説明

スキー、スキーストック及び/又はスノーボードロック

スポーツ用品をロックし安全に固定する方法及び装置が開示される。より詳しくは、本スキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを盗難防止のためにロックし安全に固定する方法及び装置が開示される。ロック機構は無線制御手段によってアクティブにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツ用品をロックし安全に固定する方法及び装置に関する。より詳しくは、本発明はスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを盗難防止のためにロックし安全に固定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキー及びスノーボードは極めてポピュラーなウィンタースポーツである。世界中には2億人を超えるスキーヤがいる。今のところ、スキーヤやスノーボーダがレストランやカフェに行きたいとき、彼らのスキー板及びスノーボードを安全に保管する選択肢が殆どない。その結果、スキー板及びスノーボードは常に付き添いのない安全でない状態に放置され、盗まれる可能性がある。
【0003】
現在様々な装置が存在する。しかしながら、これらの既存の装置はスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを安全に保管するためにその使用が限定されている。例えば、これらの従来の装置は(1)完全閉鎖ロッカー、(2)コイン動作式ヒンジドアを有する固定ブラケットからなるラック、(3)利用するために南京錠の事前購入を利用者に要求するラック、及び(4)携帯用ケーブルロックの形を取る。
【0004】
盗難防止のためにスキー板を安全に保管する他の装置も設計されているが、それらは現在使用されていない。これらの装置はすべて共通の特性を有し、上述した装置に形式上類似する。これらの装置は一連のロック可能な金属ブラケットを有するラックからなる。ラックはスキー板のテールをホルダ上に載置するように設計される。次にスキー板の上半分を金属ブラケット内に入れる。各ブラケットは閉鎖してロックすることができるヒンジドア又はレバーを有する。ヒンジドア又はレバーはコイン動作式ロックを含むことができる。
【0005】
現在使用中のこれらの盗難防止装置及び他の現在の設計装置はすべて重大な欠点を有する。例えば、ロッカーは高価で、かさばり、目障りである。これらは多大の設置作業も必要とし、その費用もそれらの価額に加算される。更に、雪がロッカーに吹きだまり、ロッカーを使用不能にし得る。スキー板をホルダ上に載置する必要がある固定のブラケットからなるロッカーは調整可能でなく、異なる長さのスキー板を収容することができない。また、キーはこの種の装置に使用するには小さく不恰好である。更にキーは紛失し易く、紛失時にはスケルトンキー(マスタキー)又はキー交換が必要になる。ラックもいくつかの新型のスノーボードを収容し得ない。利用のために南京錠の事前購入を利用者に要求するラックは、この種の装置は利用者が金属バーをスロットに通し南京錠を金属バーに契合させる必要があるので、使いにくい。南京錠も紛失しやすく、忘れやすい。また、携帯用ケーブルロックは、利用者が常時それを自分で携帯しなければならないという欠点を有する。携帯用ケーブルロックは典型的には3輪組み合わせ錠からなり、使用し難く、コード番号を忘れることがあり、またワイヤケーブルが容易に切断され得る。
【0006】
本発明の少なくとも一つの態様の目的は、上述した問題の少なくとも一つ以上を除去もしくは緩和することにある。
【0007】
本発明の少なくとも一つの態様の他の目的は、安全な盗難防止装置をもたらす改良されたスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックを提供することにある。
【0008】
本発明の少なくとも一つの態様の更に他の目的は、最小の設置作業で済み、保守が容易で、様々な気候状態及び雪状態に順応できる安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックを提供することにある。
【0009】
本発明の少なくとも一つの態様の他の目的は、目立たず、簡単で使いやすい改良された安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックを提供することにある。
【0010】
本発明の少なくとも一つの態様の他の目的は、様々なサイズ及びタイプのスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを収容する安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックを提供することにある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置が提供され、前記スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置は、
支持体と、
前記支持体に結合され、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを安全にロックし得る少なくとも1つのロック機構とを備え、
前記少なくとも1つのロック機構は無線制御手段を用いてアクティブにすることができる、
ことを特徴とする。
【0012】
