説明

ストリーミング通信システム

【課題】効率的な帯域制御を行なうストリーミング通信システムを提供する。
【解決手段】ストリーミング通信装置5は、ルータ装置3に対してストリーミング通信に必要となる帯域の確保を要求するパケットを送信する。ルータ装置3は、要求パケットに従って必要な帯域を確保する。これにより、安定したストリーミング通信を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーミング通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ブロードバンド通信の普及に伴い、ストリーミング技術を利用してインターネット経由で映像や音声を再生する機会が増えている。インターネットを介して映像や音声などのストリーミングデータを配信する場合、ストリーミングデータは複数のパケットに分割されて配信される。そして、PC(Personal Computer)などのクライアント機器は、受信したこれらのパケットからデータを取り出し、再構築して再生する。
【0003】
しかしながら、インターネットでは、さまざまなアプリケーションの通信が1つのIP(Internet Protocol)ネットワークに共存している。このため、ネットワークの混雑などによって通信速度が落ちる場合がある。このような場合、ストリーミング通信のようにリアルタイムにパケットを受信することが要求される通信では、データ再生に乱れが生じることとなる。
【0004】
そこで、ルータによって全てのパケットを監視して映像や音声などのストリーミングパケットを探し、そのパケットをきっかけに帯域制御を行なう技術が提案されている。
【0005】
たとえば、特許文献1では、WAN(Wide Area Network)側/LAN(Local Area Network)側の境界に設置された、帯域測定、通信フロー監視、帯域計算および帯域制御の各機能を有する通信制御装置(ホームルータ)について開示されている。通信制御装置は、並列に接続されたテレビなどに対してストリーミング通信のQoS(Quality of Service)を保証する。
【0006】
また、特許文献2では、ストリーミングデータを配信するサーバと、ストリーミングデータを受信するストリーミングデータ通信装置とを備えるストリーミングデータ通信システムについて開示されている。ストリーミングデータ通信装置は、サーバから送信されたテストデータパケットにより適正なビットレートを判断する。
【特許文献1】特開2005−210347号公報
【特許文献2】特開2005−167514号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の技術によれば、ルータはストリーミング通信に必要な帯域を確保する。しかしながら、パケット全てを解析し、ストリーミングのきっかけを見つけるのでは、ルータ側での負担が非常に大きい。
【0008】
また、通信によっては、ルータが知らないプロトコルが使われる可能性もあるため、ルータのみで正確にストリーミング通信の開始・終了とその必要帯域を把握することは難しい。
【0009】
さらに、同時に多数のストリーミング通信が発生した場合に、パケットの優先度制御だけでは、帯域の取り合いになってしまい、それぞれのストリーミング通信に対して最適な帯域を割り当てることは難しい。
【0010】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、効率的な帯域制御を行なうストリーミング通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの局面に従うと、ストリーミング通信をする複数のストリーミング通信装置と、ネットワークに接続される機器間においてデータパケットの中継を制御するための通信中継装置とを備えるストリーミング通信システムであって、各ストリーミング通信装置は、データパケットを送受信するための通信手段と、通信中継装置に対し、ストリーミング通信のための帯域制御を指示する要求パケットを送信するための要求パケット送信手段とを含み、通信中継装置は、要求パケットを受信するための要求パケット受信手段と、要求パケットに応じたデータパケットの帯域制御を行なうための帯域制御手段とを含む。
【0012】
好ましくは、要求パケットは、ストリーミング通信のための帯域をネットワークにおいて確保するような指示を含む確保要求パケットである。
【0013】
好ましくは、要求パケットは、ストリーミング通信のために確保された帯域を開放するような指示を含む開放要求パケットである。
【0014】
好ましくは、帯域制御手段は、要求パケット受信手段が確保要求パケットを受信したことに応じて、確保要求パケットを送信したストリーミング通信装置のアドレスに対して帯域を確保する制御を行なう。
【0015】
好ましくは、帯域制御手段は、要求パケット受信手段が開放要求パケットを受信したことに応じて、開放要求パケットを送信したストリーミング通信装置のアドレスに対して確保した帯域を開放する制御を行なう。
【0016】
好ましくは、通信中継装置は、複数のストリーミング通信装置からの確保要求パケットについて、各確保要求パケットを送信したストリーミング通信装置のアドレスと、各確保要求パケットに含まれる、ストリーミング通信に必要な帯域とを関連付けて記憶するための記憶手段をさらに含む。
【0017】
好ましくは、帯域制御手段は、複数のストリーミング通信装置のアドレスに対して帯域を確保する制御を行なっている場合に、要求パケット受信手段が複数のストリーミング通信装置のうちの所定のストリーミング通信装置から開放要求パケットを受信したことに応じて、所定のストリーミング通信装置のアドレスに対して確保した帯域を開放する制御を行なう。
