説明

ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼのインヒビターとしてのアザシクロヘキサン誘導体

構造式Iのアザシクロヘキサン誘導体は、他の既知のステアロイル−コエンザイムAデサチュラーゼと比べて、ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD1)に選択的なインヒビターである。本発明の化合物は、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、肥満、糖尿病、神経疾患、代謝症候群、インスリン抵抗性、及び肝脂肪症を含む異常脂質合成及び代謝に関連する状態の制御及び治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)のインヒビターであるアザシクロヘキサン誘導体、並びにSCD活性により仲介される状態又は疾患を制御、予防及び/又は治療するそのような化合物の使用に関する。本発明の化合物は、心血管疾患、アテローム性動脈硬化症、肥満、糖尿病、神経疾患、代謝症候群、インスリン抵抗性、癌、及び肝脂肪症を含む異常脂質合成及び代謝に関連する状態及び疾患の制御、予防及び治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
少なくとも3種類の脂肪酸アシルコエンザイムA(CoA)デサチュラーゼ(デルタ−5、デルタ−6及びデルタ−9デサチュラーゼ)は、食事由来又は哺乳動物におけるデノボ合成由来の単及び多不飽和脂肪酸アシル−CoA中の二重結合の形成に関与する。デルタ−9特異的ステアロイル−CoAデサチュラーゼ(SCD)は、単不飽和脂肪酸アシル−CoAのC9−C10位でシス二重結合の律速形成を触媒する。好ましい基質は、ステアロイル−CoA及びパルミトイルCoAであり、リン脂質、トリグリセリド、コレステロールエステル及びろうエステルの生合成において主要成分としてオレオイル及びパルミトレオイルCoAをもたらす(DobrzynandNatami,ObesityReviews,6:169−174(2005))。
【0003】
ラット肝ミクロソームSCDタンパク質が1974年に最初に単離され、特徴付けられた(Strittmatteretal.,PNAS,71:4565−4569(1974))。それから多数の哺乳類SCD遺伝子が多様な種からクローン化され、研究されてきた。例えば、2個の遺伝子がラットから同定され(SCD1及びSCD2、Thiedeetal.,J.Biol.Chem.,261,13230−13235(1986)),Mihara,K.,J.Biochem.(Tokyo),108:1022−1029(1990))、4個の遺伝子がマウスから同定され(SCD1、SCD2、SCD3及びSCD4)(Miyazakietal.,J.Biol.Chem.,278:33904−33911(2003))、並びに2個の遺伝子がヒトから同定されている(SCD1及びACOD4(SCD2))(Zhang,etal.,Biochem.J.,340:255−264(1991)、Beiraghi,etal.,Gene,309:11−21(2003)、Zhangetal.,Biochem.J.,388:135−142(2005))。脂肪酸代謝におけるSCDの関与が、1970年代からラット及びマウスにおいて知られている(Oshino,N.,Arch.Biochem.Biophys.,149:378−387(1972))。このことは、a)SCD1遺伝子に天然の突然変異体を担持するAsebiaマウス(Zhengetal.,NatureGenetics,23:268−270(1999))、b)標的遺伝子欠失由来のSCD1ヌルマウス(Ntambi,etal.,PNAS,99:11482−11486(2002))、及びc)レプチン誘発体重減少時ののSCD1発現の抑制(Cohenetal.,Science,297:240−243(2002))の生物学的研究により更に支持されている。SCD活性の薬理学的阻害の潜在的な利益が、マウスにおけるアンチセンスオリゴヌクレオチドインヒビター(ASO)により実証されている(Jiang,etal.,J.Clin.Invest.,115:1030−1038(2005))。SCD活性のASO阻害は、初代マウス肝細胞において、脂肪酸合成を低減し、脂肪酸酸化を増加した。SCD−ASOによるマウスの処置は、食餌誘発肥満の予防、体脂肪過多、肝腫大、脂肪症、食後血漿インスリン及びグルコースレベルの低減、デノボ脂肪酸合成の低減、脂質生成遺伝子発現の減少、並びに肝臓及び脂肪組織におけるエネルギー消費を促進する遺伝子発現の増加をもたらした。したがって、SCD阻害は、肥満及び関連する代謝性疾患の治療における新規の治療方針を表す。
【0004】
ヒトにおけるSCD活性の上昇が幾つかの一般的な疾患過程に直接関連していることを支持する有力な証拠が存在する。例えば、非アルコール性脂肪肝疾患患者において、トリグリセリド分泌に対して肝脂質形成が上昇する(Diraison,etal.,DiabetesMetabolism,29:478−485(2003)、Donnelly,etal.,J.Clin.Invest.,115:1343−1351(2005))。食後デノボ脂質形成は、肥満患者において著しく上昇する(Marques−Lopes,etal.,AmericanJournalofClinicalNutrition,73:252−261(2001))。高SCD活性及び血清トリグリセリド上昇、高肥満指数及び血漿HDL低減を含む心血管危険性プロフィールの増加との間に有意な相関関係が存在する(Attie,etal.,J.LipidRes.,43:1899−1907(2002))。SCD活性は、ヒト形質転換細胞の増殖及び生存の制御における主要な役割を果たす(ScagliaandIgal,J.Biol.Chem.,(2005))。
【0005】
上記のアンチセンスオリゴヌクレオチドの他に、SCD活性のインヒビターには、非選択性チア脂肪酸基質類似体〔B.BehrouzianandP.H.Buist,Prostaglandins,Leukotrienes,andEssentialFattyAcids,68:107−112(2003)〕、シクロプロペノイド脂肪酸(RajuandReiser,J.Biol.Chem.,242:379−384(1967))、特定の結合長鎖脂肪酸異性体(Park,etal.,Biochim.Biophys.Acta,1486:285−292(2000))、並びに国際特許公開公報WO2005/011653、2005/011654、2005/011656、2005/011656及び2005/011657(全てXenonPharmaceuticals,Inc.に譲渡)に開示されている一連のピリダジン誘導体が挙げられる。
【0006】
本発明は、非アルコール脂肪肝疾患で例示されている脂質レベル上昇、心血管疾患、肥満、糖尿病、代謝症候群及びインスリン耐性が挙げられるが、これらに限定はされない、SCD活性により仲介される多様な状態及び疾患の治療及び/又は予防に有用である、ステアロイル−CoaAデルタ−9デサチュラーゼのインヒビターとしての新規アザシクロヘキサン誘導体に関する。
【0007】
脂質代謝におけるステアロイル−コエンザイムAデサチュラーゼの役割は、M.MiyazakiandJ.M.Ntambi,Prostaglandins,Leukotrienes,andEssentialFattyAcids,68:113−121(2003)により記載されている。SCD活性の薬理学的処置による治療上の可能性は、A.DobryznandJ.M.Ntambi,in“Stearoyl−CoAdesaturaseasanewdrugtargetforobesitytreatment”ObesityReviews,6:169−174(2005)により記載されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、構造式I:
【0009】
【化1】

【0010】
で示されるアザシクロヘキサン誘導体に関する。
【0011】
これらのアザシクロヘキサン誘導体は、SCDのインヒビターとして有効である。したがって、それらは、糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、アテローム性動脈硬化症及び代謝症候群などの、SCDの阻害が原因である疾患の治療、制御又は予防に有用である。
【0012】
本発明は、また、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物に関する。
【0013】
本発明は、また、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することにより、必要のある対象において、SCDの阻害が原因の障害、疾患又は状態を治療、制御又は予防する方法に関する。
【0014】
本発明は、また、本発明の化合物及び医薬組成物を投与することにより、2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、アテローム性動脈硬化症及び代謝症候群を治療、制御又は予防する方法に関する。
【0015】
本発明は、また、本発明の化合物を、状態の治療に有用であることが知られている別の作用物質の治療有効量と組み合わせて投与することにより、肥満を治療、制御又は予防する方法に関する。
【0016】
本発明は、また、本発明の化合物を、状態の治療に有用であることが知られている別の作用物質の治療有効量と組み合わせて投与することにより、2型糖尿病を治療、制御又は予防する方法に関する。
【0017】
本発明は、また、本発明の化合物を、状態の治療に有用であることが知られている別の作用物質の治療有効量と組み合わせて投与することにより、アテローム性動脈硬化症を治療、制御又は予防する方法に関する。
【0018】
本発明は、また、本発明の化合物を、状態の治療に有用であることが知られている別の作用物質の治療有効量と組み合わせて投与することにより、脂質障害を治療、制御又は予防する方法に関する。
【0019】
本発明は、また、本発明の化合物を、状態の治療に有用であることが知られている別の作用物質の治療有効量と組み合わせて投与することにより、代謝症候群を治療する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、SCDのインヒビターとして有用なアザシクロヘキサン誘導体に関する。本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩は、構造式I:
【0021】
【化2】

【0022】
〔式中、
nは、それぞれ独立して、0、1又は2であり、
mは、それぞれ独立して、0、1又は2であり、
pは、それぞれ独立して、0、1又は2であり、
X−Yは、N−C(O)、N−S(O)2、N−CR、CH−O、CH−S(O)p、CH−NR13、CH−CR又はCH−C(O)であり、
Arは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、それぞれ1乃至5つのR3a置換基で置換されていてもよく、
HetArは、下記:
オキサゾリル、
チアゾリル、
イミダゾリル、
ピラゾリル、
イソオキサゾリル、
イソチアゾリル、
1,2,4−オキサジアゾリル、
1,3,4−オキサジアゾリル、
1,2,5−オキサジアゾリル、
1,2,3−オキサジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、
1,2,5−チアジアゾリル、
1,3,4−チアジアゾリル、
1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−トリアゾリル、
1,2,3−トリアゾリル、
テトラゾリル、
ベンゾチアゾリル、
ベンゾオキサゾリル、
ベンズイミダゾリル、
ベンゾイソオキサゾリル及び
ベンゾイソチアゾリル
からなる群より選択される縮合していてもよい5員芳香族複素環であり、
ここで芳香族複素環は、R3bから独立して選択される1乃至2つの置換基で置換されていてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−3アルキルであり、ここでアルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよく、
各R3a及び各R3bは、下記:
1−6アルキル、
(CHOR
(CH−フェニル、
(CH−ナフチル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ヘテロシクリル、
(CH2)nC37シクロアルキル、
ハロゲン、
(CH2)nN(R)2、
(CH2)nC≡N、
(CHCO
(CHCOR
NO
(CHNRSO
(CH2)nSON(R)2、
(CH2)nS(O)pR
(CH2)nNRC(O)N(R)2、
(CH2)nC(O)N(R)2、
(CH2)nC(O)N(OR)R
(CH2)nC(O)N(NH)R
(CH2)nNRC(O)R
(CHNRCO
O(CH2)nC(O)N(R)2、
CF
CHCF
OCF及び
OCHCF
からなる群より独立して選択され、
ここで、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキルから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよく、ここでアルキルはヒドロキシ又は1乃至3個のフッ素で置換されていてもよく、R3a又はR3bの任意のメチレン(CH)炭素原子は、フッ素、ヒドロキシ及び1乃至5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキルから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよいか、又は同じメチレン(CH)基が、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成する場合は、2つの置換基で置換されていてもよく、
は、それぞれ独立して、下記:
水素、
1−6アルキル、
(CH−フェニル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ナフチル及び
(CH2)mC37シクロアルキル
からなる群より独立して選択され、
ここで、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、ハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至3つの基により置換されていてもよく、アルキル及びアルコキシは、1乃至5個のフッ素で置換されていてもよいか、或いは2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S及びNC1−4アルキルから選択される追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員の単環式又は二環式の環系を形成し、
、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、フッ素、又はC1−3アルキルであり、ここでアルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよく、そして
13は、水素又はC1−6アルキルである〕
により記載される。
【0023】
本発明の化合物の一実施形態において、nは0である。
【0024】
本発明の化合物の第2の実施形態において、X−YはN−C(O)である。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの置換基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義されたR3aから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0025】
本発明の化合物の第3の実施形態において、X−YはN−S(O)である。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾリルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0026】
本発明の化合物の第4の実施形態において、X−YはCH−Oである。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。このクラスの下位クラスにいおいて、R3bは、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、ここでヘテロアリール又はヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びC1−3アルコキシから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよい。この下位クラスの下位クラスにおいて、ヘテロアリールは、2H−テトラゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルである。
【0027】
本発明の化合物の第5の実施形態において、X−YはCH−S(O)である。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0028】
本発明の化合物の第6の実施形態において、X−YはN−CRである。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは水素であり、Arは上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、R及びRは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0029】
本発明の化合物の第7の実施形態において、X−YはCH−NR13である。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは水素であり、Arは上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、R及びRは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0030】
本発明の化合物の第8の実施形態において、X−YはCH−C(O)である。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、R及びRは、水素であり、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0031】
本発明の化合物の第9の実施形態において、X−YはCH−CRである。この実施形態のクラスにおいて、HetArは、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれ、上記で定義されたR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい。このクラスの下位クラスにおいて、HetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。この実施形態の別のクラスにおいて、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである。この実施形態の更になお別のクラスにおいて、R及びRは、水素であり、Arは、上記で定義された1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArは、上記で定義されたR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである。
【0032】
本発明の化合物の更なる実施形態において、R乃至R11は水素である。
【0033】
本発明の化合物のなお更なる実施形態において、R3aは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルキルスルホニル、シアノ及びC1−4アルコキシからなる群より独立して選択される。
【0034】
本発明の化合物のなお更なる実施形態において、R3bは、下記:
ハロゲン、
シアノ、
C(O)N(R)2、
C(O)R
CO
CHOR(ここでCHは、ヒドロキシ、フッ素及びメチルから独立して選択される1つの置換基で置換されていてもよい)、
NRC(O)R
SON(R及び
1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、2−チアゾリル及び2H−テトラゾール−5−イルからなる群から選択されるヘテロアリール(ここでヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキルから独立して選択される1乃至2つの置換基で置換されていてもよく、ここでアルキルは、ヒドロキシ又は1乃至3個のフッ素で置換されていてもよい)
からなる群より独立して選択される。
【0035】
SCDのインヒビターとして有用である本発明に係る化合物の、例は、以下であるが、これらに限定されない:
【0036】
【化3】