従って、本発明は盗難を防止できるとともに無線制御手段を用いてアクティブ化できる安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置に関する。
【0013】
典型的には、無線アクティブ化手段はカード又はタグを含む無線周波数識別(RFID)システムなどの任意の形態の電子無線制御手段とすることができる。
【0014】
前記スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置は、少なくとも2つ以上の又は複数の垂直又はほぼ垂直の脚部を含むことができる支持体を備える。
【0015】
前記スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の脚部に少なくとも1つ以上の水平又はほぼ水平の支持部材を取り付けることができる。この水平又はほぼ水平の支持部材には、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを安全に固定し得る少なくとも1つ以上、少なくとも2つ以上又は複数のロック機構を存在させることができる。
【0016】
前記ロック機構は、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードと係合しそれらを締め付けることができる任意の適切な機械的手段とすることができる。特定の実施形態においては、前記ロック機構は一連のU字形部材を備える回転ロック機構とすることができる。よって、U字形部材はスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードの周囲にとまりばめすることができる。
【0017】
特定の実施形態においては、前記装置はスノーボード用の第1の隔室(例えば細長いスロット)、スキーストック用の第2のスロット及び1つのスキー板又は1対のスキー板用の第3のスロットを備えることができる一連のロック部材を備えることができる。前記ロック装置は、ばね荷重を与えられ、非使用(空)時に直立位置(例えば開位置)に維持できるラッチ機構を備えることができる。使用中、スキーヤ又はスノーボーダは少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを前記ロック機構のそれぞれのスロット内に入れたら、ラッチを押し下げてロック部材のロック機構をロックすることができる。前記ロック部材には任意の適切な形状及び/又はタイプのスロット及び/又は隔室を使用することができ、このロック部材はスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードの任意の一以上の組み合わせを安全に保管するために使用することができる。
【0018】
特定の実施形態においては、前記ロック機構はストラットの前部に固定されたフロントクランプ及び前記ストラットに沿って前後に移動し得るバッククランプを備えることができる。前記フロント及びバッククランプの間にスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードをクランプすることができる。
【0019】
前記ロック機構の動作はRFIDカード又はタグを含むプリペイド電子無線システムによって制御することができる。支払いはRFIDカード又はタグを受信機で読み取るごとに行われるか、もしくは、スキーヤ/スノーボーダが所定期間(例えば24時間)有効のRFIDカード又はタグ(「ロックパス」)を予め購入することにより行われるようにし得る。この場合、スキーヤ/スノーボーダはリゾート地内の任意のロック装置を「ロックパス」が有効である期間中彼らが望む限り何度でも使用することができる。「ロックパス」の期限が切れても、スキーヤ/スノーボーダはロック装置に保管されたままの自分の用具を取り出すことができるが、別の「ロックパス」を購入するまでロック装置を再利用することはできない。特定の実施形態においては、ロック機構は、RFIDカード又はタグがスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックのロック装置上の受信機でスキャンされると、使用可能になり、特定の利用者を識別し、空スペースをスキーや又はスノーボ−ダがスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを保管するために使用可能にすることができる。
【0020】
スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックは、ロックが使用可能であるか使用不能であるかをスキーや又はスノーボーダに知らせるために使用し得る一連のLEDを備えることもできる。
【0021】
スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックは、スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック機構を給電するために使用し得る太陽電池パネルを供えることもできる。しかし、ロック装置の給電には、太陽電池、風力発電、蓄電池及び/又は固定電源などの任意の手段を使用することができる。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを固定する方法が提供され、前記方法は、
支持体を準備するステップ、
前記支持体に結合され、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを安全にロックし得る少なくとも1つのロック機構を準備するステップを備え、
前記少なくとも1つのロック機構は無線制御手段を用いてアクティブにすることができる、