【0018】
好ましくは、通信中継装置は、帯域制御手段が要求パケット受信手段の受信した確保要求パケットに応じた制御を行なう物理ポートを表示するための物理ポート表示手段をさらに含む。
【0019】
好ましくは、ストリーミング通信装置は、ストリーミング通信で用いるデータを記憶するためのデータ記憶手段と、データ記憶手段に記憶されたデータの圧縮形式でストリーミング通信するために必要な帯域幅を判定するためのデータ判定手段をさらに含み、要求パケット送信手段は、データ判定手段の判定結果に基づいて確保要求パケットを送信する。
【0020】
好ましくは、データ判定手段は、通信手段がデータパケットを受信したことに応じて、データパケットの圧縮形式でストリーミング通信するために必要な帯域幅を判定する。
【0021】
好ましくは、要求パケット送信手段は、確保要求パケットとしてIPパケットを用いる。
【0022】
好ましくは、要求パケット送信手段は、開放要求パケットとしてIPパケットを用いる。
【0023】
好ましくは、帯域制御手段は、複数のストリーミング通信装置に対して帯域制御を行なっている場合に、複数のストリーミング通信装置のうちの確保要求パケットを送信したストリーミング通信装置のアドレスに対しては確保要求パケットに基づいた帯域の制御を行ない、残りのストリーミング通信装置のアドレスに対しては、残りの帯域を均等に割り当てるよう制御を行なう。
【0024】
好ましくは、データ判定手段は、データパケットの圧縮形式と、圧縮形式に必要な帯域幅とが関連付けられたテーブルを有し、データ判定手段は、テーブルに基づいて必要な帯域を判定する。
【0025】
好ましくは、通信中継装置は、帯域制御手段が要求パケット受信手段の受信した確保要求パケットに応じた制御を行なっていることをユーザに通知するための通知手段をさらに含む。
【0026】
好ましくは、通信中継装置は、帯域制御手段が帯域を確保する制御を行なっているストリーミング通信装置のアドレスと確保している帯域幅とを関連付けて表示するための確保帯域表示手段をさらに含む。
【0027】
好ましくは、データ判定手段は、ストリーミング通信で用いるデータパケットのペイロードタイプに基づいてデータパケットの圧縮形式を判定する。
【0028】
好ましくは、ストリーミング通信は、SIPプロトコルを用いた通信であり、データ判定手段は、メソッドと、メソッドに対するレスポンス・メッセージのオファーSDP情報に基づいて、ストリーミング通信の開始およびデータパケットの圧縮形式を判定する。
【0029】
好ましくは、各ストリーミング装置とルータ装置とは構内情報通信網によって接続される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ストリーミング通信において効率的に帯域制御を行なう。これにより、安定したストリーミング通信を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについては詳細な説明は繰り返さない。
【0032】
以下の説明で明らかになるように、本発明によれば、ストリーミング通信装置は、通信中継装置(以下、「ルータ装置」と呼ぶ)に対してストリーミング通信に必要となる帯域の確保を要求するパケットを送信する。ルータ装置は、要求パケットに従って、必要な帯域を確保する。これにより、安定したストリーミング通信を行なうことができる。
【0033】
図1は、本実施の形態に係るストリーミング通信システム10が適用されるネットワークの構成を例示した図である。
【0034】
図1を参照して、本実施の形態に係るストリーミング通信システム10が適用されるネットワークの構成について説明する。
【0035】
ストリーミング通信システム10は、ストリーミング通信が可能なストリーミング通信装置5−1〜5−nと、ストリーミング通信装置5−1〜5−nに対して帯域制御を行なうルータ装置3とから構成される。
【0036】
ルータ装置3は、と、WAN(Wide Area Network)あるいはインターネットなどのネットワークであるネットワーク1と直接接続されるが、図示しないISP(Internet Service Provider)ゲートウェイを介してネットワーク1と接続されていてもよい。また、ルータ装置3とストリーミング通信装置5−1〜5−nはLAN7を介して接続される。LAN7は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。以下の説明では、ストリーミング通信装置5−1〜5−nの各装置を特に特定しない場合は、単にストリーミング通信装置5と示す。なお、ルータ装置3には、この他にも複数の機器を接続することが可能である。
【0037】
以上のようなストリーミング通信システム10は、1つのローカルネットワークを構成しており、たとえば、家庭、オフィスなどの構内でのネットワークとして考えることができる。
【0038】
ストリーミング通信装置5は、ネットワーク1側の様々な通信装置、たとえば、サーバ装置に接続されて通信を行なう。また、自らサーバ装置として、ストリーミングデータを配信することもできる。ストリーミング通信装置5は、たとえばPCやIP電話機などである。
【0039】
ルータ装置3は、ネットワーク1側の通信装置とストリーミング通信装置5との間で実行される複数のデータ通信の制御を行なう。
【0040】
ネットワーク1は、加入電話網などとは異なり、ユーザの利用できる通信速度を保証しないベスト・エフォートのネットワークである。このため、ネットワーク1に接続する機器は、回線容量に余裕がある場合はそれらを全て使い切るように動作する。Webアクセスやファイル転送にとっては伝送効率が良くなるが、ストリーミング通信のように一定の帯域を保持しなければならないアプリケーションにとっては、データ再生の乱れなど不都合が生じる原因になる。
