説明

スキンケア組成物

皮膚への局所塗布に適するスキンケア組成物が開示される。この組成物は、サリチル酸又はその塩とアクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、化粧品として許容される、水アルコールゲル分散剤の形のスキンケア組成物を含む。この組成物は、皮膚の洗浄、及びアクネの予防又は治療に有用である可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア組成物に関し、詳細にはサリチル酸を含有する水アルコールゲル、特に皮膚に対して収斂効果又は調色効果のあるゲルの形の組成物、及びこのような組成物を施用する治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
尋常性座瘡(アクネ)は、特に思春期によく見られる皮膚の毛嚢脂腺単位の慢性炎症状態である。一般にこの症状は、皮膚に、にきび、赤色丘疹、膿疱、及び時により嚢胞の形成を引き起こす。これは見栄えが悪く、その上もし治療しなければ、アクネが皮膚の瘢痕化を招く可能性がある。アクネの主要な原因は、皮脂生成の増加、プロピオニバクテリウム・アクネ(propionibacterium acne)(P.アクネ)の存在の増加、毛嚢脂腺の閉塞、及び炎症の発生であると考えられている。
【0003】
サリチル酸は、アクネの治療に効果があることが知られている。サリチル酸は、上皮細胞を合わせて保持する細胞間質を溶解させることによって働く局所性角質溶解剤である。サリチル酸は、市販の様々なアクネ治療薬に使用されている。
【0004】
スキンケア組成物は、一般におよそ皮膚のpH値、すなわちpH5.5付近で調合される。こうすると、皮膚との適合性が最適化され、活性分子を皮膚上に及び皮膚を通して輸送する助けとなる。しかし、サリチル酸を配合する場合、より酸性のpH、例えばpH4.5以下あるゲルを提供することが望ましい。サリチル酸は、酸性環境において局所的に施用されると、最も効果的である。調合に関するさらなる問題は、サリチル酸の溶解特性が不十分であるために、可溶化させて安定な組成物を提供することが困難なことである。
【0005】
皮膚を「調色」し、潤いを与えるために、収斂性組成物が使用される。収斂性組成物は、一般に比較的揮発しやすい溶媒、最も一般的にはエタノール又はイソプロピルアルコールの割合が高い溶媒系を含む。このような組成物は40%以上ものアルコールを含むことがあり、一般に粘性が低い。
【0006】
組成物の粘性が低いことは、皮膚に塗布するときに容易且つ良好に広がることを意味するが、組成物の施用が困難になるという欠点がある。その結果、その組成物をパッケージから使用者の手に移し、次いで手から塗布しようとする部位へ、最も一般的には顔面及びその周辺領域へと移すときに、製品の大部分が失われる可能性がある。これは浪費の元となり、その結果、消費者側の不満の種となる恐れがある。或いは、吸収性パッド等を使用して組成物を施用する場合に、組成物の大部分が直接パッドに吸収され、やはり無駄になってしまう可能性がある。
【0007】
組成物の浪費は、粘性を増大させることにより、例えば組成物をゲルとして調合することなどによって低減させることができる。しかし、これには組成物の塗布がさらに困難になるという欠点がある。さらに、多くのゲル化剤は、pHが低いと、サリチル酸を十分に可溶化し且つ保管中に安定でもある、化粧品として許容される水アルコールゲルを形成するための効果的なゲル類を形成しない。また、低pHで有用なゲル化剤は、アルコールが水性系中では該ポリマーの溶媒和特性を変化させるので、水アルコール系中では十分に機能しない恐れがある。さらに、皮膚に塗布する際には、ゲルが皮膚に擦り込まれるにつれてアルコールが蒸発する。これによって使用の際に、製品の化粧品としての許容性に悪影響が生じないようにすることもまた重要である。
【0008】
上記の理由により、比較的容易に調剤し、施用の前に比較的容易に取り扱うのに十分な粘度であり、その上、塗布しようとする部位に容易に広がる、改善型スキンケア組成物を開発することが望ましいはずである。水性系中の増粘剤として、タウレートのコポリマーを使用することが知られている。例えば、国際公開第03022236号は、少なくとも部分的に塩として存在するC1〜25のα又はβヒドロキシカルボン酸0.01〜20%、タウレートのコポリマー0.01〜10%、及び化粧品として許容される担体を含み、pHが6未満の化粧用組成物を開示している。さらに国際公開第03022237号は、多糖類樹脂0.001〜5%、タウレートのコポリマー0.001〜10%、及び化粧品として許容される担体を含み、pHが7未満の化粧用組成物を開示している。米国特許第6620420号は、最高で90%の水、最高で20%の脂質相、最高で5%の乳化剤、及び最高で5%の1種又は複数のアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマーを含む水中油型のゲルクリームを開示している。ただしこれらの開示は、低pHで効果はあるものの、美的に満足するに足る粘性及び塗り心地の増粘性化粧用組成物を提供するための系に関する。上記の文献の中で、サリチル酸を可溶化するのに適した水アルコールゲル中でこうした系を使用することを提案しているものはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
今回、上記の要件をほぼ満足し、且つ/又は上記の欠点及び/若しくは従来技術に関するその他の欠点を克服し、若しくは大幅に緩和するスキンケア配合物が開発された。
【0010】