ことを特徴とする。
【0023】
典型的には、前記方法は第1の態様で記載したスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置を使用することができる。
【0024】
本発明の第3の態様によれば、スキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードの安全な保管への第1の態様で記載したスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置を示す図である。
【図2】図1の装置に示されるロック機構の上面図である。
【図3】図1に示すスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の拡大図で、ロック機構を示す。
【図4】図1に示す装置における太陽電池パネルを示す。
【図5】本発明の他の実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置を示す図である。
【図6】図5に示す装置の一部分を構成するロック機構を示す。
【図7】図5に示す装置の一部分を構成するロック機構を示す。
【図8】図6及ぶ図7に示すロック機構の上面図である。
【図9】使用中の本発明の更に他の実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置を示す図である。
【図10】本発明の更に他の実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置を示す図である。
【図11】図10に示すロック機構の上面図である。
【図12】本発明の他の実施形態によるバッククランプを示し、このバッククランプは金属ストラットに取り付けられ、このストラットに沿って摺動可能である。
【図13】図12に示すバッククランプを示し、金属ストラットが除去されて金属引っ張りばね及び電力ケーブルが見えている。
【図14】本発明の他の実施形態による図12及び図13に示すクランプ機構の他の図である。
【図15】本発明の他の実施形態による図12及び図13に示すクランプ機構の他の図である。
【図16】本発明の他の実施形態による図12及び図13に示すクランプ機構の他の図である。
【図17】図14〜図16に示すクランプ機構の側断面図である
【図18】図14〜図16に示すクランプ機構の分解図である
【図19】本発明による金属ストラットに取り付けられているフロントクランプの図である。
【図20】電力ケーブルが見えるように金属ストラットが除去された、図19に示すフロントクランプの図である。
【図21】本発明によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の図である。
【図22】図21に示すスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の一部分の拡大図で、ロック機構を示す。
【図23】図21に示すスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の一部分の拡大図で、ロック機構を示す。
【図24】本発明の他の実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の図である。
【図25】本発明の他の実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の図である。
【図26】本発明の他の実施形態によるクランプ機構の図である。
【図27】本発明の他の実施形態によるクランプ機構の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
一般的に言えば、本発明は、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを無線制御手段によって操作されるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロックを用いて安全に保管する方法及び装置を提供するものである。
【0027】
図1に示すように、本発明によるスキー、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置は全体が100で示されている。図1は、装置100が2つのほぼ垂直の脚部110、112を備えることを示す。垂直脚部110は2つのボトム支持部114、116を有し、垂直脚部112も2つのボトム支持部118、120を有する。ボトム支持部114、116、119、120は安定性をもたらす。
【0028】
図1は、装置100が水平筋交いの形の下部支持部材122及び上部支持部材124を備えることを示す。上部支持部材124はほぼ水平で、脚部110及び112に取り付けられる。支持部材124の位置は異なる長さのスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又は異なる長さ及びサイズのスノーボードを収容するために脚部110、112上で調整可能である。従って、装置100は異なるタイプのスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードに適応させることができる。
【0029】
一連のロック機構126が示されている。図1には、3つのロック機構126がアクティブ位置にあり、スキー128が保持されている状態が示されている。ロック機構126はスキー及び/又はスノーボードのビンディングの中央部、上部又は下部の周囲に位置するように設計することができる。