【0041】
そこで、安定したストリーミング通信を行なうために、ルータ装置などによって適切な帯域制御を行なう必要がある。本実施の形態に係るストリーミング通信システムでは、ストリーミング通信装置からルータ装置に対し、ストリーミング通信に必要な帯域を通知する。ルータ装置は、その通知に応じた帯域を確保する制御を行なう。これにより、ストリーミング通信装置は安定したストリーミング通信が実行できる。
【0042】
図2は、ストリーミング通信装置5の機能的構成を示した機能ブロック図である。
図2を参照して、ストリーミング通信装置5の機能について説明する。
【0043】
ストリーミング通信装置5は、通信インタフェース部(以下、「通信I/F部」と呼ぶ)109と、帯域確保・開放要求送信部110と、必要帯域検索テーブル118と、パケット監視及びセッション情報処理部111と、音声映像処理部112と、表示部106とを備える。
【0044】
通信I/F部109は、パケットを送受信するためのインタフェースである。
パケット監視及びセッション情報処理部111は、通信I/F部109が受信したパケットを監視し、そのパケットがストリーミング通信の開始パケット(たとえば、IP音声通信やIPTV電話の着信等)であるかどうかを判定する。また、開始パケットによりセッション(通信)が確立した後は、定期的に回線状態を測定する。パケット監視及びセッション情報処理部111は、上記の判定もしくは測定結果に基づきストリーミング通信に必要な帯域を、必要帯域検索テーブル118を用いて算出し、帯域確保・開放要求送信部110に通知する。さらに、通信が終了したことを検出した場合は、確保した帯域を開放するように帯域確保・開放要求送信部110に通知する。
【0045】
なお、自装置からストリーミング通信を開始する場合、通信方式は予め分かっているので、帯域確保・開放要求送信部110に必要な帯域を直接通知する。ここで「通信方式」とは、たとえば、MP4V(MPEG4:Moving Picture Experts Group phase 4に対応)やPCMU(G.711μ-lawに対応)などの圧縮形式をいう。
【0046】
パケット監視及びセッション情報処理部111が開始パケットの判定、回線状態の測定を行なう詳しい処理については、後述する。
【0047】
必要帯域検索テーブル118は、データの圧縮形式と、その圧縮形式に対して必要な帯域とが関連付けられたテーブルである。たとえば、IP電話などでは、G.711に対しては64kbps、G.722に対しては64kbps、G.729に対しては8kbpsというように関連付けられている。テーブルの内容は、自装置が対応できている圧縮形式のみでもよい。パケット監視及びセッション情報処理部111は、受信した開始パケットに含まれるデータの圧縮形式から、必要帯域検索テーブル118に記載されている圧縮形式を検索し、必要帯域を算出する。
【0048】
帯域確保・開放要求送信部110は、パケット監視及びセッション情報処理部111から通知された必要帯域の確保を要求する、要求パケットを通信I/F部109を介してルータ装置3に送信する。また、パケット監視及びセッション情報処理部111から帯域の開放を通知された場合は、帯域の開放を要求する、要求パケットを通信I/F部109を介してルータ装置3に送信する。要求パケットを送信する方法としては、たとえば、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)により得られたルータ装置3のIPアドレスに対してパケットを送信する方法や、ネットワークアドレスに対してパケットを送信する方法がある。ここで送信するパケットは、ヘッダに通信相手を識別する情報(IPアドレス、ネットワークアドレスなど)を格納したIPパケットとする。
【0049】
音声映像処理部112は、受信したパケットのヘッダ情報などに基づいてパケットの順番を並べ替える等して、送信されたデータの再生処理を行なう。さらに、再生データを表示部106に与える。または、図示しない記憶装置に記憶された音声・映像データをストリーミング通信できるようにパケットに分割する。
【0050】
表示部106は、音声映像処理部112から与えられた再生データを表示する。たとえば、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイにより構成される。
【0051】
次に、パケット監視及びセッション情報処理部111が行なう処理について詳しく説明する。
【0052】
図3は、開始パケットの判定、回線状態の測定を説明するためのシーケンス図である。
図3を参照して、パケット監視及びセッション情報処理部111における、開始パケットの判定、回線状態の測定の一例について説明する。
【0053】
図1におけるストリーミング通信システム10では、通信に先立ってネットワーク1側の通信装置とストリーミング通信装置5との接続を確立するため、図3で示すような呼制御手順が必要となる。ここでは、呼制御のためのプロトコルとしてSIP(Session Initiation Protocol)プロトコルを利用する。
【0054】
図3の説明に先立って、SIPについて説明する。SIPは、セッションの開設・変更・終了の手順を示すプロトコルである。SIPには、「接続要求メッセージ(INVITE)」、「確認応答メッセージ(ACK)」、「終了要求メッセージ(BYE)」などからなるメソッドと呼ばれるメッセージと、メソッドに対して応答するレスポンス・メッセージとがある。たとえば、相手と通信を開始したいときは「接続要求メッセージ(INVITE)」を用いる。また、レスポンス・メッセージは、レスポンスコードが定義されており、「1xx」であれば暫定応答、「2xx」であれば成功応答などと、内容でコードが分かれている。
