説明

ジェットグラウト工法用地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物

【課題】 ジェットグラウト工法によって、超高圧で圧縮空気とセメントミルクを地盤中に回転しながら噴射して、短時間で地盤を切削し混合するプロセスにおいて、1)スライムの流動性を向上させて十分な作業性を確保すること、2)注入率を下げることによって建設汚泥の発生量を大幅に減らこと、3)必要とされる所定の早期強度を確保すること、を同時に充足させる地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物を提供する。
【解決手段】 下記のA成分及びB成分を含有し、A成分10〜95質量%、B成分5〜90質量%の割合(合計100質量%)から成ることを特徴とするジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
A成分:炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した質量平均分子量2000〜50000の水溶性ビニル共重合体
B成分:ケイ酸アルカリ金属塩

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
軟弱地盤改良工事において、地盤の崩落を防止するために地盤を硬化させる、強度を増加させる、透水性を減少させる等の地盤の安定化を図るための地盤改良工法として、セメントミルクを地中深く高圧噴射し、土と混合する高圧噴流注入工法が採用されている。この工法はジェットグラウト工法と呼ばれ、地中に多重管を挿入し、管を回転させながら、これらの管先端付近からセメントミルクを地中に高圧噴射し、地中の土を切削すると同時に、切削された土とセメントミルクが混合されたソイルセメントスラリー(以下、スライムという)を地上に排出しながら、地中をスライムで置換して硬化させ、地盤を安定化させる工法である。かかる工法では、セメントミルクを高圧噴射して粘土質を多く含む粘性土や土砂を混合した際に、土粒子とセメントが凝集して流動性を失い、粘度が大きく上昇して注入が不完全となり、地盤を切削した際に発生するスライムが地上に排出されず、地盤改良工事に支障を来すという問題があった。また、スライムが地上に上昇し易いように水を添加したり、或いは、地中へのセメントミルクの注入率を高くしたりすると、建設汚泥としてスライムの量が増加し、処理費用が増加するという問題もあった。したがって、スライムに流動性を付与することによりスライムの粘度を低下させ、セメントミルクの注入率を低く抑える方法が求められている。本発明はかかる要求に応えることができるジェットグラウト工法用地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スライムの粘度を低下させる技術として、各種の添加剤を添加する方法が知られている(例えば特許文献1〜7参照)。しかし、これらの従来法では、高圧噴流注入工法における前記した要求に充分に応えることができないという問題がある。
【0003】
【特許文献1】特開平6−127993号公報
【特許文献2】特開平10−212482号公報
【特許文献3】特開2000−169209号公報
【特許文献4】特開2001−172629号公報
【特許文献5】特開2004−43275号公報
【特許文献6】特開2004−143041号公報
【特許文献7】特開2004−175989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ジェットグラウト工法によって、超高圧で圧縮空気とセメントミルクを地盤中に回転しながら噴射して、短時間で地盤を切削し混合するプロセスにおいて、1)スライムの流動性を向上させて十分な作業性を確保すること、2)注入率を下げることによって建設汚泥の発生量を大幅に減らこと、3)必要とされる所定の早期強度を確保すること、を同時に充足させる地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物を提供する処にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
しかして本発明者らは、前記の課題を解決すべく研究した結果、特定の2成分を所定割合で含有するジェットグラウト工法用地盤改良添加剤、そして、それを用いた地盤改良セメント組成物が正しく好適であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、下記のA成分及びB成分を含有し、A成分10〜95質量%、B成分5〜90質量%の割合(合計100質量%)から成ることを特徴とするジェットグラウト工法用地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物に係る。
【0007】
A成分:炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した質量平均分子量2000〜50000の水溶性ビニル共重合体
B成分:ケイ酸アルカリ金属塩
【発明の効果】
【0008】
以上説明した本発明に係る地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物は、特に地盤の土粒子径が75μm以下の細粒分を50質量%以上含むか、5μm以下の粘土分やシルト分を20質量%以上含むような細粒分の多い土壌、すなわち、高粘性の土壌に対して顕著な流動性を付与することができる。その結果、地中へのセメントミルクの注入率を下げることができ、建設汚泥となるスライムの発生量を抑えることができると同時に、セメントミルクと土壌との均一混合性を促すことができるため、作業性確保に必要な地盤改良土の初期強度と長期強度を十分に発現することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の地盤改良添加剤はA成分とB成分から成るものである。A成分は、炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した水溶性ビニル共重合体である。炭素数3〜8のオレフィンとしては、例えば、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン、n−ペンテン、シクロペンテン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−ブチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、1−オクテン、ジイソブチレン及びこれらの混合物が挙げられるが、なかでも炭素数4のオレフィンが好ましく、特にイソブチレンが好ましい。
【0010】
炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物は、公知の方法で得ることができる。例えば、溶媒としてエチルベンゼン、無水マレイン酸、ラジカル連鎖移動剤及びラジカル開始剤をオートクレーブに仕込み、反応系を窒素置換した後、炭素数3〜8のオレフィンを圧入し温度60〜120℃で圧力0.2〜0.5N/mmの条件下に2〜10時間ラジカル共重合反応させて、共重合物を沈殿物として得ることができる。
【0011】
所望の共重合物を得るためには、ラジカル開始剤やラジカル連鎖移動剤の種類及び使用量、溶媒の種類及び使用量、重合温度、重合時間等を適宜選択する。ここで用いるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、クメンハイドロパーオキサイド等の非水系の開始剤等が挙げられる。
