は、請求項1〜4のいずれかの発明において、シール材が住宅用ガスケットであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、軽量化と外観性能が要求される自動車用ウエザーストリップすべてと、軽量化と外観性能が要求される住宅用ガスケットに適用が可能である。
【0012】
自動車用ウエザーストリップとしては、ドアウエザーストリップ・ボディサイドウエザーストリップ・トランクウエザーストリップ・グラスラン等、自動車のドア・ボディ・サッシュ等に取付けられてボディ・ドア・ガラス等とのシールをするシール材や、ドア・ボディのフランジに取付けられるトリム材を挙げることが出来る。
【0013】
また、グラスランのリップ部や基底部等の、ガラスと摺動する部分においても、リップ部や基底部等を塗装や被膜等の表面処理をすることによって、異音を防止可能であり、本発明を適用することが出来る。
【0014】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の真密度が0.10未満であると、ガラス粉体の製造が困難であり、また、混練時や押出時に破壊しやすい。
【0015】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の真密度が0.80を超えると、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果が少なくなる。
【0016】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が3μm未満であると、ガラス粉体の製造が困難であり、また、硝子中空内部に入る気体の量が少なくなるため、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果がなくなる。
【0017】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が150μmを超えると、ゴム様弾性体に混練して押出しした際に、自動車用ウエザーストリップの表面肌が著しく悪化する。
【0018】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が25μm未満であると、硝子中空内部に入る気体の量が少なくなるため、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果が少なくなる。
【0019】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が50μmを超えると、ゴム様弾性体に混練して押出しした際に、自動車用ウエザーストリップの表面肌が若干悪化する。
【0020】
ゴム様弾性体100重量部に対する、微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の配合量は、5〜80重量部が好ましい。
【0021】
ゴム様弾性体100重量部に対する、微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の配合量が5重量部未満であると、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果が少なくなる。
【0022】
ゴム様弾性体100重量部に対する、微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の配合量が80重量部を超えると、ゴム様弾性体に微小中空球群よりなるガラス粉体を混練りする際の作業性が悪化すると共に、自動車用ウエザーストリップの諸物性が悪化する。
【0023】
ゴム様弾性体としてはソリッドゴムのみならず、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーにも本発明の適用が可能である。
【0024】
ソリッドゴムの材質としては、例えば天然ゴム,スチレン・ブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),エチレン・プロピレンゴム(EPM),エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)等を用いることができるが、耐候性の観点からEPDMが好ましい。
【0025】
また、熱可塑性エラストマーの材質としては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO),スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS),ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)等を用いることができるが、安価であることから、オレフィン系熱可塑性エラストマー又はウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
ゴムの混練りを行う機械として用いられるバンバリーミキサーは、2本のねじれローターの外周を密閉し、投入口のある上部からフローティングウエイトでゴム生地に圧力を加えながらケーシング,リッジ,ブレード及びローター相互の剪断力によって混練りを行うので、大きな外力を受けるが、この混練り時に破損が殆ど生じない程度の対圧力を有する微小中空負圧硝子球よりなるガラス粉体を選定しているので、バンバリー混練りによる分散性が良く、短時間で混練りが可能である。また、押出機による押出によっても破損を殆ど生じない。また、発泡技術を盛り込まずシール材を軽量化できる。さらに発泡していないため表面肌の悪化がほとんどないのみならず、寸法安定性に優れており、且つ発泡バラツキがないので、比較的生産しやすい特長がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1〜図3において、1は自動車のボディ、2はドア、10は内装材、3は自動車用ウエザーストリップで、ソリッドゴム4内にガラス粉体6が無数散在している。ガラス粉体6を構成する各微小中空負圧硝子球は、負圧中空部7を有し、ソリッドゴムよりも軽い比重0.10〜0.80のガラス材8製で、外径3〜150μmの中空球で、内部は1/5気圧程度の負圧Uになっている。9はガラス粉体を有しないスポンジゴム部、5は芯金である。
【0028】