【0055】
SIPのメッセージの中身は、(1)スタート・ライン、(2)ヘッダ・フィールド、(3)空白行、(4)ボディ(以下、適宜「ペイロード」と呼ぶ)から構成される。
【0056】
(1)スタート・ラインには、メソッドの内容が示される。(2)ヘッダ・フィールドには、必要に応じて着信先や発信元を示す様々な情報(たとえば、SIP URI(Uniform Resource Identifier)など)が付け加えられる。(3)空白行は、ヘッダとボディとの区切りを示す。そして、(4)ボディには、自装置がサポートしている通信方式や、帯域使用時間、通信で使うポート番号などを示す通信情報がSDP(Session Description Protocol)で記述される。
【0057】
以下、通信装置としてIP電話機を例に挙げて図3の説明をする。
ネットワーク1側の通信装置(ここでは、発信側の通信装置(以下、「発信側」と呼ぶ)とする)とストリーミング通信装置5(ここでは、着信側の通信装置(以下、「着信側」と呼ぶ)とする)とは、SIPサーバを介してSIPメッセージをやりとりする。
【0058】
まず、発信側が、SIPサーバに対して接続要求メッセージ(INVITE)を送信する。
この接続要求メッセージ(INVITE)は、発信側および着信側を指定するIP電話番号、またはURIを含む。また、ボディ部分には通信でやりとりしたい音声や映像データの通信情報がSDPで書き込まれている。
【0059】
SIPサーバは、自身のデータベースから着信側のIPアドレスを調べて、この接続要求メッセージ(INVITE)を着信側へ送信する。また、発信側には、試行中メッセージ(100 Trying)が返送される。
【0060】
着信側は、接続要求メッセージ(INVITE)を受け取ると、直ちに呼び出し音の鳴動などにより、着信をユーザに通知する。この際、パケット監視及びセッション情報処理部111はストリーミング通信の開始を検出する。そして、ペイロードタイプに書き込まれた通信情報に基づき、必要帯域検索テーブル118を参照して必要帯域を算出する。さらに、パケット監視及びセッション情報処理部111は、帯域確保・開始要求送信部110に対し、上記で算出した必要帯域の確保を要求するパケットをルータ装置3に対して送信するよう指示する。
【0061】
また、着信側は呼び出し中メッセージ(180 Ringing)をSIPサーバに送信する。この呼び出し中メッセージ(180 Ringing)は、SIPサーバを介して発信側に伝送される。
【0062】
この呼び出し状態において、着信側のユーザが、オフフック操作を行なえば、成功応答メッセージ(200 OK)がSIPサーバを介して発信側へ伝送される。
【0063】
成功応答メッセージ(200 OK)を受信した発信側は、メッセージ中のオファーSDP情報から着信側のIPアドレスが特定できる。ここで、「オファーSDP情報」とは、レスポンス・メッセージ中のSDPで書かれた情報のことを示す。また、オファーSDP情報には、通信可能な転送レートがいくつか記載されている。これにより、着信側のIPアドレスに対して、ICMP(Internet Control Message Protocol)パケットを送信する(S10)。なお、ICMPとは、ネットワークに障害があり正常な通信が行なえない場合に、経路に位置するルータやホストが送信元ホストへその障害を知らせるためのプロトコルである。主に、TCP/IPで接続されたコンピュータやネットワーク機器間で、互いの状態を確認するために用いられる。
【0064】
発信側は、送信したICMPパケットに対するレスポンスの遅延時間から現在の帯域を計算する。さらに、オファーSDP情報の中から、その帯域で最も高速な転送レートを選択する。発信側は、ボディ部分に選択した転送レートを書き込んだ確認応答メッセージ(ACK)を、SIPサーバを介して着信側に送信する。これにより、セッションが確立される。この際、パケット監視及びセッション情報処理部111は、確認応答メッセージ(ACK)のボディ部分から転送レートを読み込む。この転送レートが接続要求メッセージ(INVITE)に基づいて算出した必要帯域と異なれば、再び帯域確保・開放要求送信部110に対し帯域の確保を要求するパケットをルータ装置3に送信するよう指示する。
【0065】
上述したように、着信側は接続要求メッセージ(INVITE)によって、通信の開始、通信相手のIPアドレスや、やりとりしたい音声や映像データについての圧縮形式などの情報が分かる。また、発信側は、相手側のIPアドレスに対してICMPパケットを送信し、レスポンスの遅延時間から帯域を算出し、その帯域で最も高速な転送レートを選択する。選択した転送レートは、確認応答メッセージ(ACK)のボディ部分に書き込まれる。着信側は、ボディ部分に書き込まれた転送レートに基づき、ルータ装置に帯域確保の要求パケットを送信する。
【0066】
セッション確立後、発信側、受信側の間において、互いに他方のIPアドレスを宛先とするデータパケットを送信することにより、ストリーミング通信が可能となる。通信中は、RTP(Real-time Transport Protocol)パケット、RTCP(RTP Control Protocol)パケット、RTSP(Real Time Streaming Protocol)パケットなどを利用する。なお、SIPメッセージによっては、上記のように圧縮形式を厳密に指定しないものもある。一般的に、RTPパケットなどのペイロードには通信方式が記載されているため、このような場合は、これらのパケットのペイロードタイプから圧縮形式を判定するようにしてもよい。
【0067】