【0037】
【化4】

【0038】
【化5】

【0039】
並びにその薬学的に許容される塩。
【0040】
本発明の更なる例示は、下記:
【0041】
【化6】

【0042】

からなる群より選択される化合物、並びにその薬学的に許容される塩である。
【0043】
本明細書で使用されるとき、以下の定義が適用される。
【0044】
「アルキル」並びにアルコキシ及びアルカノイルなどの接頭辞「アルク(alk)」を有する他の基は、炭素鎖が別に定義されていない限り、直鎖又は分岐鎖及びその組み合わせでありうる炭素鎖を意味する。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−及びtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどが挙げられる。炭素原子の特定の数が許される場合、例えばC3−10の場合、アルキルという用語には、シクロアルキル基、及びシクロアルキル構造と組み合わされる直鎖又は分岐鎖アルキル鎖の組み合わせも挙げられる。炭素原子の数が特定されない場合は、C1−6が意図される。
【0045】
「シクロアルキル」は、アルキルのサブセットであり、炭素原子の特定の数を有する飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。シクロアルキル基は、特に記載されない限り、一般に単環式である。シクロアルキル基は、特に定義されない限り、飽和である。
【0046】
用語「アルコキシ」は、炭素数が特定されている(例えば、C1−6アルコキシ)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メトキシ(MeO−)、エトキシ、イソプロポキシなど〕の直鎖又は分岐鎖アルコキシドを意味する。
【0047】
用語「アルキルチオ」は、炭素数が特定されている(例えば、C1−6アルキルチオ)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルチオ(MeS−)、エチルチオ、イソプロピルチオなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルスルフィドを意味する。
【0048】
用語「アルキルアミノ」は、炭素数が特定されている(例えば、C1−6アルキルアミノ)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルアミンを意味する。
【0049】
用語「アルキルスルホニル」は、炭素数が特定されている(例えば、C1−6アルキルスルホニル)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルスルホニル(MeSO−)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニルなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホンを意味する。
【0050】
用語「アルキルスルフィニル」は、炭素数が特定されている(例えば、C1−6アルキルスルフィニル)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルスルフィニル(MeSO−)、エチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニルなど〕の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホキシドを意味する。
【0051】
用語「アルキルオキシカルボニル」は、炭素数が特定されている(例えば、C1−6アルキルオキシカルボニル)又はこの範囲内の任意の数〔すなわち、メチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニル又はブチルオキシカルボニル〕の本発明のカルボン酸誘導体の直鎖又は分岐鎖エステルを意味する。
【0052】
「アリール」は、炭素環原子を含む単環式又は多環式芳香族環系を意味する。好ましいアリールは、単環式又は二環式6員乃至10員芳香族環系である。フェニル及びナフチルが好ましいアリールである。最も好ましいアリールはフェニルである。
【0053】
「ヘテロシクリル」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、酸化形態の硫黄、すなわちSO及びSOを更に含む飽和又は不飽和の非芳香族環又は環系を意味する。複素環の例には、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モルホリン、1,4−ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3−ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン、2−オキソピペリジン−1−イル、2−オキソピロリジン−1−イル、2−オキソアゼチジン−1−イル、1,2,4−オキサジアジン−5(6H)オン−3−イルなどが挙げられる。
【0054】
「ヘテロアリール」は、O、S及びNから選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む、芳香族又は部分的に芳香族複素環を意味する。したがってヘテロアリールには、アリール、シクロアルキル及び芳香族ではない複素環などの他の種類の環に縮合しているヘテロアリールも挙げられる。ヘテロアリール基の例には、ピロリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、(特に、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル及び1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フリル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、インドリニル、ピリダジニル、インダゾリル、イソインドリル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、カルバゾリル、ベンゾジオキソリル、キノキサリニル、プリニル、フラザニル、イソベンジルフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、キノリル、インドリル、イソキノリル、ジベンゾフラニルなどが挙げられる。ヘテロシクリル及びヘテロアリール基には、3乃至15個の原子を含む環及び環系が挙げられ、1乃至3個の環を形成する。
【0055】
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。塩素及びフッ素が一般に好ましい。フッ素は、ハロゲンがアルキル又はアルコキシ基で置換されている場合に最も好ましい(例えば、CF3O及びCF3CH2O)。
【0056】
構造式Iの化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでもよく、したがって、ラセミ化合物、ラセミ混合物、単独の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物及び個別のジアステレオマーとして存在することができる。本発明は、構造式Iの化合物のそのような異性体形態を全て包含することを意味する。
【0057】
構造式Iの化合物を、例えば、適切な溶媒、例えばメタノール若しくは酢酸エチル、又はこれらの混合物からの分別結晶化により、或いは光学的に活性な固定相を使用するキラルクロマトグラフィーを介して、個別のジアステレオ異性体に分離することができる。絶対立体化学は、既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬を用いて、結晶性生成物又は必要であれば誘導体化された結晶性中間体のX線結晶学により決定することができる。
【0058】
あるいは、一般構造式Iの化合物の任意の立体異性体は、光学的に純粋な出発材料又は既知の絶対配置の試薬を使用する立体特異的合成によって得ることができる。
【0059】
望ましい場合、化合物のラセミ混合物を、個別の鏡像異性体が単離するように分離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物を鏡像異性的に純粋な化合物とカップリングして、ジアステレオマー混合物を形成すること、続いて個別のジアステレオマーを分別結晶化又はクロマトグラフィーなどの標準的な方法により個別のジアステレオマーに分離することなどの、当該技術で周知の方法により実施することができる。カップリング反応は、多くの場合、鏡像異性的に純粋な酸又は塩基を使用して塩を形成する。次にジアステレオマー誘導体を、添加したキラル残基の開裂により純粋な鏡像異性体に変換することができる。化合物のラセミ混合物を、キラル固定相を利用するクロマトグラフィー法により直接分離することもでき、この方法は当該技術においてよく知られている。
【0060】
本明細書で記載される幾つかの化合物は、特に指定のない限り、オレフィン性二重結合を含み、それは、EとZの両方の幾何異性体を含むことを意味する。
【0061】
本明細書に記載される幾つかの化合物は、互変異性体として存在することができ、それは、1つ以上の二重結合シフトを伴う水素の異なる結合点を有する。例えば、ケトン及びそのエノール形態は、ケト−エノール互変異性体である。個別の互変異性体、並びにその混合物は、本発明の化合物に包含される。
【0062】
本明細書で使用されるとき、構造式Iの化合物に参照されるものには、薬学的に許容される塩も含まれ、また、遊離化合物に対する前駆体として使用される場合は、薬学的に許容されない塩、又はその薬学的に許容される塩若しくは他の合成的に操作されたものが含まれることを意味することが理解される。
【0063】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で投与することができる。用語「薬学的に許容される塩」は、無機又は有機塩基及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製される塩を意味する。用語「薬学的に許容される塩」の範囲内に包含される塩基性化合物の塩は、本発明の化合物の非毒性塩を意味し、これは、一般に遊離塩基を適切な有機又は無機酸と反応させて調製される。本発明の塩基性化合物の代表的な塩には、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、ショウノウ酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、臭化メチル、硝酸メチル、硫酸メチル、粘液酸塩、ナプシレート、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモエート(エンボネート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシレート、トリエトヨウ化物及び吉草酸塩。更に、本発明の化合物が酸性部分を有する場合、その適切な薬学的に許容される塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを含む無機塩基から誘導される塩が挙げられるが、これらに限定はされない。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、塩素、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
【0064】
また、カルボン酸(−COOH)又はアルコール基が本発明の化合物に存在する場合、メチル、エチル若しくはピバロイルオキシメチルなどのカルボン酸誘導体、又はアセチル、ピバロイル、ベンゾイル及びアミノアシルなどのアルコールのアシル誘導体の薬学的に許容されるエステルを用いることができる。含まれるものは、持続性放出又はプロドラッグ製剤として使用される、可溶性又は加水分解特性を変更することが当該技術で知られているエステル及びアシル基である。
【0065】
構造式Iの化合物の溶媒和物、特に水和物も同様に本発明に含まれる。
【0066】
主題の化合物は、化合物の有効量を投与することを含む、ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)酵素の阻害を、そのような阻害の必要性のある哺乳動物などの患者で行う方法において有用である。したがって本発明の化合物は、高い又は異常なSCD酵素活性により仲介される状態及び疾患を制御、予防及び/又は治療するのに有用である。
【0067】
したがって、本発明の一つの態様は、高血糖症、糖尿病又はインスリン抵抗性を、その治療が必要な哺乳類患者において治療する方法であって、有効量の構造式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を前記患者に投与することを含む方法に関する。
【0068】
本発明の第2の態様は、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、構造式Iの化合物の抗糖尿病有効量を患者に投与することを含む方法に関する。
【0069】
本発明の第3の態様は、肥満を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、糖尿病の治療に有効な量で構造式Iの化合物を前記患者に投与することを含む方法に関する。
【0070】
本発明の第4の態様は、代謝症候群及びその後遺症を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、代謝症候群及びその後遺症の治療に有効な量で構造式Iの化合物を前記患者に投与することを含む方法に関する。代謝症候群の後遺症には、高血圧、血中グルコースレベルの上昇、高トリグリセリド、及び低レベルのHDLコレステロールが挙げられる。
【0071】
本発明の第5の態様は、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群より選択される脂質障害を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、脂質障害の治療に有効な量で構造式Iの化合物を前記患者に投与することを含む方法に関する。
【0072】
本発明の第6の態様は、アテローム性動脈硬化症を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、アテローム性動脈硬化症の治療に有効な量で構造式Iの化合物を前記患者に投与することを含む方法に関する。
【0073】
本発明の第7の態様は、癌を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、癌の治療に有効な量で構造式Iの化合物を前記患者に投与することを含む方法に関する。
【0074】
本発明の更なる態様は、(1)高血糖症、(2)低糖耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎症、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)代謝症候群、並びに(24)インスリン抵抗性が成因となっている他の状態及び疾患からなる群より選択される状態を、その治療の必要な哺乳類患者において治療する方法であって、前記状態の治療に有効な量で構造式Iの化合物を患者に投与することを含む方法に関する。
【0075】
本発明のなお更なる態様は、(1)高血糖症、(2)低糖耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎症、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)代謝症候群、並びに(24)インスリン抵抗性が成因となっている他の状態及び疾患からなる群より選択される状態の発症を、その治療の必要な哺乳類患者において遅延する方法であって、前記状態の発症の遅延に有効な量で構造式Iの化合物を患者に投与することを含む方法に関する。
【0076】
本発明のなお更なる態様は、(1)高血糖症、(2)低糖耐性、(3)インスリン抵抗性、(4)肥満症、(5)脂質障害、(6)脂質異常症、(7)高脂血症、(8)高トリグリセリド血症、(9)高コレステロール血症、(10)低HDLレベル、(11)高LDLレベル、(12)アテローム性動脈硬化症及びその後遺症、(13)血管再狭窄、(14)膵炎、(15)腹部肥満、(16)神経変性疾患、(17)網膜症、(18)腎症、(19)神経障害、(20)脂肪肝疾患、(21)多嚢胞性卵巣症候群、(22)睡眠呼吸障害、(23)代謝症候群、並びに(24)インスリン抵抗性が成員となっている他の状態及び疾患からなる群より選択される状態が進展する危険性を、その治療の必要な哺乳類患者において低減する方法であって、前記状態が進展する危険性の低減に有効な量で構造式Iの化合物を患者に投与することを含む方法に関する。
【0077】
ヒトなどの霊長類に加えて、多様な他の哺乳類を本発明の方法に従って処置することができる。例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット又は他のウシ科、ヒツジ科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、マウスなどの齧歯類の種が挙げられるが、これらに限定はされない哺乳動物を処置することができる。しかし、本方法は、鳥類(例えば、ニワトリ)などの他の種で実施することもできる。
【0078】
本発明は、更に、本発明の化合物を薬学的に許容される担体又は稀釈剤と組み合わせることを含む、ヒト及び動物においてステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性を阻害する薬剤の製造方法を対象とする。より詳細には、本発明は、哺乳動物において高血糖症、2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満及び脂質障害からなる群より選択される状態を治療するのに使用する薬剤の製造における構造式Iの化合物の使用を対象とし、ここで脂質障害は、異脂肪血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群より選択される。
【0079】
本発明の方法で治療される対象は、一般に、哺乳動物、好ましくは男性又は女性のヒトであり、ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性が阻害されている対象が望ましい。用語「治療有効量」は、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医により追求される組織、系、動物又はヒトにおいて生物学的又は医学的反応を誘発する、主題化合物の量を意味する。
【0080】
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の直接的又は間接的な組み合わせによりもたらされる任意の生成物を包含する。医薬組成物に関するそのような用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物を包含し、並びに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、錯化若しくは凝集、又は1つ以上の成分の解離、又は1つ以上の成分の他の種類の反応、若しくは相互作用により、直接的又は間接的にもたらされるあらゆる生成物を包含することが意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物を薬学的に許容される担体と混合して作製されるあらゆる組成物を包含する。「薬学的に許容される」とは、担体、稀釈剤又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性がなければならず、摂取者に有害であってはならないことを意味する。
【0081】
化合物の「投与」又は化合物を「投与する」という用語は、本発明の化合物又は本発明化合物のプロドラッグを治療の必要性がある個人に提供することを意味すると理解されるべきである。
【0082】
ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼ(SCD)酵素活性のインヒビターとしての本発明の化合物の有用性を、以下のミクロソーム及び全細胞系アッセイに従って、実証することができる。
I.SCD誘発ラット肝ミクロソームアッセイ:
SCD酵素に対する式Iの化合物の活性は、SCD1誘発ラット肝ミクロソームアッセイ及び以前に発表された手順(Joshi,etal.,J.LipidRes.,18:32−36(1977))にいくらかの変更を加えたものを使用して、放射線標識ステアロイル−CoAのオレオイル−CoAへの変換の後で決定される。ウイスターラットに高炭水化物/脂肪無含有齧歯類食餌(LabDiet#5803,Purina)を3日間与えた後、SCD誘発肝臓を、250mMのスクロース、1mMのEDTA、5mMのDTT及び50mMのトリスHCl(pH7.5)中で均質化した(1:10w/v)。20分間遠心分離(1,8000×g/4℃)して組織及び細胞片を除去した後、ミクロソームを、100,000×gの遠心分離(60分間)で調製し、得られたペレットを、100mMのリン酸ナトリウム、20%グリセロール及び2mMのDTTに懸濁した。2μLのDMSO中の試験化合物を、180μLのミクロソームと共に(典型的には、トリスHCl緩衝剤(100mM、pH7.5)ATP(5mM)、コエンザイムA(0.1mM)トリトンX−100(0.5mM)及びNADH(2mM)中約100μg/mL)、室温で15分間インキュベートした。反応は、20μLの〔H〕−ステアロイル−CoA(放射能濃度1μCi/mLで最終濃度2μM)の添加により開始し、150μLの1N水酸化ナトリウムの添加により終了させた。オレオイル−CoA及びステアロイル−CoAを室温で60分間加水分解した後、溶液を、0.5mg/mLのステアリン酸と0.5mg/mLのオレイン酸を補充したエタノール中の15%リン酸(v/v)150μLの添加により酸性化した。次に〔H〕−オレイン酸及び〔H〕−ステアリン酸を、C−18逆相カラム及びPackardFlowScintillationAnalyzerを備えたHPLCで定量化した。あるいは、反応混合物(80μL)を、塩化カルシウム/炭水性懸濁液(100μLの15%(w/v)炭+20μLの2N CaCl)と混合した。得られた混合物を遠心分離して沈殿させて、放射性脂肪酸種を安定したペレットにした。9,10−〔H〕−ステアロイル−CoAのSCD触媒脱飽和によるトリチウム標識水を、シンチレーションカウンターで50μLの上澄みを計測することにより定量化した。
II.全細胞系SCD(デルタ−9)、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼアッセイ:
ヒトHepG2細胞を、24ウエルプレートにおいて、10%熱不活性化ウシ胎児血清で補充したMEM培地(Gibcocat#11095−072)の中で、加湿インキュベーターにより37℃、5%COで増殖させた。培地に溶解した試験化合物を、亜集密細胞と共に、37℃で15分間インキュベートした。〔1−14C〕−ステアリン酸を各ウエルに加えて、最終濃度0.05μCi/mLとし、SCD触媒〔14C〕−オレイン酸形成を検出した。0.05μCi/mLの〔1−14C〕−エイコサトリエン酸又は〔1−14C〕−リノレン酸+10μMの2−アミノ−N−(3−クロロフェニル)ベンズアミド(デルタ−5デサチュラーゼインヒビター)を使用して、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼ活性それぞれに指数を付けた。37℃で4時間のインキュベーションの後、培養培地を取り出し、標識細胞をPBS(3×1mL)により室温で洗浄した。標識細胞脂質を、400μLの2規定水酸化ナトリウム+50μLのL−α−ホスファチジルコリン(イソプロパノール中2mg/mL、Sigma#P−3556)を使用して、65℃で1時間、窒素下で加水分解した。リン酸(60μL)で酸性化した後、放射性種を、300μLのアセトニトリルで抽出し、C−18逆相カラム及びPackardFlowScintillationAnalyzerを備えたHPLCで定量化した。〔14C〕−ステアリン酸に対する〔14C〕−オレイン酸、〔14C〕−エイコサトリエン酸に対する〔14C〕−アラキドン酸、及び〔14C〕−リノレイン酸に対する〔14C〕−エイコサテトラエン酸(8,11,14,17)のレベルを、SCD、デルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼそれぞれの対応する活性指数として使用した。
【0083】
式IのSCDインヒビターは、一般に、1μM未満、より典型的には0.1μM未満の阻害定数IC50を示す。一般に、式Iの化合物に対するデルタ−5及びデルタ−6デサチュラーゼとSCDのIC50比は、少なくとも約10以上、好ましくは約100以上である。
本発明の化合物のインビボ効力:
式Iの化合物のインビボ効力は、以下で例示されるように、動物における〔1−14C〕−ステアリン酸の〔1−14C〕−オレイン酸への変換の後で決定された。マウスに式Iの化合物を投与し、1時間後、放射能トレーサー〔1−14C〕−ステアリン酸を20μCi/kgで投与した。化合物投与の3時間後、肝臓を採取し、次に10N水酸化ナトリウム中、80℃で24時間加水分解して、肝臓の総脂肪酸のプールを得た。リン酸による抽出物の酸化の後、〔1−14C〕−ステアリン酸及び〔1−14C〕−オレイン酸の量を、C−18逆相カラム及びPackardFlowScintillationAnalyzerを備えたHPLCで定量化した。
【0084】
主題化合物は、更に、上記の疾患、障害及び状態を他の作用物質と組み合わせて予防又は治療する方法において有用である。
【0085】
本発明の化合物は、式Iの化合物又は他の薬剤が有用性を有する場合がある疾患又は状態の治療、予防、抑制又は改善において、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用することができ、薬剤と一緒に組み合わせることは、いずれかの薬剤の単独よりも安全であるか又はより効果的である。そのような他の薬剤は、それに一般的に使用される経路及び量によって、式Iの化合物と同時に又は連続して投与することができる。式Iの化合物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、そのような他の薬剤及び式Iの化合物を含有する投与単位形態の医薬組成物が好ましい。しかし、併用療法は、式Iの化合物及び1つ以上の他の薬剤が異なる重複スケジュールで投与される療法も含むことができる。1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用する場合、本発明の化合物及び他の活性成分は、それぞれ単独で使用されるときよりも低い用量で使用することができることも考慮される。したがって、本発明の医薬組成物には、式Iの化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものが挙げられる。
【0086】
式Iの化合物と組み合わせて投与することができ、別々に投与する又は同じ医薬組成物で投与することができる他の活性成分の例には、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:
(a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)インヒビター、
(b)(i)グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾンなど)などのPPARγアゴニスト、及びKRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、Galida、TAK−559などのPPARα/γデュアルアゴニストを含む他のPPARリガンド、フェノフィブリック酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)などのPPARαアゴニスト、及びWO02/060388、WO02/08188、WO2004/019869、WO2004/020409、WO2004/020408及びWO2004/066963で開示されているような選択的PPARγモジュレーター(SPPARγM)、(ii)メトホルミン及びフェンホルミンなどのビグアナイド剤、並びに(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)インヒビターを含むインスリン増感剤、
(c)インスリン又は擬インスリン、
(c)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進薬、例えばトルブタミド、グリブリド、グリピザイド、グリメピリド及びメグリチニド、例えばナテグリニド及びレパグリニド、
(e)αグルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース及びミグリトール)、
(f)WO98/04528、WO99/01423、WO00/39088及びWO00/69810で開示されているグルカゴンレセプターアンタゴニスト、
(g)GLP−1、GLP−1類似体又は模倣体、並びにエキセンジン4(エクセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161及びWO00/42026及びWO00/59887で開示されているGLP−1レセプターアゴニスト、
(h)WO00/58360で開示されているGIP及びGIP模倣体、並びにGIPレセプターアゴニスト、
(i)PACAP、PACAP模倣体、及びWO01/23420で開示されているPACAPレセプターアゴニスト、
(j)コレステロール低下剤、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼインヒビター(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン及びロスバスタチン、及び他のスタチン)、(ii)捕捉剤(コレスチラミン、コレスチポール、及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iv)フェノフィブリック酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)などのPPARαアゴニスト、(v)ナベグリタザール及びムラグリタザールなどのPPARα/γデュアルアゴニスト、(vi)β―シトステロール及びエゼチミブなどのコレステロール吸収インヒビター、(vii)アバシミベなどのアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼインヒビター、並びに(viii)プロブコールなどの酸化防止剤、
(k)WO97/28149で開示されているPPARδアゴニスト、
(l)フェンフルラミン、デクスフェンフラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、ニューロペプチドY又はYアンタゴニスト、CB1レセプターインバースアンタゴニスト及びアンタゴニスト、βアドレナリン作動性レセプターアゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、特にメラノコルチン4レセプターアゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシンレセプターアゴニスト(例えばボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト)及びメラニン凝集ホルモン(MCH)レセプターアンタゴニストなどの抗肥満化合物、
