説明

ストローの側部に形成する突状部の加工方法及びその加工用装置

【課題】本発明は飲料用ストローを確実に供給し、その側部に突状部を形成する際に、組立てられたストロー本体が合成樹脂製の薄いフィルムで密封されたままで加工が行える突状部の加工方法及びその加工用装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ストロー本体1の外周と略同一な曲率とする円弧状溝21を、外周壁に所定間隔で多数本設けたドラム状の回転金型2と、前記円弧状溝21と同じ円弧状溝31を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型3とを用い、合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されたストロー本体1を、回転金型2の円弧状溝21に供給した後、可動金型3を上昇させて、その可動金型3の円弧状溝31をストロー本体1に押付け、回転金型2の表面と可動金型3の上面との間にストロー本体1の側部をはみ出させて突状部11が密封状態で形成されるストローの突状部の加工方法と成す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料用ストローの側部に突状部を形成する際に、ストロー本体が合成樹脂製の薄いフィルムで密封されたままで行える突状部の加工方法及びその加工用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料入り紙パックの外側と一体的に付着されているストローを用いて、紙パック内部の飲料を吸引すると、紙パック内部は減圧し、飲料の吸引が次第に難しくなるため、ストローからしばらく口を離して再び吸引することを繰り返さなければならないという使用上の不便があった。このため近年に於いては、ストローの側部で長手方向に溝や突状部を設け、飲料の吸引がスムーズに行えるように工夫したものが多種類提案されている。尚、この長手方向に溝や突状部を設ける場合は、特に突状部をストローの上部まで付けると、吸い口として突状部が気になって不快感となるため、一般には突状部がストローの中間部のみに付けられている。また前記溝よりも前記突状部を作った方が空気の出入りが良好になる。
【0003】
前記突状部を形成する方法としては、一般にチューブを加熱し、突状部用の刃をチューブの内側或いは外側から当てて突状部を作っていた。又、伸縮自在な2段式ストローに於いて、該ストローの外管の側部で且つ長手方向に突状部を形成する紙パック用ストローの製造装置及びこれを用いた多段式ストローの製造方法としては、例えば、特開2003−135242がある。
【0004】
この突状部(凸条)を形成する加工方法は、管成形装置から供給され、ホッパーに収納された外管が、供給ロールによって回転ドラムの外周壁にその軸方向に沿って形成された管挿填溝内の外管挿填エリアに一本ずつ挿填される。回転ドラムが回転するにつれて、カムフロアによって押出された雄型ロッドが、管挿填溝から露出した外管の表面に対応した位置に凸条が位置するように外管内に挿入される。次いで管挿填溝内に挿填された外管は、回転ドラムに接する加熱ロールによって加熱される。外管を加熱した後、外管内にある雄型ロッドの凸条と、雄型ロッドの凸条に対応する、雌型ロール上に設けられた雌型の溝とを、加熱された外管を挟んで嵌合させることによって、外管には、その長手方向に沿った1本の凸条が形成される。凸条が形成された外管は、回転ドラムの下部に到達した時に、外管内に挿入されていた雄型ロッドがカムフロアによって外管から抜かれることによって、回転ドラムの下方のベルトコンベア上に落下し、ベルトコンベアによって、次の組立装置へと搬送され、ここで、管成形装置から供給された内管と、外管加工装置で凸条が形成された外管とが組立てられ、2段式ストローが完成する。
【0005】
この突状部(凸条)を形成する多段式ストローの製造装置としては、所定の長さの管状の内管及び外管を成型する管成型装置と、外管に凸条を形成する外管加工装置と、内管と外管を組合せる組立装置を有して概略構成されたものである。また外管加工装置は、フレームと、フレーム上部に設け、管成型装置から供給された多数の外管が収納されたホッパーと、フレーム内に設けられ、ホッパーの供給ロールから供給された外管が挿填される複数の管挿填溝が外周壁に且つ軸方向に沿って等間隔に形成された回転ドラムと、管挿填溝内の外管を加熱する加熱ローラと、回転ドラムの基端部を覆うようにフレームに固定して設けられたカムフロアと、該カムフロアによる往復運動によって管挿填溝内の外管内に挿入及び外管内から引抜き可能とされた雄型ロッドと、雄型ロッドに対応する雌型が外周壁上に複数箇所設けられた雌型ロールと、内管と外管とを組合せて2段式ストローを完成させる組立装置と、回転ドラムから落下した外管を搬送するベルトコンベアと、コントロールボックスとを具備して概略構成されたものである。
【0006】
