説明

スカラロボット

【課題】ワークを組み付けるサイクルタイムを短縮し、ワークの組み付け精度を高められるスカラロボットを提供する。
【解決手段】第一回転軸11を中心に回動する第一アーム21と、この第一アーム21の先端部23に設けられる第二回転軸31と、この第二回転軸31を中心に回動する第二アーム41とを備え、この第二アーム41の先端部43ハンドリング部51が設けられ、第一アーム21と第二アーム41とをそれぞれ回動させることによってこのハンドリング部51を少なくとも2次元方向に移動するスカラロボット1であって、第二アーム41の長さL2を第一アーム21の長さL1より短くし、第一アーム21に凹状に窪むハンドリング凹部35を形成し、第二アーム41が一方に回動することによりハンドリング部51がこのハンドリング凹部35に収まる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば生産ラインにおいてワークの組み付け等を行うスカラロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スカラロボット(水平多関節ロボット)は、特定の方向(XY方向)にコンプライアンスを持ち、それ以外の方向(Z方向)に高い剛性を持つアームを備え、主に生産ラインにおいてワークの組み付け作業を自動化するのに用いられる(特許文献1、2参照)。
【0003】
従来、この種のスカラロボットとして、図6に示すものがある。
【0004】
このスカラロボット100は、人間の腕に近い構造を持つ第一アーム121と第二アーム141とを備えており、第二アーム141の先端部にハンドリング部151が設けられ、このハンドリング部151を介して例えばワークの組み付け作業や配置作業等を行うものである。
【0005】
第一アーム121と第二アーム141は、それぞれ直線状に延びる片持ち梁として形成され、第一アーム121は第一回転軸111を介して回動し、第二アーム141は第二回転軸131を介して回動する。
【0006】
第一アーム121の長さL121と第二アーム141の長さL141は同等に形成される。
【0007】
図6の(a)に示すように、スカラロボット100の伸張状態では第一アーム121と第二アーム141とが直線上に延びる。
【0008】
図6の(b)(c)に示すように、スカラロボット100の最収縮状態では、第一アーム121と第二アーム141とが折り畳まれる。
【特許文献1】特開2002−307365号公報
【特許文献2】特開2003−285284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような従来のスカラロボット100では、図6の(b)(c)に示すように最収縮状態において、ハンドリング部151が第一アーム121と干渉しないように第二アーム141の回動範囲が制限されるため、ハンドリング部151を第一アーム121と重合する位置に移動できない。
【0010】
図6の(b)(c)に示すスカラロボット100の最収縮状態においても、ハンドリング部151は第一アーム121の側方に位置し、ハンドリング部151、第二アーム141に働く重力により第一アーム121、第二アーム141が撓むため、ワークの組み付け精度が悪化する可能性がある。
【0011】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ワークを組み付けるサイクルタイムを短縮し、ワークの組み付け精度を高められるスカラロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、第一回転軸と、第一回転軸を中心に回動する第一アームと、この第一アームの先端部に設けられる第二回転軸と、この第二回転軸を中心に回動する第二アームとを備え、この第二アームの先端部にハンドリング部が設けられ、第一アームと第二アームとをそれぞれ回動させることによってこのハンドリング部を少なくとも2次元方向に移動するスカラロボットであって、第二アームの長さを第一アームの長さより短くし、第一アームに凹状に窪むハンドリング凹部を形成し、このハンドリング凹部を第二アームと第一アームが折り畳まれる収縮状態にてハンドリング部が到達する領域に配置し、第二アームが一方に回動することによりハンドリング部がこのハンドリング凹部に収まることを特徴とするものとした。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、スカラロボットは、第二アームの長さを第一アームの長さより短くし、第二アームが第一アームに比べて小型軽量化されるため、第一アームに比べて作動頻度が高い第二アームの作動速度を高められることにより、ワークを搬送するサイクルタイムを短縮することができる。