したがって、サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形であるゲル化剤とを含み、化粧品として許容される、水アルコールゲルの分散剤の形のスキンケア組成物が提供される。
【0011】
国際公開第0128338号は、安息香酸類似体、金属塩、及び担体を含み、pHが1〜7である局所用組成物を開示している。安息香酸類似体と金属塩の組合せは、相乗的な即効性及び残効性の抗ウィルス効果及び抗真菌効果を生じるとされている。その明細書に開示される幾つかの組成物の例の1つは、増粘剤として、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(商品名Aritoflex AVCで市販)とキサンタンガムの組合せを含む水アルコールゲルを含んでいる。ただし、その開示によって提供されるゲルは、強烈な色彩と不快臭を放つことが判っている。さらに、金属塩の存在によって保存中にゲルの粘性が増大してしまう。したがって、サリチル酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(商品名Aristoflex AVCで市販)、キサンタンガム、及び多価三塩化鉄を含有する水アルコールゲルは、化粧品として許容されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、化粧品として許容される、水アルコールゲル分散剤の形のスキンケア組成物が提供される。ただし、キサンタンガムを含有する場合には三塩化鉄を含有しない。
【0013】
本発明によるスキンケア組成物は、主として、組成物の取扱い及び分散を容易にするのに十分な粘度であり、さらに自由に流れ、塗布しようとする部位に施す際に容易に広げることができるという点で有利である。またこのゲルは、サリチル酸を効果的に可溶化し、且つ保存中に安定である。
【0014】
本発明の他の態様によれば、サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、化粧品として許容される、水アルコールゲル分散剤の形のスキンケア組成物を皮膚に塗布することを含むヒトの皮膚を処置する方法が提供される。
【0015】
本発明の後者の態様による方法は、皮膚の疾病又は障害、好ましくはアクネの予防又は治療に有用であるという点で、治療効果を有する可能性がある。或いは、本方法は本質的に化粧用であり、組成物が塗布される皮膚領域の外観の改善に効果がある可能性もある。
【0016】
本発明の他の態様によれば、サリチル酸又はその塩を含む水アルコールゲルを含む、化粧品として許容されるスキンケア組成物中に、ゲル剤として、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーを使用することが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による水アルコールゲルは、消費者にとって化粧品として許容される、すなわち許容可能な外観及び匂いを有する。水アルコールゲルは、皮膚に塗布して残すことができ、又は洗い流すこともできるが、どちらの場合も皮膚に望ましくない残渣を残したり、皮膚又は衣服に染みをつけたりすることはない。皮膚に対して価値のある洗浄効果を与えることもできる。さらに粘性は、保存中、例えば1ヶ月又は最高で1年、或いはさらに長期間、実質的に変化しない。
【0018】
本発明による組成物に有用なゲル化剤は、アクリロイルジメチルタウリン(又はその塩)のコポリマー、特にそのモノマーと他のビニルモノマーとのコポリマーである。
【0019】
最も好ましくは、ゲル化剤は、アクリロイルジメチルタウリンの塩と他のビニルモノマーとのコポリマーである。この塩はI族アルカリ金属の塩でよいが、より好ましいのはアンモニウム塩である。
【0020】
適切なコポリマーゲル化剤の例には、以下のようなものがある。
a)アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー、すなわちアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニルピロリドン(1−ビニル−2−ピロリドン)とのコポリマー。この材料は、Clariant GmbH,Functional Chemicals Division,D−65840 Sulzbach,Germanyから、商品名Aristoflex AVCで市販されている。
b)アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス−25メタクリレートのコポリマー、すなわちアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとべへネス−25メタクリレートとのコポリマーである。その構造式は、
CH=CH(CH)CO−(CHCHO)CH(CH20CH
であり、式中nは約25である。この材料も、Clariant GmbHから商品名Aristoflex HMBで市販されている。
c)アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルホルムアミドのコポリマー、すなわちアクリロイルジメチルタウリンアンモニウムとビニルホルムアミドとのコポリマー。これも同様に、Clariant GmbHから商品名Aristoflex AVC−1で市販されている適切な材料である。
【0021】
この組成物は、最も好ましくは10%w/w未満のゲル化剤、より典型的には5%w/w未満のゲル化剤を含む。ゲル化剤の量は、一般に0.1%w/wより多く、より典型的には、0.5%w/wより多い。組成物中のゲル化剤の量は、好ましくは0.1〜5%w/w、より好ましくは0.5〜5%w/wの範囲内とする。典型的には、ゲル化剤の量は、3%w/w未満、例えば約1%w/w〜約2%w/wになる。