【0030】
図2はロック機構126の拡大図である。ロック機構126は、アクティブ位置から非アクティブ位置へ回転可能な2つのクランプ130,132を備える。図2の左側には非アクティブ位置にあるロック機構126が示されているが、図2の右側にはアクティブ位置にあるロック機構126が示され、クランプ130,132は1対のスキー板128を把持している。
【0031】
図3はロック機構126の更なる描写であり、ロック機構の各側のクランプ130,132は少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを把持する2つのU字型部材を備える。ロック機構126は連結部材134を用いて水平支持部材124に取り付けられる。
【0032】
図4は装置100のロック機構126を動作させるために使用される太陽電池パネル136の更なる描写である。
【0033】
ロック機構の動作は有効なRFIDカード又はタグなどのプリペイド電子無線システムによって制御することができる。支払いは、RFIDカード又はタグを受信機で読み取るごとに行なわれるか、スキーヤ/スノーボーダが所定期間(例えば24時間)のRFIDカード又はタグ(「ロックパス」)を予め購入することによって行われるようにし得る。この場合、スキーヤ/スノーボーダはリゾート地内の任意のロック装置を「ロックパス」が有効である期間中彼らが望む限り何度でも使用することができる。「ロックパス」の期限が切れても、スキーヤ/スノーボーダはロック装置に保管されたままの自分の用具を取り出すことができるが、別の「ロックパス」を購入するまでロック装置を再度使用することはできない。ロック機構126は、有効なRFIDカード又はタグが受信機でスキャンされると、使用可能になる。いくつかの実施形態においては、受信機はロック機構126をオン状態にすることができる。このアクティブ状態中に、ロック機構126は図2の左側に示す開位置に移動し得る。少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードをロック機構126内に置くと、ロック機構自体が、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードがロック機構126内に置かれたことを自動的に検出することができ、またRFIDカード又はタグの更なる読み取りでロック機構126をロック位置へ起動することができる。装置100上の受信機は任意の適切な位置に設置することができ、例えば個々のロック機構に又は所定数のロック機構126を制御する装置100の端に設置することができる。
【0034】
装置100は、どのロックが使用可能でどのロックが使用不能であるかをスキーヤ及ぶスノーボーダに知らせるために使用できる一連のカラーLED光を備えることもできる。
【0035】
支払い後に、利用者は少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードをロック機構126内に置くことができる。したがって、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードの収容は直感的ですばやくできる。一旦用具が正しい位置に収容されると、手動ラチェット機構又は電気作動ソレノイドを用いてロック機構126を締めることができ、よって用具の取り出し及び窃盗を防ぐことができる。
【0036】
一旦少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードが収容され、ロック機構126が起動されると、その用具は今や安全に保管されているので、無人で放置することができる。ロック機構126は、開放のための無線メッセージがロック機構126に送られたときのみ開放する。上述したように、任意の適切なタイプの無線手段を使用できるが、例えばRFIDカード又はタグを使用し、受信機でスキャンしてロック機構126を起動及び解除することができる。置き忘れた場合にRFIDカード又はタグを交換もしくは無効化する必要がある場合には、リゾート従業員又はタグ販売業者もスキーヤ又はスノーボーダのアカウントへのアクセス権を有する。
【0037】
装置100及び一連のロック機構126の実際の利用料金は各リゾートで決定できる。更に、製造及びメインテナンスの資金調達のために装置内に広告スペースを含めることができる。装置100は金属、合金及び/又はプラスチックなどの適切な材料で製造することができる。
【0038】
図5は、本発明の他の実施形態によるスキー板、スキーストック及び/又はスノーボーダロック装置の描写であり、全体を200で示している。装置200は2つの主支持脚部210、212及びほぼ水平の上部支持部材216を備える。水平支持部材216には一連のロック部材214が設置される。装置200は装置200に電力を供給する太陽電池パネル装置236も有する。
【0039】
図6及び図7はロック機構214のより詳細な図である。図6に示すように、ロック部材214は本体216を備え、本体216にはスノーボードをしっかり保持するのに適した長いスロット218、スキーストック又は1対のスキーストックをしっかり保持するのに適した第2のスロット220及びスキー板又は1対のスキー板をしっかり保持し得る第3のスロット222がある。図6に示すように、ロック部材214は各側に一連のスロット218、220、222を備える。図6の左側には、開位置のラッチ224が示されている。使用中、ラッチ224は図6の右側に示すように押し下げてロックすることができる。図7は図6に類似するが、左側のロック機構214もロック位置にある状態を示している。