【0014】
スカラロボットは、ハンドリング部を移動できる領域がハンドリング凹部を介して拡大され、ハンドリング部がワークを第一回転軸と第二回転軸の間に搬送することが可能となる。
【0015】
スカラロボットの最収縮状態にてハンドリング部がハンドリング凹部に収まることにより、スカラロボットの重量バランスが改善され、ハンドリング部の位置及び姿勢を精度よく制御することが可能となり、ワークの組み付け精度を高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1はスカラロボット1の全体図である。ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸がほぼ水平前後方向、Y軸がほぼ水平横方向、Z軸がほぼ垂直方向に延びるものとし、スカラロボット1の構成を説明する。
【0018】
スカラロボット1は、人間の腕に近い構造を持つ第一アーム21と第二アーム41とを備えており、第二アーム41の先端部43に設けられるハンドリング部51を介して例えばワークの組み付け作業等を行うものである。
【0019】
スカラロボット1は、架台2上に設置される支持台5と、この支持台5に対して第一アーム21を回動可能に支持する第一回転軸11と、第一アーム21に対して第二アーム41に回動可能に支持する第二回転軸31とを備える。この第一回転軸11と第二回転軸31とはZ軸方向に延び、第一アーム21と第二アーム41はそれぞれX軸とY軸とを含むほぼ水平方向(XY方向)に回動する。
【0020】
第一アーム21の関節となる第一回転軸11は、支持台5にベアリング12を介して回転可能に支持され、第一アームモータ13によって回転駆動される。
【0021】
第一アームモータ13は、架台2の下側に設置される。なお、これに限らず、第一アームモータ13を支持台5の内側に設けても良い。
【0022】
第一回転軸11の上端部には第一アーム21の基端部22が連結される。平板状をした第一アーム21は第一回転軸11に対して直交するように固定される。
【0023】
第二アーム41の関節となる第二回転軸31は、第一アーム21の先端部23にベアリング32を介して回転可能に支持され、第二アームモータ33によって回転駆動される。
【0024】
第二アームモータ33は、第一アーム21の上側に支持板36を介して設置され、第二回転軸31の下端部には第二アーム41の基端部42が連結される。平板状をした第二アーム41は第一アーム21の下側に設けられ、第二回転軸31に対して直交するように固定される。第一アーム21と第二アーム41はZ軸方向にオフセットされ、互いに平行に並んで干渉しないようになっている。
【0025】
なお、これに限らず、第二アームモータ33を第二アーム41の下側に設け、第一アーム21を第二アーム41の上側に設けても良い。
【0026】
第二アーム41の先端部43にはハンドリング部51が設けられる。ハンドリング部51はアクチュエータ53によって図1に矢印で示すように開閉駆動される一対のチャックハンド52を備え、このチャックハンド52が閉じてワークを把持し、チャックハンド52が開いてワークを離すようになっている。
【0027】
アクチュエータ53は第二アーム41の上側に設けられ、チャックハンド52は第二アーム41の下側に設けられる。
【0028】
なお、これに限らず、アクチュエータ53を第二アーム41の下側に設け、チャックハンド52を第二アーム41の上側に設けても良い。
【0029】
また、ハンドリング部51はワークを把持するものに限らず、ワークを加工する加工機や他の装置でも良い。
【0030】
第一アームモータ13と第二アームモータ33は、サーボモータが用いられる。第一アームモータ13と第二アームモータ33とハンドリング部51の作動は図示しないコントローラによって制御される。
【0031】
以上のように、スカラロボット1は、コントローラの指令に基づいて第一アーム21と第二アーム41がそれぞれ連係して回動してハンドリング部51を所定の位置に移動し、そこでハンドリング部51が作動してワークを把持したり、ワークを離すことにより、ワークを製品に組み付ける。
【0032】
図2の(a)、(b)、(c)は、スカラロボット1の動作を示す平面図である。
【0033】
第一アーム21は、コの字形の片持ち梁として形成され、その中程に凹状に窪むハンドリング凹部35を有する。このハンドリング凹部35は、第二アーム41と第一アーム21が折り畳まれる収縮状態にてハンドリング部51が到達する領域に形成される。
【0034】