【0022】
望むならば、アクリロイルジメチルタウリン(又はその塩)のコポリマーの一部を、低pHで組成物中安定である他のゲル化剤で置き換えることができる。アクリロイルジメチルタウリン(又はその塩)のコポリマーが、組成物中で唯一のゲル化剤であることが好ましい。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウムのコポリマーが、組成物中で唯一のゲル化剤であることがより好ましい。
【0023】
さらに、pH4.5以下でゲルの粘性を増大させる増粘剤も使用してよい。例えば、自然に存在するゴム及びセルロース、又はそれらの誘導体など、水溶性又は親水性の材料が好ましい。特に適切な増粘剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロース(Herculesより商品名Natrosolで市販)があり、特にヒドロキシエチルセルロースが適している。
【0024】
組成物中の増粘剤の量は、0〜10%w/wの範囲内とすることができる。増粘剤が存在する場合、組成物は増粘剤を0.1〜5%w/w、より好ましくは0.5〜3%w/w含むことができる。一般には、増粘剤なしでゲル化剤を使用することが好ましい。
【0025】
本発明による組成物は、粘性率が好ましくは約50mPa.s〜約20,000mPa.s、より好ましくは約100mPa.s〜約10,000mPa.sである。粘性率は、2分後に12rpmで回転するスピンドル4を備えたBrookfield LVT粘度計を使用して、測定することができる。
【0026】
本発明によるゲルは、多価イオン性材料、すなわちカチオン及びアニオンを含まないことが好ましく、また実質的に含まない。これらはゲルの最初の形成に影響を及ぼす、又は保存中のゲルの粘性を変化させる可能性のある、ポリマー鎖間の望ましくない架橋を引き起こす恐れがある。「実質的に含まない」とは、1%未満の多価イオン性材料、好ましくは0.1%、特に0.01%未満の多価イオン性材料を意味する。
【0027】
ゲルを皮膚に施す際には、小さい領域に塗布し、次いで皮膚に擦り込む。擦り込む動作の高い剪断力、皮膚上の塩分の存在、及びゲルをその上に伸ばして広くなった皮膚の領域との相互作用によって、ゲルは実質的に分離し、又は薄くなり、すなわち粘性が顕著に低減する。この効果によって、望ましくない残渣を生じることなく組成物を皮膚に塗布することがはるかに容易となる。またこの効果によって、ゲルを施用する際に、例えば綿製の塗布用パッドに吸収されるなどの組成物の浪費がほとんどなくなるので、製品の浪費も最小限に抑えられる。ゲルの増粘効果は、標準のレオロジー測定法によって、例えばPhysica MCR 301(Anton Paar)を使用して測定することができる。降伏値もまた、ゲルの有用な情報を提供する。ゲルを皮膚に擦り込むと、一般に粘性率は少なくとも2分の1、好ましくは少なくとも4分の1、最も好ましくは少なくとも8分の1に減少する。ゲルの最初の粘性率が、皮膚に擦り込んだ後に100mPa.s未満、好ましくは10mPa.s未満に減少することがあり得る。
【0028】
本発明による組成物は、水アルコールゲルの形である。したがってこの組成物は、一般に、主として水を含むことになる。組成物中の水の量は、典型的には40%w/wを上回り、より一般的には50%w/w、また75%w/wを上回ることもある。水の上限は、組成物に取り込まれた他の成分の量に応じて決まり、したがって、水は、組成物が合計100%になるのに必要な組成物の残りの部分を占めることができる。典型的な最大値は90重量%未満、例えば80重量%又は85重量%未満である。
【0029】
本発明による組成物は、水より揮発性の高いアルコール共溶媒、好ましくはC1〜6アルコール、より好ましくはC2〜4アルカノールを含む。共溶媒は、最も好ましくはエタノール又はイソプロピルアルコールである。エタノールを含む組成物が特に好ましい。
【0030】
組成物は、5%w/wを上回る共溶媒を含むことが最も好ましく、10%w/w、20%w/w、又は30%w/wを上回る共溶媒を含むこともできる。組成物中に存在する共溶媒の量は、50%w/wを上回らないことが好ましい。したがって共溶媒の量は、好ましくは5%〜50%w/wの範囲、より好ましくは10%〜50%w/wの範囲である。一般に、水に対する溶解度の小さい成分(例えば、下記の局所用有効成分)をより高い割合で含有する組成物中では、共溶媒の割合を増加させる必要があり得る。このような成分がない、又はその濃度が比較的小さい場合には、共溶媒の割合も、他の実施形態よりもいくらか低く、例えば最大で20%w/wとすることができる。
【0031】
全般的に、組成物中の溶媒(すなわち、水及び共溶媒)の濃度は、好ましくは80%w/wを上回り、また90%w/wを上回ることもある。組成物中の溶媒の総量は、一般に99%w/w未満になる。
【0032】
サリチル酸は、遊離の酸として本発明による組成物中に組み込むことが好ましい。ただし、組成物のpHは、サリチル酸が解離状態で組成物中に存在するような値でよく、また一般的にそうなる。組成物がカチオン性の対イオンを十分に含有し得るので、サリチル酸は、塩の形で存在すると考えることができる。或いは、サリチル酸は塩の形、例えばサリチル酸ナトリウムなどI族金属との塩として組成物中に組み込むこともできる。本明細書では、別段の指示がない限り、サリチル酸に関する全ての言及は、酸に関する言及、並びにその解離形態及びその塩に関する言及を包含すると解釈すべきである。サリチル酸は、ヤナギランなど天然の供給源から得ることもできる。サリチル酸が本発明による組成物中で唯一の有効成分であることが好ましい。