(m)回腸胆汁酸トランスポーターインヒビター、
(n)アスピリン、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、グルココルチコイド、アズルフィジン及びシクロオキシゲナーゼ2選択的(COX−2)インヒビターなどの、炎症性条件で使用されることが意図される作用物質、
(o)ACEインヒビター(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−IIレセプターブロッカー(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、βブロッカー、並びにカルシウムチャンネルブロッカーなどの抗高血圧剤、
(p)WO03/015774、WO04/076420、及びWO04/081001で開示されているグルコキナーゼ活性化物質(GKA)、
(q)米国特許第6,730,690号、WO03/104207、及びWO04/058741で開示されている11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型のインヒビター、
(r)トルセトラピブなどのコレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)のインヒビター、並びに
(s)米国特許第6,054,587号、同第6,110,903号、同第6,284,748号、同第6,399,782号、及び同第6,489,476号で開示されているフルクトース1,6−ビスホスファターゼのインヒビター。
【0087】
構造式Iの化合物と組み合わせることができるジペプチジルペプチダーゼIVインヒビターには、米国特許第6,699,871号、WO02/076450(2002年10月3日)、WO03/004498(2003年1月16日)、WO03/004496(2003年1月16日)、EP1258476(2002年11月20日)、WO02/083128(2002年10月24日)、WO02/062764(2002年8月15日)、WO03/000250(2003年1月3日)、WO03/002530(2003年1月9日)、WO03/002531(2003年1月9日)、WO03/002553(2003年1月9日)、WO03/002593(2003年1月9日)、WO03/000180(2003年1月3日)、WO03/082817(2003年10月9日)、WO03/000181(2003年1月3日)、WO04/007468(2004年1月22日)、WO04/032836(2004年4月24日)、WO04/037169(2004年5月6日)、及びWO04/043940(2004年5月27日)に開示されているものが挙げられる。特定のDPP−IVインヒビター化合物には、イソロイシンチアゾリジド(P32/98)、NVP−DPP−728、LAF237、P93/01、及びサキサグリプチン(BMS477118)が挙げられる。
【0088】
構造式Iの化合物と組み合わせることができる抗肥満化合物には、フェンフルラミン、デクスフェンフラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、ニューロペプチドY又はYアンタゴニスト、カンナビノイドCBレセプターアンタゴニスト又はインバースアゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、特にメラノコルチン―4レセプターアゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシンレセプターアゴニスト、及びメラニン凝集ホルモン(MCH)レセプターアンタゴニストが挙げられる。構造式Iの化合物と組み合わせることができる抗肥満化合物の検討には、S.Chakietal.,“Recentadvancesinfeedingsuppressingagents:potentialtherapeuticstrategyforthetreatmentofobesity,”ExpertOpin.Ther.Patents,11:1677−1692(2001)、D.SpanswickandK.Lee,“Emergingantiobesitydrugs,”ExpertOpin.EmergingDrugs,8:217−237(2003)、及びJ.A.Fernandez−Lopez,etal.,“PharmacologicalApproachesfortheTreatmentofObesity,”Drugs,62:915−944(2002)を参照すること。
【0089】
構造式Iの化合物と組み合わせることができるニューロペプチドY5アンタゴニストには、米国特許第6,335,345号(2002年1月1日)及びWO01/14376(2001年3月1日)に開示されているものが挙げられ、特定の化合物は、GW59884A、GW569180A、LY366377、及びCGP−71683Aとして同定されている。
【0090】
式Iの化合物と組み合わせることができるカンナビノイドCB1レセプターアンタゴニストには、PCT公開公報WO03/007887、米国特許第5,624,941号(例えば、リモナバン)、PCT公開公報WO02/076949(例えば、SLV−319)、米国特許第6,028,084号、PCT公開公報WO98/41519、PCT公開公報WO00/10968、PCT公開公報WO99/02499、米国特許第5,532,237号、米国特許第5,292,736号、PCT公開公報WO03/086288、PCT公開公報WO03/087037、PCT公開公報WO04/048317、PCT公開公報WO03/007887、PCT公開公報WO03/063781、PCT公開公報WO03/075660、PCT公開公報WO03/077847、PCT公開公報WO03/082190、PCT公開公報WO03/082191、PCT公開公報WO03/087037、PCT公開公報WO03/086288、PCT公開公報WO04/012671、PCT公開公報WO04/029204、PCT公開公報WO04/040040、PCT公開公報WO01/64632、PCT公開公報WO01/64633、及びPCT公開公報WO01/64634に開示されているものが挙げられる。
【0091】
本発明に有用なメラノコルチン―4レセプター(MC4R)アゴニストには、米国特許第6,294,534号、米国特許第6,350,760号、同第6,376,509号、同第6,410,548号、同第6,458,790号、米国特許第6,472,398号、米国特許第5837521号、同第6699873号(これらはその全体が参照として本明細書に組み込まれる)、米国特許出願第2002/0004512号、同第2002/0019523号、同第2002/0137664号、同第2003/0236262号、同第2003/0225060号、同第2003/0092732号、同第2003/109556号、同第2002/0177151号、同第2002/187932号、同第2003/0113263号(これらはその全体が参照として本明細書に組み込まれる)、並びにWO99/64002、WO00/74679、WO02/15909、WO01/70708、WO01/70337、WO01/91752、WO02/068387、WO02/068388、WO02/067869、WO03/007949、WO2004/024720、WO2004/089307、WO2004/078716、WO2004/078717、WO2004/037797、WO01/58891、WO02/070511、WO02/079146、WO03/009847、WO03/057671、WO03/068738、WO03/092690、WO02/059095、WO02/059107、WO02/059108、WO02/059117、WO02/085925、WO03/004480、WO03/009850、WO03/013571、WO03/031410、WO03/053927、WO03/061660、WO03/066597、WO03/094918、WO03/099818、WO04/037797、WO04/048345、WO02/018327、WO02/080896、WO02/081443、WO03/066587、WO03/066597、WO03/099818、WO02/062766、WO03/000663、WO03/000666、WO03/003977、WO03/040107、WO03/040117、WO03/040118、WO03/013509、WO03/057671、WO02/079753、WO02//092566、WO03/−093234、WO03/095474及びWO03/104761に開示されているものが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0092】
併用療法の一つの特定の態様は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群より選択される状態を、その治療が必要な哺乳類患者において治療する方法であって、治療有効量の構造式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターを患者に投与することを含む方法に関する。
【0093】
より詳細には、併用療法のこの態様は、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群より選択される状態を、その治療が必要な哺乳類患者において治療する方法であって、HMG−CoAレダクターゼインヒビターが、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチンからなる群より選択されるスタチンである方法に関する。
【0094】
本発明の別の態様において、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、低HDLレベル、高LDLレベル、高脂血症、高トリグリセリド血症及び脂質異常症からなる群より選択される状態、並びにそのような状態の後遺症の進展の危険性を低減する方法が開示され、その治療が必要な哺乳類患者に、治療有効量の構造式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターを投与することが含まれる。
【0095】
本発明の別の態様において、治療の必要性のあるヒト患者においてアテローム性動脈硬化症の発症を遅延するか又は進展の危険性を低減する方法が開示され、前記患者に、有効量の構造式Iの化合物及びHMG−CoAレダクターゼインヒビターを投与することが含まれる。
【0096】
より詳細には、治療の必要性のあるヒト患者においてアテローム性動脈硬化症の発症を遅延するか又は進展の危険性を低減する方法が開示され、HMG−CoAレダクターゼインヒビターは、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン及びロスバスタチンからなる群より選択されるスタチンである。
【0097】
本発明の別の態様において、治療の必要性のあるヒト患者においてアテローム性動脈硬化症の発症を遅延するか又は進展の危険性を低減する方法が開示され、HMG−CoAレダクターゼインヒビターはスタチンであり、コレステロール吸収インヒビターを投与することが更に含まれる。
【0098】
より詳細には、本発明の別の態様において、治療の必要性のあるヒト患者においてアテローム性動脈硬化症の発症を遅延するか又は進展の危険性を低減する方法が開示され、HMG−CoAレダクターゼインヒビターはスタチンであり、コレステロール吸収インヒビターはエゼチミブである。
【0099】
本発明の別の態様において、以下を含む医薬組成物が開示される:
(1)構造式Iの化合物、
(2)
(a)ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)インヒビター、
(b)(i)グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾンなど)などのPPARγアゴニスト、及びKRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、Galida、TAK−559などのPPARα/γ二重アゴニストを含む他のPPARリガンド、フェノフィブリック酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)などのPPARαアゴニスト、及びWO02/060388、WO02/08188、WO2004/019869、WO2004/020409、WO2004/020408及びWO2004/066963で開示されているような選択的PPARγモジュレーター(SPPARγM)、(ii)メトホルミン及びフェンホルミンなどのビグアナイド剤、並びに(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ1B(PTP−1B)インヒビターを含むインスリン増感剤、
(c)インスリン又は擬インスリン、
(d)スルホニル尿素及び他のインスリン分泌促進薬、例えばトルブタミド、グリブリド、グリピザイド、グリメピリド及びメグリチニド、例えばナテグリニド及びレパグリニド、
(e)αグルコシダーゼインヒビター(例えば、アカルボース及びミグリトール)、
(f)WO98/04528、WO99/01423、WO00/39088及びWO00/69810で開示されているグルカゴンレセプターアンタゴニスト、
(g)GLP−1、GLP−1類似体又は模倣体、並びにエキセンジン―4(エクセナチド)、リラグルチド(NN−2211)、CJC−1131、LY−307161及びWO00/42026及びWO00/59887記載されているGLP−1レセプターアゴニスト、
(h)WO00/58360で開示されているGIP及びGIP模倣体、並びにGIPレセプターアゴニスト、
(i)PACAP、PACAP模倣体、及びWO01/23420で開示されているPACAPレセプターアゴニスト、
(j)コレステロール低下剤、例えば(i)HMG−CoAレダクターゼインヒビター(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン及びロスバスタチン、及び他のスタチン)、(ii)捕捉剤(コレスチラミン、コレスチポール、及び架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体)、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸又はその塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート及びベザフィブレート)などのPPARαアゴニスト、(v)ナベグリタザール及びムラグリタザールなどのPPARα/γデュアルアゴニスト、(vi)β―シトステロール及びエゼチミブなどのコレステロール吸収インヒビター、(vii)アバシミベなどのアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼインヒビター、並びに(viii)プロブコールなどの酸化防止剤、
(k)WO97/28149で開示されているPPARδアゴニスト、
(l)フェンフルラミン、デクスフェンフラミン、フェンテルミン、シブトラミン、オーリスタット、ニューロペプチドY又はYアンタゴニスト、CB1レセプターインバースアンタゴニスト及びアンタゴニスト、βアドレナリン作動性レセプターアゴニスト、メラノコルチンレセプターアゴニスト、特にメラノコルチン―4レセプターアゴニスト、グレリンアンタゴニスト、ボンベシンレセプターアゴニスト(例えばボンベシンレセプターサブタイプ3アゴニスト)及びメラニン凝集ホルモン(MCH)レセプターアンタゴニストなどの抗肥満化合物、
(m)回腸胆汁酸トランスポーターインヒビター、
(n)アスピリン、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、グルココルチコイド、アズルフィジン及びシクロオキシゲナーゼ―2選択的(COX−2)インヒビターなどの、炎症性条件で使用されることが意図される作用物質、
(o)ACEインヒビター(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、タンドラプリル)、A−IIレセプターブロッカー(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン及びエプロサルタン)、βブロッカー、並びにカルシウムチャンネルブロッカーなどの抗高血圧剤、
(p)WO03/015774、WO04/076420、及びWO04/081001で開示されているグルコキナーゼ活性化物質(GKA)、
(q)米国特許第6,730,690号、WO03/104207、及びWO04/058741で開示されている11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型のインヒビター、
(r)トルセトラピブなどのコレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)のインヒビター、及び
(s)米国特許第6,054,587号、同第6,110,903号、同第6,284,748号、同第6,399,782号、及び同第6,489,476号で開示されているフルクトース1,6−ビスホスファターゼのインヒビター、
からなる群より選択される化合物、
(3)薬学的に許容される担体。
【0100】
本発明の化合物が1つ以上の他の薬剤と同時に使用される場合、本発明の化合物に加えてそのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。したがって、本発明の医薬組成物には、本発明の化合物に加えて、1つ以上の他の活性成分を含有するものが挙げられる。
【0101】
本発明の化合物と第2の活性成分の重量比は、変わることができ、それぞれの成分の有効用量に応じて決定される。一般に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の作用物質と組み合わされる場合、本発明の化合物と他の作用物質の重量比は、一般に約1000:1乃至約1:1000、好ましくは約200:1乃至約1:200の範囲である。また、本発明の化合物と他の活性成分の組み合わせは、一般に上記の範囲内であるが、それぞれの場合において、それぞれの活性成分の有効用量が使用されるべきである。
【0102】
そのような組み合わせにおいて、本発明の化合物及び他の活性作用物質を、別々又は一緒に投与することができる。加えて、一つの構成成分の投与は、別の作用物質の投与の前、同時に、又は後であることができる。
【0103】
本発明の化合物は、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、嚢内注射若しくは注入、皮下注射若しくは移植)、吸入噴霧、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、又は局所経路の投与によって投与することができ、単独又は一緒に、それぞれの投与経路に適した従来の非毒性で薬学的に許容される担体、佐剤及びビヒクルを含有する適切な投与単位製剤に配合することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サルなどの温血動物の処置に加えて、本発明の化合物はヒトでの使用に有効である。
【0104】
本発明の化合物の投与用の医薬組成物は、投与単位形態で都合よく存在することができ、薬剤学の技術で周知の方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法は、活性成分と、1つ以上の補助成分を構成する担体と関連させる工程を含む。一般に、医薬組成物は、活性成分を液体担体と又は微粉化固体担体と又はその両方と均一かつ緊密に関連させ、次に必要であれば生成物を所望の製剤に造形することによって調製される。医薬組成物において、活性の目的化合物は、疾患の過程又は状態に対して所望の効果を生じるのに十分な量に含まれる。本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の直接的又は間接的な組み合わせによりもたらされるあらゆる生成物を包含する。
【0105】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性若しくは油性懸濁剤、分散性粉末剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬質若しくは軟質カプセル剤、又はシロップ剤若しくはエリキシル剤などの経口使用に適切な剤形であることができる。経口使用が意図される組成物は、医薬組成物の製造における当該技術で既知のあらゆる方法に従って調製することができ、そのような組成物は、薬学的に洗練された口当たりのよい調合剤を提供するため、甘味料、風味剤、着色剤及び防腐剤からなる群より選択される1つ上の作用物質を含有することができる。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適切である非毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合して含有する。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアルギン酸、並びに滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであることができる。錠剤は被覆されていなくてもよいか、又はこれらは、胃腸管で崩壊又は吸収を遅延させ、それにより長期間にわたって持続的作用を提供するために、既知の技術で被覆されていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンなどの時間遅延物質を用いることができる。これらを、米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号及び同第4,265,874号に記載されている技術により被覆して、放出制御用の浸透性治療錠剤を形成することもできる。
【0106】
経口使用の製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合している硬質ゼラチンカプセル剤として、又は活性成分が水若しくは油媒質、例えばピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合している軟質ゼラチンカプセル剤として存在することもできる。
【0107】
水性懸濁剤は、活性物質を水性懸濁剤の製造に適切な賦形剤と混合して含有する。そのような賦形剤は、懸濁剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムであり、分散剤又は湿潤剤は、天然ホスファチド、例えば、レシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えばポリオキシエチレンステアレート、若しくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール類との縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシフェニレンソルビトールモノオレエート、若しくはエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。水性懸濁剤は、また、1種以上の防腐剤、例えば、エチル又はn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート、1種以上の着色剤、1種以上の風味剤、及び1種以上のショ糖又はサッカリンなどの甘味料を含有してもよい。
【0108】
油状懸濁剤は、活性成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナッツ油、又は流体パラフィンなどの鉱油中に懸濁することにより処方することができる。油状懸濁剤は、増粘剤、例えば、蜜ロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールを含有してもよい。甘味料、例えば上記で記載されたようなもの及び風味剤を添加して、口当たりのよい経口調合剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存することができる。
【0109】
水の添加による水性懸濁剤の調製に適切な分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の防腐剤との混合で提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、上記で既に記載されているもので例示されている。追加の賦形剤、例えば、甘味料、風味剤及び着色剤もまた存在することができる。
【0110】
本発明の医薬組成物は、また、水中油型乳剤の形態であることができる。油相は、植物油、例えばオリーブ油若しくはラッカセイ油、又は鉱油、例えば流体パラフィン、或いはこれらの混合物であることができる。適切な乳化剤は、天然ゴム、例えばアカシアゴム又はトラガカントゴム、天然ホスファチド、例えば大豆、レシチン、脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステル若しくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート、並びに前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであることができる。乳剤は、甘味料及び風味剤を含有することもできる。
【0111】
シロップ剤及びエリキシル剤は、甘味料、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はショ糖で処方することができる。そのような製剤は、粘滑剤、防腐剤、風味剤及び着色剤を含有することもできる。
【0112】
医薬組成物は、滅菌の注射用水性又は油性懸濁剤の形態であることができる。この懸濁剤は、上記で記載されたこれらの適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って処方することができる。滅菌注射用調合剤は、また、非毒性の非経口的に許容されうる希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用液剤又は懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤であってもよい。許容されるビヒクル及び溶媒のうち用いてもよいものは、水、リンゲル液及び塩化ナトリウム等張液である。加えて、滅菌の固定油が溶媒又は懸濁媒質として都合よく用いられる。このために、合成モノ−又はジグリセリドを含む任意の無刺激固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸には、注射用の調製における用途が見出される。
【0113】
本明細書の化合物を、薬剤の直腸内投与のために坐剤の剤形で投与することもできる。これらの組成物は、薬剤と、通常の温度で固体であるが、直腸内の温度で液体となり、したがって直腸で溶融して薬剤を放出する適切な非刺激性の賦形剤とを混合することによって、調製できる。そのような物質は、カカオバター及びポリエチレングリコールである。
【0114】
局所使用には、本発明の化合物を含有する、クリーム剤、軟膏、ゲル剤、液剤又は懸濁剤などが用いられる。(本明細書の目的では、局所用途には、洗口剤及びうがい薬が含まれる。)
本発明の医薬組成物及び方法は、上記の病理状態の治療で通常適用される、本明細書で示されている他の治療上活性な化合物を更に含むことができる。
【0115】
ステアロイル−CoAデルタ−9デサチュラーゼ酵素活性の阻害を必要とする状態の治療又は予防において、適切な投与量レベルは、一般に、1日あたり患者の体重1kgで約0.01乃至500mgであり、単回又は多回用量で投与することができる。好ましくは、投与量は、1日あたり約0.1乃至約250mg/kg、より好ましくは1日あたり約0.5乃至約100mg/kgである。適切な投与量レベルは、1日あたり約0.01乃至250mg/kg、1日あたり約0.05乃至100mg/kg、又は1日あたり約0.1乃至50mg/kgであることができる。この範囲内で、投与量は、1日あたり0.05乃至0.5、0.5乃至5、又は5乃至50mg/kgであることができる。経口投与では、組成物は、好ましくは、1.0g乃至1000mgの活性成分、特に、1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0及び1000.0mgの治療される患者へ用量を症状に応じて調整した活性成分を含有する錠剤の剤形で提供される。化合物を、1日あたり1乃至4回、好ましくは1日あたり1回乃至2回の用量で投与することができる。
【0116】
真性糖尿病及び/又は、高血糖症若しくは高トリグリセリド血症、又は本発明の化合物が指示される他の疾患を治療又は予防する場合、本発明の化合物が、好ましくは、単回1日用量で、又は1日に2乃至6回の分けた用量で、又は持続放出の形態で、動物の体重1kgあたり約0.1mg乃至約100mgの1日投与量で投与されるとき、一般に満足できる結果が得られる。ほとんどの大型哺乳動物では、総1日用量は、約1.0mg乃至約1000mg、好ましくは約1mg乃至約50mgである。70kgの成人の場合は、総1日用量は、一般に約7mg乃至約350mgである。この用量を調整して、最適な治療反応をもたらすことができる。
【0117】
しかし、任意の特定の患者のための特定の用量レベル及び投与頻度は、変わることができ、用いられる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用時間、年齢、体重、身体全体の健康状態、性別、食事、投与様式及び時間、排泄回数、薬剤の組み合わせ、特定の状態の重篤度、並びに治療を受ける宿主を含む多様な要素により左右されることが理解される。
本発明の化合物の調製:
構造式Iの化合物は、適切な材料を使用して以下のスキーム及び実施例に従った手順により調製することができ、以下の更なる特定の例によって例示される。しかし実施例に例示される化合物は、本発明のものであると考慮される種類のみを形成すると考慮されるべきではない。この実施例は、本発明の化合物の調製の詳細を更に例示する。当業者は、以下の調製手順の条件及び方法の既知の変形を使用して、これらの化合物を調製できることを容易に理解する。全ての温度は、特に示していない限り摂氏である。質量スペクトル(MS)は、エレクトロスプレーイオン質量分析法(ESMS)により測定した。
方法A:
適切に置換されているヘテロアリールハロゲン化物1を、適切に置換されている環状アミン2と、DBU及びアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩などの塩基の存在下で、THF、1,4−ジオキサン及びDMFなどの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させる。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、目的生成物3を得る。
【0118】
【化7】

