説明

スイッチ回路

【課題】接点スイッチの仕様が変わっても回路変更が必要なくコストダウンを図ったスイッチ回路を提供する。
【解決手段】電流可変回路9が、接点スイッチ3に対して直列接続される。電流可変回路9は、互いに並列接続された複数の抵抗R1、R2、R3と、この複数の抵抗R1、R2、R3に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3と、を備えている。この電流可変回路9は、トランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3のオンオフによって接点スイッチ3がオンのときに当該接点スイッチ3に流れる電流を可変にする。そして、制御ユニットが、接点スイッチ3の仕様に応じた電流が接点スイッチ3に流れるように電流可変回路9を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ回路に係り、接点スイッチと、前記接点スイッチに直列接続された抵抗と、前記接点スイッチ及び前記抵抗成分に直流電圧を印加する電源と、を備えたスイッチ回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ランプやモータなどの各種負荷の制御のための入力は、リレーなどの接点スイッチを用いて行われることが多い。例えば、自動車で各種負荷の制御を行うためには、これら負荷の制御を司る制御装置である制御ユニットに制御用の入力信号を与えるために、各種センサとともに機械的にオンオフする接点スイッチが用いられている。
【0003】
この接点スイッチのオンオフを検出するために、従来では、接点スイッチに直列に接続された抵抗と、互いに直列接続された接点スイッチ及び抵抗の両端に直流電圧を印加する電源と、を備えたスイッチ回路としてのオンオフ検出回路を設けている。そして、接点スイッチ及び抵抗の接続点電圧に基づいて接点スイッチのオンオフの判定を行っている。
【0004】
しかしながら、上述したオンオフ検出回路では、上記接点スイッチの仕様変更があり、接点スイッチがオンのときにその接点スイッチに流れる電流を変更する必要があった場合、オンオフ検出回路の回路変更が必要となり、コスト的に問題がある。
【0005】
また、上記接点スイッチは、使用年数の経過に応じて腐食などの劣化が生じる恐れがある。このように劣化した場合、スイッチを交換する必要が発生する。従来では、接点スイッチに定期的に大電流を流して接点スイッチの腐食、劣化を防止する腐食防止回路も考えられているが、接点スイッチの仕様変更があった場合は回路変更が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−96637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、接点スイッチの仕様が変わっても回路変更が必要なくコストダウンを図ったスイッチ回路を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するための請求項1記載の発明は、接点スイッチと、前記接点スイッチに直列接続された抵抗と、前記接点スイッチ及び前記抵抗に直流電圧を印加する電源と、を備えたスイッチ回路において、前記接点スイッチに対して直列接続された前記接点スイッチがオンのときに当該接点スイッチに流れる電流を可変にする電流可変回路と、前記接点スイッチの仕様に応じた電流が前記接点スイッチに流れるように前記電流可変回路を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とするスイッチ回路に存する。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記電流可変回路が、互いに並列接続された複数の前記抵抗と、前記複数の抵抗に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のスイッチ手段と、を備え、前記制御手段が、前記複数のスイッチ手段のオンオフを制御することにより前記電流可変回路を制御することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路に存する。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記電流可変回路が、互いに並列接続された複数の定電流回路と、前記複数の定電流回路に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のスイッチ手段と、を備え、前記制御手段が、前記複数のスイッチ手段のオンオフを制御することにより前記電流可変回路を制御することを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路に存する。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記接点スイッチの使用時間をカウントする第1タイマーをさらに備え、前記制御手段が、前記第1タイマーによりカウントされた使用時間に応じて前記接点スイッチに流れる電流が増加するように前記電流可変抵抗を制御することを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載のスイッチ回路に存する。