このガラス粉体6をその他の配合剤と共にソリッドゴム生材に加えバンバリーで混練りし押出機で押出したところ、ガラス粉体は殆ど破壊することなく、軽量化した良表面肌の自動車用ウエザーストリップを得ることが出来た。
【0029】
図4および図5において、11は外装材、12は住宅用ガスケット、13は下地材で、ソリッドゴム4内にガラス粉体6が無数散在している。ガラス粉体6を構成する各微小中空負圧硝子球は、負圧中空部7を有し、ソリッドゴムよりも軽い比重0.10〜0.80のガラス材8製で、外径3〜150μmの中空球で、内部は1/5気圧程度の負圧Uになっている。
【実施例】
【0030】
[実施例1]
比重0.10〜0.80のガラス材製で且つ、外径3〜150μmの中空球であり、しかも内部を負圧にし、而もソリッドゴムに混入してバンバリーで素練りをしたときにも破損しない強度を有する中空体としては第1に住友スリーエム株式会社のスコッチライトグラスバブルズが挙げられる。スコッチライトグラスバブルズの製品タイプS60/18000の特性は次の通りである(住友スリーエム発表による)。
【0031】
真密度 0.600±0.03
タルクと混合したS60/18000試料を12400×104N/m2に加圧した際の残存率は90%。
【0032】
代表粒径分布としては、粒径50μm以下が90%、30μm以下が50%、11μm以下が10%以下、
S60/18000をソリッドゴム生材と共にバンバリーで混練りし押出機で押出したところS60/18000は殆ど破壊されず、軽量化した良表面肌のソリッドゴム製ウエザーストリップを得ることが出来た。
【0033】
【表1】
【0034】
※1) JISK6251 ゴム試験法に準ずる
※2) ○・・・作業性に問題なし,△・・・ロールへのバギングや粘着あり,×・・・ロール作業困難
※3) ○・・・ソリッド部と同等レベル,△・・・凹凸が見られる,×・・・スポンジ部レベル
【0035】
※4) 添加量が5phr未満であれば軽量化効果に欠ける。添加量が80phrを超えると混練り作業性が悪化する。
【0036】
[実施例2]
東海工業株式会社製のPZ−6000が微中空硝子体がソリッドゴムに混入してバンバリーで混練りし押出機で押出したときにも破損しない強度を有する微中空硝子体として挙げられる。PZ−6000の特性は次の通りである(東海工業株式会社発表による)。
【0037】
平均粒径 40μm
粒径範囲 10〜110μm
真密度 0.70〜0.80
弾度 静水圧力 700kg/cm2で6%破壊
【0038】
PZ−6000をソリッドゴムと共にバンバリーで混練りし押出機で押出したところ、PZ−6000は殆ど破壊されず、軽量化した良表面肌のソリッドゴム製ウエザーストリップを得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】自動車の側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】微小中空負圧硝子球の一部切欠拡大正面図である。
【図4】住宅の外壁部の正面である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ボディ
2 ドア
3 ウエザーストリップ
4 ソリッドゴム
5 芯金
6 ガラス粉体
7 負圧中空部
8 ガラス材
9 スポンジゴム部
10 内装材
11 外装材
12 ガスケット
13 下地材
U 負圧
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車のドアとボディとの間等をシールするために使用されるウエザーストリップや住宅用ガスケットとして使用されるシール材の軽量化に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止のための低燃費化を求めるため、自動車の各部品の軽量化が求められている。シール材の一種である自動車用ウエザーストリップの軽量化テーマも昨今の状況から最優先に進められている。軽量化のためには化学発泡剤や膨張系バルーンなどを使用しソリッド部をわずかに発泡させる技術が行われている。しかしながら製品表面付近に気泡があると表面肌に凹凸が発生し、表面肌を重要視する部位では不良率の悪化になり得る。
【0003】
また、一方で、シール材の一種である住宅用ガスケットにおいても、外観向上と軽量化の要求が高まってきている。
【特許文献1】特開平6−183305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表面肌に凹凸を生じることなく且つ、軽量化したシール材を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明に係るシール材は、真密度0.10〜0.80で、粒径3〜150μmの微小中空硝子球群よりなるガラス粉体を、ゴム様弾性体100重量部に対して5〜80重量部の割合で、ゴム様弾性体内に無数散在させたシール材である。
【0006】
請求項2の発明に係るシール材は、請求項1の発明において、ガラス粉体の粒径範囲が25〜50μmで、かつ、ガラス粉体がタルクと混合したガラス粉体試料を乾燥窒素ガスにて、12400×104N/m2に加圧した際の微小中空硝子球群の非破壊残存率が90%であることを特徴とするシール材である。
【0007】
請求項3の発明に係るシール材は、請求項1の発明において、ガラス粉体の平均粒径が40μm,粒径範囲が3〜110μmであり、かつ、ガラス粉体が静水圧力700kg/cm2で6%の破壊率であることを特徴とするシール材である。
【0008】
請求項4の発明に係るシール材は、請求項1〜3のいずれかの発明において、硝子がソーダ石灰硼酸ガラスであることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の発明に係るシール材は、請求項1〜4のいずれかの発明において、シール材が自動車用ウエザーストリップであることを特徴とするものである。
【0010】
請求項6の発明に係るシール材は、請求項1〜4のいずれかの発明において、シール材が住宅用ガスケットであることを特徴とするものである。
【0011】
本発明は、軽量化と外観性能が要求される自動車用ウエザーストリップすべてと、軽量化と外観性能が要求される住宅用ガスケットに適用が可能である。
【0012】
自動車用ウエザーストリップとしては、ドアウエザーストリップ・ボディサイドウエザーストリップ・トランクウエザーストリップ・グラスラン等、自動車のドア・ボディ・サッシュ等に取付けられてボディ・ドア・ガラス等とのシールをするシール材や、ドア・ボディのフランジに取付けられるトリム材を挙げることが出来る。