【0040】
図8はロック部材214の上面図を示し、この図はスノーボードをしっかり固定し得る細長いスロット218、スキーストック又は1対のスキーストックをしっかり固定し得る第2のスロット220及びスキー板又は1対のスキー板をしっかり固定し得る第3のスロット222を明瞭に示している。
【0041】
図9は他の装置300の描写であり、この装置300は長手部材310及び2つの延長脚部312、314を備える。長手部材310に沿って一連のロック部材316が存在する。図9に示すように、1つのロック部材318が1対のスキー板320を保持するために使用され、1つの別のロック部材318がスノーボード322を保持するために使用されている。
【0042】
図10は、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードをしっかり固定し得る他の装置400の描写である。図10に示す装置400は2つの脚部410、412及び上部支持部材414を備え、上部支持部材414に沿って一連のロック部材416が設置される。図11は装置400の上面図であり、ロック部材416を示す。
【0043】
図12〜図20、図26及び図27は本発明によるクランプ500を示す。図14、図15及び図16に示されるように、クランプ500はバッククランプ510及びフロントクランプ512を備え、これらのクランプ510及び512はストラット518の両端部にボルト留めされ、バッククランプ510はスキー板、スキー板とスキーストック又はスノーボードなどの用具に係合するように前後に容易に移動し得るように構成されている。
【0044】
図18は全クランプ機構の種々の部分の分解図であり、バッククランプ510は上部532及び下部530を備える。フロントクランプ512は上部528及び下部526を備える。バック及びフロントクランプ510、512はプラスチック射出モールド成形又はダイキャスト成形などの任意の適切な手段によって作ることができる。バック及びフロントクランプ510、512はストラット518で連結されることが示され、ストラット518はステンレススチールなどの強い材料からなる。ストラット518にロック板519が取り付けられることが示されている。図18に示すロック機構はスキー板、スキー板とスキーストック又はスノーボードを把持するために使用し得るフロントゴムグリップ536及びバックゴムグリップ538を備える。バック及びフロントクランプ510、512の間を接続する螺旋ケーブル552も示されている。螺旋ケーブル552はソレノイド/リニアアクチュエータの電力を供給し、命令を送る電力ケーブルである。ばねドラム550に連結された引張コイルばね534も示されている。ソレノイド/アクチュエータ546及び圧縮ばね548も示されている。電源544、光カバー540及びPCB542も示されている。
【0045】
ロック機構はバック及びフロントクランプ510、512及びストラット518からなる。ストラット518の内部にはバッククランプ510内のばねドラム550に連結された引張ばね534があり、ストラット518の後部にスチールピンがある。非使用中のすべての使用可能なロックはバッククランプ510がストラット518の後部に引き付けられた開位置に維持される。バッククランプ510はストラット518に沿って自由に前後に移動し得るが、所定の位置にロックし得ないため、不正使用が防げる。バッククランプ510の内部にはソレノイド又はリニアアクチュエータ及びばねから圧力を受けるスチール板がある。スキーヤ又はスノーボーダが自分のRFIDカード又はタグをフロントクランプ512内に設置された受信機でスキャンさせると、ソレノイド/リニアアクチュエータピンが引っ込み、ばねがスチール板を押圧して当該スチール板をロックさせることが可能になる。このとき、スキーヤ又はスノーボーダはバッククランプ510を前方に引っ張って自分のスキー板、スキー板とストック又はスノーボードの上にしっかり締めることができるが、バッククランプ510を後方に動かすことはRFIDカード又はタグを再スキャンするまでできない。
【0046】
フロントクランプ512内に、ロック時及びアンロック時に交互に赤色及び緑色に切り替えることができる2組の4つのライトを設けることができる。つや消しプラスチックカバー540は光を拡散させてロックが使用可能か使用不能かを明瞭にする。
【0047】
フロントクランプ512内のゴムグリップ536は2つのストックを8の字形空間内に保持するとともに1対のスキー板を背面から押してクランプするように設計される。同じ8の字形空間はスノーボードをしっかり保持するためにも設計されている。バッククランプ510は、2つのスキー板を背面から押してしっかりクランプすることができる又はスノーボードを中央部にしっかり保持することができるゴムグリップ538を有する。
【0048】
スキーヤ又はスノーボーダが自分のRFIDカード又はタグを再スキャンすると、ソレノイド/リニアアクチュエータピン546がばね荷重スチール板519を前方へ押し、再び起動されるまでそのまま押し続ける。スチール板519が開放されると、バリヤがクランプ内に押し込まれることによって引っ張りばね534によりバッククランプ510がストラット518の後部に引っ張られる。
【0049】
図21は、本発明によるスキー板、スキー板とストック又はスノーボードをしっかり固定し得る他の装置600を示す。図21に示すように、水平支持部材610が存在し、この支持部材上に、バッククランプ510及びフロントクランプ512を備える複数のロック部材を備え、これらのロック部材はスキー板、スキー板とストック又はスノーボードを係合保持するために使用できる。