【0119】
方法B:
適切に置換されているヘテロアリール二臭化物4を、適切に置換されている環状アミン5と、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(DBU)又はアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩などの塩基の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させる。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、目的のヘテロアリール臭化物6を得る。ヘテロアリール二臭化物6と、シアン化銅(I)との、DMF、アセトニトリル及び1,4−ジオキサンなどの溶媒中の、約室温から約還流温度の温度範囲での反応、続く抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、目的のヘテロアリールシアン化物7を得る。
【0120】
【化8】

【0121】
方法C:
ヘテロアリールシアン化物7を、適切なアミンと、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデカ−7−エン(DBU)及びアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩などの塩基の存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、EtOH、THF及び1,4−ジオキサンなどの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させて、アミデート8に変換する。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、目的のアミデート8を得る。アミデート8を、適切な(a)オルトギ酸エステルと、p−トルエンスルホン酸若しくはBF−エーテルなどの酸の存在下で、(b)酸塩化物若しくは活性化無水物と、ピリジンなどの溶媒中で、又は(c)エステルと、ナトリウムエトキシドなどの塩基の存在下、エタノールなどの溶媒中で反応させて、ビヘテロアリール9を生じる。
【0122】
【化9】

【0123】
方法D:
適切に置換されているヘテロアリール臭化物10を、適切に置換されている環状アミン11と、DBU又はアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩などの塩基の存在下で、DMFなどの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させる。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、目的生成物12を得る。
【0124】
【化10】

【0125】
方法E:
エステル12を、NaOHなどのアルカリ性塩基により、MeOHなどのアルコール性溶媒を有するTHF水溶液などの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で加水分解して、カルボン酸13を得る。カルボン酸13を、対応する酸塩化物に変換し、次に適切に置換されているW−NHアミンと反応させて、目的のアミド生成物14を得る。あるいは、カルボン酸13を、適切に置換されているW−NHアミンと、HATU又はN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの標準的なペプチドカップリング試薬の存在下で反応させて、目的のアミド生成物14を得る。アミド14を、適切なオルトギ酸エステルと、pTSA又はBF−エーテルなどの酸の存在下で反応させて、ビヘテロアリール15を生じる。あるいは、アミドを、ローソン試薬又はP10などの適切な試薬との反応によりチアオアミドに変換することができる。次にチオアミドを、対応する複素環に変換することができる。
【0126】
【化11】

【0127】
方法F:
適切に置換されているヘテロアリール臭化物10を、適切に置換されている環状アミン16と、DBU及びアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩などの塩基の存在下で、DMFなどの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させる。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、目的生成物17を得る。
【0128】
【化12】

【0129】
方法G:
エステル17を、NaOHなどのアルカリ性塩基により、MeOHなどのアルコール性溶媒を有するTHF水溶液などの溶媒中、約室温から約還流温度の温度範囲で加水分解して、カルボン酸18を得る。カルボン酸18を、対応する酸塩化物に変換し、次に適切に置換されているRNHアミンと反応させて、目的のアミド生成物19を得る。あるいは、カルボン酸18を、適切に置換されているRNHアミンと、HATU又はN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などの標準的なペプチドカップリング試薬の存在下で反応させて、目的のアミド生成物19を得る。
【0130】
【化13】

【0131】
方法H:
方法A乃至Bで使用したヘテロアリールハロゲン化物を、対応するヘテロアリールアミン20から合成することができる。CHCNなどの溶媒中のt−亜硝酸ブチル及び無水ハロゲン化銅(II)による20の処理により、所望のヘテロアリールハロゲン化物を得る。
【0132】
【化14】

【0133】
方法I:
X−YがN−C(O)又はN−CRである場合、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)又はベンジルオキシカルボニル(Cbz)保護ピペラジン21を、アロイルハロゲン化物又はアリールメチルハロゲン化物と、第三級アミン、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物などの塩基の存在下で反応させる。次に中間体を標準的な方法で脱保護して、方法Aで示された適切に置換されているヘテロアリールハロゲン化物との縮合反応に望ましいアミン22を得る。
【0134】
【化15】

【0135】
方法J:
X−YがCH−O又はCH−Sである場合、Boc又はCbz保護4−ヒドロキシピペラジン23を、標準的な条件を介してメシラート、トシラート又はハロ(Br又はI)誘導体として活性化させる。次に活性化中間体をArOH又はArSH求核剤と反応させる。あるいは、中間体23をミツノブ条件下で求核剤と直接反応させることができる。標準的な方法での脱保護により、方法Aで示されたヘテロアリールハロゲン化物との縮合反応に望ましいアミン24を得る。
【0136】
【化16】

【0137】
方法K:
方法Kのスルフィド中間体25を、理論量でメタ−クロロ過安息香酸(mCPBA)、NaIO及びmMPPなどの酸化剤により酸化して、対応するスルホキシド(n=1)又はスルホン(n=2)のいずれかを得る。脱保護により、方法Aで示されたヘテロアリールハロゲン化物との縮合反応に望ましいアミン26を得る。
【0138】
【化17】

【0139】
方法L:
適切に置換されているヘテロアリール臭化物を、適切に置換されている環状アミドと、ヨウ化銅(I)及びN′,N′−ジメチルエチレンジアミンなどのアミン及びリン酸カリウムの存在下で、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒中において、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させる。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、所望のヘテロアリールアミド27を得る。
【0140】
【化18】

【0141】
方法M:
適切に置換されているヘテロアリール臭化物10を、適切に置換されている環状アミン28と、DBU及びアルカリ金属(K、Na、Cs)炭酸塩などの塩基の存在下で、DMFなどの溶媒中において、約室温から約還流温度の温度範囲で反応させる。抽出処理及びフラッシュカラムクロマトグラフィーでの精製により、所望の生成物29を得る。エステル29を、アンモニアなどの適切なアミンとの反応により対応するアミド30に変換する。アミン31を、適切なアロイルハロゲン化物又はアリールメチルハロゲン化物と、第三級アミン、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物などの塩基の存在下でカップリングさせる。
【0142】
【化19】

【0143】
中間体の調製:
中間体1
【0144】
【化20】

【0145】
4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
THF中のBoc−4−ヒドロキシ−1−ピペリジン(25g、124mmol)、2−ヒドロキシ−ベンゾトリフルオリド(22g、136mmol)及びトリフェニルホスフィン(39g、149mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジエチル(23.5mL、149mmol)を0℃で滴加した。次に混合物を室温に温め、14時間撹拌した。混合物を濃縮し、エチルエステルで希釈し、1規定 NaOH、水で洗浄し、次にNaSOで乾燥した。混合物を濃縮し、EtO/ヘキサン(35:65)で希釈した。沈殿した酸化ホスフィンを濾過し、濾液を濃縮した。残渣を、溶出液としてEtO/ヘキサン(35:65)を使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1−ピペリジンカルボン酸、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕−1,1−ジメチルエチルエステルを固体として得た。トリフルオロ酢酸(26.3mL、342mmol)を、CHCl(171mL)中の1−ピペリジンカルボン酸、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕−1,1−ジメチルエチルエステル(29.5g、85mmol)の溶液に加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を、EtOAc(200mL)で希釈し、NaOH(3×100mL、2規定)、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させて、標記化合物を油状物として得た。
中間体2
【0146】
【化21】