【0012】
請求項5記載の発明は、車両の停車時間をカウントする第2タイマーをさらに備え、前記制御手段が、前記第2タイマーによりカウントされた停車時間が所定時間を越えると、前記接点スイッチに流れる電流が増加するように前記電流可変回路を制御することを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載のスイッチ回路に存する。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記抵抗と前記接点スイッチとの接続点の電圧に基づいて前記接点スイッチのオンオフを判定するオンオフ判定手段と、前記接点スイッチのオンオフに応じて負荷の駆動を制御する制御信号を出力する制御装置と、前記制御装置と前記接点スイッチとを接続するコネクタと、を備え、前記コネクタが、前記電流可変回路及び前記オンオフ判定手段を内蔵していることを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載のスイッチ回路に存する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、電流可変回路が、接点スイッチに対して直列接続され、接点スイッチがオンのときに当該接点スイッチに流れる電流を可変にし、制御手段が、接点スイッチの仕様に応じた電流が接点スイッチに流れるように電流可変回路を制御するので、接点スイッチの仕様が変わっても回路変更が必要なくコストダウンを図ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、電流可変回路が、互いに並列接続された複数の抵抗と、複数の抵抗に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のスイッチ手段と、を備えているので、簡単な構成で接点スイッチに流す電流を可変にすることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、電流可変回路が、互いに並列接続された複数の定電流回路と、複数の定電流回路に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のスイッチ手段と、を備えているので、簡単な構成で接点スイッチに流す電流を可変にすることができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、第1タイマーによりカウントされた使用時間に応じて接点スイッチに流れる電流が増加するように、制御手段が電流可変抵抗を制御するので、経年変化により接点スイッチに腐食が生じても電流を多めに流すことにより腐食を改善することができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、制御手段が、第2タイマーによりカウントされた停車時間が所定時間を越えると、接点スイッチに流れる電流が増加するように電流可変回路を制御するので、長時間、車両が停止されて接点スイッチがオンされずに腐食が生じても電流を多めに流すことにより腐食を改善することができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、制御装置と接点スイッチとを接続するコネクタ内に電流可変回路及びオンオフ判定手段を内蔵されているので、制御装置の負担が軽くなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のスイッチ回路としての接点スイッチのオンオフ判定回路を組み込んだ負荷制御装置の一実施形態を示す回路図である。
【図2】図1に示すコネクタの詳細な回路図である。
【図3】(A)は図1に示すコネクタの外観斜視図であり、(B)は(A)のA−A線断面図である。
【図4】図1に示すコネクタ内に内蔵されたCPUのフローチャートである。
【図5】他の実施形態における図1に示すコネクタの詳細な回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のスイッチ回路としてのオンオフ判定回路を組み込んだ負荷制御装置の図1〜図3に基づいて説明する。図1は、本発明のスイッチ回路としての接点スイッチのオンオフ判定回路の一実施形態を示す回路図である。図2は、図1に示すコネクタの詳細な回路図である。図3(A)は図1に示すコネクタの外観斜視図であり、図3(B)は図3(A)のA−A線断面図である。
【0022】
同図に示す負荷制御装置1は、接点スイッチ3のオンオフに応じて車両に搭載された負荷の駆動を制御するものである。図1に示すように、負荷制御装置1は、電源としてのバッテリ2と、このバッテリ2などから電源供給を受けて動作する図示しない負荷と、車両の各部に配置された接点スイッチ3と、この接点スイッチ3のオンオフに応じて負荷の駆動を制御する制御装置としての制御ユニット4と、これら接点スイッチ3及び制御ユニット4間を接続するコネクタ5と、接点スイッチ3の使用時間をカウントする第1タイマー6と、車両の停車時間をカウントする第2タイマー7と、を備えている。