【0033】
本発明による組成物中のサリチル酸の濃度は、好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.5重量%である。サリチル酸の濃度は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは4重量%未満、最も好ましくは3重量%未満である。したがって、サリチル酸の濃度は、0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.5重量%〜4重量%、最も好ましくは0.5重量%〜3重量%の範囲とすることができる。サリチル酸の特に好ましい濃度は、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、及び2重量%である。
【0034】
水アルコールゲルは、好ましくはpH5.5以下であり、より好ましくは4.5以下、例えば1〜4.5、好ましくは2〜4、最も好ましくは2.5〜3.5、特にpH約3である。
【0035】
また本発明による組成物は、スキンケアに有用な1種又は複数のさらなる局所用有効成分を含むことができる。このような有効成分は以下の、例えば、トリクロサン、ネオマイシン、クリンダマイシン、ポリミキシン、バシトラシン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ドシキサイクリン又はミノサイクリンなどのテトラサイクリン、スルファセタミドなどのサルファ剤、ペニシリン、セファレキシンなどのセファロスポリン、及びロメフロキサシン、オルフォキサシン、又はトロバフロキサシンなどのキノロンから選択される抗微生物又は抗菌化合物、例えば、アシクロビル、タムビル、及びペンシクロビルから選択される抗ウィルス化合物、例えば、ファルネソール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、フルコナゾール、ウンデシレン酸カルシウム又はウンデシレン酸亜鉛、ウンデシレン酸、塩酸ブテナフィン、シクロピロックスオラミン、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン、スルコナゾール、及び塩酸テルビナフィンから選択される抗真菌化合物、例えば、ヒドロコルチゾン、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、及びトリアムシノロンアセトニドから選択されるステロイド剤と、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、アロエベラゲル、アロエベラ、甘草エキス、ウマノアシガタ(pilewort)、カナダヤナギの根(Canadian willow root)、亜鉛、及びアラントインから選択される非ステロイド系抗炎症剤とから選択される抗炎症化合物、例えばメトロニダゾールなどの駆虫剤化合物の1種又は複数を含むことができる。
【0036】
組成物は、抗菌剤、特に過酸化物抗菌剤を含むこともできる。本組成物中に含めるのに好ましい過酸化抗菌剤は、過酸化水素である。或いは本組成物は、使用する際に過酸化水素を生成可能な化合物を含むこともできる。後のクラスの化合物の一例は、過酸化尿素(過酸化カルバミド)などの付加物である。
【0037】
本発明の好ましい一実施形態では、組成物はサリチル酸及び過酸化水素の両方を含む。
【0038】
本発明による組成物中に過酸化水素が存在する場合は、過酸化水素の濃度は、少なくとも1重量%であることが好ましい。過酸化水素の濃度は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、最も好ましくは2重量%未満である。したがって、過酸化水素の濃度は、1重量%〜5重量%、好ましくは1重量%〜3重量%、最も好ましくは1重量%〜2重量%の範囲とすることができる。
【0039】
本発明による組成物は分散剤であり、多種多様の形で調合することができる。澄んだ又は透明なゲルの形であることが好ましい。ただし組成物は、しばしばエマルジョン、特にクリームゲルの形をとることがある。エマルジョンは、水中油型エマルジョンであることが好ましい。
【0040】
油中水又は水中油型エマルジョンの油相は、例えば、
a)パラフィン又は鉱物油などの炭化水素油、
b)蜜蝋又はパラフィンワックスなどのワックス、
c)ひまわり油、杏仁油、シアバター、又はホホバ油などの天然油、
d)ジメチコン、シクロメチコン、又はセチルジメチコンなどのシリコーン油、
e)パルチミン酸イソプロピル、ミリスチル酸イソプロピル、マレイン酸ジオクチル、オレイン酸グリセリル、及びセトステアリルイソノナノエートなどの脂肪酸エステル、
f)セチルアルコール、又はステアリルアルコール、及びそれらの混合物(例えばセテアリルアルコール)などの脂肪アルコール、
g)ポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコールのエーテル、例えばPPG−14ブチルエーテル、或いは
h)それらの混合物、例えば商品名Cutina(Henkel)で市販されているワックスのブレンドを含むことができる。
【0041】
使用する乳化剤は、油中水又は水中油型エマルジョン中で使用される当技術分野で周知のどんな乳化剤でもよい。化粧品として許容される周知の乳化剤には、
a)例えば、商品名Arlacel 83(ICI)で市販のソルビタンセスキオレイン酸又はセスキオレイン酸ポリグリセリン−2などのセスキオレイン酸、
b)例えば、商品名Arlacel 989(ICI)で市販の水素化ヒマシ油のポリエトキシル化エステルなど天然油の誘導体のエトキシル化エステル、