また、通信している間、発信側は予め設定しておいた時間ごとに、着信側のIPアドレスに対しICMPパケットを送信する(S12)。そして、回線状態に応じて転送レートを変更する。また、転送レートは、オファーSDP情報の中から選択し、選択した転送レートを記載した接続要求メッセージ(INVITE)または更新メッセージ(UPDATE)を着信側に送信する(S14)。これによって、パケット監視及びセッション情報処理部111は帯域確保・開放要求送信部110に対し、通信速度の変更を要求するパケットをルータ装置3に送信するよう指示する。
【0068】
さらに、セッションを終了する際には、発信側は、終了要求メッセージ(BYE)を送信する。SIPサーバを介して終了要求メッセージ(BYE)を受け取った着信側は、成功応答メッセージ(200 OK)を返送し、セッションが終了する。着信側は、通信の終了を検出したため、ルータ装置に対し帯域の開放を要求するパケットを送信する。
【0069】
以上のように、パケット監視及びセッション情報処理部111は、接続要求メッセージ(INVITE)とオファーSDP情報とから通信の開始と通信の種類を判定できる。なお、上記では、ストリーミング通信装置5を着信側として説明したが、発信側であっても同様の手順により帯域制御を行なうことができる。
【0070】
図4は、ルータ装置3の機能的構成を示した機能ブロック図である。
図4を参照して、ルータ装置3の機能について説明する。
【0071】
ルータ装置3は、LAN側通信I/F部113と、帯域確保表示部114と、帯域割り当て制御処理部115と、帯域割り当てテーブル116と、WAN側通信I/F部117とを備える。
【0072】
LAN側通信I/F部113は、LAN側に設置されたストリーミング通信装置5などとパケットを送受信するためのインタフェースである。
【0073】
WAN側通信I/F部117は、ネットワーク1に接続されている。ネットワーク1に接続されているサーバ装置などとデータを送受信するためのインタフェースである。
【0074】
帯域割り当て制御処理部115は、LAN側I/F部113を介して、ストリーミング通信装置5からの帯域確保の要求パケットを受け取ると、帯域割り当てテーブル116に要求パケットを送信してきたストリーミング通信装置5のIPアドレスと要求してきた帯域とを対応付けて登録する。そして、そのIPアドレスに対して、帯域確保処理を行なう。帯域確保の方法としては、たとえば、一例として、パケットのMAC(Media Access Control)アドレスを見て、そのMACアドレスのストリーミング通信装置からのパケットのルーティング優先順位を上げる方法がある。これにより、他のストリーミング通信装置間で大量のデータをやりとりしたとしても、優先順位を上げたストリーミング通信装置の通信が優先され、帯域が確保される。また、他の一例としては、帯域優先を指定したアドレス以外のパケットの帯域を制限する方法がある。この方法では、たとえば、10Mbps以上の速度ではデータを転送しないようにルータ装置側でバッファリングする。これにより、たとえば、100Base−TXのイーサネット(登録商標)では残り90Mbpsを自由に使うことができることになる。ルータ装置は、たとえばこれらの方法により、要求パケットに応じて帯域を確保する。
【0075】
なお、帯域割り当て制御処理部115は、帯域確保の要求パケットを送信してきた装置の通信を優先する。通知してこなかった装置には、要求パケットに応じて帯域確保した後の、残りの帯域を割り当てるようにする。または、優先度を低く設定してもよい。帯域割り当て制御処理部115は、要求パケットに応じた帯域制御を行なっていない場合は、受信したパケットのあて先IPアドレスに応じて中継経路の設定を実行するような通常ルーティングを行なう。
【0076】
また、帯域割り当て制御処理部115は、帯域開放の要求パケットを受け取ると、帯域割り当てテーブル116から帯域開放の要求パケットを送信してきたストリーミング通信装置5のIPアドレスを削除する。
【0077】
帯域割り当てテーブル116は、上述したように、帯域割り当て制御処理部115によって帯域が割り当てられているIPアドレスと要求してきた帯域とが対応付けられたテーブルである。
【0078】
帯域確保表示部114は、帯域確保処理を行なっているかを表示する。たとえば、帯域割り当て制御処理部115が要求パケットに応じた帯域割り当て制御を行なっている場合にはLED(Light Emitting Diode)を点灯させる。要求パケットに応じた帯域割り当て制御を行なっていない場合はLEDを点灯させない。
【0079】
または、ルータ装置3の設定インタフェース(たとえば、Web上でルータのIPアドレスにアクセスして、ルータ装置の設定が確認できるHomePageなど)に、どのIPアドレスに対して、どの速度で帯域確保を行なっているかを表示したり、どの物理ポートの速度制限を行なっているかを表示したりする方法がある。
【0080】
次に、ストリーミング通信装置5およびルータ装置3において上記動作を可能にするための処理について説明する。
【0081】
図5は、ストリーミング通信装置5が行なう処理を示したフローチャートである。
図5を参照して、ストリーミング通信装置5が行なう処理について説明する。
【0082】
まず、ステップS201において、パケット監視及びセッション情報処理部111は、通信I/F部109における自アドレス宛てのパケットの受信を確認する。
【0083】
次いで、ステップS203において、パケット監視及びセッション情報処理部111は、受信したパケットが、ストリーミング通信の開始パケットであるかどうかを判定する。この際、図3で説明したように接続要求メッセージ(INVITE)によってストリーミング通信の開始を判定する。もしくは、ユーザから(図2において図示しない)操作部を介してストリーミング通信開始の入力があるかどうかを判定する。