平板状をした第一アーム21は、第一回転軸11が連結される基端部22と、第二回転軸31が連結される先端部23と、この基端部22と先端部23を結ぶ梁部34とを有し、基端部22と先端部23と梁部34との間にハンドリング部51に係合する矩形のハンドリング凹部35が形成される。
【0035】
ここで、X軸とY軸とを含む平面図(図2)上にて、第一回転軸11の回転中心O11と第二回転軸31の回転中心O31を結ぶ直線を第一アーム中心線C1とすると、梁部34が第一アーム中心線C1に対してオフセットされ、ハンドリング凹部35を第一アーム中心線C1と交差するように配置される。
【0036】
なお、第一アーム21は、上記の形状に限らず、例えばほぼ円弧状に湾曲する片持ち梁として形成し、その中程に凹状に窪むハンドリング凹部を有する構造としても良い。
【0037】
一方、第二アーム41は、片持ち梁として形成される。平板状をした第二アーム41は、第二回転軸31が連結される基端部42と、ハンドリング部51が連結される先端部43とが形成される。
【0038】
ここで、平面図(図2)上にて、第二回転軸31の回転中心O31とハンドリング部51の中心O51を結ぶ直線を第二アーム中心線C2とすると、第二アーム中心線C2の長さL2を第一アーム中心線C1の長さL1より短くし、図2の(b)に示すように、第二アーム41が回動するのに伴って、ハンドリング部51のアクチュエータ53が第一アーム21のハンドリング凹部35に係合するように形成される。
【0039】
ハンドリング凹部35は第一アーム21の第二回転軸31から第二アーム41のロボットハンド長L2だけ離れた部位を中心として形成される。
【0040】
図2の(a)は、スカラロボット1が最伸長した状態を示す。このとき、第一アーム中心線C1と第二アーム中心線C2とが同一直線上に延び、第一回転軸11の回転中心O11からハンドリング部51の中心O51までのロボットハンド長はL1+L2となって最大値となる。
【0041】
図2の(b)は、スカラロボット1が最収縮した状態を示す。このとき、第一回転軸11と第二回転軸31とハンドリング部51とがほぼ直線上に並ぶ。すなわち、第一アーム中心線C1と第二アーム中心線C2とが同一直線上にて重合するように延び、第一回転軸11の回転中心O11が第一アーム中心線C1上に位置する。これにより、第一回転軸11の回転中心O11からハンドリング部51の中心O51までのロボットハンド長はL1−L2となって最小値となる。
【0042】
したがって、第二アーム41が、図1に矢印で示すように、図2の(a)に示す最伸長状態から図2の(b)に示す最収縮状態まで回動する角度はほぼ180°と最大になり、ハンドリング部51の中心O51が移動する距離は最大値L2+L2が確保される。
【0043】
また、スカラロボット1の最収縮状態において、ハンドリング部51がハンドリング凹部35に収まることにより、ハンドリング部51と第二アーム41に働く重力によって第一アーム21と第二アーム41が捩れ方向と曲げ方向に撓むことを最小限に抑えられ、ハンドリング部51の位置及び姿勢を精度よく制御することが可能となる。この最収縮状態において、ハンドリング部51がワークを組み付ける構成とすることにより、ワークの組み付け精度を高められる。
【0044】
図2の(c)は、第二アーム41が展開方向(図2にて時計回り方向)に最大に回動した最展開状態を示す。このとき、ハンドリング部51のアクチュエータ53が第一アーム21に干渉しない寸前の位置にある。
【0045】
このため、第二アーム41が図2の(a)に示す最伸長状態から図2の(c)に示す最展開状態まで回動する角度は180°より小さい。
【0046】
スカラロボット1は、第二アーム41が図2の(a)、(b)、(c)に示すように第二回転軸31の回転中心O31について回動するとともに、第一アーム21が第一回転軸11の回転中心O11について360°の角度範囲で回動することにより、第一アーム21の基端部22に近接する領域を除く広い範囲でハンドリング部51を移動することができる。
【0047】
第二アーム中心線C2の長さL2を第一アーム中心線C1の長さL1より短くすることにより、上記のように第一アーム21の基端部22に近接する領域にハンドリング部51を移動できないが、この領域に支持台5を設けることにより、ハンドリング部51が支持台5に干渉することが回避される。
【0048】
さらに、第二アーム41の長さL2を第一アーム21の長さL1の半分程度に短くすることにより、第二アーム41の慣性質量が大幅に低減されるため、第二アームモータ33が第二アーム41を回動する速度を高められ、ハンドリング部51を介してワークが水平方向に搬送されるサイクルタイムを短縮することができる。
【0049】