【0147】
4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン塩酸塩
ジクロロメタン(300mL)中の4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(31.4g、0.15mmol)の溶液に、MsCl(20.6g、0.18mol)及びEtN(22.7g、0.25mol)を0℃で加えた。混合物を更に3時間撹拌し、濾過した。濾液を真空下で蒸発させて、4−〔(メチルスルホニル)オキシ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。HNMR(400MHz,CDCl3)δ4.84−4.91(m,1H),3.64−3.75(m,2H),3.24−3.35(m,2H),3.04(s,3H),1.91−2.02(m,2H),1.76−1.87(m,2H),1.48(s,9H).MS:m/z280(MH+).
DMF(300mL)中の4−〔(メチルスルホニル)オキシ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(83.5g、299mmol)の溶液に、2−ブロモフェノール(62.07g、359mmol)及びCsCO(194.8g、598mmol)を加えた。反応混合物を70℃で一晩加熱した。溶媒を真空下で蒸発させ、残渣を、カラムクロマトグラフィーにより精製して、4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得た。生成物を精製せずに次の工程で直接使用した。
【0148】
エタノール(25mL)中の4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(40.0g、0.112mol)の溶液に、エタノール溶液(30mL)中の5N NClを滴加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、エーテル(20mL)を残渣に加えた。得られた沈殿物をエーテルで洗浄して、標記化合物をその塩酸塩の形態で得た。生成物を精製せずに次の工程で直接使用した。
中間体3
【0149】
【化22】

【0150】
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン塩酸塩
標記化合物を、4−〔(メチルスルホニル)オキシ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル及び2−ブロモ−5−フルオロフェノールから、4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン塩酸塩についての記載と同じ方法で調製した。
HNMR(300MHz,DO):δ7.44−7.49(m,1H),6.83−6.88(m,1H),6.50−6.67(m,1H),4.67−4.73(m,1H),3.30−3.39(m,2H),3.13−3.23(m,2H),2.03−2.08(m,4H).
中間体4
【0151】
【化23】

【0152】
4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン塩酸塩
標記化合物を、4−〔(メチルスルホニル)オキシ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル及び2−ブロモ−4−フルオロフェノールから、4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン塩酸塩についての記載と同じ方法で調製した。
HNMR(300MHz,DO):δ7.28−7.29(m,1H),6.87−7.18(m,2H),4.65(m,1H),3.34−3.39(m,2H),3.10−3.25(m,2H),2.03−2.26(m,4H).
以下の実施例は本発明を説明するために提供され、本発明の範囲をいかなる方法によっても制限するものとして解釈されるべきではない。
実施例1
【0153】
【化24】

【0154】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
工程1:1−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン
CHCl(400mL)中のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(34g、183mmol)及びトリエチルアミン(31mL、221mmol)の溶液に、0℃で、2−トリフルオロメチルベンゾイルクロリドを5乃至10分間かけて滴加した。冷却浴を取り外し、混合物を室温で2時間撹拌した。水で希釈した後、混合物をCHClで抽出した。CHCl抽出物を、水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮して4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルを淡黄色のガムとして得て、それを一晩放置して凝固させた。
【0155】
CHCl(500mL)中の上記の4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの溶液に、TFA(67.5mL)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物質を真空下で除去した。残渣をCHClで希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。水溶液をCHClで5回抽出した。合わせたCHCl抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濃縮して、標記化合物を淡黄色のガムとして得て、それを放置して凝固させた。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.71(m,1H),7.61(m,1H),7.52(m,1H),7.34(m,1H),3.83(m,2H),3.17(t,2H),2.96(t,2H),2.80(m,2H).
工程2:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
THF(12mL)中の2−ブロモ1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(800mg、3.6mmol)及び1−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン(1.0g、3.9mmol)の溶液に、DBU(1.1mL、7.2mmol)を加えた。混合物を80℃で5時間加熱した後、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの40乃至80%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ3.35(d,2H),3.53(s,2H),3.63−3.75(m,2H),3.85−3.91(m,4H),4.04−4.08(m,1H),7.37(d,1H),7.58(t,1H),7.65(t,1H),7.76(d,1H),7.89(s,1H);MS(+ESI)m/z400(MH).
実施例2
【0156】
【化25】

【0157】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
THF(2.7mL)中の実施例1(540mg、1.35mmol)の溶液に、10規定 NaOH(1.3mL、13.5mmol)を加えた。反応混合物を50℃で5時間温めた後、THFを蒸発させた。混合物を2規定 HClでpH1に酸性化し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、標記化合物を白色の固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ3.36−3.40(m,2H),3.54−3.62(m,2H),3.67−3.79(m,2H),3.86−3.93(m,1H),4.07−4.13(m,1H),7.39(d,1H),7.60(t,1H),7.67(t,1H),7.78(d,1H),7.99(s,1H);MS(+ESI)m/z386(MH).
実施例3
【0158】
【化26】

【0159】
N−メチル−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
DMF(0.52mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(60mg、0.17mmol)、HATU(95mg、0.25mmol)、DIPEA(108μL、0.6mmol)及びメチルアミン塩酸塩(21mg、0.31mmol)の混合物を、室温で15時間撹拌した。反応混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くCombiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの80乃至100%勾配溶離)による精製によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ2.83(d,3H),3.34−3.58(m,4H),3.68(t,2H),3.83−3.89(m,1H),3.94−4.01(m,1H),7.51(s,1H),7.57(d,1H),7.71(d,2H),7.78(t,1H),7.85(d,1H);MS(+ESI)m/z398(MH).
実施例4
【0160】
【化27】

【0161】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
THF(1.5mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(60mg、0.15mmol)の溶液に、塩化オキサリル(27μl、0.31mmol)、続いて1滴のDMFを加えた。反応混合物を0.5時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。反応混合物をTHF(1.5mL)に再溶解し、アンモニアガスをその中で1分間泡立てた。更に1時間後、THFを蒸発させた。混合物を水飽和NaHCO(1mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くエーテル(2×1mL)での粉砕により、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ3.33−3.37(m,2H),3.50−3.56(m,2H),3.65−3.75(m,2H),3.85−3.92(m,1H),4.05−4.09(m,1H),5.54(s,2H),7.38(d,1H),7.58−7.68(m,3H),7.77(d,1H);MS(+ESI)m/z385(MH).
実施例5
【0162】
【化28】

【0163】
N−(シクロプロピルメチル)−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びシクロプロピルメチルアミンを用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ7.85(d,1H),7.78(dd,2H),7.71(t,1H),7.60(s,1H),7.57(d,1H),4.00−3.94(m,1H),3.89−3.83(m,1H),3.68(t,2H),3.58−3.52(m,2H),3.44−3.42(m,1H),3.38(dd,1H),3.19(t,2H),1.07−1.01(m,1H),0.46−0.44(m,2H),0.23(q,2H);MS(+ESI)m/z439(MH).
実施例6
【0164】
【化29】

【0165】
N−(2−シクロプロピルエチル)−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びシクロプロピルエチルアミンを用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ7.85(d,1H),7.80−7.76(m,1H),7.74(s,1H),7.70(t,1H),7.57(d,1H),7.52(s,1H),3.99−3.95(m,1H),3.88−3.82(m,1H),3.68(t,2H),3.58−3.50(m,2H),3.45−3.35(m,4H),1.46(q,2H),0.78−0.70(m,1H),0.45−0.39(m,2H),0.07(q,2H);MS(+ESI)m/z475(M+Na).
実施例7
【0166】
【化30】

【0167】
5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチル
標記化合物を、1−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン及び5−ブロモ−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチルから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ7.85(d,1H),7.79(t,1H),7.71(t,1H),7.57(d,1H),4.42(q,2H),4.02−3.88(m,2H),3.80−3.72(m,2H),3.67−3.57(m,2H),3.50−3.40(m,2H),1.37(t,3H);MS(+ESI)m/z399(MH).
実施例8
【0168】
【化31】

【0169】
1−(1,3−チアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン
標記化合物を、1−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン及び2−ブロモチアゾールエチルから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.73(d,1H),7.62(t,1H),7.55(t,1H),7.35(d,1H),7.20(d,1H),6.63(d,1H),4.04−3.98(m,1H),3.93−3.87(m,1H),3.63−3.55(m,2H),3.44(t,2H),3.32(t,2H);MS(+ESI)m/z342(MH).
実施例9
【0170】
【化32】

【0171】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−ベンゾオキサゾール
標記化合物を、1−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン及び2−クロロ−1,3−ベンゾオキサゾールから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.75(1H,d),7.64(1H,t),7.57(1H,t),7.38(2H,t),7.29(1H,d),7.20−7.18(1H,m),7.07−7.05(1H,m),4.08−4.02(1H,m),3.91−3.83(2H,m),3.80−3.74(1H,m),3.67−3.59(2H,m),3.36−3.32(2H,m).MS(+ESI)m/z376.1(MH).
実施例10
【0172】
【化33】

【0173】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−ベンゾチアゾール
標記化合物を、1−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン及び2−クロロ−1,3−ベンゾチアゾールから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,CDCl):δ7.77(d,1H),7.67−7.56(m,4H),7.40−7.32(m,2H),7.14(t,1H),4.10−4.04(m,1H),3.96−3.90(m,1H),3.81−3.70(m,2H),3.61(t,2H),3.36(t,2H).MS(+ESI)m/z392.1(MH).
実施例11
【0174】
【化34】

【0175】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
工程1:2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
アセトニトリル(8.4mL)中の2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(150mg、0.68mmol)及びピペラジン(174mg、2.0mmol)の混合物を60℃で1時間加熱した。混合物を濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、Combiflash(SiO、CHCl/MeOH/NHOHの89:10:1)により精製して、標記化合物を固体として得た。
工程2:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
THF(3.3mL)中の2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(150mg、0.66mmol)、1−(ブロモメチル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゼン(173mg、0.73mmol)及びDBU(0.19mL、1.3mmol)の混合物を、60℃で8時間加熱した。混合物を濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの30乃至60%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.90(s,1H),7.81(d,1H),7.67(d,1H),7.56(t,1H),7.39(t,1H),3.84(s,3H),3.74(s,2H),3.61(t,4H),2.62(t,4H).MS(+ESI)m/z386.1(MH).
実施例12
【0176】
【化35】

【0177】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
バイアル4mL中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(100mg、0.3mmol)の溶液に、NaCN(1.3mg、0.03mmol)を加え、混合物をアンモニアガスで3分間飽和した。バイアルを密閉し、混合物を50℃で96時間温めた。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、Combiflash(SiO、MeOH/EtOAcの5乃至10%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.81(d,1H),7.66(t,2H),7.56(t,1H),7.39(t,1H),5.67(s,2H),3.75(s,2H),3.60(t,4H),2.62(t,4H).MS(+ESI)m/z371(MH).
実施例13
【0178】
【化36】

【0179】
2−{4−〔2−(メチルスルホニル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
標記化合物を、4−〔2−(メチルスルホニル)フェノキシ〕ピペリジン及び2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチルから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl):δ8.02(d,1H),7.88(s,1H),7.62−7.60(m,1H),7.15(t,1H),7.09(d,1H),4.92−4.90(m,1H),3.86(d,5H),3.77−3.71(m,2H),3.23(s,3H),2.12−2.10(m,4H).MS(+ESI)m/z397(MH).
実施例14
【0180】
【化37】

【0181】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
標記化合物を、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン及び2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチルから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.90(s,1H),7.62(d,1H),7.51(t,1H),7.06−7.02(m,2H),4.82(d,1H),3.85(s,3H),3.80−3.70(m,4H),2.12−2.02(m,4H).MS(+ESI)m/z387(MH).
実施例15
【0182】
【化38】

【0183】
2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
標記化合物を、4−〔3−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン及び2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチルから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.90(s,1H),7.44(t,1H),7.26(d,1H),7.18(s,1H),7.12(d,1H),4.71−4.67(m,1H),3.85−3.78(m,5H),3.70−3.63(m,2H),2.12−1.98(m,4H).MS(+ESI)m/z387(MH).
実施例16
【0184】
【化39】

【0185】
(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)メタノール
THF(1.2mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(100mg、0.25mmol)の溶液に、LAH(0.27mL、THF中1M)を−78℃で加えた。0.5時間後、反応を、1滴の15%NaOH水溶液の添加により急停止させた。混合物を室温に温め、濾過し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、Combiflash(SiO、MeOH/EtOAcの1乃至5%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ7.76(d,1H),7.65(t,1H),7.58(t,1H),7.37(d,1H),7.07(s,1H),4.70(s,2H),4.04−3.98(m,1H),3.94−3.88(m,1H),3.63−3.55(m,2H),3.49−3.42(m,2H),3.38−3.32(m,2H).MS(+ESI)m/z372(MH).
実施例17
【0186】
【化40】

【0187】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチルから、実施例12の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ7.79(s,1H),7.67−7.61(m,2H),7.38(d,1H),7.12(t,1H),5.02(s,1H),3.76(t,2H),3.71−3.67(m,2H),2.16(t,2H),2.00−1.94(m,2H).MS(+ESI)m/z372(MH).
実施例18
【0188】
【化41】

【0189】
2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチルから、実施例12の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ1.89−1.95(m,2H),2.17(s,2H),3.56−3.62(m,2H),3.87(dd,2H),4.92(s,1H),7.30−7.36(m,3H),7.56(t,1H),7.79(s,1H).MS(+ESI)m/z372.1(MH).
実施例19
【0190】
【化42】

【0191】
2−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)プロパン−2−オール
THF(1.3mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(100mg、0.25mmol)の溶液に、臭化メチルマグネシウム(0.20mL、0.63mmol、EtO中3.0M)を−78℃で加えた。1時間後、反応を飽和塩化アンモニウム(1mL)で急停止させた。THFを蒸発させ、水層をEtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの70乃至100%勾配溶離)により精製して、標記化合物を泡状物として得た。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ1.56(s,6H),3.31−3.45(m,4H),3.55(t,2H),3.80−3.86(m,1H),3.91−3.97(m,1H),4.38(s,1H),6.97(s,1H),7.55(d,1H),7.70(t,1H),7.77(t,1H),7.84(d,1H).MS(+ESI)m/z400.1(MH).
実施例20
【0192】
【化43】

【0193】
1−(5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
標記化合物を、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン及び2,5−−ジブロモ−1,3−チアゾールから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,acetone−d6):δ1.90−2.05(m,2H),2.10−2.20(m,2H),3.54−3.75(m,4H),5.00(m,1H),7.10−7.20(m,2H),7.38(d,1H),7.60−7.70(m,2H);MS(+ESI)m/z407,409(MH).
実施例21
【0194】
【化44】

【0195】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
DMF(1.1mL)中の1−(5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕−ピペラジン(100mg、0.24mmol)及びCuCN(43mg、0.48mmol)の溶液を、160℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(2mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(1mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの40乃至60%勾配溶離)により精製して、標記化合物を泡状物として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ3.35−3.39(m,2H),3.49−3.56(m,2H),3.62−3.76(m,2H),3.85−3.91(m,1H),4.07−4.15(m,1H),7.37(d,1H),7.57−7.71(m,3H),7.77(d,1H).MS(+ESI)m/z367(MH).
実施例22
【0196】
【化45】

【0197】
1−〔5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
工程1:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボヒドラジド
MeOH(1mL)中の2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(200mg、0.52mmol)及びヒドラジン水和物(0.16mL、5.2mmol)の混合物を、80℃で3時間加熱した。溶媒を蒸発させ、固体を、EtO(2mL)でスラリー化し、濾過して、標記化合物を結晶性固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ2.03−2.11(m,4H),3.69−3.77(m,4H),4.82(s,1H),7.02−7.06(m,3H),7.51(t,1H),7.64(t,2H).MS(+ESI)m/z387(MH).
工程2:1−〔5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボヒドラジド(150mg、0.39mmol)、トリメチルオルトギ酸(300μl)及びp−トルエンスルホン酸(p−TSA)(7mg、39μM)の混合物を、100℃で3時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣をCombiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの70乃至100%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ2.02−2.14(m,4H),3.71−3.83(m,4H),4.84(s,1H),7.04(t,2H),7.51(t,1H),7.61(d,1H),7.84(s,1H),8.35(s,1H).MS(+ESI)m/z387(MH).
実施例23
【0198】
【化46】