【0023】
上記バッテリ2は、鉛電池の他、リチウム電池といった二次電池を用いている。なお、上記負荷制御装置1としては、車両に搭載されていない負荷の駆動を制御するものも考えられ、この場合は、バッテリ2としては一次電池であってもよい。上記図示しない負荷は、車両に搭載されたランプや電動モータなどの負荷であり、上記制御ユニット4に接続されている。上記接点スイッチ3は、機械的に開閉する接点が設けられたスイッチであり、車両の乗員によって図示しない負荷を駆動するための操作部が操作されるとオフからオンに遷移する入力スイッチである。
【0024】
この接点スイッチ3には、図2に示すように後述する抵抗R1、R2、R3が直列接続されていて、この互いに直列接続された接点スイッチ3及び抵抗R1、R2、R3の両端には、バッテリ2からの電源電圧VBが印加されている。従って、この接点スイッチ3と抵抗R1、R2、R3との接続点電圧Vsは、接点スイッチ3がオンすると、グランド電位となり、接点スイッチ3がオフするとバッテリ2の電源電圧VBとなる。
【0025】
なお、上記接点スイッチ3は、説明を簡単にするために図1においては、1つの制御ユニット4に対して1つ設けられているが、実際には1つの制御ユニット4に対して複数設けられていることが多い。また、後述するコネクタ5には1つの接点ユニット3しか接続されていないが、2つ以上の接点スイッチ3を接続してもよい。
【0026】
上記制御ユニット4には、例えばマイクロコンピュータなどからなり、制御手段として働き負荷制御装置1全体の制御を司る。また、制御ユニット4には、バッテリ2からの電源電圧VBが供給されていて、制御ユニット4は、このバッテリ2からの電源電圧VBの供給を受けて動作する。また、上記制御ユニット4の図示しないメモリには、予めこの制御ユニット4に接続されている接点スイッチ3の仕様が記録されている。ここで接点スイッチ3の仕様とは、この接点スイッチ3に流すべき電流値であり、例えば5mA、10mA、20mAと仕様が決まっている。
【0027】
上記コネクタ5は、図1及び図2に示すように、制御ユニット4に接続された電線である電源ラインL1、グランドラインL2及び信号ラインL3の端末に取り付けられている。コネクタ5は、接点スイッチ3の両端から引き出された電線に取り付けられた図示しないコネクタとコネクタ接続して、接点スイッチ3及び制御ユニット4間を電気的に接続する。
【0028】
また、このコネクタ5は、図2に示すように、電流可変回路9と、CPU10と、を備えている。電流可変回路9は、接点スイッチ3に対して直列接続され接点スイッチ3がオンしたときに接点スイッチ3に流れる電流を可変にする回路である。
【0029】
上記電流可変回路9は、上述した複数の抵抗R1、R2、R3と、複数のトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3と、を備えている。抵抗R1、R2、R3は、互いに異なる抵抗値であり、抵抗R1の抵抗値が一番大きく、次に、抵抗R2、抵抗R3の順に小さい(R1>R2>R3)。また、上記抵抗R1、R2、R3は、一端が電源ラインL1に接続され、他端が後述するトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3のコレクタ−エミッタ間を介して接点スイッチ3に接続されている。即ち、抵抗R1、R2、R3は、互いに並列接続されると共に接点スイッチ3に直列接続されている。
【0030】
上記トランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3は各々、コレクタが上記抵抗R1、R2、R3の他端に接続され、エミッタが接点スイッチ3の一端に接続され、ベースがCPU10に接続されている。即ち、トランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3は、上記抵抗R1、R2、R3に直列接続されると共に互いに並列接続されている。
【0031】
上記トランジスタスイッチTr1をオン、トランジスタスイッチTr2、Tr3をオフすると、抵抗R1のみが接点スイッチ3に直列接続されて、接点スイッチ3にはVB/R1の電流が流れる。また、トランジスタスイッチTr2をオン、トランジスタスイッチTr1、Tr3をオフとすると、抵抗R2のみが接点スイッチ3に直列接続されて、接点スイッチ3にはVB/R2の電流が流れる。トランジスタスイッチTr3をオン、トランジスタスイッチTr1、Tr2をオフとすると、抵抗R3のみが接点スイッチ3に直列接続されて、接点スイッチ3にはVB/R3の電流が流れる。
【0032】
上記VB/R1、VB/R2、VB/R3が5mA、10mA、20mAとなるように抵抗R1、R2、R3の抵抗値を設定すると、電流可変回路9は、トランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3のオンオフを制御することにより、オン時の接点スイッチ3に流れる電流を5mA、10mA、20mAと変えることができる。接点スイッチ3が複数設けられている場合、上記電流可変回路9は、接点スイッチ3毎に設けられている。