【0013】
また、グラスランのリップ部や基底部等の、ガラスと摺動する部分においても、リップ部や基底部等を塗装や被膜等の表面処理をすることによって、異音を防止可能であり、本発明を適用することが出来る。
【0014】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の真密度が0.10未満であると、ガラス粉体の製造が困難であり、また、混練時や押出時に破壊しやすい。
【0015】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の真密度が0.80を超えると、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果が少なくなる。
【0016】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が3μm未満であると、ガラス粉体の製造が困難であり、また、硝子中空内部に入る気体の量が少なくなるため、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果がなくなる。
【0017】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が150μmを超えると、ゴム様弾性体に混練して押出しした際に、自動車用ウエザーストリップの表面肌が著しく悪化する。
【0018】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が25μm未満であると、硝子中空内部に入る気体の量が少なくなるため、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果が少なくなる。
【0019】
微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の粒子径が50μmを超えると、ゴム様弾性体に混練して押出しした際に、自動車用ウエザーストリップの表面肌が若干悪化する。
【0020】
ゴム様弾性体100重量部に対する、微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の配合量は、5〜80重量部が好ましい。
【0021】
ゴム様弾性体100重量部に対する、微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の配合量が5重量部未満であると、自動車用ウエザーストリップの軽量化の効果が少なくなる。
【0022】
ゴム様弾性体100重量部に対する、微小中空硝子球群よりなるガラス粉体の配合量が80重量部を超えると、ゴム様弾性体に微小中空球群よりなるガラス粉体を混練りする際の作業性が悪化すると共に、自動車用ウエザーストリップの諸物性が悪化する。
【0023】
ゴム様弾性体としてはソリッドゴムのみならず、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーにも本発明の適用が可能である。
【0024】
ソリッドゴムの材質としては、例えば天然ゴム,スチレン・ブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),エチレン・プロピレンゴム(EPM),エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EPDM)等を用いることができるが、耐候性の観点からEPDMが好ましい。
【0025】
また、熱可塑性エラストマーの材質としては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO),スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS),ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)等を用いることができるが、安価であることから、オレフィン系熱可塑性エラストマー又はウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
ゴムの混練りを行う機械として用いられるバンバリーミキサーは、2本のねじれローターの外周を密閉し、投入口のある上部からフローティングウエイトでゴム生地に圧力を加えながらケーシング,リッジ,ブレード及びローター相互の剪断力によって混練りを行うので、大きな外力を受けるが、この混練り時に破損が殆ど生じない程度の対圧力を有する微小中空負圧硝子球よりなるガラス粉体を選定しているので、バンバリー混練りによる分散性が良く、短時間で混練りが可能である。また、押出機による押出によっても破損を殆ど生じない。また、発泡技術を盛り込まずシール材を軽量化できる。さらに発泡していないため表面肌の悪化がほとんどないのみならず、寸法安定性に優れており、且つ発泡バラツキがないので、比較的生産しやすい特長がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1〜図3において、1は自動車のボディ、2はドア、10は内装材、3は自動車用ウエザーストリップで、ソリッドゴム4内にガラス粉体6が無数散在している。ガラス粉体6を構成する各微小中空負圧硝子球は、負圧中空部7を有し、ソリッドゴムよりも軽い比重0.10〜0.80のガラス材8製で、外径3〜150μmの中空球で、内部は1/5気圧程度の負圧Uになっている。9はガラス粉体を有しないスポンジゴム部、5は芯金である。
【0028】
このガラス粉体6をその他の配合剤と共にソリッドゴム生材に加えバンバリーで混練りし押出機で押出したところ、ガラス粉体は殆ど破壊することなく、軽量化した良表面肌の自動車用ウエザーストリップを得ることが出来た。
【0029】
図4および図5において、11は外装材、12は住宅用ガスケット、13は下地材で、ソリッドゴム4内にガラス粉体6が無数散在している。ガラス粉体6を構成する各微小中空負圧硝子球は、負圧中空部7を有し、ソリッドゴムよりも軽い比重0.10〜0.80のガラス材8製で、外径3〜150μmの中空球で、内部は1/5気圧程度の負圧Uになっている。
【実施例】
【0030】
[実施例1]