しかしながら特開2003−135242に於いて、凸条(突状部)を形成する場合、外管(ストロー)に雄型ロッドを挿入及び引抜きを行わなければならず手間が掛ると共に、回転ドラムに接する加熱ロールによって回転ドラムが加熱されて外管を加熱した後、雄型ロッドの凸条と雌型の溝とによって挟んで嵌合させることにより、ストローの外管を熱塑性変形させて長手方向に1本の凸条が形成するものとなるため、加熱による凸条の加工用装置の部材がサビ易くなると共に雄型ロッドの凸条が細いため、消耗し易く、雄型ロッドの交換を頻繁に行わなければならず、作業性が悪かった。しかも、前記加工用装置のメンテナンスが必要で且つ雌型の溝にゴミや塵が焼き付くと、それらがストローに付着し易く、衛生上、好ましくないため、常時清掃する必要があり、手間が掛っていた。又、この加工用装置は数百万円が必要となり、設備投資費が嵩むものとなっていた。尚、2段式ストローは内管が出ないように、その両端部がつぼめられている。従って、前記加工用装置では、始めからつぼめられると、雄型ロッドが外管に挿入できなくなるため、必ず後から組立工程が必要となっているのが現状である。又、前記凸条を1mm以上突出させて形成することは、従来の加工用装置では困難であった。
【0007】
このため、ストロー本体にその側部で長手方向に突状部を形成する際、加熱が不要であり、工程を減少させてコストダウンが可能となるストローの側部に形成する突状部の加工方法と、構造が簡単で且つ小型化できると共に安価に提供することが可能となるストローの突状部の加工用装置を、本発明者が特開2006−303598に於いて提案したところである。これはストロー本体の外周と略同一な曲率とする円弧状溝を設けた上型と下型とを用い、該下型の円弧状溝にストロー本体を供給した後、上型を降下させて、その上型の円弧状溝をストロー本体に押付け、下型の上面と上型の下面との間にストロー本体の側部をはみ出させて突状部が形成されるストローの突状部の加工方法であり、ストロー本体の突状部を、下型の上面と上型の下面とによってストロー本体の側部のはみ出した部分が密着されるまで押付けて断面三角形状に形成するものである。またストローの側部に形成する突状部の加工用装置として、ストロー本体の外周と略同一な曲率とする円弧状溝を設けると共に上下移動する上型と、ストロー本体の外周と略同一な曲率とする円弧状溝を設けた下型とから少なくとも構成し、且つ、ストロー本体の外周が回転金型の円弧状溝と下型の円弧状溝に密着した際、下型の上面と上型の下面との間に隙間が生じる構造である。
【0008】
しかしながら、特開2006−303598は、上型の円弧状溝と下型の円弧状溝の深さが、ストロー本体の半径よりも浅いため、特にこの公開公報に於ける図4又は図5に示すような連続加工可能な構造にして、ストローを回転ドラム状で且つその外周壁に円弧状溝が多数本形成された金型に供給すると、落下し易く、且つストローが円弧状溝から外れ易くなり、ストローの送りが不安定で、スムーズな加工が行えなくなる恐れがあった。
【0009】
尚、加工して突状部が形成されたストローを包装する場合に、突状部が引掛かり易く、スムーズな包装が行いにくいため、従来に於いては、外周が丸いままで包装し、突状部を形成しないストローが多かった。
【特許文献1】特開2003−135242号公報
【特許文献2】特開2006−303598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は飲料用ストローを確実に送り、その側部に突状部を形成する際に、組立てられたストロー本体が合成樹脂製の薄いフィルムで密封されたままで加工が行える突状部の加工方法及びその加工用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は特開2006−303598によって連続加工する際、特にストロー本体の送りを確実に行うために成されたものであり、つまり、ストロー本体の外周と略同一な曲率とする円弧状溝を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝の深さがストロー本体の半径よりも浅いドラム状の回転金型と、前記円弧状溝と同じ円弧状溝を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型とを用い、合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されたストロー本体を、回転金型の円弧状溝に供給した後、可動金型を上昇させて、その可動金型の円弧状溝をストロー本体に押付け、回転金型の表面と可動金型の上面との間にストロー本体の側部をはみ出させて突状部が密封状態で形成されるストローの突状部の加工方法と成す。またストロー本体の突状部を形成する際、可動金型の代わりに回転金型を用いた加工方法と成しても良い。
【0012】
又、ストローの側部に形成する突状部の加工用装置として、連続加工する特開2006−303598の回転金型の両面に、円弧状溝を有した鍔を設けると共に、該両鍔の下半円部に案内板を配置したものであり、つまり、ストロー本体の外周と略同一な曲率とする円弧状溝、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝の深さがストロー本体の半径よりも浅いドラム状の回転金型と、前記円弧状溝と同じ円弧状溝を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型と、前記回転金型の円弧状溝と同じ位置で且つ略同じ幅の溝部を外周に多数設けると共に前記回転金型の両面に設けた鍔と、該両鍔の下半円部に沿って配置する案内板とから少なくとも構成し、且つ、前記回転金型と可動金型とによってストロー本体が押圧される際に円弧状溝同志を対向させる構造とする。また前記可動金型の代わりに回転金型を用い、2つの回転金型が備えられた加工用装置と成しても良い。