【0033】
上記CPU10は、電源ラインL1及びグランドラインL2に接続されていて、バッテリ2からの電源供給を受けて動作する。また、上記CPU10は、信号ラインL3に接続されていて、制御ユニット4と通信可能に設けられている。また、CPU10は、トランジスタTr1、Tr2、Tr3のベースに接続されていて、後述する制御ユニット4からの命令に従ってトランジスタTr1、Tr2、Tr3のオンオフをする。さらに、CPU10は、抵抗R1、R2、R3と接点スイッチ3との接続点電圧Vsが入力され、この接続点電圧Vsに基づいて接点スイッチ3のオンオフを検出し、その結果を信号ラインL3を介して制御ユニット4に送信する。
【0034】
上記コネクタ5は、図3に示すように、バッテリ2の電源電圧VBのプラス側が供給される電源用端子金具51と、バッテリ2の電源電圧VBのマイナス側が供給されるグランド端子金具52と、制御ユニット4側の信号ラインL3が接続される通信用端子金具53と、接点スイッチ3の両端が各々接続されるスイッチ用端子金具54、55と、封止体56と、これら端子金具51〜55及び封止体56を収容するコネクタハウジング57と、を備えている。
【0035】
上記電源用端子金具51は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体56内に挿入され、他端が封止体56の互いに対向する一対の面の一方からそれぞれ突出している。この電源用端子金具51の端末には、圧接端子が形成されていて、その圧接端子に電源ラインL1が圧接されている。
【0036】
上記グランド用端子金具52は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体56内に挿入され、他端が封止体56の互いに対向する一対の面の一方から突出している。このグランド端子52の端末には、圧接端子が形成されていて、その圧接端子にグランドラインL2が圧接されている。
【0037】
上記通信用端子金具53は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体56内に挿入され、他端が封止体56の互いに対向する一対の面の一方から突出している。通信用端子金具53の端末には、圧接端子が形成されていて、その圧接端子に信号ラインL3が圧接されている。
【0038】
上記スイッチ用端子金具54、55は、導電性の金属から構成されていて、一端が後述する封止体56内に挿入され、他端が封止体56の互いに対向する一対の面の他方からそれぞれ突出している。上記封止体56は、図2に示すCPU10、電流可変回路9が内蔵されたチップ58と、これら端子金具51〜55の一端と、をワイヤボンディングして接続した状態で、樹脂封止している。
【0039】
上記コネクタハウジング57は、これら端子金具51〜55及び封止体56を収容している。上記コネクタハウジング57は、扁平な四角筒状に設けられていて、一方の開口から電源用端子金具51、グランド用端子金具52及び通信用端子金具53が露出され、他方の開口からスイッチ用端子金具54、55が露出されている。
【0040】
また、コネクタハウジング57の筒長さ方向の他方には、接点スイッチ3側に接続したスイッチ側コネクタのハウジングが進入し嵌合するフード部57aが設けられている。このフード部57aにスイッチ側コネクタのハウジングが嵌合されると、スイッチ用端子金具54、55に接点スイッチ3の両端が各々接続される。
【0041】
上記第1タイマー6は、例えば接点スイッチ3が自動車に搭載されたときから一定期間計時する毎に、その旨を制御ユニット4に対して送信する。第2タイマー7は、車両の停車期間、即ち車両のイグニッションスイッチがオフの期間をカウントして、そのカウント値を制御ユニット4に対して送信する。
【0042】
なお、上記コネクタ5及び接点スイッチ3は、1本の電源ラインL1、グランドラインL2及び信号ラインL3に1つ取り付けられていたが、例えば1つの電源ラインL1、グランドラインL2及び信号ラインL3に複数取り付けても良い。
【0043】
次に、上述した構成の負荷制御装置1の動作について説明する。まず、上記CPU10は、イグニッションスイッチのオンに応じてオンオフ判定手段として働き、オンオフ判定処理を行う。オンオフ判定処理において、CPU10は、接続点電圧Vsがバッテリ2の電源電圧VBと等しいときに接点スイッチ3のオンを検出し、接続電圧Vsがグランド電圧と等しいときに接点スイッチ3のオフを検出し、その結果を信号ラインL3を介して制御ユニット4に送信する。
【0044】
制御ユニット4は、コネクタ5から送信される接点スイッチ3のオンオフに応じて図示しない負荷のオンオフを制御する。また、制御ユニット4は、この負荷のオンオフ制御と並列して、接点スイッチ3に流れる電流を制御する電流制御処理(図4)を行っている。制御ユニット4は、車両に搭載されてバッテリ2からの電源供給に応じて電流制御処理を開始する。最初のステップS1において、制御ユニット4は、各接点スイッチ3宛にその接点スイッチ3の仕様に応じた電流値を示す電流制御信号を信号ラインL3を介してコネクタ5内のCPU10に対して送信する。