【0050】
図22及び図23はクランプ機構の拡大図であり、ストラット518により連結されたバッククランプ510及びフロントクランプ512を示す。図23に示すように、バッククランプ510はストラット518の長さに沿ってスライドしロックすることによってフロントクランプとバッククランプとの間にスキー板、スキー板とストック又はスノーボードを固定することができる。
【0051】
図24は他の装置700を示し、この装置は2つの足部716、718をそれぞれ備える2つの脚部712及び714に取り付けられたクランプ装置を備える。図24に示すように、バッククランプ724及びフロントクランプ722を有する複数のクランプ機構が存在する。バッククランプ724はロック機構を構成するためにフロントクランプ722に対してスライドし得る。
【0052】
図25は他の装置800を示し、この装置は2つの脚部812、814を有するスタンドと、広告部材818を取り付けることができる上部支持部材816を備える。装置800は水平支持部材817を備え、この支持部材上に複数のクランプ機構が存在し、これらのクランプ機構ではクランプ機構を与えるためにバッククランプ822がフロントクランプ820に対してスライドし得る。
【0053】
図26及び図27は本発明による他のクランプ機構900を示す。図26はクランプ機構900の斜視図であり、図27はクランプ機構900の底面図である。 図に示すように、クランプ機構900はバッククランプ910及びフロントクランプ912を備える。バック及びフロントクランプ910、912は、バッククランプ910が固定すべきスキー板、スキー板とストック又はスノーボードなどの用具に係合すべく前後に容易に移動し得るようにストラット918にボルト止めされる。図27はバック及びフロントクランプ910、912間に螺旋ケーブル924が存在することを示している。螺旋ケーブル924はソレノイド/リニアアクチュエータに電力を供給し、命令を送る電力ケーブルである。
【0054】
本発明の特定の実施形態について記載したが、記載した実施形態から逸脱するものも本発明の範囲に含まれることが考えられよう。例えば、遠隔的にアクティブ及び非アクティブにすることができる任意の適切なタイプのロック機構を使用することができる。更に、ロック機構は、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とストック、スキーストック及び/又はスノーボードをしっかり固定することができる任意の適切なタイプの機械的ロック手段を備えることができる。各ロック装置はスキー板、1対のスキー板及び/又はスキーストック又は1対のスキーストックを保持するために使用することもできる。装置は太陽電池、風力発電、蓄電池及び/又は固定電源などの任意の適切な手段を用いて給電することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置であって、前記装置は、
支持体と、
前記支持体に結合され、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを安全にロックし得る少なくとも1つのロック機構とを備え、
前記少なくとも1つのロック機構は無線制御手段を用いてアクティブにすることができる、
ことを特徴とする、安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項2】
前記スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置は、盗難を防止できるとともに無線制御手段を用いてアクティブ化できる、請求項1記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項3】
前記無線アクティブ化手段はカード又はタグを含む無線周波数識別(RFID)システムである、請求項1又は2記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項4】
前記支持体は、少なくとも2つ以上の又は複数の垂直又はほぼ垂直の脚部を備える、請求項1−3のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項5】
前記スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の脚部に少なくとも1つ以上の水平又はほぼ水平の支持部材が取り付けられている、請求項4記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項6】
前記水平又はほぼ水平の支持部材に、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを安全に固定し得る少なくとも1つ以上、少なくとも2つ以上又は複数のロック機構が存在する、請求項5記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項7】
前記ロック機構は、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードと係合しそれらを締め付けることができる任意の適切な機械的手段である、請求項1−6のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項8】