【0199】
1−〔5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
工程1:1−(5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
標記化合物を、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン及び2,5−ジブロモ−1,3−チアゾールから、実施例22、工程1の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,acetone−d6):δ1.90−2.05(m,2H),2.10−2.20(m,2H),3.54−3.75(m,4H),5.00(m,1H),7.10−7.20(m,2H),7.38(d,1H),7.60−7.70(m,2H).MS(+ESI)m/z407,409(MH).
工程2:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
DMF(6.7mL)中の1−(5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン(1.1g、2.7mmol)及びCuCN(484mg、5.4mmol)の溶液を、160℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの20乃至40%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl):δ2.02(dd,2H),2.11(dd,2H),3.70−3.78(m,4H),4.84(s,1H),7.02−7.06(m,2H),7.49−7.53(m,1H),7.61(t,1H),7.69(s,1H).MS(+ESI)m/z354(MH).
工程3:N′−ヒドロキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド
EtOH(2.5mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(130mg、0.36mmol)の溶液に、水(1.2mL)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(102mg、1.5mmol)、続いてNaCO(78mg、0.74mmol)を加えた。混合物を80℃で2時間加熱し、冷却し、蒸発させた。残渣を水(2mL)で希釈し、EtOAc(3×2mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、濾過し、蒸発させた。生成物をEtOAc/ヘキサンから再結晶した。
HNMR(500MHz,CDCl):δ2.07(t,4H),3.69−3.75(m,4H),4.78(dd,2H),7.02−7.06(m,2H),7.37(s,1H),7.51(t,1H),7.62(d,1H).MS(+ESI)m/z387(MH).
工程4:1−〔5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
THF(0.5mL)中のN′−ヒドロキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド(40mg、0.1mmol)の溶液に、オルトギ酸トリエチル(0.5mL)、続いてBF−エーテラート(15μL、0.12mmol)を加えた。2時間後、溶媒を蒸発させ、残渣を水(1mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、蒸発させた。Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの20乃至40%勾配溶離)による精製によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(400MHz,CDCl3):δ2.04−2.15(m,4H),3.72−3.83(m,4H),4.82−4.86(m,1H),7.05(t,2H),7.52(t,1H),7.63(d,1H),7.95(s,1H),8.67(s,1H).MS(+ESI)m/z397(MH).
実施例24
【0200】
【化47】

【0201】
1−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)ピロリジン−2−オン
ジオキサン(0.5mL)中の1−(5−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン、実施例20(150mg、0.37mmol)、2−ピロリジノン(42μL、0.55mmol)、ヨウ化銅(I)(10mg、0.05mmol)、N′N′−ジメチルエチレンジアミン(14μL、0.13mmol)及びリン酸カリウム(156mg、0.74mmol)の混合物を、100乃至110℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、混合物を水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(NaSO)、濃縮した。Combiflashシリカゲルクロマトグラフィー(10g、ヘキサン中EtOAcの50乃至100%で20分間、20mL/分、15mL/画分)により、白色の固体を得て、それをヘキサン:EtO(1:1)で水分を取って、標記化合物を白色の固体として得た。
HNMR(400MHz,acetone−d):δ7.65(m,2H),7.38(m,1H),7.12(m,1H),6.80(s,1H),4.96(m,1H),3.85(m,2H),3.70(m,2H),3.52(m,2H),2.52(m,2H),2.28(m,2H),2.15(m,2H),1.95(m,2H).MS(+ESI)m/z412(MH).
実施例25
【0202】
【化48】

【0203】
N,N−ジメチル−2−(4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}−1−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
工程1:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル及びNaOHを用いて、実施例2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ2.05−2.10(m,2H),2.19−2.25(m,2H),3.87(t,4H),5.04−5.08(m,1H),7.13(t,1H),7.39(d,1H),7.63−7.67(m,2H),7.84(s,1H).MS(+ESI)m/z373(MH).
工程2:N,N−ジメチル−2−(4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}−1−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びジメチルアミン塩酸塩を用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.04(d,4H),3.18(s,6H),3.70(t,4H),4.79(t,1H),7.05−6.99(m,2H),7.63−7.34(m,2H),7.59(d,1H).MS(+ESI)m/z400(MH).
実施例26
【0204】
【化49】

【0205】
1−(1,3−チアゾール−2−イル)−4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}ピペリジン
標記化合物を、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン及び2−ブロモ−1,3−チアゾールから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.12−2.04(m,4H),3.75−3.61(m,4H),4.79−4.74(m,1H),6.59(d,1H),7.06−7.02(m,2H),7.22(d,1H),7.51(t,1H),7.62(d,1H).MS(+ESI)m/z329(MH).
実施例27
【0206】
【化50】

【0207】
2,2,2−トリフルオロ−1−〔2−(4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}−1−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−5−イル〕エタノン
ベンゼン(3mL)中の1−(1,3−チアゾール−2−イル)−4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}ピペリジン、実施例26(200mg、0.6mmol)及びトリフルオロ酢酸無水物(340μL、2.4mmol)の溶液を、60℃で1時間加熱した。混合物を濃縮し、Combiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの5乃至20%勾配溶離)により精製して、標記化合物を固体として得た。
HNMR(400MHz,CDCl3):δ2.02−2.10(m,2H),2.18(dd,2H),3.76−3.85(m,2H),3.97(s,2H),4.90(s,1H),7.00−7.12(m,2H),7.54(t,1H),7.65(d,1H),8.13(s,1H).MS(+ESI)m/z425(MH).
実施例28
【0208】
【化51】

【0209】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−スルホンアミド
工程1:2−(4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}−1−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−5−スルホン酸
THF(33mL)中の1−(1,3−チアゾール−2−イル)−4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}ピペリジン(1.1g、3.3mmol)の溶液に、トリメチルシリルクロロスルホネート(0.78mL、5mmol)を0℃で加えた。次に反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。混合物をEtO(33mL)で希釈し、濾過し、EtOで洗浄して、標記生成物を白色の固体として得た。
HNMR(500MHz,CDOD):δ2.12−2.27(m,4H),3.74−3.92(m,4H),5.01(s,1H),7.12(t,1H),7.30(d,1H),7.53(d,1H),7.58−7.66(m,2H).MS(+ESI)m/z409(MH).
工程2:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−スルホニルクロリド
CHCl(1.2mL)中の2−(4−{〔2−(トリフルオロメチル)フェニル〕オキシ}−1−ピペリジニル)−1,3−チアゾール−5−スルホン酸(100mg、0.25mmol)の溶液に、PCl(104mg、0.5mmol)を加えた。反応混合物を60℃で0.5時間加熱した。混合物を水5mLに注ぎ、CHCl(3×1mL)で抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くCombiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの20乃至40%勾配溶離)による精製によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.06(s,2H),2.12−2.22(m,2H),3.67−3.86(m,4H),4.90(s,1H),7.01−7.10(m,2H),7.54(t,1H),7.64(d,1H),7.92(s,1H).MS(+ESI)m/z427(MH).
工程3:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−スルホンアミド
THF(1mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−スルホニルクロリド(49mg、1.1mmol)の溶液に、30%アンモニア水(2mL)を加えた。混合物を室温で0.5時間撹拌し、次に40℃で1時間温めた。混合物をEtOAc(3×2mL)で抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くMeOH/EtOによる再結晶によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.05(d,2H),2.11(d,2H),3.67−3.79(m,4H),4.85(s,2H),4.89(s,1H),7.00−7.10(m,2H),7.52(t,1H),7.63(d,1H),7.71(s,1H).MS(+ESI)m/z408(MH).
実施例29
【0210】
【化52】

【0211】
N−ヒドロキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ1.93−2.02(m,2H),2.11−2.20(m,2H),3.66−3.83(m,4H),4.98−5.05(m,1H),7.12(t,1H),7.37(d,1H),7.60−7.68(m,2H),7.80(s,1H).MS(+ESI)m/z388(MH).
実施例30
【0212】
【化53】

【0213】
N−ヒドロキシ−N−メチル−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ1.93−2.01(m,2H),2.11−2.18(m,2H),3.06(s,1H),3.30(s,3H),3.64−3.79(m,4H),4.97−5.02(m,1H),7.12(t,1H),7.36(d,1H),7.60−7.68(m,2H),7.97(d,1H).
MS(+ESI)m/z402(MH).
実施例31
【0214】
【化54】

【0215】
N−メチル−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びメチルアミン塩酸塩を用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ1.93−2.01(m,2H),2.10−2.17(m,2H),2.84(d,3H),3.63−3.78(m,4H),4.97−5.02(m,1H),7.12(t,1H),7.36(d,1H),7.45(s,1H),7.60−7.68(m,2H),7.71(s,1H).MS(+ESI)m/z386(MH).
実施例32
【0216】
【化55】

【0217】
N−メトキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びO−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩を用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ1.94−2.02(m,2H),2.12−2.19(m,2H),3.74(d,7H),4.99−5.04(m,1H),7.12(t,1H),7.37(d,1H),7.60−7.68(m,2H),7.79(s,1H),10.34(s,1H).MS(+ESI)m/z402.1(MH).
実施例33
【0218】
【化56】

【0219】
2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボヒドラジド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸及びヒドラジンを用いて、実施例3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.00−2.12(m,4H),3.68−3.79(m,4H),4.82(s,1H),6.99−7.08(m,2H),7.52(t,1H),7.63(d,1H),7.68(s,1H).MS(+ESI)m/z387(MH).
実施例34
【0220】
【化57】

【0221】
1−〔5−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
THF(1.9mL)中の2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(150mg、0.39mmol)及びアセトアミドオキシム(43mg、0.58mmol)の溶液に、NaH(32mL、7.7mmol、鉱油中60%)を加えた。5分後、混合物を70℃で1時間加熱した。溶媒を蒸発させた。混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(3×2mL)で抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くCombiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの30乃至50%勾配溶離)による精製によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.01−2.13(m,4H),2.40(s,3H),3.70−3.82(m,4H),4.83(s,1H),6.99−7.05(m,2H),7.50(t,1H),7.60(d,1H),7.96(s,1H).MS(+ESI)m/z411(MH).
実施例35
【0222】
【化58】

【0223】
1−〔5−(3−シクロプロピル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル及びN−ヒドロキシシクロプロパンカルボキサミドを用いて、実施例34の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ1.04−1.10(m,4H),2.00−2.13(m,5H),3.70−3.83(m,4H),4.84(s,1H),7.00−7.08(m,2H),7.51(t,1H),7.62(d,1H),7.94(s,1H).MS(+ESI)m/z437(MH).
実施例36
【0224】
【化59】

【0225】
1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
EtOH(10mL)中のN′−ヒドロキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド、実施例23、工程3(2g、5.2mmol)の混合物に、ナトリウム金属(476mg、20.7mmol)を加えた。混合物を、ナトリウム金属が全て溶解するまで室温で撹拌した。EtOAc(10mL)を加え、混合物を60℃で1時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を水(50mL)で希釈し、EtOAc(3×25mL)で抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くCHCl/ヘキサンによる再結晶によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.02−2.13(m,4H),2.62(s,3H),3.70−3.81(m,4H),4.82(s,1H),6.99−7.07(m,2H),7.51(t,1H),7.61(d,1H),7.88(s,1H).MS(+ESI)m/z411.1(MH).
実施例37
【0226】
【化60】

【0227】
1−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)アゼチジン−2−オン
標記化合物を、1−(5−ブロモ−1,3−トリアゾール−2−イル)−4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン及び2−アゼチジノンを用いて、実施例24の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ1.99−2.10(m,2H),2.15(dd,2H),3.26(t,2H),3.69−3.79(m,4H),3.84(d,2H),4.83(s,1H),6.86(s,1H),6.98−7.08(m,2H),7.51(t,1H),7.61(d,1H).MS(+ESI)m/z398(MH).
実施例38
【0228】
【化61】

【0229】
1−{5−〔5−(フルオロメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル〕−1,3−チアゾール−2−イル}−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
標記化合物を、N′−ヒドロキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド及び酢酸フルオロエチルを用いて、実施例36の記載と同じ方法で調製した。生成物は、TLCの反応ではより極性の成分である。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.04−2.14(m,4H),3.72−3.82(m,4H),4.83(s,1H),5.54(s,1H),5.63(s,1H),7.01−7.07(m,2H),7.52(t,1H),7.62(d,1H),7.94(s,1H).MS(+ESI)m/z429(MH).
実施例39
【0230】
【化62】

【0231】
3−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)−4H−1,2,4−オキサジアジン−5(6H)−オン
標記化合物を、実施例38と同じ反応により、TLCでの反応の極性の低い成分として単離した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.01−2.13(m,4H),3.69−3.80(m,4H),4.46(s,2H),4.83(s,1H),6.99−7.08(m,2H),7.52(t,1H),7.63(d,1H),7.70(s,1H),9.63(s,1H).MS(+ESI)m/z427(MH).
実施例40
【0232】
【化63】

【0233】
1−〔5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−1,3−チアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン
DMF(0.3mL)中の2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド(60mg、0.16mmol)及び1,2−ジクロロエチルエチルエーテル(30μL、0.24mmol)の混合物を、120℃で2時間加熱した。混合物を水(2mL)で希釈し、EtOAc(3×1mL)で抽出した。合わせた有機層を、水(2mL)で洗浄し、次にNaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くCombiflash(SiO、EtOAc/ヘキサンの20乃至60%勾配溶離)による精製によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(400MHz,CDCl3):δ2.04−2.15(m,4H),3.76(t,4H),4.80−4.86(m,1H),7.05(t,2H),7.15(s,1H),7.52(t,1H),7.63(d,2H),7.77(s,1H).MS(+ESI)m/z396(MH).
実施例41
【0234】
【化64】

【0235】
〔3−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル〕メタノール
EtOH(4.3mL)中のN′−ヒドロキシ−2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド(0.5g、1.3mmol)の混合物に、ナトリウム金属(297mg、12.9mmol)を加えた。混合物を、ナトリウム金属が全て溶解するまで室温で撹拌した。グリコール酸エチル(0.37mL、3.9mmol)を加え、混合物を75℃で4時間加熱した。溶媒を蒸発させ、混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(3×5mL)で抽出し、NaSOで乾燥した。溶媒の蒸発、続くCHCl/ヘキサンによる再結晶によって、標記化合物を固体(0.39g)として得た。
HNMR(400MHz,CDCl3):δ2.09−2.17(m,4H),3.73−3.84(m,4H),4.85(s,1H),4.94(s,2H),7.02−7.10(m,2H),7.53(t,1H),7.64(d,1H),8.03(s,1H).MS(+ESI)m/z427(MH).
実施例42
【0236】
【化65】

【0237】
5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチル
標記化合物を、4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン及び5−ブロモ−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチルから、実施例1、工程2の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ1.45(t,3H),1.99−2.13(m,4H),3.75(ddd,2H),3.88(dt,2H),4.49(q,2H),4.83(s,1H),6.99−7.09(m,2H),7.48−7.54(m,1H),7.63(d,1H).MS(+ESI)m/z386(MH).
実施例43
【0238】
【化66】

【0239】
5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボキサミド
標記化合物を、5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−オキサジアゾール−2−カルボン酸エチルから、実施例12の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,CDCl3):δ1.98−2.13(m,4H),3.70−3.79(m,2H),3.88(dt,2H),4.84(s,1H),5.94(s,1H),6.96(s,1H),6.99−7.10(m,2H),7.53(t,1H),7.64(d,1H).MS(+ESI)m/z357(MH).
実施例44
【0240】
【化67】