【0045】
次に、制御ユニット4は、第1タイマー6から一定期間の計時が終了した旨を受信すると(ステップS2でY)、各接点スイッチ3宛にその接点スイッチ3の仕様に応じた電流値を一段上げた電流値を示す電流制御信号を信号ラインL3を介してコネクタ5内のCPU10に対して送信する(ステップS8)。具体的には、制御ユニット4は、仕様では5mA流す必要のある接点スイッチ3宛には一段上げた10mAを示す電流制御信号を送信する。
【0046】
その後、制御ユニット4は、コネクタ5内のCPU10から接点スイッチ3がオンになった旨を受信すると(ステップS9でY)、オンになった接点スイッチ3宛にその接点スイッチ3の仕様に応じた電流値を送信した後(ステップS10)、ステップS2に戻る。このステップS9及びS10により、ステップS8で接点スイッチ3に流れる電流が一段上げられても、接点スイッチ3が実際にオンして一段上げた電流が流れた後、元の仕様に応じた電流値が流れるようにできる。
【0047】
一方、制御ユニット4は、第1タイマー6から一定期間の計時が終了した旨を受信しなければ(ステップS2でN)、次に、イグニッションスイッチがオフ、又は、ドアが施錠させて車両が停車したか否かを判定する(ステップS3)。停車していなければ(ステップS3でN)、制御ユニット4は直ちにステップS9に進む。
【0048】
一方、停車していれば(ステップS3でY)、制御ユニット4は、第2タイマー7の計時を開始させる(ステップS4)。その後、イグニッションスイッチがオンになったり、ドアロックが解除されて停車が終了したと判定されるのを待って(ステップS5でY)、制御ユニット4は、第2タイマー7のカウント値が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS6)。第2タイマー7のカウント値は、車両の停車時間である。
【0049】
所定時間以上であれば(ステップS6でY)、制御ユニット4は、第2タイマー7をリセットすると共に第2タイマー7による計時を終了して、上記ステップS8に進む。一方、所定時間未満であれば(ステップS6でN)、制御ユニット4は、直ちにステップS9に戻る。
【0050】
コネクタ5内のCPU10は、制御ユニット4から電流制御信号を受け取り、受け取った電流制御信号の宛先が自身に接続されている接点スイッチ3である毎に、受け取った電流制御信号の宛先である接点スイッチ3に電流制御信号が示す電流値が流れるように、宛先の接点スイッチ3に対応して設けた電流可変回路9内のトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3を制御する。
【0051】
上述した負荷制御装置1によれば、電流可変回路9が、接点スイッチ3に対して直列接続され、接点スイッチ3がオンのときに当該接点スイッチ3に流れる電流を可変にし、CPU10が、制御ユニット4から受信した接点スイッチ3の仕様に応じた電流が接点スイッチ3に流れるように電流可変回路9を制御するので、接点スイッチ3の仕様が変わっても回路変更が必要なくコストダウンを図ることができる。
【0052】
また、上述した負荷制御装置1によれば、電流可変回路9が、互いに並列接続された複数の抵抗R1、R2、R3と、複数の抵抗R1、R2、R3に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3と、を備えているので、簡単な構成で接点スイッチ3に流す電流を可変にすることができる。
【0053】
また、上述した負荷制御装置1によれば、第1タイマー6が一定期間計時する毎に接点スイッチ3に流れる電流値を一段上げることができるので、経年変化により接点スイッチ3に腐食が生じても電流を多めに流すことにより接点スイッチ3の接点に形成された酸化被膜を破壊して腐食を改善することができる。
【0054】
また、上述した負荷制御装置1によれば、制御ユニット4が、第2タイマー7によりカウントされた停車時間が所定時間を越えると、接点スイッチ3に流れる電流が増加するように電流可変回路を制御するので、長時間、車両が停止されて接点スイッチ3がオンされずに腐食が生じてもその後、接点スイッチ3がオンされたときに電流を多めに流すことにより腐食を改善することができる。
【0055】
また、上述した負荷制御装置1によれば、制御ユニット4と接点スイッチ3とを接続するコネクタ5内に電流可変回路9が内蔵され、コネクタ5内のCPU10がオンオフ判定を行うので、制御ユニット4の負担が軽くなる。
【0056】