【0012】
炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物において、双方の共重合比率は、炭素数3〜8のオレフィン/無水マレイン酸=45〜55/55〜45(モル比)となるようにするのが好ましく、50/50(モル比)に近い比率となるようにするのがより好ましい。
【0013】
A成分の水溶性ビニル共重合体は、以上説明した炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解したものである。炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解するときのアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が好ましく、更には、かかるアルカリ金属水酸化物の水溶液がより好ましく、工業的見地から安価な水酸化ナトリウム水溶液が特に好ましい。A成分としての水溶性ビニル共重合体は、炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物のアルカリ加水分解による部分中和物であっても或いは完全中和物であってもよい。
【0014】
A成分としての水溶性ビニル共重合体は、質量平均分子量が2000〜50000の水溶性のものであるが、3000〜35000のものとするのが好ましい。ここで質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(以下単にGPC法という)で測定したプルラン換算の質量平均分子量を意味する。
【0015】
B成分はケイ酸アルカリ金属塩である。具体的には、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムが挙げられるが、中でもケイ酸ナトリウムが好ましい。更に詳しくは、ケイ酸ナトリウムは、メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、二ケイ酸ナトリウム、三ケイ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウムを包含するが、なかでもメタケイ酸ナトリウムが好ましい。これらのケイ酸アルカリ金属塩は単独で用いることもできるし、二種以上を混合して用いることもできる。
【0016】
本発明のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤はA成分及びB成分を、A成分10〜95質量%、B成分5〜90質量%の割合(合計100重量%)で含有するが、A成分20〜90質量%、B成分10〜80質量%の割合(合計100重量%)で含有することが好ましい。また、A成分及びB成分の含有割合は、以上のような含有割合の範囲内にて、該地盤改良添加剤を使用する土壌の性状との関係で適宜選択するのがより好ましい。
【0017】
本発明に係る地盤改良添加剤の使用に際しては、合目的的に他の剤を併用することができる。かかる他の剤としては、消泡剤、防腐剤、凝結促進剤、防水剤等が挙げられる。
【0018】
本発明の地盤改良セメント組成物は、セメント系固化材と、このセメント系固化材100質量部に対し、前記した本発明の地盤改良用添加剤を0.5〜20質量部の割合で含有するものである。本発明の地盤改良用添加剤の配合量は0.5質量部未満の場合には流動性が不足し、逆に20質量部を越えると、凝結遅延により初期強度発現が低下して、目的とする十分な効果が得られない。本発明のセメント組成物は、セメント系固化材100質量部に対し、本発明の地盤改良用添加剤を2〜15質量部の割合で含有させて用いるのがより好ましい。
【0019】
本発明に使用するセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどの混合セメント等が挙げられ、限定するものではないが、多くの場合、通常は普通ポルトランドセメント及び/又は高炉セメントB種が使用される。
【0020】
また、本発明に係る地盤改良セメント組成物のセメント系固化材としては、各種ポルトランドセメントの70質量%以下の範囲内で、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、石灰石微粉末、石膏、ベントナイトなどの微粉末混和材料を含有させて使用しても良い。なかでも、各種ポルトランドセメントに対して0.5〜10質量%、更には1〜5質量%の割合の範囲で、ベントナイトを添加し、含有させて使用するのが好ましい。
【0021】
また、本発明のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤は、各成分を予め所定の割合になるようミキサー等で混合することにより製造することができる。また、その性状は水溶液であっても、粉末状であっても良い。
【0022】
次に、本発明において、本発明の地盤改良添加剤及びそれを用いた地盤改良セメント組成物の使用方法について説明する。すなわち、本発明の地盤改良添加剤を所定割合で含有する地盤改良セメント組成物を、或いは、地盤改良添加剤とセメント系固化材が所定割合になるようにして、ミキサーを用いて、その質量の50〜250%、好ましくは70〜180%の混練水と混合して地盤改良セメント組成物セメントミルクを調製し、該セメントミルクを改良すべき地盤中に注入・混合し、硬化させる方法が基本である。ジェットグラウト工法では通常、改良すべき対象土壌容積の0.1〜1.5倍の容積、好ましくは、0.3〜1.0倍の容積のセメントミルクが高圧ポンプを用いて地盤中に注入・噴射混合されて使用される。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限定されるというものではない。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
【0024】
(1)試験区分1(A成分としての水溶性ビニル共重合体の合成)
<水溶性ビニル共重合体(a−1)の合成>
無水マレイン酸98g(1モル)及び溶媒としてエチルベンゼン640g、分子量調節剤として3−メルカプトプロピオン酸0.6g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル2gを2リットル容量のオートクレーブに仕込み、攪拌しながら均一に溶解したのち雰囲気を窒素置換した。次に、イソブチレン59g(1.05モル)を圧入したのち、反応系の温度を85℃まで加温し、85℃に保ちながらラジカル重合反応を6時間継続して反応を完結した。重合反応終了後、反応系の温度を室温まで冷却し、脱気後、攪拌を止めて沈殿したポリマーを取り出し濾過乾燥して淡黄色粉末状のポリマー141gを得た。分析したところ、無水マレイン酸/イソブチレン=50/50(モル比)の組成割合から成るイソブチレンと無水マレイン酸共重合物であった。
【0025】
次に、この共重合物50g、30%水酸化ナトリウム水溶液51g、水道水102gを攪拌装置及び冷却コンデンサーのついたフラスコに入れ、攪拌ながら加温して均一溶解し、イソブチレンと無水マレイン酸共重合物のアルカリ加水分解物の塩(a−1)からなる固形分濃度30重量%の水溶性ビニル共重合体を得た。これをGPCで分子量を測定したところ、質量平均分子量が19500(プルラン換算)であった。
【0026】
<水溶性ビニル共重合体(a−2)〜(a−4)及び(ar−1)〜(ar−3)の合成>
前記(a−1)の合成と同様にして、水溶性ビニル共重合体(a−2)〜(a−4)及び(ar−1)〜(ar−3)を合成した。以上で合成した水溶性ビニル共重合体の内容を表1に示した。
【0027】
【表1】