【0084】
ストリーミング通信の開始ではないと判断すれば(ステップS203において、NO)、ステップS201の処理に戻る。
【0085】
一方、ストリーミング通信の開始であると判断すれば(ステップS203において、YES)、帯域確保・開放要求送信部110は、必要帯域の確保を要求するパケットをルータ装置3に対して送信する(ステップS205)。必要帯域は、図3で説明したように、パケット監視及びセッション情報処理部111によって、パケット内のペイロードに書き込まれた通信情報と必要帯域検索テーブル118とに基づき算出される。なお、自装置からストリーミング通信を開始する場合、通信情報は予め分かっているので、パケット監視及びセッション情報処理部111は、帯域確保・開放要求送信部110に必要な帯域を直接通知する。
【0086】
続いて、ステップS207において、音声映像処理部112は、音声、映像等の通信を行なう。この際、音声映像処理部112は、受信したパケットを音声・映像データに再生し、表示装置106に与える。または、自装置からストリーミング通信を開始する場合は、(図2において図示しない)記憶装置に記憶された音声・映像データをパケットに分割し通信相手に送信する。
【0087】
そして、ステップS209において、パケット監視及びセッション情報処理部111は、ストリーミング通信が終了したかどうかを判定する。この際、図3で説明したように通信終了メッセージ(BYE)によってストリーミング通信の終了を判定する。もしくは、音声映像処理部112が音声・映像データをパケットに分割する処理が終了しているかを判定する。
【0088】
ストリーミング通信が終了していないと判断すれば(ステップS209において、NO)、ステップS207の処理を行なう。
【0089】
一方、ストリーミング通信が終了したと判断すれば(ステップS209において、YES)、帯域確保・開放要求送信部110は、確保した帯域の開放を要求するパケットをルータ装置3に対して送信する(ステップS211)。
【0090】
最後に、ステップS213において、ストリーミング通信装置5の(図2において図示しない)制御部は終了条件を満たしているか判定する。ここでは、ユーザからの終了命令がない限り、処理を繰り返し続けるようにしてもよい。または、上述の処理が設定された回数に達すれば終了するようにしてもよいし、処理が開始してから一定時間経過していれば終了するようにしてもよい。終了条件を満たさないと判断すれば(ステップS213において、NO)、ステップS203の処理を行なう。一方、終了条件を満たすと判断すれば(ステップS213において、YES)、処理を終了する。
【0091】
以上のような処理により、ストリーミング通信装置5は、ストリーミング通信に必要な帯域の確保を要求するパケットおよび確保した帯域の開放を要求するパケットをルータ装置3に対して送信する。これにより、安定したストリーミング通信を行なうことができる。
【0092】
図6は、ルータ装置3が行なう処理を示したフローチャートである。
図6を参照して、ルータ装置3が行なう処理について説明する。なお、ルータ装置3は、起動後は受信したパケットのあて先IPアドレスに応じて中継経路の設定を実行するような通常のルーティング処理を行なっている。以下で示すルータ装置3の処理は、通常のルーティング処理とは独立して行なわれるが、要求パケットを受信した場合は、図6で示す処理が通常ルーティング処理よりも優先して実行される。
【0093】
まず、ステップS301において、帯域割り当て制御処理部115は、LAN側通信I/F部113において要求パケットの受信を確認する。
【0094】
次いで、ステップS303において、帯域割り当て制御処理部115は、ステップS301での要求パケットを受信したかどうかを判定する。たとえば、パケットのMACアドレスとIPアドレスが共にルータ装置3となっているIPパケットを要求パケットと判定する。要求パケットを受信していないと判断すれば(ステップS303において、NO)、ステップS301の処理に進む。
【0095】
一方、帯域確保の要求パケットを受信したと判断すれば(ステップS303において、確保)、ステップS305において、帯域割り当て制御部115は、パケットのペイロードに書き込まれた情報を読み込み、ストリーミング通信に必要な帯域を認識する。そして、帯域割り当てテーブル116に、要求パケットを送信したストリーミング通信装置のIPアドレスと割り当てる帯域とを対応付けて登録する。
【0096】
続いて、ステップS307において、帯域割り当て制御処理部115は、帯域確保処理を行なう。帯域確保の方法としては、特定のアドレスに対して様々なQoSアルゴリズムを用いる方法や、特定のアドレス以外の帯域を制限する方法などがある。
【0097】
そして、ステップS309において、帯域確保表示部114は、帯域確保処理を行なっているかを表示する。たとえば、帯域割り当て制御処理部115が要求パケットに応じた帯域割り当て制御を行なっている場合にはLEDを点灯させる。
【0098】
または、ルータ装置の設定インタフェース(たとえば、Web上でルータのIPアドレスにアクセスして、ルータ装置の設定が確認できるHomePageなど)に、どのIPアドレスに対して、どの速度で帯域確保を行なっているかを表示したり、どの物理ポートの速度制限を行なっているかを表示する。
【0099】
一方、帯域開放の要求パケットを受信したと判断すれば(ステップS303において、開放)、ステップS311において、帯域割り当て制御処理部115は、帯域開放の要求パケットを送信したストリーミング通信装置のIPアドレスに対し、帯域開放処理を行ない、帯域割り当てテーブル116からその帯域開放処理を行なったIPアドレスと割り当てられた帯域の登録を削除する。さらに、帯域確保表示部114は、帯域開放の要求パケットを送信したストリーミング通信装置のIPアドレスとその確保していた帯域についての帯域確保表示を変更する。たとえば、帯域割り当て制御処理部115が要求パケットに応じた帯域割り当て制御を行なっていない場合はLEDを点灯させない。