c)例えば、商品名ABIL WS08(Th.Goldschmidt AG)で市販のシリコーンポリオールなどのシリコーン乳化剤、
d)脂肪酸石鹸、例えばステアリン酸カリウム及び硫酸化脂肪酸、例えば商品名Dehydag(Henkel)で市販のセテアリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性乳化剤、
e)エトキシル化脂肪アルコール、例えば商品名Brij(ICI)で市販の乳化剤、
f)ソルビタンエステル、例えば商品名Span(ICI)で市販の乳化剤、
g)エトキシル化ソルビタンエステル、例えば商品名Tween(ICI)で市販の乳化剤、
h)エトキシル化ステアリン酸などのエトキシル化脂肪酸エステル、例えば商品名Myrj(ICI)で市販の乳化剤、
i)エトキシル化モノ、ジ、及びトリグリセリド、例えば商品名Labrafil(Alfa Chem.)で市販の乳化剤、
j)非イオン性自己乳化性ワックス、例えば商品名Polawax(Croda)で市販のワックス、
k)エトキシル化脂肪酸、例えば商品名Tefose(Alfa Chem.)で市販の乳化剤、
l)商品名Tegocare 450(Degussa Goldschmidt)で市販のジステアリン酸ポリグリセロール−3メチルグルコースなどのメチルグルコースエステル、或いは、
m)それらの混合物
が含まれる。
【0042】
本発明による組成物は、さらに、当業者には公知であるはずの他の成分を含むこともできる。これらには、例えば以下の成分が含まれる。
a)界面活性剤:本発明による組成物中で、安定剤として、又は洗浄剤若しくは泡立ち剤として使用することができる界面活性剤。異なる多くのクラスの界面活性剤が、本発明による組成物中に含めるのに適している可能性があり、これらは当業者にはただちに明らかになるであろう。適切な界面活性剤の例は、イソセチルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、及びセテアリルアルコールなどのアルコールのポリエチレングリコールエーテル(それぞれ例えば、イソセテス−20、イソステアレス−20、セテス−20、オレス−20、セテアレス−20)である。本発明で使用される特に好ましい界面活性剤は、イソセテス−20である。
b)軟化剤:柔軟、滑らか、且つしなやかな皮膚の外観を維持するのを助ける成分。このような成分は、皮膚の表面又は角質層内に残存でき、皮膚の剥落を低減又は予防し、皮膚の外観を改善する潤滑剤として作用できることによって機能することができる。軟化剤の例には、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸トリグリセリド、例えば商品名Miglyol 810(Huls,UK)で市販のトリグリセリドなどのラウリル酸トリグリセリド又はカプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、及びPPF−15ステアリルエーテルで知られるステアリルアルコールのポリプロピレングリコールエーテルがある。特に好ましい軟化剤は、ポリシロキサン化合物、特にシクロメチコンとして知られるもの、すなわち次式で表される環状ジメチルポリシロキサン化合物であり、式中、nは3〜7の間の値である。
−(Si(CH
c)湿潤剤又は加湿剤:皮膚の最上層の含水量を増加させるための成分。このような成分の例は、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、及びプロピレングリコールである。
d)保存剤:微生物の増殖を防止又は遅延させ、それによって組成物が損傷しないように保護する成分。保存剤の例には、プロピルパラベン、ブロノポール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ポリヘキサメチレンビグアナイド塩酸塩、イソチアゾロン、及びジアゾリジニル尿素などが含まれる。
e)キレート剤又は金属イオン封鎖剤:金属イオンが組成物の安定性又は外観に悪影響を及ぼすのを防ぐために、金属イオンと錯体を形成し、金属イオンを不活性化することができる成分。キレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、とりわけ二カリウム塩、特に二ナトリウム塩又は四ナトリウム塩がある。
f)pH調整剤:組成物のpHを調節するために使用される成分。pH調整剤の例には、水酸化ナトリウムなどの無機塩及びトリエタノールアミンなどの有機基がある。組成物のpHは、好ましくはpH3〜6の範囲、より好ましくはpH3〜5の範囲である。
g)艶消し剤:てかりを低減し、組成物を塗布する皮膚にマットな外観を与えるために使用される成分。一般にこのような薬剤は、微粒子状の油吸収性ポリマーを含む。適切な艶消し剤の好ましい例は、商品名POLYTRAP Q5−6603で市販のラウリルメタクリレート/グリコールジメタクリレートのクロスポリマーである。
h)脂分制御剤:活動腺の数を調節する皮脂調節剤など、皮膚による皮脂生成速度を制御するために使用される成分、又は皮膚からの過度の脂分を除去する脂分吸収剤。好ましい脂分制御剤は、加水分解した乳タンパク質である。
i)香料及び着色剤。
【0043】
本発明による組成物は、所望の治療効果を与えるために、塗布して皮膚に残すことができ、又は塗布し、次いで例えば水ですすぐことができる。本組成物は、繊維質の材料、例えばパッド又は布を使用して塗布することができる。
【0044】
本発明の他の態様によれば、サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、化粧品として許容される、水アルコールゲル分散剤の形のスキンケア組成物を含浸させた繊維質の基材、例えばパッド又は布の形の材料を含む製品が提供される。