【0028】
表1において、
*1:構成単位を形成することとなる単量体の種類
*2:イソブチレン
*3:イソブチレン/1−ペンテン=60/40(モル比)の混合物
*4:ジイソブチレン
【0029】
(2)試験区分2(地盤改良添加剤の調製)
<製造例1>地盤改良添加剤(S−1)の調製
A成分として試験区分1で合成した水溶性ビニル共重合体(a−1)の30%水溶液30部、B成分としてケイ酸ナトリウムの30%水溶液70部を混合して、地盤改良添加剤(S−1)の30%水溶液を調製した。
【0030】
<製造例2〜8及び比較製造例1〜12>地盤改良添加剤(S−2)〜(S−8)及び(R−1)〜(R−11)の調製
製造例1の地盤改良添加剤(S−1)の調製と同様にして、製造例2〜8及び比較製造例1〜11の地盤改良添加剤(S−2)〜(S−8)及び(R−1)〜(R−11)を調製した。
【0031】
以上の各例で調製した地盤改良添加剤の内容を表2にまとめて示した。
【0032】
【表2】

【0033】
表2において、
a−1〜a−4,ar−1〜ar−3:試験区分1で合成した水溶性ビニル重合体等
b−1:メタケイ酸ナトリウム
b−2:メタケイ酸カリウム
b−3:オルトケイ酸ナトリウム
r−1:硫酸ナトリウム
r−2:硝酸ナトリウム
r−3:塩化ナトリウム
【0034】
(3)試験区分3(地盤改良セメント組成物スラリーの流動性付与びその評価)
試験区分2で調製した地盤改良添加剤を用いて次のように地盤改良セメント組成物スラリーを調製し、評価した。
<比較例1>地盤改良添加剤を使用しないで注入率を高くした、表3に記載の配合No.1による地盤改良セメント組成物スラリーの調製
普通ポルトランドセメント(密度=3.16g/cm、以下同じ)30質量%と高炉セメントB種(密度=3.04g/cm、以下同じ)70質量%(合計100質量%)の混合物388g及び水874gをホバートミキサーに入れて均一に混合し、セメントミルクを調製した。このセメントミルクに表4に記載の物性値を有する掘削土1630gを加えて混合し、地盤改良セメント組成物スラリーを調製した。調製した地盤改良セメント組成物スラリーについて、該スラリーの粘度、及び該スラリーの硬化物の一軸圧縮強度を測定し、結果を表5に示した。
【0035】
<実施例1〜10及び比較例2〜16>地盤改良添加剤を使用して注入率を低くした、表3に記載の配合No.2による地盤改良セメント組成物スラリーの調製
普通ポルトランドセメント30質量%と高炉セメントB種70質量%(合計100質量%)の混合物274g、水411g及び表5に記載の使用量(セメント100質量部に対し、地盤改良添加剤を1〜20質量部の割合の範囲で含有する量)となる量の地盤改良添加剤をホバートミキサーに入れて均一に混合し、セメントミルクを調製した。このセメントミルクに表4に記載の物性値を有する掘削土(大阪海成粘土)1630gを加えて混合し、地盤改良セメント組成物スラリーを調製した。
【0036】
調製した地盤改良セメント組成物スラリーについて、該スラリーの粘度、及び該スラリーの硬化物の一軸圧縮強度を測定し、結果を表5に示した。
【0037】
<実施例11〜15及び比較例16〜22>地盤改良添加剤を使用して注入率を低くした、表3に記載の配合No.3による地盤改良セメント組成物スラリーの調製
普通ポルトランドセメント30質量%と高炉セメントB種68質量%とベントナイト2質量%(合計100質量%)の混合物274g、水356g及び表5に記載の使用量(セメント100質量部に対し、地盤改良添加剤を1〜20質量部の割合の範囲で含有する量)となる量の地盤改良添加剤をホバートミキサーに入れて均一に混合し、セメントミルクを調製した。このセメントミルクに表4に記載の物性値を有する掘削土1630gを加えて混合し、地盤改良セメント組成物スラリーを調製した。調製した地盤改良セメント組成物スラリーについて、該スラリーの粘度、及び該スラリーの硬化物の一軸圧縮強度を測定し、結果を表6に示した。
【0038】
【表3】