以上のように本発明は、第一回転軸11と、第一回転軸11を中心に回動する第一アーム21と、この第一アーム21の先端部23に設けられる第二回転軸31とを備え、この第二回転軸31を中心に回動する第二アーム41と、この第二アーム41の先端部43にハンドリング部51が設けられ、第一アーム21と第二アーム41とをそれぞれ回動させることによってこのハンドリング部51を少なくとも2次元方向に移動するスカラロボット1であって、第二アーム41の長さL2を第一アーム21の長さL1より短くし、第一アーム21に凹状に窪むハンドリング凹部35を形成し、このハンドリング凹部35を第二アーム41と第一アーム21が折り畳まれる収縮状態にてハンドリング部51が到達する領域に配置し、第二アーム41が一方に回動することによりハンドリング部51がこのハンドリング凹部35に収まる構成とした。
【0050】
上記構成に基づき、スカラロボット1は、第二アーム41が第一アーム21に比べて小型軽量化されるため、第一アーム21に比べて作動頻度が高い第二アーム41の作動速度を高められることにより、ワークを搬送し組み付けるサイクルタイムを短縮することができる。
【0051】
スカラロボット1は、ハンドリング部51を移動できる領域がハンドリング凹部35を介して拡大され、第一回転軸11と第二回転軸31の間に位置する領域にワークを搬送することが可能となる。
【0052】
スカラロボット1の最収縮状態にてハンドリング部51がハンドリング凹部35に収まることにより、スカラロボット1の重量バランスが改善され、ハンドリング部51の位置及び姿勢を精度よく制御することが可能となり、ワークの組み付け精度を高められる。
【0053】
本実施の形態では、第二アーム41と第一アーム21が折り畳まれるスカラロボット1の最収縮状態にて、第一回転軸11と第二回転軸31とハンドリング部51とがほぼ直線上に並ぶ構成としたため、図2の(a)に示す最伸長状態から図2の(b)に示す最収縮状態まで回動する角度をほぼ180°と最大にし、第二アーム41によるハンドリング部51の移動範囲を有効に拡げられる。
【0054】
本実施の形態では、第一アーム21は、第一回転軸11が連結される基端部22と、第二回転軸31が連結される先端部23と、この基端部22と先端部23を結ぶ梁部34とを有する平板状に形成し、基端部22と先端部23と梁部34との間にハンドリング部51に係合するハンドリング凹部35を形成したため、第一アーム21の軽量化がはかれ、第一アーム21の作動速度を高められる。
【0055】
次に図3に示す他の実施の形態を説明する。これは基本的には図1に示す実施の形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0056】
ハンドリング部51を昇降する手段として、第二アーム41に対してハンドリング部51を昇降する駆動シリンダ56が設けられる。
【0057】
第二アーム41の先端部43にZ軸方向に延びるガイドレール55が設けられ、このガイドレール55を介してハンドリング部51のアクチュエータ53が昇降可能に支持される。
【0058】
第二アーム41の上側に駆動シリンダ56が設けられ、この駆動シリンダ56から突出するロッドにアクチュエータ53が連結される。駆動シリンダ56が伸縮作動することにより、アクチュエータ53が図3に矢印で示すように昇降する。
【0059】
この場合、駆動シリンダ56の伸縮作動によってハンドリング部51が昇降する動作と、チャックハンド52が開閉する動作とが連係して行われることにより、チャックハンド52がワークを円滑に操作できる。
【0060】
次に図4に示す他の実施の形態を説明する。これは基本的には図1に示す実施の形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0061】
第二アーム41を昇降する手段として、第一アーム21に対して第二回転軸31を昇降する駆動シリンダ61が設けられる。
【0062】
第二回転軸31は、第一アーム21の先端部23にベアリング32を介して回転可能かつ軸方向に摺動可能に支持される。
【0063】
駆動シリンダ61から突出するロッドに第二回転軸31が連結される。駆動シリンダ61が伸縮作動することにより、第二回転軸31が図4に矢印で示すように昇降するようになっている。
【0064】
第二回転軸31にはスプライン62が形成される。このスプライン62に摺動可能に嵌合するギア63と、このギヤ63に噛み合うギヤ64とを備え、このギヤ64が第二アームモータ33によって回転駆動される。これにより、第二回転軸31が昇降しても、第二アームモータ33の回転がギヤ64、ギヤ63、スプライン62を介して第二回転軸31に伝えられる。
【0065】