【0241】
工程1:2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
アセトニトリル(135mL)中の2−ブロモ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(3g、13.5mmol)及びピペラジン(3.5g、40.5mmol)の混合物を80℃で1時間加熱した。次に混合物を濾過し、溶媒を蒸発させた。Combiflash(SiO、CHCl/MeOH/NHOH−89:10:1)による粗生成物の精製によって、標記化合物を固体として得た。
HNMR(500MHz,DMSO−d):δ2.79(4H,d,J=5.79Hz),3.45(4H,t,J=5.01Hz),3.76(3H,s),7.88(1H,s).MS(+ESI)m/z228(MH).
工程2:2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
アンモニア水(26mL、水中30%)を、厚壁ガラスフラスコ中の2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(3.0g、13.2mmol)に加えた。フラスコを密閉し、混合物を50℃で18時間加熱した。溶媒を蒸発させ、得られた固体を更に精製せずに次の工程で使用した。
HNMR(500MHz,DMSO−d):δ2.80(4H,s),3.58(4H,s),7.15(1H,s),7.70(1H,s),7.80(1H,s).MS(+ESI)m/z213(MH).
工程3:2−{4−〔5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
DMF(1.2mL)中の2−ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド(100mg、0.47mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.13mL、0.94mmol)、続いて5−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリド(86μL、0.57mmol)を加えた。2時間後、DMFを蒸発させ、混合物を水(2mL)でスラリー化し、濾過し、水、続いてEtOで洗浄して、生成物を固体として得た。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ3.39−3.45(m,1H),3.47−3.64(m,3H),3.70(t,2H),3.80−3.88(m,1H),3.94−4.01(m,1H),7.46(dd,2H),7.81(s,1H),7.94(dd,1H).MS(+ESI)m/z403(MH).
実施例45
【0242】
【化68】

【0243】
2−{4−〔4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を、2ピペラジン−1−イル−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド及び4−フルオロ−2−(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロリドから、実施例44、工程3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ3.40−3.48(m,2H),3.48−3.63(m,3H),3.83−3.90(m,1H),3.89−3.98(m,2H),7.56−7.62(m,1H),7.63−7.69(m,2H),7.82(d,1H).MS(+ESI)m/z403(MH).
実施例46
【0244】
【化69】

【0245】
〔3−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル〕メタノール
工程1:2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル及びヒドロキシルアミンから、実施例23、工程3の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,acetone−d):δ3.36−3.44(m,2H),3.49(q,2H),3.63(t,2H),3.83−3.87(m,1H),3.95−3.97(m,1H),5.48(s,1H),7.56(t,2H),7.70(t,1H),7.78(t,1H),7.84(d,1H).MS(+ESI)m/z400(MH).
工程2:〔3−(2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル〕メタノール
標記化合物を、2−{4−〔2−(トリフルオロメチル)ベンゾイル〕ピペラジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキシイミドアミド及びグリコール酸エチルを用いて、実施例36の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(500MHz,CDCl3):δ2.99(s,1H),3.38(t,2H),3.56(t,2H),3.68−3.76(m,2H),3.90−3.96(m,1H),4.07−4.11(m,1H),4.93(s,2H),7.39(d,1H),7.60(t,1H),7.67(t,1H),7.78(d,1H),8.03(s,1H).MS(+ESI)m/z440(MH).
実施例47
【0246】
【化70】

【0247】
N−(5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド
工程1:5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン
DMF(50mL)中の4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン塩酸塩(5.5g、2.2mmol)の溶液に、5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(3.3g、2.2mmol)及びKCO(9.1g、6.6mmol)を加えた。反応を、撹拌しながら80℃で一晩加熱した。冷却した後、塩を濾過により除去し、濾液を真空下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルで洗浄して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,DMSO−d):δ7.57−7.60(m,2H),7.29−7.35(m,1H),7.03−7.05(m,1H),6.46(s,2H),4.84(s,1H),3.22−3.30(m,4H),1.91−2.01(m,2H),1.68−1.78(m,2H).MS:m/z345(MH).〕
工程2:N−(5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アセトアミド
THF(5mL)中の5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(0.2g、0.58mmol)の溶液に、トリエチルアミン(175mg、1.7mmol)、続いて塩化アセチル(68.3mg、0.87mmol)を周囲温度で加えた。得られた溶液を3時間撹拌した。塩を濾過により除去し、濾液を蒸発させ、残渣を分取TLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ7.59(d,J=7.6Hz,1H),7.49(t,J=7.6Hz,1H),6.99−7.03(m,2H),4.77(t,J=4.0Hz,1H),3.59−3.72(m,4H),2.39(s,3H),2.04−2.07(m,4H).MS:m/z387(MH).
実施例48
【0248】
【化71】

【0249】
1−〔5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕−ピペリジン
工程1:5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
アセトニトリル(300mL)中の5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(20.6g、0.06mmol)の懸濁液に、CuCN(10.68g、0.12mol)及びt−亜硝酸ブチル(6.2g、0.06mol)を室温で加えた。TLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、反応混合物を50乃至60℃で2時間加熱した。反応混合物を水(100mL)に注ぎ、ジクロロメタン(100mL)を加えた。固体を濾過により除去し、濾液をジクロロメタン(3×200mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去して、粗生成物を得て、それをカラムクロマトグラフィー(溶出液として石油エーテル/酢酸エチルの5:1)により精製して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ7.61(d,J=7.6Hz,1H),7.50(t,J=8.0Hz,1H),6.93−7.06(m,2H),4.86(brs,1H),3.77−3.83(m,4H),2.01−2.20(m,4H).MS:m/z355(MH).
工程2:N′−ヒドロキシ−5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド
エタノール(30mL)中の5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(2.12g、6mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.07g、30mmol)及び炭酸カリウム(4.14g、30mmol)を加えた。HPLCが、出発材料が完全に消費されたことを示すまで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。固体を濾過により収集し、それを水及びエタノールで洗浄して、標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ10.1(s,1H),7.59−7.62(m,2H),7.35(d,J=8.7Hz,1H),7.08(t,J=7.8Hz,1H),5.91(br,2H),4.85−4.95(m,1H),3.54−3.62(m,4H),2.03−2.10(m,2H),1.72−1.84(m,2H).MS:m/z388(MH).
工程3:1−〔5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕−ピペリジン
オルトギ酸トリメチル(4mL)中のN′−ヒドロキシ−5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド(0.387g、1mmol)の溶液に、BFOEt(0.1mL)を加えた。HPLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、反応混合物を100℃で一晩加熱した。過剰オルトギ酸トリメチルを真空下で除去した。残渣を分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl):δ8.83(s,1H),7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.50(t,J=7.8Hz,1H),6.99−7.06(m,2H),4.81−4.86(m,1H),3.80−3.84(m,4H),2.03−2.16(m,4H).MS:m/z398(MH).
実施例49
【0250】
【化72】

【0251】
1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)−フェノキシ〕ピペリジン
ピリジン(4mL)中のN′−ヒドロキシ−5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド(0.387g、1mmol)の溶液に、無水酢酸(0.122g、1.2mmol)を加えた。HPLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、反応混合物を100℃で一晩加熱した。反応混合物を水に注ぎ、pHを、2規定 HClで7に調整し、次に混合物をジクロロメタンで抽出した。溶媒を真空下で除去した。残渣を分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ7.60(d,J=7.6Hz,1H),7.50(t,J=8.0Hz,1H),7.00−7.05(m,2H),4.82−4.83(m,1H),3.80−3.83(m,4H),2.69(s,3H),2.07−2.15(m,4H).MS:m/z412(MH).
実施例50
【0252】
【化73】

【0253】
1−〔5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕−ピペリジン
イソプロパノール(5mL)及び水(10mL)中の5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(0.708g、2mmol)の溶液に、アジ化ナトリウム(0.26g、4mmol)及びZnBr(0.45g、2mmol)を加えた。反応混合物を、密閉管中、120℃で24時間加熱した。冷却した後、酢酸エチル(50mL)及び2M HCl(20mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル抽出物を無水NaSOで乾燥し、真空下で蒸発させた。残渣をクロロホルムで粉砕して、標記化合物を得て、それをメタノール及びエーテルから再結晶させた。
HNMR(300MHz,DMSO−d6):δ7.60−7.62(m,2H),7.37(d,J=8.7Hz,1H),7.08(t,J=8.7Hz,1H),4.86−4.95(m,1H),3.56−3.64(m,4H),2.00−2.15(m,2H),1.75−1.89(m,2H).MS:m/z398(MH).
実施例51
【0254】
【化74】

【0255】
1−〔5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)−フェノキシ〕ピペリジン
1−〔5−(2H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕−4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン(実施例50)(0.20g、0.5mmol)及び酢酸無水物(1mL)の混合物を、HPLCが、出発材料の完全な消費を示すまで、120℃で一晩加熱した。冷却した後、ジクロロメタン(10mL)及び飽和NaHCO溶液(20mL)を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。有機相を無水NaSOで乾燥し、真空下で蒸発させ、分取TLCで精製して、標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl):δ7.60(d,J=7.8Hz,1H),7.47(t,J=8.1Hz,1H),6.99−7.06(m,2H),4.83−4.86(m,1H),3.80−3.84(m,4H),2.65(s,3H),2.06−2.14(m,4H).MS:m/z412(MH).
実施例52
【0256】
【化75】

【0257】
4−(2−ブロモフェノキシ)−1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
工程1:5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
アセトニトリル(200mL)中の5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−アミン(10g、0.055mol)及びシアン化第一銅(10.5g、0.119mol)の懸濁液に、0℃で、t−BuONO(12g、0.116mol)を20分間かけて滴加した。TLCが、反応が完了したことを示すまで、懸濁液を室温で撹拌した。次に反応混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮して、粗成生物を得て、それをクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物を得た。
13CNMR(300MHz,CDCl):δ77.3,109.0,141.7.
工程2:5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
DMF(10mL)中の4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン塩酸塩(0.68g、2.3mmol)及び5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(0.4g、2.1mmol)の混合物に、KCO(0.869g、6.3mmol)を窒素雰囲気下で加えた。混合物を90℃で4時間撹拌した。固体を濾過により除去した。濾液を真空下で濃縮した。残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物を得た。
H(400MHz,CDCl):δ7.55−7.57(m,1H),7.26−7.30(m,1H),6.82−6.96(m,2H),4.78(m,1H),3.74−3.95(m,4H),1.99−2.17(m,4H).MS:m/z364(MH).
工程3:5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキイミドアミド
エタノール(10mL)中の5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(0.32g、0.92mmol)の溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(0.32g、4.6mmol)及び炭酸カリウム(0.64g、4.6mmol)を加えた。HPLCが、出発材料が完全に消費されたことを示すまで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。固体を濾過により収集し、水及びエタノールで洗浄して、目的の生成物を得て、それを精製しないで次の工程に使用した。
工程4:4−(2−ブロモフェノキシ)−1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
ピリジン(2mL)中の5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド(0.07g、0.176mmol)の溶液に、無水酢酸(0.21mmol)を加え、混合物を120℃で一晩撹拌した。溶液を真空下で濃縮し、粗生成物を分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(CDCl,400MHz):δ7.54−7.57(m,1H),7.24−7.28(m,1H),6.94−6.96(m,1H),6.85−6.89(m,1H),4.74(s,1H),3.87−3.94(m,2H),3.74−3.80(m,2H).2.71(s,3H).2.02−2.11(m,4H).MS:m/z422(MH).
実施例53
【0258】
【化76】

【0259】
4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)−1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
標記化合物を、4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン塩酸塩及び5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリルから、実施例52、工程2乃至4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,CDCl):δ7.45−7.48(m,1H),6.65−6.68(m,1H),6.60(m,1H),4.69(m,1H),3.75−3.88(m,4H),2.65(s,3H),2.05(m,4H).MS:m/z440(MH).
実施例54
【0260】
【化77】

【0261】
4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)−1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
標記化合物を、4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン塩酸塩及び5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリルから、実施例52、工程2乃至4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(300MHz,CDCl):δ7.31−7.34m,1H),6.89−7.02(m,2H),4.63(m,1H),3.77−3.98(m,2H),3.64−3.70(m,2H),2.69(s,3H),2.06(m,4H).MS:m/z440(MH).
実施例55
【0262】
【化78】

【0263】
4−(2−ブロモフェノキシ)−1−〔5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
工程1:4−(2−ブロモフェノキシ)−1−〔5−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
イソプロパノール(4mL)及びHO(2mL)中の5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル、実施例52,工程2(0.3g、0.8mmol)及びZnBr(0.171g、0.8mmol)の懸濁液に、密閉管中でアジ化ナトリウム(0.168g、1.64mmol)を加えた。混合物を120℃で一晩撹拌し、室温に冷却し、次に2M HClでpH4に調整した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して、粗生成物を得て、それを分取TLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CDCl):δ7.30−7.38(m,1H),7.06−7.13(m,1H),6.70−6.89(m,1H),6.63−6.67(m,1H),4.60(m,1H),3.65−3.71(m,2H),3.41−3.54(m,2H),3.15(s,1H),1.90−2.02(m,4H).MS:m/z408(MH).
工程2:4−(2−ブロモフェノキシ)−1−〔5−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン
4−(2−ブロモフェノキシ)−1−〔5−(1H−テトラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン(130mg、0.3mmol)及び無水酢酸(2mL)の混合物を、密閉管の中で、窒素下、120℃で一晩撹拌した。混合物を真空下で濃縮して、粗生成物を得て、それを分取HPLCで精製して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ7.57−7.58(m,1H),7.26−7.29(m,1H),6.68−6.96(m,2H),5.30(m,1H),3.89−3.95(m,2H),3.61−3.62(m,2H),2.65(s,3H),2.02−2.1(m,4H).MS:m/z422(MH).
実施例56
【0264】
【化79】

【0265】
3−ブロモ−4−({1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン−4−イル}オキシ)ピリジン
工程1:3−ニトロ−4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピリジン塩酸塩
DMF(100mL)中の4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(7.27g、36mmol)の溶液に、NaH(1.68g、パラフィン中60%、42mol)及び4−クロロ−3−ニトロピリジン(4.77g、30mmol)を加えた。反応混合物を60℃で一晩加熱し、HPLCでモニタリングした。溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/酢酸エチルの1:1を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−〔(3−ニトロピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを得て、それを4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン塩酸塩について記載したように脱保護して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,DMSO−d6):δ9.24(br,1H),9.03(s,1H),5.14(m,1H),3.11(m,4H),2.13(m,2H),1.92(m,2H).MS:m/z260(MH).
工程2:4−({1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン−4−イル}オキシ)−3−ニトロピリジン
標記化合物を、3−ニトロ−4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピリジン塩酸塩及び5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリルから、実施例52、工程2乃至4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(300MHz,CDCl):δ9.04(s,1H),8.65(d,J=6Hz,1H),7.06(d,J=6Hz,1H),5.01(m,1H),3.79−3.87(m,4H),2.69(s,3H),2.15(m,4H).MS:m/z390(MH).
工程3:4−({1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン−4−イル}オキシ)ピリジン−3−アミン
EtOH(10mL)及び水(5mL)中の4−({1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン−4−イル}オキシ)−3−ニトロピリジン(0.49g、1.26mmol)の溶液に、粉末Fe(0.84g、15.1mmol)及びNHCl(1.348g、25.2mmol)を加えた。HPLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、混合物を室温で40時間撹拌した。固体を濾過により除去し、溶液を真空下で蒸発させた。残渣を水(10mL)に溶解し、pHを、NaHCO溶液で8に調整した。次に混合物をクロロホルム(5×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、標記生成物を得て、それを更に精製しないで次の工程に使用した。
工程4:3−ブロモ−4−({1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン−4−イル}オキシ)ピリジン
アセトニトリル(10mL)中の工程3の4−({1−〔5−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イル〕ピペリジン−4−イル}オキシ)ピリジン−3−アミン(0.4g、0.61mmol、純度50乃至60%)の溶液に、CuBr(0.50g、2.23mmol)及びt−亜硝酸ブチル(0.23g、2.23mmol)を室温で加えた。TLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、反応混合物を50乃至60℃で2時間加熱した。反応混合物を2規定 HCl(10mL)に注いだ。ジクロロメタン(10mL)を加え、混合物を15分間撹拌した。pHを、NaHCO溶液で8に調整し、混合物をジクロロメタン(3×20mL)で抽出し、無水NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去した。残渣を、ジクロロメタン/MeOH=10/1を用いる分取TLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ8.80(s,1H),8.721(s,1H),7.33(s,1H),5.12(m,1H),3.86(m,4H),2.69(s,3H),2.17−2.23(m,4H).MS:m/z423,425(MH).
実施例57
【0266】
【化80】