【0045】
前記繊維質の基材には、繊維質基材の10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、最も好ましくは18〜22重量%の範囲の量のスキンケア組成物を含浸させることが好ましい。適切な繊維質の基材は、天然又は合成繊維、或いはその混合繊維、例えばセルロース及び/又は綿の繊維を含む材料を含む。繊維質の基材は、本発明のスキンケア組成物を使用者の皮膚に塗布するためにすぐに使用できるようにされた湿式の布として組成物を含浸させることができる。或いは、繊維質の基材は、スキンケア組成物を含浸させ、乾燥させて、例えば水で湿らせてからでないと使用できない乾式の布を形成することもできる。
【0046】
次に、本発明を以下の実施例に則して、単に例として詳細に説明する。
【0047】
(実施例1)
ゲルローション
【表1】


方法
サリチル酸をアルコール中に溶かした。完全に分散した後、水及びEDTA二ナトリウムを加えた。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー粉末を、塊がなくなるまで剪断しながらアルコール混合溶液中に加えた。次いで撹拌しながらイソセテス−20、香料、及び過酸化水素を加え、続いてpHを水酸化ナトリウムでpH3に調節して本発明による組成物を形成した。
【0048】
(実施例2)
ゲルローション
【表2】


方法
サリチル酸をアルコール中に溶かした。完全に分散した後、水及びEDTA四ナトリウムを加えた。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー粉末を、塊がなくなるまで剪断しながらアルコール混合溶液中に加えた。イソセテス−20及び香料を、撹拌しながら増粘した分散液に加え、次いでpHを水酸化ナトリウムでpH3に調節して本発明による組成物を形成した。
【0049】
(実施例3)
ゲルローション
【表3】


方法
サリチル酸をアルコール中に溶かした。完全に分散した後、水及びEDTA四ナトリウムを加えた。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー粉末を塊がなくなるまで剪断しながらアルコール混合溶液中に加えた。剪断を続けながら、シクロメチコン及びラウリルメタクリレート/グリコールジメタクリレートのクロスポリマーを加え、均質な混合溶液が形成されるまでさらに剪断を加えた。イソセテス−20及び香料を増粘した分散液に撹拌させ、次いでpHを水酸化ナトリウムでpH3に調節して本発明による組成物を形成した。
【0050】
(実施例4)
ゲルローション
【表4】


方法
サリチル酸をアルコール/t−ブチルアルコール中に混合した。サリチル酸が完全に溶解した後、水、グリセリン、及びEDTA二ナトリウムを混合した。次いで、アクリロイルジメチルタウリルアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマーをホモジナイズし続けながら加え、続いてイソセテス−20、過酸化水素、加水分解した乳ペプチド、及び香料の水溶液を加えた。pHを水酸化ナトリウム(30%)でpH3に調節して、本発明による組成物を形成した。
【0051】
(実施例5)
ゲルローション
【表5】


方法
サリチル酸をアルコール中に溶かした。完全に分散した後、水及びクエン酸ナトリウムを加え、続いてアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー粉末を塊がなくなるまで剪断しながらアルコール混合溶液中に加えた。イソセテス−20及び香料を撹拌しながら増粘した分散液に加えて、本発明による組成物を形成した。
【0052】
(実施例6)
ゲルローション
【表6】


方法
ヒドロキシメチルセルロース及びEDTA四ナトリウムを塊がなくなるまで水中に剪断し、次いで分散液を70℃まで加熱して増粘させた。分散液を35℃まで冷却し、予めアルコールに溶解させたサリチル酸を加えた。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー粉末を塊がなくなるまで剪断しながらアルコール混合溶液中に加えた。イソセテス−20及び香料の両方を、撹拌しながら増粘した分散液に加え、次いでpHを水酸化ナトリウムでpH3に調節して本発明による組成物を形成した。
【0053】
(実施例7)
クリームゲル
【表7】


方法
EDTA四ナトリウムを60%の水に溶解するまで混合した。次いで、予めグリセリンに混合しておいたヒドロキシ安息香酸メチルを加えた。アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマーを加え、得られた溶液を塊のない分散液が得られるまでホモジナイズした。別のビーカーで、ステアレス−2、ステアレス−21、ステアリン酸エチルヘキシル、セチルアルコール、シクロメチコン、及びヒドロキシ安息香酸プロピルを温度70〜75℃に達するまで加熱した。この混合溶液をホモジナイズしながらコポリマー分散混合液に加えた。さらに5分間、ホモジナイズを続けた。得られた分散液を35℃まで冷却し、次いでそれに、プロピレングリコール中、ツボクサ(Centella asiatica)とミモザ抽出物とを予め分散させておいた分散液を混合して、本発明による組成物を形成した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水アルコールゲル分散剤形態の、化粧品として許容されるスキンケア組成物であって、サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、キサンタンガムを含有する場合には三塩化鉄を含有しないスキンケア組成物。