この場合、駆動シリンダ61の伸縮作動によって第二回転軸31と第二アーム41とを介してハンドリング部51が昇降し、この昇降動作とチャックハンド52が開閉する動作とが連係して行われることにより、チャックハンド52がワークを円滑に操作できる。
【0066】
次に図5に示す他の実施の形態を説明する。これは基本的には図1に示す実施の形態と同じ構成を有し、相違する部分のみ説明する。なお、前記実施の形態と同一構成部には同一符号を付す。
【0067】
第一アーム21を昇降する手段として、支持台5に対して第一回転軸11を昇降する駆動シリンダ71が設けられる。
【0068】
第一回転軸11は、支持台5にベアリング12を介して回転可能かつ軸方向に摺動可能に支持される。
【0069】
駆動シリンダ71から突出するロッドに第一回転軸11が連結される。駆動シリンダ71が伸縮作動することにより、第一回転軸11が図5に矢印で示すように昇降するようになっている。
【0070】
第一回転軸11にはスプライン72が形成される。このスプライン72に摺動可能に嵌合するギア73と、このギヤ73に噛み合うギヤ74とを備え、このギヤ74が第一アームモータ13によって回転駆動される。これにより、第一回転軸11が昇降しても、第一アームモータ13の回転がギヤ74、ギヤ73、スプライン72を介して第一回転軸11に伝えられる。
【0071】
この場合、駆動シリンダ71の伸縮作動によって第一回転軸11と第一アーム21と第二回転軸31と第二アーム41とを介してハンドリング部51が昇降し、この昇降動作とチャックハンド52が開閉する動作とが連係して行われることにより、チャックハンド52がワークを円滑に操作できる。
【0072】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のスカラロボットは、例えば生産ラインにてワークの組み付けや加工等を行う産業ロボットに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態を示すスカラロボットの斜視図。
【図2】同じくスカラロボットの動作を示す平面図。
【図3】他の実施の形態を示すスカラロボットの斜視図。
【図4】他の実施の形態を示すスカラロボットの斜視図。
【図5】他の実施の形態を示すスカラロボットの斜視図。
【図6】従来例を示すスカラロボットの動作を示す平面図。
【符号の説明】
【0075】
1 スカラロボット
11 第一回転軸
21 第一アーム
22 基端部
23 先端部
31 第二回転軸
34 梁部
35 ハンドリング凹部
41 第二アーム
43 先端部
51 ハンドリング部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一回転軸と、
第一回転軸を中心に回動する第一アームと、
この第一アームの先端部に設けられる第二回転軸と、
この第二回転軸を中心に回動する第二アームとを備え、
この第二アームの先端部にハンドリング部が設けられ、
前記第一アームと前記第二アームとをそれぞれ回動させることによってこのハンドリング部を少なくとも2次元方向に移動するスカラロボットであって、
前記第二アームの長さを前記第一アームの長さより短くし、
前記第一アームに凹状に窪むハンドリング凹部を形成し、
このハンドリング凹部を前記第二アームと前記第一アームが折り畳まれる収縮状態にて前記ハンドリング部が到達する領域に配置し、
前記第二アームが一方に回動することにより前記ハンドリング部がこのハンドリング凹部に収まる構成としたことを特徴とするスカラロボット。
【請求項2】
前記第二アームと前記第一アームが折り畳まれる最収縮状態にて前記第一回転軸と前記第二回転軸と前記ハンドリング部とがほぼ直線上に並ぶ構成としたことを特徴とする請求項1に記載のスカラロボット。
【請求項3】
前記第一アームは、
前記第一回転軸が連結される基端部と、
前記第二回転軸が連結される先端部と、
前記基端部とこの先端部を結ぶ梁部とを有する平板状に形成し、
前記基端部と前記先端部とこの梁部との間に前記ハンドリング部に係合する前記ハンドリング凹部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載のスカラロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−72895(P2009−72895A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246750(P2007−246750)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000227537)日特エンジニアリング株式会社 (106)
【Fターム(参考)】