比重0.10〜0.80のガラス材製で且つ、外径3〜150μmの中空球であり、しかも内部を負圧にし、而もソリッドゴムに混入してバンバリーで素練りをしたときにも破損しない強度を有する中空体としては第1に住友スリーエム株式会社のスコッチライトグラスバブルズが挙げられる。スコッチライトグラスバブルズの製品タイプS60/18000の特性は次の通りである(住友スリーエム発表による)。
【0031】
真密度 0.600±0.03
タルクと混合したS60/18000試料を12400×104N/m2に加圧した際の残存率は90%。
【0032】
代表粒径分布としては、粒径50μm以下が90%、30μm以下が50%、11μm以下が10%以下、
S60/18000をソリッドゴム生材と共にバンバリーで混練りし押出機で押出したところS60/18000は殆ど破壊されず、軽量化した良表面肌のソリッドゴム製ウエザーストリップを得ることが出来た。
【0033】
【表1】
【0034】
※1) JISK6251 ゴム試験法に準ずる
※2) ○・・・作業性に問題なし,△・・・ロールへのバギングや粘着あり,×・・・ロール作業困難
※3) ○・・・ソリッド部と同等レベル,△・・・凹凸が見られる,×・・・スポンジ部レベル
【0035】
※4) 添加量が5phr未満であれば軽量化効果に欠ける。添加量が80phrを超えると混練り作業性が悪化する。
【0036】
[実施例2]
東海工業株式会社製のPZ−6000が微中空硝子体がソリッドゴムに混入してバンバリーで混練りし押出機で押出したときにも破損しない強度を有する微中空硝子体として挙げられる。PZ−6000の特性は次の通りである(東海工業株式会社発表による)。
【0037】
平均粒径 40μm
粒径範囲 10〜110μm
真密度 0.70〜0.80
弾度 静水圧力 700kg/cm2で6%破壊
【0038】
PZ−6000をソリッドゴムと共にバンバリーで混練りし押出機で押出したところ、PZ−6000は殆ど破壊されず、軽量化した良表面肌のソリッドゴム製ウエザーストリップを得ることが出来た。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】自動車の側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】微小中空負圧硝子球の一部切欠拡大正面図である。
【図4】住宅の外壁部の正面である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 ボディ
2 ドア
3 ウエザーストリップ
4 ソリッドゴム
5 芯金
6 ガラス粉体
7 負圧中空部
8 ガラス材
9 スポンジゴム部
10 内装材
11 外装材
12 ガスケット
13 下地材
U 負圧
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真密度0.10〜0.80で、粒径3〜150μmの微小中空硝子球群よりなるガラス粉体を、
ゴム様弾性体100重量部に対して5〜80重量部の割合で、
ゴム様弾性体内に無数散在させたことを特徴とするシール材。
【請求項2】
ガラス粒体の粒径範囲が25〜50μmで、かつ、ガラス粉体が、タルクと混合したガラス粉体試料を乾燥窒素ガスにて、12400×104N/m2に加圧した際の微小中空硝子球群の非破壊残存率が90%であることを特徴とする、請求項1に記載のシール材。
【請求項3】
ガラス粉体の平均粒径が40μm,粒径範囲が3〜110μmであり、かつ、ガラス粉体が静水圧力700kg/cm2で6%の破壊率であることを特徴とする、請求項1に記載のシール材。
【請求項4】
硝子がソーダ石灰硼酸ガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシール材。
【請求項5】
シール材が自動車用ウエザーストリップであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシール材。
【請求項6】
シール材が住宅用ガスケットであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシール材。
【請求項1】
真密度0.10〜0.80で、粒径3〜150μmの微小中空硝子球群よりなるガラス粉体を、
ゴム様弾性体100重量部に対して5〜80重量部の割合で、
ゴム様弾性体内に無数散在させたことを特徴とするシール材。
【請求項2】
ガラス粒体の粒径範囲が25〜50μmで、かつ、ガラス粉体が、タルクと混合したガラス粉体試料を乾燥窒素ガスにて、12400×104N/m2に加圧した際の微小中空硝子球群の非破壊残存率が90%であることを特徴とする、請求項1に記載のシール材。
【請求項3】
ガラス粉体の平均粒径が40μm,粒径範囲が3〜110μmであり、かつ、ガラス粉体が静水圧力700kg/cm2で6%の破壊率であることを特徴とする、請求項1に記載のシール材。
【請求項4】
硝子がソーダ石灰硼酸ガラスであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシール材。
【請求項5】
シール材が自動車用ウエザーストリップであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシール材。
【請求項6】
シール材が住宅用ガスケットであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシール材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2006−56491(P2006−56491A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243342(P2004−243342)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【出願人】(504321418)
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon1 6411 TE Heerlen the Netherlands
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【出願人】(504321418)
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon1 6411 TE Heerlen the Netherlands
【Fターム(参考)】
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