【0100】
さらに、ステップS313において、ルータ装置3の(図4において図示しない)制御部は終了条件を満たしているか判定する。ここでは、ユーザからの終了命令がない限り、処理を繰り返し続けるようにしてもよい。または、上述の処理が設定された回数に達すれば終了するようにしてもよいし、処理が開始してから一定時間経過していれば終了するようにしてもよい。終了条件を満たさないと判断すれば(ステップS313において、NO)、帯域割り当て制御処理部115は、ステップS301の処理に戻る。一方、終了条件を満たすと判断すれば(ステップS313において、YES)、処理を終了する。
【0101】
以上のような処理により、ルータ装置3は、ストリーミング通信装置5が送信した要求パケットに応じて帯域制御を行なう。これにより、安定したストリーミング通信を行なうことができる。
【0102】
本実施の形態に係るストリーミング通信システムによれば、ストリーミング通信装置は、ルータ装置に対してストリーミング通信に必要となる帯域の確保を要求するパケットを送信する。ルータ装置は、要求パケットに従って、必要な帯域を確保する。これにより、安定したストリーミング通信を行なうことができる。また、ルータ装置が必要帯域を判別できないプロトコルや圧縮形式でストリーミング通信装置が通信を行なう場合であっても、ストリーミング通信装置がルータ装置に対して必要な帯域を通知するため、ルータ装置が確保した帯域によって安定したストリーミング通信を行なうことができる。
【0103】
また、本実施の形態に係るストリーミング通信システムによれば、ストリーミング通信装置が必要な帯域や帯域の使用時間などをルータ装置に通知するので、ルータ装置におけるルーティング処理の負担が軽減できる。これにより、システムのコストを増やさずに効率的な帯域制御ができる。
【0104】
また、本実施の形態に係るストリーミング通信システムによれば、ストリーミング通信装置が送信した要求パケットに従ってルータ装置がポートに対して帯域制御を行なう。これにより、余分な制限を他のポートに対して与えないようにできる。
【0105】
また、本実施の形態に係るストリーミング通信システムによれば、要求パケットとしてIPパケットを用いる。これにより、新たな信号線などを追加する必要がないため、既存の装置を用いることができる。
【0106】
また、本実施の形態に係るストリーミング通信システムによれば、要求パケットを送信してきた複数のストリーミング通信装置のIPアドレスに対して帯域制御を行なう。これにより、従来では、1つのポートでストリーミング通信が行なわれる場合は、この通信のみを優先させることしかできなかったが、要求パケットを送信した各ストリーミング通信装置のIPアドレスに対して帯域制御を行なうことができる。したがって、同時期に発生したストリーミング通信に対して、必要な速度をそれぞれ正確に確保し、残りのポートの通信も必要以上に削ることなく通信を継続させることができる。
【0107】
また、本実施の形態に係るストリーミング通信システムによれば、ルータ装置がストリーミング通信装置からの要求パケットに従って帯域制御を行なう。これにより、ユーザによる設定がされなくても、ストリーミング通信の品質が確保されるように帯域制御を行なうことができるため、ユーザの負担が軽減される。
【0108】
また、本実施の形態に係るストリーミング通信システムでは、ストリーミング通信の手順は既存の手続きを用いる。これにより、本システムのような構成をとらないストリーミング通信装置との通信であっても、既存の通信は行なうことができる。
【0109】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本実施の形態に係るストリーミング通信システム10が適用されるネットワークの構成を例示した図である。
【図2】ストリーミング通信装置5の機能的構成を示した機能ブロック図である。
【図3】開始パケットの判定、回線状態の測定を説明するためのシーケンス図である。
【図4】ルータ装置3の機能的構成を示した機能ブロック図である。
【図5】ストリーミング通信装置5が行なう処理を示したフローチャートである。
【図6】ルータ装置3が行なう処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0111】
1 ネットワーク、3 ルータ装置、5 ストリーミング通信装置、7 LAN、10 ストリーミング通信システム、106 表示部、109 通信I/F部、110 帯域確保・開放要求送信部、111 パケット監視及びセッション情報処理部、112 音声映像処理部、113 LAN側通信I/F部、114 帯域確保表示部、115 帯域割り当て制御処理部、116 帯域割り当てテーブル、117 WAN側通信I/F部、118 必要帯域検索テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリーミング通信をする複数のストリーミング通信装置と、ネットワークに接続される機器間においてデータパケットの中継を制御するための通信中継装置とを備えるストリーミング通信システムであって、
各前記ストリーミング通信装置は、
前記データパケットを送受信するための通信手段と、
前記通信中継装置に対し、前記ストリーミング通信のための帯域制御を指示する要求パケットを送信するための要求パケット送信手段とを含み、
前記通信中継装置は、
前記要求パケットを受信するための要求パケット受信手段と、