【発明の効果】
【0013】
請求項1のように ストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21)の深さがストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2)と、前記円弧状溝(21)と同じ円弧状溝(31)を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型(3)とを用い、合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されたストロー本体(1)を、前記円弧状溝(21)と円弧状溝(31)で挟むと共に、ストロー本体(1)の側部をはみ出させて突状部(11)が、密封状態で2本形成されることにより、特開2006−303598と同様の効果が得られると共にストロー本体(1)の加工が連続し、且つ、合成樹脂製の薄いフィルムで密封されたままで加工が行えるものとなる。このため、ストロー全体が汚れないものとなると共に加工後の包装作業が不要となる。しかも加工効率が著しく向上するものとなるのである。更にストロー本体(1)を予め組立て、包装した状態で在庫することが可能となるため、ストローの生産性向上に貢献できるものとなる。
【0014】
請求項2のようにストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21),(41)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21),(41)の深さがストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2),(4)を用い、合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されたストロー本体(1)を、前記円弧状溝(21)と円弧状溝(41)で挟むと共に、ストロー本体(1)の側部をはみ出させて突状部(11)が、密封状態で1本形成されることにより、請求項1と同様の効果が得られる。
【0015】
請求項3に示すようにストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21)の深さがストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2)と、前記円弧状溝(21)と同じ円弧状溝(31)を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型(3)と、前記円弧状溝(21)と同じ位置で且つ略同じ幅の溝部(51)を外周に多数設けると共に回転金型(2)の両面に設けた鍔(5)と、該両鍔(5)の下半円部に沿って配置する案内板(6)とから少なくとも構成し、且つ、前記円弧状溝(21),(41)を、回転金型(2),(4)によってストロー本体(1)が押圧される際に対向させる構造とすることにより、特開2006−303598と同様の効果が得られると共にストロー本体(1)の送りが確実で且つ連続し、更に合成樹脂製の薄いフィルムで密封されたままであっても効率良く加工が行えるものとなる。
【0016】
請求項4に示すようにストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21),(41)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21),(41)の深さがストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2),(4)と、前記円弧状溝(21)と同じ位置で且つ略同じ幅の溝部(51)を外周に多数設けると共に回転金型(2)の両面に設けた鍔(5)と、該両鍔(5)の下半円部に沿って配置する案内板(6)とから少なくとも構成し、且つ、回転金型(2),(4)によってストロー本体(1)が押圧される際、円弧状溝(21),(41)を対向させる構造とすることにより、請求項3と同様な効果が得られるものとなると共に請求項3以上に加工効率が向上するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1、図4は本発明の加工用装置の実施形態の要部を示す図であり、この図に基づいて説明する。(1)は供給される外径が4〜12mmのストロー本体であり、該ストロー本体(1)は合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されている(図3参照)。