【0267】
〔3−(5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル〕メタノール
工程1:5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミド
EtOH(6mL)及び水(3mL)中の、実施例52、工程2の記載と同じ方法で3−ニトロ−4−(ピペリジン−4−イルオキシ)ピリジン塩酸塩及び5−ブロモ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリルから調製された5−{4−〔(3−ニトロピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(0.84g、2.53mmol)の溶液に、粉末Fe(0.85g、15.2mmol)及びNHCl(1.406g、25.3mmol)を、HPLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、撹拌しながら室温で6時間添加した。固体を濾過により除去し、溶液を真空下で蒸発させた。残渣を水(10mL)に溶解し、pHを、NaHCO溶液で8に調整した。溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、5−{4−〔(3−アミノピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル及び5−{4−〔(3−アミノピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミドを含む粗混合物を得て、それを更に精製しないで次に工程に使用した。
【0268】
アセトニトリル(10mL)中の5−{4−〔(3−アミノピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル及び5−{4−〔(3−アミノピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミドの粗混合物(0.73g、純度50%)の溶液に、CuBr(1.156g、5.18mmol)及びt−亜硝酸ブチル(0.534g、5.18mmol)を室温で加えた。TLCが、出発材料が消費されたことを示すまで、反応混合物を50乃至60℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、アンモニア水溶液(25%、1.45g、10.36mmol)及び水50mLを加え、30分間撹拌した。溶媒をジクロロメタン(3×30mL)で抽出し、飽和ブライン(30mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、溶媒を真空下で除去し、ジクロロメタン/MeOHの50:1を用いる分取TLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,DMSO−d6):δ8.56(s,1H),8.38(d,1H,J=6Hz),8.13(s,1H),7.65(s,1H),7.30(s,1H,J=6Hz),4.90−5.02(m,1H),3.69−3.70(m,2H),3.60−3.62(m,2H),2.08−2.10(m,2H),1.82−1.85(m,2H)
工程2:5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル
THF(6mL)中の5−{4−〔3−(ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキサミド(0.37g、0.963mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.156g、1.54mmol)を加えた。氷水で0℃に冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.303g、1.44mmol)を加え、混合物を室温に温めた。3時間撹拌した後、水(20mL)を加え、混合物をジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,CDCl):δ8.63(s,1H),8.42(s,1H),6.89(s,1H),4.93(s,1H),3.80−3.92(m,4H),2.06−2.19(m,4H).MS:m/z366,368(MH).
工程3:5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミド
エタノール(5mL)中の5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボニトリル(0.23g、0.628mmol)の溶液に、NHOHHCl(0.131g、3.14mmol)及び炭酸カリウム(0.433g、3.14mmol)を加えた。HPLCが、出発材料が完全に消費されたことを示すまで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。固体を濾過により収集し、水及びエタノールで洗浄して、標記化合物を得た。
HNMR(400MHz,DMSO−d6):δ10.10(br,1H),8.56(s,1H),8.37(s,1H),7.29(s,1H),5.91(s,2H),4.90−5.08(m,1H),3.55−3.64(m,4H),1.94−2.14(m,2H),1.70−1.90(m,2H).MS:m/z399,401(MH+).
工程4:〔3−(5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル〕メタノール
EtOH(5mL)中の5−{4−〔(3−ブロモピリジン−4−イル)オキシ〕ピペリジン−1−イル}−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミド(0.2g、0.5mmol)及びグリコール酸エチル(0.209g、2mmol)の溶液に、EtOH(5.7mL、2.5mmol、0.44mol/L)中のNaOEt溶液をN下で加えた。100℃で2時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去した。残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、分取HPLCにより精製して、標記化合物を得た。
HNMR(300MHz,CD3OD):δ8.85(s,1H),8.63(d,J=5Hz,1H),7.63(d,J=6Hz,1H),5.25−5.30(m,1H),4.89(s,2H),3.75−3.93(m,4H),2.21−2.31(m,2H),2.04−2.14(m,2H).MS:m/z439,441(MH).
実施例58
【0269】
【化81】

【0270】
〔3−(5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル〕メタノール
標記化合物を、N′−ヒドロキシ−5−{4−〔2−(トリフルオロメチル)フェノキシ〕ピペリジン−1−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド及グリコール酸エチルを用いて、実施例57、工程4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,acetone−d):δ7.72−7.58(m,2H),7.48−7.38(m,1H),7.20−7.10(m,1H),5.22(m,1H),5.08(m,1H),5.00(m,2H),3.95−3.3.80(m,4H),2.30−2.20(m,2H),2.15−2.00(m,2H).MS:m/z428(MH).
実施例59
【0271】
【化82】

【0272】
(3−{5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メタノール
標記化合物を、5−〔4−(2−ブロモフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド及グリコール酸エチルを用いて、実施例57、工程4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(300MHz,CD3OD):δ7.56(dd,J=8Hz,1H),7.30(m,J=8Hz,1H),7.15(dd,J=6Hz,1H),6.90(m,J=8Hz,1H),4.89(m,3H),3.84−4.01(m,2H),3.72−3.80(m,2H),2.14(m,4H).MS:m/z438,440(MH).
実施例60
【0273】
【化83】

【0274】
(3−{5−〔4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メタノール
標記化合物を、5−〔4−(2−ブロモ−4−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド及グリコール酸エチルを用いて、実施例57、工程4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(300MHz,CD3OD):δ7.04−7.41(m,3H),4.80(s,2H),4.59−4.63(m,1H),3.88−4.03(m,2H),3.60−3.75(m,2H),1.95−2.15(m,4H).MS:m/z456,458(MH).
実施例61
【0275】
【化84】

【0276】
(3−{5−〔4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−1,3,4−チアジアゾール−2−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メタノール
標記化合物を、5−〔4−(2−ブロモ−5−フルオロフェノキシ)ピペリジン−1−イル〕−N′−ヒドロキシ−1,3,4−チアジアゾール−2−カルボキシイミドアミド及グリコール酸エチルを用いて、実施例57、工程4の記載と同じ方法で調製した。
HNMR(400MHz,CD3OD):δ7.45−7.54(m,1H),7.00−7.04(m,1H),6.65−6.70(m,1H),5.08(s,2H),4.73−4.83(m,1H),3.73−3.94(m,4H),2.11−2.65(m,4H).MS:m/z456,458(MH).
実施例62
【0277】
【化85】

【0278】
2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル
1,4−ジオキサン(2mL)中の2−ブロモ−5−カルボン酸メチル(154mg、0.69mmol)及び4−〔3−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペリジン(354mg、1.5mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.37mL、2.1mmol)を加えた。混合物を、密閉バイアル中、110℃で16時間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NHCl及びブラインで連続して洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濾過した。溶媒の蒸発、続くフラッシュクロマトグラフィー(SiO、EtOAc/ヘキサンの10乃至35%勾配溶離)による精製及び1%EtOAc/ヘプタンでの粉砕によって、標記化合物を白色の固体として得た。
HNMR(400MHz,acetone−d):δ7.80(s,1H),7.63−7.55(m,4H),4.14−4.06(m,2H),3.79(s,3H),3.18−3.09(m,2H),2.77(d,2H),2.05−1.94(m,1H),1.83−1.76(m,2H),1.45−1.33(m,2H).MS(+ESI)m/z385(MH).
実施例63
【0279】
【化86】

【0280】
2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド
MeOH(10mL)中の2−{4−〔3−(トリフルオロメチル)ベンジル〕ピペリジン−1−イル}−1,3−チアゾール−5−カルボン酸メチル(156mg、0.41mmol)の溶液を、飽和アンモニアガスにより0℃で15分間飽和した。混合物を、密閉管中、110℃で48時間加熱した。次に、アンモニアを、穏やかに加熱して部分的に除去し、混合物を−78℃に冷却して、目的物質を沈殿させた。沈殿物を濾過により収集し、冷MeOHで洗浄して、標記化合物を白色の固体として得た。
HNMR(400MHz,DMSO−d6):δ7.77(s,1H),7.67(brs,1H),7.59−7.51(m,4H),7.13(brs,1H),3.96−3.87(m,2H),3.07−2.96(m,2H),2.67(d,2H),1.88−1.80(m,1H),1.69−1.60(m,2H),1.32−1.20(m,2H).MS(+ESI)m/z370.1(MH).
医薬製剤の例
本発明の化合物の経口組成物のための特定の実施形態として、いずれかの実施例の化合物50mgを、十分に微粉化した乳糖と配合して、総量580乃至590mgとし、Oサイズの硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0281】
本発明について特定の実施形態を参照して記載及び説明してきたが、当業者は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、多様な変更、修正、及び置換を行えることを理解する。例えば、本明細書の上記で記載された好ましい用量以外の有効投与量を、特定の状態が治療されるヒトの反応が異なる場合にも適用することができる。同様に、観察される薬理学的反応は、選択される特定の活性化合物又は医薬担体が存在するかに従って及び応じて、並びに用いられる製剤の種類及び投与様式に従って及び応じて変わる場合があり、結果におけるそのような予測される変動又は差異は、本発明の目的及び実施に従って考慮される。したがって、本発明は、特許請求の範囲によってのみ限定され、そのような請求項は、合理的である限りできるだけ広義に解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

〔式中、
nは、それぞれ独立して、0、1又は2であり、
mは、それぞれ独立して、0、1又は2であり、
pは、それぞれ独立して、0、1又は2であり、
X−Yは、N−C(O)、N−S(O)、N−CR、CH−O、CH−S(O)、CH−NR13、CH−CR又はCH−C(O)であり、
Arは、フェニル、ナフチル又はヘテロアリールであり、それぞれ1乃至5つのR3a置換基で置換されていてもよく、
HetArは、下記:
オキサゾリル、
チアゾリル、
イミダゾリル、
ピラゾリル、
イソオキサゾリル、
イソチアゾリル、
1,2,4−オキサジアゾリル、
1,3,4−オキサジアゾリル、
1,2,5−オキサジアゾリル、
1,2,3−オキサジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、
1,2,5−チアジアゾリル、
1,3,4−チアジアゾリル、
1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−トリアゾリル、
1,2,3−トリアゾリル、
テトラゾリル、
ベンゾチアゾリル、
ベンゾオキサゾリル、
ベンズイミダゾリル、
ベンゾイソオキサゾリル及び
ベンゾイソチアゾリル
からなる群より選択される縮合していてもよい5員芳香族複素環であり、
ここで芳香族複素環は、R3bから独立して選択される1乃至2つの置換基で置換されていてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素又はC1−3アルキルであり、ここでアルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよく、
各R3a及び各R3bは、下記:
1−6アルキル、
(CHOR
(CH−フェニル、
(CH−ナフチル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ヘテロシクリル、
(CH3−7シクロアルキル、
ハロゲン、
(CHN(R
(CHC≡N、
(CHCO
(CHCOR
NO
(CHNRSO
(CHSON(R
(CHS(O)
(CHNRC(O)N(R
(CHC(O)N(R
(CHC(O)N(OR)R
(CHC(O)N(NH)R
(CHNRC(O)R
(CHNRCO
O(CHC(O)N(R
CF
CHCF
OCF及び
OCHCF
からなる群より独立して選択され、
ここで、フェニル、ナフチル、ヘテロアリール、シクロアルキル及びヘテロシクリルは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキルからなる群より独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよく、ここでアルキルはヒドロキシ又は1乃至3個のフッ素で置換されていてもよく、R3a又はR3bの任意のメチレン(CH)炭素原子は、フッ素、ヒドロキシ及び1乃至5個のフッ素で置換されていてもよいC1−4アルキルから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよいか、又は同じメチレン(CH)基が、それらが結合している炭素原子と一緒になってシクロプロピル基を形成する場合は、2つの置換基で置換されていてもよく、
は、それぞれ独立して、下記:
水素、
1−6アルキル、
(CH−フェニル、
(CH−ヘテロアリール、
(CH−ナフチル及び
(CH3−7シクロアルキル
からなる群より独立して選択され
ここで、アルキル、フェニル、ヘテロアリール及びシクロアルキルは、ハロゲン、C1−4アルキル及びC1−4アルコキシから独立して選択される1乃至3つの基により置換されていてもよく、アルキル及びアルコキシは、1乃至5個のフッ素で置換されていてもよいか、或いは2つのR基は、それらが結合している原子と一緒になって、O、S及びNC1−4アルキルから選択される追加のヘテロ原子を含んでいてもよい4乃至8員の単環式又は二環式の環系を形成し、
、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立して、水素、フッ素、又はC1−3アルキルであり、ここでアルキルは、フッ素及びヒドロキシから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよく、そして
13は、水素又はC1-6アルキルである〕
で示される化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
X−YがN−C(O)である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
HetArが、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルでありそれぞれR3bから独立して選択される1乃至2つの置換基で置換されていてもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
HetArが、2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルであり、それぞれR3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている、請求項3記載の化合物。<
【請求項5】
Arが、R3aから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである、請求項2記載の化合物。
【請求項6】
Arが、1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArが、R3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである、請求項2記載の化合物。
【請求項7】
X−YがN−CRである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
HetArが、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい、請求項7載の化合物。
【請求項9】
及びRが、水素であり、Arが、1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArが、R3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである、請求項7記載の化合物。
【請求項10】
X−YがCH−Oである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
HetArが、2−チアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル又は1,3,4−オキサジアゾール−2−イルであり、それぞれR3bから独立して選択される1乃至2つの基で置換されていてもよい、請求項10載の化合物。
【請求項12】
HetArが、R3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている、2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
Arが、1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルである、請求項10記載の化合物。
【請求項14】
Arが、1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArが、R3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである、請求項10記載の化合物。
【請求項15】
3bが、ヘテロアリール又はヘテロシクリルであり、ここでヘテロアリール又はヘテロシクリルが、ハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、C1−3アルキル、トリフルオロメチル及びC1−3アルコキシから独立して選択される1乃至3つの置換基で置換されていてもよい、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
ヘテロアリールが、2H−テトラゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル又は1,2,4−オキサジアゾール−3−イルである、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
X−YがCH−CRである、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
及びRが、水素であり、Arが、1乃至3つのR3a置換基で置換されていてもよいフェニル又はピリジルであり、そしてHetArが、R3bによりチアゾール又は1,3,4−チアジアゾール環のC5位で一置換されている2−チアゾリル又は1,3,4−チアジアゾール−2−イルである、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
乃至R11が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
3aが、それぞれ独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、トリフルオロメチル、C1−4アルキルスルホニル、シアノ及びC1−4アルコキシから独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項21】
3bが、下記:
ハロゲン、
シアノ、
C(O)N(R
C(O)R
CO
CHOR(ここでCHは、ヒドロキシ、フッ素及びメチルから独立して選択される1つの置換基で置換されていてもよい)、
NRC(O)R
SON(R及び
1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、2−チアゾリル及び2H−テトラゾール−5−イルからなる群から選択されるヘテロアリール(ここでヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、C3−6シクロアルキル及びC1−4アルキルから独立して選択される1乃至2つの置換基で置換されていてもよく、ここでアルキルは、ヒドロキシ又は1乃至3個のフッ素で置換されている)
からなる群より独立して選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項22】
下記:
【化2】

【化3】

【化4】

からなる群より選択される請求項19記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
請求項1記載の化合物を薬学的に許容される担体と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項24】
ステアロイル−コエンザイムAデルタ−9デサチュラーゼの阻害が原因の障害、状態又は疾患を持つ哺乳動物の治療における、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項25】
前記障害、状態又は疾患が、2型糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、代謝症候群及び脂肪肝疾患からなる群より選択される、請求項24記載の使用。
【請求項26】
前記脂質障害が、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群より選択される、請求項25記載の使用。
【請求項27】
哺乳動物において2型糖尿病、インスリン抵抗性、脂質障害、肥満、代謝症候群及び脂肪肝疾患を治療するのに使用される薬剤の製造における、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項28】
前記脂質障害が、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、低HDL及び高LDLからなる群より選択される、請求項27記載の使用。

【公表番号】特表2008−545760(P2008−545760A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515015(P2008−515015)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/CA2006/000949
【国際公開番号】WO2006/130986
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】