なお、上述した実施形態によれば、コネクタ5内に電流可変回路9を内蔵すると共に、内蔵されたCPU10で接点スイッチ3のオンオフ判定を行っていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、コネクタ5に電流可変回路9及びCPU10を内蔵させずに、制御ユニット4内に電流可変回路9を内蔵させ、制御ユニット4で直接接点スイッチ3のオンオフを判定できるようにしてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態によれば、コネクタ5内に内蔵された電流可変回路9は、図2に示すように、抵抗R1、R2、R3及びトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3から構成されていたが、本発明はこれに限ったものではない。電流可変回路9としては、接点スイッチ3に流れる電流を可変にできる構成であればよく、例えば、図5に示すように、複数の互いに異なる定電流回路81、82、83と、この定電流回路81、82、83に接続されたトランジスタスイッチTr1、Tr2、Tr3から構成されていてもよい。この定電流回路81、82、83が供給する電流I1、I2、I3は、例えばI1=5mA、I2=10mA、I3=20mAのように定められている。この定電流回路81、82、83としては、カレントミラー回路など周知の定電流回路が考えられる。また、この定電流回路81、82、83が有する抵抗成分が請求項中の抵抗に相当する。
【0058】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 負荷制御装置(スイッチ回路)
2 バッテリ
3 接点スイッチ
4 制御ユニット
6 第1タイマー
7 第2タイマー
9 電流可変回路
10 CPU(オンオフ判定手段)
R1 抵抗
R2 抵抗
R3 抵抗
Tr1 トランジスタスイッチ(スイッチ手段)
Tr2 トランジスタスイッチ(スイッチ手段)
Tr3 トランジスタスイッチ(スイッチ手段)
81 定電流回路
82 定電流回路
83 定電流回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点スイッチと、前記接点スイッチに直列接続された抵抗と、前記接点スイッチ及び前記抵抗に直流電圧を印加する電源と、を備えたスイッチ回路において、
前記接点スイッチに対して直列接続された前記接点スイッチがオンのときに当該接点スイッチに流れる電流を可変にする電流可変回路と、
前記接点スイッチの仕様に応じた電流が前記接点スイッチに流れるように前記電流可変回路を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするスイッチ回路。
【請求項2】
前記電流可変回路が、互いに並列接続された複数の前記抵抗と、前記複数の抵抗に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のスイッチ手段と、を備え、
前記制御手段が、前記複数のスイッチ手段のオンオフを制御することにより前記電流可変回路を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項3】
前記電流可変回路が、互いに並列接続された複数の定電流回路と、前記複数の定電流回路に各々直列接続されると共に互いに並列接続された複数のスイッチ手段と、を備え、
前記制御手段が、前記複数のスイッチ手段のオンオフを制御することにより前記電流可変回路を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチ回路。
【請求項4】
前記接点スイッチの使用時間をカウントする第1タイマーをさらに備え、
前記制御手段が、前記第1タイマーによりカウントされた使用時間に応じて前記接点スイッチに流れる電流が増加するように前記電流可変抵抗を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3何れか1項に記載のスイッチ回路。
【請求項5】
車両の停車時間をカウントする第2タイマーをさらに備え、
前記制御手段が、前記第2タイマーによりカウントされた停車時間が所定時間を越えると、前記接点スイッチに流れる電流が増加するように前記電流可変回路を制御する
ことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載のスイッチ回路。
【請求項6】
前記抵抗と前記接点スイッチとの接続点の電圧に基づいて前記接点スイッチのオンオフを判定するオンオフ判定手段と、
前記接点スイッチのオンオフに応じて負荷の駆動を制御する制御信号を出力する制御装置と、
前記制御装置と前記接点スイッチとを接続するコネクタと、を備え、
前記コネクタが、前記電流可変回路及び前記オンオフ判定手段を内蔵している
ことを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載のスイッチ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−138835(P2012−138835A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290930(P2010−290930)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】