またストロー本体(1)の側部で長手方向に突状部(11)が加工形成される際に、フィルムが引張られずに余裕を持たせた状態で包装されている。又、前記薄いフィルムとしては、可撓性或いは弾性を有したものを用いるのが好ましい。尚、図3に示すストローは2段式ストローである。(2)は包装した多数本のストロー本体(1)が挿入される円弧状溝(21)を、外周壁に所定間隔で多数本設けたドラム状の回転金型であり、該回転金型(2)の円弧状溝(21)はストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とすると共にその深さとしては、ストロー本体(1)の半径よりも浅くし、好ましくはストロー本体(1)の半径に対して、0.7〜0.8倍にするのが良い。尚、この回転金型(2)は特開2006−303598の図4や図5に示すドラム状の下型と同じものを用いれば良い。
【0018】
(3)は円弧状溝(21)と同じ円弧状溝(31)を対向するように設けた直線移動可能なブロック状の可動金型であり、該可動金型(3)の上面中央には円弧状溝(31)が設けられている。また前記可動金型(3)としては、特開2006−303598の図4に示すブロック状の金型と同じものを用いれば良い。(5)は円弧状溝(21)と同じ位置で且つ略同じ幅の溝部(51)を外周に多数設けると共に前記回転金型(2)の両面に設けた鍔であり(図5参照)、該鍔(5)は回転金型(2)の両面に固定させるが、一体に形成したものとしても良い。また前記溝部(51)の深さは円弧状溝(21)よりも若干深くしておくと良い。(6)は各鍔(5)の下半円部に沿って配置する案内板であり(図5参照)、該案内板(6)は包装されたストロー本体(1)がスムーズに送られて加工されるための役目を果す。(7)は回転金型(2)の中心に取付けた駆動軸であり、該駆動軸(7)は図示しないインデックス装置などにより、ステップ送りされる。(8)は可動金型(3)を上下動させてプレス加工するための上下移動手段であり、該上下移動手段(8)としては、特開2006−303598で用いるものと同じもので良く、例えば、カム機構又はエアーシリンダーや油圧シリンダーなどを使用した機構のものとするのが良い。又、前記上下移動手段(8)は回転金型(2)のステップ送りと同期させている。
【0019】
図6は本発明の別の加工用装置の実施形態の要部を示す図であり、これは、図4の加工用装置に比べ、前記可動金型(3)と上下移動手段(8)の代わりに、回転金型(2)と同様にストロー本体(1)が挿入される円弧状溝(41)を、外周壁に所定間隔で多数本設けたドラム状の回転金型(4)を用い、該回転金型(4)の中心には回転軸(9)が取付けられている。この2つの回転金型(2),(4)によって突状部(11)が加工形成されると、突状部(11)は1本作られる。また前記回転軸(9)は前記駆動軸(7)と同期して回転する。尚、上記以外の部品は図4のものと同じである。
【0020】
次に本発明の加工方法を図1に基づいて説明する。先ず始めに図3のように包装された多数本のストロー本体(1)が、回転金型(2)の円弧状溝(21)によって送られる[図1(a)参照]。そして回転金型(2)が図中の矢印方向へ回転すると、ストロー本体(1)は1本ずつ円弧状溝(21)によって下方へ送られる。この時、ストロー本体(1)の送りについて詳細に説明すれば、図5に示すように回転金型(2)の両面に設けた鍔(5)の溝部(51)が、ストロー本体(1)を囲うようにして案内板(6)に沿って移動するため、ストロー本体(1)が円弧状溝(21)からずれたり外れたりする恐れがなく確実に送られて行くのである[図1(b)参照]。円弧状溝(21)が真下に来るタイミングに合せて、可動金型(3)が上下移動手段(8)によって上昇し[図1(c)参照]、ストロー本体(1)が円弧状溝(21)と円弧状溝(31)によって押圧されると、ストロー本体(1)の側部がはみ出ると共にそのはみ出た部分は、回転金型(2)の表面と可動金型(3)の上面によって密着される。その結果、ストロー本体(1)の両側面には断面形状が三角形の突状部(11)が形成されるのである[図1(d)参照]。この突状部(11)の加工方法は特開2006−303598と略同じである。一方、合成樹脂製のフィルムに包装されているストロー本体(1)がそのままで加工出来る理由について説明する。特にストロー本体(1)の側部からはみ出された部分が回転金型(2)の表面と可動金型(3)の上面によって密着される際、図1(c)に示すようにストロー本体(1)が合成樹脂製のフィルムによって余裕を持たせて包装されていると共に、薄い合成樹脂製のフィルムであるため、密着時に薄い合成樹脂製のフィルムが押圧に従ってずれるか或いは可撓性が発揮され、薄い合成樹脂製のフィルムが破れることがないと考えられる。又、約50万本の実験結果では破れたものが発生しなかった。
【0021】