【0039】
表3において、
*1:ベントナイトを5kg含む値
【0040】
【表4】

【0041】
表4において、
*1:粒子径5μm未満の細粒分粒子
*2:粒子径5μm〜75mm未満のシルト分粒子
*3:粒子径75μm〜2mmの砂分粒子
【0042】
(4)地盤改良セメント組成物スラリーの物性評価
地盤改良セメント組成物スラリーの粘度、該スラリーの硬化物の一軸圧縮強度はつぎのようにして求めた。
【0043】
・粘度:B型粘度計を用い、練り混ぜ直後と30分後に、20℃にて粘度を測定した。測定値が小さいほど粘度が小さく、流動性が優れていることを示す。
【0044】
・一軸圧縮強度試験:JIS−A1108に準拠し、直径50mm×高さ100mmの型枠を用いて成形した成型品について、材齢1日、7日及び28日の圧縮強度(kN/m2)を測定した。
【0045】
【表5】

【0046】
表5において、
*1:土壌1m当たりの使用した地盤改良添加剤の固形分換算値(kg)
*2:セメント100質量部当たりに換算した地盤改良添加剤の質量部
【0047】
【表6】

【0048】
表6において、
*1:土壌1m当たりの使用した地盤改良添加剤の固形分換算値(kg)
*2:セメント100質量部当たりに換算した地盤改良添加剤の質量部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のA成分及びB成分を含有し、A成分10〜95質量%、B成分5〜90質量%の割合(合計100質量%)から成ることを特徴とするジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
A成分:炭素数3〜8のオレフィンと無水マレイン酸との共重合物をアルカリ加水分解した質量平均分子量2000〜50000の水溶性ビニル共重合体
B成分:ケイ酸アルカリ金属塩
【請求項2】
A成分が20〜90質量%、B成分が10〜80質量%の割合(合計100質量%)である請求項1記載のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
【請求項3】
A成分の炭素数3〜8のオレフィンが炭素数4のオレフィンである請求項1又は2記載のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
【請求項4】
炭素数4のオレフィンがイソブチレンである請求項3記載のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
【請求項5】
水溶性ビニル共重合体の質量平均分子量が3000〜35000である請求項1〜4のいずれか一つの項記載のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
【請求項6】
B成分のケイ酸アルカリ金属塩がメタケイ酸ナトリウムである請求項1〜5のいずれか一つの項記載のジェットグラウト工法用地盤改良添加剤。
【請求項7】
セメント系固化材100質量部に対し、請求項1〜6のいずれかに記載のジェットグラウト工法用地盤改良用添加剤を0.5〜20質量部の割合で含有するジェットグラウト工法用地盤改良セメント組成物。
【請求項8】
セメント系固化材として普通ポルトランドセメント及び/又は高炉セメントを使用する請求項7記載のジェットグラウト工法用地盤改良セメント組成物。
【請求項9】
セメント系固化材としてベントナイトを0.5〜10質量%の割合で含有するセメント系固化材を使用する請求項7又は8記載のジェットグラウト工法用地盤改良セメント組成物。



【公開番号】特開2007−92015(P2007−92015A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−28448(P2006−28448)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(000003182)株式会社トクヤマ (839)
【出願人】(000210654)竹本油脂株式会社 (138)
【Fターム(参考)】