【請求項2】
前記アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーが、そのモノマーと他のビニルモノマーとのコポリマーである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ゲル化剤が、アクリロイルジメチルタウリンの塩と他のビニルモノマーとのコポリマーである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記塩がアンモニウム塩である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記ゲル化剤が、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマー、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/べへネス−25メタクリレートのコポリマー、及びアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルホルムアミドのコポリマーからなる群から選択される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ゲル化剤が、アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドンのコポリマーである、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
10%w/w未満の前記ゲル化剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
5%w/w未満の前記ゲル化剤を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
0.1%w/wを超える前記ゲル化剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
0.5%w/wを超える前記ゲル化剤を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
0.1〜5%w/wの範囲の量のゲル化剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
増粘剤を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
セルロース又はその誘導体から選択される増粘剤を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物中の水の量が40%w/wを上回る、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物中の水の量が50%w/wを上回る、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物中の水の量が75%w/wを上回る、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記水アルコールゲルが、共溶媒としてC1〜6アルコールを含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項18】
前記共溶媒が、C2〜4アルカノールである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記共溶媒がエタノールである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
5%w/wを上回る前記共溶媒を含む、請求項17から19までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
10%w/wを上回る前記共溶媒を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
20%w/wを上回る前記共溶媒を含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
30%w/wを上回る前記共溶媒を含む、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物中に存在する共溶媒の量が50%w/wを上回らない、請求項17から23までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
有効成分がサリチル酸である、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
前記組成物中のサリチル酸の濃度が少なくとも0.1重量%である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物中のサリチル酸の濃度が少なくとも0.5重量%である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
サリチル酸の濃度が5重量%未満である、請求項25から27までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
サリチル酸の濃度が3重量%未満である、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
スキンケアに有用な1種又は複数のさらなる局所有効成分を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