図2は本発明の別加工方法を示す図であり、これに基づいて説明する。この場合には、予め回転金型(2),(4)の円弧状溝(21),(41)を対向するように配置させ、包装された多数本のストロー本体(1)を、回転金型(2)の円弧状溝(21)によって案内板(6)に沿って送る。そして円弧状溝(21)が真下に来るタイミングに合せて、回転金型(4)が図2(a)に示すように同期して回転され、図2(b)のよう回転金型(2),(4)の円弧状溝(21),(41)が対向すると共に回転金型(2),(4)の表面によって、ストロー本体(1)の側部がはみ出た部分を密着させる。その結果、ストロー本体(1)の側面には断面形状が三角形の突状部(11)が1本形成されるのである。この突状部(11)の加工方法は特開2006−303598と略同じである。更に回転金型(2),(4)が回転されると、突状部(11)が1本形成されたストロー本体(1)は合成樹脂製フィルムに包装されたままの状態で、回転金型(2)の円弧状溝(21)によって案内板(6)に沿って送られて行くのである[図2(c)参照]。又、合成樹脂製のフィルムに包装されているストロー本体(1)が直接に加工出来る理由については上記と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明方法の工程を示す説明図である。
【図2】本発明の別方法の工程を示す説明図である。
【図3】包装された多数本の2段式ストローを示す説明図である。
【図4】本発明の加工用装置の要部を示す説明図である。
【図5】本実施形態の回転金型,鍔,案内板などを正面から見た説明図である。
【図6】本発明の別の加工用装置の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ストロー本体
11 突状部
2,4 回転金型
21,31,41 円弧状溝
3 可動金型
5 鍔
51 溝部
6 案内板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21)の深さが前記ストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2)と、前記円弧状溝(21)と同じ円弧状溝(31)を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型(3)とを用い、合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されたストロー本体(1)を、前記円弧状溝(21)と前記円弧状溝(31)で挟むと共に、前記ストロー本体(1)の側部をはみ出させて突状部(11)が、密封状態で形成されたことを特徴とするストローの側部に形成する突状部の加工方法。
【請求項2】
ストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21),(41)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21),(41)の深さが前記ストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2),(4)を用い、合成樹脂製の薄いフィルムで1本ずつ所定間隔離して密封されたストロー本体(1)を、前記円弧状溝(21)と前記円弧状溝(41)で挟むと共に、前記ストロー本体(1)の側部をはみ出させて突状部(11)が、密封状態で形成されたことを特徴とするストローの側部に形成する突状部の加工方法。
【請求項3】
ストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21)の深さが前記ストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2)と、前記円弧状溝(21)と同じ円弧状溝(31)を1本有した直線移動可能なブロック状の可動金型(3)と、前記円弧状溝(21)と同じ位置で且つ略同じ幅の溝部(51)を外周に多数設けると共に前記回転金型(2)の両面に設けた鍔(5)と、該両鍔(5)の下半円部に沿って配置する案内板(6)とから少なくとも構成し、且つ、前記回転金型(2)と可動金型(3)とによって前記ストロー本体(1)が押圧される際に、前記円弧状溝(21),(31)を対向させることを特徴とするストローの側部に形成する突状部の加工用装置。
【請求項4】
ストロー本体(1)の外周と略同一な曲率とする円弧状溝(21),(41)を、外周壁に所定間隔で多数本設けると共に、該円弧状溝(21),(41)の深さが前記ストロー本体(1)の半径よりも浅いドラム状の回転金型(2),(4)と、前記円弧状溝(21)と同じ位置で且つ略同じ幅の溝部(51)を外周に多数設けると共に前記回転金型(2)の両面に設けた鍔(5)と、該両鍔(5)の下半円部に沿って配置する案内板(6)とから少なくとも構成し、且つ前記回転金型(2),(4)によって前記ストロー本体(1)が押圧される際に、前記円弧状溝(21),(41)を対向させることを特徴とするストローの側部に形成する突状部の加工用装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−248390(P2009−248390A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97030(P2008−97030)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(306039511)
【Fターム(参考)】