前記要求パケットに応じた前記データパケットの前記帯域制御を行なうための帯域制御手段とを含む、ストリーミング通信システム。
【請求項2】
前記要求パケットは、前記ストリーミング通信のための帯域を前記ネットワークにおいて確保するような指示を含む確保要求パケットである、請求項1記載のストリーミング通信システム。
【請求項3】
前記要求パケットは、前記ストリーミング通信のために確保された前記帯域を開放するような指示を含む開放要求パケットである、請求項2記載のストリーミング通信システム。
【請求項4】
前記帯域制御手段は、前記要求パケット受信手段が前記確保要求パケットを受信したことに応じて、前記確保要求パケットを送信した前記ストリーミング通信装置のアドレスに対して帯域を確保する制御を行なう、請求項2記載のストリーミング通信システム。
【請求項5】
前記帯域制御手段は、前記要求パケット受信手段が前記開放要求パケットを受信したことに応じて、前記開放要求パケットを送信した前記ストリーミング通信装置のアドレスに対して確保した帯域を開放する制御を行なう、請求項3または4に記載のストリーミング通信システム。
【請求項6】
前記通信中継装置は、複数の前記ストリーミング通信装置からの前記確保要求パケットについて、各前記確保要求パケットを送信した前記ストリーミング通信装置のアドレスと、各前記確保要求パケットに含まれる、前記ストリーミング通信に必要な帯域とを関連付けて記憶するための記憶手段をさらに含む、請求項4記載のストリーミング通信システム。
【請求項7】
前記帯域制御手段は、複数の前記ストリーミング通信装置のアドレスに対して帯域を確保する制御を行なっている場合に、前記要求パケット受信手段が前記複数のストリーミング通信装置のうちの所定のストリーミング通信装置から前記開放要求パケットを受信したことに応じて、前記所定のストリーミング通信装置のアドレスに対して確保した帯域を開放する制御を行なう、請求項5記載のストリーミング通信システム。
【請求項8】
前記通信中継装置は、前記帯域制御手段が前記要求パケット受信手段の受信した前記確保要求パケットに応じた制御を行なう物理ポートを表示するための物理ポート表示手段をさらに含む、請求項7記載のストリーミング通信システム。
【請求項9】
前記ストリーミング通信装置は、
ストリーミング通信で用いるデータを記憶するためのデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に記憶されたデータの圧縮形式で前記ストリーミング通信するために必要な帯域幅を判定するためのデータ判定手段をさらに含み、
前記要求パケット送信手段は、前記データ判定手段の判定結果に基づいて前記確保要求パケットを送信する、請求項2記載のストリーミング通信システム。
【請求項10】
前記データ判定手段は、前記通信手段が前記データパケットを受信したことに応じて、前記データパケットの圧縮形式で前記ストリーミング通信するために必要な帯域幅を判定する、請求項9記載のストリーミング通信システム。
【請求項11】
前記要求パケット送信手段は、前記確保要求パケットとしてIPパケットを用いる、請求項2記載のストリーミング通信システム。
【請求項12】
前記要求パケット送信手段は、前記開放要求パケットとしてIPパケットを用いる、請求項3記載のストリーミング通信システム。
【請求項13】
前記帯域制御手段は、複数の前記ストリーミング通信装置に対して帯域制御を行なっている場合に、前記複数のストリーミング通信装置のうちの前記確保要求パケットを送信した前記ストリーミング通信装置のアドレスに対しては前記確保要求パケットに基づいた帯域の制御を行ない、残りの前記ストリーミング通信装置のアドレスに対しては、残りの帯域を均等に割り当てるよう制御を行なう、請求項4記載のストリーミング通信システム。
【請求項14】
前記データ判定手段は、前記データパケットの圧縮形式と、前記圧縮形式に必要な帯域幅とが関連付けられたテーブルを有し、
前記データ判定手段は、前記テーブルに基づいて前記必要な帯域を判定する、請求項10記載のストリーミング通信システム。
【請求項15】
前記通信中継装置は、前記帯域制御手段が前記要求パケット受信手段の受信した前記確保要求パケットに応じた制御を行なっていることをユーザに通知するための通知手段をさらに含む、請求項4記載のストリーミング通信システム。
【請求項16】
前記通信中継装置は、前記帯域制御手段が帯域を確保する制御を行なっている前記ストリーミング通信装置のアドレスと確保している帯域幅とを関連付けて表示するための確保帯域表示手段をさらに含む、請求項4記載のストリーミング通信システム。
【請求項17】
前記データ判定手段は、前記ストリーミング通信で用いる前記データパケットのペイロードタイプに基づいてデータパケットの圧縮形式を判定する、請求項10記載のストリーミング通信システム。
【請求項18】
前記ストリーミング通信は、SIPプロトコルを用いた通信であり、
前記データ判定手段は、メソッドと、前記メソッドに対するレスポンスメッセージのオファーSDP情報に基づいて、ストリーミング通信の開始および前記データパケットの圧縮形式を判定する、請求項9記載のストリーミング通信システム。
【請求項19】
各前記ストリーミング装置と前記ルータ装置とは構内情報通信網によって接続される、請求項3記載のストリーミング通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−131233(P2008−131233A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312722(P2006−312722)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】