前記ロック機構は、一連のU字形部材を備える回転ロック機構であり、前記U字形部材がスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードの周囲にスナグフィットする、請求項1−7のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項9】
前記ロック機構は、ラッチと、スノーボードを保持し得る第1のスロット、1つ以上のスキーストックを保持しうる第2のスロット及び1つ又は1対のスキー板を保持し得る第3のスロットとを備える、請求項1−8のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項10】
前記ロック機構の動作は、RFIDカード又はタグを含むプリペイド電子無線システムによって制御される、請求項1−9のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項11】
支払いはRFIDカード又はタグを前記ロック装置上の受信機でスキャンすることによって行われるか、支払いはスキーヤ/スノーボーダに所定期間前記ロック装置の使用を可能にするRFIDカード又はタグに対して前もって行われるため、前記RFIDカード又がタグが前記いずれかの支払いのために受信機でスキャンされると、特定の利用者を識別し、空スペースをスキーや又はスノーボ−ダにスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードの保管のために使用可能にすることができる、請求項10記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項12】
前記ロック装置は、ロックが使用可能であるか使用不能であるかをスキーや又はスノーボーダに知らせるために使用し得る一連のLEDを備える、請求項1−11のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項13】
前記ロック装置は太陽電池(太陽電池パネル)、風力発電機、蓄電池及び/又は固定電源を備える、請求項1−12のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項14】
スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを固定する方法であって、前記方法は、
支持体を準備するステップ、
前記支持体に結合され、少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを安全にロックし得る少なくとも1つのロック機構を準備するステップを備え、
前記少なくとも1つのロック機構は無線制御手段を用いてアクティブにすることができる、
ことを特徴とする、スキー板、スキーストック及び/又はスノーボードを固定する方法。
【請求項15】
前記ロック機構はストラットを備え、前記ストラットは一端に固定されたフロントクランプ及び前記ストラットに沿ってスライドしロックし得るバッククランプを有し、それによって少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを固定する、請求項1−14のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項16】
前記ロック機構は、RFIDカード又はタグが前記ロック装置上の受信機でスキャンされる前記ロック装置が動作可能になるまで、ばねによって前記ストラットの後部に引っ込められるバッククランプを備える、請求項1−15のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項17】
前記ロック機構はロック板を備え、前記ロック板は、前記ロック装置が動作可能になるとき、スキーヤ又はスノーボーダが前記バッククランプをスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードに接するまで引き寄せることを許すが、RFIDカード又はタグが前記ロック装置上の受信機で再びスキャンされるまで、前記バッククランプが引っ込むのを阻止し、それによって少なくとも1つ以上のスキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードを前記フロント及びバッククランプ間に固定する、請求項1−16のいずれかに記載の安全なスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。
【請求項18】
スキー板、スキー板とスキーストック、スキーストック及び/又はスノーボードの安全な保管への請求項1−17に記載のスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置の使用。
【請求項19】
図1−27に示され、記載されたスキー板、スキーストック及び/又はスノーボードロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2013−500754(P2013−500754A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522251(P2012−522251)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051230
【国際公開番号】WO2011/012887
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512024912)
【氏名又は名称原語表記】Young, David
【Fターム(参考)】