前記1種又は複数の局所有効成分が、トリクロサン、ネオマイシン、クリンダマイシン、ポリミキシン、バシトラシン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ドシキサイクリン又はミノサイクリンなどのテトラサイクリン、スルファセタミドなどのサルファ剤、ペニシリン、セファレキシンなどのセファロスポリン、ロメフロキサシン、オルフォキサシン、又はトロバフロキサシンなどのキノロンから選択される抗微生物又は抗菌化合物;アシクロビル、タムビル、及びペンシクロビルから選択される抗ウィルス化合物;ファルネソール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、エコナゾール、フルコナゾール、ウンデシレン酸カルシウム又はウンデシレン酸亜鉛、ウンデシレン酸、塩酸ブテナフィン、シクロピロックスオラミン、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン、スルコナゾール、及び塩酸テルビナフィンから選択される抗真菌化合物;ヒドロコルチゾン、フルオシノロンアセトニド、ハルシノニド、プロピオン酸ハロベタゾール、プロピオン酸クロベタゾール、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、及びトリアムシノロンアセトニドから選択されるステロイド剤と、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、アロエベラゲル、アロエベラ、甘草エキス、ウマノアシガタ(pilewort)、カナダヤナギの根(Canadian willow root)、亜鉛、及びアラントインから選択される非ステロイド系抗炎症剤とから選択される抗炎症化合物;並びにメトロニダゾールからなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
抗菌剤をも含む、請求項25から31までのいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
前記抗菌剤が過酸化物抗菌剤である、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記過酸化物抗菌剤が過酸化水素であり、或いは前記組成物が、使用する際に過酸化水素を生成可能な化合物を含む、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
過酸化水素の濃度が少なくとも1重量%である、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
過酸化水素の濃度が5重量%未満である、請求項34又は35に記載の組成物。
【請求項37】
過酸化水素の濃度が2重量%未満である、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
透明なゲル又はクリームゲルの形である、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項39】
前記クリームゲルが水中油型エマルジョンの形である、請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、キサンタンガムを含有する場合には三塩化鉄を含有しない、水アルコールゲル分散剤の形の、化粧品として許容されるスキンケア組成物を皮膚に施用することを含む、ヒトの皮膚を処置する方法。
【請求項41】
治療方法である請求項40に記載の方法。
【請求項42】
アクネの予防又は治療のための請求項41に記載の方法。
【請求項43】
化粧方法である請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記組成物が、請求項2から39までのいずれか一項に記載の組成物である、請求項40から43までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
サリチル酸又はその塩を含む水アルコールゲルを含み、キサンタンガムを含有する場合には三塩化鉄を含有しない、化粧品として許容されるスキンケア組成物中での、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーのゲル化剤としての使用。
【請求項46】
サリチル酸又はその塩と、アクリロイルジメチルタウリン又はその塩のコポリマーの形のゲル化剤とを含み、化粧品として許容される、水アルコールゲル分散剤形態のスキンケア組成物を含浸させた繊維質の基材を含む製品。
【請求項47】
前記繊維質の基材が、繊維質基材の10〜30重量%、好ましくは15〜25重量%、最も好ましくは18〜22重量%の範囲の量のスキンケア組成物で含浸される、請求項46に記載の製品。
【請求項48】
前記基材が、セルロース又は綿の繊維、或いはその混合繊維を含む、請求項46又は47に記載の製品。

【公表番号】特表2007−523138(P2007−523138A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553648(P2006−553648)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000524
【国際公開番号】WO2005/079746
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(397030341)レキット アンド コールマン(オーバーシーズ) リミテッド (3)
【Fターム(参考)】